JP2018056023A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、溶接部から捲回群の内側方向に発生した金属異物が、捲回群の内部の正極と負極がセパレータを介して対向している位置まで侵入することを抑制することを目的とする。【解決手段】 本発明における二次電池は、一端に金属箔露出部を有する電極とセパレータを捲回した捲回群と、前記金属箔露出部と接続される集電板と、を備えた二次電池において、前記金属箔露出部には当該捲回群内部への異物侵入を抑制する異物侵入阻害部が設けられることを特徴とする。【選択図】 図5
Description
本発明は、二次電池に関し、特に車載用途であるハイブリッド自動車や電気自動車に用いられる二次電池に関する。
車載用途等に使用される二次電池には高エネルギー化や高出力化が求められている。このような性能を得るためには、広い面積の電極が必要となる。広い面積の電極をまとめて容器に入れるため、例えば長い電極を捲回するような構造が知られており、捲回後の電極は束ねられて溶接されている。
電極に対する溶接工程において、設備や治工具の劣化や磨耗、部品の汚れ等の影響によって、溶接が不安定になった場合、想定外の金属異物が発生する恐れがある。金属異物が捲回群の内部に侵入してしまった場合、微小な内部短絡が発生し、必要な性能が得られなくなる恐れがある。金属異物が捲回群の内部に侵入するのを防ぐ背景技術として、例えば特開2009−301892号公報(特許文献1)がある。
この公報には、捲回群を多孔質材料から構成されている袋状の絶縁部材で覆うことで、絶縁部材に金属異物に対するフィルタとしての機能を付与し、捲回群への金属異物の侵入を回避し、内部短絡を防止することができるとされている。
溶接工程において、設備や治工具の劣化や磨耗、部品の汚れ等の影響によって、溶接が不安定になった場合、想定外の金属異物が発生する恐れがある。特許文献1に記載の技術では、溶接部から捲回群の内側方向に発生した金属異物に対して有効ではない。
本発明の課題は、溶接部から捲回群の内側方向に発生した金属異物の侵入を抑制することである。
上記課題を解決するために、本発明における二次電池は、一端に金属箔露出部を有する電極とセパレータを捲回した捲回群と、前記金属箔露出部と接続される集電板と、を備えた二次電池において、前記金属箔露出部には当該捲回群内部への異物侵入を抑制する異物侵入阻害部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、溶接部から捲回群の内側方向に発生した金属異物の侵入を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施例について図面を用いて説明する。
図1は、扁平捲回形二次電池100の外観斜視図である。図2は、扁平捲回形二次電池100の分解斜視図である。
扁平捲回形二次電池100は、電池缶1および蓋(電池蓋)6を備える。電池缶1は、相対的に面積の大きい一対の対向する幅広側面1b及び相対的に面積の小さい一対の対向する幅狭側面1cを有する側面と、底面1dと、を有する。さらに電池缶1は、底面1dと対向する位置に開口部1aが形成される。
電池缶1内には、捲回群3が収納され、電池缶1の開口部1aが電池蓋6によって封止されている。電池蓋6は略矩形平板状であって、電池缶1の開口部1aを塞ぐように溶接されて電池缶1が封止されている。
電池蓋6には、正極外部端子14と、負極外部端子12が設けられている。正極外部端子14と負極外部端子12を介して捲回群3に充電され、また外部負荷に電力が供給される。電池蓋6には、ガス排出弁10が一体的に設けられ、電池容器内の圧力が上昇すると、ガス排出弁10が開いて内部からガスが排出され、電池容器内の圧力が低減される。これによって、扁平捲回形二次電池100の安全性が確保される。
扁平捲回形二次電池100の電池缶1は、矩形の底面1dと、底面1dから立ち上がる角筒状の幅広側面1b及び幅広側面1cと、幅広側面1b及び幅広側面1cの上端で上方に向かって開放された開口部1aとを有している。電池缶1内には、絶縁保護フィルム2を介して捲回群3が収容されている。
捲回群3は、扁平形状に捲回されているため、断面半円形状の互いに対向する一対の湾曲部と、これら一対の湾曲部の間に連続して形成される平面部とを有している。捲回群3は、捲回軸方向が電池缶1の横幅方向に沿うように、一方の湾曲部側から電池缶1内に挿入され、他方の湾曲部側が上部開口側に配置される。
