JP6325309B2 - シートホルダー - Google Patents
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Description
また、比較的厚みの薄いシートの場合には、プロッターの作画又は切断動作時にシートが撓むことのないように、予めシートの下敷きとなるシートホルダーをシートに剥離可能に貼り付けておく技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このとき、裏打ちシート材は、シート基材上に不連続なスポット状の粘着剤が設けられた構成となっている。
特に、薄葉紙からなるシートの場合には、例えばシートホルダー上面の略全体にわたって粘着剤が塗布されていると粘着強度が比較的強くなるため、所定の画像形成後にシートホルダーからシートを剥がそうとするときに、強い引っ張り力が加わってシートが塑性変形してしまい、皺やカールが発生してしまう恐れがある。
なお、粘着剤の粘着濃度を調整することで、粘着強度を弱めることができるが、粘着強度は、温度や湿度などによっても変化するため、粘着濃度を管理することは困難である。
特に、薄葉紙からなるシートの場合に加えて、プロッターが切断画像の形成を主目的としたカッティングプロッターの場合には、シートホルダーからシートの一部である切断画像が描かれた部分を剥がすことになるため、一層皺やカールが発生し、破れ易くなる恐れがあり、粘着強度の調整が難しかった。
また、本発明の他の目的は、カッティングプロッターに用いられ、薄葉紙から一部の切断画像を剥がすときに切断画像の皺やカールの発生を抑えて保持可能なシートホルダーを提供することにある。
また、複数の粘着剤ドット列中、互いに隣り合う2つの粘着剤ドット列のうち、一方の粘着剤ドット列を構成する各ドットの形成位置と、他方の粘着剤ドット列を構成する各ドットの形成位置とが、搬送方向において相違しているため、例えば粘着剤が直交格子状のドットで塗布されている場合と比較して、ペン又はカッターをキャリッジの移動方向に移動させたときに、ペン又はカッターと、粘着剤ドットとが上下に重なり易くなる配置パターンとなる。
言い換えれば、シートホルダー上において粘着剤ドットが塗布されてシートの粘着強度が高まった部分を、ペン又はカッターがキャリッジの移動方向に沿って移動したときに通過し易くなる。つまり、プロッターの加工処理時にシートを一層撓ませないように保持することが可能なシートホルダーとなる。
通常、プロッターは、載置台に載置されたシートを駆動ローラと加圧ローラとで挟持し、駆動ローラの回転動作によってシートを搬送している。また、少なくとも一対の加圧ローラは、シートの幅方向の両端部分に対応する位置に設置されている。
従って、シートホルダー上面において加圧ローラが通過する対応位置に粘着剤を塗布してしまうと、加圧ローラによってシートが押圧されて、シートとシートホルダーとの粘着力が強まってしまう。その結果、シートホルダーからシートを剥がすときにシートに皺やカールが発生してしまう。また、シートホルダーにシートの一部が付着してしまう。
一方で、シートホルダー上面において加圧ローラが通過する対応位置に粘着剤を塗布しない構成にすると、例えばシートのサイズが比較的小さい場合には、シートホルダーによるシートの保持性が低下してしまう。その結果、加工処理後の仕上がりに影響が出る恐れがある。
そこで、上記構成のシートホルダーのように、基材上面の両端部側の加圧ローラが通過する位置と中央部側とで、粘着剤ドットの面密度を調整することで、粘着剤の粘着強度を調整することができる。その結果、シートの保持性を確保しながらも、加圧ローラの押圧によるシートの皺やカールの発生を抑制することができる。
上記構成により、シートホルダー上において粘着剤ドットが塗布されていない部分のうち、各粘着剤ドットから最も離れた位置にある部分を考えたときに、例えば粘着剤が直交格子状のドットで塗布されている場合と比較して、各粘着剤ドットからの離れる距離が狭くなる。
言い換えれば、シートホルダー上において粘着剤ドットが一層均等な間隔で規則的に配置されることになるため、プロッターの加工処理時にはシートを一層撓ませないように保持でき、加工処理後にはシートを一層容易に剥がすことができる。
上記構成により、例えば粘着剤が直列格子状のドットで塗布されている場合と比較して、シートを搬送方向に移動させたときに、ペン又はカッターと、粘着剤ドットとが上下に重なり易くなる配置パターンになる。
言い換えれば、シートホルダー上において粘着剤ドットが塗布されてシートの粘着強度が高まった部分を、シートが搬送方向に搬送されたときにペン又はカッターが通過し易くなる。つまり、プロッターの加工処理時にシートを一層撓ませないように保持できる。
