JP6336821B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用途等の扁平捲回式二次電池に関する。
車載用途等に使用される二次電池には正極及び負極を積層または捲回したリチウムイオン二次電池がある。この正極及び負極は金属箔の両面に合剤層を塗布し、乾燥、プレスすることにより製造される。多くの正極及び負極では電流の経路として金属箔の露出部を設けている。このため、プレスの際に合剤層塗布部直下の金属箔と露出部の金属箔では、それぞれの圧縮量(歪量)が異なる。金属箔内で歪量が異なった領域が隣接していると、その界面において、金属箔にシワ・ヨレが発生し、歪の差異が大きい場合には亀裂が生じる場合がある。
上述した課題に対して、金属箔内で歪量が異なった領域の歪量の差を緩和すべく、合剤層端部の断面形状を金属箔露出部の端部方向に向かって膜厚が減少するテーパ形状にした電極、及びそれを用いた二次電池が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された電極では、テーパ形状の合剤層直下における金属箔圧縮量(歪量)が、金属箔露出部に向かって除々に変化するようになり、上述のシワ・ヨレ・亀裂を抑制することが出来る。
特開2006−24710号公報
特許文献1に記載の電極を使用して二次電池を作成した場合、合剤層の端部がテーパ形状になっているため、金属箔の端部側に近づくにつれて正極合剤層と負極合剤層との距離の差が大きくなり、合剤層間の距離にばらつきが生じてしまう。そのため、合剤層の端部で抵抗が大きくなる領域が発生し、電極内の領域で電流密度の差が大きくなる恐れがある。電極内の領域で電流密度の差が大きくなった場合、デンドライトが生成され、内部短絡の原因になる可能性がある。
本発明の二次電池は上記課題を解決するために、電極とセパレータとが捲回された捲回群を有し、電極は、電極箔上に厚み方向の断面が矩形形状になるように形成された合剤層と、合剤層が配置されていない電極箔露出部と、合剤層と電極箔露出部の間であって、かつ合剤層に隣接して設けられた絶縁層を有し、絶縁層は、合剤層側から電極箔露出部に向かうにつれて密度が小さくなることを特徴とする。
本発明によれば、金属箔のシワ等の発生を抑制しつつも、合剤層間の距離のばらつきを抑制した二次電池を提供することが可能となる。
角形二次電池の外観斜視図 角形二次電池の分解斜視図 電極群の展開斜視図 正極電極の短尺幅方向の断面図 電極の作成フローを示す図 正極合剤の塗工・乾燥工程を示す図 絶縁体の塗工・乾燥工程を示す図 絶縁体の塗工・乾燥工程後の正極電極断面図 正極電極のプレス加工工程を示す図 プレス加工後の正極電極の平面図、及びプレス加工後の正極電極の断面図 正極電極のスリット加工工程を示す図 実施例2の負極電極の断面図 実施例2の絶縁体の塗工・乾燥工程を示す図 実施例2の絶縁体の塗工・乾燥工程後の負極電極断面図 実施例2のプレス加工後の負極電極の平面図、及びプレス加工後の負極電極の断面図
《実施例1》
以下、本発明による蓄電素子の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は蓄電素子の一実施の形態としての角形二次電池100の外観斜視図であり、図2は角形二次電池100の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、角形二次電池100は、電池缶1と電池蓋6とからなる電池容器を備えている。電池缶1および電池蓋6の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などである。電池缶1は、深絞り加工を施すことによって、一端が開口された扁平な矩形箱状に形成されている。電池缶1は、矩形平板状の底面1dと、底面1dの一対の長辺部のそれぞれに設けられる一対の幅広側面1bと、底面1dの一対の短辺部のそれぞれに設けられる一対の幅狭側面1cとを有している。
電池蓋6は、矩形平板状であって、電池缶1の開口を塞ぐようにレーザ溶接されている。つまり、電池蓋6は、電池缶1の開口を封止している。電池蓋6には、捲回群3の正極電極34及び負極電極32(図3参照)と電気的に接続された正極外部端子14及び負極外部端子12が配置されている。なお、正極外部端子14と電池蓋6の間、及び負極外部端子12と電池蓋6の間にはそれぞれ短絡を防止する為の正極側外部絶縁体24、負極側外部絶縁体22が配置されている。
正極外部端子14には平板状のバスバー溶接部142が、負極外部端子12には平板状のバスバー溶接部152がそれぞれ設けられている。組電池を作成する際にはバスバー溶接部142、152にバスバーを当接させて溶接することにより、バスバーと正極外部端子14、バスバーと負極外部端子12がそれぞれ接続される。
