JP2021075748A - スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【課題】Ni及びCuを含有するNi合金ターゲットに関し、磁性を低減しつつ、Ni薄膜と同程度の比抵抗を有する薄膜を成膜することができる、新たなNi合金ターゲットを提供する。【解決手段】Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット、又は、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、Cu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲットを提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、Ni合金からなるスパッタリングターゲット(「Ni合金ターゲット」とも称する)に関する。
スパッタリングとは、薄膜形成技術の一手法である。その一例として、Arなどの不活性ガスを真空中に導入し、ターゲット部材にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、グロー放電によって不活性ガスをプラズマ化させてイオン化してガスイオンとし、このガスイオンを高速でターゲットの表面に衝突させて、該ターゲットを構成する成膜材料の粒子を弾き出させ、この粒子を、薄膜を成膜する基材表面に付着・堆積させて、緻密で強い薄膜を基材表面に成膜する方法を挙げることができる。
このようなスパッタリング法によれば、高融点金属や合金、セラミックスなど、真空蒸着法などでは成膜が困難な材料でも成膜が可能であるほか、大面積を有する薄膜を高精度で成膜できるため、例えば情報機器、AV機器、家電製品等の各種電子部品の製造に多用されている。
このようなスパッタリング法によれば、高融点金属や合金、セラミックスなど、真空蒸着法などでは成膜が困難な材料でも成膜が可能であるほか、大面積を有する薄膜を高精度で成膜できるため、例えば情報機器、AV機器、家電製品等の各種電子部品の製造に多用されている。
純NiからなるNiターゲットから成膜されたNi薄膜は、耐酸化性及び耐熱性に優れているため、特別な用途において利用されている。しかし、ニッケルは強磁性体であるため、その磁性がプラズマ密度を高めるための磁界の形成を妨害し、スパッタ効率が低くなるという課題を抱えていた。
そこで従来、磁性を低下させてスパッタ効率を上げるために、Niに添加元素を加えて合金化したNi合金ターゲットが提案されている。例えば特許文献1、2には、Ni−Cu合金ターゲットが開示されている。
しかしながら、従来開示されていたNi−Cu合金ターゲットは、磁性が低下する反面、Ni−Cu合金薄膜を成膜した際、薄膜の比抵抗が高くなるという課題を抱えていた。
そこで本発明の目的は、磁性を低減することができ、且つ、純NiからなるNiターゲットを用いて成膜したNi薄膜と同程度の比抵抗を有する薄膜を成膜することができる、新たなNi合金ターゲットを提供することにある。
本発明は、Niに適量のCuを含有させることにより、Niターゲットのもつ磁性を低減し、且つ、Niターゲットを用いて成膜した薄膜と同等の比抵抗をもつ薄膜を成膜することができることを見出した。
かかる知見に基づき、本発明は、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット、又は、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、さらにCu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲットを提案するものである。
本発明が提案するスパッタリングターゲットによれば、Niが有する磁性を低減することができるため、ターゲットの厚みを薄くしたり、磁石の磁力を強くしたりする必要がなくなり、ターゲットの寿命を長くすることができ、コスト低減を図ることができる。さらに、純NiからなるNiターゲットを用いて成膜したNi薄膜と同程度の比抵抗を有する薄膜を成膜することができ、導電性を高めることもできる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本ターゲット>
本発明の実施形態の一例に係るスパッタリングターゲット(「本ターゲット」と称する)は、NiとCuを含有するNi合金からなるスパッタリングターゲットである。
本発明の実施形態の一例に係るスパッタリングターゲット(「本ターゲット」と称する)は、NiとCuを含有するNi合金からなるスパッタリングターゲットである。
前記Ni合金としては、例えば、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiからなるものを挙げることができる。
この際、Cu含有量は、ターゲットの比透磁率を低減させる観点から、0.5at%以上であるのが好ましく、中でも0.6at%以上、その中でも0.8at%以上、その中でも0.9at%以上であるのがさらに好ましい。その一方、成膜した膜の比抵抗を低減させる観点から、5.0at%以下であるのが好ましく、中でも3.0at%以下、その中でも1.9at%以下、その中でも1.7at%以下、その中でも1.2at%以下であるのがさらに好ましい。
