JP6324107B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上のトナー像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、複写機、プリンタ、FAX、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられ得る。
従来より、電子写真方式の画像形成装置に搭載された定着装置(画像加熱装置)において、記録材に形成されたトナー像を定着部材(加熱回転体)により定着する構成とされている。
このような定着装置において、定着部材は、記録材と接触する領域(以下、接触領域)では記録材により熱を奪われるものの、記録材と接触しない領域(以下、非接触領域)では記録材により熱を奪われない。
従って、定着部材の接触領域の温度を維持しようとするにあたり、定着部材の非接触領域の温度上昇が無視できなくなる恐れがある。これは、幅サイズが狭い記録材に定着処理(画像加熱処理)を施す場合に発生し得る。
そこで、特許文献1に記載の定着装置では、定着部材の非接触領域(幅方向端部の一部の領域)に向けてダクトの送風口を通してファンから送風を行い、この領域を選択的に冷却する構成としている。
さらに、特許文献1に記載の定着装置では、様々な幅サイズの記録材に対応すべく、送風口の開口幅をシャッタ(抑制部材)により調整するようにしている。
特開平4−51179号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成を採用するに際し、次のような問題が生じる恐れがある。
つまり、発生確率は極めて低いものの、シャッタを移動させる機構が突発的な何らかの要因により動作不良を起こした場合である。例えば、シャッタを移動させる機構に異物が誤って侵入してしまうなどの突発的な要因により動作不良が生じる恐れがある。
従来は、このような事態が発生した時点で、動作不良の要因が何であれ、突発的な要因で復帰可能なケースに至るまで、エラー(異常の旨)を報知し、定着処理、即ち、画像形成を禁止する措置をとっている。従って、サービスマン等による修理が必要となり、それまで、ユーザは画像形成を行えなくなってしまう事態となる。
従って、このような対処方法を採用した場合、画像形成を行える状態に復帰させることが可能なケースにおいては、ユーザの満足度を低下させてしまっている。
なお、電磁誘導加熱方式の定着装置において、定着部材の非接触領域の発熱を抑制させるシャッタ(抑制部材)を用いる場合でも、同様な問題を抱えている。
そこで、本発明の目的は、抑制部材を移動させる機構にたとえ異常が生じたとしても、この異常を解消できるか復帰を試みることにより、ユーザの満足度を可能な限り向上させることである。
第1の発明は、
記録材上のトナー像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、
前記加熱回転体を加熱する加熱機構と、
前記加熱回転体の幅方向の一部の所定の領域が温度上昇するのを抑制する抑制部材と、
前記加熱回転体の前記所定の領域が温度上昇するのを抑制する第1の位置と前記第1の位置から退避した第2の位置とを取り得るように前記抑制部材を移動させる移動機構と、
前記抑制部材が所定の位置にあることを検出する検出部と、
前記移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記抑制部材を前記所定の位置に向けて移動させるための第1の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合、前記抑制部材を前記所定の位置から離れる方向へ移動させるための第2の命令を出力することを特徴とするものである。
第2の発明は、
記録材上のトナー像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、
前記加熱回転体を加熱する加熱機構と、
前記加熱回転体の幅方向の一部の所定の領域が温度上昇するのを抑制する抑制部材と、
前記加熱回転体の前記所定の領域が温度上昇するのを抑制する第1の位置と前記第1の位置から退避した第2の位置とを取り得るように前記抑制部材を移動させる移動機構と、
前記抑制部材が所定の位置にあることを検出する検出部と、
前記移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記抑制部材を前記所定の位置から第1の方向へ移動させるための第1の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記抑制部材を移動させるための第2の命令を出力することを特徴とするものである。
