JP5113100B2 - 高純度ニッケル合金ターゲット - Google Patents

高純度ニッケル合金ターゲット Download PDF

Info

Publication number
JP5113100B2
JP5113100B2 JP2009016240A JP2009016240A JP5113100B2 JP 5113100 B2 JP5113100 B2 JP 5113100B2 JP 2009016240 A JP2009016240 A JP 2009016240A JP 2009016240 A JP2009016240 A JP 2009016240A JP 5113100 B2 JP5113100 B2 JP 5113100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
film
nickel alloy
uniformity
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2009016240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009120959A (ja
Inventor
康廣 山越
博仁 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2009016240A priority Critical patent/JP5113100B2/ja
Publication of JP2009120959A publication Critical patent/JP2009120959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5113100B2 publication Critical patent/JP5113100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)及びプラズマのイグニッション(点弧)性に優れたニッケル合金スパッタリングターゲットに関する。
ハードディスク用磁気記録媒体、磁気ヘッド、LSIチップ等に磁性膜を形成する方法として、スパッタリング法が広く用いられている。
スパッタリング法は、陽極となる基板と陰極となるターゲットとを対向させ、不活性ガス雰囲気下でこれらの基板とターゲットの間に高電圧を印加して電場を発生させるものであり、この時電離した電子と不活性ガスが衝突してプラズマが形成され、このプラズマ中の陽イオンがターゲット表面に衝突してターゲット構成原子を叩きだし、この飛び出した原子が対向する基板表面に付着して膜が形成されるという原理を用いたものである。
現在、スパッタリングの多くは、いわゆるマグネトロンスパッタリングと呼ばれている方法が使用されている。マグネトロンスパッタリング法は、ターゲットの裏側に磁石をセットしターゲット表面に電界と垂直方向に磁界を発生させてスパッタリングを行なう方法であり、このような直交電磁界空間内ではプラズマの安定化および高密度化が可能であり、スパッタ速度を大きくすることができるという特徴を有している。
一般に、このようなマグネトロンスパッタリング法を用い、NiやCo等の強磁性体またはフェリ磁性体等の磁性体薄膜を基板上に形成することが行なわれている。マグネトロンスパッタリングは磁界中に電子を捕らえて、効率よくスパッタガスを電離するが、ターゲットが磁化をもつ場合、ターゲットそのものが磁気特性によって、スパッタ面近傍の磁界に影響を与える。
近年、特にゲート材料として、シリサイド化温度が低いこと、膜の電気抵抗が低いこと、さらにはシリサイド反応で使用されるシリコンが少ないなどの特性があることから、コバルトに替えてニッケル又はニッケル合金を使用する提案がなされている。
一般に、強磁性体は磁気的に閉回路を作るためにマグネトロンスパッタリングすることが極めて難しいという問題がある。しかし、最近ではニッケル又はニッケル合金のような強磁性体ターゲットでも、強力なマグネットを用いるなどのマグネトロンスパッタリング装置の改善によって、ニッケル又はニッケル合金ターゲットの厚さが5mm程度あれば、十分な成膜速度が得られるようになっている。
しかし、逆に言うとニッケル又はニッケル合金のようなターゲットにおいては、その厚さを5mm以下好ましくは3mm以下に薄くし、かつ均一な膜が得られるように、ターゲットを加工する必要があるという大きな課題がある。
また、スパッタ面内の磁気特性が不均一であるターゲットを用いると、エロージョン部の最深部が歪み、予定した膜厚分布が得られないという問題があり、磁性体であるニッケル又はニッケル合金ターゲットは、特にこの傾向が著しいと言える。
圧延を施したターゲット素材は、当然歪みが等方的ではない。すなわち結晶粒が一方向に延ばされた集合組織となる。このため、三次元的に見た場合には勿論のこと、圧延面内ですら、磁気特性に異方性を生ずる。
ニッケル又はニッケル合金ターゲットは、この磁気的異方性を利用するものであるが、内部組織に歪み等がそのまま存在するという欠点を有している。
このような圧延板から円盤状のターゲットを切出してターゲットを作製すると、本来円形のエロージョンが進行するところが、1方向に延ばされた形となる。
本来、円形基板上への成膜の際に本来円形のエロージョンとなることが期待されていたものであるから、該円形基板上での均一の膜厚が得られないという問題がある。
以上から、通常成膜の厚さは磁気特性を左右するので、ある程度の膜厚があり、かつそれが均一であることが必要である。しかし、ゲート膜は薄くても良く、成膜速度や膜厚は特に問題となることはない。
しかしながら、上記の成膜特性において、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)がゲート膜の特性に大きな影響を与え、特に、最近の300mmウエハプロセスでは大きな問題となっている。
