JP3000812B2 - 熱転写記録用受像紙及びその製造方法 - Google Patents

熱転写記録用受像紙及びその製造方法

Info

Publication number
JP3000812B2
JP3000812B2 JP5-11286A JP1128693A JP3000812B2 JP 3000812 B2 JP3000812 B2 JP 3000812B2 JP 1128693 A JP1128693 A JP 1128693A JP 3000812 B2 JP3000812 B2 JP 3000812B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
base paper
image receiving
contact angle
thermal transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5-11286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05270158A (ja
Inventor
智文 時吉
嘉孝 奥村
裕一郎 林
普道 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Publication of JPH05270158A publication Critical patent/JPH05270158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3000812B2 publication Critical patent/JP3000812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写記録方式を利用
した複写機、プリンタ及びファクシミリ等で使用される
熱転写記録用受像紙の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA化の進展に伴い、電子写真方
式や熱転写記録方式等の各種記録方式を利用した複写機
やプリンタ等が広く使用されている。これらは、それぞ
れの用途に応じ、例えばCAD/CAM等にも用いられ
ている。この場合、画像形成には有色の色材が用いられ
るが、通常これらの色材を溶融、蒸発、昇華せしめて、
紙やフィルムシート等の記録媒体の上に転移させて、粘
着、吸着、染着作用により記録像を得るようにしてい
る。
【0003】この種の記録方式の中で、色材で構成され
た熱溶融性インク層を有するインクリボンをサーマルヘ
ッドの発熱により溶融せしめ、色材を記録紙に転移させ
て粘着、吸着、染着作用により記録像を得る熱溶融型の
熱転写記録方式が最近注目されている。この方式には記
録媒体として普通紙(上質紙)を利用できることが特徴
とされている。
【0004】ところで、この熱転写記録方式において
も、他の記録方式と同様にフルカラー記録、高速記録、
鮮明画像、高解像度化等の要望が強まっている。例えば
カラー熱転写プリンタ等で単色或いは多色記録を行う場
合、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック等の色材
とワックス類や樹脂類等を有するインクリボンと記録紙
を組合せ、サーマルヘッドで印加されて記録紙上に転写
像が形成されるようにしている。この場合、各色のイン
クが重なり合うために、記録紙として普通紙を用いると
受像層表面の平滑性に起因して、転写ムラやドット抜け
等の欠点が生じ易く難点となっている。
【0005】そのために、最近においては普通紙をその
まま用いるのでなく、基紙表面に顔料及び接着剤を主成
分とする塗被組成物を塗被または含浸させて受像層表面
の平滑性を改良しようとする多くの提案がなされてい
る。例えば、ベック平滑を特定したもの(特開昭59−13
3092、同59−187892号)、特定の顔料やバインダーを含
有する熱転写受像層を設けたもの(特開昭57−182487、
同59−182787号、US Pat.No.4,639,751 、特開昭60−11
0489号、同60−110492号、同60−192690号、同61−2172
89号、同61−286187号、同63−21185 号、特開平1-2534
75号)が挙げられる。また、普通紙型の非塗工紙であっ
て、特定の抄紙填料を使用した受像紙の技術も特開昭61
-225396 号、及び同63-19289号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これら従来の方法はある程度の改良
効果は認められるものの、多色記録するときのカラーイ
ンクの重なり部における転写ムラや色ズレ、或いは転写
ドット(インク)の抜けやドット形状の再現性不良等に
よる画像鮮明性の低下等を完全に防ぐまでには至ってい
ない。本発明者らの見解によれば、単にキャレンダ処理
等を強化して平滑性を高めたり、熱転写受像層に特定の
顔料やバインダを含有させるだけでは不十分であって、
上記欠点を解消してインクの転写性やドット再現性に優
れる熱転写記録用受像紙を得るについては、未だ実用に
耐える技術は開発されていない。
【0006】また、最近では熱転写記録用受像紙に印刷
を施す機会も多くなり、それに伴って受像紙の平滑性や
表面強度、或いは不透明性等も要求されるようになって
きた。更には、受像紙を断裁する際、紙粉の発生による
ユーザーサイドでの作業環境トラブルが露呈し、かかる
トラブルの解消も急務となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱転写記録
用受像紙に関し、特にインクの転写性、再現性、定着
性、解像度や画像鮮明性に優れ、転写ムラやドット抜け
がなく、高速記録は勿論、フルカラー用の記録用紙適性
に優れ、且つ印刷用紙適性も兼ね備えた、高品位で高画
質な熱転写記録用受像紙を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする塗被組成物から
なる水性塗被液を塗被又は含浸せしめて受像層を設けた
熱転写記録用受像紙において、該基紙が下記〜の条
件を同時に満足することを特徴とする熱転写記録用受像
紙。基紙中にJIS−K−6220に準拠する見掛比
重が0.10〜0.50g/cmであり、かつ単一粒
子が複数個凝集してなるウニ状或いは球形状の凝集軽質
炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形シリカ、ゼオラ
イト、ケイソウ土、焼成ケイソウ土から選ばれた少なく
とも1種の多孔質顔料が6〜20重量%含まれる。基
紙表面の水に対する初期接触角θが75〜120゜であ
る。基紙表面の水に対する接触角の変化速度Rが0.