また電池蓋6には、ガス排出弁10が設けられている。ガス排出弁10は、プレス加工によって電池蓋6を部分的に薄肉化することで形成されている。なお、薄膜部材を電池蓋6の開口にレーザ溶接等により取り付けて、薄肉部分をガス排出弁としてもよい。ガス排出弁10は、角形二次電池100が過充電等の異常により発熱してガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に達したときに開裂して、内部からガスを排出することで電池容器内の圧力を低減させる。
図2に示すように、電池缶1には蓋組立体107に保持された捲回群3(図3参照)が収容されている。捲回群3の正極電極34(図3参照)に接合される正極集電体180および捲回群3の負極電極32(図3参照)に接合される負極集電体190ならびに捲回群3は、絶縁ケース108に覆われた状態で電池缶1に収容されている。絶縁ケース108の材質は、ポリプロピレン等の絶縁性を有する樹脂であり、電池缶1と、捲回群3とは電気的に絶縁されている。なお、ここで言う蓋組立体107は、捲回群3、正極集電体180、正極外部端子14、負極集電体190、負極外部端子12及び電池蓋6を一体に組み立てたものである。
正極外部端子14は正極集電体180を介して捲回群3の正極電極34(図3参照)に電気的に接続され、負極外部端子12は負極集電体190を介して捲回群3の負極電極32(図3参照)に電気的に接続されている。このため、正極外部端子14および負極外部端子12を介して外部機器に電力が供給され、あるいは、正極外部端子14および負極外部端子12を介して発電電力が捲回群3に供給されて充電される。
正極集電体180は、正極外部端子14と接続される座面部181と、正極電極34に接続される接合平面部183と、座面部181と接合平面部183の間に設けられた平面部182を有する。
正極集電体180と同様に、負極集電体190も、負極外部端子12と接続される座面部191、負極電極32に接続される接合平面部193と、座面部191と接合平面部193の間に設けられた平面部192を有する構造となっている。
また図2に示すように、電池蓋6には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔9が穿設されている。注液孔9は、電解液注入後に注液栓11によって封止される。電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。
図3を参照して、捲回群3について説明する。図3は捲回群3を示す斜視図であり、捲回群3の巻き終り側を展開した状態を示している。発電要素である捲回群3は、長尺状の正極電極34および負極電極32をセパレータ33、35を介在させて捲回中心軸W周りに扁平形状に捲回することで積層構造とされている。
負極電極32は、負極集電体である負極箔の両面に負極活物質合剤を塗布した負極合剤層32aを有し、負極箔の短尺幅方向の一方側の端部には、負極活物質合剤を塗布しない負極箔露出部32bを有する。
負極電極32に用いられる負極合剤は、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという)を添加、混練して作製される。なお、負極活物質に非晶質炭素を用いる場合について示したが、これに限定されるものではなく、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、またはそれの複合材料でもよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
また、負極電極32における合剤層塗布部の結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
正極電極34は、正極集電体である正極箔の両面に正極活物質合剤が塗布された正極合剤層34aを有する。また、正極電極34は正極合剤層34aの幅方向端部には絶縁層34cを有し、正極箔の幅方向の他方側の端部には、正極活物質合剤および絶縁体を塗布しない正極箔露出部34bが設けられている。
負極箔露出部32bと正極箔露出部34bは、電極箔の金属面が露出した領域であり、捲回中心軸W方向(図3の幅方向)のそれぞれ一方側と他方側の位置に配置されるように捲回される。
図4に正極電極34の短尺幅方向の断面図を示す。正極箔の両面に正極合剤層34aが形成され、断面が矩形形状に形成された正極合剤層34aの幅方向端部に絶縁層34cが形成されている。なお、断面が矩形形状である正極合剤層34aは後述する通常の塗布方法で作成されたものであり、意図的に正極合剤層34aの端部にテーパ等を付けてない状態であることを意味する。
