JP6398313B2 - 熱安定性アシルCoAオキシダーゼ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ACODを用いて血清中の遊離脂肪酸を測定する原理は以下の通りである。血清中に、コエンザイムA(CoA)、アデノシン3リン酸(ATP)及びアシルCoAシンターゼ等を含有する第一試薬を添加し、血清中の遊離脂肪酸からアシルCoAを生成させる(第1反応)。これにアシルCoAオキシダーゼを含有する第二試薬を添加すると、アシルCoAが酸化されて過酸化水素が発生する(第2反応)。第二試薬にペルオキシダーゼと発色試薬を共存させると、発生する過酸化水素により発色するので、これを測定することにより遊離脂肪酸を定量できる。以下に反応式を示す。
項1. 下記(A)〜(C)のいずれかに示すポリペプチド:
(A)配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(B)配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、アシルCoAオキシダーゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAオキシダーゼと比較して安定性が向上しているポリペプチド、
(C)配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が80%以上であり、且つ、アシルCoAオキシダーゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAオキシダーゼと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
項2. 次の(1a)〜(15a)の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1に記載のポリペプチド:
(1a)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目が、非電荷アミノ酸、アスパラギン酸以外の酸性アミノ酸、非極性アミノ酸又は塩基性アミノ酸に置換、
(2a)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目が、非電荷アミノ酸又は非極性アミノ酸に置換、
(3a)配列番号1に示すアミノ酸配列における459番目が、非電荷アミノ酸、アラニン以外の非極性アミノ酸又は塩基性アミノ酸に置換、
(4a)配列番号1に示すアミノ酸配列における421番目が、非電荷アミノ酸又はアラニン以外の非極性アミノ酸に置換、
(5a)配列番号1に示すアミノ酸配列における360番目が、塩基性アミノ酸又は非極性アミノ酸に置換、
(6a)配列番号1に示すアミノ酸配列における614番目が、非電荷アミノ酸、アルギニン以外の塩基性アミノ酸又は非極性アミノ酸に置換、
(7a)配列番号1に示すアミノ酸配列における439番目が、非極性アミノ酸、チロシン以外の非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸に置換、
(8a)配列番号1に示すアミノ酸配列における557番目が、塩基性アミノ酸、非電荷アミノ酸又は非極性アミノ酸に置換
(9a)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目が、非極性アミノ酸に置換、
(10a)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目が、トリプトファン以外の非極性アミノ酸に置換、
(11a)配列番号1に示すアミノ酸配列における253番目が、イソロイシン以外の非極性アミノ酸に置換、
(12a)配列番号1に示すアミノ酸配列における325番目が、塩基性アミノ酸又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸に置換、
(13a)配列番号1に示すアミノ酸配列における349番目が、非電荷アミノ酸又はアルギニン以外の塩基性アミノ酸に置換、
(14a)配列番号1に示すアミノ酸配列における398番目が、非電荷アミノ酸に置換、
(15a)配列番号1に示すアミノ酸配列における588番目が、非極性アミノ酸に置換。
項3. 次の(1a)〜(23a)の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1又は2に記載のポリペプチド:
(1a)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目が、システインに置換、
(2a)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目が、アスパラギンに置換、
(3a)配列番号1に示すアミノ酸配列における459番目が、スレオニンに置換、
(4a)配列番号1に示すアミノ酸配列における421番目が、グルタミンに置換、
(5a)配列番号1に示すアミノ酸配列における360番目が、リジンに置換、
(6a)配列番号1に示すアミノ酸配列における614番目が、チロシンに置換、
(7a)配列番号1に示すアミノ酸配列における439番目が、フェニルアラニンに置換、
(8a)配列番号1に示すアミノ酸配列における557番目が、ヒスチジンに置換
(9a)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目が、バリンに置換、
(10a)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目が、フェニルアラニンに置換、
(11a)配列番号1に示すアミノ酸配列における253番目が、バリンに置換、
(12a)配列番号1に示すアミノ酸配列における325番目が、アルギニンに置換、
(13a)配列番号1に示すアミノ酸配列における349番目が、スレオニンに置換、
(14a)配列番号1に示すアミノ酸配列における398番目が、グリシンに置換、
(15a)配列番号1に示すアミノ酸配列における588番目が、プロリンに置換。
項4. 次の(1b)〜(23b)に示すアミノ酸置換の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド:
(1b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、164番目、及び459番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(2b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、164番目、及び349番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(3b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、164番目、及び325番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(4b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、164番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(5b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び164番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(6b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び459番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(7b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び360番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(8b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び421番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(9b)配列番号1に示すアミノ酸配列における614番目が、他のアミノ酸に置換、
(10b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び253番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(11b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び557番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(12b)配列番号1に示すアミノ酸配列における439番目が、他のアミノ酸に置換、
(13b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び122番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(14b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び349番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(15b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び398番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(16b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目、及び103番目が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(17b)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目が、他のアミノ酸に置換、
(18b)配列番号1に示すアミノ酸配列における421番目が、他のアミノ酸に置換、
(19b)配列番号1に示すアミノ酸配列における349番目が、他のアミノ酸に置換、
(20b)配列番号1に示すアミノ酸配列における588番目が、他のアミノ酸に置換、
(21b)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目が、他のアミノ酸に置換、
(22b)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目が、他のアミノ酸に置換、
(23b)配列番号1に示すアミノ酸配列における253番目が、他のアミノ酸に置換。
項5. 次の(1c)〜(14c)に示すアミノ酸置換の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されている、項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド:
(1c)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び459番目がスレオニンに置換、
(2c)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び349番目がスレオニンに置換、
(3c)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び325番目がアルギニンに置換、
(4c)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び360番目がリジンに置換、
(5c)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(6c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び459番目がスレオニンに置換、
(7c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び360番目がリジンに置換、
(8c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び421番目がグルタミンに置換、
(9c)配列番号1に示すアミノ酸配列における614番目がチロシンに置換、
(10c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び253番目がバリンに置換
(11c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び557番目がヒスチジンに置換、
(12c)配列番号1に示すアミノ酸配列における439番目がフェニルアラニンに置換、
(13c)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目がフェニルアラニンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(14c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び349番目がスレオニンに置換、
(15c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び398番目がグリシンに置換。
(16c)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目がバリンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(17c)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、