捲回群3の正極電極箔露出部34cは、正極集電板(集電端子)44を介して電池蓋6に設けられた正極外部端子14と電気的に接続されている。また、捲回群3の負極電極箔露出部32cは、負極集電板(集電端子)24を介して電池蓋6に設けられた負極外部端子12と電気的に接続されている。
これにより、正極集電板44および負極集電板24を介して捲回群3から外部負荷へ電力が供給され、正極集電板44および負極集電板24を介して捲回群3へ外部発電電力が供給され充電される。
正極集電板44と負極集電板24、及び、正極外部端子14と負極外部端子12を、それぞれ電池蓋6から電気的に絶縁するために、ガスケット5および絶縁板7が電池蓋6に設けられている。また、注液口9から電池缶1内に電解液を注入した後、電池蓋6に注液栓11をレーザ溶接により接合して注液口9を封止し、扁平捲回形二次電池100を密閉する。
ここで、正極外部端子14および正極集電板44の形成素材としては、例えばアルミニウム合金が挙げられ、負極外部端子12および負極集電板24の形成素材としては、例えば銅合金が挙げられる。また、絶縁板7およびガスケット5の形成素材としては、例えばポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂材が挙げられる。
また、電池蓋6には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔9が穿設されており、この注液孔9は、電解液を電池容器内に注入した後に注液栓11によって封止される。ここで、電池容器内に注入される電解液としては、例えばエチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を適用することができる。
正極外部端子14及び負極外部端子12は、バスバー等に溶接接合される溶接接合部を有している。溶接接合部は、電池蓋6から上方に突出する直方体のブロック形状を有しており、下面が電池蓋6の表面に対向し、上面が所定高さ位置で電池蓋6と平行になる構成を有している。
正極接続部14a及び負極接続部12aは、正極外部端子14と負極外部端子12の下面からそれぞれ突出して、先端が電池蓋6の正極側貫通孔46と負極側貫通孔26にそれぞれ挿入可能な円柱形状を有している。
正極接続部14a及び負極接続部12aは、電池蓋6を貫通して正極集電板44、負極集電板24の正極集電板基部41、負極集電板基部21よりも電池缶1の内部側に突出しており、先端がかしめられて、正極外部端子14、負極外部端子12と、正極集電板44、負極集電板24を電池蓋6に一体に固定している。
正極外部端子14、負極外部端子12と電池蓋6との間には、それぞれガスケット5が介在されており、正極集電板44、負極集電板24と電池蓋6との間には、絶縁板7が介在されている。
正極集電板44、負極集電板24は、電池蓋6の下面に対向して配置される矩形板状の正極集電板基部41、負極集電板基部21と、正極集電板基部41、負極集電板基部21の側端で折曲されて、電池缶1の幅広面に沿って底面側に向かって延出し、捲回群3の正極電極箔露出部34c、負極電極箔露出部32cに対向して重ね合わされた状態で接続される正極側接続端部42、負極側接続端部22を有している。
正極集電板基部41、負極集電板基部21には、正極接続部14a、負極接続部12aが挿通される正極側開口穴43、負極側開口穴23がそれぞれ形成されている。
捲回群3の扁平面に沿う方向でかつ捲回群3の捲回軸方向に直交する方向を中心軸方向として前記捲回群3の周囲には絶縁保護フィルム2が巻き付けられている。絶縁保護フィルム2は、例えばPP(ポリプロピレン)などの合成樹脂製の一枚のシートまたは複数のフィルム部材からなり、捲回群3の扁平面と平行な方向でかつ捲回軸方向に直交する方向を巻き付け中心として巻き付けることができる長さを有している。
図3は、捲回群3の一部を展開した状態を示す分解斜視図である。
捲回群3は、負極電極32と正極電極34を間にセパレータ33、35を介して扁平状に捲回することによって構成されている。捲回群3は、最外周の電極が負極電極32であり、さらにその外側にセパレータ33、35が捲回される。セパレータ33、35は、正極電極34と負極電極32との間を絶縁する役割を有している。
負極電極32の負極合剤層32bが塗布された部分は、正極電極34の正極合剤層34bが塗布された部分よりも幅方向に大きく、これにより正極合剤層34bが塗布された部分は、必ず負極合剤層32bが塗布された部分に挟まれるように構成されている。
