JP6334981B2 - 感熱記録紙用の原紙及び該原紙を用いた感熱記録紙 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録紙用の原紙に関する。さらに、記録画像の発色濃度が高く発色ムラが少ない該原紙を用いた感熱記録紙に関する。
近年、用途の多様化や高機能化に伴い、それに対応できる感熱記録紙の需要が高まってきた。特に、医療、計測用のプリンターやファクシミリなどの印字機器では、優れた走行性を維持する必要がある。また、これらの印字機器では、高速化に対応するため、発色感度の向上が強く望まれており、地肌の保存性や印字障害とのバランスをとりながら、種々の技術改良が行われてきた。
感熱記録紙では、感熱記録層とする水性塗液の塗工による液の裏抜けを防止する目的で、原紙にサイズ性を付与している。グラビアコーター、エアナイフコーター、ロッドコーターなどで感熱記録層用の塗工液を塗布する場合、原紙のサイズ性の調整が重要となる。機械的に塗料を掻き取るブレードコーター、ロッドコーターを用いる場合では塗料の粘度や固形分を高くできるため、原紙のサイズ性が比較的広い範囲で変化するが、グラビアコーターの場合は塗料の粘度や固形分が比較的低いため、原紙のサイズ性はそれほど変化しない。このように感熱記録層用の塗工液を塗布する方式により原紙のサイズ性付与レベルを適宜変更する必要がある。
原紙へのサイズ性の付与方法として、原紙に中性ロジンサイズ剤、硫酸バンド及び炭酸カルシウムを所定量添加する方法が提案されている(特許文献1)。また、サイズ度15秒以下の原紙にフッ素化合物をサイズプレスで塗布する方法が提案されている(特許文献2)。また、澱粉を、プレーンロッドを使用したロッドメタリング塗工する方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、抄紙機のワイヤー上でのサイズ剤の歩留やドライヤーの乾燥条件により原紙のサイズ性は大きく影響を受ける。それ故、特許文献1では各薬品の使用量を規定しているものの、最適な原紙のサイズ性範囲が示唆されていないため、感熱記録紙用の原紙として、必ずしも各種感熱記録層の塗布方式に適正のある原紙であるとは言えない。特に、グラビアコーターを用いて感熱記録層を設けた場合に、記録画像の発色濃度が高く、発色ムラのない感熱記録用紙を得ることが困難であった。また、特許文献2に開示された方法では原紙に撥水性が付与されるため、感熱記録層用の塗料を塗布しても、所謂ハジキと呼ばれる塗料が乗らない部分が発生する。そのため、得られた感熱記録用紙には記録画像に発色ムラが生じるおそれがある。また、特許文献3においては、澱粉だけでは感熱記録層用塗料の裏抜け防止を達成することが困難な場合があり、結果として記録画像の発色濃度が高い感熱記録用紙を得ることが困難であった。
特開平07−195832号公報 特開平05−139027公報 特開2004−124288公報
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、感熱記録層を設けて感熱記録紙とした場合に記録画像の発色濃度が高く発色ムラが少ない感熱記録紙用の原紙を提供することにある。
本発明の感熱記録紙用の原紙は、パルプを主成分とする感熱記録紙用の原紙であって、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤をパルプ100質量部に対し0.2〜0.7質量部含有し、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーが原紙の片面あたり0.002〜0.01g/m塗布されており、動的浸透性測定装置を使用して、水中に原紙を浸漬した直後から測定した超音波の伝播強度が最大となった時点から5秒後までの間で算出される領域の積分面積(以下、「DPM積分面積値」ということがある。)が2〜6であり、透気抵抗度が15秒以上、ベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする。さらに、本発明の感熱記録紙用の原紙は、動的浸透性測定装置を使用して、水中に感熱記録原紙を浸漬した直後から測定した超音波の伝播強度の最大値より0.05dB減少するまでに要する時間(以下、「DPM減少時間」ということがある。)が0.5〜1.2秒であることが好ましい。更に発色ムラのない感熱記録用紙をえることができる
本発明によれば、感熱記録層を設けて感熱記録紙とした場合に発色濃度が高く発色ムラが少ない感熱記録紙用の原紙を得ることが可能となる。
実施例1の紙のDNP測定結果を示す。
