JP5798732B2 - オフセット輪転印刷機用新聞巻取紙とその製造方法 - Google Patents
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Description
一般に、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙は、ワインダーにて走行紙にテンションをかけつつコア(紙管)に巻取り、製造される。ワインダー加工時に発生するトラブルとしては、シワ、断紙、巻取紙の振動、偏芯等が挙げられる。このようなワインダーでのトラブルを低減することは、損紙量の削減やワインダーでの作業性を向上させる上で重要である。ワインダー加工後の巻取紙表面の吸湿ジワを改善する技術として、抄紙後の水分および巻き戻しテンションを規定することが知られている(特許文献1参照)。
オフセット輪転印刷時における印刷作業性に関する問題として、例えば、見当ズレが挙げられる。見当ズレとは、多色印刷において各色版の刷り込み位置がずれてしまうことであり、ペースター(印刷中の巻取紙から次の新しい巻取紙への紙継ぎ)時の見当ズレを改善する技術としては、多色刷りオフセット輪転印刷用紙において、ワインダーで巻取る際に、巻込み長0mから全巻込み長の50%地点までの下巻紙部分の張力を所定の範囲で一定に保ち、それ以降、漸次、張力を低下させ、その後は一定の張力で巻込むことにより、巻終わりの上巻紙と巻始めの下巻紙における抄紙方向(MD方向)の寸法変化率の差の絶対値を所定値以下とすることが知られている(特許文献2参照)。
オフセット輪転印刷時にシワが発生する場合がある。このシワは、オフセット輪転印刷機上で発生する位置により、様々な問題を引き起こす。強いシワは、発生位置に限定されず断紙の発生要因となる。シワの原因はいくつか挙げられるが、その1つとして巻硬さの影響がある。巻硬さに関連した技術として、ワインダー加工時のテンションを所定の範囲とすることにより、輸送時、保管時、移動時における巻取紙を破れにくくするものが知られている(特許文献3参照)。
文字ダブリとは、多色印刷時において、絵柄の網点や文字が二重に重なって印刷される現象であり、文字ダブリが発生すると、印刷品質が低下する等の問題が発生する。両面印刷用塗工紙において、文字ダブリを改善する技術として、パルプ物性と抄造、塗工条件を規定し、音速法によって測定される超音波伝播速度の縦方向と横方向の比率と横方向の水浸漬後5分後の伸び率を所定値以内とするものが知られている(特許文献4参照)。
1.巻取紙表面を連打するハンマーが巻取紙表面に当たって停止するまでの減速度(g)を加速度センサーにて測定し、そのハンマーを巻取紙の幅方向に連打させつつ移動させて、巻取紙の幅方向における減速度の変化を巻硬さの変化として測定する方法にて測定された、ワインダーを用いてロール状に巻取られたオフセット輪転印刷機用巻取紙における幅方向の巻硬さ測定値の標準偏差(σ)が8g以下であり、且つ巻硬さの最大値から最小値を引いた値が40g以下であることを特徴としたオフセット輪転印刷用新聞巻取紙。
<巻硬さ測定装置>
本発明におけるオフセット輪転印刷用新聞巻取紙(以下、「新聞巻取紙」と称することがある。)は、新聞巻取紙における幅方向の巻硬さ測定値の標準偏差(σ)が8g以下、且つ巻硬さの最大値から最小値を引いた値が40g以下である。
σ: 標準偏差
x: 標本平均すなわち測定値の平均値
n: 標本数すなわち測定点数
<巻硬さ変動と坪量、紙厚との関係>
本発明のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙は、濃度調整機能を有するヘッドボックスと、金属ロールと弾性ロールの少なくともどちらか一方に幅方向の紙厚制御機能を有するホットソフトニップカレンダーを備える抄紙機にて坪量と紙厚を調整しながら抄紙する工程、および、抄紙された紙をワインダーを用いてロール状に巻取る工程を含み、坪量の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が0.4g/m2以下、且つ紙厚の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が1.0μm以下となるように抄紙して製造する。本発明における坪量および紙厚は、マシン幅方向へ連続的に等間隔でサンプリングした製品サンプルについて、JIS−P8124、JIS−P8118に準じてそれぞれ測定した値を示す。
以下、製造方法について具体的に説明する。
1)濃度調整型ヘッドボックス
ヘッドボックスとは、抄紙機全幅にわたり、原料を安定した状態でワイヤー上に噴射する装置であり、製造する紙の坪量や紙厚等の紙質に大きな影響を与える。幅方向において紙質の均一な紙を製造するには、ヘッドボックスから噴射される原料を均一に分散させることが重要であり、ヘッドボックス内では、管内に乱流を発生させ、繊維にせん断作用や攪拌作用を与えることにより原料が分散される。
ホットソフトニップカレンダーは、弾性ロールと高温の金属ロールとを組み合わせ、少ないニップ数でカレンダー掛けをする仕上げ方法である。弾性ロールは、特殊合成樹脂被覆ロールを使用しており、高線圧下で耐熱性、耐摩耗性に優れ、傷が付きにくい特別な素材が用いられる。このような弾性ロールと加熱した金属ロールでニップ部分を構成することで、高温でより少ないニップ数で処理することができ、高速の操業も可能である。
本発明において、金属ロールの温度とカレンダー線圧は特に限定されるものではないが、温度20〜200℃、好ましくは30〜150℃、線圧5〜200kN/m、好ましくは10〜150kN/mである。
ホットソフトニップカレンダーに備えられる幅方向の紙厚制御機能は、一般的に金属ロールの表面を外部から部分的に加熱することで、金属ロールの直径を局部的に変化させ、限定された範囲の線圧を調整する方法と、弾性ロールの内側に備えられた油圧で動作する加圧装置により、弾性ロールと金属ロール間の線圧を局部的に変化させ、調整する方法がある。本発明では、上記した2種類の方法の少なくともどちらか一方を用いることができる。