例えば、プロッターがシートに加工処理を行うときに、シートに対して搬送方向とは傾斜方向に作画又は切断処理するためには、シートを搬送方向に搬送しながら、同時にキャリッジを移動する必要があり、シートに筆圧又は切削圧による最も大きい負荷が掛かることになる。
上記構成の粘着剤ドットの配置パターンであれば、シートに対して上記傾斜方向に作画又は切断処理することでシートに大きな負荷が掛かる場合であっても、シートを一層撓ませないように保持できる。
上記構成により、シートホルダー上において粘着剤ドットが一層均等な位置に配置されることになるため、プロッターの加工処理時にはシートを一層撓ませないように保持でき、加工処理後にはシートを一層容易に剥がすことができる。
上記のように、プロッターが切断画像の形成を主目的としたカッティングプロッターである場合には、シートホルダーからシートの一部である切断画像を剥がすことになり、一層皺やカールが発生し、破れ易くなる恐れがあるため、本発明に係るシートホルダーの効果が格別なものとなる。
また、薄葉紙からなるシートの場合には、プロッターの加工処理後にシートホルダーからシートを剥がそうとするときに、シートが塑性変形し、皺やカールが発生してしまう恐れが高まるため、本発明に係るシートホルダーの効果がより有意義なものとなる。
また、カッティングプロッターに用いられ、薄葉紙から一部の切断画像を剥がすときに切断画像の皺やカールの発生を抑えて保持可能なシートホルダーを提供できる。
本実施形態は、プロッターがシートに加工処理を行っている間に用いられるシートホルダーであって、シート状の基材上面に略円形状の粘着剤ドットが複数塗布されて構成されており、各粘着剤ドットは、シート搬送方向(搬送方向)に沿って所定の直径及び間隔で千鳥格子状に並んでいることを特徴とするシートホルダーの発明に関するものである。
シート10は、薄葉紙からなり、具体的にはトレーシングペーパー等の比較的厚みが小さくコシのない材質から形成されたものである。
なお、シート10は、薄葉紙に限定されることなく、比較的厚みの大きい紙や合成紙、衣服用の型紙、装飾用のステンシルやマスクパターン、グリーティングカード、ペーパークラフト、フィルム、又は布等であっても良い。
なお、プロッター20は、シート10に所定の切断画像を形成するカッティングプロッターのほか、適宜変更可能である。例えば、カッター21の代わりにペンをキャリッジ22に保持させてシート10に所定画像を作画するペンプロッター等であっても良い。
基材2は、略矩形状の長尺なプラスチックシートからなり、具体的には厚さ0.1〜0.3mm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムから形成されている。
なお、基材2は、ポリエチレンテレフタレートフィルムのほか、ポリカーボネートフィルム、紙器用板紙、白板紙、又は特殊板紙等を採用しても良い。
基材2上面は、図2に示すように、その外周縁よりも内側に所定の間隔を空けて設けられた枠線に囲まれている粘着剤塗布領域2aと、粘着剤塗布領域2aよりも外側に設けられた枠状の非粘着剤塗布領域2bと、から構成されている。
非粘着剤塗布領域2b上のうち、シート搬送方向における一端部には、シート10のセッティング方向を示すための矢印マーク2dが印字されている。
なお、非粘着剤塗布領域2bのうち、シート幅方向における両端部は、それぞれ図1に示すプロッター20の加圧ローラ23と当接する部分に相当する。
なお、粘着剤は、シート10を剥離可能に粘着する程度の粘着強度を有していれば良く、粘着剤の種類に依存しない。また、複数の粘着剤ドット3を所定の配置パターンで塗布するためには、例えば、基材2上面に不図示の孔空きシートを重ね合わせた上で粘着剤を噴霧することによって、基材2上面の所定位置に塗布されることになる。
具体的な数値で言うと、基材2上面の粘着剤塗布領域2a上における粘着剤ドット3の面密度は約35%〜45%が望ましく、各粘着剤ドット3の直径と間隔(ピッチ)で面密度を調整している。例えば、図4に示す粘着剤ドット3の直径を約0.9mmで間隔(ピッチ)D2を約1.83mmにすれば、面密度は約38%となる。
粘着剤ドット3の面密度の下限を約35%に設定することで、プロッター20の加工処理時にシート10に対する粘着強度を確保できる。例えばシートホルダー1が加工処理時に部分的又は全体的に傾くことがあってもシート10が浮いてしまう等の恐れが抑制される。
また、粘着剤ドット3の面密度の上限を約45%に設定することで、加工処理後には皺やカールを発生させることなくシートを容易に剥がすことができる。