正極電極箔露出部34c、負極電極箔露出部32cは、平面部分で束ねられて溶接等により接続される。尚、セパレータ33、35は幅方向で負極合剤層32bが塗布された部分よりも広いが、正極電極箔露出部34c、負極電極箔露出部32cで端部の金属箔面が露出する位置に捲回されるため、束ねて溶接する場合の支障にはならない。
正極電極34は、正極集電体である正極電極箔の両面に正極活物質合剤を有し、正極電極箔の幅方向一方側の端部には、正極活物質合剤を塗布しない正極電極箔露出部34cが設けられている。
負極電極32は、負極集電体である負極電極箔の両面に負極活物質合剤を有し、正極電極箔の幅方向他方側の端部には、負極活物質合剤を塗布しない負極電極箔露出部32cが設けられている。正極電極箔露出部34cと負極電極箔露出部32cは、電極箔の金属面が露出した領域であり、捲回軸方向の一方側と他方側の位置に配置されるように捲回される。
負極電極32に関しては、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を添加、混練した負極合剤を作製した。この負極合剤を厚さ10μmの銅箔(負極電極箔)の両面に溶接部(負極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断工程を経て、銅箔を含まない負極活物質塗布部厚さ70μmの負極電極32を得た。
尚、本実施形態では、負極活物質に非晶質炭素を用いる場合について例示したが、これに限定されるものではなく、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、またはそれの複合材料でもよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
正極電極34に関しては、正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と結着剤として10重量部のPVDFとを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した正極合剤を作製した。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔(正極電極箔)の両面に溶接部(正極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断工程を経て、アルミニウム箔を含まない正極活物質塗布部厚さ90μmの正極電極31を得た。
また、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物や層状結晶構造を有すコバルト酸リチウムやチタン酸リチウムやこれらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、正極電極34、負極電極32における塗工部の結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる
また、軸芯としては例えば、正極電極34、負極電極32、セパレータ33のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回して構成したものを用いることができる。
また、軸芯としては例えば、正極電極34、負極電極32、セパレータ33のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回して構成したものを用いることができる。
図4は、負極集電板24と正極集電板44と捲回群3の箔露出部の接合後を示す模式図である。
電池蓋6の片側には正極外部端子14と正極集電板44が、反対側には負極外部端子12と負極集電板24が、それぞれガスケット5および絶縁板7を電池蓋6との間に介在して固定されている。電池蓋6は、正極集電板44が捲回群3の正極電極箔露出部34c側に、負極集電板24が捲回群3の負極電極箔露出部32c側にそれぞれ位置するよう、配置されている。図4では、正極集電板44および負極集電板24は、捲回群3の背面に配置されるような形状となっている。
正極電極箔露出部34cは束ねられて正極集電板44に溶接等により接続される。溶接の際、正極電極箔露出部34cの正極集電板44と反対側の面には、正極当て板47が配置される。すなわち、正極電極箔露出部34cは、正極集電板44と正極当て板47に挟まれて溶接等により接続される。