本発明は、上記のような問題または欠点に鑑みてなされたもので、300mmウエハを用いた製造プロセスにおいても、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)を良好にすることができ、かつプラズマのイグニッション(点弧)性に優れたマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者はスパッタリング用ターゲットの製造に際して、スパッタ膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)の改善には、むしろ透磁率の高い方が良いとの知見を得、さらに加工工程の改良により、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)を向上させることができ、これによって得られた高純度ニッケル合金ターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングすることにより、安定した製造条件で、再現性よくかつ品質の良いニッケル合金薄膜を得ることができるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1.マグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットであって、ニッケル合金の純度が4N5(99.995重量%)以上で、合金元素はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Co、Pt、Pd、Ir、Fe、Mnからなり、その添加量は0.5〜5at%で強磁性を示し、かつターゲットの透磁率が100以上、平均結晶粒径の5倍以上に粒成長した粗大結晶粒を含まず、スパッタ膜のユニフォーミティ(%、3σ)が10%以下であるユニフォーミティに優れたマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲット、を提供する。
本発明のマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットは、結晶粒径が均一で粗大化した異常結晶粒がなく、300mmウエハを用いた成膜プロセスにおいても、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)とプラズマのイグニッション(点弧)性を良好にすることができるという優れた効果を有する。
高純度ニッケル合金ターゲットの製造に際しては、まず高純度ニッケル合金を溶製し、これをブロック(インゴット)に鋳造する。
次に、これを熱間鍛造し、さらに30%以上の圧延率で冷間圧延し、これを400°C以上の温度で熱処理する。本発明においては前記冷間圧延と熱処理を少なくとも2回以上繰り返す。そして、最終的に、平板状その他のマグネトロンスパッタリング装置にセットできるターゲット形状に加工する。
この高純度ニッケル合金ターゲットの透磁率が100以上であることが重要であり、本発明の大きな特徴の一つである。上記の製造工程によってこれを達成する。
透磁率が高いとプラズマが起ち難くなりスパッタリングが難しくなることは既に述べた通りであり、一般的には透磁率がなるべく低くなるような工夫がなされている。しかし、透磁率が高い場合には、スパッタリングによるエロージョンでターゲット形状が変化することによって、磁束変化が少なくなり、成膜の均一性の変動が少なくなるという効果があることが分かった。
つまり、透磁率が低いほど漏洩磁場が大きく、エロージョン部近傍のプラズマ密度が高くなり、このエロージョンの進行に伴い、よりこの部分のスパッタ成膜が大きくなってしまい、ターゲットライフを通じてユニフォーミティの変化が大きくなってしまうことになる。
本発明は、このような透磁率が高いことによる効果を利用してスパッタ膜のユニフォーミティを改善するものであり、従来とは全くことなる技術思想に基づくものである。
また、高純度ニッケル合金は軟質な材料であり、異常な粒成長を起こし易く、細粒の中に粗大粒が混在する不均一な金属組織に成り易いという傾向がある。そして、この不均一組織は膜のユニフォーミティに大きく影響する。
また、このような高純度ニッケル合金ターゲット内部組織の粗大粒の混在は、プラズマのイグニッション(点弧)性にも悪影響を与えると考えられる。
上記のように、マグネトロンスパッタリングの際に好適なプラズマを形成させるためには、ニッケル合金ターゲットを5mm以下、好ましくは3mm程度の厚さにする必要があるが、もし異常な粒成長を起こしたターゲットの不均一組織が存在すると、それはターゲットが薄いだけに、ターゲット全体に大きく影響を与えることになる。その結果、スパッタリング膜のユニフォーミティ及びプラズマのイグニッション(点弧)性をより悪化させる。
したがって、マグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲット中に、平均結晶粒径の5倍以上に粒成長した粗大結晶粒を含まないことが望ましい。これによって、膜のユニフォーミティ及びプラズマのイグニッション(点弧)性がさらに改善される。
このような、異常な粒成長を起こさない均一組織の高純度ニッケル合金ターゲットにするためには、上記の通り凝固組織を破壊したインゴットを30%以上の圧延率での冷間圧延と300°C以上の温度での熱処理を2回以上、繰り返して平板状に形成していくことが重要である。また、このような加工の繰り返しにより、ターゲット板に平坦性を持たせることができるという特徴を有する。
30%未満の圧延率では、異常粒成長した粗大組織を十分破壊(分断)できず、また300°C未満では透磁率が本発明で考えている程度の大きな値にならない。したがって、熱処理の範囲は300°C以上とする。
また、一回の30%以上の圧延率での冷間圧延と300°C以上の温度での熱処理(たとえ80%程度の強加工をしても)では、異常粒成長した粗大組織を十分に消失させることができない。
したがって、この工程は少なくとも2回以上、繰り返すことが必要である。なお、この冷間圧延と熱処理は必ずしも同一条件とする必要はない。
以上の工程によって、膜のユニフォーミティ及びプラズマのイグニッション(点弧)性に優れたマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットを製造することができる。
高純度ニッケル合金ターゲットとしては、純度が4N5(99.995重量%)以上、さらに5N(99.999重量%)以上である高純度ニッケル合金であることが望ましい。
ニッケル合金としては、Ni−Ti、Ni−Zr、Ni−Hf、Ni−V、Ni−Nb、Ni−Ta、Ni−Cr、Ni−Co、Ni−Pt、Ni−Pd、Ni−Ir、Ni−Fe、Ni−Mnなどを挙げることができる。添加する合金元素は、強磁性体としての性質が大きく変化するほどの含有量としないことは勿論であり、添加量としては0.5〜7at%程度である。実施例に示すように上限値は5at%とする
また、ターゲット中の平均結晶粒径が20〜1200μmであり、スパッタリングのエロージョン面における平均結晶粒径のばらつきが変動係数20%以内であることが望ましい。
これによって、ターゲットライフを通じての膜のユニフォーミティ及びプラズマのイグニッション(点弧)性に優れた好適なマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットを得ることができる。
なお、下記実施例及び比較例に示すニッケル合金については、上記ニッケル合金の一部のみを例示するが、いずれの合金においても同様の結果が得られた。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明の技術思想に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
