JP6231834B2 - オフセット印刷用非塗工紙の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の印刷用非塗工紙は、原紙の片面または両面に、特定の粘度特定を有する澱粉系高分子を含むクリア塗工液を塗布し、クリア(透明)塗工層を有する。本発明においてクリア塗工とは、例えば、ポンド式2ロールサイズプレス、フィルム転写方式としてゲートロールコータやロッドメタリングサイズプレス、カーテンコータ、スプレーコータなどのコータ(塗工機)を使用して、クリア塗工液を原紙上に塗布することをいう。 本発明においては、塗工量に制限のあるフィルム転写方式のコーターにおいて、特に効果を発揮する。
本発明の印刷用非塗工紙は、引張強度の縦横比(T/Y)比が、2.0以下、好ましくは1.85以下、より好ましくは、1.65以下である。本発明の引張強度は、JIS P 8113に従って測定されるもので、紙の縦と横方向で、既定の条件によって引っ張り、破断する前の最大引張荷重を幅1m当たりに換算した値である。紙の縦方向とは、抄紙時の繊維の流れ方向をいい、横方向とは、繊維の流れ方向に直行する方向を言う。引張強度の縦方向の値と横方向の値が、同じ値に近づけば近づくほど、すなわちT/Y比が1に近くなればなるほど、紙の寸法安定性は向上する。特に、オフセット輪転機の場合、印刷工程における湿し水浸透時の寸法伸張、並びに乾燥工程における加熱時の寸法収縮は小さくなり、印刷用非塗工紙として品質適性・加工適性が向上する。
本発明の印刷用非塗工紙は、下記式1で定義されるシェーキング強度が、4500〜20,000、好ましくは、6,000〜16,000であるワイヤーシェーキング装置を用いて、抄紙機のワイヤーを振動させて抄造されたものである。
式1
シェーキング強度=振動数(Hz)2×振幅(mm)/ワイヤー速度(m/分)
しかし、坪量が低い印刷用非塗工紙は振幅を大きくすると、抄紙工程における断紙やカッター断裁工程におけるつまみ皺などができ発生しやすい傾向がある。
上記のことから、坪量が100g/m2未満の印刷用非塗工紙の製造においては、シェーキング強度が4,500〜10,000,より好ましくは6,000〜10,000であり、坪量100g/m2以上の印刷用非塗工紙の製造においては、10,000から20,000、好ましくは12,000〜16,000が適している。
本発明において、繊維配向指数とは、紙の繊維の配向を示すもので、数値は、「0〜1」の範囲で表される。配向指数が1に近いほど配向性が強く、0に近いほど配向性が弱い(ランダムな方向に配向している)である。一般的に繊維配向指数は、0.02異なれば有意差とされている。配向指数は、坪量や抄紙条件により変わり、一般的には低坪量のものほど、配向指数は大きくなる傾向にある。よって、配向指数の変化を見る場合は、同坪量帯で比較する。
配向指数はワイヤーパート工程における初期脱水完了時点でほぼ決定されるため、本発明においては、初期脱水が完了する前に、特定の強さでワイヤーをシェーキングすることで配向を乱すことにより、T/Y比を適切な値にしている。
本発明の印刷用非塗工紙の紙中灰分は、15重量%以上40重量%以下である。紙中灰分を、15重量%以上40重量%以下とするためには、原紙に添加する填料の量を調整する。本発明において灰分は、JIS P 8251に規定される紙および板紙の灰分試験方法に準拠し、燃焼温度を525±25℃に設定した方法で測定される。一般に灰分は、紙に含まれる無機物の量を示すため、基本的に紙中に含まれる填料の量を反映する。紙の灰分は、紙料に添加されるフレッシュな填料に由来するものと、DIP(古紙パルプ、脱墨パルプ)などのパルプ原料によって持ち込まれるもので構成される。DIPによって持ち込まれる灰分としては、炭酸カルシウムが比較的多いが、炭酸カルシウム以外の無機成分も含まれ、炭酸カルシウムと他の無機成分との割合は、新聞古紙や雑誌古紙などの古紙の種類や回収状況などによって異なる。
[原料パルプ]
本発明で製造される印刷用非塗工紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、一般的に抄紙原料として使用されているものであればよい。
本発明の紙に使用される填料は、紙中灰分が紙の絶乾重量に対し、15重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上となるように添加することが好ましい。灰分の上限は特にないが、紙の強度や操業性を考慮すると、40重量%以下であることが好ましい。