この際、Cu含有量は、ターゲットの比透磁率を低減させる観点から、0.5at%以上であるのが好ましく、中でも0.6at%以上、その中でも0.8at%以上、その中でも0.9at%以上であるのがさらに好ましい。その一方、成膜した膜の比抵抗を低減させる観点から、5.0at%以下であるのが好ましく、中でも3.0at%以下、その中でも1.9at%以下、その中でも1.7at%以下、その中でも1.2at%以下であるのがさらに好ましい。
前記Ni合金は、Cu以外の添加元素を含有してもよい。
前記Ni合金としては、例えば、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、Cu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiからなるものを挙げることができる。
前記Ni合金としては、例えば、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、Cu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiからなるものを挙げることができる。
前記Cu以外の添加元素としては、Ni合金の磁性を低減する観点から、例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、Ge及びAlから選択される1種または2種以上の元素を挙げることができる。中でも、特にIVa族(Ti、Zr、Hf)、Va族(V、Nb、Ta)及びVIa族(Cr、Mo、W)は磁性低減効果に優れている。また、Si、Geといった元素も磁性の低減に効果があるため望ましい。
Cu以外の添加元素の含有量は、磁性低減の観点から、0.01at%以上であるのが好ましく、中でも0.02at%以上、その中でも0.05at%以上、その中でも0.1at%以上であるのがさらに好ましい。その一方、膜の比抵抗上昇抑制の観点から、0.5at%以下であるのが好ましく、中でも0.45at%以下、その中でも0.4at%以下、その中でも0.35at%以下であるのがさらに好ましい。
但し、膜組成制御の観点から、Cu以外の添加元素を含まない前者のNi合金、すなわち、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiからなるものが好ましい。
本ターゲットにおける各元素の含有量は、例えばICP−AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:誘導結合プラズマ発光分光法)によって測定することができる。
なお、本ターゲットは、不可避不純物を含む場合がある。
不可避不純物とは、製造工程において不可避的に混入したりするもので、本ターゲットの特性に影響を及ぼさない程度に微量に含まれる不純物をいう。
不可避不純物の含有量は、本ターゲットの特性に影響を及ぼさない観点から、1000質量ppm未満、中でも500質量ppm未満、中でも100質量ppm未満であることが好ましい。
不可避不純物とは、製造工程において不可避的に混入したりするもので、本ターゲットの特性に影響を及ぼさない程度に微量に含まれる不純物をいう。
不可避不純物の含有量は、本ターゲットの特性に影響を及ぼさない観点から、1000質量ppm未満、中でも500質量ppm未満、中でも100質量ppm未満であることが好ましい。
本ターゲットの形状は、用途に合わせて任意である。例えば、方形面を有する板状、円筒状などを挙げることができる。但し、これらの形状に限定されるものではない。
本ターゲットのターゲット面の面積は、特に限定するものではない。しかし、本ターゲットは磁性を低減しているという特性により、ターゲットを大型化しても、従来のNiターゲットよりも装置への装着が容易になるという効果を奏する。そのため、本ターゲットは、ターゲット面の面積を50000mm2以上とすることができ、さらに62500mm2以上とすることができ、さらに75000mm2以上とすることができる。なお、本ターゲットが分割ターゲットである場合、ターゲット面の面積とは分割ターゲットの総面積を表す。
本ターゲットの厚さは、特に限定するものではないが、5mm以上であるのが好ましく、中でも6mm以上、その中でも7mm以上であるのがさらに好ましい。
<本ターゲットの製造方法>
本ターゲットは、原料すなわちNi原料、Cu原料、必要に応じてCu以外の添加元素原料を秤量し、溶解、鋳造圧延等の工程を経ることで作製することができる。また、Ni−Cu系合金を溶解、鋳造、圧延等の工程を経ることで本ターゲットを作製することもできる。
本ターゲットは、原料すなわちNi原料、Cu原料、必要に応じてCu以外の添加元素原料を秤量し、溶解、鋳造圧延等の工程を経ることで作製することができる。また、Ni−Cu系合金を溶解、鋳造、圧延等の工程を経ることで本ターゲットを作製することもできる。
前記溶解の方法は特に限定するものではなく、公知の溶解法を採用可能である。中でも、生産効率の観点から、急速な昇温・加熱が可能な高周波誘導加熱を利用した高周波溶解法を採用するのが好ましい。
この際、溶解・鋳造時の雰囲気はアルゴン中、真空中などの不活性雰囲気が好ましい。
溶解温度は、1200〜1400℃であるのが好ましい。
上記溶解温度の保持時間は、30〜120分であるのが好ましい。
この際、溶解・鋳造時の雰囲気はアルゴン中、真空中などの不活性雰囲気が好ましい。