本発明における感熱記録紙用の原紙は、パルプを主成分とする。使用するパルプはクラフトパルプを主体とし、全パルプに対して90〜100質量%配合することが好ましい。また。クラフトパルプとして広葉樹晒しクラフトパルプ、針葉樹晒しクラフトパルプ等を選択するが、より好ましくは広葉樹晒しクラフトパルプである。更には広葉樹晒しクラフトパルプを90〜100質量%配合することがより好ましい。クラフトパルプの配合量が90質量%未満では感熱記録紙に加工した場合、発色ムラが劣る場合がある。クラフトパルプ以外には、広葉樹のグランドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、漂白ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、脱インキパルプ等の木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材パルプを、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で10質量部未満で混合して使用することが可能である。広葉樹晒しクラフトパルプ以外のパルプ使用が10質量部を上回ると、針葉樹系パルプの場合繊維が長く結果として原紙の地合が悪くなり発色ムラとなりやすい。機械パルプ系の場合は繊維が剛直のため密度が低くなり、結果として透気抵抗度が低くなり、またDPM積分面積値やDPM減少時間(以下、DMP積分面積値とDPM減少時間とをあわせて「DPM値」ということがある。)もコントロールしにくくなる。
本発明で使用するパルプは叩解によりフリーネス(CSF)を300〜450ccとし配合することが好ましい。より好ましくは330〜420ccである。300cc未満では原紙が緻密となり所望する透気抵抗度とならない。450ccを超えると、密度が低くなり、結果として透気抵抗度が低くなり、DPM値を適切な範囲にコントロールしにくくなる。より具体的には、フリーネスの値が大きくなるとDPM積分面積値は小さくなる傾向にあり、DPM減少時間は大きくなる傾向となる。
本発明においては、原紙にはパルプの他に填料を配合してもよい。使用する填料としては、従来公知の填料を使用することが可能であり、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、チタン、合成シリカなどが例示できる。これら填料は単独または併用して用いることができる。これら填料の中でもサイズ性の範囲を適切に保ちやすい炭酸カルシウムとタルクの両方を使用することが好ましく、炭酸カルシウムのなかでも軽質炭酸カルシウムがより好ましい。感熱記録用原紙全質量に対する填料含有率(原紙灰分)は17質量%以下が好ましく、14質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。17質量%を超えると平滑性は向上するが、サイズ性が劣り結果として所望のDPM値を得ることが難しくなる。また断裁加工時に紙粉が多くなり支障を来たすおそれがある。填料含有率(原紙灰分)が低いほどサイズ性の範囲を適切に保ちやすいが、その反面、平滑性が低下し結果として感熱記録用紙とした場合の記録画像の発色ムラに繋がりやすい。したがって、填料含有率(原紙灰分)としては3質量%以上、好ましくは5質量%以上であればよい。軽質炭酸カルシウムは全填料中の70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。炭酸カルシウムとタルクとを併用する場合は、全填料100質量部中、炭酸カルシウムを20〜80質量部、タルクを80〜20質量部含有させることが好ましい。
本発明の感熱記録紙用の原紙には、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤を含有させる。なお、ここで内添とは、所謂ウェットエンドでパルプスラリー中にサイズ剤を添加し、抄造と同時に支持体内部にサイズ剤を含有させる方法のことであり、本発明では内添に用いるサイズ剤を内添サイズ剤という。内添サイズ剤として使用されるロジン系サイズ剤としては、例えば、強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤があるが、このうち、エマルジョンの微粒子の形で繊維間に入り込むロジンエマルジョンサイズ剤が特に好ましい。また、エマルジョンサイズ剤(以下、EMサイズ剤とも示す)には、使用pH領域によって酸性用、弱酸性用又は中性用があるが推奨のpH使用領域で使用することが好ましい。本発明の感熱記録紙用の原紙は、中性抄紙とすることが好ましいことから、内添サイズ剤としては中性ロジンエマルジョンサイズ剤を用いるのが最も好ましい。内添サイズ剤としてのロジン系サイズ剤の含有量は、原紙中のパルプ100質量部に対し、0.2〜0.7質量部含有させ、好ましくは0.3〜0.6質量部とする。内添サイズ剤としてのロジン系サイズ剤の含有量が0.2質量部未満ではDPM積分面積値が大きくなり所望する範囲にならない。また、0.7質量部を超えて含有させると工程汚れが発生し実質生産することが困難となる。その他の内添サイズ剤としては、本発明の目的とする効果を損なわない範囲でアルキルケテンダイマー(AKD)やアルケニルコハク酸無水物(ASA)等の公知の内添サイズ剤を併用することができる。なお、AKDを内添サイズ剤として使用しても、そのサイズ剤としての効果が直ちに現れない。したがって、本発明のようにさらに外添サイズ剤を使用し、例えば、外添でのサイズ剤塗布をオンマシンで行う場合、外添サイズ液を塗布する時点でのサイズ性が不安定となりサイズ液の吸液量が不安定となる。結果として、内添サイズ剤としてAKDのみを用いると、サイズ液に含有する外添サイズ剤の付着量が不安定となり所望するDPM値の範囲とすることが困難となる。またASAを内添サイズ剤として用いると、サイズ性を発現した後、経時でサイズ度が減少することがある。このため内添サイズ剤としてASAのみを用いると、感熱記録層用の塗工液をオフコーターで塗布する時点での所望するDPMの範囲とすることが困難であるため好ましくない。
