JP2023163993A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023163993A
JP2023163993A JP2022075264A JP2022075264A JP2023163993A JP 2023163993 A JP2023163993 A JP 2023163993A JP 2022075264 A JP2022075264 A JP 2022075264A JP 2022075264 A JP2022075264 A JP 2022075264A JP 2023163993 A JP2023163993 A JP 2023163993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
paper
support
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022075264A
Other languages
English (en)
Inventor
邦男 森田
Kunio Morita
善実 池澤
Yoshisane Ikezawa
淳 浦崎
Atsushi Urasaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2022075264A priority Critical patent/JP2023163993A/ja
Publication of JP2023163993A publication Critical patent/JP2023163993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】支持体が紙基材であって、感熱記録層の発色感度に優れ及び発色濃度ムラの発生を防止した感熱記録材料を提供する。【解決手段】課題は、感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm3以上0.80g/cm3以下である感熱記録材料によって解決できる。A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)【選択図】なし

Description

本発明は、支持体として紙基材を用い、支持体の表面に対して感熱記録層及び支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有する感熱記録材料に関する。
少なくとも、再湿潤性糊とスルホン変性ポリビニルアルコールとを含有する再湿潤性糊層、支持体、並びにロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料は、既に公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、再湿潤性糊層を再湿潤させた際の粘着力と、再湿潤性糊層の被着体への接着力に優れる。一方、特許文献1に記載されるが如くの前記感熱記録材料に関しては、感熱記録層用塗液の助剤の一例として消泡剤を記載するのみである。
例えば、支持体上に電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、前記支持体として厚さ37μm以下であると共に、JIS-P8138に基づく不透明度が70%以上の紙支持体を用いることを特徴とする感熱記録材料が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載されるが如くの感熱記録材料は、多数枚複写用として好適であって、二枚目以降の転写効率が悪いという課題を解決する。
特開平11-085030号公報 特開平07-309068号公報
感熱記録層は、通常、電子供与性染料、染料前駆体、塩基性染料及びロイコ染料などの発色性の染料、電子受容性化合物又は呈色剤などとも称する顕色剤、並びに結合剤、接着剤又は結着剤などとも称するバインダーを含む水などの媒体に分散して分散体を調製し、前記分散体を支持体に塗工及び乾燥して得ることができる。
感熱記録の印刷品質は、印刷機のサーマルヘッドから感熱記録材料への熱伝達率に大きく依存する。特に、感熱記録の印刷品質は、支持体を経由した熱拡散によって低下する。支持体の熱伝達率と感熱記録材料の発色感度は、ほぼ逆相関の関係にある。すなわち、支持体の熱伝達率が小さく熱拡散を抑えて断熱性を上げれば,それだけ熱エネルギーの利用効率は高くなって発色感度が向上する。感熱記録材料の支持体には、樹脂フィルム、合成紙又は紙基材などを使用する。感熱記録材料の支持体には、取り扱い性、重さ及び廃棄などの観点から紙基材を使用する製品が多い。しかしながら、紙基材は、感熱記録材料の支持体として多数の気泡を有する合成紙などに比べて十分な断熱性を有しない。さらにまた、紙基材は、一般にセルロース繊維領域とセルロース繊維内部及びセルロース繊維間に存在する空隙領域とから構成されて内部の均一性に劣る。この結果として、紙基材は熱伝達率も均一性に劣る。これに起因して、支持体として紙基材を用いた感熱記録材料は,サーマルヘッドで均一に加熱しても,紙基材の熱伝達率ムラを反映した発色濃度ムラを生じる。
特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、支持体の表面に対して感熱記録層及び支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有する。本明細書において、支持体の表面及び裏面とは、支持体の面を区別するために便宜的な記載であって、支持体の物理的乃至化学的な違いに依存する様な表面及び裏面を示さない。一般的に、再湿潤性糊層の糊剤には、クロロプレンゴム類、ポリビニルアルコール類、澱粉類、酢酸ビニル系共重合体、デキストリン、アラビアゴム、ニカワ、及びポリアクリルアミドなどが用いられる。