参考例1〜5)
純度99.995%のニッケルを原料として電子ビーム溶解し、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。このインゴットを均熱化処理(900〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造(こねくり鍛造)を行った。熱間鍛造の開始温度は900°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。
900°C未満の熱間鍛造では割れが入ることが多く、1150°Cを超える温度では材料の酸化が著しいので、上記の範囲の温度とした。
これを圧延率30〜60%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。次に、これをさらに圧延率30〜60%で冷間圧延し、300〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。
これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケルターゲット試料とした。ターゲット試料の平均粒径は表1に示す通り116〜1215μmにあり、異常結晶粒が見られない組織のターゲットが得られた。また、このニッケルターゲットの透磁率は121〜255であり、良好な平坦性を有していた。なお、組織観察と透磁率の測定は、ターゲットを放射状に均一に17点測定し、その平均値とした。以下の参考例及び比較例(参考)は、同様にして測定した。
次に、このニッケルターゲットを用いて300mmウエハに対してマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティはターゲットライフ約5kwh毎に新しいウエハに1000Åの膜を成膜して、間接的に4端子法による49点の抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は、いずれも10%以下であり、しかもターゲットライフ90kwh(スパッタパワー1kw)まで持続し、優れた膜のユニフォーミティを示した。その詳細を、同様に表1に示す。但し、ターゲットライフ0〜10kWhは不安的期であり測定範囲外とした。
なお、表1には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、いずれも良好であった。
Figure 0005113100
比較例(参考)1〜8)
前記参考例と同様の純度99.99%のニッケルを原料として電子ビーム溶解し、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。このインゴットを均熱化処理(900〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造を行った。熱間鍛造の開始温度は900°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。
これを圧延率50〜80%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理した。この冷間圧延と熱処理は1回である。
これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケルターゲット試料とした。ターゲット組織には、粗大結晶粒が観察された。
次に、このニッケルターゲットを用いて実施例と同一の条件でマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティの測定は間接的に4端子法による抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は上限値が12〜20の範囲にあり、膜のユニフォーミティが著しく悪い結果となった。その詳細を、同様に表1に示す。特に、この比較例1〜8については、ターゲットライフが40kwhを過ぎたころから急激に膜のユニフォーミティが悪化する傾向が見られた。
なお、表1には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、同イグニッション性は不良であった。
(実施例6〜10)
純度99、995%のニッケルを原料として電子ビーム溶解した。別に純度99.995%のチタンを原料として電子ビーム溶解し、このニッケルにチタンを5at%添加して、コールドウォールタイプの真空誘導炉で溶解してニッケル−チタン合金とし、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。
このインゴットを均熱化処理(750〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造を行った。熱間鍛造の開始温度は750°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。750°C未満の熱間鍛造では割れが入ることが多く、1150°Cを超える温度では材料の酸化が著しいので、上記の範囲の温度とした。
これを圧延率30〜60%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。次に、これをさらに圧延率30〜60%で冷間圧延し、300〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。
これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケル合金ターゲット試料とした。ターゲット試料の平均粒径は表2に示す通り24〜850μmにあり、異常結晶粒が見られない組織のターゲットが得られた。また、このニッケル合金ターゲットの透磁率は107〜235であり、良好な平坦性を有していた。
次に、このニッケル合金ターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティは間接的に4端子法による抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は、いずれも10%以下であり、しかもターゲットライフ90kwh(スパッタパワー1kw)まで持続し、優れた膜のユニフォーミティを示した。その詳細を、同様に表2に示す。
なお、表2には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、いずれも良好であった。
Figure 0005113100
(比較例9〜16)