本発明の感熱記録紙用の原紙には、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を、原紙の片面あたり0.002〜0.013g/m塗布する。なお、ここで外添とは、支持体の抄造後、ブレードコーター、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスなどによる塗工機を用いてサイズ剤を支持体表面に塗工する方法であり、本発明では外添に用いるサイズ剤を外添サイズ剤という。アルキルケテンダイマーを塗布することで原紙に極表面のサイズ性を付与することができ、更には静摩擦・動摩擦係数を適度に下がることから原紙を巻き取った場合などの巻き締まりなどの弊害を抑制することが出来る。アルキルケテンダイマーの塗布量が原紙の片面あたり0.002g/m未満となると、DPM積分面積値が大きくなり所望する範囲にならない。また、0.013g/mを超えて塗布すると塗布工程で汚れが発生してしまい実質生産することが困難となる。
原紙に塗布する外添サイズ剤としては、アルキルケテンダイマーの他に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で石油樹脂系、ロジンエステル系、スチレンマレイン酸樹脂系、スチレンアクリル酸共重合体系、スチレンアクリルエマルジョン系、アクリル共重合体系、アクリルエマルジョン系、オレフィン・マレイン酸樹脂系、ウレタン系、ワックス系等の外添サイズ剤として用いる公知のサイズ剤を併用してもかまわない。
原紙に外添サイズ剤を塗布する方法としては、外添サイズ剤を含有するサイズプレス液をゲートロールサイズプレスコーター、ロッドメタリング方式サイザー等に代表される転写式塗工機で塗布することが好ましい。サイズ液に含まれるアルキルケテンダイマーをより表面に局在するためである。ポンド式サイズプレスではサイズプレス液が原紙中心にまで浸透しやすいため、アルキルケテンダイマーを塗布する効果が低くなるため好ましくない。所望のDPM値の範囲とするにはサイズプレス液中のアルキルケテンダイマー含有量を0.02質量%〜0.13質量%とすることが好ましく、0.03質量%〜0.09質量%がより好ましい。
前記サイズプレス液には外添サイズ剤の他に、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で、澱粉類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイド系樹脂等の紙力増強剤、導電剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤などの公知の製紙薬品を適宜配合しても良い。
本発明の感熱記録紙用の原紙には、パルプ、填料及びサイズ剤の他に、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で、紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、硫酸バンド、嵩高剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤などを各製品に合わせて適宜配合しても良い。前記紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤、PVA系紙力増強剤、澱粉グラフト重合ポリアクリルアミド系紙力増強剤などが例示できる。嵩高剤を使用する場合は原紙にサイズ性を付与する成分の嵩高剤を選択することが好ましい。このような嵩高剤としては、脂肪酸アミド、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸アミドのエピクロルヒドリン変性樹脂、脂肪酸ポリアミドアミンのエピクロルヒドリン変性樹脂、脂肪酸アミドのヒドロキシエチル誘導体、脂肪酸ポリアミドアミンエピクロロヒドリン反応物、ポリアルキレンアミン・脂肪酸・エピクロルヒドリン重縮合物、酸化ポリエチレンワックスなどが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの非イオン界面活性剤に属する嵩高剤は原紙のサイズ性の発現を阻害するため、所望のDPM値の範囲に入らないおそれがある。また、非イオン界面活性剤に属する嵩高剤を使用した場合、各種公知のサイズ剤、例えば、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD、ASAを添加しても、サイズ性を発現せず、所望のDPM値の範囲に入らないおそれがある。以上のように本発明において、嵩高剤を使用する場合は、原紙のサイズ性の発現を阻害しないものを選択することが好ましい。