支持体が紙基材である特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、再湿潤性糊層を有しない感熱記録材料に比べて、発色感度が低下する傾向を示す。これは、紙基材に対して再湿潤性糊層の塗工液を塗工及び乾燥する際に、再湿潤性糊層の糊剤が紙基材へ多少浸透するからである。上記した様に、糊剤は、基本的に樹脂であるために紙基材の空隙領域を小さくする作用効果を有する。そして、空隙領域が小さくなると紙基材の断熱性が低下するからである。一方、紙基材の空隙が小さくなることを予想して空隙を大きくすると、糊剤がますます浸透することとなる。よって、支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有しなおかつ支持体として紙基材を用いた感熱記録材料は、発色感度を得難い。
以上から、本発明の目的は、支持体が紙基材でありながら、発色感度に優れ及び発色濃度ムラの発生を防止した感熱記録材料を提供することである。
本発明者らは、感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有する感熱記録材料において支持体とする紙基材について鋭意検討を行い、本発明に至った。
すなわち、上記目的は、下記感熱記録材料によって達成できる。
感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm以上0.80g/cm以下である感熱記録材料。
A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)
紙基材の不透明度は、紙基材へ入射した光の反射及び散乱によって決まる。紙基材の高い不透明性は,大きい比散乱係数に依存する。紙基材にはセルロース繊維内部及びセルロース繊維間に空隙領域が存在するため、紙基材に入射した光は、セルロース繊維領域と空隙領域との界面で光の屈折を不特定の方向に幾重にも繰り返す。その結果、紙基材は不透明になる。なおかつ、紙基材は、空隙領域の存在によって断熱性を発現する。しかしながら通常、セルロース繊維内部及びセルロース繊維間の空隙領域は均一性に劣る。例えば、セルロース繊維を過剰に高叩解すれば上記空隙領域は均一化するものの、空隙自体が減少し、紙基材の断熱性が損なわれる。また、セルロース繊維領域と空隙領域との界面で光の屈折の繰り返しは、紙基材の厚さにも関係する。
本発明者らは、紙基材の不透明度と厚さが空隙領域の状態指標になることを発見した。すなわち、特定の範囲である不透明度及び不透明度と厚さとの関係値を有する紙基材は、感熱記録材料が発色感度に優れるための十分な断熱性及び感熱記録材料が発色濃度ムラの発生を防止できるために十分な空隙領域及びその均一性を有することができる。
紙基材の密度も上記空隙領域に依存する値であるものの、紙基材における全体的な空隙領域の割合を示すに過ぎず、密度だけでは空隙領域の状態指標にならない。また、紙基材が、炭酸カルシウム及びシリカなど多孔質である填料の依存によって不透明度を高めると紙基材の密度が大きくなり、紙基材の空隙領域と不透明度との関係にズレを生む。
本発明によって、支持体が紙基材でありながら、感熱記録層の発色感度に優れ及び発色濃度ムラの発生を防止した感熱記録材料を提供することができる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
感熱記録材料は、感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有する。すなわち、感熱記録材料は、支持体と、前記支持体の表面に対して感熱記録層及び前記支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有する。
いくつかの実施態様において、感熱記録材料は、支持体と感熱記録層との間及び/又は支持体と再湿潤性糊層との間に下塗り層を有する。この理由は、支持体を熱及び水分から保護できる、又は感熱記録層の支持体への接着性を向上できるからである。前記下塗り層は、感熱記録材料分野で従来公知のものであって、顔料及び結合剤を含む。
下塗り層が含む顔料は、塗工紙分野で従来公知のものである。顔料は、例えば、ケイソウ土、タルク、クレー、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質珪酸カルシウム、シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リトポン、ゼオライト及び加水ハロイサイトなどを挙げることができる。
結合剤は、塗工紙分野で従来公知の水溶性樹脂又は水分散性樹脂である。結合剤は、例えば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、カゼインなどのプロテイン、アルギン酸ソーダ、澱粉及びその変性物などの澱粉類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドアクリル酸エステル共重合体などのポリ(メタ)アクリル酸エステルの各種共重合体、ポリアクリルアミド、ポリマレイン酸及びその塩、スチレン(無水)マレイン酸共重合体及びイソブチレン(無水)マレイン酸共重合体並びにそれらの塩などの各種(無水)マレイン酸共重合体、アクリルアミドアクリル酸エステル共重合体、アクリルアミドアクリル酸エステル(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン無水マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン無水マレイン酸共重合体及びその塩、イソブチレン無水マレイン酸共重合体及びその塩、スチレンイソブチレン無水マレイン酸共重合体及びその塩などの水溶性樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、並びにスチレンブタジエン(メタ)アクリロニトリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの水分散性樹脂を挙げることができる。
