JP6791313B1 - ニッケル合金スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、ニッケルは強磁性体であるため、マグネトロンスパッタリング装置によって成膜する場合、ニッケル合金からなるスパッタリングターゲットが磁力によって装置に吸着してしまい、安定して成膜を行うことができなかった。
また、スパッタが進行した際に、狭いエロージョン部が形成されてしまい、スパッタリングターゲットの使用効率が低下するといった問題があった。
また、結晶粒が粗大化したスパッタリングターゲットにおいては、スパッタ面におけるスパッタレートにばらつきが生じ、成膜されたニッケル合金薄膜の膜厚が不均一となるおそれがあった。
さらに、平均結晶粒径が100μm以下とされているので、結晶粒界に、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素が濃化することを抑制できる。これにより、異常放電の発生を抑制することができ、安定してスパッタ成膜を行うことが可能となる。また、スパッタ面におけるスパッタレートのばらつきが抑えられ、膜厚が均一なニッケル合金膜を成膜することが可能となる。また、平均結晶粒径を100μm以下とし、添加元素が粒界に濃化するのを抑制することで、添加元素をニッケル中に十分に固溶させることができ、より磁性を安定して弱められる。
この場合、Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相の面積率が5%以下に制限されているので、キュリー温度を低下させる元素がニッケル中にさらに十分に固溶しており、磁性が弱められて漏れ磁場が大きくなり、マグネトロンスパッタリング装置を用いた場合でも、スパッタリングターゲットが装置に吸着することを抑制でき、さらに安定してスパッタ成膜を行うことができる。また、スパッタが進行した際でも、エロージョン部が比較的広く形成され、スパッタリングターゲットの使用効率をさらに向上させることが可能となる。
この場合、キュリー温度を低下させる元素としてSi及びAlの一方又は両方を含んでおり、Si及びAlの合計含有量が3mass%以上10mass%以下の範囲内とされているので、Si原子及びAl原子が固溶することによって、磁性が弱められて漏れ磁場が大きくなり、マグネトロンスパッタリング装置を用いた場合でも、スパッタリングターゲットが装置に吸着することを抑制でき、安定してスパッタ成膜を行うことができる。また、スパッタが進行した際でも、エロージョン部が比較的広く形成され、スパッタリングターゲットの使用効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットは、スパッタ面が矩形状をなす矩形平板型スパッタリングターゲットであってもよいし、スパッタ面が円形状をなす円板型スパッタリングターゲットであってもよい。あるいは、スパッタ面が円筒面とされた円筒型スパッタリングターゲットであってもよい。
ここで、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素としては、例えば、Si,Al,Ti,Cr,V等が挙げられる。
ここで、Si及びAlの合計含有量は、3mass%以上10mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
これにより、Niの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率が13%以下とされている。さらに、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相の面積率が5%以下とされていることが好ましい。
そして、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、その平均結晶粒径が100μm以下とされている。
ニッケルは、強磁性体であるため、容易に磁化することになる。ここで、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素(例えばSi原子、Al原子)を固溶させることにより、Ni原子のスピン方向が変化して磁性を弱めることが可能となる。
このため、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素がニッケル中に固溶した固溶体で構成されており、磁性が十分に弱められている。
上述のように、Si及びAlは、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素である。
ここで、Si及びAlの合計含有量を3mass%以上とすることにより、ニッケル合金スパッタリングターゲットの磁性を十分に弱めることが可能となる。一方、Si及びAlの合計含有量を10mass%以下とすることにより、結晶粒界でのSi及びAlの濃化を十分に抑制することができ、スパッタ時における異常放電の発生を抑制することが可能となる。
そこで、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、Si及びAlの合計含有量を3mass%以上10mass%以下の範囲内に規定することが好ましい。
なお、Si及びAlの合計含有量の下限は、5mass%以上とすることがさらに好ましく、6mass%以上とすることがより好ましい。また、Si及びAlの合計含有量の上限は、9mass%以下とすることがさらに好ましい。
上述のように、ニッケルの母相中に、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素(本実施形態では、Si及びAl)が固溶することにより、ニッケルの磁性が弱められることになる。
