JP6340621B2 - Niスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、マグネトロンスパッタリング法におけるスパッタリングターゲットとして好適なNiスパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
近年、ハードディスク用磁気記録媒体、磁気ヘッド、LSIチップ等における薄膜を形成する方法として、スパッタリング法が広く知られている。このスパッタリング法の中でも、マグネトロンスパッタリング法が多用されている。このマグネトロンスパッタリング法では、基板とスパッタリングターゲットとを対向させ、スパッタリングターゲットの裏側に磁石を配置し、この状態で電圧を印加することによりスパッタリングして、基板上に成膜する。このスパッタリング時には、スパッタリングターゲット表面から漏れ出る磁界により、電子は、その磁界の磁力線にそって螺旋状に運動する。ここで、プラズマが電子の周りに発生し、これにより、集中的にスパッタリングすることができる。このような直交電磁界空間内では、プラズマの安定化及び高密度化が可能であり、スパッタリング速度を大きくすることができるという特徴を有している。
一般に、このマグネトロンスパッタリング法を用い、Ni又はNi合金を使用して、磁性体薄膜を基板上に形成することが行なわれている。マグネトロンスパッタリング法では、磁界中に電子を捕らえて、効率よくスパッタリングガスを電離するが、スパッタリングターゲット自体の磁気特性によって、スパッタリングターゲット表面近傍の磁界に影響を与えることが知られている。
従来のマグネトロンスパッタリング用高純度Ni又はNi合金スパッタリングターゲットの製造方法として、高純度Ni又はNi合金を熱間鍛造した後に、30%以上の圧延率による冷間圧延工程と、これをさらに200〜300°Cの温度による熱処理工程とからなり、該冷間圧延工程と該熱処理工程とを少なくとも2回以上繰り返すことが提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
特開2003−166051号公報 特開2003−213405号公報 特開2009−120959号公報
しかしながら、従来のNi又はNi合金スパッタリングターゲットの場合、特に使用初期に成膜した薄膜に面方向で膜厚のばらつきが生じ易いという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用初期における膜厚の面内ばらつきの発生を小さくして、成膜時間にかかわらず均一な膜を生成することができるNiスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、膜厚の面内ばらつきの解消について鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
従来のNi又はNi合金スパッタリングターゲットにおいて、使用初期に成膜される薄膜は、膜厚の面内ばらつきが大きく、使用開始から成膜時間が経過すると、膜厚の面内ばらつきも小さくなってくる。
これは、使用初期はターゲットが比較的厚く、漏れ磁束密度(PTF:Pass Through Flux)が小さいため、スパッタレートが遅くなり、一方において、成膜時間が経過するとターゲットはエロージョンによって薄くなり、PTFが大きくなるため、スパッタレートが速くなる傾向がある。その結果、成膜初期はターゲット面内のPTFばらつきが膜厚に大きく影響するのに対し、成膜時間が経過するとターゲット面内のPTFばらつきの膜厚への影響が小さくなるためと考えられる。
また、ターゲットの硬度によって、PTFは変化することが分かっており、エロージョンが進行した部分と進行しない部分とでPTFのばらつきが生じてしまうという知見が得られた。
さらに、従来の冷間圧延によって製造されたスパッタリングターゲットにおいては、圧下率が例えば10数%で複数回圧延されることにより、スパッタリングターゲットの表面部に集中してひずみが残留して硬くなる一方、スパッタリングターゲットの厚さ方向の中心部へは圧下の影響が小さく、このため、スパッタリングターゲットの表面部に、中心部よりも硬度の大きい硬化層が形成される。この表面の硬化層は、圧延加工により結晶粒が一方向に延ばされた後に熱処理によって粒成長したものであり、その粒成長にばらつきが生じて不均一な組織になり易い。スパッタリングターゲットとしては、この表面の硬化層が使用初期の段階で成膜に用いられることにより、膜厚のばらつきの原因となっているとの知見に至った。
本発明は、かかる知見の下、以下の解決手段とした。
本発明のNiスパッタリングターゲットは、Niからなるスパッタリングターゲットであって、表面から厚さ方向に60μmの深さにおけるビッカース硬さは、厚さ方向の中心におけるビッカース硬さを基準として、この中心のビッカース硬さとの差が±8%の範囲内であり、前記ビッカース硬さは115Hv以上155Hv以下であり、漏れ磁束密度のばらつきが12.98%以上14.99%以下であることを特徴とする。