さらに、下塗り層は、必要に応じて従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤は、例えば、分散剤、界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、ワックス、消泡剤、紫外線吸収剤、硬化剤及び架橋剤などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、感熱記録材料は、支持体を基準として感熱記録層の外側に保護層を有する。この理由は、感熱記録材料の感熱記録層を保護することができるからである。前記保護層は、感熱記録材料分野で従来公知のものであって、結合剤、並びに必要に応じて顔料及び各種添加剤を含む。添加剤は、例えば、界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、消泡剤、紫外線吸収剤、硬化剤及び架橋剤などを挙げることができる。結合剤及び顔料は、下塗り層で例示したものと同様であって、ここでは説明を割愛する。また、いくつかの実施態様において、保護層は、ワックス類及び/又は脂肪酸金属塩類を含む。この理由は、感熱記録材料がロール紙状態にあるときに、感熱記録材料のブロッキングを軽減することができるからである。
下塗り層及び保護層は、各材料を含有する塗工液を従来公知の塗工装置を用いて塗工及び従来公知の乾燥装置を用いて乾燥することで得ることができる。
支持体は、紙基材である。
紙基材は、木材パルプ及び/又は非木材パルプなどのパルプから成るスラリーに対して、填料、サイズ剤、バインダー、定着剤、歩留り剤及び紙力剤などの製紙分野で従来公知の各種添加剤を必要に応じて添加した紙料を、酸性、中性又はアルカリ性の条件で、従来公知の抄紙方法によって抄造した原紙、前記原紙を従来公知の表面サイズ剤を含有するサイズプレス液でサイズプレス処理したサイズ処理紙、前記原紙を従来公知の表面処理剤を含有する表面処理液で表面処理した表面処理紙、又は前記原紙若しくは前記処理紙に対してカレンダー処理を施した普通紙である。
紙基材において、サイズプレス処理する側、表面処理する側及びカレンダー処理する側は、紙基材の両面及び片面のいずれでもよく、片面の場合では、感熱記録層及び再湿潤性糊層のいずれの側でもよい。
前記木材パルプは、製紙分野で従来公知の化学パルプ、機械パルプ及びセミケミカルパルプなどである。化学パルプ(Chemical pulp)の例としては、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)及びNBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)を挙げることができる。機械パルプ(Mechanical pulp)の例としては、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)を挙げることができる。セミケミカルパルプ(Semi-Chemical Pulp)の例としては、CGP(ChemiGroundwood Pulp)を挙げることができる。
前記非木材パルプは、製紙分野で従来公知の非木材繊維からなるパルプである。非木材繊維の原料は、例えば、コウゾ、ミツマタ及びガンピ等の木本靭皮、亜麻、大麻及びケナフ等の草本靭皮、マニラ麻、アバカ及びサイザル麻等の葉繊維、イネわら、ムギわら、サトウキビバカス、タケ及びエスパルト等の禾本科植物、並びにワタ及びリンター等の種毛を挙げることができる。
さらに、パルプには、DIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプ(Waste Paper Pulp)並びに製紙工場で発生する損紙(Spoilage)から離解して成るパルプを用いることができる。
紙基材は、不透明度が70%以上90%以下、下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下、及び密度が0.70g/cm以上0.80g/cm以下である。
A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)
これらの範囲から外れる場合、感熱記録材料は、発色感度に優れる及び発色濃度ムラの発生を防止できるという効果を得ることができない。
いくつかの実施態様において、紙基材は、不透明度が76%以上88%以下である。この理由は、発色感度及び/又は発色濃度ムラの発生防止に関して良化するからである。
紙基材の不透明度は、ISO2471:1998「Paper and board - Determination of opacity (paper backing) Diffuse reflectance method」に準じて求められる値である。
紙基材の厚さ及び密度は、ISO534:2011「Paper and board - Determination of thickness, density and specific volume」に準じて求められる値である。