本発明によれば、抑制部材を移動させる機構にたとえ異常が生じたとしても、この異常を解消できるか復帰を試みることにより、ユーザの満足度を可能な限り向上させることができる。
画像形成装置の全体構成図である。 制御ユニットのブロック図である。 定着ユニットの斜視図である。 冷却ユニットの斜視図である。 記録材の幅サイズに対する駆動モータの駆動パルス数の関係を示す図である。 (a)、(b)は、初期チェックシーケンスのタイムチャートである。 (a)、(b)は、復帰シーケンスのタイムチャートである。 駆動モータの出力特性を表す図である。 復帰シーケンスのフローチャートである。 (a)、(b)は電磁誘導加熱方式の定着装置の概略図、(c)はシャッタの概略図である。
以下、本発明に係る画像加熱装置について、図面に即して詳述する。なお、後述の実施例において、各種機器の具体的な構成について説明するが、これに限らず、本発明の思想の範囲内において各種機器の構成を他の公知の構成に置き換え可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
図1は、本発明に係る画像加熱装置としての定着装置を搭載した画像形成装置の一例の全体構成図である。
まず、画像形成装置の画像形成部について説明を行い、次に、定着装置について説明を行う。
(画像形成部)
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト2の下面に沿って画像形成部1a、1b、1c、1dを配列したフルカラー複写機である。
分離ローラ8は、記録材カセット4から引き出した記録材(シート)Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ9へ送り出す。レジストローラ9は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト2のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。
画像形成部1a、1b、1c、1dは、それぞれの現像装置で用いるトナー(正規の帯電極性が負極性のトナー)の色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部1aについて説明し、他の画像形成部1b、1c、1dについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部1aは、感光ドラムaを含む交換ユニット(プロセスカートリッジ)に組み込まれている。
感光ドラムaは、アルミニウム製シリンダの外周面に正規の帯電極性が負極性の感光層を備えており、不図示の駆動モータから駆動力を伝達されて、所定のプロセススピード(本例では200mm/sec)で回転する。
感光ドラムaは、画像形成部1aに内蔵された不図示の帯電ローラを用いて、一様な負極性の電位に帯電される。
露光装置6は、イエローの分解色画像(原稿画像を色分解したもの)に応じてレーザービームを回転ミラーで走査露光することにより、帯電された感光ドラム1aの表面に静電像を形成する。感光ドラムaに書き込まれた静電像は、画像形成部1aに内蔵された不図示の現像装置によってトナーを付着させて、トナー像に反転現像される。
一次転写ローラ2aは、中間転写ベルト2を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト2との間に一次転写部Taを形成する。一次転写ローラ2aに正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラムaに担持された負極性のトナー像が、一次転写部Taを通過する中間転写ベルト2へ一次転写される。
中間転写ユニット20は、画像形成部1a、1b、1c、1dの上方に配置されて、画像形成装置100から取り外し可能な交換ユニットであって、中間転写ベルト2の他にこれを支持する支持機構及び駆動する駆動機構を含む。
ベルト部材の一例である無端状の中間転写ベルト2は、テンションローラ27、駆動ローラ26、二次転写張架ローラ25、及び一次転写張架ローラ28、29に掛け渡して支持され、駆動ローラ26に駆動されて矢印R2方向に回転する。
画像形成部1a、1b、1c、1dに対応させて、中間転写ユニット20には、一次転写ローラ2a、2b、2c、2dが組み込まれている。一次転写ローラ2a、2b、2c、2dは、それぞれ感光ドラムa、b、c、dに向かってバネ付勢されることにより、中間転写ベルト2を感光ドラムa、b、c、dに当接させて、一次転写部を形成する。