正極箔の幅方向の一方側には、上述したように正極活物質合剤および絶縁体が塗布されていない正極箔露出部34bが設けられている。絶縁層34cは、密度の特徴が異なる2つの領域に分けられる。1つめは、正極合剤層34aの幅方向端部と直接接触しており、正極箔露出部34bの端部側に向かうに従って、密度が連続的に小さくなるように変化する絶縁層(密度変化部分)の第一の領域34c1である。2つめは、負極箔露出部32bの端部側に向かうに従って密度は一定であるが、厚さが薄くなる絶縁層(密度一定部分)の第二の領域34c2である。なお、第二の領域34c2の密度は、第一の領域34c1よりも密度が小さくなっている。
また、本実施例では第一の領域34c1の厚さが一定となるように図示されているが、後述するように塗布された絶縁体にプレス加工工程で圧力がかかれば良いため、必ずしも厚さが一定である必要は無い。正極電極34に関しては、一例として正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMn24)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と結着剤として10重量部のPVDFを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した正極合剤を作製する。この正極合剤をアルミニウム箔(正極箔)の両面に溶接部(正極箔露出部34b)を残して塗布・乾燥した。その後、後述の負極電極32と同様にプレス、スリット工程を経て、正極電極34を得る。なお、アルミニウム箔を含まない正極活物質塗布部厚さは100〜200μmの厚さとなっている。
また、正極活物質については正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物や層状結晶構造を有すコバルト酸リチウムやチタン酸リチウムやこれらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いるようにしてもよい。
また、正極電極34における合剤層塗布部の結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
続いて絶縁層34cを構成する絶縁体の成分について説明する。絶縁層34cを構成する絶縁体は、絶縁性粒子としてアルミナ100重量部に対して、結着剤として3重量部のスチレンブタジエンゴム(以下、SBR)を添加し、これに分散溶媒としてイオン交換水を用い、混練し作成される。絶縁性粒子としてアルミナを用いる場合を示したが、これに限定されるものではなく、シリカ、ジルコニア、炭酸リチウムなどの酸化物微粒子でもよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。また、使用される絶縁体はアルミナ、シリカ、ジルコニア、炭酸リチウムのうちから複数選択して用いても良い。これらの材料は高電位でも分解しにくい材料であるため、安全性が高い。
続いて各ステップについてより詳細に説明する。
次に、具体的な製造方法を記載する。図5に正極電極34の作成フローを示す。ステップS1で、正極合剤を正極箔に塗布し、乾燥させる。続いてステップS2で正極合剤層34aの端部から正極箔露出部34bにかけて絶縁体を塗布し、乾燥させる。そしてその後、ステップS3で正極合剤層34aと絶縁体34cを共にプレスし(プレス加工)、ステップS4で、スリット機を用いて電極を切断する工程(スリット加工)を経て正極電極34が完成する。各ステップのより詳細な内容については後述する。
図6に正極合剤の塗工・乾燥工程(ステップS1の工程に該当)を図示する。図6に示した正極合剤塗工乾燥機38は、塗布の役割をもつダイヘッド40aと塗膜した溶媒分を揮発乾燥する役割をもつ乾燥炉41を併せもつ。また基材であるアルミニウム箔45を塗布部分および乾燥部分に順次搬送するために搬送ローラ43が配置されており、アルミニウム箔45の巻き出しおよび巻き取りを行うために、巻き出しローラ42、巻き取りローラ44がそれぞれ配置されている。
正極箔であるアルミニウム箔45は巻き出しローラ42より、搬送ローラ43に沿って搬送される。ダイヘッド40aから正極合剤が吐出されることによって、ダイヘッド40aの直下において、アルミニウム箔45上に負極合剤を厚さ100μm〜200μm塗布され、正極合剤層34aが形成される。形成された正極合剤層34aは、アルミニウム箔45と共に乾燥炉41に搬送され、60〜100℃の循環熱風によって、正極合剤中の溶媒成分が揮発乾燥する。