紙基材の不透明度、厚さ及び密度は、製紙分野で従来公知の物性であって、例えば、パルプ種及び叩解度、填料及び嵩高剤などの添加剤の使用、紙料の濃度及び供給量、ワイヤーパート、プレスパート及びドライヤーパートの抄紙条件、並びにカレンダー処理条件などによって制御できる。いくつかの実施態様において、紙基材の不透明度は、パルプの叩解度、紙料の供給量、並びにワイヤーパート、プレスパート及びドライヤーパートの抄紙条件によって制御する。いくつかの実施態様において、紙基材の厚さは、紙料の濃度及び供給量、プレスパート及びドライヤーパートの抄紙条件、並びにカレンダー処理条件によって制御する。いくつかの実施態様において、紙基材の密度は、紙料の濃度及び供給量、ワイヤーパート、プレスパート及びドライヤーパートの抄紙条件、並びにカレンダー処理条件によって制御する。これらの理由は、紙基材の空隙領域の形成に効果的であるからである。
感熱記録材料の感熱記録層は、発色性の染料を含有した発色する層であって、感熱記録材料分野で従来公知のものである。いくつかの実施態様において、感熱記録層は、発色性の染料である染料前駆体と、顕色剤、顔料及び結合剤とを含有する。また、いくつかの実施態様において、感熱記録層は、発色性の染料である染料前駆体と、顕色剤、顔料及び結合剤と、並びに増感剤とを含有する。少なくとも一つの実施態様において、感熱記録層は、発色性の染料である染料前駆体と、顕色剤、顔料及び結合剤と、並びに増感剤及び各種添加剤とを含有する。
染料前駆体は、感熱記録材料分野で従来公知であって、例えば、トリアリール系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、フェノチアジン系、スピロ系、スピロピラン系、ラクタム系、フルオラン系、オーラミン系及びインドリノフタリド系などのロイコ体を挙げることができる。染料前駆体は、それぞれ固有の発色色調を有し、前記発色色調の例としては、黒、赤、赤紫、オレンジ、青、緑及び黄色などを挙げることができる。いくつかの実施態様において、染料前駆体は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
黒色発色を与える染料前駆体の例としては、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-(N-イソアミル-N-エチルアミノ)-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-2-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ-n-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-イソアミル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-n-ヘキシル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-〔N-(3-エトキシプロピル)-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-〔N-(3-エトキシプロピル)-N-メチル〕アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,6-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4-ジメチル-6-(4-ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3-(N-シクロヘキシル-N-メチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランなどを挙げることができる。
赤色系に発色する染料前駆体の例としては、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-アニリノラクタム、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-(p-ニトロ)アニリノラクタム、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-(o-クロロ)アニリノラクタム、3-ジメチルアミノ-7-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3-ジエチルアミノ-6,8-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-tert-ブチルフルオラン、3-(N-エチル-N-トリル)アミノ-7-メチルフルオラン、3-(N-エチル-N-トリル)アミノ-7-エチルフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチル)アミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、および3-(N-エチル-N-イソアミル)アミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3-トリルアミノ-7-メチルフルオラン、3-トリルアミノ-7-エチルフルオラン、2-(N-アセチルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-プロピオニルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-ベンゾイルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-カルボブトキシアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-ホルミルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-ベンジルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(N-アリルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