JP6369052B2 - 熱安定性アシルCoAシンテターゼ及びその製造方法 - Google Patents

熱安定性アシルCoAシンテターゼ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アシルCoAシンテターゼ(ACS)、より具体的には、遊離脂肪酸にCoAを付加する反応を触媒するACSの特定のアミノ酸を他のアミノ酸に変更することにより、安定性が改良された改変型ACSに関する。更に、本発明は、該改変型ACSをコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該ベクターにより得られる形質転換体、該形質転換体を用いる改変型ACSの製造方法に関する。
ACSは、アデノシン3リン酸(ATP)の存在下、以下の反応式で示されるように、遊離脂肪酸(例えば、パルミチン酸等)をアシルCo−A(例えば、パルミトイルCo−A等)に変換する触媒作用を有し、酵素番号E.C.6.2.1.3として知られている(非特許文献1参照)。
Figure 0006369052
[式中、RCOO-は脂肪酸を、AMPはアデノシン1リン酸を、RCO-SCoAはAcyl-CoAを、PPiはピロリン酸を示す。]
また、ACSは、ラット肝(非特許文献2)や、細菌(非特許文献3)、かび(非特許文献4)、酵母(非特許文献5)などに属する微生物に広く存在することが知られている。種々のACSの中でも、特にシュードモナスス(Pseudomonas)の生産する酵素は物理化学的諸性質がよく知られている(非特許文献6)。また、シュードモナス・フラジ由来のACSが市販されている。
一方、血中の遊離脂肪酸は、例えば糖尿病の疾患において著しい増加がみられる等、その血中濃度の変動を知ることは医学的に重要視されており、臨床検査においては重要な測定項目の一つとなっている。そのため、血中の遊離脂肪酸の測定方法として種々の化学的方法が提案されているが、より正確で簡便な測定方法として、酵素法が一般的になってきている。この酵素法は、遊離の脂肪酸にACSを作用させ、前記反応式で示される反応により生成するアシルCoA、AMP及びPPi等を他の酵素を用いることで測定する方法である。
また、血中の遊離脂肪酸は、脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪(トリグリセリド)がホルモン感受性リパーゼの働きで分解されることによって生じる。あるいは、血清中トリグリセリドが組織へ吸収される際に、リポプロテインリパーゼの作用によって生じるとされている。遊離脂肪酸の大部分は通常アルブミンと結合した状態で血液中に存在し、体内を循環している(非特許文献7参照)。遊離脂肪酸は、糖脂質代謝のシグナル分子として、生体内で重要な役割を果たしており、急性にはインスリン分泌を促進するが、慢性に持続的に存在するとインスリン分泌を抑制することが知られている(非特許文献8参照)。また、遊離脂肪酸はプロテインキナーゼCを活性化し、更にIκBキナーゼ(IKK)やc-jun N末端キナーゼ(JNK)が活性化されることによりインスリン受容体基質のリン酸化を促進する。これにより、インスリンが受容体に結合してもそれ以降のシグナルが伝達されなくなることでインスリン抵抗性を示すようになることが知られている(非特許文献9参照)。血中の遊離脂肪酸の濃度は他の血清脂質に比べて著しく低いが、遊離脂肪酸は代謝的には最も活発な脂質であり、血中の遊離脂肪酸の動態を正確に把握することは、それが生体における糖質や脂質の代謝に基づくエネルギ−状態を微細に反映する。遊離脂肪酸が増加する疾患には、糖尿病、甲状腺機能亢進症、心筋梗塞、Von Gierke病、末端肥大症、急性膵炎、褐色細胞腫、Cushing症候群、冠不全等が知られており、また遊離脂肪酸が減少する疾患には、甲状腺機能低下症、アジソン病、汎下垂体機能低下症、インスリノーマ等が知られており、臨床的にも極めて意味深いものとなっている(非特許文献10参照)。
また、近年、先進国では質量分析器による多項目同時臨床検査による診断が増加している。一方で、発展途上国では質量分析器による臨床検査は費用が高いことから酵素法や色素法のように安価な診断薬が用いられている。発展途上国においては、診断薬の輸送の条件も高温にさらされるなど劣悪な環境での輸送となるため、診断薬用途の酵素は安定性が非常に重要となっている。そのため、血中の遊離脂肪酸を測定する診断薬の開発には、優れた安定性を備えるACSの供給が不可欠となっている。
しかしながら、従来の常温微生物由来のACSは、安定性に欠点があり、そのため、精製時に失活しやすく、更には遊離脂肪酸測定用試薬としてACSを用いたときの保存安定性の低さが問題であった。他の2液系測定試薬の多くが溶液で供給されているのに対し、現在広く用いられている遊離脂肪酸測定試薬は、ACSの溶液安定性の低さから凍結乾燥状態のACSとバッファーが別々に供給されているため、測定前にACSをバッファーに溶解する必要があり、溶解後は長時間の保存ができない。例えば、市販品のシュードモナス・フラジ由来のACSは、pH7.5のリン酸緩衝液中で55℃、10分の熱処理により活性がおよそ半分になってしまう。一方,従来から最適生育温度が常温より著しく高い(65〜80℃)高度好熱性細菌や古細菌から得られる酵素は、一般に保存安定性に優れていることが知られているが、反応至適温度も著しく高いため,臨床検査において常用される温度(30〜37℃)では活性の低下が激しく、断薬用途における実用性に欠けている。また、シュウドモナス・フラジ由来のACSは、基質特異性やpH安定性に優れているものの、耐熱性が低く保存安定性に問題があった(特許文献1)。
特許第3400809号
酵素ハンドブック[第3版]、 朝倉書店、2012年 J.Biol.Chem.,265,8681−8685(1990) J.Biol.Chem.,256(11):5702−7(1981) J.Bacteriol.,150(2):981−3(1982) PNAS,73(2):386−90(1976) J.Biochem.,107(2):184−9(1990) 生化学辞典[第4版]、東京化学同人、2007年 栄養学研究の最前線、建帛社、2008年 Vascul.Pharmacol.,57(2−4):91−7(2012) 日本臨床 53−増−611〜614(1995)
本発明の目的は、優れた安定性を備え、臨床検査において常用される温度(30〜37℃)でも十分活性が示されるACSを提供することである。更に、本発明は、該ACS生産に必要な遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該ベクターにより得られる形質転換体、該形質転換体を用いるACSの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、シュードモナス・フラジ由来のACSのアミノ酸配列において特定のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することにより、常温(30〜37℃)における活性を備えさせつつ、熱安定性や溶液中での安定性を飛躍的に向上させ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 下記(A)〜(C)のいずれかに示すポリペプチド:
(A)配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(B)配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAシンテターゼと比較して安定性が向上しているポリペプチド、
(C)配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が80%以上であり、且つ、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAシンテターゼと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
項2. 次の(1a)〜(20a)の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、請求項1に記載のポリペプチド:
(1a)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目が、アラニン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸に置換、
(2a)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目が、スレオニン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸に置換、
(3a)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目が、非電荷アミノ酸、又は酸性アミノ酸に置換、
(4a)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目が、非電荷アミノ酸に置換、
(5a)配列番号1に示すアミノ酸配列における420番目が、非電荷アミノ酸に置換、
(6a)配列番号1に示すアミノ酸配列における360番目が、非極性アミノ酸に置換、
(7a)配列番号1に示すアミノ酸配列における50番目が、イソロイシン以外の非極性アミノ酸又は塩基性アミノ酸に置換、
(8a)配列番号1に示すアミノ酸配列における53番目が、塩基性アミノ酸、又は非電荷アミノ酸に置換、
(9a)配列番号1に示すアミノ酸配列における105番目が、非極性アミノ酸、又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸に置換
(10a)配列番号1に示すアミノ酸配列における111番目が、アラニン以外の非極性アミノ酸に置換、
(11a)配列番号1に示すアミノ酸配列における118番目が、フェニルアラニン以外の非極性アミノ酸に置換、
(12a)配列番号1に示すアミノ酸配列における222番目が、非電荷アミノ酸に置換、
(13a)配列番号1に示すアミノ酸配列における240番目が、リジン以外の塩基性アミノ酸に置換、
(14a)配列番号1に示すアミノ酸配列における265番目が、非電荷アミノ酸に置換、
(15a)配列番号1に示すアミノ酸配列における423番目が、グルタミン酸に置換、
(16a)配列番号1に示すアミノ酸配列における424番目が、酸性アミノ酸に置換、