乾燥後の正極合剤層34aの膜厚は約半分程度に減少する。乾燥した正極合剤層34aは、アルミニウム箔45と共に巻き取りローラ44によって、ロール状に巻き取られる。巻き取られたロールを再び巻き出しローラ42から搬送し、裏面も同様に正極合剤層34aを形成することによって図5のステップS1は終了する。
続いて図7に絶縁体の塗工・乾燥工程(ステップS2の工程に該当)を図示する。図7に示した絶縁体塗工乾燥機39は、前述の正極合剤塗工乾燥機38と塗工する役割を持つ部分のみ異なっており、微小幅(0.5mm〜2.0mm程度)を塗工する機能をもったマイクロダイヘッド40bが配置されている。
アルミニウム箔45の両面に正極合剤層34aが形成されたものが、巻き出しローラ42より、搬送ローラ43に沿って搬送される。続いて正極合剤層34aの短尺幅方向の端部に向けて絶縁体が吐出されるように配置されたマイクロダイヘッド40bによって、正極合剤層34aの短尺幅方向の端部に絶縁体を乾燥後の正極合剤層34aと同じ厚さ、もしくは乾燥後の正極合剤層34aよりも厚い厚さで微小幅塗布され、絶縁層34c3が形成される。形成された絶縁層34c3は、乾燥炉41に搬送され、60〜100℃の循環熱風によって、絶縁体中の溶媒成分が揮発乾燥される。その後、乾燥された絶縁層34c3が形成された正極電極は、巻き取りローラ44によって、ロール状に巻き取られる。巻き取られたロールを再び巻き出しローラ42から搬送し、裏面にも同様に絶縁層34cを形成することで正極電極34が作製される。
図4で説明した絶縁層の第一の領域34c1及び第二の領域34c2の2つの領域を形成するためのポイントは、塗布する絶縁体を乾燥後の正極合剤層34aと同じ厚さにする、もしくは塗布する絶縁体を乾燥後の正極合剤層34aより厚くすることである。このように絶縁体を塗布することによって、この工程の後のプレス工程時(ステップS3の工程に該当)で塗布後の絶縁体に圧力がかかるようになる。絶縁体に圧力がかかる部分は、一端側に正極合剤層34aが配置され壁となり、かつ他端側は特に何も配置されていないため、正極箔露出部34bの端部に向かうにつれて密度が減少する第一の領域34c1となる。一方、絶縁体に圧力がかからない部分は、プレスによって圧力がかからないことに起因して、密度が一定で、かつ正極箔露出部34bの端部に向かうにつれて厚みが減少する第二の領域34c2となる。
図8に絶縁体の塗工・乾燥工程後の正極電極の断面図を示す。アルミニウム箔45の両面上において、正極合剤層34aが形成されており、正極合剤層34aの幅方向端部にテーパ形状の絶縁層(マイクロダイヘッド塗工部分)34c3がそれぞれ形成されている。絶縁層(マイクロダイヘッド塗工部分)34c3の膜厚は、正極合剤層34aから正極箔露出部34bに向かうに従って減少している。また、図8に示すように絶縁層34c3の最大厚みは乾燥後の正極合剤層34aの厚みと同じかまたはそれよりも大きくなっている。
図9にプレス加工工程(ステップS3の工程に該当)を図示する。図9に示すように電極のプレス加工工程は、ロールプレス機49を用いて行う。ロールプレス機49には、2つの円柱状のプレスローラ50が配置されており、これらの間に前述の工程で作製された正極電極34を挿入し、2本のプレスローラ50によって、正極電極34を挟みこみ圧力をかけることで、プレス加工を行う。
ロールプレス機49において、プレス前の絶縁層34c3が塗布された正極電極34が搬送ローラ51に沿って、図中の矢印の方向に搬送される。60〜120℃に熱せられた2本のプレスローラ50の間に挿入されると、正極合剤層34a及び正極電極34上の絶縁層34c3がプレスローラ50と接触し、正極合剤層34aと絶縁層34c3が加熱プレスされる。一方、正極露出部34bはプレスローラ50と接触しないため、プレスされない。2本のプレスローラ50は100〜200μm程度の所定の間隙を有しており、正極電極34のプレスされる部分が100〜200μm程度の所定の膜厚になるまで、正極合剤層34aと絶縁層34c3、およびアルミニウム箔45がプレスされ、絶縁層34cが形成される。
乾燥後の正極合剤層34aと同じ厚さ若しくはより厚くなった絶縁層34c3が設けられることによって、プレス時にアルミニウム箔45にかかる圧力の一部は絶縁性粒子が密に配置される力に使用されることになる。そのため、正極合剤層34aの端部近傍のアルミニウム箔45にかかる圧力が徐々に緩和される。上記ステップS1〜S3の工程の結果として、上述した正極箔露出部34bの端部に向かうにつれて密度が減少する第一の領域34c1、及び密度が一定で正極箔露出部34c2の端部に向かうにつれて厚みが減少する第二の領域34c2が形成される。なお、より確実に絶縁層に力をかけるようにするためには、絶縁層34c3の厚さは乾燥後の正極合剤層34aの厚さよりも厚くすることが望ましい。一方で、絶縁層34c3の厚さが乾燥後の正極合剤層34aの厚さよりも薄い場合には絶縁層34c3に力がかからなくなってしまい、アルミニウム箔45の歪を緩和する効果が得られなくなってしまう。
