JPH11158566A - 希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金およびその製造方法 - Google Patents

希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金およびその製造方法

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JPH11158566A
JPH11158566A JP9328170A JP32817097A JPH11158566A JP H11158566 A JPH11158566 A JP H11158566A JP 9328170 A JP9328170 A JP 9328170A JP 32817097 A JP32817097 A JP 32817097A JP H11158566 A JPH11158566 A JP H11158566A
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JP
Japan
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rare earth
earth metal
crucible
alloy
iron
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JP9328170A
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English (en)
Inventor
Yuichi Makino
勇一 牧野
Hiraomi Tokui
均臣 徳井
Takashi Tode
孝 戸出
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ルツボ材から混入するアルミニウムや酸素な
どの不純物が少なく、磁歪特性に優れ、特性のバラ付き
の少ない希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金を製造す
る。 【解決手段】 希土類金属と鉄および/又はこれらの合
金を水冷銅ルツボ内で、高周波誘導加熱により溶解す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響素子、光学制
御素子、センサー、機械制御素子などの分野で、デバイ
スへの適用が検討されている超磁歪材料を製造するのに
好適な希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超磁歪材料用合金の中でも、大き
な磁気歪み量をもつ希土類金属−鉄系合金の用途開発が
進められている。この希土類金属−鉄系の超磁歪材料用
合金は、TbやDyのような希土類金属と鉄および/又
はこれらの合金にCoなどの元素を必要に応じて添加し
た後、高周波誘導溶解炉などで溶解して所定組成の合金
とすることにより製造されている。そして、製造された
希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金はその後、粉砕さ
れ、粉末焼結法やゾーンメルト法などで処理されて超磁
歪材料に加工される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金の製造方法は、
高周波誘導溶解炉などで原料を溶解する際、一般にアル
ミナからなるルツボを用いている。そのため、活性な希
土類金属とルツボが反応して、原料中にルツボの材料成
分であるアルミニウムや酸素が混入してしまい、製造さ
れる超磁歪材料用合金の磁歪特性が低下したり、ロット
間で磁歪特性のバラツキが発生したりするといった問題
があった。上記の方法において、アルミナからなるルツ
ボの代わりに、マグネシア、カルシア、ジルコニアなど
のセラミックスやタンタル、タングステン、モリブデン
などの高融点金属からなるルツボを使用することも考え
られるが、ルツボからの不純物の混入による磁歪特性の
低下を避けることはできず、その上、これらのルツボは
高価で、しかも、耐衝撃性が劣り、割れ易いなどの問題
があった。一方、ルツボを使用しないで、原料を溶解す
る方法として、水冷銅ハース中で、アーク溶解、プラズ
マ溶解あるいは電子ビーム溶解させるなどの方法がある
が、これらの方法では、均一に成分が混合した合金イン
ゴットを製造することは困難であり、均一化のために
は、何回も粉砕、溶解を繰り返す必要があった。その結
果、超磁歪材料用合金に混入する酸素の量が増加し、磁
歪特性が低下するという問題があった。
【0004】そこで、本発明は、ルツボ材料からのアル
ミニウムや酸素などの不純物の混入が少なく、磁歪特性
に優れた希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金を製造す
る方法およびその方法によって得られる希土類金属−鉄
系の超磁歪材料用合金を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、水冷銅ルツボ内
で高周波誘導加熱により原料金属又は合金を溶解すれ
ば、アルミニウムや酸素などの不純物の混入が少ない希
土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金を製造することがで
きることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、希土類金属、特に
Tb又はDyの少なくとも一方と鉄および/又はこれら
の合金を水冷銅ルツボ内で、高周波誘導加熱により溶解
して製造することを特徴とする希土類金属−鉄系の超磁
歪材料用合金の製造方法とその製造方法によって得られ
る希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明により希土類金属−鉄系の超磁歪材用合金
を製造するには、まず、出発原料として、所望の組成比
からなる希土類金属と鉄および/又はこれらの合金を水
冷銅ルツボに投入する。本発明では、従来、一般に用い
られているアルミナからなるルツボの代わりに水冷銅ル
ツボを採用したことにより、ルツボからの汚染が無くな
り、アルミニウム、酸素の低減の効果が得られる。希土
類金属としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Luなどを用いることができる。また、出発原料で