(17a)配列番号1に示すアミノ酸配列における460番目が、ロイシン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸に置換、
(18a)配列番号1に示すアミノ酸配列における462番目が、セリン以外の非電荷アミノ酸に置換、
(19a)配列番号1に示すアミノ酸配列における540番目が、塩基性アミノ酸、又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸に置換、及び
(20a)配列番号1に示すアミノ酸配列における542番目が、非極性アミノ酸に置換。
項3. 次の(1a)〜(20a)の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1又は2に記載のポリペプチド:
(1a)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目が、バリンに置換、
(2a)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目が、セリンに置換、
(3a)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目が、グルタミン酸に置換、
(4a)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目が、スレオニンに置換、
(5a)配列番号1に示すアミノ酸配列における420番目が、アスパラギンに置換、
(6a)配列番号1に示すアミノ酸配列における360番目が、ロイシンに置換、
(7a)配列番号1に示すアミノ酸配列における50番目が、ロイシンに置換、
(8a)配列番号1に示すアミノ酸配列における53番目が、アルギニンに置換、
(9a)配列番号1に示すアミノ酸配列における105番目が、バリンに置換
(10a)配列番号1に示すアミノ酸配列における111番目が、プロリンに置換、
(11a)配列番号1に示すアミノ酸配列における118番目が、ロイシンに置換、
(12a)配列番号1に示すアミノ酸配列における222番目が、セリンに置換、
(13a)配列番号1に示すアミノ酸配列における240番目が、アルギニンに置換、
(14a)配列番号1に示すアミノ酸配列における265番目が、グリシンに置換、
(15a)配列番号1に示すアミノ酸配列における423番目が、グルタミン酸に置換、
(16a)配列番号1に示すアミノ酸配列における424番目が、グルタミン酸に置換、
(17a)配列番号1に示すアミノ酸配列における460番目が、イソロイシンに置換、
(18a)配列番号1に示すアミノ酸配列における462番目が、グリシンに置換、
(19a)配列番号1に示すアミノ酸配列における540番目が、リジンに置換、及び
(20a)配列番号1に示すアミノ酸配列における542番目が、アラニンに置換。
項4. 次の(1b)〜(28)に示すアミノ酸置換の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド:
(1b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、118番目、228番目、及び460番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(2b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、460番目、及び462番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(3b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、460番目、及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(4b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、460番目、540番目、541番目、及び542番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(5b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、及び53番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(6b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、50番目、及び111番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(7b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、及び111番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(8b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、118番目、及び222番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(9b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、240番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(10b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、及び420番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(11b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、553番目及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(12b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、240番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(13b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、105番目、240番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(14b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、460番目、及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(15b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、360番目、及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(16b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、240番目、360番目、及び420番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(17b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、118番目、222番目、240番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(18b)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、及び460番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(19b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、及び53番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(20b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(21b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、及び460番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(22b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、420番目、及び460番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(23b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(24b)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、360番目、及び541番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(25b)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目、540番目、542番目、及び553番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(26b)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目、118番目、及び222番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(27b)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目、240番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、並びに
(28b)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目、423番目、及び424番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換。