図10にプレス加工後の正極電極32の平面図及び当該平面図のA―A断面図を示す。上述したように、正極合剤層34aと絶縁層34cはそれぞれプレス加工時の圧縮率が異なるため、密度も異なる。正極合剤層34aは、プレス機によって所定の厚さまで一定に圧縮された領域であり、密度が大きく一定である。さらに図10の上図に示した負極電極32の平面図のA−A断面(図10の下図に該当)を用いてアルミニウム箔の歪量について説明する。正極合剤層34aの短尺幅方向端部にある絶縁層34c1(密度変化部分)は、プレス加工前ではテーパ形状であった絶縁層の一部がプレス加工で平らにならされることによって形成される。プレス加工時には正極合剤層34aの端部が壁となり絶縁体の流動を妨げるが、正極箔露出部34bの短尺幅方向の端部側には絶縁体の流動を妨げるものが無い。そのため、絶縁層34c1(密度変化部分)の密度に変化が生じ、絶縁層34c1の直下のアルミニウム箔34b1は短尺幅方向で圧縮率が異なっている。すなわち、絶縁層34c1(密度変化部分)の直下にあるアルミニウム箔34b1の歪は、正極合剤層34aから正極箔露出部34bの端部側に向かうに従って徐々に減少している。そのため、大きな歪を有する正極合剤層34aの直下のアルミニウム箔34b3から正極箔露出部34bの端部側に向かうにつれて、アルミニウム箔にかかる歪を連続的に小さくすることが出来る。
また、プレス加工時に直接圧力を受けずに形成された絶縁層34c2(密度一定部分)の直下のアルミニウム箔34b2は、絶縁層34c1側からの絶縁体の流動により多少の歪は有するが、アルミニウム箔34b1が有する歪よりも小さい歪を有することとなる。そのため、正極合剤層34aから正極箔露出部34bにかけて、アルミニウム箔34b1、アルミニウム箔34b2、正極箔露出部34bの順に連続的に歪が小さくなり、よりアルミニウム箔45にシワや亀裂が発生することを防ぐことが出来る。
ここで、アルミニウム箔34b1のように、正極合剤層34aから正極箔露出部34bに向かうに従って、その密度が徐々に減少している部分が無い場合を仮定する。絶縁層34cの密度の変化量はプレス時の圧縮によってもたらされるものなので、圧縮率の違いはそのままアルミニウム箔の歪量の差に対応することとなる。アルミニウム箔34b1が無い場合、歪量が全く異なるアルミニウム箔が隣接することになる。そのため、その歪の差によって発生する応力を開放するために歪が異なるアルミニウム箔界面にて歪の差異が大きいとシワやヨレがおこり、その差異がさらに大きくなれば亀裂が発生することとなる。
一方、本実施例のアルミニウム箔45のように、歪が徐々に変化する場合、歪が異なるものが隣接するわけではないので、シワや亀裂の発生を抑制させることができるという特徴がある。
また、本発明では合剤層をテーパ形状とするのではなく、絶縁層34cにテーパ部を設けることとしている。そのため、捲回群3を作成した際、正極合剤層と負極合剤層との距離の差が大きくなる部分が無くなる。従って、金属箔のシワや亀裂の発生を抑制しつつも、合剤層間距離のばらつきをなくすことができ、デンドライトの発生を抑制することが出来る。
続いて図11を用いてスリット加工工程(ステップS4の工程に該当)の説明を行う。図11に示すように電極のスリット加工工程は、スリット機59を用いて行う。スリット機59には、2つの円柱状のスリット刃60のついたスリット刃付ローラ61が配置されており、これらの間に前述の工程で作製された正極電極34を挿入することで、スリット刃60によって、正極電極34は中央部から分断され、捲回群3を構成する正極電極34が作成される。
以上のように作成された正極電極34及び負極電極32が互いにセパレータ33、35を介して捲回されて捲回群3が作成される。
捲回群3の幅方向、すなわち捲回方向に直交する捲回中心軸Wの方向(図3参照)の両端部は、一方が正極箔露出部34bの積層部とされ、他方が負極箔露出部32bの積層部とされたものである。
本実施例の正極電極34を用いた場合、正極合剤層34cがテーパを形成せず、正極合剤層34cの断面が矩形形状となっていることにより、正極合剤層と負極合剤層との距離が捲回群3内で大きく変化しない構造となる。そのため、電極間の電流経路に距離のばらつきが無くなり、電流集中によるデンドライトの発生を抑制することができる。従って、本実施例の負極電極32を用いることによって、デンドライトの発生を抑制しつつも金属箔にシワ・ヨレが発生することを抑制することができる。