ある鉄は、機械的強度、耐食性、飽和磁歪などを向上さ
せるため、Co、Mn、Ni、Mg、Al、Ga、Z
n、V、Zr、Hf、Ti、Nb、Cu、Ag、Sn、
Mo、Cr、Ta、Pd、In、Sb、Ir、Pt、A
u、Pb、W、Si、Bなどで置換してもよい。なお、
上記出発原料は、なるべく酸素含有量の少ないものを使
用する。例えば、希土類金属は、高純度原料を使用した
り、金属を精製して酸素含有量の低減を図ってから使用
するのが好ましい。
【0007】次に、上記出発原料の混合物を、水冷銅ル
ツボ内で溶解する。溶解するには、高周波誘導加熱(ス
カル溶解法、コールドクルーシブル溶解法)により行
う。本発明において、高周波誘導加熱を採用したのは電
磁力による攪拌により合金が均一化されるからである。
これにより、混合物は水冷銅ルツボ内で溶解され、該ル
ツボと接触する合金は該ルツボが水冷されるため冷却凝
固して、薄皮の層(スカル層)が形成されるので、不純
物の混入を避けることができる。そして、溶解した合金
を鋳型に入れて鋳造することにより、アルミニウムや酸
素などの不純物の混入量が少ない希土類金属−鉄系の超
磁歪材料用合金が得られる。こうして製造した希土類金
属−鉄系の超磁歪材料用合金を使用して、粉末焼結法や
ゾーンメルト法などの方法で処理することにより、磁歪
特性の優れた超磁歪材料が得られる。
【0008】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0009】(実施例1)Tbメタル、Dyメタル、電
解鉄を21.0wt%Tb−39.0wt%Dy−残F
eとなるように秤量し、予めスカル層をその内側に形成
させた水冷銅ルツボに入れ、高周波誘導加熱により溶解
した後、ルツボを傾注して鋳造した。得られた合金中の
酸素量は0.04wt%であった。この合金を粉砕し、
粉末焼結法により超磁歪材を製造した。この超磁歪材
の、0.5KOe磁場での磁歪量の測定結果(歪ゲージ
法)を表1に示す。なお、同様な溶解、鋳造操作を10
回繰り返しても合金中の酸素量は同等であり、製造した
超磁歪材の磁歪量のばらつきは3%以内であった。
【0010】(実施例2)Tbメタル、86%Dy−F
e合金、電解鉄、Coメタルを20.6wt%Tb−3
9.1wt%Dy−1.5wt%Co−残Feとなるよ
うに秤量し、実施例1と同様に溶解して合金を製造し
た。この合金を使用して同様に超磁歪材を製造し、磁歪
量を測定した結果を表1に併記する。
【0011】(比較例1)水冷銅ルツボの替りにアルミ
ナルツボを用いた以外は、実施例1と同様にして同じ組
成の合金を溶解、鋳造した。得られた合金中の酸素量は
0.065wt%であった。同様にして、超磁歪材を製
造し、その磁歪量を測定した結果を表1に併記する。な
お、同様な溶解、鋳造操作を数回繰り返すと、ルツボに
クラックが生じ、ルツボを交換する必要が生じた。ま
た、溶解バッチ毎にAl量、酸素量が変動し、製造した
超磁歪材の磁歪量のバラ付きは10%になった。
【0012】(比較例2)水冷銅ルツボの替りにカルシ
ア製のルツボを用いた以外は、実施例1と同様にして超
磁歪材を製造した。その磁歪量を測定した結果およびル
ツボ寿命を表1に併記する。
【0013】(比較例3)水冷銅ルツボの替りにマグネ
シア製のルツボを用いた以外は、実施例1と同様にして
超磁歪材を製造した。その磁歪量を測定した結果および
ルツボ寿命を表1に併記する。
【0014】(比較例4)水冷銅ルツボの替りにジルコ
ニア製のルツボを用いた以外は、実施例1と同様にして
超磁歪材を製造した。その磁歪量を測定した結果および
ルツボ寿命を表1に併記する。
【0015】(比較例5)水冷銅ルツボの替りにタンタ
ル製のルツボを用いた以外は、実施例1と同様にして超
磁歪材を製造した。その磁歪量を測定した結果およびル
ツボ寿命を表1に併記する。
【0016】(比較例6)実施例1と同じ原料を同じ割
合で秤量し、水冷銅ハース内に各原料をほぼ均等に配置
して、アーク溶解により150φ×10tmmの円板状
に溶解した。合金の中心部、周辺部の5箇所からサンプ
リングし、組成のバラ付きを調べた結果、最大で±7.
5wt%の組成のバラ付きがみられた。そこで、このバ
ラ付きを少なくするために、合金を5mm以下に粉砕し
て同様にアーク溶解する操作を5回繰り返した。組成の
バラ付きは±0.7wt%以内に減少したが酸素量は
0.09wt%に増加した。この合金を使用し同様にし
て超磁歪材を製造し、その磁歪量を測定した結果、40
0ppmと低い値であった。
【0017】(評価)表1から明らかなように、本発明
により製造した実施例の超磁歪材料の磁歪量はいずれも
比較例で製造したものより大きい。これはルツボ材から
の不純物の混入が低減されたためであると考えられる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、従来の希土類金属−鉄
系の超磁歪材料用合金の製造方法では困難であったルツ
ボ材から混入するアルミニウムや酸素などの不純物の増
加を防止することができる。したがって、本発明で得ら
れる超磁歪材料用合金を使用することによって、磁歪特
性の優れた超磁歪材料を安定して製造することができる
ので、その工業的意義は非常に大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属と鉄および/又はこれらの合
    金を水冷銅ルツボ内で、高周波誘導加熱により溶解して
    製造することを特徴とする希土類金属−鉄系の超磁歪材
    料用合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類金属として、少なくともTb又は
    Dyを使用することを特徴とする請求項1記載の希土類
    金属−鉄系の超磁歪材料用合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又2記載の方法で製造される希
    土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金。
JP9328170A 1997-11-28 1997-11-28 希土類金属−鉄系の超磁歪材料用合金およびその製造方法 Pending JPH11158566A (ja)

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