項5. 次の(1c)〜(28c)に示すアミノ酸置換の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド:
(1c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、118番目がロイシンに置換、228番目がスレオニンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換、
(2c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、460番目がイソロイシンに置換、及び462番目がグリシンに置換、
(3c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、460番目がイソロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換、
(4c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、460番目がイソロイシンに置換、540番目がリジンに置換、541番目がセリンに置換、及び542番目がアラニンに置換、
(5c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、及び53番目がアルギニンに置換、
(6c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、240番目がロイシンに置換、及び111番目がプロリンに置換、
(7c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、及び111番目がプロリンに置換、
(8c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、118番目がロイシンに置換、及び222番目がセリンに置換、
(9c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、240番目がアルギニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、
(10c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、及び420番目がアスパラギンに置換、
(11c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、553番目がアルギニンに置換がグルタミン酸に置換及び541番目がセリンに置換、
(12c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、240番目がアルギニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、
(13c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、105番目がバリンに置換、240番目がアルギニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、
(14c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、460番目がイソロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換、
(15c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、360番目がロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換、
(16c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、240番目がアルギニンに置換、360番目がロイシンに置換、及び420番目がアスパラギンに置換、
(17c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、118番目がロイシンに置換、222番目がセリンに置換、240番目がアルギニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、
(18c)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換、
(19c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、及び53番目がアルギニンに置換、
(20c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、
(21c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換、
(22c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、420番目がアスパラギンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換、
(23c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、及び541番目がセリンに置換、
(24c)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、360番目がロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換、
(25c)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目がセリンに置換、540番目がリジンに置換、542番目がアラニンに置換、及び553番目がアルギニンに置換がグルタミン酸に置換、
(26c)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目がセリンに置換、118番目がロイシンに置換、及び222番目がセリンに置換、
(27c)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目がアルギニンに置換がグルタミン酸に置換、240番目がアルギニンに置換、及び360番目がロイシンに置換、並びに
(28c)配列番号1に示すアミノ酸配列における553番目がアルギニンに置換がグルタミン酸に置換、423番目がグルタミン酸に置換、及び424番目がグルタミン酸に置換。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドをコードしているDNA。
項7. 下記(i)又は(ii)に示すDNAである、項6に記載のDNA。
(i) 配列番号4に示す塩基配列からなるDNA、
(ii) アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAシンテターゼと比較して安定性が向上しているポリペプチドをコードし、且つ配列番号4に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
項8. 項6又は7に記載のDNAを含む組換えベクター。
項9. 項8に記載の組換えベクターにより宿主を形質転換して得られる形質転換体。
項10. 項9に記載の形質転換体を培養する工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
本発明のポリペプチドは、常温(30〜37℃)におけるACS活性を備えつつ、熱安定性や溶液中での保存安定性を備えており、臨床検査や食品分析などの分野において遊離脂肪酸の測定キットやセンサー等に利用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、配列表以外では、アミノ酸配列における20種類のアミノ酸残基は、一文字略記で表現している。即ち、グリシン(Gly)はG、アラニン(Ala)はA、バリン(Val)はV、ロイシン(Leu)はL、イソロイシン(Ile)はI、フェニルアラニン(Phe)はF、チロシン(Tyr)はY、トリプトファン(Trp)はW、セリン(Ser)はS、スレオニン(Thr)はT、システイン(Cys)はC、メチオニン(Met)はM、アスパラギン酸(Asp)はD、グルタミン酸(Glu)はE、アスパラギン(Asn)はN、グルタミン(Gln)はQ、リジン(Lys)はK、アルギニン(Arg)はR、ヒスチジン(His)はH、プロリン(Pro)はPである。
本明細書における「G53R」等の表現は、アミノ酸置換の表記法である。例えば、「G53R」とは、特定のアミノ酸配列におけるN末端側から53番目のアミノ酸Gが、アミノ酸Rに置換されていることを意味する。
また、本明細書における「S228R/M360L」等の表現は、多重変異を意味している。例えば、「S228R/M360L」とは、S228R及びM360Lのアミノ酸置換を同時に導入していることを意味する。
また、本明細書において、「非極性アミノ酸」には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン、及びトリプチファンが含まれる。また、「非電荷アミノ酸」には、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミンが含まれる。また、「酸性アミノ酸」には、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。また、「塩基性アミノ酸」には、リジン、アルギニン、及びヒスチジンが含まれる。
本明細書において、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSを「野生型ACS」と表記することもある。
1.ポリペプチド
本発明のポリペプチドは、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドシュードモナス・フラジ由来のACS、野生型ACS)の変異体であって、ACS活性を有し、野生型ACSよりも熱安定性が向上しているポリペプチドである。
本発明のポリペプチドの一態様として、下記(A)に示すポリペプチドが挙げられる。
(A) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