感熱記録紙用の原紙の抄紙方法は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造される。抄紙方式は、酸性抄紙、中性抄紙をどちらでも選択できる。填料として炭酸カルシウムを配合する場合は、中性抄紙となる。
本発明の感熱記録紙用の原紙においては、透気性と平滑性を制御する目的で、抄紙機のプレス、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によって処理することが好ましい。例えば、マシンカレンダーを適切な線圧、例えば、10kN/mから90kN/mで使用すればよい。
本発明における感熱記録紙用の原紙は、DPM積分面積値を2〜6とする。好ましくは3〜5である。DPM積分面積値を2未満とするには内添サイズ剤を多用する必要があり、抄紙機やプレスパート周りが汚れ実質生産することが出来ない。DPM積分面積値が6を超えると感熱液の浸透ムラが発生し、結果として濃度ムラとなる。サイズ性の測定方法にはステキヒトサイズ度、コッブ法等が存在する。しかし、抄紙機での実操業では感熱記録層用の塗布液が原紙に塗布された後、塗布液の原紙への浸透が抑えられるまでの乾燥状態になるまでの時間は5秒程度であり、比較的短時間である。このような比較的短時間の原紙の浸透性を評価するにあたり、前述のステキヒトサイズ度やコッブ法による測定値を用いても比較的短時間での原紙の浸透性と相関しない。また、サイズ性の測定方法として、他にもブリストー法で知られる液体吸収性試験法(JAPAN TAPPI No51−87)があるが、この測定は液体を常に新しい面に接触させながら吸収性を見る為、比較的短時間での原紙の浸透性と相関しない。従って、塗布液の原紙の浸透性を評価するには、比較的短時間での原紙の浸透性を評価する必要があるが、本発明の発明者はDPM積分面積値の測定時間を5秒と設定することで高い相関を得ることを見出し採用に至った。以下、DPM積分面積値の測定方法及び測定原理について記載する。
DPM積分面積値は、emco社製動的浸透性測定装置DPM33を使用して測定することができる。まず、測定セル内の試験液(例えば、蒸留水)を試料ホルダに固定した基材(試料)に浸漬する。測定セルの中には超音波送信器があり、紙面の反対側に超音波強度を測定受信するための受信器が置かれている。紙面に対して垂直に超音波を発信し、紙面を通過し紙面の反対側で受信された超音波伝達強度変化を計測することにより液体浸透度を測定する。経過時間と伝達強度の変化について例えば下記のように曲線が得られる。当該曲線のうち当初は超音波伝達強度が増加するが、これは紙内部の空気が水に置換されることが寄与していると考えられる。さらに、最大ピークの時点(下記表1においてはX秒)を経て曲線が減少するが、これは、例えば、繊維が水を吸収し紙が柔らかくなることが寄与していると考えられる。当該曲線から動的浸透性測定装置DPM33に搭載されるプログラムにより最大ピークの時点(表1においてはX秒)から任意時間(本発明においては5秒、表1においてはX+5秒と示した)までの面積が算出され、表1のAで示されるDPM積分面積値を得る。DPM積分面積値は基材内部に水が入り込む指標を表し、基材のサイズ性及び多孔性が影響する。感熱記録紙用塗料の保水性が乏しい場合、特にこの条件が重要である。
本発明における感熱記録紙用の原紙はDPM減少時間が0.5〜1.2秒であることが好ましい。より好ましくは0.6〜1.0秒である。DPM減少時間が0.5秒未満となると感熱液の浸透ムラが発生し、結果として発色ムラとなる。DPM減少時間が1.2秒を超えるには表面サイズ剤を多用する必要があり、塗布装置回りが汚れ実質生産することが出来ない。また表面サイズが過剰に発現すると感熱記録紙用塗料を塗工する際に「ハジキ」と呼ばれる塗料が塗布できない部分が発生する場合がある。DPM減少時間は、前述したDPM積分面積値の測定と同様に、emco社製動的浸透性測定装置DPM33を使用して測定することができ、測定方法も同様である。測定セル内の試験液を試料ホルダに固定した基材(試料)に浸漬させ、経過時間と伝達強度の変化について曲線が得られ、動的浸透性測定装置DPM33に搭載されるプログラムにより、浸漬直後から測定した伝達強度の最大ピークから0.05dB減少するまでに要する時間(上記表1においてはBと示されている)、すなわちDPM減少時間を得る。DPM減少時間は基材表面のサイズ性と相関する値である。DPM減少時間は紙表面の感熱記録紙用塗料を塗工する場合の濡れ性と浸透性をバランス良く保つために、この条件が重要である。
本発明における感熱記録紙用原紙は透気度を15秒以上とする。透気度が15秒未満ではサイズ性を付与しても原紙の空隙が大きく、感熱塗工層用の塗布液の浸透ムラが発生し、結果として得られた感熱記録紙は記録画像の発色濃度に劣り、また、発色ムラが生じることとなる。感熱記録紙の発色濃度及び発色ムラへ与える影響として透気度の上限は無いが、35秒未満が好ましい。35秒以上とするにはフリーネスを200cc以下にする、若しくは表面サイズ液にポリビニルアルコールなどの被覆性が高い薬剤を過度に塗布する必要がある。エネルギーコストや薬剤多用により商品コストが上がってしまい実質価値が無くなり、また透気抵抗度が35秒を超えても発色濃度向上や発色ムラの改善度合いの巾か小さくなる。