また、本実施例では絶縁体層34cを正極電極34側片方に形成した例を示したが、負極電極32側に、あるいは両電極共に形成することもできることは言うまでも無い。なお、負極電極32側に絶縁層32aを設ける場合のメリットとしては、負極の電位が正極の電位よりも低いことに起因し、安全性が高くなることである。言い換えると絶縁層34cの分解の恐れが低くなり、安全性が向上するということである。一方、正極電極34側に絶縁層32aを設ける場合のメリットとしては、アルミニウム箔の方が銅箔よりも厚みが厚いことに起因して歪量も大きくなるため、シワやヨレの抑制効果がより高いことである。
《実施例2》
続いて、実施例2について説明する。実施例2が実施例1と異なる点は、合剤層の端部だけではなく合剤層上にも絶縁層を形成した点である。なお、実施例1と同様の構成については、実施例1で用いた図面番号と同様の図面番号を用いている。また、本実施例ではより安全性に考慮した観点から、負極電極32に絶縁層32cを設けた例を用いて説明する。
図12に負極電極32の短尺幅方向の断面図を示す。本実施例では実施例1と異なり、絶縁層32cは、密度の特徴が異なる3つの領域に分けられる。第一の領域32c1と第二の領域32c2の密度の関係は実施例1の第一の領域34c1と第二の領域34c2の密度の関係と変わらないが、本実施例では負極合剤層32a上にさらに第一の領域32c1よりも密度が大きい第三の領域32c3が設けられている。この第三の領域32c3が設けられることによって、プレス時に負極合剤層32aの直下にある銅箔55にかかる圧力の一部は絶縁性粒子が密に配置される力に使用されることになる。そのため、負極合剤層32aの直下の銅箔55にかかる歪が実施例1よりも小さくなり、よりシワやヨレが抑制されることとなる。
また、絶縁層の第三の領域32c3を作成するために、製造方法も実施例1と異なった製造方法をとることとなる。図13に絶縁体の塗工・乾燥工程(図5のステップS2の工程に該当)を図示する。図13に示した絶縁体塗工乾燥機139は、負極合剤層32a上に絶縁層を塗工する機能をもったダイヘッド140aが追加配置されている。
銅箔55の両面に負極合剤層32aが形成されたものが、巻き出しローラ42より、搬送ローラ43に沿って搬送され、ダイヘッド140aによって、負極合剤層32a上に厚さ5〜20μmの絶縁体が塗布される。続いて負極合剤層32aの幅方向端部に向けて絶縁体が吐出されるように配置されたマイクロダイヘッド40bによって、負極合剤層32aの幅方向端部に絶縁体を乾燥後の負極合剤層32aと同じ厚さ、または乾燥後の負極合剤層32aよりも厚い厚さで微小幅塗布され、絶縁層32c4及び絶縁層34c5が形成される。形成された絶縁層32c4及び絶縁層32c5は、乾燥炉41に搬送され、60〜100℃の循環熱風によって、絶縁体中の溶媒成分が揮発乾燥される。このとき、負極合剤層32aの幅方向端部に向けて絶縁層32c5は表面張力と液流動の影響によって、負極合剤層32aにつきまわるような形状(テーパ形状)に乾燥される。乾燥された絶縁層32c4及び絶縁層32c5は、巻き取りローラ44によって、ロール状に巻き取られる。巻き取られたロールを再び巻き出しローラ42から搬送され、裏面も同様に絶縁層32c4及び絶縁層34c5を形成することで負極電極32が作製される。
図14に絶縁体の塗工・乾燥工程後の負極電極断面図を示す。銅箔55の両面上において、負極合剤層32aが形成されており、負極合剤層32a上に平坦な絶縁層32c4(ダイヘッド塗工部分)が、負極合剤層32aの幅方向端部にテーパ形状の絶縁層32c5(マイクロダイヘッド塗工部分)がそれぞれ形成されている。絶縁層32c5(マイクロダイヘッド塗工部分)の膜厚は、負極合剤層32aから負極箔露出部32bに向かうに従って減少している。
図15にプレス加工後の負極電極32の平面図、及び当該平面図のA―A断面図を示す。絶縁層32c3が塗布された負極合剤層32a、及び絶縁層32c1はそれぞれプレス加工時の圧縮率が異なるため、密度が異なる。負極合剤層32aの上にある絶縁層32c3(絶縁層32c中で密度が最も大きい部分)の下に配置される銅箔32b3は、プレス機によって所定の厚さまで圧縮された領域であり、密度が大きく一定である。
さらに図15の上図に示した負極電極32の平面図のA−A断面(図15の下図に該当)を用いて銅箔の歪量について説明する。負極合剤層32aの上にある絶縁層32c3(絶縁層32c中で密度が最も大きい部分)はプレス機によって所定の厚さまで圧縮された領域であり、形成された絶縁層32c中で最も密度が大きく、その密度も一定である。そのため、絶縁層32c3の下の銅箔32b3が有する歪についても、後述する銅箔32b1及び銅箔32b2が有する歪よりも大きくなる。一方で、プレス加工時に絶縁性粒子を密に配置して絶縁層32c3を形成するために力の一部が使われるので、実施例1の合剤層の直下の金属箔よりも歪は小さくなる。