前記(A)のポリペプチドにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列の528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目において置換するアミノ酸の種類については、特に制限されないが、好適な具体例として、下記の(1a)〜(20a)に示すアミノ酸置換の内、1つ又は複数が導入されているポリペプチドが挙げられる。
(1a)528番目(アラニン)が、アラニン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸;好ましくはアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、又はフェニルアラニン;更に好ましくはバリンへの置換、
(2a)541番目(スレオニン)が、スレオニン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸;好ましくはセリン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、又はプロリン;更に好ましくはセリン、チロシン、又はトリプトファン;特に好ましくはセリンへの置換、
(3a)553番目(アスパラギン酸)が、非電荷アミノ酸又は酸性アミノ酸;好ましくはグルタミン酸又はグルタミン;更に好ましくはグルタミン酸への置換、
(4a)228番目(セリン)が、非電荷アミノ酸;好ましくはアスパラギン、スレオニン又はグルタミン;更に好ましくはスレオニンへの置換、
(5a)420番目(グルタミン酸)が、非電荷アミノ酸;好ましくはアスパラギン、グルタミン、セリン又はスレオニン;更に好ましくはアスパラギンへの置換、
(6a)360番目(メチオニン)が、非極性アミノ酸;好ましくはロイシン、アラニン、又はイソロイシン;更に好ましくはロイシンへの置換、
(7a)50番目(イソロイシン)が、イソロイシン以外の非極性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸;好ましくはロイシン、リジン、又はメチオニン;更に好ましくはロイシンへの置換、
(8a)53番目(グリシン)が、塩基性アミノ酸、又は非電荷アミノ酸;好ましくはアルギニン、リジン又はヒスチジン;更に好ましくはアルギニンへの置換、
(9a)105番目(スレオニン)が、非極性アミノ酸、又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸;好ましくはバリン、グリシン、又はアラニン;更に好ましくはバリンへの置換
(10a)111番目(アラニン)が、アラニン以外の非極性アミノ酸;好ましくはプロリンへの置換、
(11a)118番目(フェニルアラニン)が、フェニルアラニン以外の非極性アミノ酸;好ましくはロイシン、アラニン、又はイソロイシン;更に好ましくはロイシンへの置換、
(12a)222番目(アラニン)が、非電荷アミノ酸;好ましくはセリンへの置換、
(13a)240番目(リジン)が、リジン以外の塩基性アミノ酸;好ましくはアルギニンへの置換、
(14a)265番目(アラニン)が、非電荷アミノ酸;好ましくはグリシンへの置換、
(15a)423番目(アスパラギン酸)が、グルタミン酸への置換、
(16a)424番目(アラニン)が、酸性アミノ酸;好ましくはグルタミン酸への置換、
(17a)460番目(ロイシン)が、ロイシン以外の非極性アミノ酸、非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸;好ましくはイソロイシン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、又はプロリン;更に好ましくはイソロイシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン;特に好ましくはイソロイシンへの置換、
(18a)462番目(セリン)が、セリン以外の非電荷アミノ酸;好ましくはグリシンへの置換、
(19a)540番目(スレオニン)が、塩基性アミノ酸、又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸;好ましくはリジン、グルタミン、又はアルギニン;更に好ましくはリジンへの置換、
(20a)542番目(アスパラギン)が、非極性アミノ酸;好ましくはアラニン、ロイシン又はイソロイシン;更に好ましくはアラニンへの置換。
前記(A)のポリペプチドにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列の528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目の中の少なくとも1つが置換されていればよいが、安定性をより一層向上させるという観点から、好ましくは528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、265番目、460番目、及び462番目の中の少なくとも1つ、より好ましくは528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、及び360番目の中の少なくとも1つ、更に好ましくは528番目、541番目、553番目、228番目、及び420番目の中の少なくとも1つ、最も好ましくは少なくとも528番目が置換されているものが挙げられる。また、前記(A)のポリペプチドの好適な一態様として、配列番号1に示すアミノ酸配列の528番目、228番目、及び460番目の全てが置換されているものが挙げられる。
前記(A)のポリペプチドにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列の528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目の中のアミノ酸残基の1つが置換された変異体であればよいが、これらのアミノ酸残基の2つ以上が置換された多重変異体であってもよい。前記(A)のポリペプチドとして、安定性をより一層効果的に向上させるという観点から、好ましくは下記の(1b)〜(28b)に示す多重変異を有するポリペプチドが挙げられる。
(1b)528番目(アラニン)、118番目(フェニルアラニン)、228番目(セリン)、及び460番目(ロイシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(2b)528番目(アラニン)、228番目(セリン)、460番目(ロイシン)、及び462番目(セリン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(3b)528番目(アラニン)、228番目(セリン)、460番目(ロイシン)、及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(4b)528番目(アラニン)、228番目(セリン)、460番目(ロイシン)、540番目(スレオニン)、541番目(スレオニン)、及び542番目(アスパラギン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(5b)528番目(アラニン)、及び53番目(グリシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(6b)528番目(アラニン)、50番目(イソロイシン)、及び111番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(7b)528番目(アラニン)、及び111番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(8b)528番目(アラニン)、118番目(フェニルアラニン)、及び222番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(9b)528番目(アラニン)、240番目(リジン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(10b)528番目(アラニン)、及び420番目(グルタミン酸)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(11b)528番目(アラニン)、553番目(アスパラギン酸)及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(12b)528番目(アラニン)、228番目(セリン)、240番目(リジン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(13b)528番目(アラニン)、105番目(スレオニン)、240番目(リジン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(14b)528番目(アラニン)、460番目(ロイシン)、及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(15b)528番目(アラニン)、360番目(メチオニン)、及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(16b)528番目(アラニン)、240番目(リジン)、360番目(メチオニン)、及び420番目(グルタミン酸)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(17b)528番目(アラニン)、118番目(フェニルアラニン)、222番目(アラニン)、240番目(リジン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(18b)528番目(アラニン)、228番目(セリン)、及び460番目(ロイシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(19b)228番目(セリン)、及び53番目(グリシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(20b)228番目(セリン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(21b)228番目(セリン)、及び460番目(ロイシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(22b)228番目(セリン)、420番目(グルタミン酸)、及び460番目(ロイシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(23b)228番目(セリン)、及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(24b)228番目(セリン)、360番目(メチオニン)、及び541番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(25b)541番目(スレオニン)、540番目(スレオニン)、542番目(アスパラギン)、及び553番目(アスパラギン酸)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(26b)541番目(スレオニン)、118番目(フェニルアラニン)、及び222番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(27b)553番目(アスパラギン酸)、240番目(リジン)、及び360番目(メチオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(28b)553番目(アスパラギン酸)、423番目(アスパラギン酸)、及び424番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換。