本発明によると、環状空間内圧力(A)が1500〜4900kPaであり、且つ弾性ロールと金属ロール間の線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)から弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を引いた値(B−A)が、−830〜650kPaとすることが好ましい。
抄紙機での抄造時において、坪量および紙厚は、QCS(Quality Control System)と呼ばれる幅方向の紙質を測定する装置にて、オンラインで測定し調整することができる。QCSの多くは、スキャニングセンサー方式と呼ばれる方式を採用している。スキャニングセンサー方式のQCSは、紙質を測定するセンサーを納めるセンサーヘッドと、そのセンサーヘッドを用紙の幅方向に走査させるためのフレームとで構成され、センサーヘッドが幅方向に走査される間に各センサーにて紙質を測定する。QCSにおいて、一般的に幅方向の紙質を管理するための指標として、2σというパラメータが用いられる。この場合の2σは、幅方向に複数点測定した紙質の値の標準偏差(σ)の2倍を意味する。本発明において、QCSにて測定された坪量測定値と紙厚測定値の2σは特に限定されるものではないが、QCSにて10スキャン分を測定した後、幅方向の各測定位置にて10スキャン分を平均し、幅方向に30点の測定値とした場合、坪量測定値の2σは0.6g/m2以下、紙厚測定値の2σは0.6μm以下が好ましい。より好ましくは、それぞれ、0.3g/m2以下、0.5μm以下である。
坪量や紙厚は、QCSで測定された幅方向における坪量測定値と紙厚測定値を基に制御される。坪量の場合は、ヘッドボックスにおける原料に対する濃度希釈用の低濃度原料の比率を部分的に手動又は自動で調整し、制御する。紙厚の場合は、ホットソフトニップカレンダーに備えられる幅方向の紙厚制御機能により、部分的にカレンダーの線圧を手動又は自動で調整し、制御する。
本発明では、長綱式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機、円綱式抄紙機、短綱式抄紙機等を適宜選択して使用することができ、坪量35〜43g/m2になるように抄紙して新聞用紙を得る。中でも、ギャップフォーマー型、ツインワイヤー型が好ましい。
本発明によれば、抄速1000m/分以上の高速で、坪量35〜43g/m2の低坪量の抄紙であっても、幅方向における坪量と紙厚が均一な新聞用紙を得ることができる。
抄紙された新聞用紙を新聞用巻取紙とする方法は、特に限定されるものではなく、従来の新聞用紙の製造方法に従って、抄紙機で製造された新聞用紙を、ワインダーで巻取って行われる。
巻取の巻込み開始時の張力が低すぎると、上巻きのテンションにより巻取紙の下巻付近において、巻取紙側面が花びら状に変形し、巻取紙側面に凹凸が生じて外観不良となり、出荷停止となる。巻取紙の巻込み開始時の張力が高すぎると、コア(紙管)の変形や下巻の巻取精度の低下を引き起こし、巻取り加工時に大きな振動が発生するため、加工スピードの低下等の対応が必要となり作業性が悪化する。さらに、目的とする巻硬さ測定値の標準偏差(σ)を得られず、オフセット輪転印刷時にシワや断紙、左右方向の文字ダブリ、見当ズレ等が発生する。そこで、本発明のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙は、ワインダーにおける巻取紙製造時に、巻込み開始時の張力を0.30〜0.50kN/mの範囲内とし、特に0.35〜0.45kN/mの範囲内とすることが好ましい。
そこで、本発明のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙は、ワインダーにおける巻取紙製造時に、巻込みの開始後から漸次張力を低下させ、巻終わりの張力が巻込み長50%地点の80〜100%であり、且つ張力が0.20〜0.40kN/mの範囲内とし、特に0.25〜0.35kN/mの範囲内とすることが望ましい。
1)パルプ
本発明の新聞巻取紙における新聞用紙の原料パルプとしては、化学パルプ(NBKP、LBKP等)や機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、脱墨古紙パルプ(DIP)を任意の割合で混合して使用することができる。環境面への配慮からDIPを高配合することが望ましく、全パルプ絶乾重量あたりDIPを50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含有することが好ましい。
本発明の新聞用紙には、填料を含有することができる。填料としては炭酸カルシウム、ホワイトカーボン等のシリカ、炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、カオリンクレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホリマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等を単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、製紙スラッジや脱墨フロス等を原料とした再生填料を使用することもできる。
本発明の新聞用紙は、酸性抄造される酸性紙でも中性抄造される中性紙でも特に限定されるものではないが、こわさが低下しやすい中性紙においてもシワの発生を抑えることができ、中性新聞用紙では本発明の効果がより大きく現れる。また中性抄造の場合は填料として炭酸カルシウムを高配合することが可能であり、裏抜け等の品質の面でも好ましい。
酸性抄造、中性抄造で使用する内添薬品の種類や添加量はそれぞれ異なるが、従来公知の内添サイズ剤である、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等を使用できる。