また、負極電極箔露出部32cも同様に、束ねられて負極集電板24に溶接等により接続される。溶接の際、負極電極箔露出部32cの負極集電板24と反対側の面には、負極当て板27が配置される。すなわち、負極電極箔露出部32cは、負極集電板24と負極当て板27に挟まれて溶接等により接続される。
図5は、図4における正極接続部近傍のA−A断面図である。
正極集電板44には、図5に示すように正極電極箔露出部34cを溶接等により接続される平坦な正極接続端部42と、正極接続端部42から延伸されて折り曲げられている正極集電板折り曲げ部45と、が形成されている。
正極電極箔露出部34cは、正極集電板44の正極集電板折り曲げ部45に沿うように折り曲げて束ねられて、正極箔密着部34dを形成する。さらに正極箔密着部34dは、正極当て板47と正極接続端部42に挟まれて、溶接等により接続される。
正極電極箔露出部34cは、双方向矢印の方向に沿って積層されており、図5において最も下層に配置された正極電極箔露出部34cを第1正極電極箔341と定義し、最も上層に配置された正極電極箔露出部34cを第2正極電極箔342と定義される。図5において平面Fは、第1正極電極箔341と重なる仮想平面である。
正極集電板折り曲げ部45には、正極集電板折り曲げ凸部45aと45bが形成される。第1正極電極箔341は、正極側接続端部42に向かって延ばされる。そして第1正極電極箔341は、正極集電板折り曲げ凸部45aによって、平面Fと同一面または平面Fよりも下側となるように形成される。言い換えると、第1正極電極箔341は、平面Fと第2正極電極箔342に挟まる空間よりも外側に突出するように、または当該空間の境界面と重なるように形成される。
これにより、第1正極電極箔341及び第2正極電極箔342を含めた正極電極箔露出部34cは、正極集電板折り曲げ凸部45aにおいて密着し、正極箔密着部34dを形成することとなる。
正極箔密着部34dでは、正極電極箔露出部34cが密に重なっているため、溶接が不安定になり、正極電極箔露出部34cが束ねられて正極集電板44と正極当て板47に挟まれて溶接された溶接部から金属異物が発生した場合においても、金属異物が正極箔密着部34dよりも捲回群3の内側、すなわち正極電極34と負極電極32がセパレータ33、35を介して対向している位置まで侵入することを抑制することができる。すなわち、正極箔密着部34dは、捲回群3の内部へ異物が侵入することを抑制する異物侵入阻害部として機能する。
なお、図5では正極電極箔露出部34cの近傍について図示しているが、負極接続部近傍においても同様の形状を取ることで、同様の効果を得ることができる。
図6は、実施例2における捲回群3の模式図である。図7は、実施例2における集電板と捲回群の箔露出部の接合後を示す模式図である。
正極電極34の正極電極箔露出部34cには、捲回群3の捲回軸方向に短冊状に切断された正極箔突出部34eがあり、負極電極32の負極電極箔露出部32cには、捲回群3の捲回軸方向に短冊状に切断された負極箔突出部32eがある。
正極箔突出部34eは正極集電板48に接合される部分である。負極箔突出部32eは負極集電板28に接合される部分である。
正極箔突出部34eは、正極電極箔露出部34cの長手方向に対して等間隔に形成されている必要はなく、捲回された際に、集電接合に必要な範囲で重なり合うような間隔で形成されていれば良い。
負極箔突出部32eは、負極電極箔露出部32cの負極電極32の長手方向に対して等間隔に形成されている必要はなく、捲回された際に、集電接合に必要な範囲で重なり合うような間隔で形成されていれば良い。
電池蓋6の一方には正極外部端子14と正極集電板48が、他方には負極外部端子12と負極集電板28が、それぞれガスケット5および絶縁板7を電池蓋6との間に介在して固定されている。電池蓋6は、正極集電板48が捲回群3の正極箔突出部34e側に、負極集電板28が捲回群3の負極箔突出部32e側にそれぞれ位置するよう、配置されている。
図8は、図7における正極接続部近傍のB−B断面図である。
正極箔突出部34eは束ねられて正極集電板48に溶接等により接続される。溶接の際、正極当て板47が正極箔突出部34eを挟んで正極集電板48と対向する位置に配置される。すなわち、正極箔突出部34eは、正極集電板48と正極当て板47に挟まれて溶接等により接続される。
また、負極箔突出部32eも同様に、束ねられて負極集電板28に溶接等により接続される。溶接の際、負極当て板27が負極箔突出部32eを挟んで負極集電板28と対向する位置に配置される。すなわち、負極箔突出部32eは、負極集電板28と負極当て板27に挟まれて溶接等により接続される。