前記(1b)〜(28b)に示す各アミノ酸置換において、置換される他のアミノ酸の種類の具体例については、前記(1a)〜(20a)に示す通りである。
前記(1b)〜(28b)に示すアミノ酸置換の中でも、安定性をより一層向上させるという観点から、好ましくは(1b)〜(4b)及び(12b)〜(18b)のアミノ酸置換、更に好ましくは(1b)〜(4b)のアミノ酸置換、特に好ましくは(1b)のアミノ酸置換が挙げられる。
前記(A)のポリペプチドの好適な具体例として、以下の(1c)〜(28c)に示す多重変異のいずれかを有するポリペプチドが挙げられる:(1c)F118L/S228T/L460I/A528V、(2c)S228T/L460I/S462G/A528V、(3c)S228T/L460I/A528V/T541S、(4c)S228T/L460I/A528V/T540K/T541S/N542A、(5c)G53R/A528V、(6c)I50L/A111P/A528V、(7c)A111P/A528V、(8c)F118L/A222S/A528V、 (9c)K240R/M360L/A528V、(10c)E420N/A528V、 (11c)A528V/D553E/T541S、(12c)S228T/K240R/M360L/A528V、(13c)T105V/K240R/M360L/A528V、(14c)L460I/A528V/T541S、(15c)M360L/A528V/T541S、(16c)K240R/M360L/E420N/A528V、(17c)F118L/A222S/K240R/M360L/A528V、(18c)S228T/L460I/A528V、(19c)G53R/S228T、(20c)S228T/M360L、(21c)S228T/L460I、(22c)S228T/E420N/L460I、(23c)S228T/T541S、(24c)S228T/M360L/T541S、(25c)T540K/T541S/N542A/D553E、(26c)F118L/A222S/T541S、(27c)K240R/M360L/D553E、(28c)D423E/A424E/D553E。
前記(1c)〜(28c)に示すアミノ酸置換の中でも、格段に優れた安定性の向上を実現するという観点から、好ましくは(1c)〜(4c)及び(12c)〜(18c)のアミノ酸置換、更に好ましくは(1c)〜(4c)のアミノ酸置換、特に好ましくは(1c)のアミノ酸置換が挙げられる。
また、本発明のポリペプチドの他の態様として、下記(B)及び(C)に示すポリペプチドが挙げられる。
(B) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、ACS活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
(C) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が80%以上であり、且つ、ACS活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
以下、前記(B)及び(C)のポリペプチドにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目以外のアミノ酸部位を「任意改変部位」と表記することもある。
前記(B)及び(C)のポリペプチドにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列における、528番目、541番目、553番目、228番目、420番目、360番目、50番目、53番目、105番目、111番目、118番目、222番目、240番目、265番目、423番目、424番目、460番目、462番目、540番目、及び542番目の中の少なくとも1つのアミノ酸に導入されるアミノ酸置換の態様、好ましいアミノ酸置換部位等は、前記(A)のポリペプチドの場合と同様である。
前記(B)のポリペプチドの任意改変部位に導入されるアミノ酸の改変は、置換、付加、挿入、および欠失の中から1種類の改変(例えば置換)のみを含むものであってもよく、2種以上の改変(例えば、置換と挿入)を含んでいても良い。前記(B)のポリペプチドにおいて、任意改変部位に置換、付加、挿入又は欠失されるアミノ酸は、1個又は複数個若しくは数個であればよく、例えば1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1又は2個或いは1個が挙げられる。
また、前記(C)のポリペプチドにおける「配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性」は、80%以上であればよいが、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上が挙げられる。
ここで、前記(C)のポリペプチドにおいて「配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性」とは、配列番号1に示すアミノ酸配列から前記任意改変部位のみを抜き出して、当該任意改変部位のみを比較して算出される配列同一性である。また、「配列同一性」とは、BLAST PACKAGE[sgi32 bit edition,Version 2.0.12;available from National Center for Biotechnology Information(NCBI)]のbl2seq program(Tatiana A.Tatsusova,Thomas L.Madden,FEMS Microbiol.Lett.,Vol.174,p247−250,1999)により得られるアミノ酸配列の同一性の値を示す。パラメーターは、Gap insertion Cost value:11、Gap extension Cost value:1に設定すればよい。
また、前記(B)及び(C)のポリペプチドの任意改変部位に導入されるアミノ酸置換は、保存的置換であることが好ましい。即ち、前記任意改変部位における置換としては、例えば、置換前のアミノ酸が非極性アミノ酸であれば他の非極性アミノ酸への置換、置換前のアミノ酸が非荷電性アミノ酸であれば他の非荷電性アミノ酸への置換、置換前のアミノ酸が酸性アミノ酸であれば他の酸性アミノ酸への置換、及び置換前のアミノ酸が塩基性アミノ酸であれば他の塩基性アミノ酸への置換が挙げられる。
前記(B)及び(C)のポリペプチドにおいて、「配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSと比較して耐熱性が向上している」とは、下記条件にて加熱処理を行った場合に、ACS活性の残存率が、同条件で加熱処理を行った野生型ACSのACS活性の残存率よりも高いことを意味する。より具体的には、下記条件にて加熱処理を行った後のACS活性の残存率から、同条件で加熱処理を行った野生型ACSのACS活性の残存率を差し引いた値が0よりも高いことを意味し、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上、一層好ましくは20%以上、より一層好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上であることを意味する。
〔加熱処理条件〕
測定対象となるポリペプチドを10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に添加して、60℃に設定したウォーターバスで5分間インキュベートすることにより加熱処理を行った後に、急冷する。
〔ACSの活性の測定〕
本発明において、ACS活性の測定は、ATP及びCoAの存在下、ACSの作用により生成するアシルCoAを酵素的に測定することにより求められる。即ち、200mMリン酸緩衝液(pH7.5)30μl、10mM ATP(pH7.5に調製)15μl、10mM MgCl2・6H2O 15μl、10mM CoA(pH6.5) 7.5μl、1mMパルミチン酸〔5%(重量%,以下全て同様)トリトンX−100溶液に溶解。〕30μl、及び水52.5μlよりなる反応液(I)に、測定対象となるポリペプチドを所定濃度に希釈した溶液10μlを加えて37℃で10分間反応させる。次に、200mMリン酸緩衝液(pH7.5) 75μl、20mM N−エチルマレイミド15μl、15mM 4アミノアンチピリン45μl、6mM N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン45μl、100U/mlペルオキシダーゼ15μl、120U/mlアシルCoAオキシダーゼ15μl、0.5%NaN3 15μl、及び水75μlよりなる反応液(II)を加えて37℃で更に10分間反応させ、0.5%SDS150μlにより反応を停止させた後、555nmの吸光度を測定する。上記条件で、1分間に1μmoleのパルミトイルCoAを生成する酵素量を1Uとする。