この他、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、嵩高剤等の製紙用内添薬品が必要に応じて適宜選択して使用される。また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物等が内添されてもよい。その他製紙用補助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアミンエピクロロヒドリン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添薬品を用途に応じて適宜添加することも可能である。
表面強度や印刷適性を高めるために、新聞用紙原紙の上に表面紙力剤や表面サイズ剤等を含有する表面処理剤を塗布することができる。
表面紙力剤としては、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カチオン化澱粉などに代表される澱粉系、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、ノニオン性ポリアクリルアミドなどおポリアクリルアミド系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系等の水溶性高分子が挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
本発明における新聞用紙の水分は、印刷作業性やインキ着肉性等の点から1.0%以上9.0%以下程度であることが好ましい。
Tapio Technologies Oy社製製品名Roll Quality Profilerにより、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙の幅方向における巻硬さを測定した。
測定条件:Roll Quality Profilerの測定ヘッドを、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙の表面上に置き、5cm/秒の速度で幅方向に移動させつつ、幅方向における巻硬さ(減速度)を測定した。測定した際のハンマーの初速は25cm/秒、ハンマーが巻取紙表面を連打する周期は10Hzであり、距離計の分解能すなわちデータの測定間隔は0.5cmであった。
(2)坪量の測定
ワインダー加工前の新聞用紙を、幅方向に10cm間隔で連続的にサンプリングし、JIS−P8124に基づき測定した。
(3)紙厚の測定
ワインダー加工前の新聞用紙を、幅方向に10cm間隔で連続的にサンプリングし、JIS−P8118に基づき測定した。
(4)ワインダー加工時の走行性の評価
ツードラムワインダーにより、新聞用紙を速度2500m/分で巻取り、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙を一卸製造する間の走行紙のシワ、断紙と、巻取紙の振動、偏芯の発生の有無を目視で評価した。
(5)オフセット輪転印刷時のシワの評価
オフセット輪転印刷機(三菱重工製)を使用し、両出し12万部/時の印刷速度で4色印刷(刷順:紅→藍→黄→墨)を行い、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙を1本使用する間の断紙と、印刷物のシワ、左右方向の文字ダブリ、見当ズレの有無を目視で評価した。
<オフセット輪転印刷用新聞用紙の製造>
DIP(濾水度180ml)80部、TMP(濾水度100ml)15部、及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、濾水度600ml)5部を混合離解して調製したパルプスラリーに、填料として対パルプ固形分20%の軽質炭酸カルシウム、内添紙力増強剤として対パルプ固形分0.5%のカチオン変性澱粉、対パルプ固形分に対し有姿0.5%の液体硫酸バンドを添加して原料を調製した。
この原料を濃度調整型ヘッドボックスに送り、ギャップフォーマー型ツインワイヤー抄紙機で抄紙速度1200m/分にて坪量42g/m2となるように中性抄紙して新聞用紙原紙を製造した。その際、ヘッドボックスにおける原料に対する濃度希釈用の低濃度原料として白水を使用し、低濃度原料の比率を17%とした。
その後、ホットソフトニップカレンダー(弾性ロール径990mm、金属ロール径1350mm)を用いて、金属ロール表面温度120℃、線圧30kN/mで1ニップのホットソフトニップカレンダー処理を行い、中性新聞用紙を得た。その間、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を1800kPa、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)を2100kPaとし、弾性ロールと金属ロール間の線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧から環状空間内圧力を引いた値(B−A)を300kPaとした。また、坪量測定値の標準偏差(σ)は0.2g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.7μmであった。
ツードラムワインダーにより、上記で得られたオフセット輪転印刷用新聞用紙を、速度2500m/分で巻取り、オフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。その間、ワインダー張力を、巻取の巻込み開始時において0.40kN/mとし、巻込みの開始後から漸次低下させ、巻終わり時において0.25kN/mとした。また、巻込み長50%地点の張力の85%とした。巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は5.2g、最大値から最小値を引いた値は29.5gであった。