(18c)配列番号1に示すアミノ酸配列における421番目(アラニン)がグルタミンに置換、
(19c)配列番号1に示すアミノ酸配列における349番目がスレオニンに置換、
(20c)配列番号1に示すアミノ酸配列における588番目がプロリンに置換、
(21c)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目がフェニルアラニンに置換、
(22c)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目がバリンに置換、
(23c)配列番号1に示すアミノ酸配列における253番目がバリンに置換。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドをコードしているDNA。
項7. 下記(i)又は(ii)に示すDNAである、項6に記載のDNA。
(i) 配列番号4に示す塩基配列からなるDNA、
(ii) アシルCoAオキシダーゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACODと比較して安定性が向上しているポリペプチドをコードし、且つ配列番号4に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
項8. 項6又は7に記載のDNAを含む組換えベクター。
項9. 項8に記載の組換えベクターにより宿主を形質転換して得られる形質転換体。
項10. 項9に記載の形質転換体を培養する工程を含む、項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
本発明のポリペプチドは、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド(アルスロバクター・グロビフォルミス由来のACOD、野生型ACOD)の変異体であって、ACOD活性を有し、野生型ACODよりも熱安定性が向上しているポリペプチドである。
(A) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(1a)244番目(アスパラギン酸)が、非電荷アミノ酸、アスパラギン酸以外の酸性アミノ酸、非極性アミノ酸又は塩基性アミノ酸;好ましくはセリン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、スレオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、又はプロリン;更に好ましくはセリン、システイン、又はイソロイシン;特に好ましくはシステインへの置換、
(2a)164番目(アスパラギン酸)が、非電荷アミノ酸又は非極性アミノ酸;好ましくはアスパラギン、スレオニン又はトリプトファン;更に好ましくはアスパラギンへの置換、
(3a)459番目(アラニン)が、非電荷アミノ酸、アラニン以外の非極性アミノ酸、又は塩基性アミノ酸;好ましくはセリン、スレオニン、バリン、フェニルアラニン、リジン又はヒスチジン;更に好ましくはスレオニンへの置換、
(4a)421番目(アラニン)が、非電荷アミノ酸又はアラニン以外の非極性アミノ酸;好ましくはアスパラギン、チロシン又はグルタミン;更に好ましくはグルタミンへの置換、
(5a)360番目(スレオニン)が、塩基性アミノ酸又は非極性アミノ酸;好ましくはリジン、アルギニン、ロイシン又はイソロイシン;更に好ましくはリジンへの置換、
(6a)614番目(アルギニン)が、非電荷アミノ酸、アルギニン以外の塩基性アミノ酸又は非極性アミノ酸;好ましくはグリシン、システイン、チロシン、リジン、アラニン又はトリプトファン;更に好ましくはチロシンへの置換、
(7a)439番目(チロシン)が、非極性アミノ酸、チロシン以外の非電荷アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸;好ましくはロイシン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、又はアスパラギン酸;更に好ましくはフェニルアラニンへの置換、
(8a)557番目(グルタミン酸)が、塩基性アミノ酸、非電荷アミノ酸又は非極性アミノ酸;好ましくはアルギニン、ヒスチジン、セリン、又はアラニン;更に好ましくはヒスチジンへの置換、
(9a)103番目(グリシン)が、非極性アミノ酸;好ましくはバリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニン;更に好ましくはバリンへの置換
(10a)122番目(トリプトファン)が、トリプトファン以外の非極性アミノ酸;好ましくはフェニルアラニン、ロイシン又はイソロイシン;更に好ましくはフェニルアラニンへの置換、
(11a)253番目(イソロイシン)が、イソロイシン以外の非極性アミノ酸;好ましくはバリンへの置換、
(12a)325番目(スレオニン)が、塩基性アミノ酸又はスレオニン以外の非電荷アミノ酸;好ましくはアルギニン、ヒスチジン又はグリシン;更に好ましくはアルギニンへの置換、
(13a)349番目(アルギニン)が、非電荷アミノ酸又はアルギニン以外の塩基性アミノ酸;好ましくはセリン、スレオニン、チロシン又はリジン;更に好ましくはスレオニンへの置換、
(14a)398番目(アラニン)が、非電荷アミノ酸;好ましくはグリシンへの置換、
(15a)588番目(スレオニン)が、非極性アミノ酸;好ましくはバリン、ロイシン、イソロイシン又はプロリン;更に好ましくはプロリンへの置換。
(1b)244番目(アスパラギン酸)、164番目(アスパラギン酸)及び459番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(2b)244番目(アスパラギン酸)、164番目(アスパラギン酸)及び349番目(アルギニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(3b)244番目(アスパラギン酸)、164番目(アスパラギン酸)及び325番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(4b)244番目(アスパラギン酸)、164番目(アスパラギン酸)及び360番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(5b)244番目(アスパラギン酸)及び164番目(アスパラギン酸)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(6b)244番目(アスパラギン酸)及び459番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(7b)244番目(アスパラギン酸)及び360番目(スレオニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(8b)244番目(アスパラギン酸)及び421番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(9b)614番目(アルギニン)が、他のアミノ酸に置換、