上記で得られた吸光度の値から、下記の計算式に従ってACS活性値を求める。
Figure 0006369052
39.2: 555nmでのキノンジイミンダイのモル吸光係数(cm2/μmole)
1/2: 2モルのH22が1モルのキノンジイミンダイを生じることによる係数
次いで、上記で算出したACS活性値活性値から、下記の計算式に従って、ACS活性値の残存率(%)を求める。
Figure 0006369052
2.DNA
本発明のポリペプチドをコードしているDNA(以下、「本発明のDNA」と表記することもある)は、例えば、変異前の野生型ACS(配列番号1)をコードしているDNAに前記アミノ酸置換が導入されるように変異を導入することにより得ることができる。 また、本発明のDNAは、遺伝子の全合成法によって人工合成することもできる。その際、該DNAの塩基配列におけるコドン利用頻度を、使用する宿主のコドン利用頻度に最適化したDNAを人工合成することもできる。
ここで、野生型ACSをコードしているDNAは、例えば、配列番号2に示す塩基配列として知られており(非特許文献4、特許第4352286号公報の配列表の配列番号2等)シュウドモナス・フラジ(Pseudomonas flagi)菌体からPCRを用いた定法により単離することができる。また、野生型ACSをコードしているDNAは、遺伝子の全合成法によって人工合成することもできる。
また、野生型ACSをコードしているDNAは、配列番号2に示される野生型ACSをコードしている塩基配列から、コドン利用頻度を使用する宿主のコドン利用頻度に最適化したDNAを設計して合成することもできる。例えば、配列番号2に示される野生型ACSをコードしている塩基配列から、コドン利用頻度を大腸菌(Escherichia coli)のコドン利用頻度に最適化した塩基配列として、配列番号3に示される塩基配列が挙げられる。
塩基配列の特定の部位に特定の変異を導入する方法は公知であり、例えばDNAの部位特異的変異導入法等が利用できる。DNA中の塩基を変換する具体的な方法としては、例えば、市販のキット(QuickChange Lightning Site−Directed Mutagenesis kit:Stratagene製、KOD−Plus−Mutagenesis kit:東洋紡製など)の利用等が挙げられる。
このようにして塩基配列に変異を導入したDNAは、DNAシーケンサーを用いて塩基配列を確認することができる。得られた塩基配列については、例えば、DNASIS(日立ソフトエンジニアリング社製)又はGENETIX(ソフトウェア開発社製)等の塩基配列解析ソフトによる解析を行うことにより、DNA中のACS遺伝子のコード領域を特定することができる。
一旦、塩基配列が確定されると、その後は化学合成、クローニングされたプローブを鋳型としたPCR、又は該塩基配列を有するDNA断片をプローブとするハイブリダイゼーションによって、前記ポリペプチドをコードするDNAを得ることができる。
更に、部位特異的突然変異誘発法等によって前記ペプチドをコードするDNAの変異型であって変異前と同等の機能を有するものを合成することができる。なお、前記ペプチドをコードするDNAに変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法、メガプライマーPCR法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。
本発明のDNAの一例として、配列番号4に示す塩基配列が挙げられる。配列番号4に示す塩基配列からなるDNAは、配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニン、460番目がイソロイシン、及び528番目がバリンにそれぞれ置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードしているDNAである。
また、本発明のDNAには、ACS素活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSと比較して安定性が向上しているポリペプチドをコードし、且つ、配列番号4に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが包含される。
ここで、「ストリンジェントな条件下」とは、0.5%SDS、5×デンハルツ〔Denhartz’s、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400〕および100μg/mlサケ精子DNAを含む6×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)中で、50℃〜65℃で4時間〜一晩保温する条件をいう。
ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、具体的には、以下の手法によって行われる。即ち、DNAライブラリー又はcDNAライブラリーを固定化したナイロン膜を作成し、6×SSC、0.5% SDS、5×デンハルツ、100μg/mlサケ精子DNAを含むプレハイブリダイゼーション溶液中、65℃でナイロン膜をブロッキングする。その後、32Pでラベルした各プローブを加えて、65℃で一晩保温する。このナイロン膜を6×SSC中、室温で10分間、0.1%SDSを含む2×SSC中、室温で10分間、0.1%SDSを含む0.2×SSC中、45℃で30分間洗浄した後、オートラジオグラフィーをとり、プローブと特異的にハイブリダイズしているDNAを検出することができる。
更に、本発明のDNAには、ACS活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACSと比較して安定性が向上しているポリペプチドをコードし、且つ配列番( )に示す塩基配列からなるDNAに80%以上の相同性を有するDNAも包含される。当該相同性として、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上が挙げられる。
ここで、DNAの「相同性」とは、BLAST PACKAGE[sgi32 bit edition,Version 2.0.12;available from the National Center for Biotechnology Information(NCBI)]のbl2seq program(Tatiana A. Tatsusova,Thomas L.Madden,FEMS Microbiol.Lett.,Vol.174,247−250,1999)により得られる同一性の値を示す。パラメーターは、Gap insertion Cost value:11、Gap extension Cost value:1に設定すればよい。
本発明のDNAは、コドン利用頻度を宿主に最適化したものが好ましく、コドン利用頻度を大腸菌に最適化させたDNAがより好ましい。
コドン利用頻度を表す指標として、各コドンの宿主最適コドン利用頻度の総計を採択すればよい。最適コドンとは、同じアミノ酸に対応するコドンのうち利用頻度が最も高いコドンと定義される。コドン利用頻度は、宿主に最適化したものであれば特に限定されないが、例えば、大腸菌のコドン利用頻度の一例として以下のものが挙げられる。
F:フェニルアラニン(ttt)、L:ロイシン(ctg)、I:イソロイシン(att)、M:メチオニン(atg)、V:バリン(gtg)、Y:チロシン(tat)、終止コドン(taa)、H:ヒスチジン(cat)、Q:グルタミン(cag)、N:アスパラギン(aat)、K:リジン(aaa)、D:アスパラギン酸(gat)、E:グルタミン酸(gaa)、S:セリン(agc)、P:プロリン(ccg)、T:スレオニン(acc)、A:アラニン(gcg)、C:システイン(tgc)、W:トリプトファン(tgg)、R:アルギニン(cgc)、G:グリシン(ggc)。
3.組換えベクター
本発明のペプチドをコードするDNAを含む組換えベクター(以下、「本発明の組換えベクター」と表記することもある)は、発現ベクターに本発明のDNAを挿入することにより得ることができる。
本発明の組換えベクターには、本発明のDNAに作動可能に連結されたプロモーター等の制御因子が含まれる。制御因子としては、代表的にはプロモーターが挙げられるが、更に必要に応じてエンハンサー、CCAATボックス、TATAボックス、SPI部位等の転写要素が含まれていてもよい。また、作動可能に連結とは、本発明のDNAを調節するプロモーター、エンハンサー等の種々の制御因子と本発明のDNAが、宿主細胞中で作動し得る状態で連結されることをいう。
発現ベクターとしては、宿主内で自律的に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。
ファージとしては、例えば、後述する大腸菌を宿主とする場合には、Lambda gt10、Lambda gt11等が挙げられる。
プラスミドとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、pBR322、pUC18、pUC118、pUC19、pUC119、pTrc99A、pBluescript、及びコスミドであるSuper Cos I等が挙げられる。
宿主としてシュードモナスを用いる場合には、グラム陰性菌用広宿主域ベクターであるRSF1010、pBBR122、及びpCN51等が挙げられる。更に、レトロウイルス及びワクシニアウイルス等の動物ウイルス、並びにバキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
4.形質転換体
本発明の組換えベクターを用いて宿主を形質転換することによって形質転換体(以下、「本発明の形質転換体」と表記することもある)が得られる。
形質転換体の製造に使用される宿主としては、組換えベクターが安定であり、且つ自律増殖可能で外来性遺伝子の形質を発現できるのであれば特に制限されないが、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属等に属する細菌;酵母;COS細胞等の動物細胞;Sf9等の昆虫細胞;アブラナ科等に属する植物体全体、植物器官(例えば、葉、花弁、茎、根及び種子等)、植物組織(例えば、表皮、師部、柔組織、木部および維管束等)、植物培養細胞等が挙げられる。これらの中でも大腸菌が好ましく、大腸菌DH5α、大腸菌BL21及び大大腸菌JM109がより好ましい。