原紙に添加する填料としては、例えば、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、シリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化チタン、ベントナイトなどの無機填料;尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料;を単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、製紙スラッジや脱墨フロス等を原料とした再生填料も使用することができる。
特に、本発明においては、安価でかつ光学特性に優れていることから、炭酸カルシウムを填料として使用することが好ましい。また、炭酸カルシウム−シリカ複合物(例えば、特開2003−212539号公報あるいは特開2005−219945号公報等に記載の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)などの複合填料も使用可能である。酸性抄紙では、前記中性抄紙で使用する填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明においては、原紙上に設けるクリア塗工液(サイズプレス液ともいう)に各種水溶性高分子化合物を好適に使用することができる。澱粉とは、アミロース、アミロペクチンからなる混合物のことをいい、一般に、その混合比は澱粉の原材料である植物によって異なる。
本発明においては、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常のクリア塗工に配合される各種助剤を適宜使用できる。
本発明においては、内添用として、公知の製紙用添加剤を使用することができる。製紙用薬品は、特に制限されず、種々の薬品を単独または組み合わせて用いることができる。例えば、例えば、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、ベントナイト、シリカ、サイズ剤、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、嵩高剤、填料、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの製紙用薬品を用いることができる。中でも、短時間で紙料との混合ができるという本発明の効果を大きく享受できる点で、製紙用薬品として歩留剤を添加することが特に好ましい。歩留剤の他、本発明の製紙用薬品として好適に使用できるものとしては、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの内添乾燥紙力増強剤;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などの内添湿潤紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤などの内添サイズ剤;などを挙げることができる。
上記のようにして製紙用薬品を混合された紙料は、ヘッドボックスに送られ、ヘッドボックスからワイヤーに噴射されて抄紙される。本発明は、種々の抄紙機や抄紙法に適用することができる。抄紙機としては例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、ヤンキー抄紙機等で適宜抄紙できるが、特に地合が悪化しやすいツインワイヤー抄紙機でも、本発明の効果を有意に発揮させることができる。ツインワイヤー抄紙機としては、ギャップフォーマー、オントップフォーマーなどが挙げられる。
本発明の抄紙系は、特に制限されず、中性紙でも酸性紙でもよいが、本発明の紙が炭酸カルシウムを比較的多く含有する場合、中性紙であることが好ましい。具体的には、本発明においては、紙面pHが6.0〜9.0であることが好ましく、6.8〜8.0であることがより好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。
本発明の原紙の坪量は特に限定されないが、41g/m2を超えることが好ましい。原紙の坪量の上限は特に制限されないが、例えば、220g/m2とすることができる。さらに、本発明においては、抄造した原紙に種々の表面処理を施すことができる。
本発明の印刷用非塗工紙の紙質は、下記に規定される方法に準じて測定した。
(1)坪量:ISO536
(2)紙中灰分:ISO1762
(3)地合指数:ハネウェル社製のBM計(型式Mx Open)に搭載している地合計のフロックインテンシティーにより測定した。フロックインテンシティーの数値が小さいほど地合は良好である。
(4)引張強度(kN/m):JIS P 8113に基づいて、紙の縦(抄紙流れ)方向と横方向(抄紙流れと直行する方向)を測定した。
(5)収縮率
プレスパートのセンターロール出口のシート巾(a)、並びにリールパートのシート巾(b)を測定した上で、下記計算式によりマシン乾燥工程による収縮率を算出した。