5゜/秒以下である。
【0009】また、本発明は前記受像紙を製造する方法
をも包含し、その構成は次のとおりである。すなわち、
基紙を抄紙する際、填料としてJIS−K−6220に
準拠する見掛比重が0.10〜0.50g/cmであ
り、かつ単一粒子が複数個凝集してなるウニ状或いは球
形状の凝集軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形
シリカ、ゼオライト、ケイソウ土、焼成ケイソウ土から
選ばれた少なくとも1種の多孔質顔料を用いると共に、
前記顔料を基紙に対して6〜20重量%含ませ、かつ内
添サイズを施して抄紙した上で、さらに基紙の表面に、
水に対する初期接触角θを75〜120゜の範囲および
基紙表面の水に対する接触角の変化速度Rが0.5゜/
秒以下であるように表面サイズを施し、その後に該基紙
の上に顔料および接着剤を主成分とする塗被組成物から
なる水性塗被液を塗被又は含浸せしめて熱転写記録用受
像紙を得るようにする。
【0010】本発明は、上述のような構成とすることに
より、インクリボンと記録受像面との密着性が高めら
れ、インクの受理性や定着性にも優れ、高画質が再現で
きる。その結果、高速記録は勿論、フルカラー用の記録
用紙適性にも優れた熱転写記録用受像紙が得られるので
ある。
【0011】
【作用】さらに詳しく述べると、本発明にあっては、熱
転写記録用受像紙の主要部である基紙に適度な空隙とク
ッション性を付与し、断熱効果を高めてインク受理性を
向上させるようにしたこと、更には、印刷適性の改善及
び紙粉対策として水性塗被液中に含まれる接着剤成分を
受像紙の製造過程で基紙中に適度に浸み込ませるように
したこと、
【0012】さらにまた、基紙に適度の撥水性を付与す
ると共に、基紙に対して特定の填料を配合する等の種々
の条件を重層的に付加させることにより、それら各条件
の相乗効果によって、基紙の断熱特性を著しく向上させ
て、インク受理性を高め、しかも、受像紙表面のボコツ
キや面粗れの発生を極力抑制することができるようにし
たものである。
【0013】さらに、基紙の撥水性を調整することによ
り、塗被液中の接着剤である水性成分を基紙中に適度に
浸み込ませ、紙層及び表面強度を強化させることによ
り、紙粉に起因するトラブルを防止し、しかも、印刷用
紙としての適性を有し、高速記録や多色印字する際の転
写ドットの欠損のない画質の優れた熱転写記録用受像紙
が得られることを見出したのである。
【0014】本発明における第1の特徴は、基紙中に填
料としてJIS-K-6220に準拠する見掛比重(以後、単に見
掛比重と呼称する)が0.10〜0.50g/cm3 、好ましくは
0.15〜0.40g/cm3 、より好ましくは0.20〜0.40g/cm
3 である多孔質顔料を 6〜20重量%、好ましくは8 〜15
重量%程度を含有せしめるところにある。多孔質顔料は
粒子中に多量の空気を包含しているものであり、このよ
うな顔料(填料)をパルプ繊維間に内在させることによ
って、基紙に対し適度な空隙とクッション性を付与させ
るようにしたものである。換言すれば、基紙の断熱特性
を良好に保持して、サーマルヘッドからの熱を受像層表
面に程良く蓄熱させるために、転写インクの受理性や定
着性がより際立って向上し、さらに基紙の不透明性や平
滑性も改善されるために、熱転写記録用受像紙としての
品質特性が飛躍的に向上する。
【0015】なお、多孔質顔料の中でも、見掛比重が0.