ここで、Niの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率が多くなると、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素がニッケル中に固溶した相の面積率が少なくなり、ニッケル合金スパッタリングターゲットの磁性を十分に弱めることができないおそれがある。
そこで、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、Niの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率を13%以下に制限している。
なお、Niの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率は、9%以下であることが好ましく、7%以下であることがさらに好ましい。
Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相においては、ニッケルのキュリー温度を低下させる元素が十分に固溶しておらず、ニッケルの磁性が弱められていない。
そこで、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、磁性を確実に弱めるために、Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相の面積率を5%以下に制限している。
なお、Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相の面積率は、4%以下であることがさらに好ましく、2%以下であることがより好ましい。
ニッケル合金スパッタリングターゲットにおいて、結晶粒径が大きい場合には、固溶しなかったSi及びAl等の元素が、結晶粒界に濃化することにより、部分的に磁化しやすくなるため、スパッタ成膜時に異常放電が発生しやすくなる。また、結晶粒径が大きいと、スパッタ面におけるスパッタレートのばらつきが生じ、膜厚が不均一となるおそれがある。
このため、本実施形態であるニッケル合金スパッタリングターゲットにおいては、平均結晶粒径を100μm以下としている。
なお、ニッケル合金スパッタリングターゲットの平均結晶粒径は、90μm以下とすることが好ましく、80μm以下とすることがさらに好ましい。
まず、原料として、Ni板と、Si,Al等の添加元素の粒をそれぞれ準備する。ここで、Ni原料の純度は99.9mass%以上であることが好ましい。また、Si原料及びAl原料の純度はそれぞれ99.9mass%以上であることが好ましい。
次に、所望のターゲット組成となるように、上述のNi原料、Si原料、Al原料を秤量する。
秤量した各種原料を溶解炉によって溶解し、生成した溶湯を鋳型に出湯して、鋳塊を製造する。
ここで、溶湯状態での金属の酸化や窒化を防止するために、溶解炉としては真空溶解炉を用いることが好ましい。また、Niの炭化を防止するために、炭素質部材を用いず、セラミックス坩堝等を使用することが好ましい。
次に、溶解鋳造工程S01で得られた鋳塊に熱間圧延を施して圧延板を製造する。
ここで、熱間圧延での総圧下率は、50%以上80%以下の範囲内とすることが好ましい。この熱間圧延工程S02により、鋳造組織が破壊され、次の熱処理工程の再結晶ならびに添加元素の均一な固溶が促進される。
また、熱間圧延の温度は、500℃以上900℃以下の範囲内とすることが好ましい。なお、圧延割れを抑制するために、500℃未満まで温度が低下した場合には、500℃以上900℃以下にまで再加熱し、圧延を行うことが好ましい。
次に、熱間圧延工程S02で得られた圧延板に対して熱処理を行い、結晶粒を再結晶化する。この熱処理工程S03により、平均結晶粒径が100μm以下に調整されることになる。
ここで、平均結晶粒径が100μm以下かつNiの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率を13%以下にするために、熱処理温度は、600℃以上900℃以下の範囲内とすることが好ましい。また、熱処理温度での保持時間は、30分以上90分以下の範囲内とすることが好ましい。
次に、熱処理工程S03を経た圧延板に対して、切削加工及び研削加工等を行い、所定形状及び所定寸法のニッケル合金スパッタリングターゲットを得る。
さらに、Si及びAlの合計含有量が10mass%以下とされている場合には、Si及びAlを含む化合物が生成することを十分に抑制することができ、スパッタ時における異常放電の発生を抑制することが可能となり、さらに安定してスパッタ成膜を行うことができる。
まず、純度99.9mass%以上のNi原料(Ni板)と、純度99.9mass%以上のSi原料(Si粒)と、純度99.9mass%以上のAl原料(Al粒)を準備した。そして、これらの原料を、表1に示す組成となるように秤量した。
秤量した各種原料を、真空溶解炉を用いて1500℃以上まで加熱して溶解し、得られた溶湯を鋳型に出湯して、鋳塊(幅155mm×厚さ40mm×長さ220mm)を得た。
そして、表1に示す条件で、熱間圧延、熱処理を実施し、矩形平板形状をなす本発明例及び比較例のニッケル合金スパッタリングターゲット(150mm×500mm×5mm厚さ)を製造した。
また、得られたニッケル合金スパッタリングターゲットを用いて、以下のようにスパッタ成膜を行い、異常放電回数、得られたニッケル膜の膜厚ばらつき、について評価した。評価結果を表2に示す。
図2に示すように、得られたニッケル合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の対角線が交差する交点(1)と、各対角線上の角部(2)、(3)、(4)、(5)の5点から測定試料を採取し、これを酸で前処理した後、ICP分析を実施した。なお、角部(2)、(3)、(4)、(5)は、角部から内側に向かって対角線全長の10%以内の範囲内とした。測定の結果、平均組成は、配合組成と略同等であることを確認した。
また、5つの測定試料におけるSi及びAlの分析値の最大値と最小値の差を「組成ばらつき」として表2に記載した。