純度99、995%のニッケルを原料として電子ビーム溶解した。別に純度99.995%のチタンを原料として電子ビーム溶解し、このニッケルにチタンを5at%添加して、コールドウォールタイプの真空誘導炉で溶解してニッケル−チタン合金とし、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。
このインゴットを均熱化処理(750〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造を行った。熱間鍛造の開始温度は750°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。750°C未満の熱間鍛造では割れが入ることが多く、1150°Cを超える温度では材料の酸化が著しいので、上記の範囲の温度とした。
これを圧延率50〜80%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理した。この冷間圧延と熱処理は1回である。これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケル合金ターゲット試料とした。ターゲット組織には、粗大結晶粒が観察された。
次に、このニッケル合金ターゲットを用いて同一の条件でマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティの測定は間接的に4端子法による抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は上限値が13〜22の範囲にあり、膜のユニフォーミティが著しく悪い結果となった。その詳細を、同様に表2に示す。特に、この比較例9〜16については、ターゲットライフが30kwhを過ぎたころから急激に膜のユニフォーミティが悪化する傾向が見られた。
なお、表2には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、同イグニッション性は不良であった。
(実施例11〜15)
純度99、995%のニッケルを原料として電子ビーム溶解した。別に純度99.995%のマンガンを原料とし、このニッケルにマンガンを0.5at%添加して、コールドウォールタイプの真空誘導炉でアルゴンガス雰囲気にて溶解してニッケル−マンガン合金とし、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。
このインゴットを均熱化処理(750〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造を行った。熱間鍛造の開始温度は750°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。750°C未満の熱間鍛造では割れが入ることが多く、1150°Cを超える温度では材料の酸化が著しいので、上記の範囲の温度とした。
これを圧延率30〜60%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。次に、これをさらに圧延率30〜60%で冷間圧延し、300〜600°Cで1時間熱処理し、再結晶させた。
これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケル合金ターゲット試料とした。ターゲット試料の平均粒径は表3に示す通り62〜1290μmにあり、異常結晶粒が見られない組織のターゲットが得られた。また、このニッケル合金ターゲットの透磁率は105〜215であり、良好な平坦性を有していた。
次に、このニッケル合金ターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティは間接的に4端子法による抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は、いずれも10%以下であり、しかもターゲットライフ90kwh(スパッタパワー1kw)まで持続し、優れた膜のユニフォーミティを示した。その詳細を、同様に表3に示す。
なお、表3には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、いずれも良好であった。
Figure 0005113100
(比較例17〜24)
純度99、995%のニッケルを原料として電子ビーム溶解した。別に純度99.995%のマンガンを原料とし、このニッケルにマンガンを0.5at%添加して、コールドウォールタイプの真空誘導炉でアルゴンガス雰囲気にて溶解してニッケル−マンガン合金とし、これを鋳造してインゴット(120φ×70h)とした。
このインゴットを均熱化処理(750〜1150°Cで2時間保持)した後、熱間鍛造を行った。熱間鍛造の開始温度は750°C〜1150°Cであり、真歪み約5で行った。750°C未満の熱間鍛造では割れが入ることが多く、1150°Cを超える温度では材料の酸化が著しいので、上記の範囲の温度とした。
これを圧延率50〜80%で冷間圧延し、300°C〜600°Cで1時間熱処理した。この冷間圧延と熱処理は1回である。
これによって得た圧延板から試料を切り出し、厚さ3mm、直径440mmの円盤状ニッケル合金ターゲット試料とした。ターゲット組織には、粗大結晶粒が観察された。
次に、このニッケル合金ターゲットを用いて同一の条件でマグネトロンスパッタリングを実施し、膜のユニフォーミティ(%、3σ)及びプラズマのイグニッション(点弧)性を測定及び観察した。なお、膜のユニフォーミティの測定は間接的に4端子法による抵抗値から計算した。
膜のユニフォーミティの測定結果は上限値が15〜25の範囲にあり、膜のユニフォーミティが著しく悪い結果となった。その詳細を、同様に表3に示す。特に、この比較例17〜24については、ターゲットライフが30kwhを過ぎたころから急激に膜のユニフォーミティが悪化する傾向が見られた。
なお、表3には、プラズマのイグニッション(点弧)性を表示していないが、同イグニッション性は不良であった。
本発明のマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットは、結晶粒径が均一で粗大化した異常結晶粒がなく、膜のユニフォーミティ(膜厚の均一性)とプラズマのイグニッション(点弧)性を良好にすることができるという優れた効果を有することから、300mmウエハを用いた成膜プロセス、特にゲート膜の形成に有用である。

Claims (1)

  1. マグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲットであって、ニッケル合金の純度が4N5(99.995重量%)以上で、合金元素はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Co、Pt、Pd、Ir、Fe、Mnからなり、その添加量は0.5〜5at%で強磁性を示し、かつターゲットの透磁率が105以上235以下、平均結晶粒径の5倍以上に粒成長した粗大結晶粒を含まず、スパッタ膜のユニフォーミティ(%、3σ)が10%以下であるユニフォーミティに優れたマグネトロンスパッタリング用高純度ニッケル合金ターゲット。