二次転写部T2は、二次転写張架ローラ25と二次転写ローラ22により中間転写ベルト2を挟み込むことにより形成される。二次転写張架ローラ25が中間転写ユニット20に組み込まれている一方、二次転写ローラ22は画像形成装置100の装置本体部分30に設置されている。不図示の電源から二次転写ローラ22に正極性の直流電圧が印加されることで、接地電位に接続された二次転写張架ローラ25との間に転写電界が形成される。
その後、記録材Pは、後述する定着装置5により定着処理を受けて、画像形成装置外へ排出される。
(画像形成シーケンス)
次に、上記画像形成装置の画像形成シーケンス(以下、画像形成動作とも呼ぶ)について説明する。
制御ユニットは、詳細は後述するが、上記各ユニット内の機構の動作を制御するためのCPU、モータドライバ部などを有している。
CPUにより画像形成動作開始信号が発せられると、ユーザにより指定された記録材のサイズ情報などに応じて、所望の記録材カセット4から記録材Pの給送動作を開始する。
図1にて、先ず、分離ローラ8により、記録材カセット4から記録材Pが一枚ずつ送り出され、レジストローラ9まで搬送される。その時レジストローラ9は停止されており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部1a〜1dが画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ9は回転を始める。この回転時期は、記録材Pと画像形成部1a〜1dより中間転写ベルト2上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域T2において一致するようにそのタイミングが設定されている。
一方、画像形成部1a〜1dでは、画像形成動作開始信号が発せられると、前述したプロセスにより中間転写ベルト2の回転方向において一番上流にある感光体ドラム11a上に形成されたトナー画像を一次転写領域Taにおいて中間転写ベルト2に一次転写する。一次転写されたトナー画像は次の一次転写領域Tbまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて、その次のトナー画像が転写される。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー画像が中間転写ベルト2上において一次転写される。
その後、記録材Pが二次転写領域T2に進入し、中間転写ベルト2に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ22に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト2上に形成された4色のトナー画像が記録材Pの表面に転写される。その後、記録材Pは定着装置5のニップ部まで正確に案内される。
定着装置5において記録材Pはニップ部にて挟持搬送され、その搬送過程で熱と圧力によってトナー像が記録材表面に定着される。条件によっては後述の冷却ユニット500を動作させることによって、定着ローラ5aの端部領域(記録材と接触しない非接触領域)の過度な温度上昇を防止する。
定着装置5を出た記録材Pは排出ローラ11により搬送され、排出トレイ7上に積載される。
(制御装置)
次に、図2に制御装置である制御ユニット200のブロック図を示す。
画像形成装置内の各種機器は、制御部として機能する制御ユニット200によって統括的にコントロールされている。言い換えると、制御ユニット200は、各種機器に対し動作を実行させる命令、即ち、動作を実行させるための信号を各種機器に対して出力する。
制御ユニット200は、本装置内の各負荷の駆動、センサ類の情報収集解析、画像制御、そして操作部202即ちユーザインターフェースとのデータの交換の役割を担っている。制御ユニット200の内部構成は、上述した役割を担うために、CPU201aを搭載している。このCPU201aは、同様に制御ユニット200に搭載したROM201cに格納されたプログラムによって、予め決められた画像形成シーケンスに纏わる様々なシーケンスを実行する。また、その際、一次的または恒久的に保存することが必要な書き換え可能なデータを格納するために、RAM201bも搭載している。RAM201bには、例えば高圧制御部205への高圧設定値、後述する各種データ、操作部202からの画像形成指令情報などを保存する。RAM201bは図示しないバッテリー等により、画像形成装置の電源が切られてもデータを保持する構成となっている。また、CPU201aは、タイマ201dが接続されており、タイマ201dの動作を制御するともにタイマ201dにより計測された時間をモニターする。