50g/cm3 を越えるものを使用したときには多孔質顔料
のもつ特性が半減し、基紙の空隙が減少し、緻密な紙層
構造となり、基紙の断熱効率が急激に低下して、転写イ
ンクの受理性や定着性が劣るようになる。また、光の散
乱に必要な細かな空隙が減少するので不透明度の低下が
著しい。他方、0.10g/cm3 未満の多孔質顔料の場合
は、基紙の空隙が増加し過ぎて基紙の断熱効果が必要以
上に高くなるために、サーマルヘッドからの熱が受像層
表面で冷却され難くなり、蓄熱されて転写インクの滲み
やブリッジング現象が誘発され、画像品質が低下するよ
うになる。また、紙層強度が極端に弱くなるために、転
写ドットの欠損や紙粉に起因する画質の低下、さらには
印刷適性を欠くことになり、好ましくない。
【0016】また、上記特定の多孔質顔料であっても、
使用量が基紙中に 6重量%未満の場合には本発明の所望
の効果が得られず、一方、20重量%を越えると、基紙の
紙層強度が弱くなり、紙粉が発生して画質に悪影響を与
えたり、印刷用紙としての適性を欠くために好ましくな
い。
【0017】以下に本発明で用いることのできる多孔質
顔料を例示する。すなわち、例えば、単一粒子が複数個
凝集してなるウニ状或いは球形状の凝集軽質炭酸カルシ
ウム、焼成カオリン、無定形シリカ、ゼオライト、ケイ
ソウ土、焼成ケイソウ土等が挙げられる。そして、これ
らの中から、前記見掛比重の特定条件を満足する多孔質
顔料が使用される。さらに、これらの顔料の中でも特に
ウニ状或いは球形状の凝集軽質炭酸カルシウム、焼成カ
オリン、無定形シリカを使用すると転写インクの定着性
やドット形状の再現性に優れ、しかも、多色重ね刷り時
の色再現性が良好であるので、色ずれのない階調性に優
れた熱転写記録用受像紙が得られる。
【0018】ウニ状或いは球状の凝集軽質炭酸カルシウ
ムとは、次のようなものをいう。すなわち、炭酸カルシ
ウムを合成結晶させる際に生成する、粒子径が0.1 〜0.
3 μmの単粒子(または一次粒子)を凝集させ、一般の
分散力によっては分離しない程度にまで堅く凝集させた
形態(凝集粒子または二次粒子という)の炭酸カルシウ
ムをいう。この場合、前記単粒子が針柱状であるものを
ウニ状といい、前記単粒子が立方状のものが凝集して球
形状となったものを球形状凝集炭酸カルシウムという。
その凝集粒子径については、0.5 〜20μmの範囲でコン
トロール可能で、中でも 1〜10μmものが製紙用として
注目されている。
【0019】一方、焼成カオリン(Calcined
kaolinまたはAnhydrous kaoli
n)は、焼成の程度や粒子径などにより多くの種類があ
る。また、無定形シリカは、非晶質の合成珪酸で、天然
に存在する結晶性シリカに対比する呼称で、一定の結晶
構造を持たないことから非晶質シリカとも呼ばれてい
る。一般には乾式法の無水珪酸、湿式法の含水珪酸、含
水珪酸アルミニウムに分類され、これらをまとめてホワ
イトカーボンということもある。無定形シリカは微粒子
の凝集構造体であり、単粒子径は10〜50nmで、二次凝
集粒子は1〜数百μmの広い範囲にわたっている。
【0020】なお、本発明の所望の効果を損なわない範
囲で、他の填料、例えばタルク、カオリン、クレー、デ
ラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、硫酸マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミノ珪酸
マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、シ
リカ、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱
物質填料やポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒子、
及び微小中空粒子等の有機合成填料等の1種或いは2種
以上の填料を適宜選択して併用することもでき、更には
古紙やブローク等に含まれる填料も再生使用することが
できる。
【0021】次に、本発明の第2の特徴である基紙表面
の水に対する初期接触角θについて述べる。前記の基紙
表面の水に対する初期接触角θを75〜 120°、好ましく
は80〜 110°の範囲となるように調整して、塗被液中の
接着剤成分(水性成分)を基紙の紙層中に適度に浸み込
ませ、紙層と紙層、及び紙層と受像層との接着強度を高
めるようにしたものである。
【0022】すなわち、本発明にあっては基紙の撥水性
を調整することにより、塗被液中の接着剤成分を基紙中
に適度に浸み込ませ、紙層及び表面強度を強化させるこ
とを意図したもので、それによって紙粉に起因するトラ
ブルを防止するようにした。因みに、接触角θが 120°
を越えると、基紙表面の撥水性が高くなり過ぎるので塗
被液中の接着剤成分が基紙に浸み込み難くなり、本発明
の所望とする強度の強い受像紙が得られず、その結果、
紙粉発生を解消することもできない。さらに、熱転写記
録時にインクリボンと受像紙とが引き離される際に、受
像層表面が転写インクと共に捲り上がり、転写ドット
(インク)が欠損して画質低下の原因となる。
【0023】一方、75°未満になると、基紙に前記した
接着剤成分が浸み込み過ぎるために、受像層表面がボコ
ついたり、面粗れを起こしてしまい、均質な受像層表面
が得られない。また、紙層中に浸透した水性成分がその
空隙を埋めるために、インク受理性等の記録適性が失わ
れ記録画質が低下する。
【0024】なお、基紙の撥水性の指標としてはステキ
ヒトサイズ度やコブ吸水度等の方法もあるが、これらの
方法は塗被液の基紙に対する浸透時間に較べて、かなり
の測定時間を要し、その上、紙の米坪によって測定値が
大きく影響を受けるために、基紙上に水性塗被液を塗被
する際の指標としては適切でない。そこで本発明では、
新たに接触角法を採用し、基紙上に水性塗被液を塗被或
いは含浸する工程での塗被液の基紙に対する浸透の程度
を再現性良く、且つより正確に測定できるようにしたも
のである。なお、本発明にいう接触角とはTAPPIST
D T 458 om-84「紙の表面濡れ(接触角法)」に基き測
定される値である。即ち、蒸溜水滴と紙表面の接触角を
測定するものであり、初期接触角とは水滴滴下5秒後の
接触角を指す。
【0025】接触角θを調節する手段としては、基紙を
抄紙するに当たって使用する内添サイズ剤の種類と添加
量及び/又は表面サイズ剤の種類と塗被量等を適宜調節
することによって調整することができ、他方、カレンダ
掛けの程度によっても適宜に調節することが可能であ
る。中でも、内添サイズ剤に表面サイズ剤を併用して行
うと、基紙表層の初期の接触角であるθをより的確に調
節することができるため、本願発明の所望の効果を得る
上で好ましい方法である。
【0026】内添サイズ剤としては、例えば強化ロジン
やロジンエマルジョン等のロジン系サイズ剤、アルキル
ケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系
サイズ剤、高級脂肪酸系サイズ剤、石油樹脂系サイズ
剤、ワックス系サイズ剤、カチオン性合成サイズ剤等が
ある。
【0027】また、表面サイズ剤としては、上記内添サ
イズ剤の他に、α−オレフィン無水マレイン酸系サイズ
剤、スチレン−アクリル系サイズ剤等の合成サイズ剤が
挙げられ、これらのサイズ剤に例えば澱粉類、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導
体、アクリル酸エステル、ラテックス及びこれらの誘導
体或いは変性物等を併用使用できる。これらの表面サイ
ズ剤を基紙に表面サイズする方法等については、例えば
ツーロール、ゲートロール、メータリングブレード、ビ
ルブレード等の方式のサイズプレス、あるいはショート
ドウェルコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、
ブレードコータやスプレー等の各種方法が適宜選択して
使用できる。中でも前記したサイズプレス方式は本発明
において使用して最も好ましい。
【0028】さらに、接触角を調整する上において、基
紙表面の水に対する接触角の変化速度Rを 0.5°/秒以
下、好ましくは 0.4°/秒以下の範囲になるように調整
しておくと、特に環境の変化に伴う紙の水分変化を極力
抑制できるので、本発明の好ましい実施様態の一つであ
る。なお、接触角の変化速度は下記式により求めること
ができる。 R=(θ−θ′)/55 (R;接触角の変化速度、θ;前述の初期接触角〔5秒
後の接触角〕、θ′;60秒後の接触角)
【0029】因みに、接触角の変化速度が 0.5°/秒よ
り大きくなると、例えば用紙を保存する環境変化が低湿
から高湿状態へと急激に変化したときに、用紙中の水分
が著しく変化するので、カール、シワ、波打ち等が発生
して、また、断熱特性にも悪影響を及ぼし、更には、記
録時に紙詰まり等の原因となり、走行トラブルを発生さ
せる度合いが高まる。
【0030】パルプ繊維としては、特に限定されるもの
ではなく、通常の木材パルプ繊維を主体とするものであ
り、必要に応じ、ケナフ、竹、麻等の様な非木材パルプ
繊維やポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の
合成パルプ或いは合成繊維、さらにはガラス繊維、セラ
ミック繊維等の無機質繊維も使用できる。また、パルプ
繊維の種類、製法等については特に限定されず、例えば
KP、SP、AP法等によって得られる針葉樹パルプや
広葉樹パルプ等の化学パルプ繊維やSCPの他に、各種
高歩留パルプ(SGP 、BSGP、BCTMP 、CTMP、CGP 、TMP
、RGP 、CMP 等)或いはDIP等の古紙パルプ又は再
生パルプ等が挙げられる。なお、これらの中にあって、
例えば楓、樺、樫、楢、ブナ、アスペン、ユーカリ等の
広葉樹を原料として得る化学パルプ繊維は、優れたクッ
ション性と断熱性を有し、インクの受理性向上に著しく
効果があるために、特に好ましく使用できる。
【0031】なお、紙料中には主成分のパルプ繊維や填
料の他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従
来から当業界で使用されている各種の歩留向上剤、濾水
性向上剤、紙力増強剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じ
て適宜選択して使用される。さらに、染料、蛍光増白
剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライ
ムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて適
宜添加することもできる。また、前述の表面サイズをす
る際、各種表面サイズ剤と共に、蛍光増白剤、耐水化
剤、消泡剤、帯電防止剤、顔料、染料等を併用すること
も可能である。
【0032】なお、抄紙方法については特に限定され
ず、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法、炭酸
カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙
pHを約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性とする、所謂
中性抄紙法等全ての抄紙方法に適用することができる。
また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸
網抄紙機等を適宜使用できる。
【0033】そして、抄紙、乾燥、サイズプレス、乾燥
の後にマシンカレンダにより、基紙の表面を平滑化処理
するのがよい。マシンカレンダとしては、例えば金属ロ
ールの多段数で構成されるマシンカレンダスタック、ド
ラムにロールを加圧するグロスカレンダ、あるいはソフ
トカレンダ等が挙げられる。
【0034】本発明では、所望とする高画質な熱転写記
録用受像紙を得るために、基紙上に水性塗被液を塗被又
は含浸して熱転写記録受像層を形成させるところに特徴