ヘッドボックスにおける原料に対する濃度希釈用の低濃度原料の比率を20%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.7μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は4.9g、最大値から最小値を引いた値は27.7gであった。
ホットソフトニップカレンダーにおける、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を2000kPa、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)を1800kPaとし、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧から環状空間内圧力を引いた値(B−A)を−200kPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.2g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.8μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は5.1g、最大値から最小値を引いた値は26.2gであった。
ワインダー張力を、巻取の巻込み開始時において0.45kN/mとし、巻込みの開始後から漸次低下させ、巻終わり時において0.40kN/mとし、巻込み長50%地点の張力に対する巻終わりの張力の割合が90%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.2g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.7μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は7.2g、最大値から最小値を引いた値は32.2gであった。
ヘッドボックスにおける原料に対する濃度希釈用の低濃度原料の比率を7%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.7g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は1.0μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.9g、最大値から最小値を引いた値は52.2gであった。
ホットソフトニップカレンダーにおける、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を1800kPa、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)を2600kPaとし、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧から環状空間内圧力を引いた値(B−A)が800kPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は1.2μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は9.2g、最大値から最小値を引いた値は55.5gであった。
ホットソフトニップカレンダーにおける、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を2600kPa、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)を1500kPaとし、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧から環状空間内圧力を引いた値(B−A)を−1100kPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は1.3μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は9.8g、最大値から最小値を引いた値は54.9gであった。
ワインダー張力を、巻取の巻込み開始時において0.55kN/mとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.4g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.9μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.3g、最大値から最小値を引いた値は60.8gであった。
ワインダー張力を、巻取の巻込み開始時において0.20kN/mとし、その後、張力を一定に保持した後に上昇させ、巻込み長50%地点の張力に対する巻終わりの張力の割合が100%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.8μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は10.2g、最大値から最小値を引いた値は57.3gであった。
ワインダー張力を、巻取の巻終わりにおいて0.15kN/mとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.8μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.5g、最大値から最小値を引いた値は65.7gであった。
ワインダー張力を、巻込みの開始後から漸次低下させた後に上昇させ、巻取の巻終わりにおいて0.40kN/mとし、巻込み長50%地点の張力に対する巻終わりの張力の割合を120%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.2g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.6μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は11.1g、最大値から最小値を引いた値は52.1gであった。