本発明のスパッタリングターゲットでは、表面部のビッカース硬さを中心部に対して±8%以内の差としたことにより、厚さ方向の硬度分布が小さくなり、表面から中心まで一様にスパッタされるので、成膜初期における膜厚の面内ばらつきを小さくすることができる。
表面部のビッカース硬さは、中心部のビッカース硬さとの差が8%を超えると、表面から厚さ方向の硬度分布が大きくなることから、表面部によって成膜される使用初期の膜厚の面内ばらつきも大きくなるので、好ましくない。
また、ビッカース硬さは115Hv以上155Hv以下であることから、スパッタリングターゲット全体の硬度が大きいので、スパッタレート(成膜速度)が大きくなり、生産性を向上させることができる。
本発明のNiスパッタリングターゲットにおいて、表面粗さがRaで0.1μm以上3.2μm以下、Rzで0.4μm以上20μm以下であるとよい。
表面粗さがこの範囲内であると、表面状態が均一になり、成膜初期の膜厚のばらつきの発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の製造方法は、Niからなる素材に熱間圧延加工を施した後にこれを冷却してNiスパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記熱間圧延加工は、圧延開始時の素材温度が400℃以上1200℃以下で、1パス当たりの圧下率が30%以上となる圧延を含むことを特徴とする。
前述したように従来の冷間圧延による製造方法では、比較的小さい圧下率で複数回圧延されるため、表面部のみ加工され、その後に熱処理を施したとしても、表面に硬化層が形成される。これに対して、本発明の製造方法では、30%以上の圧下率のパスを含む熱間圧延により、素材を大きく圧下して、厚さ方向の中心部まで大きな歪を生じさせることができる。このため、得られた圧延板は、表面部だけでなく厚さ方向の中心部まで硬くなり、厚さ方向の硬度分布が小さくなる。したがって、表面から厚さ方向の中心まで一様にスパッタされ、成膜初期における膜厚の面内ばらつきを小さくすることができる。
本発明の製造方法において、前記熱間圧延加工の後に、表面を平面研磨するとよい。
平面研磨は、寸法精度、表面粗さを精密に仕上げることができ、平面研磨した後のスパッタリングターゲットは表面粗さが小さく、表面状態が均一で、成膜初期の膜厚のばらつきの発生をさらに抑制することができる。
本発明によれば、厚さ方向の硬度分布が小さくなり、表面から中心まで一様にスパッタされるので、成膜初期における膜厚の面内ばらつきを小さくして、成膜時間にかかわらず均一な膜を生成することができる。
実施例における表面粗さの測定位置を示す平面図である。 実施例で使用したPTF測定装置の概略構成図である。 実施例におけるPTFの測定ポイントを示す平面図である。 実施例1と比較例1とのPTF測定結果を比較したグラフである。 実施例1の断面写真であり、左が表面部、右が厚さ方向中心部を示す。 比較例1の断面写真であり、左が表面部、右が厚さ方向中心部を示す。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
Ni又はNi合金としては、高純度Ni又はFe、Vなどを含むNi合金である。スパッタリングターゲットの平面形状及び板厚は、特に限定されるものではないが、平面形状としては、矩形、円形等、スパッタリング装置の取り付け部位に応じた形状とされ、板厚は1mm以上15mm以下とされる。
そして、このスパッタリングターゲットにおいて、表面部のビッカース硬さは、厚さ方向の中心におけるビッカース硬さを基準にしたとき、中心のビッカース硬さとの差が±8%の範囲内とされる。
このビッカース硬さは、スパッタリングターゲットを厚さ方向に切断し、その切断面をビッカース硬度計にて測定した値である。表面部については、スパッタリングターゲットの表面から厚さ方向に60μmの深さの位置を測定する。
中心に対する表面部のビッカース硬さの差が8%を超えると、表面から厚さ方向の硬度分布が大きくなることから、表面部によって成膜された膜厚の面内ばらつきも大きくなるので、好ましくない。
また、スパッタリングターゲットの全体としては、ビッカース硬さが110Hv以上160Hv以下とされる。スパッタリングターゲット全体の硬度が大きいことにより、スパッタレート(成膜速度)が大きくなり、生産性を向上させることができる。
さらに、スパッタリングターゲットの表面粗さがRaで0.1μm以上3.2μm以下、Rzで0.4μm以上20μm以下であるとよい。表面粗さがこの範囲内であると、表面状態が均一になり、成膜初期の膜厚のばらつきの発生をさらに抑制することができる。
次に、このスパッタリングターゲットを製造する方法について説明する。