溶解温度は、1200〜1400℃であるのが好ましい。
上記溶解温度の保持時間は、30〜120分であるのが好ましい。
また、鋳造温度は、1100〜1300℃であるのが好ましい。
鋳造後、必要に応じて、熱間圧延、切削加工を実施すればよい。
<本ターゲットの物性>
(磁性)
本ターゲットは、印加磁場10〜5000A/mの時の最大比透磁率を150以下、特に130以下、その中でも110以下とすることができる。
(磁性)
本ターゲットは、印加磁場10〜5000A/mの時の最大比透磁率を150以下、特に130以下、その中でも110以下とすることができる。
(バルク抵抗)
本ターゲットは、バルク抵抗を8.0×10-6Ω・cm以下、特に7.0×10-6Ω・cm以下、その中でも6.0×10-6Ω・cm以下とすることができる。
本ターゲットは、バルク抵抗を8.0×10-6Ω・cm以下、特に7.0×10-6Ω・cm以下、その中でも6.0×10-6Ω・cm以下とすることができる。
<薄膜>
本ターゲットは、マグネトロンスパッタリング又はロータリースパッタリングなどの各種スパッタリング法において、スパッタリングターゲットとして用いて、薄膜を作製することができる。
本ターゲットは、マグネトロンスパッタリング又はロータリースパッタリングなどの各種スパッタリング法において、スパッタリングターゲットとして用いて、薄膜を作製することができる。
(膜抵抗)
本ターゲットを用いて作製した薄膜は、純NiからなるNiターゲットを用いて成膜したNi薄膜と同程度の比抵抗を有することができる。すなわち、本ターゲットを用いて作製した薄膜は、厚さ100nm時の膜抵抗率を、1.53〜2.00(×10−5Ω・cm)、中でも1.55(×10−5Ω・cm)以上或いは1.70(×10−5Ω・cm)以下、その中でも1.58(×10−5Ω・cm)以上或いは1.65(×10−5Ω・cm)以下とすることができる。
本ターゲットを用いて作製した薄膜は、純NiからなるNiターゲットを用いて成膜したNi薄膜と同程度の比抵抗を有することができる。すなわち、本ターゲットを用いて作製した薄膜は、厚さ100nm時の膜抵抗率を、1.53〜2.00(×10−5Ω・cm)、中でも1.55(×10−5Ω・cm)以上或いは1.70(×10−5Ω・cm)以下、その中でも1.58(×10−5Ω・cm)以上或いは1.65(×10−5Ω・cm)以下とすることができる。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
原料としての純度3N(99.9質量%)のNiと、純度3N(99.9質量%)のCuとを、それぞれCu含有量が0.5at%となるように秤量した。
水冷銅製ルツボを備えた真空高周波誘導炉を用いて、Ar雰囲気、1300℃にてNiとCuを溶解し、Ni合金の溶湯とした。この際、1300℃を60分間保持した。
続いて、真空中1250℃にて、溶湯をグラファイト製鋳型に鋳造し、インゴットを作製した。
このインゴット(厚さ40mm)を、1000℃、2mm、3パスを1回→800℃、2mm、4パスを3回繰り返し、厚さ10mmまで圧延し、これを切削加工してΦ152.4mm×5mmtのターゲット(サンプル)を作製した。
原料としての純度3N(99.9質量%)のNiと、純度3N(99.9質量%)のCuとを、それぞれCu含有量が0.5at%となるように秤量した。
水冷銅製ルツボを備えた真空高周波誘導炉を用いて、Ar雰囲気、1300℃にてNiとCuを溶解し、Ni合金の溶湯とした。この際、1300℃を60分間保持した。
続いて、真空中1250℃にて、溶湯をグラファイト製鋳型に鋳造し、インゴットを作製した。
このインゴット(厚さ40mm)を、1000℃、2mm、3パスを1回→800℃、2mm、4パスを3回繰り返し、厚さ10mmまで圧延し、これを切削加工してΦ152.4mm×5mmtのターゲット(サンプル)を作製した。
そして、得られたターゲットを用いて、次の成膜装置を使用して次の条件でスパッタリングを実施し、ガラス基板上に膜厚100nmの薄膜(サンプル)を得た。
・成膜装置:アルバックテクノ株式会社製、SH−550L(DCスパッタリング装置)
・ターゲットサイズ:Φ152.4mm×5mmt
・到達真空度:<2.0×10-5Pa
・Arガス流量:80sccm
・スパッタ内圧:5.0×10-1Pa
・パワー:1.6w/cm2
・T/S距離:100mm
・成膜装置:アルバックテクノ株式会社製、SH−550L(DCスパッタリング装置)
・ターゲットサイズ:Φ152.4mm×5mmt
・到達真空度:<2.0×10-5Pa
・Arガス流量:80sccm
・スパッタ内圧:5.0×10-1Pa
・パワー:1.6w/cm2
・T/S距離:100mm
<実施例2〜9及び比較例1〜3>
原料の比率を変えてターゲットの組成を表1に示すように変えた以外、実施例1同様にターゲット及び薄膜を作製した。
原料の比率を変えてターゲットの組成を表1に示すように変えた以外、実施例1同様にターゲット及び薄膜を作製した。
<最大比透磁率>
実施例・比較例で得られたターゲットを、φ50-φ60×5のリング形状に加工し、次のようにして、最大比磁化率を測定した。
実施例・比較例で得られたターゲットを、φ50-φ60×5のリング形状に加工し、次のようにして、最大比磁化率を測定した。
=巻線作業
・巻線種:1次AIW、2次AIW