本発明における感熱記録紙用原紙の平滑度は50秒以上とする。平滑度が50秒未満では原紙表面の凹凸の影響により感熱記録層用の塗布液が均一に塗工されず、結果として得られる感熱記録紙は記録画像の発色濃度に劣り、また、発色ムラの生じるものとなる。感熱記録紙の発色濃度及び発色ムラへ与える影響として平滑度の上限は無いが、150秒以下が好ましい。カレンダーなどの平滑処理に時間を要することと、また平滑度が150秒を超えても発色濃度の向上や発色ムラの改善度合いの巾か小さくなる。平滑度は、カレンダー処理を適宜調整することで部分的に調整することができる。例えばマシンカレンダーを適切な線圧、例えば、10kN/m〜90kN/m、で使用すればよい。
感熱記録紙は、一般に、原紙上に無色または染料前駆体と顕色剤とを含有する感熱記録層を有するものである。本発明の感熱記録紙についても、本発明の上記感熱記録紙用原紙の少なくとも片面に感熱記録層を有することが好ましい。感熱記録層は、通常、バインダー中に染料前駆体、顕色剤、顔料その他必要な添加剤を分散させた感熱記録層塗液を調製し、これを原紙上に塗工乾燥することにより設けられ、加熱によって染料前駆体と顕色剤との発色反応が引き起こされ発色画像が形成される。これらの染料前駆体や顕色剤は、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー等の粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化して用いることが好ましい。染料前駆体、顕色剤、その他の各種成分の種類および量は要求される性能および記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、染料前駆体1部に対して、顕色剤1〜8部、充填剤1〜20部を使用し、バインダーは全固形分中10〜25%が適当である。
本発明の感熱記録紙において、染料前駆体(ロイコ化合物)としては、従来の感熱記録分野で公知のものは使用可能であり、特に制限されるものではないが、3−N−メチル−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−フェニルアミノフルオラン、(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[フタリド−3,9−キサテン]、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−N−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、6’−(ジエチルアミノ)−2’−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサテン]−3−オン、6’−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]−3’−メチル−2’−(フェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサテン]−3−オン、2−クロロ−6−(ジメチルアミノ)フルオラン、2−(2’−クロロアニリノ)−6−ジ−N−ブチルアニリノフルオラン、3,3−ビス(p−ジメチル−アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。これらは一種類単独使用でも良いし、また2種以上を併用することもできる。
顕色剤としては、例えば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、パラポキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシフェニル(4’−イソプロポキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルフォン、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸亜鉛等が挙げられる。
ロイコ化合物と顕色剤との割合は特に限定するものではないが、ロイコ化合物1質量部に対して顕色剤は1〜8質量部、好ましくは1〜4質量部程度使用される。