Ni又はNi合金の塊を真空溶解して鋳造し、鋳造したインゴットを400℃以上1200℃以下に1時間加熱した後、これを前述した板厚まで熱間圧延する。加熱温度はNiの再結晶温度以上とするのが好ましい。この熱間圧延において、1パス当たりの圧下率が30%以上となる圧延を少なくとも1回は含むものとする。複数回の圧延を行う場合は、複数回のうちの1回の圧延において圧下率30%以上とすればよく、圧下率30%以上となるパスを最初にするか、最後にするか、中間で実施するかはいずれでもよいが、最初にした方が、高い圧下率のパスとすることが容易である。
この圧下率30%以上のパスを有しない場合、複数回圧延したとしても、表面部のみが集中して加工されて、中心部まで圧延の影響が到達しにくいため、得られたスパッタリングターゲットの厚さ方向の硬度分布を均一にすることが難しい。
この熱間圧延により、板厚1.5mm以上17mm以下のターゲット素材とし、冷却した後、表面を研磨する。
この表面の研磨は、平面研磨による方法が採用される。平面研磨は、XYテーブル上にターゲット素材を載せて、回転砥石で表面を研磨するものである。平面研磨には、砥石の回転軸を研磨面と平行に配置して砥石の側面で研磨する横軸型と、砥石の回転軸を研磨面に垂直に配置して砥石の端面で研磨する縦軸型との二通りの方法があり、いずれを採用してもよいが、横軸型の方が、表面粗さがより面内均一に仕上げられるため好ましい。
この場合、研磨は、ターゲット素材の表面を磨く程度の加工であり、表面部を削り取るまでの研削加工とすると、発生する熱の影響で表面が変質するおそれがあるので好ましくない。
なお、熱間圧延の後、反り等の矯正の目的で、圧下率10%以下の範囲の仕上げ圧延を冷間で施してもよい。また、熱間圧延の後に200℃以上750℃以下の熱処理を施してもよい。
このようにして製造されたNi又はNi合金スパッタリングターゲットは、表面部のビッカース硬さを中心部に対して±8%以内の差としたことにより、厚さ方向の硬度分布が小さく、表面から中心まで一様にスパッタされるので、成膜初期における膜厚の面内ばらつきを小さくすることができ、成膜時間にかかわらず均一な膜を生成することができる。また、全体として110Hv以上160Hv以下の高いビッカース硬さを有することから、スパッタレートが大きく、生産性を向上させることができる。
高純度Ni又はNi合金塊を真空溶解して鋳造し、鋳造したインゴットを所定温度に加熱した後、鍛造、熱間圧延して板厚6mmのターゲット素材とした。この場合、圧延ロール間を3回走行させ、1回目の圧下率を30%以上とした。
熱間圧延後のターゲット素材を冷却し、直径125mmの円板状に成形し、表面を平面研磨加工により研磨して、スパッタリングターゲットとした。また、熱間圧延後に冷却しただけで、平面研磨加工を施さなかったものも作製した。
比較例として、従来の方法により熱間圧延後に冷間圧延し、焼鈍することにより作製したスパッタリングターゲットも評価した。
評価は、スパッタリングターゲットのビッカース硬さ、表面粗さ、漏れ磁束密度(PTF:Pass Through Flux)を測定することにより行った。漏れ磁束密度(以下、PTFという)は、スパッタリングターゲットの裏面に磁石を配置して表面に漏洩する磁束であり、PTFが高くなるほど、スパッタレートも高くなることが知られている。また、PTFの面内ばらつきが小さいと、得られる膜厚のばらつきも小さくなる。
各評価項目の具体的測定方法は以下の通りである。
<ビッカース硬さ>
スパッタリングターゲットを厚さ方向に切断し、その表面から60μmの深さ位置(表面部)、及び厚さ方向の中心(表面から3mmの深さ位置)について、ビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さの測定には、ビッカース硬度計(MVK−G13)を用いて、SPEEDダイヤル:3、荷重100gにて、各測定点につき5回測定し、その測定値の平均値を測定結果とした。そして、中心位置のビッカース硬さを基準として、表面部のビッカース硬さとの差(比率)を求めた。
各実施例及び比較例についての測定結果は表2に示す。
<表面粗さ>
表面粗さ測定装置として「Mitutoyo Surf Test SV−3000」を用い、測定長さを10mmとして、算術平均粗さRa及び十点平均粗さRz測定した。スパッタリングターゲット表面を平面研磨したものは、研磨による加工筋と測定方向が垂直になるようにして測定した。測定箇所は、図1に示すように、表面の中心部A、外周部C、及びこれらの中間位置Bの3ヶ所とした。
各実施例及び比較例について、このようにして測定したRa及びRzの平均値を求め、表2に示す。また、表1は実施例1の個々の測定箇所における測定結果を示している。
<PTF>
PTFの測定は、ASTMF2086−01に基づいて実施した。図2に、PTFの測定装置の概略図を示す。
この測定装置は、非磁性体の材質(例えば、アルミニウム)で形成されスパッタリングターゲットTを載置するテーブル1と、その下に配置する磁石を固定するための固定治具2と、ホールプローブ3をスパッタリングターゲットTの上方に保持し、かつ上下方向あるいは支柱を中心とした円弧方向に移動させることのできる支柱4と、から構成されている。なお、磁束を発生させるための磁石5には、馬蹄形磁石(Dexter社製アルニコ磁石5K215)を用いた。