図2に示すように、得られたニッケル合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の対角線が交差する交点(1)と、各対角線上の角部(2)、(3)、(4)、(5)の5点からサンプルを採取した。採取した各サンプルの表面(スパッタ面に該当する面)を研磨加工した後、研磨された表面を、エッチング液を用いてエッチング処理した。
次に、光学顕微鏡を用いて研磨面をミクロ観察し、JIS H 0501:1986に規定された切断法により、結晶粒径を測定した。
上述の5つのサンプルでそれぞれ結晶粒径を測定し、平均結晶粒径を算出した。評価結果を表2に示す。また、本発明例2、及び、比較例4のミクロ組織観察結果を図3に示す。
図2に示すように、得られたニッケル合金スパッタリングターゲットのスパッタ面の対角線が交差する交点(1)と、各対角線上の角部(2)、(3)、(4)、(5)の5点からサンプルを採取した。採取した各サンプルをエポキシ樹脂に埋め込み、表面(スパッタ面に該当する面)を研磨加工した後、FE−EPMA(日本電子株式会社製JXA−8500F)を用いて、60倍の視野(1400μm×2000μm)でNi,Si,Alのマッピングを行った。
各マッピング結果について、装置付属ソフトの定量マップ機能を用いて、各ピクセル毎に、Ni,Si,Alのみがいると仮定した半定量計算を行い、Ni,Si,Alのそれぞれのピクセル毎の含有量(mass%)を示す定量マップを作成した。
作成された定量マップを元に、視野内のNi含有量99.0mass%以上のNi相の面積率、及び、Ni含有量99.5mass%以上の高純度Ni相の面積率を算出した。なお、面積率は、Ni含有量が99.0mass%以上あるいは99.5mass%以上であるピクセルの数をカウントし、視野内の全ピクセル数で割ることにより、算出することができる。評価結果を表2に示す。
非磁性体の材質(例えばアルミニウム)からなるテーブルの下に、磁束を発生させるための磁石(馬蹄形磁:Dexter社製アルニコ磁石5K215)が配置され、テーブルの上に載置されるニッケル合金スパッタリングターゲットの上側に、相対的な測定位置を調整できるホールプローブが配置され、このホールプローブにガウスメータが接続された構造の磁束測定装置を準備した。
この磁束測定装置を用いて、ニッケル合金スパッタリングターゲットをテーブル上に載置しない状態でのテーブル上面における磁束量A(KG)と、ニッケル合金スパッタリングターゲットをテーブル上に載置した際のニッケル合金スパッタリングターゲットの上側表面の磁束量B(KG)を測定した。そして、以下の式により、漏れ磁束(%)を算出した。評価結果を表2に示す。
漏れ磁束(%)=B/A×100
ニッケル合金スパッタリングターゲットの比抵抗を、四探針法によって測定した。測定装置として、株式会社三菱ケミカルアナリテックのLoresta−GPを使用した。評価結果を表2に示す。
ニッケル合金スパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをマグネトロン式のDCスパッタ装置に装着した。
次いで、以下のスパッタ条件にて、60分間連続して、スパッタ法による成膜を実施した。このスパッタ成膜の間、DCスパッタ装置の電源に付属されたアークカウンターを用いて、異常放電の発生回数をカウントした。評価結果を表2に示す。
到達真空度:5×10−5Pa
Arガス圧:0.3Pa
スパッタ出力:直流1000W
ニッケル合金スパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをマグネトロン式のDCスパッタ装置に装着した。また、100mm角のガラス基板をマグネトロン式のDCスパッタ装置に装着した。
次いで、以下のスパッタ条件にて、ガラス基板の表面に目標厚さ300nmとしてニッケル合金膜を成膜した。
ターゲット−ガラス基板の距離:60mm
到達真空度:5×10−5Pa
Arガス圧:0.3Pa
スパッタ出力:直流1000W
測定した膜厚の平均値を求め、膜厚の測定値の最大値(最大膜厚)と最小値(最小膜厚)とを抽出し、最大膜厚と最小膜厚の差を算出した。評価結果を表2に示す。
以下のスパッタ条件にて連続スパッタを行い、ニッケル合金スパッタリングターゲットを使用完了時(ターゲットの最も薄い箇所が1.5mmになるまで)の使用効率を測定した。評価結果を表2に示す。
到達真空度:5×10−5Pa
Arガス圧:0.3Pa
スパッタ出力:直流1000W
なお、使用効率は、以下の式で算出した。
使用効率(%)=(1−(使用後のターゲット重量/使用前のターゲット重量))×100
熱間圧延工程の総加工率が20%とされた比較例4及び比較例7においては、Ni相の面積率が13%を超えており、漏れ磁束が25%となった。また、膜厚差が大きくなり、膜の均一性が低下した。さらに、スパッタリングターゲットの使用効率が16%と低くなった。
Claims (3)
- ニッケルのキュリー温度を低下させる元素を含有するニッケル合金からなり、
Niの含有量が99.0mass%以上であるNi相の面積率が13%以下とされており、
平均結晶粒径が100μm以下であることを特徴とするニッケル合金スパッタリングターゲット。 - Niの含有量が99.5mass%以上である高純度Ni相の面積率が5%以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のニッケル合金スパッタリングターゲット。
- ニッケルのキュリー温度を低下させる元素として、Si及びAlの一方又は両方を含み、SiとAlの合計含有量が3mass%以上10mass%以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のニッケル合金スパッタリングターゲット。
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