正極集電板48には、正極箔突出部34eを溶接等により接続される平坦な正極接続端部49が形成されている。正極箔突出部34eは、正極接続端部49に沿うように束ねて配置され、正極当て板47と正極接続端部49に挟まれて、溶接等により接続される。
正極接続端部49は、正極箔突出部34eを折り曲げて束ねられて沿わせた際に、正極接続端部49から最も離れた位置の正極箔突出部34eが捲回群3の正極箔34aの最外周よりも外側を沿うような形状をしている。すなわち、正極箔突出部34eは正極接続端部49を沿うことによって折り曲げられて密着し、正極箔密着部34fを形成することとなる。
言い換えると、第2正極電極箔342は、正極接続端部49によって、平面Fと同一面または平面Fよりも上側となるように形成される。つまり、第2正極電極箔342は、平面Fと第1正極電極箔341に挟まる空間よりも外側に突出するように、または当該空間の境界面と重なるように形成される。
正極箔密着部34fでは、正極箔突出部34eが密に重なっているため、溶接が不安定になり、正極箔突出部34eが束ねられて正極接続端部49と正極当て板47に挟まれて溶接された溶接部から金属異物が発生した場合においても、金属異物が正極箔密着部34fよりも捲回群3側、すなわち正極電極34と負極電極32がセパレータ33、35を介して対向している位置まで侵入することを抑制することができる。すなわち、正極箔密着部34fは、捲回群3の内部へ異物が侵入することを抑制する異物侵入阻害部となる。
なお、図8では正極接続部近傍について図示しているが、負極接続部近傍においても同様の形状を取ることで、同様の効果を得ることができる。
図9は、実施例3における正極側箔露出部34c近傍の捲回群の部分断面図である。
正極電極34と負極電極32は、セパレータ33、35を介して捲回されている。正極合剤層34bは、必ず負極合剤層32bとセパレータ33、35を介して対向するように配置されている。また、負極電極32と正極電極箔露出部34cの間には、必ずセパレータ33、35が位置するよう、捲回されている。
セパレータ33、35の正極電極箔露出部34c側の端部は、正極電極箔露出部34cに接着または溶着等の方法で固定され、セパレータ固定部33a、35aを形成している。正極電極箔露出部34cは束ねられて正極集電板44と正極当て板47に挟まれて溶接等により接続されるが(図示せず)、溶接が不安定になり、溶接部から金属異物が発生した場合においても、セパレータ33、35が正極電極箔露出部34cに固定され、セパレータ固定部33a、35aを形成していることにより、金属異物が捲回群3の内部、すなわち正極電極34と負極電極32がセパレータ33、35を介して対向している位置まで侵入することを抑制することができる。
すなわち、セパレータ33、35の正極電極箔露出部34cに固定されているセパレータ固定部33a、35aは、捲回群3の内部へ異物が侵入することを抑制する異物侵入阻害部として機能する。
図10は、実施例4における正極側箔露出部34c近傍の捲回群の部分断面図である。
正極電極34と負極電極32は、セパレータ33、35を介して捲回されている。正極合剤層34bは、必ず負極合剤層32bとセパレータ33、35を介して対向するように配置されている。また、負極電極32と正極電極箔露出部34cの間には、必ずセパレータ33、35が位置するよう、捲回されている。
正極電極箔露出部34cのセパレータ33、35よりも捲回群3の外側方向には、異物の捲回群3への侵入を阻害する阻害部51が設けられている。阻害部51によって、隣接する正極集電箔露出部34cの捲回群3の外側から内側への侵入経路は狭くなっており、セパレータ33、35よりも狭いほうが良い。
阻害部51は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの、絶縁性の樹脂材料で形成されている。
正極電極箔露出部34cは束ねられて正極集電板44と正極当て板47に挟まれて溶接等により接続されるが(図示せず)、溶接が不安定になり、溶接部から金属異物が発生した場合においても、阻害部51によって、金属異物が捲回群3の内部、すなわち正極電極34と負極電極32がセパレータ33、35を介して対向している位置まで侵入することを抑制することができる。すなわち、阻害部51は、捲回群3の内部へ異物が侵入することを抑制する異物侵入阻害部となる。