を有する。
【0035】水性塗被液中の塗被組成物として接着剤を
含むものであるが、この場合の接着剤とは水溶性及び/
又は水分散性の高分子化合物のことを指すものであり、
特に限定されるものではない。例えば、カチオン性澱
粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋
白、天然ゴム等の天然或いは半合成高分子;ポリビニル
アルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン
等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニ
ルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルア
ミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重
合体類、スチレン・ブタジエン系、メチルメタクリレー
ト・ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン・無水マレイ
ン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系等の合成高分子
等の接着剤が挙げられ、これらの中から熱転写記録用受
像紙の品質目標に応じて1種或いは2種以上が適宜選択
して使用される。
【0036】また、インク受理性を高め、所望とする高
画質を発現できる熱転写記録用受像紙を得るためには、
上記接着剤の他に、さらに顔料を含む水性塗被液を塗被
又は含浸せしめて受像層を設けるのが好ましい。
【0037】この場合の顔料としては、一般塗被紙に用
いられる各種の顔料、例えばカオリン、デラミカオリ
ン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、軽質炭酸カ
ルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、焼成カオリン、タルク、酸化
亜鉛、炭酸亜鉛、アルミナ、ケイソウ土、酸化マグネシ
ウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、
アルミノ珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、ベント
ナイト、ゼオライト、セリサイト等の鉱物質顔料やポリ
スチレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒子、及び微小中空粒
子やその他の有機系顔料等が挙げられ、これらの中から
熱転写記録用受像紙の品質目標に応じて1種又は2種以
上を適宜組合わせて使用される。なお、顔料の量は、固
形分対比で 0〜95重量%、好ましくは10〜90重量%の範
囲で配合されることが本発明の所望の効果を得る上で好
ましい。また、顔料を含有させる場合には、粉末白色度
が75%以上、好ましくは80%以上のものを使用すると記
録紙の白色度を向上させることができるので望ましい。
【0038】水性塗被液中には、これらの他に各種助
剤、例えばアニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両
性の界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光
沢付与剤、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、ワックス
類、安定化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、サ
イズ剤、蛍光増白剤、着色剤、消泡剤、耐水化剤、可塑
剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜使用する
ことも可能である。
【0039】かくして調製される水性塗被液は、基紙の
片面、又は両面に塗被又は含浸されるものであるが、塗
被量又は含浸量としては、本発明の所望とする効果を満
足させるものである限り、不必要に多くする必要はな
く、一般的には乾燥重量で片面当たり0.5 〜15g/
2 、好ましくは 1〜12g/m2 、より好ましくは 1〜
10g/m2 程度である。
【0040】なお、塗被又は含浸用の装置としては特に
限定されるものではなく、例えばブレードコータ、エヤ
ーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコー
タ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコー
タ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシ
コータ、ツーロール或いはメータリングブレード式のサ
イズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウ
ェルコータ、ゲートロールコータ、スプレーやプレウェ
ット法、フロート法等の装置が適宜使用できる。勿論、
これらの装置はオンマシンでもオフマシンコータであっ
てもよい。
【0041】なお、熱転写記録用受像紙を平滑化処理す
る際は、特に無理をすることなく通常のスーパーカレン
ダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装
置で行われる。特に、50℃以上、好ましくは80℃以上に
加熱された金属ロールと加熱又は非加熱の弾性ロールで
構成された加圧ニップ間に通紙して平滑化処理すれば、
更に望ましい結果が得られる。これらの平滑化処理装置
はオンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の
形態、加圧ニップの数等も通常の平滑化処理装置に準じ
て適宜調節される。
【0042】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論、これらの範囲に限定されるもので