なお、粘着剤ドット3の上記面密度は、上記範囲内に限定されるものではなく、粘着剤の種類によっては適宜変更されても良い。
粘着剤ドット3は、シート搬送方向に沿って複数並べられることで、粘着剤ドット列4を形成している。そして、粘着剤ドット列4は、キャリッジ移動方向に沿って複数並んで形成されている。
このとき、複数の粘着剤ドット列4において、互いに隣り合う2つのドット列4a、4bでは、ドット列4aを構成する各ドットの形成位置と、ドット列4bを構成する各ドットの形成位置とが、シート搬送方向において相違している。
そして、ドット列4aに共通する各粘着剤ドット3の配列と、ドット列4bに共通する各粘着剤ドット3の配列とは、キャリッジ移動方向に所定の間隔を空けて交互に並ぶパターンで形成されている。
互いに隣り合う2つのドット列4a、4bのキャリッジ移動方向における間隔D1は、粘着剤ドット列4を構成する各粘着剤ドット3のシート搬送方向における間隔D2よりも狭くなっている。
このとき、第1ドット3aと第3ドット3cとを結ぶ距離D3、及び第2ドット3bと第3ドット3cとを結ぶ距離D4は、それぞれ第1ドット3aと第2ドット3bとを結ぶ距離D2よりも狭くなっている。
上記設定により、距離D3及び距離D4は、それぞれ距離D2よりも狭くなる。すなわち、各粘着剤ドット3の傾斜方向における間隔が、シート搬送方向における間隔よりも狭くなる。
そのため、プロッター20がシート10に対してシート搬送方向とは傾斜方向に切断処理するときに、シートホルダー1がシート10を一層撓ませないように保持することができる。
通常、プロッター20がシート10に対してシート搬送方向とは傾斜方向に切断処理するときには、シート10を搬送方向に搬送しながら、同時にキャリッジ22を移動する必要があり、シート10に切削圧による最も大きい負荷が掛かることになる。従って、上記粘着剤ドット3の配列パターンが、シート10の保持力を確保する上で有意義なものとなる。
また、シートホルダー1は、基材2上に粘着剤がシート搬送方向に沿って千鳥格子状に並べられている。そのため、例えば粘着剤が直交格子状のドットで塗布されている場合と比較して、粘着剤ドット3が一層均等な間隔で規則的に配置されることになる。従って、プロッター20の加工処理時にはシート10を一層撓ませないように保持でき、加工処理後にはシートを一層容易に剥がすことができる。
また、シートホルダー1では、図2に示すように、複数の粘着剤ドット3の一部が、粘着剤塗布領域2aと非粘着剤塗布領域2bとの境界ライン上に部分的に重なるように塗布されている。そのため、図5に示すように、当該境界ライン上に近い位置でシート10が貼りつけられた場合にも、プロッター20の加工処理時に当該シート10を撓ませないように保持することができる。
次に、シートホルダー1の第2実施例について、図6に基づいて説明する。
なお、以下の説明において上述したシートホルダー1と重複する内容は説明を省略する。
第2実施例に係るシートホルダー101では、シートホルダー1と比較して、基材102上面に設けられた粘着剤ドット103の群が、部分的に面密度が異なるように形成されている構成が異なっている。
さらに詳しく言うと、基材102の幅方向の両端部に配置される粘着剤ドット103の群は、中央部側に配置される粘着剤ドット103の群よりも、各粘着剤ドット103の直径が小さくなるように形成されている。
なお、各粘着剤ドット103の直径を調整する代わりに、各粘着剤ドット103の間隔を調整することで、上記面密度を調整しても良い。
基材102の幅方向の両端部は、それぞれ図1に示すプロッター20の加圧ローラ23と当接する部分に相当する。
一方で、シートホルダー101上面において加圧ローラ23が通過する位置に粘着剤を塗布しない構成とすると、シート10のサイズが比較的小さい場合には、シートホルダー101によるシート10の保持性が低下してしまう。その結果、加工処理後の仕上がりが劣ってしまう。
そこで、本実施形態では、基材102上面の両端部側と中央部側とで、粘着剤ドット103の面密度を調整することで、粘着剤の粘着強度を調整することができる。その結果、シート10の保持性を確保しながらも、加圧ローラ23の押圧によるシート10の皺やカールの発生を抑制可能なシートホルダー101となる。
次に、シートホルダー1の第3実施例について、図7に基づいて説明する。
第3実施例に係るシートホルダー201は、シートホルダー1と比較して、基材202上面において粘着剤をドット状に塗布している領域と、粘着剤を略全面にわたって塗布している領域と、が設けられている構成が異なっている。
また、粘着剤の塗布領域の境目を格子ライン202cに沿わせて形成している。