、および2-(N-メチルアニリノ)-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-フェノキシフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミル)アミノ-7-フェノキシフルオラン、3,3′-ビス(1-n-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3′-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3′-ビス(1-n-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、7-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-3-メチル-1-フェニルスピロ〔(1,4-ジヒドロクロメノ〔2,3-c〕ピラゾール)-4,3′-フタリド〕、7-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-3-メチル-1-p-メチルフェニルスピロ〔(1,4-ジヒドロクロメノ〔2,3-c〕ピラゾール)-4,3′-フタリド〕、及び7-(N-エチル-N-n-ヘキシルアミノ)-3-メチル-1-フェニルスピロ〔(1,4-ジヒドロクロメノ〔2,3-c〕ピラゾール)-4,3′-フタリド〕などを挙げることができる。
青色発色を与える染料前駆体の例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(4-ジエチルアミノフェニル)フタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-メチル-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-n-ヘキシルオキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、及び3,6-ビス(ジフェニルアミノ)フルオランなどを挙げることができる。
緑色発色を与える染料前駆体の例としては、3-(N-エチル-N-n-ヘキシル)アミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン、3,3-ビス(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-4-アザフタリド、3-(N-エチル-N-p-トリル)アミノ-7-(N-フェニル-N-メチルアミノ)フルオラン、3-〔p-(p-アニリノアニリノ)アニリノ〕-6-メチル-7-クロロフルオラン、及び3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレン-9-スピロ-3′-(6′-ジメチルアミノ)フタリドなどを挙げることができる。
黄色系統の発色を与える染料前駆体の例としては、3,6-ジメトキシフルオラン、及び1-(4-n-ドデシルオキシ-3-メトキシフェニル)-2-(2-キノリル)エチレンなどを挙げることができる。
顕色剤は、感熱記録材料分野で従来公知のものであって、温度の上昇によって液化又は溶解する性質を有して染料前駆体と接触して染料前駆体を発色させる性質を有する材料である。顕色剤には、例えば、フェノール系化合物及び芳香族カルボン酸系化合物、並びにこれらの化合物の多価金属塩など有機酸系化合物などを挙げることができる。顕色剤は、複合微粒子又はマイクロカプセルの中に存在することができる。また、顕色剤は、固体分散微粒子の状態で存在することができる。
顕色剤は、例えば、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、3-(3-トシルウレイド)フェニル-p-トルエンスルホナート、4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-アリルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-オクチルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-ドデシルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-ベンジルオキシジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシ-4′-メチルジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4-ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p-フェニルフェノール、p-ヒドロキシアセトフェノン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)-2-エチルヘキサン、2,2-ビス(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス〔2-(p-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン、1,3-ビス〔2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(p-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′-ジクロロ-4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4-[4-(4-{4-[4-(イソプロポキシ)フェニルスルホニル]フェノキシ}ブトキシ)フェニルスルホニル]フェノール、4,4′-[オキシビス(エチレンオキシ-p-フェニレンスルホニル)]ジフェノール、4,4′-チオビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、4-ヒドロキシフタル酸ジメチル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、5-クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸、4-〔2′-(4-メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、3-(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N-(4-ヒドロキシフェニル)-p-トルエンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシナフチル)-p-トルエンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシナフチル)-1-ナフタレンスルホンアミド、N-(4-ヒドロキシナフチル)-2-ナフタレンスルホンアミド、N-(3-ヒドロキシフェニル)-p-トルエンスルホンアミド、N-(3-ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N-(3-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンスルホンアミド、N-(3-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンスルホンアミド、4,4′-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N-(2-{[(4-メチルフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)ベンゼンスルホンアミド、4-メチル-N-{2-[(フェニルカルバモイル)アミノ]フェニル}ベンゼンスルホンアミド、4-メチル-N-(2-{[(4-メチルフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)ベンゼンスルホンアミド、N-ブチルブチル-4-[3-(p-トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート、3,3′-(4,4′-メチレンジフェニル)ビス(ウレイド p-トリススルホン)、ビス{3-[3′-(p-トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート}、1,5-(3-オキソペンチレン)ビス{3′-[3′-(p-トルエンスルホニル)ウレイド]ベンゾエート}、及びN-フェニルスルホニル-N′-フェニルウレアの誘導体などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、顕色剤は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
感熱記録層が含有する顔料及び結合剤は、下塗り層で例示したものと同様であって、ここでは説明を割愛する。
増感剤は、低融点の熱可溶成分などの感熱記録材料分野で従来公知のものであって、感熱記録材料の発色性を向上させる化合物である。増感剤は、例えば、ジフェニルスルホン、ステアリン酸モノアミド、N-ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N-ステアリル尿素、ベンジル-2-ナフチルエーテル、p-トルエンスルホンアミド、m-ターフェニル、4-ベンジルビフェニル、2,2′-ビス(4-メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′-ジフェノキシ-o-キシレン、ビス(4-メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジル、蓚酸ビス(4-メチルベンジル)エステル、蓚酸ビス(4-クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4-アリルオキシフェニル)スルホン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジフェノキシエタン、4-アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、及び脂肪酸アニリド類などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、増感剤は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
添加剤は、必要に応じて感熱記録層に配合される従来公知のものであって、例えば、分散剤、界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、ワックス、消泡剤、紫外線吸収剤、硬化剤及び架橋剤などを挙げることができる。また、添加剤は、例えば、結合剤に対する併用樹脂としてコアシェル構造を有する共重合体を挙げることができる。
感熱記録材料において、感熱記録層は、従来公知の方法で支持体に対して又は下塗り層に対して設けることができる。例えば、感熱記録層は、染料前駆体、顕色剤、顔料及び結合剤、並びに必要に応じて増感剤及び各種添加剤を含有する感熱記録層を形成するための分散体を従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて支持体に対して又は下塗り層に対して塗工及び乾燥することで得ることができる。