増感剤としては、ステアリン酸アミド、テレフタル酸ベンジル、p−ベンジルビフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジル、リン酸トリ(p−クロロフェニル)、アジピン酸ジ−o−クロロベンジル、チオジプロピオン酸ジフェナシル、グルタル酸ジフェナシル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、ジメチルイソテレフタレート、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、アセナフテン、ベンジルオキシメチル−4−ビフェニルエーテル、ベンジルオキシメチル−4−ビフェニルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、3−テトラデシルヒダントイン、フェニル−メシチルスルホネート、p−トルエン−メシチルスルホネート、ビスフェノールSジアリルエーテル、ジメチルテレフタレート、m−ターフェニル、4−(4−トリルオキシ)ビフェニル等が挙げられる。
増感剤の使用量の割合は特に限定するものではないが、ロイコ化合物1質量部に対して増感剤は1〜8質量部、好ましくは1〜4質量部程度使用される。
感熱記録層用の塗布液中には通常バインダーとして、ポリビニルアルコール、スルフォニル変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、珪酸変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、デンプン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、スチレン・ブタジエン共重合エマルジョン、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス、ポリウレタン樹脂等の少なくとも1種が全固形分の5〜40重量%程度配合される。
本発明の感熱記録層は、ロイコ染料と顕色化合物と増感剤とバインダーを主成分とするが、必要に応じ一般の感熱記録紙に用いられるワックス類、金属石鹸類、顔料を配合しても良い。ワックス類としてはカルナバワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスが挙げられ、金属石鹸としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。
このほか、記録画像の保存性を向上させる安定剤、脂肪酸金属塩などの離型剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有色染料、有色顔料、蛍光染料等、感熱記録紙に関し公知の材料を適宜添加することができる。
感熱記録層および中間層の形成方法については特に限定するものでないが、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バリーブレードコーター、ピュアブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウエルコーター、カーテンコーター、等が上げられる。本発明で効果が高い塗工方式はグラビアコーターである。オフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され、塗工量1〜12g/m程度で塗工される。
用途によりオーバーコートを設けることが好ましい。オーバーコート層中には、サーマルヘッドとのマッチング性を向上させる目的で、顔料として炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、クレーなどを添加することができる。また、滑剤として、ステアリン酸亜鉛、パラフィンワックスなどを添加することができる。各々単独又は2種類以上使用可能である。また、耐光性を向上させる目的で、紫外線吸収剤として、これに限定されるわけではないが、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などの使用が可能である。
オーバーコート層中の結着剤の具体例としては、これに限定されるわけではないが、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス等の水溶性又は水分散性樹脂等がある。これらは、単独又は2種類以上使用可能である。
アンダーコート層は、支持体上に感熱記録層を直接設けず、発色均一性等のために必要に応じて支持体と感熱記録層の間に設ける。このアンダーコート層は、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、焼成クレー、酸化チタン、又は微粒子状無水シリカ等の無機顔料、並びにスチレン、スチレン‐アクリル共重合体、尿素樹脂などの有機顔料、並びにポリビニルアルコール、メチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、アクリル酸エステル共重合体系ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス等の水溶性及び水分散性樹脂を各々単独あるいは、2種類以上が使用可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。以下における部、%はすべて質量部及び質量%をあらわす。また、塗工量を示す値は断わりのないかぎり乾燥後の質量である。なお、得られた感熱記録用原紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。得られた結果を表2、さらに、実施例1のDPM値測定の結果のグラフを図1に示した。