図10においては、阻害部51を正極電極箔露出部34cの一方の面に配置している例を示しているが、この限りではなく、正極電極箔露出部34cの両方の面に配置してもよい。また、阻害部51は隣接する正極集電箔露出部34cとの間に隙間がある例を示しているが、阻害部51が隣接する正極集電箔露出部34cまたは正極電極箔露出部34cの他方の面に設けられた阻害部51と密着していても良い。
1…電池缶、1a…開口部、1b…幅広側面、幅狭側面1c…幅狭側面、1d…底面、2…絶縁保護フィルム、3…捲回群、5…ガスケット、6…電池蓋、7…絶縁板、9…注液口、10…ガス排出弁、11…注液栓、12…負極外部端子、12a…負極接続部、14…正極外部端子、14a…正極接続部、21…負極集電板基部、22…負極側接続端部、23…負極側開口穴、24…負極集電板、26…負極側貫通孔、27…負極当て板、28…負極集電板、32…負極電極、32b…負極合剤層、32c…負極電極箔露出部、32e…負極箔突出部、33…セパレータ、33a…セパレータ固定部、34…正極電極、34b…正極合剤層、34c…正極電極箔露出部、34d…正極箔密着部、34e…正極箔突出部、35…セパレータ、35a…セパレータ固定部、41…正極集電板基部、42…正極側接続端部、43…正極側開口穴、44…正極集電板、45…正極集電板折り曲げ部、45a…正極集電板折り曲げ凸部、45b…正極集電板折り曲げ凸部、46…正極側貫通孔、47…正極当て板、48…正極集電板、49…正極側接続端部、51…阻害部、100…扁平捲回形二次電池
Claims (6)
- 一端に金属箔露出部を有する電極とセパレータを捲回した捲回群と、
前記金属箔露出部と接続される集電板と、を備えた二次電池において、
前記金属箔露出部には当該捲回群内部への異物侵入を抑制する異物侵入阻害部が設けられる二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、
前記異物侵入阻害部は、前記金属箔露出部が折り曲げられて設けられる二次電池。 - 請求項2に記載の二次電池において、
前記捲回群のうち、前記電極と前記セパレータが積層方向において最も外側に設けられる電極を第1電極と定義し、
前記第1電極と重なる仮想平面を第1平面と定義し、
前記集電板は、前記第1電極の金属箔露出部が折り曲げられる部分が前記第1平面から外側に突出するように形成される二次電池。 - 請求項3に記載の二次電池において、
前記集電板が折り曲げ部を有し、
前記金属箔露出部が折り曲げられる部分は前記集電板の折り曲げ部と対応して設けられる二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、
前記異物侵入阻害部は、前記セパレータが前記金属箔露出部に固定されて形成される二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、
前記異物侵入阻害部は、前記金属箔露出部上に設けられた樹脂部材によって形成される二次電池。
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JP2016192514A JP2018056023A (ja) | 2016-09-30 | 2016-09-30 | 二次電池 |
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JP (1) | JP2018056023A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021186948A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
-
2016
- 2016-09-30 JP JP2016192514A patent/JP2018056023A/ja active Pending
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WO2021186948A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
CN115298895A (zh) * | 2020-03-19 | 2022-11-04 | 三洋电机株式会社 | 非水电解质二次电池 |
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