・巻線線径:1次巻線φ0.5mm、2次巻線φ0.3mm
・巻き数:1次300ターン、2次200ターン
=直流B−H曲線測定=
・測定装置:直流磁化特性試験装置
・測定方法:リング試験
・最大印加磁化力:15kA/m
・巻線種:1次AIW、2次AIW
・巻線線径:1次巻線φ0.5mm、2次巻線φ0.3mm
・巻き数:1次300ターン、2次200ターン
=直流B−H曲線測定=
・測定装置:直流磁化特性試験装置
・測定方法:リング試験
・最大印加磁化力:15kA/m
<バルク抵抗>
実施例・比較例で得られたターゲットのバルク抵抗を、次の装置を使用して次の方法で測定した。
・測定装置:三菱化学社製、ロレスタ(登録商標)HP MCP-T410(直列4探針プローブTYPE ESP)
・測定方法:直流4探針法
実施例・比較例で得られたターゲットのバルク抵抗を、次の装置を使用して次の方法で測定した。
・測定装置:三菱化学社製、ロレスタ(登録商標)HP MCP-T410(直列4探針プローブTYPE ESP)
・測定方法:直流4探針法
<比抵抗>
実施例・比較例で得られた薄膜の比抵抗を、次の装置を使用して次の方法で測定した。
実施例・比較例で得られた薄膜の比抵抗を、次の装置を使用して次の方法で測定した。
・測定装置:共和理研社製、四探針計測器 K−705RS
・測定方法:直流4探針法
・膜厚:100nm
・測定方法:直流4探針法
・膜厚:100nm
上記実施例及びこれまで本発明者が行ってきた試験結果から、Niに適量のCuを含有させてなるNi合金ターゲットであれば、Niの有する磁性を低減しつつ、Niターゲットを用いた成膜した際の薄膜と同等の比抵抗をもつ薄膜を成膜できることが分かった。
よって、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット、又は、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、Cu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲットであれば、Niターゲットのもつ磁性を低減しつつ、Niターゲットを用いて成膜した薄膜と同等の比抵抗をもつ薄膜を成膜することができる。
よって、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット、又は、Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、Cu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲットであれば、Niターゲットのもつ磁性を低減しつつ、Niターゲットを用いて成膜した薄膜と同等の比抵抗をもつ薄膜を成膜することができる。
なお、実施例4より、Cu以外の添加元素としてAlを0.01at%以上0.5at%以下の割合で含むNi合金からなる、スパッタリングターゲットについても、Niターゲットのもつ磁性を低減しつつ、Niターゲットを用いて成膜した薄膜と同等の比抵抗をもつ薄膜を成膜することができることが確認された。
磁性低減が、金属元素の微量添加によるNiの結晶構造の微小な歪みによるものであると考えると、Cu以外の添加元素として、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、Geなどの元素を含むNi合金の場合も、Cu及びAlを含むNi合金と同様の効果を得ることができると推察できる。
磁性低減が、金属元素の微量添加によるNiの結晶構造の微小な歪みによるものであると考えると、Cu以外の添加元素として、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、Geなどの元素を含むNi合金の場合も、Cu及びAlを含むNi合金と同様の効果を得ることができると推察できる。
Claims (6)
- Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット。
- Cuを0.5at%以上5.0at%以下含み、さらにCu以外の添加元素を0.01at%以上0.5at%以下含み、残部がNiであるNi合金からなる、スパッタリングターゲット。
- 前記Cu以外の添加元素が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、Ge及びAlから選択される1種または2種以上の元素である、請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
- 印加磁場10〜5000A/mの時の最大比透磁率が150以下である、請求項1〜3の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
- バルク抵抗が8.0×10-6Ω・cm以下である、請求項1〜4の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
- 請求項1〜5の何れかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングして得られた薄膜であって、厚さ100nm時の膜抵抗率が1.53×10−5Ω・cm〜2.00×10−5Ω・cmである薄膜。
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