(10b)244番目(アスパラギン酸)及び253番目(イソロイシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(11b)244番目(アスパラギン酸)及び557番目(グルタミン酸)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(12b)439番目(チロシン)が、他のアミノ酸に置換、
(13b)244番目(アスパラギン酸)及び122番目(トリプトファン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(14b)244番目(アスパラギン酸)及び349番目(アルギニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(15b)244番目(アスパラギン酸)及び398番目(アラニン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(16b)244番目(アスパラギン酸)及び103番目(グリシン)が、それぞれ他のアミノ酸に置換、
(17b)244番目(アスパラギン酸)が、他のアミノ酸に置換、
(17b)421番目(アラニン)が、他のアミノ酸に置換、
(18b)349番目(アルギニン)が、他のアミノ酸に置換、
(20b)588番目(スレオニン)が、他のアミノ酸に置換、
(21b)122番目(トリプトファン)が、他のアミノ酸に置換、
(22b)103番目(グリシン)が、他のアミノ酸に置換、
(23b)253番目(イソロイシン)が、他のアミノ酸に置換。
(B) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、ACOD活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACODと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
(C) 配列番号1に示すアミノ酸配列における、244番目、164番目、459番目、421番目、360番目、614番目、439番目、557番目、103番目、122番目、253番目、325番目、349番目、398番目及び588番目よりなる群から選択される少なくとも1つアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が80%以上であり、且つ、ACOD活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるACODと比較して安定性が向上しているポリペプチド。
測定対象となるポリペプチドを10μM FADを含む20 mM KP Buffer(pH7.5)に添加して、55℃に設定したウォーターバスで5分間インキュベートすることにより加熱処理を行った後に、急冷する。
測定対象となるポリペプチドを10μM FADを含む20 mM KP Buffer(pH7.5)に添加して、55℃に設定したウォーターバスで10分間インキュベートすることにより加熱処理を行った後に、急冷する。
測定対象となるポリペプチドを3mM ATP、10μM FADを含む50mM BES Buffer(pH7.0)に、2U/mlになるように希釈して37℃のインキュベーター内で31日間保存する。
本発明において、ACOD活性の測定は、パルミトイル‐CoAの存在下、ACODの作用により生成する過酸化水素を酵素的に測定することにより求められる。即ち、200mMリン酸緩衝液(pH7.5)90μl、15mM 4−アミノアンチピリン45μl、6mM N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン45μl、50U/mlペルオキシダーゼ45μl、1%(重量%,以下全て同様)トリトンX−100溶液45μl、5mMパルミトイル‐CoA溶液45μl、水135μlよりなる反応液を37℃に5分置いた後に、測定対象となるポリペプチドを所定濃度に希釈した溶液10μlを加えて37℃で5分間反応させ、0.5%SDS150μlにより反応を停止させた後、555nmの吸光度を測定する。上記条件で、1分間に1μmoleのH2O2を生成する酵素量を1Uとする。
本発明のポリペプチドをコードしているDNA(以下、「本発明のDNA」と表記することもある)は、例えば、変異前の野生型ACOD(配列番号1)をコードしているDNAに前記アミノ酸置換が導入されるように変異を導入することにより得ることができる。また、本発明のDNAは、遺伝子の全合成法によって人工合成することもできる。その際、該DNAの塩基配列におけるコドン利用頻度を、使用する宿主のコドン利用頻度に最適化したDNAを人工合成することもできる。
F:フェニルアラニン(ttt)、L:ロイシン(ctg)、I:イソロイシン(att)、M:メチオニン(atg)、V:バリン(gtg)、Y:チロシン(tat)、終止コドン(taa)、H:ヒスチジン(cat)、Q:グルタミン(cag)、N:アスパラギン(aat)、K:リジン(aaa)、D:アスパラギン酸(gat)、E:グルタミン酸(gaa)、S:セリン(agc)、P:プロリン(ccg)、T:スレオニン(acc)、A:アラニン(gcg)、C:システイン(tgc)、W:トリプトファン(tgg)、R:アルギニン(cgc)、G:グリシン(ggc)。
本発明のペプチドをコードするDNAを含む組換えベクター(以下、「本発明の組換えベクター」と表記することもある)は、発現ベクターに本発明のDNAを挿入することにより得ることができる。
本発明の組換えベクターを用いて宿主を形質転換することによって形質転換体(以下、「本発明の形質転換体」と表記することもある)が得られる。
本発明のポリペプチドは、前記形質転換体を培養することによって製造することができる。
公知のアルスロバクター・グロビフォルミス(Althrobacter globiformis NBRC 12137)由来ACOD遺伝子配列(配列番号2)を、ゲノムDNAを元に、5'末端にXbaI認識配列を付加したフォワードプライマー(配列番号5)及び3'末端にHindIII認識配列を付加したリバースプライマー(配列番号6)を用いてPCRにより目的遺伝子を増幅した。精製したACOD遺伝子及びプラスミドベクターpTrc99aを制限酵素XbaI(宝酒造社製)及び制限酵素HindIII(宝酒造社製)にてそれぞれ切断し、両者をアガロースゲル電気泳動により分離して目的のDNA断片をGenElute Gel Extraction Kit(SIGMA−ALDRICH社製)を用いて回収した。次いでこれらのDNA断片をLigationhighキット(東洋紡績製)にて16℃で15分間反応させて連結し、アルスロバクター・グロビフォルミス由来のACOD遺伝子を含む組換えベクターを得た。