<透気抵抗度>
JIS P 8117:2009に準拠して測定した。
<平滑度>
JIS P 8119:1998に準拠して測定した。
<坪量>
JIS P 8124:1998に準拠して測定した。
<フリーネス>
JIS P 8121:1995に準拠して測定した。
<感熱記録紙用原紙のDPM値測定>
emco社製動的浸透性測定装置DPM33を使用して、液体として蒸留水を使用し、温度23±1℃、湿度50±2%RHの環境下において同条件で十分調湿した供試体を、温度23±1℃の蒸留水に浸漬してDPM積分面積値及びDPM減少時間を測定した。なお、測定周波数:2M,測定径:10mmφ、開始時間0秒、測定時間6秒とした。なお、同測定装置においてDPM積分面積値はEmco7として表示され、DPM減少時間はEmco6として表示される。
<発色性試験>
感熱試験機 TH−FMR(大倉電機(製))を使用して評価した。印字は下記の条件で行った。
印加電圧 24.0V
印字パルス巾 1.0msec
印字エネルギー 0.5mj/dot
記録部及び非記録部の濃度をグレタグマクベス製造RD191型反射濃度計で測定した。
<発色ムラ評価>
上記発色性試験を行ったサンプルを目視評価し発色ムラを下記の要領で評価した。
◎:均一に発色し問題ない。
○:若干発色ムラがあるが実用上問題ない。
△:やや発色ムラがあり実用の下限。
×:発色ムラが目立ち使用不可レベル。
(実施例1)
水中にフリーネス350ccに叩解した広葉樹漂白化学パルプ(LBKP)100質量部を分散したパルプスラリーに、原紙灰分が13質量%となるように炭酸カルシウム(TP121:奥多摩工業社製):タルク=7:3の比率で添加し、カチオン化澱粉(ネオタック40T:日本食品加工社製)1.0質量部、硫酸バンドを固形分換算で1.0質量部、中性ロジンエマルジョンサイズ剤(ニューサイズ730:ハリマ化成社製)を固形分換算で0.4質量部、歩留向上剤(ハイホールダーC503:栗田工業社製)を固形分換算で0.01質量部をそれぞれ添加し、紙料を調製した。この紙料をオントップ型ツインワイヤー式抄紙機で抄紙し、ゲートロールコーターにて、酸化澱粉(MS3800:日本食品化工社製)13%、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(以下AKDと略す)(SE2360:星光PMC社製)を固形分換算で0.07%としたサイズ液を原紙の片面当たり固形質量1.0g/mとなるように塗布及び乾燥し、マシンカレンダーを用い線圧50kN/mで平坦化処理調整を行い、坪量60g/mの感熱記録紙用の原紙を得た。なお、アルキルケテンダイマーの原紙の片面当たりの塗布量は0.007g/mであった。得られた感熱記録紙用の原紙に下記要領にてアンダーコート層及び感熱記録層を設けた。
(アンダーコート層用塗料の形成)
焼成クレーの40%分散液 35質量部
ポリビニルアルコール10%水溶液 30重量部
水 35質量部
上記組成物を混合しアンダーコート用塗液を調製した。この液を乾燥後の塗布量が6g/mとなるようにロッドコーターを用い塗布・乾燥しアンダーコート層を形成した。
(A−1液の調成)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 25質量部
ポリビニルアルコール15%水溶液 50質量部
水 25質量部
この組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が0.6μmとなるまで粉砕した。
(B−1液調成)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 30質量部
ポリビニルアルコール15%水溶液 20質量部
水 50質量部
この組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕した。
(C−1液の調成)
シュウ酸ジ(p−メチルベンジル) 30質量部
ポリビニルアルコール15%水溶液 20質量部
水 50質量部
(D液調成)
炭酸カルシウム(50%分散液) 10質量部
ポリビニルアルコール(15%液) 35質量部
ステアリン酸亜鉛分散体(30%) 15質量部
水 40質量部
この組成物を分散機で分散し、D液とした。
(記録層の形成)
A−1液10部、B−1液20部、C−1液20部、D液50部を混合、攪拌し塗液とした。得られた塗液を上記アンダーコート層上に乾燥重量が6g/mとなるようにグラビアコーターを用い塗布、乾燥し感熱記録紙を得た。
(実施例2)
紙料の調製において、中性ロジンエマルジョンサイズ剤(ニューサイズ730:ハリマ化成社製)の添加量を0.4質量部から0.2質量部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(実施例3)
紙料の調製において、中性ロジンエマルジョンサイズ剤(ニューサイズ730:ハリマ化成社製)の添加量を0.4質量部から0.7質量部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(実施例4)