はない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らな
い限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0043】実施例、比較例の基紙及び熱転写記録用受
像紙について、下記の方法により測定及び品質評価を行
った。得られた結果を表1〜表2に示した。
【0044】(初期接触角と接触角の変化速度の測定)
米国紙パルプ技術協会標準規格(TAPPI STD) T45
8 om-84 「紙の表面濡れ(接触角法)」に規定される方
法で、蒸留水を用いた場合の初期接触角を測定した。ま
た、接触角を規定する機器としてはFACE接触角法C
A−D型(協和界面科学社製)を使用した。初期接触角
とは水滴が紙と接触して5秒後の接触角を意味し、接触
角の変化速度は次式より求めた。 R=(θ−θ′)/55 ここに、R=接触角の変化速度、θ=初期接触角(5秒
後の接触角)、θ′=60秒後の接触角を示す。
【0045】(画像濃度の測定)熱転写方式のカラープ
リンタ(CHC−443 型/神鋼電機社製)を用いてベ
タ、格子、網点記録を有するテストパタ−ンを記録し、
得られた記録画像の黒色ベタ部の濃度をマクベス濃度計
(RD−100 R型/マクベス社製)にて測定した。
【0046】(記録面の転写ムラの評価)上記記録面の
ベタ部の転写ムラの程度を下記の評価基準で目視評価し
た。 ◎:色合いに濃淡ムラがなく極めて優れている。 ○:色合いに濃淡ムラが殆どなく良好である。 △:色合いに濃淡ムラがあり劣っている。
【0047】(記録面のドット再現性の評価)上記記録
面の網点部をドットアナライザー(DA−3000)により30
倍に拡大し、ドットの抜けやシャープ性(滲み)の程度
を下記の評価基準で目視評価した。 ◎:ドットがシャープで抜けがなく極めて優れている。 ○:ドットの滲みや抜けが殆どなく良好である。 △:ドットの滲みや抜けがあり僅かに劣っている。 ×:ドットの滲みや抜けが多く劣っている。
【0048】(紙粉の発生状況)用紙をカッターで切断
し、その時の紙粉の発生状況を目視評価した。 ○:紙粉の発生がなく優れている。 △:紙粉の発生があり僅かに劣っている。 ×:紙粉の発生が多く劣っている。
【0049】(印刷強度の評価)RI印刷適性試験機
(明製作所社製)を用いて印刷を行い、下記の評価基準
で目視評価した。 ◎:ピックの発生がなく極めて優れている。 ○:ピックの発生が殆どなく良好である。 △:ピックの発生がいくらかあり僅かに劣っている。 ×:ピックの発生が多く劣っている。
【0050】(カールの測定)包装紙にて包装した 500
枚の用紙を20℃、30%RHの部屋に8時間放置し、その
後、20℃、65%RHの部屋へ移動して包装紙を開封した
直後のカールの状態を調査した。なお、カールの測定
は、J. TAPPI No.16の「紙のカール試験方法II」
に準拠し、次式により規定されるカール度目測用ゲージ
にて測定した。なお、表中の(+)記号は記録面側への
カール、(−)記号は非記録面側へのカールを示す。 カール度=(1/R)×100 (Rはカール半径c
m)
【0051】実施例1 〔基紙の調製〕NBKP(材種/スプルース;フリーネ
ス=CSF 520ml)10部、LBKP(材種/メイプル;
フリーネス=CSF 480ml)90部を配合したパルプスラ
リーに、填料として球形状凝集軽質炭酸カルシウム〔見
掛比重=0.38g/cm3 〕を10部、硫酸バンドを0.5
部、カチオン性澱粉を 0.6部及びアルキルケテンダイマ
ーを0.07部それぞれ添加し、これらの混合物を白水で希
釈してpH 7.9、固形分濃度が0.95%の紙料を調製し
た。この紙料をツインワイヤー抄紙機を用いて抄紙し、
次いで、サイズプレス装置で酸化澱粉と無水マレイン酸
系表面サイズ剤の塗布量が乾燥重量でそれぞれ2g/m
2 、0.15g/m2 となるように塗布乾燥し、3ニップの
マシンカレンダに通紙して、米坪が80g/m2 の基紙を
得た。
【0052】〔塗被液の調製〕紡錘状軽質炭酸カルシウ
ム90部(固形分;以下同様)と酸化チタン10部にポリア
クリル酸ソーダ 0.4部(顔料に対する固形分比;以下同
様)を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料ス
ラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアル
コール20部、酸化澱粉5部、蛍光増白剤1部を添加、攪
拌し、さらに水を加えて、固形分濃度が50重量%の塗被
液を調製した。
【0053】〔受像層の形成〕得られた塗被液を上記の
基紙の両面に、その塗被量の合計が乾燥重量で15g/m
2 となるようにバーコータを用いて塗被乾燥し、スーパ
ーカレンダにニップ数11、金属ロールの温度50℃、ニッ
プ線圧 200Kg/cmで通紙して米坪が95g/m2 の熱
転写記録用受像紙を得た。
【0054】実施例2 実施例1の基紙の調製において、球形状凝集軽質炭酸カ
ルシウムを15部に、カチオン性澱粉を 1.0部にそれぞれ
変更した以外は、実施例1と同様にして基紙及び受像紙
を得た。
【0055】実施例3 実施例1の基紙の調製において、填料として球形状凝集
軽質炭酸カルシウムを8部、タルク〔見掛比重=0.75g
/cm3 〕を3部の混合添加とし、更に、サイズ剤とし
てロジン系中性サイズ剤を 0.5部添加に変更した以外
は、実施例1と同様にした。
【0056】実施例4 実施例1の基紙の調製において、無水マレイン酸系表面
サイズ剤の塗布量が乾燥重量で0.30g/m2 となるよう
に変更してサイズプレス液を調製し、サイズプレスした
以外は、実施例1と同様にした。
【0057】実施例5 実施例1の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、球形状凝集軽質炭酸カルシウム〔見掛比重=0.32g
/cm3 〕を10部添加して紙料を調製した以外は、実施
例1と同様にした。