JP2009016240A 2009-01-28 2009-01-28 高純度ニッケル合金ターゲット Expired - Lifetime JP5113100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016240A JP5113100B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 高純度ニッケル合金ターゲット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016240A JP5113100B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 高純度ニッケル合金ターゲット

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002009981A Division JP4376487B2 (ja) 2002-01-18 2002-01-18 高純度ニッケル合金ターゲットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009120959A JP2009120959A (ja) 2009-06-04
JP5113100B2 true JP5113100B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=40813416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009016240A Expired - Lifetime JP5113100B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 高純度ニッケル合金ターゲット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5113100B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5958183B2 (ja) * 2012-08-27 2016-07-27 三菱マテリアル株式会社 Ni又はNi合金スパッタリングターゲット及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3532063B2 (ja) * 1997-03-17 2004-05-31 株式会社日鉱マテリアルズ スパッタリング用ターゲットおよび皮膜形成方法
US6086725A (en) * 1998-04-02 2000-07-11 Applied Materials, Inc. Target for use in magnetron sputtering of nickel for forming metallization films having consistent uniformity through life
JP2001011612A (ja) * 1999-06-28 2001-01-16 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ターゲット材料、電極材料、及び実装部品
JP4487225B2 (ja) * 2000-03-23 2010-06-23 日立金属株式会社 Ni−Nb系ターゲット材およびロウ材用下地膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009120959A (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4376487B2 (ja) 高純度ニッケル合金ターゲットの製造方法
US6176944B1 (en) Method of making low magnetic permeability cobalt sputter targets
JP3973857B2 (ja) マンガン合金スパッタリングターゲットの製造方法
US20130206591A1 (en) Sputtering Target for Magnetic Recording Film and Method for Producing Same
JPWO2005091315A1 (ja) R−Fe−B系薄膜磁石及びその製造方法
JP2005530925A (ja) 高ptfスパッタリングターゲット及びその製造方法
JP2007297679A (ja) スパッタリング用コバルトターゲット及びその製造方法
JP2010159491A (ja) Co−Fe系合金スパッタリングターゲット材
JP4582465B2 (ja) 高純度ニッケル又はニッケル合金ターゲット及びその製造方法
JP4006620B2 (ja) 高純度ニッケルターゲットの製造方法及び高純度ニッケルターゲット
JP5113100B2 (ja) 高純度ニッケル合金ターゲット
JP2003213405A (ja) 高純度ニッケル又はニッケル合金ターゲット及びその製造方法
JP6734399B2 (ja) 磁性材スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP5958183B2 (ja) Ni又はNi合金スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP4698779B2 (ja) 磁性体スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6384523B2 (ja) Ni又はNi合金スパッタリングターゲット
JP2021075749A (ja) スパッタリングターゲット
WO2022102765A1 (ja) 白金系スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6791313B1 (ja) ニッケル合金スパッタリングターゲット
JP4685059B2 (ja) マンガン合金スパッタリングターゲット
JP2021075748A (ja) スパッタリングターゲット
JP2016207798A (ja) 永久磁石、及び、それを備えた回転機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5113100

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term