本発明の形質転換体は、宿主に本発明の組換えベクターを導入することによって得ることができ、宿主に組換えベクターを導入する条件は、宿主の種類等に応じて適宜設定すればよい。宿主が細菌の場合であれば、例えば、カルシウムイオン処理によるコンピテントセル用いる方法及びエレクトロポレーション法等が挙げられる。宿主が酵母の場合であれば、例えば、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、スフェロプラスト法及び酢酸リチウム法等が挙げられる。宿主が動物細胞の場合であれば、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法及びリポフェクション法等が挙げられる。宿主が昆虫細胞の場合であれば、例えば、リン酸カルシウム法、リポフェクション法及びエレクトロポレーション法等が挙げられる。宿主が植物胞の場合であれば、例えば、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法及びPEG法等が挙げられる。
本発明の組換えベクターが宿主に組み込まれたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法およびノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。
PCR法よって本発明の組換えベクターが宿主に組み込まれたか否かを確認する場合、例えば、形質転換体から組換えベクターを分離・精製すればよい。
組換えベクターの分離・精製は、例えば、宿主が細菌の場合、細菌を溶菌して得られる溶菌物に基づいて行われる。溶菌の方法としては、例えばリゾチームなどの溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテアーゼ及び他の酵素並びにラウリル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤が併用される。
更に、凍結融解およびフレンチプレス処理のような物理的破砕方法を組み合わせてもよい。溶菌物からのDNAの分離・精製は、例えば、フェノール処理およびプロテアーゼ処理による除蛋白処理、リボヌクレアーゼ処理、アルコール沈殿処理並びに市販のキットを適宜組み合わせることにより行うことができる。
DNAの切断は、常法に従い、例えば制限酵素処理を用いて行うことができる。制限酵素としては、例えば特定のヌクレオチド配列に作用するII型制限酵素を用いる。DNAと発現ベクターとの結合は、例えばDNAリガーゼを用いて行う。
その後、分離・精製したDNAを鋳型として、本発明のDNAに特異的なプライマーを設計してPCRを行う。PCRにより得られた増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウムおよびSYBR Green液等により染色し、そして増幅産物をバンドとして検出することにより、形質転換されたことを確認することができる。
また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光および酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用してもよい。
4.ポリペプチドの製造
本発明のポリペプチドは、本発明の形質転換体を培養することによって製造することができる。
本発明の形質転換体の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよいが、好ましくは液体培養が挙げられる。工業的には通気攪拌培養を行うのが有利である。
培地の栄養源としては、形質転換体の生育に必要とされるものが使用され得る。炭素源としては、資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グルコース、シュークロース、ラクトース、マルトース、糖蜜、ピルビン酸等が挙げられる。
窒素源としては、資化可能な窒素化合物であればよく、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物が挙げられる。
炭素源及び窒素源の他に、例えば、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガンおよび亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸並びに特定のビタミンなどを必要に応じて使用してもよい。
培養温度は、本発明の形質転換体が生育可能であり、且つ本発明の形質転換体が本発明のポリペプチドを産生する範囲で適宜設定し得るが、好ましくは15〜37℃程度である。培養は、本発明のポリペプチドが最高収量に達する時期を見計らって適当時期に完了すればよく、通常は培養時間が12〜48時間程度である。
培地のpHは、宿主が発育し、宿主が変異型ACSを産生する範囲で適宜変更し得るが、好ましくはpH5.0〜9.0程度の範囲である。
本発明の形質転換体を培養し、培養液を遠心分離などの方法により培養上清または菌体を回収し、菌体は超音波およびフレンチプレスといった機械的方法又はリゾチーム等の溶菌酵素により処理を施し、必要に応じてプロテアーゼ等の酵素やラウリル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤を使用することにより可溶化し、本発明のポリペプチドを含む水溶性画分を得ることができる。
また、適当な発現ベクターと宿主を選択することにより、発現した本発明のポリペプチドを培養液中に分泌させることもできる。
上記のようにして得られた本発明のポリペプチドを含む水溶性画分は、そのまま精製処理に供してもよいが、該水溶性画分中の本発明のポリペプチドを濃縮した後に精製処理に供してもよい。
濃縮は、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、塩析処理、親水性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノールおよびアセトン)による分別沈殿法等により行うことができる。
本発明のポリペプチドの精製処理は、例えば、ゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等の方法を適宜組み合わせることによって行うことができる。
前記精製処理は既に公知であり、適当な文献、雑誌および教科書等を参照することで進めることができる。このようにして精製された本発明のポリペプチは、必要に応じて、凍結乾燥、真空乾燥、スプレードライ等により粉末化して市場に流通させることができる。
次に、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
実施例1:組換えベクターの作製及び形質転換体の調製
公知のシュウドモナス・フラジ(Pseudomonas fragi)由来ACS遺伝子配列(特許第3400809号)をもとに、大腸菌での発現に最適化された塩基配列(配列番号3;配列番号1に示すアミノ酸配列からなる野生型ACSをコード)からなるACS遺伝子を合成した(オペロンバイオテクノロジー社)。ACS合成遺伝子は、設計配列の5'側にEcoRI認識配列が、3'側にSalI認識配列が付加されており、pBluescriptIISK(+)のSmaIサイトに挿入された状態であった。このACS合成遺伝子を制限酵素EcoRI(宝酒造社製)及び制限酵素SalI(宝酒造社製)にて切断した。同様に、プラスミドベクターpTrc99aも同じ制限酵素にて切断した。両者をアガロースゲル電気泳動により分離し、目的のDNA断片をGenElute Gel Extraction Kit(SIGMA−ALDRICH社製)を用いて回収した。次いでこれらのDNA断片をLigationhighキット(東洋紡績製)にて16℃で15分間反応させて連結し、シュードモナス・フラジ由来のACS遺伝子を含む組換えベクターを得た。
その後、組換えベクターをEscherichia coli DH5αのコンピテントセル(東洋紡績製)に導入し、100μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布後、37℃で終夜培養して形質転換体を取得した。この形質転換体からプラスミド抽出を行い、精製し、組換えベクターを取得した。得られた組換ベクターは、ACS遺伝子本来の開始コドンの前に開始コドンを有するため、ACS遺伝子のN末端に余分なアミノ酸配列が付加されてしまう。そこで、得られた組換ベクターを鋳型にQuickChange T M Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行うことにより余分な配列を削除した。PCRに使用したプライマーの塩基配列は、配列番号5(Forward Primer)及びその相補的な配列(Reverse Primer)である。PCR反応は、熱変性98℃で10秒、アニール53℃で15秒、伸長反応72℃で4分を12サイクル行った。得られたPCR産物をDpnIで制限酵素処理することにより鋳型DNAを切断した後、Escherichia coli DH5αのコンピテントセル(東洋紡績製)に導入し、前記と同様の方法により形質転換体を取得した。この形質転換体からプラスミド抽出を行い、精製し、組換えベクターを取得した。取得した組換えベクターが設計通りに作製できているかをシーケンシングにより確認した。これにより得られた組換えベクターをpTrc−ACSと命名した。更に、pTrc−ACSをEscherichia coli BL21のコンピテントセルに導入し、形質転換体を得た。
実施例2:変異型ACSの発現用組換えベクターの作製
野生型ACSをコードするDNAを含む組換えプラスミドpTrc−ACS、表1に示す合成オリゴヌクレオチド(変位導入プライマー)、当該合成オリゴヌクレオチドと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、QuickChange T M Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行った。以上の操作を繰り返し、複数の変異を有する変異型ACS酵素をコードする組換えプラスミド(pTrc−ACS1〜44)を取得した。表2−1及び2−2に作成した変異体ACS−1〜44と変異部位の詳細を示す。
Figure 0006369052
Figure 0006369052
Figure 0006369052