【0058】比較例1 実施例1の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、紡錘状軽質炭酸カルシウム〔見掛比重=0.59g/c
3 〕を10部添加して紙料を調製した以外は、実施例1
と同様にして基紙及び受像紙を得た。
【0059】比較例2 実施例1の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、軽質炭酸カルシウム〔見掛比重=0.56g/cm3
を20部添加して紙料を調製した以外は、実施例1と同様
にした。
【0060】比較例3 実施例3の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、重質炭酸カルシウム〔見掛比重=0.80g/cm3
を15部添加して紙料を調製し、更に無水マレイン酸系表
面サイズ剤を配合しないでサイズプレス液を調製しサイ
ズプレスした以外は、実施例3と同様にして基紙及び受
像紙を得た。
【0061】比較例4 実施例3の基紙の調製において、填料の添加比率を変更
して、球形状凝集軽質炭酸カルシウム4部、タルク8部
の混合填料を添加して紙料を調製した以外は、実施例3
と同様にした。
【0062】比較例5 実施例1の基紙の調製において、アルキルケテンダイマ
ーを0.03部添加に変更して紙料を調製し、更に無水マレ
イン酸系表面サイズ剤を配合しないでサイズプレス液を
調製した以外は、実施例1と同様にした。
【0063】比較例6 実施例1の基紙の調製において、アルキルケテンダイマ
ーを0.5 部添加に変更して紙料を調製した以外は、実施
例1と同様にした。
【0064】比較例7 実施例1の基紙の調製において、サイズプレスを使用し
なかった以外は、実施例1と同様にした。
【0065】比較例8 実施例1の基紙の調製において、マシンカレンダを使用
しなかった以外は、実施例1と同様にした。
【0066】比較例9 実施例1の基紙の調製において、填料の球形状凝集軽質
炭酸カルシウムを22部に増量し、同時にアルキルケテ
ンダイマーを 0.5部、カチオン性澱粉を1.5 部添加に変
更して紙料を調製した以外は、実施例1と同様にした。
【0067】
【表1】
【0068】実施例6 〔基紙の調製〕NBKP(材種/スプルース;フリーネ
ス=CSF 520ml)5部、LBKP(材種/ユーカリ;
フリーネス=CSF 460ml)95部を配合したパルプスラ
リーに、填料として焼成カオリン〔見掛比重=0.34g/
cm3 〕を10部、ロジンエマルジョンサイズ剤を 0.5
部、硫酸バンドを 2.0部およびカチオン性澱粉を 0.2部
添加し、これらを白水で希釈した後、pH 5.1、固形分
濃度が 1.0%の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機
を用いて抄紙し、次いでサイズプレス装置で酸化澱粉と
スチレン−アクリル系表面サイズ剤をそれぞれ乾燥重量
が2g/m2 、0.20g/m2 となるように塗布乾燥し、
3ニップのマシンカレンダに通紙して米坪が90g/m2
の基紙を得た。
【0069】〔塗被液の調製〕米粒状軽質炭酸カルシウ
ム80部、酸化チタン20部にポリアクリル酸ソーダ 0.4部
を加え、コーレス分散機を用いて水分散をして顔料スラ
リーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコ
ール20部、酸化澱粉10部、蛍光増白剤1部および水を添
加、混合して固形分濃度が40%の塗被液を調製した。
【0070】〔受像層の形成〕得られた塗被液を上記の
基紙の片面に、その塗被量が乾燥重量で5g/m2 とな
るようにエアーナイフコータを用いて塗被乾燥し、スー
パーカレンダにニップ数11、金属ロールの温度80℃、
ニップ線圧150 Kg/cmで通紙して、米坪が95g/m
2 の熱転写記録用受像紙を得た。
【0071】実施例7〜9 実施例6の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、見掛比重が0.42g/cm3 の焼成カオリンを10部
(実施例7)、0.20g/cm3 の無定形シリカを10部
(実施例8)及び見掛比重が0.13g/cm3 の無定形シ
リカを6部(実施例9)添加して紙料を調製した以外
は、実施例6と同様にした。
【0072】実施例10 実施例8の基紙の調製において、見掛比重が0.20g/c
3 の無定型シリカを15部に、ロジンエマルジョンサイ
ズ剤を0.7 部に、カチオン性澱粉を1.5 部に増量添加し
た以外は、実施例8と同様にした。
【0073】比較例10 実施例6の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、見掛比重が0.60g/cm3 のカオリンを15部添加し
て紙料を調製し、更にスチレン−アクリル系表面サイズ
剤を配合しないでサイズプレス液を調製してサイズプレ
スした以外は、実施例6と同様にして基紙および受像紙
を得た。
【0074】比較例11 実施例8の基紙の調製において、無定形シリカの種類を
変更して、見掛比重が0.55g/cm3 の無定形シリカを
15部添加して紙料を調製した以外は、実施例8と同様に
した。
【0075】比較例12 実施例6の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、見掛比重が0.13g/cm3 の無定形シリカを15部、
ロジンエマルジョンサイズ剤の量を0.7 部、カチオン性
澱粉を1.5 部に増量添加して紙料を調製した以外は、実
施例6と同様にした。
【0076】比較例13 実施例6の基紙の調製において、填料の種類を変更し
て、見掛比重が0.07g/cm3 の無定形シリカを10部、
ロジンエマルジョンサイズ剤の量を0.7 部、カチオン性
澱粉を1.5 部に増量添加して紙料を調製した以外は、実
施例6と同様にした。
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、本発
明の熱転写記録用受像紙は、特に画像濃度が高く、転写