負極合剤層32aの短尺幅方向端部にある絶縁層32c1(密度変化部分)は、プレス加工前ではテーパ形状であった絶縁層がプレス加工で平らにならされることによって形成される。プレス加工時には負極合剤層32aの端部が壁となり絶縁体の流動を妨げるが、負極箔露出部32bの短尺幅方向の端部側には絶縁体の流動を妨げるものが無い。そのため、絶縁層32c1(密度変化部分)の密度に変化が生じ、絶縁層32c1の直下の銅箔32b1の短尺幅方向で圧縮率が異なっている。すなわち、絶縁層32c1(密度変化部分)の直下にある銅箔32b1の歪は、負極合剤層32aから負極箔露出部32bの端部側に向かうに従って徐々に減少している。そのため、銅箔にかかる歪を徐々に小さくすることが出来る。
また、プレス加工時に直接圧力を受けずに形成された絶縁層32c2(密度一定部分)の直下の銅箔32b2は、絶縁層32c1側からの絶縁体の流動により多少の歪は有するが、銅箔32b1が有する歪よりも小さい歪を有することとなる。そのため、負極合剤層32aから負極箔露出部32bにかけて、銅箔32b3、銅箔32b1、銅箔32b2、負極箔露出部32bの順に連続的に歪が小さくなり、より銅箔55にシワや亀裂が発生することを防ぐことが出来る。
上述したように本実施例の電極を用いれば負極合剤層32aの直下の銅箔32b3にかかる歪量が実施例1よりも小さくなり、よりシワ・ヨレが抑制されることとなる。
以上、本発明についてまとめる。本発明に記載の二次電池は、電極(負極電極32、正極電極34)とセパレータ33、35とが捲回された捲回群3を有し、電極(負極電極32、正極電極34)は、電極箔(銅箔55、アルミニウム箔45)上に厚み方向の断面が矩形形状になるように形成された合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)と、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)が配置されていない電極箔露出部(負極箔露出部32b、正極箔露出部34b)と、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)と電極箔露出部(負極箔露出部32b、正極箔露出部34b)の間であって、かつ合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)に隣接して設けられた絶縁層34cを有し、絶縁層34cは、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)側から電極箔露出部(負極箔露出部32b、正極箔露出部34b)に向かうにつれて密度が小さくなる。このような構造にすることによって、合剤層をテーパ形状とすることなく、合剤層側から電極箔露出部に向かうにつれて電極箔にかかる歪を段階的に小さくすることが出来る。そのため、デンドライトの発生を抑制しつつも、電極箔にシワやヨレが発生するのを抑制することが出来る。
また、本発明に記載の二次電池は、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)の上にはさらに絶縁層32c3が設けられ、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)上の絶縁層32c3の密度は、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)に隣接して設けられた絶縁層32c3の密度より大きくなるようになっている。力の一部が絶縁層の密度を上げるのに使用される。そのため、合剤層の直上に配置された絶縁層の密度が他の絶縁層の密度よりも大きくなるということは、合剤層にかかる圧力を他の絶縁層の部分よりも緩和出来ているということである。従って、合剤層直下の電極箔にかかる歪をより緩和することが出来るため、より電極箔にシワやヨレが発生するのを抑制することが出来る構造となる。
また、本発明に記載の二次電池は、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)に隣接して設けられた絶縁層が、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)側から電極箔露出部(負極箔露出部32b、正極箔露出部34b)に向かうにつれて密度が小さくなる第一の領域(32c1、34c1)と、密度が一定で合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)側から電極箔露出部(負極箔露出部32b、正極箔露出部34b)に向かうにつれて厚さが減少する第二の領域(32c2、34c2)を有し、第二の領域(32c2、34c2)と合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)との間に第一の領域(32c2、34c1)が配置される。本発明において第二の領域は必ずしも必要は無い。しかし、第二の領域ある場合には、電極作成時に第二の領域の直下にある電極箔に多少の歪がかかることとなる。そのため、合剤層側から電極箔端部側にかけて、電極箔の歪の変化がより連続的になり、さらに電極箔にシワやヨレが発生するのを抑制することが出来る構造となる。