pTrc−ACS及びpTrc−ACS1〜44を大腸菌BL21に導入した形質転換体を用いて、以下の方法で野生型ACS及びACS変異体を発現させ、野生型ACS及びACS変異体を得た。
先ず、前記44種の形質転換体を100μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレート培地で培養してコロニーを形成させた。それぞれの形質転換体の単一コロニーを100μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地2mlに植菌し、37℃で振とう培養した。その後、終濃度0.5mMになるようにIPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)を加え、37℃で4時間振とう培養し、菌液を回収した。回収した菌液を遠心分離し、それぞれの変異体酵素を発現させた大腸菌を回収した。
次いで、大腸菌を500μLのリン酸緩衝液(pH 7.5)に懸濁し、超音波により破砕した。破砕液を遠心分離(10000×g、10分)して上清を回収し、野生型ACS又はACS変異体を含む上清を得た。後述する実施例3では、該上清用いて安定性の評価を行った。
実施例3:野生型ACS及びACS変異体の安定性評価
(3−1)ACS変異体の耐熱性の評価1
実施例2で得られた上清(野生型ACS又はACS変異体含有)を1.5mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを60℃に調節したウォーターバスに投入し、5分間、熱処理した。熱処理終了後、該プラスチックチューブを氷水に投入して急冷した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後の残存活性(%)を算出し、安定性の指標とした。
得られた結果を表3に示す。この結果から、変異体1〜16のACSは、野生型ACSに比べて安定性が向上していることが確認された。単変異の導入では、S228T、E420N、A528V、D553E、及びT541Sで特に安定性の向上が認められた。
Figure 0006369052
(3−2)ACS変異体の耐熱性の評価2
(3−1)で安定化に大きく寄与したS228T、A528V、T541S、及びD553Eに変異をかけ合わせることでさらに安定化するかを調べた。実施例2で得られた上清(野生型ACS又はACS変異体含有)を1.5mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを60℃に調節したウォーターバスに投入し、10分間、熱処理した。熱処理終了後、該プラスチックチューブを氷水に投入して急冷した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後の残存活性(%)を算出し、安定性の指標とした。
得られた結果を表4に示す。この結果から、変異体17〜33のACSは、野生型ACSに比べて安定性が格段に向上していることが確認された。この結果から、(3−1)で安定性に寄与した変異を複数組み合わせることで、さらに安定性を向上させることが可能であることが明らかになった。また、変異体17〜33のACSは、配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目、228番目、541番目、及び/又は553番目のアミノ酸が置換されていることから、該アミノ酸の置換が安定性の向上に大きく関与していることも明らかになった。
Figure 0006369052
(3−3)ACS変異体の耐熱性の評価3
実施例2で得られた上清(野生型ACS又はACS変異体含有)を1.5mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを60℃に調節したウォーターバスに投入し、15分間、熱処理した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後の残存活性(%)を算出し、安定性の指標とした。
得られた結果を表5に示す。この結果から、変異体34〜40のACSは、野生型ACS及び(3−2)で安定化の認められたE420N/A528Vに比べて安定性が格段に向上していることが確認された。
Figure 0006369052
(3−4)ACS変異体の耐熱性の評価4
実施例2で得られた上清(野生型ACS又はACS変異体含有)を1.5mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを60℃に調節したウォーターバスに投入し、18分間、熱処理した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後の残存活性(%)を算出し、安定性の指標とした。
得られた結果を表6に示す。この結果から、変異体41〜44のACSは、野生型ACS及び(3−3)で安定化の認められた変異体40のS228T/L460I/A528Vに比べて安定性が格段に向上していることが確認された。また、変異体41〜44のACSは、いずれも、配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目、460番目および528番目のアミノ酸が置換を有していることから、228番目、460番目および528番目のアミノ酸置換を少なくとも含む多重変異が、ACSの安定性の向上の上で、特に有効であることが明らかになった。
Figure 0006369052

Claims (12)

  1. 次の(1)のアミノ酸置換と、次の(2)から(5)から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換と、が導入されており、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上しているポリペプチド:
    (1)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、360番目がロイシンに置換、及び240番目がアルギニンに置換、
    (2)配列番号1に示すアミノ酸配列における228番目がスレオニンに置換、
    (3)配列番号1に示すアミノ酸配列における105番目がバリンに置換、
    (4)配列番号1に示すアミノ酸配列における420番目がアスパラギンに置換、
    (5)配列番号1に示すアミノ酸配列における118番目がロイシンに置換、及び222番目がセリンに置換。
  2. 配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、460番目がイソロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換されており、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上しているポリペプチド。
  3. 配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、360番目がロイシンに置換、及び541番目がセリンに置換されており、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上しているポリペプチド。
  4. 配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換されており、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上しているポリペプチド。
  5. 次の(6)のアミノ酸置換と、次の(7)から(10)から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換と、が導入されており、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上しているポリペプチド:
    (6)配列番号1に示すアミノ酸配列における528番目がバリンに置換、228番目がスレオニンに置換、及び460番目がイソロイシンに置換、
    (7)配列番号1に示すアミノ酸配列における118番目がロイシンに置換、
    (8)配列番号1に示すアミノ酸配列における462番目がグリシンに置換、
    (9)配列番号1に示すアミノ酸配列における541番目がセリンに置換、
    (10)配列番号1に示すアミノ酸配列における540番目がリシンに置換、541番目がセリンに置換、及び542番目がアラニンに置換。
  6. 上記アミノ酸置換がされたアミノ酸配列において、上記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上している請求項1から5のいずれかに記載のポリペプチド。
  7. 上記アミノ酸置換がされたアミノ酸配列において、配列番号1に示すアミノ酸配列に対する上記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が90%以上であり、且つ、アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1の示すアシルCoAシンテターゼ活性酵素と比較して熱安定性が向上している請求項1から5のいずれかに記載のポリペプチド。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のポリペプチドをコードしているDNA。
  9. 下記(i)又は(ii)に示すDNAである、請求項8に記載のDNA 。
    (i) 配列番号4に示す塩基配列からなるDNA 、
    (ii) アシルCoAシンテターゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAシンテターゼと比較して熱安定性が向上しているポリペプチドをコードし、且つ配列番号4に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA 。
  10. 請求項8又は9に記載のDNAを含む組換えベクター。
  11. 請求項10に記載の組換えベクターにより宿主を形質転換して得られる形質転換体。
  12. 請求項11に記載の形質転換体を培養する工程を含む、請求項1から7のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
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