ムラや転写ドットの滲み、抜けがなくドット再現性に優
れ、しかも、紙粉によるトラブル発生のない、且つ優れ
た印刷適性を有する、高画質な熱転写記録用受像紙であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−286891(JP,A) 特開 平4−12893(JP,A) 特開 平3−162993(JP,A) 特開 平3−27979(JP,A) 特開 平4−12893(JP,A) 特開 平3−124896(JP,A) 特開 平2−74393(JP,A) 特開 平1−160675(JP,A) 特開 平1−283186(JP,A) 特開 平4−349468(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
    塗被組成物からなる水性塗被液を塗被又は含浸せしめて
    受像層を設けた熱転写記録用受像紙において、該基紙が
    下記〜の条件を同時に満足することを特徴とする熱
    転写記録用受像紙。基紙中にJIS−K−6220に
    準拠する見掛比重が0.10〜0.50g/cmであ
    り、かつ単一粒子が複数個凝集してなるウニ状或いは球
    形状の凝集軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形
    シリカ、ゼオライト、ケイソウ土、焼成ケイソウ土から
    選ばれた少なくとも1種の多孔質顔料が6〜20重量%
    含まれる。基紙表面の水に対する初期接触角θが75
    〜120°である。基紙表面の水に対する接触角の変
    化速度Rが0.5゜/秒以下である。
  2. 【請求項2】基紙中にJIS−K−6220に準拠する
    見掛比重が0.10〜0.50g/cm3 であり、か
    つ単一粒子が複数個凝集してなるウニ状或いは球形状の
    凝集軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形シリ
    カ、ゼオライト、ケイソウ土、焼成ケイソウ土から選ば
    れた少なくとも1種の多孔質顔料を6〜20重量%含ま
    せ、かつ内添サイズを施した基紙の表面にサイズプレス
    により基紙表面の水に対する初期接触角θが75〜12
    0°の範囲および基紙表面の水に対する接触角の変化速
    度Rが0.5゜/秒以下であるように表面サイズを施
    し、さらに該基紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗
    被組成物からなる水性塗被液を塗被又は含浸せしめて受
    像層を設けた熱転写記録用受像紙の製造方法。
JP5-11286A 1992-01-31 1993-01-27 熱転写記録用受像紙及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3000812B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-16002 1992-01-31
JP1600292 1992-01-31

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05270158A JPH05270158A (ja) 1993-10-19
JP3000812B2 true JP3000812B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5180624A (en) Ink jet recording paper
US5302437A (en) Ink jet recording sheet
US5320897A (en) Ink jet recording paper and method of producing it
JPH0195092A (ja) インクジェット記録用塗工シート
US6214449B1 (en) Ink jet recording paper
JPH04250091A (ja) インクジェット記録シート
US5302576A (en) Image-receiving paper for thermal transfer recording system and method of producing it
US5320898A (en) Paper suitable for ink fusion transfer type thermal printer and copiers, and a manufacturing method thereof
JPH0694229B2 (ja) インクジエツト記録用紙
US5952104A (en) Ink jet recording material
JPH03199081A (ja) インクジェット記録用シート
JP3000812B2 (ja) 熱転写記録用受像紙及びその製造方法
JP3156421B2 (ja) インクジェット記録用紙
JPH11227324A (ja) 記録紙及びその製造方法
JP3000813B2 (ja) 熱転写記録用受像紙及びその製造方法
JP2008087214A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JPH0338376A (ja) インクジェット記録用シート
JPH0582312B2 (ja)
JP2871290B2 (ja) 熱転写記録用受像紙
JP4390655B2 (ja) 強光沢インクジェット記録用紙
JP2005280309A (ja) インクジェット記録材料
JPH05270158A (ja) 熱転写記録用受像紙及びその製造方法
EP0614766B1 (en) Coated paper suitable for ink fusion thermal transfer, and manufacture thereof
JP3348474B2 (ja) 溶融型熱転写記録用受像紙
JP3059179B2 (ja) インクジエツト記録用シート