上記構成により、シート10の種類に応じて、シートホルダー201上に貼り付けるシート10の位置を調整することで、シート10を所望の粘着強度で保持することが可能なシートホルダー201となる。
上記実施形態において、図2、図4に示すように、粘着剤ドット3は、略円形状となるように形成されているが、これに限定されることなく、略楕円形状、略矩形状、略多角形状等となるように形成されていても良い。
例えば、ドット列4a、4bの各ドットの配列が二列毎に交互に並んでいても良いし、シートホルダー1の幅方向において一端側がドット列4aの各ドットの配列で、他端側がドット列4bの各ドットの配列となっていても良い。
各粘着剤ドット列4のキャリッジ移動方向の間隔も、一定間隔で並んでいなくても良い。
特に、シートホルダー1の粘着剤ドット3の配置パターンついて、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
2、102、202 基材
2a 粘着剤塗布領域
2b 非粘着剤塗布領域
2c、202c 格子ライン
2d 矢印マーク
3、103 粘着剤ドット
3a 第1ドット
3b 第2ドット
3c 第3ドット
4 粘着剤ドット列
4a ドット列
4b ドット列
10 シート
11 切断画像
20 プロッター
21 カッター
22 キャリッジ
23 加圧ローラ
D1、D2、D3、D4 距離(間隔)
θ 傾斜角度
Claims (6)
- ペン又はカッターの先端をシートに圧力をかけて接触又は離反させた状態で、前記ペン又はカッターを保持したキャリッジを移動させるとともに、前記シートを載置する基材の幅方向における両端部を加圧ローラで押圧しながら、前記キャリッジの移動方向と交差する搬送方向に前記シートを搬送させることで加工処理を行うプロッターに用いられるシートホルダーであって、
上面に前記シートが載置された状態で前記シートと共に前記搬送方向に搬送されるシート状の前記基材と、
該基材上面に形成され、粘着剤からなるドットが前記搬送方向に沿って複数並んで構成される粘着剤ドット列と、を備え、
該粘着剤ドット列は、前記移動方向に沿って複数並んで形成されており、
複数の前記粘着剤ドット列中、互いに隣り合う2つの前記粘着剤ドット列のうち、一方の前記粘着剤ドット列を構成する各前記ドットの形成位置と、他方の前記粘着剤ドット列を構成する各前記ドットの形成位置とが、前記搬送方向において相違しており、
前記ドットは、前記基材上面に複数設けられてドット群を形成し、
該ドット群のうち、前記移動方向における前記基材の前記両端部側であって前記加圧ローラが通過する位置に配置される前記ドット群は、中央部側に配置される前記ドット群よりも、面密度が低くなるように形成されていることを特徴とするシートホルダー。 - 複数の前記粘着剤ドット列は、
前記一方の粘着剤ドット列に共通する各前記ドットの配列と、前記他方の粘着剤ドット列に共通する各前記ドットの配列とが、前記移動方向に所定の間隔を空けて交互に並ぶように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートホルダー。 - 前記粘着剤ドット列は、各前記ドットが前記搬送方向に所定の間隔を空けて構成され、
互いに隣り合う2つの前記粘着剤ドット列の前記移動方向における間隔が、前記粘着剤ドット列を構成する各前記ドットの前記搬送方向における間隔よりも狭くなっていることを特徴とする請求項2に記載のシートホルダー。 - 前記一方の粘着剤ドット列のうち、互い隣り合う第1ドット及び第2ドットと、
前記他方の粘着剤ドット列のうち、前記搬送方向において前記第1ドットと前記第2ドットとの間に配置される第3ドットと、を備え、
前記第1ドット及び前記第2ドットと、前記第3ドットとをそれぞれ結ぶ距離が、前記第1ドットと前記第2ドットとを結ぶ距離よりも狭くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシートホルダー。 - 各前記ドットは、
円形状となるように形成され、前記搬送方向に沿って所定の直径及び間隔で千鳥格子状に並んでおり、
前記第1ドット及び前記第2ドットを通る仮想線に対する、前記第1ドット及び前記第3ドットを通る仮想線の傾斜角度θが、30°≦θ≦60°となるように並んでいることを特徴とする請求項4に記載のシートホルダー。 - カッティングプロッターからなる前記プロッターが、薄葉紙からなる前記シートに前記加工処理を行っている間に用いられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシートホルダー。
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