測定手順としては、まず測定装置に磁石5とホールプローブ3とを取り付けて固定し、ホールプローブ3にガウスメーター6を接続した。
スパッタリングターゲットTを載置せずに、テーブル1上でホールプローブ3を若干円弧方向に左右に振りながら、テーブル1に水平な磁束密度を測定し、磁束密度が最大となるところでホールプローブ3を固定した。
この位置で測定されたテーブル1面に水平な方向の磁束密度を、ASTMで定義されているSource Fieldとし、これが90±5mTの範囲にあることを確認した。
つぎに、ホールプローブ3の先端を、測定するスパッタリングターゲットTの厚み+0.5mmの高さまで上昇させ、ホールプローブ3を若干円弧方向に左右に振りながら、テーブル1面に水平な方向の磁束密度を測定し、磁束密度が最大となるところでホールプローブ3を固定した。
この位置で測定された磁場をASTMで定義されるReferennce fieldとして記録した。
一方、十分に脱磁された(スパッタリングターゲットT表面にてスパッタリングターゲットTに垂直な方向の残留磁束密度が0.3mT以下になるように脱磁された)スパッタリングターゲットTをテーブル1の上に載せた。この際、ホールプローブ3の位置は上記のまま固定し、スパッタリングターゲットTをその下から滑り込ませた。
次に、均一に磁化されるように、スパッタリングターゲットTを反時計回りに5回転させたのち、図3に示す測定ポイントを測定した。これら測定ポイントは、スパッタリングターゲット表面における17点(中心点と、中心から放射状に延びる45°間隔の線上の各々にある2点との合計)について磁束密度を測定し、これらの値をReferennce fieldの値で割って100を掛けた値をPTFとし、その平均及びばらつきを測定した。ばらつきは、外周部と内周部それぞれのばらつきを測定し平均して求めた。外周部と内周部のバラツキは、PTFのばらつき(%)=(平均値から最も離れた測定値―平均値)÷平均値×100により求めた。
各実施例、比較例についてのPTFの測定結果を表2に示す。
また、図4は、実施例1と比較例1について、各測定ポイントでのPTFを比較したものである。
これらの結果から明らかなように、表面部のビッカース硬さを中心部に対して±8%以内の差とすることにより、PTFを向上させることができ、その中でも、ビッカース硬さが110Hv以上160Hv以下であると、PTFがより高くなっており、スパッタレートが大きくなることがわかる。また、PTFの面内ばらつきも小さく、膜厚の面内ばらつきが小さく抑えられることがわかる。この場合、熱間圧延加工において、1パス当たりの最高圧下率が30%未満であると、所望のビッカース硬さが得られない。
また、表面粗さがRaで0.1μm以上3.2μm以下、Rzで0.4μm以上20μm以下であると、PTFのばらつきがさらに小さくなり、膜厚のばらつきの発生をさらに抑制することができることがわかる。
図5は実施例1の断面写真であり、左が表面部、右が厚さ方向中心部を示す。図6は比較例2の同様の断面写真である。これらを比較してわかるように、表面部と中心部とで結晶粒の差はあまり認められないが、実施例1は比較例1よりも結晶粒径が大きくなっている。これは、正確なことはわからないが、ビッカース硬さが110Hv〜160Hvであることから、結晶粒に歪みが残っており再結晶していないことが原因と考えられる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

Claims (4)

  1. Niからなるスパッタリングターゲットであって、表面から厚さ方向に60μmの深さにおけるビッカース硬さは、厚さ方向の中心におけるビッカース硬さを基準として、この中心のビッカース硬さとの差が±8%の範囲内であり、前記ビッカース硬さは115Hv以上155Hv以下であり、漏れ磁束密度のばらつきが12.98%以上14.99%以下であることを特徴とするNiスパッタリングターゲット。
  2. 表面粗さがRaで0.1μm以上3.2μm以下、Rzで0.4μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1記載のNiスパッタリングターゲット。
  3. Niからなる素材に熱間圧延加工を施した後にこれを冷却してNiスパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記熱間圧延加工は、圧延開始時の素材温度が400℃以上1200℃以下で、1パス当たりの圧下率が30%以上となる圧延を含むことを特徴とするNiスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 前記熱間圧延加工の後に、表面を平面研磨することを特徴とする請求項記載のNiスパッタリングターゲットの製造方法。
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