式2
収縮率(%)={(a)−(b)}/(a)×100
(6)繊維配向指数
野村商事(株)SST−250を使用して、紙サンプルの繊維配向指数を測定した。配向指数は0〜1の範囲で規定される。配向指数が1に近いほど配向性が強く、0に近いほど配向性が弱い(ランダムな方向に配向している)となる。抄紙機を使用した紙生産の場合、配向指数が1に近いほど抄紙方向に配向しており、0に近いほどランダムな方向に配向していると解釈できる。
製紙用原料パルプとしてLBKP(濾水度400ml、CSF)のスラリーに、パルプ固形分に対し液体硫酸バンドを0.5重量%(有姿)添加し、製品灰分が18%になるように填料として軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製「TP−121」)を添加し、対パルプ固形分250ppmの歩留まり向上剤を添加した後、ツインワイヤー型抄紙機を用いてワイヤー速度704m/分で坪量52.3g/m2となるように抄紙し、オンマシンのゲートロールコーターを用いて、ヒドロキシエチル化澱粉(Tate&Lyle社製Ethylex2015)をフェルト面、ワイヤー面の両面に均等に合計2.5g/m2塗工し、マシンカレンダーで処理し、印刷用非塗工紙を得た。抄紙時のシェーキングは、振幅15mm、振動数570Hz、シェーキング強度は、6924であった。
ワイヤー速度713m/分、原紙坪量を64.0g/m2とした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。抄紙時のシェーキングは、振幅15mm、振動数570Hz、シェーキング強度は、6832であった。
ワイヤー速度706m/分、原紙坪量を81.4g/m2とした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。抄紙時のシェーキングは、振幅15mm、振動数570Hz、シェーキング強度は、6902であった。
ワイヤー速度750m/分とし、振動数を475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、4809であった。
ワイヤー速度755m/分、原紙坪量を64g/m2とし、振動数を475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、4744であった。
ワイヤー速度750m/分、原紙坪量を81.4g/m2とし、振動数を475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、4793であった。
ワイヤー速度737m/分、原紙坪量を64g/m2とし、振幅を25mm、振動数を475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、7652であった。
ワイヤー速度438m/分、原紙坪量を104.7g/m2、振幅25mm、振動数475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、12880であった。
ワイヤー速度406m/分、原紙坪量を127.9g/m2、振幅25mm、振動数475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は13887であった。
ワイヤー速度365m/分、原紙坪量を157g/m2、振幅25mm、振動数475Hzとした以外は、実施例1と同様の方法で印刷用非塗工紙を得た。シェーキング強度は、15461であった。
抄紙時のシェーキング条件を、振幅5mm、振動数570Hz、シェーキング強度2320とした以外は、実施例2と同様にして印刷用非塗工紙を得た。
抄紙時にシェーキングなしとした以外は、実施例2と同様にして、印刷用非塗工紙を得た。
抄紙時にシェーキングなしとした以外は、実施例3と同様にして、印刷用非塗工紙を得た。
抄紙時にシェーキングなしとした以外は、実施例10と同様にして、印刷用非塗工紙を得た。
Claims (2)
- 下式1で定義されるシェーキング強度が4,500〜20,000(範囲)となるようワイヤーシェーキング装置を用いて抄紙機のワイヤーを振動させて原紙を抄造し、
次いで、該原紙の少なくとも片面に水溶性高分子を主成分とするクリア塗工層を設ける、
灰分が15重量%以上40重量%以下の印刷用非塗工紙の製造方法。
(式1)
シェーキング強度=振動数(Hz)2×振幅(mm)/抄速(m/分) - 前記印刷用非塗工紙の引張強度の縦横比(T/Y比)が1.8以下である、請求項1に記載の印刷用非塗工紙の製造方法。
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