塗工装置は、例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター及び各種ロールコーターなどを挙げることができる。塗工装置には、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーンなどの各種印刷方式による方法も含まれる。
乾燥装置は、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、及びマイクロ波などを利用した乾燥機などを挙げることができる。
再湿潤性糊層は、湿潤することによって粘着性を発現する特性を有する糊剤を主成分として含有するものである。再湿潤性糊層に用いられる糊剤は、糊剤分野で従来公知のものである。糊剤は、例えば、クロロプレンゴム類、ポリビニルアルコール類、澱粉類、酢酸ビニルアクリル酸塩共重合体及び酢酸ビニルメタクリル酸塩共重合体などの酢酸ビニル系共重合体、デキストリン、アラビアゴム、ニカワ、及びポリアクリルアミドなどを挙げることができる。糊剤は、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
いくつかの実施態様において、糊剤は、ポリビニルアルコール類及び澱粉類から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。この理由は、例えば、感熱記録材料がロール紙状態にあるときに、感熱記録材料のブロッキングを軽減することができるからである。
再湿潤性糊層は、糊剤の特性を阻害しない範囲で、糊剤以外に各種助剤を含有することができる。助剤は、例えば、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、抗菌剤、防黴剤、香料及び難燃剤などを挙げることができる。
感熱記録材料において、再湿潤性糊層は、従来公知の方法で支持体に対して又は下塗り層に対して設けることができる。例えば、再湿潤性糊層は、糊剤を及び必要に応じて各種助剤を含有する再湿潤性糊層を形成するための塗工液を従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて支持体に対して又は下塗り層に対して塗工及び乾燥することで得ることができる。塗工装置及び乾燥装置は、感熱記録層と同じであり、ここでは説明を割愛する。
下塗り層、感熱記録層、保護層及び/又は再湿潤性糊層は、カレンダー処理を施すことができる。カレンダー処理は、製紙分野で従来公知のカレンダー処理装置を用いて達成することができる。カレンダー処理の例としては、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されない。なお、実施例において、質量%及び質量部は乾燥固形分量又は実質成分量を表す。塗工量は乾燥固形分量を表す。
(支持体)
支持体として紙基材を用いた。
紙基材は、下記紙料から長網抄紙機を用いて抄造し、続いて表面サイズ剤として酸化澱粉を含有するサイズプレス液を用いてサイズプレス処理、さらに1ニップのマシンカレンダー処理を施して得た。酸化澱粉の塗工量は片面当たり1.5g/mに成るよう調整した。
パルプ(LBKP) 1000質量部
填料(軽質炭酸カルシウム) 100質量部
硫酸アルミニウム(定着剤) 10質量部
紙力剤(カチオン化澱粉) 11質量部
サイズ剤(中性ロジンサイズ剤) 1.5質量部
歩留り剤(ポリアクリルアミド系) 0.5質量部
(不透明度、厚さ及び密度)
紙基材の不透明度、厚さ及び密度は、LBKPのCSF濾水度を340ml以上430ml以下の間で変更、紙料の濃度及び供給量、ワイヤーパート、プレスパート及びドライヤーパート、並びにカレンダー処理条件を制御して調整した。得た各紙基材の不透明度、厚さ、A値及び密度は表1に記載する。紙基材の不透明度はISO2471:1998に準じて測定した。紙基材の厚さ及び密度はISO534:2011に準じて測定した。
(感熱記録層を形成するための塗工液)
水を媒体として、染料前駆体の分散体、顕色剤及び増感剤の分散体、並びに顔料の分散体をそれぞれ調製し、これらを混合した。最終的に、水を媒体として下記材料を分散乃至溶解した塗工液とした。塗工液の濃度は26質量%とした。
染料前駆体 100質量部
分散剤(スルホン酸変性ポリビニルアルコール) 20質量部
顕色剤 200質量部
増感剤 200質量部
無水マレイン酸共重合体 40質量部
アセチレンジオール非イオン性界面活性剤 2.5質量部
水酸化アルミニウム 125質量部
非晶質シリカ 125質量部
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム) 2.5質量部
結合剤(アクリル系樹脂) 115質量部
結合剤(シラノール変成ポリビニルアルコール) 115質量部
ステアリン酸亜鉛 80質量部
染料前駆体には、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランを用いた。顕色剤には、4-ヒドロキシ-4′-イソプロポキシジフェニルスルホンを用いた。増感剤には、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタンを用いた。無水マレイン酸共重合体には、スチレン無水マレイン酸系共重合体である荒川化学工業社のポリマロン(登録商標)1318を用いた。アクリル系樹脂には、三井化学社のASN1004Kを用いた。
(感熱記録層)
支持体の表面に対して、感熱記録層を形成するための塗工液を塗工量で3.5g/mとなるように塗工及び乾燥し、続いてスーパーカレンダーを用いてカレンダー処理を行い、感熱記録層を形成した。
(感熱記録材料)
