JP5192757B2 - 電子写真用転写紙の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において電子写真用転写紙とは、コピー機、レーザープリンターなどで使用されるために製造された用紙を意味し、PPC用紙などともいわれるものである。通常、コピー機等においては、感光体上にトナー画像を形成し、それを用紙へ転写、熱等によって定着させてハードコピーを得る。したがって、電子写真用転写紙においては、トナーの紙表面への定着性を高めるため用紙表面の電荷が調整されており、また、コピー機内の熱で用紙がカールしないように用紙の繊維配向が調整されていることが一般的である。本発明の製造方法により抄造される電子写真用転写紙の坪量は特に限定はないが、通常50〜80g/m2程度であり、好ましくは50〜70g/m2である。
本発明の製造方法は、抄紙速度が高速である上記ギャップフォーマ型抄紙機を用いる製造方法である。本発明において、抄紙速度が高速とは、1300m/分以上であり、好ましくは1500m/分以上、さらに好ましくは1600m/分以上であり、2500m/分程度でも抄造可能である。高速抄紙においてはフォーマ部で強力な脱水が行われるため、紙表層部へ灰分が局在化し、製造された紙は印字時に紙粉が発生しやすくなることが特に問題とされていたところ、本発明の製造方法を適用すれば、このような紙粉の問題を解決することができる。したがって、本発明の方法は、高速抄紙に極めて好適に適用することができる。
抄紙機前処理工程では、パルプ原料と内添抄紙薬品をミキサーで混合した紙料に、ファンポンプの前でフレッシュ填料が添加され、均一混合されるのが通常である。従って、歩留剤の添加場所は、この填料添加後〜抄紙機ストックインレット前の間が好ましい。
本発明の電子写真用転写紙においては、表面強度の強化等を目的とした表面処理剤の外添塗工をクリアー塗工することが好ましい。塗工する薬剤は、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、熱変性澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール等の変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等を単独又は併用する。また、外添塗工の薬剤は前記の薬剤以外に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物等一般的な表面サイズ剤を併用塗工することができる。
測定方法
(1)紙粉評価
コピー機による印字試験で、紙粉量の測定を行った。紙粉量の評価方法は、富士ゼロックス製複写機(Vivace555)を用い、A4横目通紙で55枚/分の速度でモノクロ印字を行い、1000枚印字した時にコピー機内に堆積する紙粉の重量測定を行った。
(2)紙中灰分(紙中填料率)の測定
JIS P8251に基づいて測定を行った。
(3)歩留りの測定方法
ストックインレット原料とワイヤを抜け落ちた白水(ワイヤ下白水と記述する)について、それぞれ固形分濃度と灰分濃度を測定した。下記式(1)により紙料歩留りを、下記式(2)により灰分歩留りを測定した。
A:ストックインレット原料の固形分濃度(g/l)
B:ワイヤ白水の固形分濃度(g/l)
灰分歩留り=100×(C−D)/C …計算式(2)
C:ストックインレット原料の灰分濃度(g/l)
D:ワイヤ白水の灰分濃度(g/l)
・灰分濃度の測定:ストックインレット原料とワイヤ白水について、その固形分を525℃で灰化した。
(4)紙の地合の測定方法
紙の地合は野村商事(株)製の地合計FMT-III(光透過光変動法)により評価した。なお、測定値が小さい程、地合は良好であることを示す。
(1)抄紙機
フォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のオンマシンギャップフォーマ型抄紙機。
(2)パルプ原料配合
広葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=450ml)、針葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=600ml)1、脱墨パルプ(濾水度CSF=240ml)を実施例、比較例のとおり配合した。
(3)紙中填料
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm)を使用し、目標の紙中灰分となるように添加量を適宜調整した。
広葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=450ml)90%、針葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=600ml)10%を混合したパルプスラリーに、紙中灰分が12%となるように填料を混合した紙料に、内添用紙力向上剤のカチオン化澱粉(日本コーンスターチ製、Cato304)を紙料固形分重量当たり0.7%添加し、極限粘度法による重量平均分子量が2,000万のカチオン性ポリアクリルアミド系歩留まり剤(ソマール株式会社製、リアライザーR300、カチオン電荷密度1.96 meq/g)を紙料固形分重量当たり200ppm添加し、フォーミングロール径が1600mmであるロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙速度1700 m/分で抄紙し、表面紙力剤として熱変性澱粉を1.5g/m2、及び塩化ナトリウム(導電剤)を0.05g/m2を、ロッドメタリングサイズプレス(ロッドの溝幅0.1mm)にて塗工・乾燥した後、カレンダーで処理し、坪量64 g/m2、紙中灰分15%の電子写真用転写紙を作成した。
実施例1のパルプ配合を、広葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=450ml)60%、針葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=600ml)10%、凝結剤(片山ナルコ製、N7527)をパルプ固形分重量当たり100ppm添加して処理した脱墨パルプ(濾水度CSF=240ml)30%、とした以外は、実施例1と同様に電子写真用転写紙を得た。
実施例1のカチオン化澱粉の添加率を0.2%とした以外は、実施例1と同様に電子写真用転写紙を得た。
実施例2のカチオン化澱粉の添加率を0.2%とした以外は、実施例2と同様に電子写真用転写紙を得た。
実施例1のパルプ配合を、広葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=450ml)30%、針葉樹クラフトパルプ(濾水度CSF=600ml)10%、脱墨パルプ(濾水度CSF=240ml)60%、とした以外は、実施例1と同様に電子写真用転写紙を作成した。
実施例1の抄紙機を、ブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙速度1,500m/分とした以外は、実施例1と同様に電子写真用転写紙を作成した。
Claims (6)
- フォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて紙中灰分が8%以上の電子写真用転写紙を製造する方法であって、
紙料に使用される全パルプのうち、叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が60重量%以上、凝結剤で処理した脱墨パルプが10重量%以上であり、カチオン化澱粉を固形分重量当たり0.3重量%以上添加した紙料から、1300m/min以上の抄紙速度で中性抄紙することを含む、上記方法。 - ギャップフォーマ型抄紙機のフォーミングロール径が1500mm以上である、請求項1に記載の方法。
- 澱粉を固形分で50%以上含むクリアー塗工液をロッドメタリングサイズプレスによってクリアー塗工することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
- 抄紙速度が1500m/min以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 極限粘度法による重量平均分子量が1500万以上のカチオン性ポリアクリルアミド系歩留まり向上剤を紙料に添加して抄紙する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- フォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて紙中灰分が8%以上の電子写真用転写紙を製造する方法において、
紙料に使用される原料パルプのうち、叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が60重量%以上、凝結剤で処理した脱墨パルプが10重量%以上であり、カチオン化澱粉が固形分重量当たり0.3重量%以上添加した紙料から、1300m/min以上の抄紙速度で中性抄紙することによって、抄紙原料の歩留りを向上させる方法。
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