ゲートロールコーターにて塗布するサイズ液中のAKD(SE2360:星光PMC社製)の濃度を0.07%から0.05%に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。AKDの原紙の片面当たりの塗布量は0.005g/mであった。
(実施例5)
ゲートロールコーターにて塗布するサイズ液中のAKD(SE2360:星光PMC社製)の濃度を0.07%から0.09%に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。AKDの原紙の片面当たりの塗布量は0.009g/mであった。
(実施例6)
マシンカレンダーの線圧を50kN/mから30kN/mに変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(実施例7)
マシンカレンダーの線圧を50kN/mから70kN/mに変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(実施例8)
広葉樹漂白化学パルプのフリーネスを350ccから450ccに変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(実施例9)
原紙灰分を13質量%から17質量%に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(比較例1)
紙料の調製において、中性ロジンエマルジョンサイズ剤(ニューサイズ730:ハリマ化成社製)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(比較例2)
ゲートロールコーターにて塗布するサイズ液中にAKD(SE2360:星光PMC社製)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
(比較例3)
マシンカレンダーをバイパスし、平坦化処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
実施例1〜9の結果より、上記構成の感熱記録用原紙は本発明では、DPMの測定値、透気度及び平滑度が特定範囲に限定することで、発色濃度が高く、発色ムラが少ない感熱記録用原紙を得ることが出来た。
比較例1では原紙中の中性エマルジョンサイズ剤を未使用としたため、DPM積分面積値の値が大きくなり、結果として感熱記録用紙とした場合の発色濃度及び発色ムラに劣ることとなった。比較例2では表面サイズ液中のAKDを未使用としたため、DPM積分面積値が大きくなり、DPM減少時間も好ましい範囲から外れ、結果として感熱記録用紙とした場合の発色濃度及び発色ムラが劣ることとなった。比較例3では原紙の平坦化処理を行わなかったため、平滑度が低くなり結果として感熱記録用紙とした場合の発色ムラが劣ることとなった。

Claims (4)

  1. パルプを主成分とし、さらに感熱記録紙用の原紙全質量に対して17質量%以下の填料を含有する感熱記録紙用の原紙であって、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤をパルプ100質量部に対し0.2〜0.7質量部含有し、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーが原紙の片面あたり0.002〜0.013g/m塗布されており、動的浸透性測定装置を使用して、水中に原紙を浸漬した直後から測定した超音波の伝播強度が最大となった時点から5秒後までの間で算出されるDPM積分面積値が2〜6であり、透気抵抗度が15秒以上、ベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする感熱記録紙用の原紙。
  2. 動的浸透性測定装置を使用して、水中に感熱記録原紙を浸漬した直後から測定した超音波の伝播強度の最大値より0.05dB減少するまでに要する時間が0.5〜1.2秒であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録紙用の原紙。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の感熱記録紙用の原紙の少なくとも一方の面に感熱記録層を設けたことを特徴とする感熱記録紙。
  4. 内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤を含有するパルプを主成分とする紙料を抄紙し、その後、外添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを塗布した後、カレンダー処理を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の感熱記録紙用の原紙の製造方法。
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