支持体の表面に感熱記録層を設けた支持体の裏面に対して、ポリビニルアルコール(クラレ社のクラレポバール(登録商標)5-88)を塗工量で17g/mとなるように塗工及び乾燥して再湿潤性糊層を形成し、感熱記録材料を作製した。
各実施例及び比較例の感熱記録材料について下記項目を評価した。結果を表1に示す。
<発色感度>
発色感度の評価は、下記の手順で行った。
23℃及び50%RHの環境下において大倉電気社ファクシミリ試験機TH-PMDを用いて、0.60mJ/dotの印加エネルギーで黒ベタを感熱記録材料に印字した。印字部について、23℃及び50%RHの環境下で、エックスライト社RD-19I光学濃度計(ブラックモード)を用いて印字濃度を測定した。印字濃度は、各実施例及び各比較例の感熱記録材料における任意10か所での測定結果の最大値とした。発色感度は、測定値から下記の基準で評価した。本発明において、感熱記録材料は評価A及びBであれば発色感度に優れるものとする。
A:印字部分の発色濃度が1.1以上。
B:印字部分の発色濃度が1.0以上1.1未満。
C:印字部分の発色濃度が1.0未満。
<発色濃度ムラ>
発色濃度ムラの評価は、下記の手順で行った。
23℃及び50%RHの環境下において大倉電気社ファクシミリ試験機TH-PMDを用いて、0.60mJ/dotの印加エネルギーで黒ベタを感熱記録材料に印字した。印字部について、23℃及び50%RHの環境下で、エックスライト社RD-19I光学濃度計(ブラックモード)を用いて印字濃度を測定した。各実施例及び各比較例の各々10部を準備して1部あたりの感熱記録材料について任意10か所で印字濃度を測定した。測定で得られた値から、各実施例及び各比較例の各々感熱記録材料について印字濃度の最小値及び最大値を求めた。印字濃度の差([最大値]-「最小値])の値から、発色濃度ムラは、測定値から下記の基準で評価した。本発明において、感熱記録材料は評価A及びBであれば発色濃度ムラの発生を防止したものとする。
A:印字部分の発色濃度差が0.15未満。
B:印字部分の発色濃度差が0.15以上0.2未満。
C:印字部分の発色濃度差が0.2以上。
表1から、本発明の構成を満足する実施例1~8は、発色感度に優れ、及び発色濃度ムラの発生を防止できる感熱記録材料であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~6は、発色感度及び/又は発色濃度ムラに係る効果を有しない感熱記録材料であると分かる。

Claims (1)

  1. 感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm以上0.80g/cm以下である感熱記録材料。
    A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)
JP2022075264A 2022-04-28 2022-04-28 感熱記録材料 Pending JP2023163993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022075264A JP2023163993A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022075264A JP2023163993A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 感熱記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023163993A true JP2023163993A (ja) 2023-11-10

Family

ID=88651674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022075264A Pending JP2023163993A (ja) 2022-04-28 2022-04-28 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023163993A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8673812B2 (en) Thermosensitive recording medium
JP5720313B2 (ja) 感熱記録体
US11052694B2 (en) Water-dispersible sheet
CA3074968C (en) Water-dispersible sheet
JP3083303B2 (ja) 感熱記録紙
JP5671955B2 (ja) 感熱記録体及びその製造方法
JP5672130B2 (ja) 感熱記録体及びその製造方法
JP2023163993A (ja) 感熱記録材料
JP2002086910A (ja) 感熱記録材料
JP2012116158A (ja) 感熱記録体
JP2012240287A (ja) 感熱記録体
JP2011194673A (ja) 感熱記録紙用原紙
JP4119311B2 (ja) 感熱記録材料
JP2023163992A (ja) 感熱記録材料
JP2005119009A (ja) 感熱記録型磁気材料、及びその製造方法
JPH02117883A (ja) 感熱記録紙
JPH0596848A (ja) 感熱記録紙
JP2003285552A (ja) 感熱記録材料
JP2001088441A (ja) 感熱記録紙用支持体及び感熱記録紙
JP2004124288A (ja) 記録用紙原紙の製造方法
JPH03180595A (ja) 感熱記録紙
JP2012116152A (ja) 感熱記録体
JP2018062068A (ja) 感熱記録材料
JP2012116159A (ja) 感熱記録体
JP2012116156A (ja) 感熱記録体