巻取の巻終わりのワインダー張力を、巻込み長50%地点の張力の70%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.4g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.7μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.3g、最大値から最小値を引いた値は55.1gであった。
ヘッドボックスにおける原料に対する濃度希釈用の低濃度原料の比率を9%とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.7g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は1.1μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は7.5g、最大値から最小値を引いた値は43.1gであった。
ホットソフトニップカレンダーにおける、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を2000kPa、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧(B)を2700kPaとし、弾性ロールと金属ロールの線圧を部分的に変更するための加圧装置の油圧から環状空間内圧力を引いた値(B−A)を700kPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.3g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は1.2μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.5g、最大値から最小値を引いた値は38.9gであった。
ワインダー張力を、巻取の巻込み開始時において0.40kN/mとし、その後巻終わりまで一定に保持した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット輪転印刷用新聞巻取紙を得た。幅方向における坪量測定値の標準偏差(σ)は0.2g/m2、紙厚測定値の標準偏差(σ)は0.7μmであり、巻取紙の幅方向における巻硬さ測定値の標準偏差(σ)は8.9g、最大値から最小値を引いた値は44.8gであった。
Claims (5)
- 巻取紙表面を連打するハンマーが巻取紙表面に当たって停止するまでの減速度(g)を加速度センサーにて測定し、そのハンマーを巻取紙の幅方向に連打させつつ移動させて、巻取紙の幅方向における減速度の変化を巻硬さの変化として測定する方法にて測定された、ワインダーを用いてロール状に巻取られたオフセット輪転印刷機用新聞巻取紙における幅方向の巻硬さ測定値の標準偏差(σ)が8g以下であり、巻硬さの最大値から最小値を引いた値が40g以下、坪量の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が0.4g/m2以下、且つ紙厚の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が1.0μm以下であることを特徴としたオフセット輪転印刷用新聞巻取紙。
- 濃度調整機能を有するヘッドボックスと、金属ロールと弾性ロールの少なくともどちらか一方に幅方向の紙厚制御機能を有するホットソフトニップカレンダーを備える抄紙機にて坪量と紙厚を調整しながら抄紙する工程、および、抄紙された紙をワインダーを用いてロール状に巻取る工程を含む請求項1記載のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙の製造方法であって、濃度調整機能を有するヘッドボックスにおける、原料に対する濃度希釈用の低濃度原料の比率を10〜30%とし、坪量の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が0.4g/m2以下、且つ紙厚の幅方向における測定値の標準偏差(σ)が1.0μm以下となるように抄紙することを特徴とする、前記方法。
- ホットソフトニップカレンダーの弾性ロールにおける、弾性ロール内部に備えられた油圧で動作する加圧装置により、弾性ロールと金属ロール間の線圧を幅方向で部分的に変更することで紙厚を調整する手段において、弾性ロール内の環状空間内圧力(A)が1500〜4900kPaであり、且つ弾性ロールの部分的な圧力を変更するための加圧装置の油圧(B)から弾性ロール内の環状空間内圧力(A)を引いた値(B−A)が、−830〜650kPaである請求項2に記載のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙の製造方法。
- 請求項1記載のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙の製造方法であって、ワインダーを用いてロール状に巻取る工程において、巻取りの巻込み開始時の張力を0.30〜0.50kN/mとし、巻込みの開始後から漸次張力を低下させ、巻終わりの張力が巻込み長50%地点の80〜100%であり、且つ張力が0.20〜0.40kN/mであることを特徴とする請求項2又は3に記載のオフセット輪転印刷用新聞巻取紙の製造方法。
- 坪量が35〜43g/m2であり、紙中填料量が10〜40固形分質量%で、且つ紙中填料として軽質炭酸カルシウムを5〜30固形分質量%含有し、中性抄造することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
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