また、本発明に記載の二次電池では、絶縁層(32c、34c)を構成する絶縁体はアルミナ、シリカ、ジルコニア、炭酸リチウムのうちから選ばれるいずれか1種類以上のものである。このような絶縁体は電位が高い状態でも分解しにくい物質である。そのため、電池内部で使用したとしても高い安全性が保障される。
また、本発明に記載の二次電池の製造方法では、電極箔(銅箔55、アルミニウム箔45)上に合剤を塗布して乾燥させ、厚み方向の断面が矩形形状の合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)を形成させる第一の工程と、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)の端部に、乾燥後の合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)の厚さ以上の厚みになるように絶縁体を塗布して乾燥させる第二の工程と、合剤層(負極合剤層32a、正極合剤層34a)及び絶縁体を共にプレスする第三の工程を経て電極(負極電極32、正極電極34)が作成される。このように、合剤層の端部に乾燥後の合剤層の厚さ以上の厚みを有する絶縁体を塗布した後にプレスすると絶縁体の一部に確実に圧力をかけることが出来る。また絶縁体に圧力がかかった場合、プレス加工時に合剤層の端部が壁となり絶縁体の流動を妨げるが、電極箔露出部の短尺幅方向の端部側には絶縁体の流動を妨げるものが無い。そのため、絶縁層を形成する際に、合剤層から電極箔露出部の端部に向けて密度が小さくなる領域が生じる。絶縁層にこのような密度差が生じた場合、その絶縁層の直下にある電極箔にかかる歪も合剤層から電極箔露出部の端部に向けて小さくなる。従って、合剤層をテーパ形状とすることなく、合剤層側から電極箔露出部に向かうにつれて電極箔にかかる歪を段階的に小さくすることができ、デンドライトの発生を抑制しつつも電極箔のシワやヨレの発生を抑制することが出来る。以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 電池缶
1b 幅広側面
1c 幅狭側面
1d 底面
3 捲回群
6 電池蓋
9 注液孔
10 ガス排出弁
11 注液栓
12 負極外部端子
14 正極外部端子
22 負極側外部絶縁体
24 正極側外部絶縁体
32 負極電極
32a 負極合剤層
32b 負極箔露出部
32b1、32b2、32b3、55 銅箔
32c、32c1、32c2、32c3,32c4、32c5 絶縁層
33 セパレータ
34 正極電極
34a 正極合剤層
34b 正極箔露出部
34b1,34b2,34b3、45 アルミニウム箔
34c、34c1、34c2、34c3 絶縁層
35 セパレータ
38 正極合剤塗工乾燥機
39 絶縁体塗工乾燥機
40a ダイヘッド
40b マイクロダイヘッド
41 乾燥炉
42 巻き出しローラ
43 搬送ローラ
44 巻き取りローラ
49 ロールプレス機
50 プレスローラ
51 搬送ローラ
59 スリット機
60 スリット刃
61 スリット刃付ローラ
100 角形二次電池
107 蓋組立体
108 絶縁ケース
140a ダイヘッド
142、152 バスバー溶接部
180 正極集電体
181、191 座面部
182、192 平面板
183、193 接合平面部
190 負極集電体

Claims (1)

  1. 電極とセパレータとが捲回された捲回群を有する二次電池の製造方法において、
    前記電極は、電極箔上に合剤を塗布して乾燥させ、厚み方向の断面が矩形形状の合剤層を形成させる第一の工程と、
    前記合剤層の幅方向端部に、乾燥後の前記合剤層の厚さ以上の厚みになるように絶縁体を塗布して乾燥させる第二の工程と、
    前記合剤層及び前記絶縁体を共にプレスする第三の工程を経て作成され、
    前記第二の工程の前に、乾燥後の前記合剤層の上に絶縁体を塗布する工程を有することを特徴とする二次電池の製造方法。
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