野生型ACODをコードするDNAを含む組換えプラスミドpTrc−ACOD、表1に示す合成オリゴヌクレオチド(変位導入プライマー)、当該合成オリゴヌクレオチドと相補的な合成オリゴヌクレオチドを基に、QuickChange T M Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行った。以上の操作を繰り返し、複数の変異を有する変異型ACOD酵素をコードする組換えプラスミド(pTrc−ACOD1〜23)を取得した。表2に、作成した変異体ACOD−1〜23と変異部位の詳細を示す。
(2−1)野生型ACOD及びACOD変異体の大量発現
前記pTrc−ACOD及びpTrc−ACOD1〜23を用いて大腸菌DH5αを形質転換した形質転換体を培養することにより、野生型ACOD及びACOD変異体を大量発現させた。
前記で得られた組換え大腸菌の菌体に、30mLの20mM リン酸緩衝液(pH7.5)を添加して菌体を懸濁し、超音波破砕機により菌体を破砕した。破砕液を15,000×gで30分間、遠心して破砕液上清を得た。
(3−1)ACOD変異体の耐熱性の評価1
実施例1で得られた破砕液(野生型ACOD又はACOD変異体含有)を0.2mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを55℃に調節したウォーターバスに投入し、5分間、熱処理した。熱処理終了後、該プラスチックチューブを氷水に投入して急冷した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後のACOD活性の残存率(%)を算出し、安定性の指標とした。
実施例1で得られた破砕液(ACS変異体含有)を0.2mLのプラスチックチューブに50μLずつ分注し、該プラスチックチューブを55℃に調節したウォーターバスに投入し、10分間、熱処理した。熱処理前後の活性を上述の方法により求め、熱処理前の活性値を100としたときの熱処理後のACOD活性の残存率(%)を算出し、安定性の指標とした。
実施例2で得られた精製酵素(野生型ACOD又はACOD変異体)を3mM ATP、10μM FADを含む50mM BES Buffer(pH7.0)に、2U/mlになるように希釈した。この酵素溶液を37℃で保存し、保存開始時の活性値を100とした時のACOD活性の残存率(%)を算出し、安定性の指標とした。
Claims (7)
- 次の(1)〜(23)に示すアミノ酸置換の群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換が導入されているアミノ酸配列からなるポリペプチド:
(1)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び459番目がスレオニンに置換、
(2)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び349番目がスレオニンに置換、
(3)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び325番目がアルギニンに置換、
(4)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、244番目がシステインに置換、及び360番目がリジンに置換、
(5)配列番号1に示すアミノ酸配列における164番目がアスパラギンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(6)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び459番目がスレオニンに置換、
(7)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び360番目がリジンに置換、
(8)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び421番目がグルタミンに置換、
(9)配列番号1に示すアミノ酸配列における614番目がチロシンに置換、
(10)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び253番目がバリンに置換
(11)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び557番目がヒスチジンに置換、
(12)配列番号1に示すアミノ酸配列における439番目がフェニルアラニンに置換、
(13)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目がフェニルアラニンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(14)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び349番目がスレオニンに置換、
(15)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、及び398番目がグリシンに置換。
(16)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目がバリンに置換、及び244番目がシステインに置換、
(17)配列番号1に示すアミノ酸配列における244番目がシステインに置換、
(18)配列番号1に示すアミノ酸配列における421番目(アラニン)がグルタミンに置換、
(19)配列番号1に示すアミノ酸配列における349番目がスレオニンに置換、
(20)配列番号1に示すアミノ酸配列における588番目がプロリンに置換、
(21)配列番号1に示すアミノ酸配列における122番目がフェニルアラニンに置換、
(22)配列番号1に示すアミノ酸配列における103番目がバリンに置換、
(23)配列番号1に示すアミノ酸配列における253番目がバリンに置換。 - 下記(A)又は(B)のいずれかに示す請求項1に記載のポリペプチド:
(A)前記アミノ酸置換部位以外のアミノ酸の1個又は数個が置換、付加、挿入又は欠失されてなり、且つ、アシルCoAオキシダーゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAオキシダーゼと比較して熱安定性が向上しているポリペプチド、
(B)配列番号1に示すアミノ酸配列に対する前記アミノ酸置換部位を除いた配列同一性が90%以上であり、且つ、アシルCoAオキシダーゼ活性を有し、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるアシルCoAオキシダーゼと比較して熱安定性が向上しているポリペプチド。 - 請求項1又は2に記載のポリペプチドをコードしているDNA。
- 配列番号4に示す塩基配列からなるDNAである、請求項3に記載のDNA。
- 請求項3又は4に記載のDNAを含む組換えベクター。
- 請求項5に記載の組換えベクターにより宿主を形質転換して得られる形質転換体。
- 請求項6に記載の形質転換体を培養する工程を含む、請求項1又は2に記載のポリペプチドの製造方法。
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