報知部として機能する操作部202は、ユーザにより画像形成を行うのに必要となる情報、例えば、記録材Pのサイズ、記録材Pの種類(厚紙、コート紙など)、画像形成枚数、複写倍率、画像濃度設定値、などを指定するためのものである。操作部202は、操作画面(液晶表示部)を備えていることから、このような役割の他に、後述する「異常(エラー)の旨をユーザに報知する」ためにも用いられる。例えば、「定着装置に異常があります」といった通知(文章の表示)を行う。更には、画像形成中か否かの情報、ジャムの発生やその箇所等をユーザに示すための表示を行う。
本装置は、装置内部の各所にモータ、ファン、クラッチ/ソレノイド等のDC負荷及び、フォトインタラプタやマイクロスイッチ等のセンサを配置している。モータの駆動や各DC負荷を適宜駆動させることで、記録材の搬送や各ユニットの駆動を行っており、その動作を監視しているものが各種センサである。
制御ユニット200は、各種センサ類214からの信号をもとに、モータ制御部207により各モータ212をコントロールする。それと同時に、制御ユニット200は、DC負荷制御部208によりクラッチ/ソレノイド213を動作させ、ファン制御部208によって各ファンを動作させることで、画像形成動作を円滑に進めている。また、高圧制御部205から各種高圧制御信号を高圧206ユニットに創出し、高圧ユニット206は各種帯電器である一次帯電器、転写帯電器、及び現像器内の現像ローラに適切な高圧を印可させている。更には、定着ローラを加熱するための定着ヒーター211はACドライバ210によってON/OFF制御されている。また、定着ローラの温度を検出するためのサーミスタ204が設けられ、A/D203によって、定着ローラの温度変化に応じたサーミスタ204の抵抗値変化を電圧値に変換した後、デジタル値として制御ユニット200に入力される。この温度データをもとに前述のACドライバ210を制御する。
また、画像制御部220は、外部から入力される画像データに対して処理を行い、画像形成部221へと送られる。
(定着装置)
次に、図3を用いて、画像加熱装置として機能する定着装置5について説明する。図3は、定着装置5の斜視図である。
定着装置5は、加熱回転体としての定着ローラ5aと、加圧回転体としての加圧ローラ5bを有しており、その間においてニップ部を形成する。記録材Pは、ニップ部において定着ローラ5aと加圧ローラ5bにより挟持搬送されながらで、加熱/加圧を受けて、トナー像が定着される。
そして、定着ローラ5aには加熱機構としての2本のヒータ34、35が内蔵されており、これらのヒータによって加熱される。また、定着ローラ5aの表面温度を検出するため、定着ローラ5aの長手方向(幅方向)の中央付近に温度センサであるメインサーミスタ31、長手方向両端部付近にそれぞれサブサーミスタ32、33が設置されている。このサーミスタ31の出力に応じて制御ユニット200はヒータ34、35へ供給する電力を制御することにより、定着ローラ5aの接触領域(いずれの幅サイズの記録材Pとも接触し得る領域)の温度を制御する。また、サーミスタ32、33を備えることにより、定着ローラ5a表面の長手方向(幅方向)における温度分布、つまり、定着ローラ5aの非接触領域(幅サイズが狭い記録材Pと接触しない領域)の温度をチェックすることができる。従って、後述するように、定着ローラ5aの非接触領域の温度が過度に上昇してしまうのを抑制するために利用される。さらに、サーミスタ31、32、33を備えることにより、ヒータ34、35の異常を検出することも可能である。
(冷却装置)
次に、定着装置5を冷却する冷却装置(以下、冷却ユニット)について説明する。
図4は、冷却ユニット500を背面側から見た斜視図である。
冷却ユニット500は、定着装置5に隣接して配置され、画像形成装置において使用可能な記録材Pのうち幅サイズが最大の記録材Pmaxよりも幅狭の記録材Psmallに対して定着処理(画像加熱処理)を施す際に、用いられ得る。これは、定着ローラ5aの記録材と接触しない領域(以下、非接触領域や非通過領域と呼ぶ)の過度な温度上昇を防止するために、この非接触領域を送風(エアーを吹き付ける)により選択的に冷却するためのものである。
冷却ユニット500は、冷却ファン41a、41b、送風ダクト42a、42b、開口部43a、43b、抑制部材としてのシャッタ44a、44bを有している。さらに、冷却ユニット500は、シャッタ44a、44bを移動させる機構600であるラック&ピニオン機構、駆動モータ300、検出部としてのホームポジションセンサ46、ストッパ47、48から構成されている。
冷却ファン41a、41bは、サブサーミスタ32、33による定着ローラ5a表面の検出温度が所定の温度(本例では240度)に上昇すると、制御ユニット200からの命令(動作を開始させる信号)を受けて、駆動を開始する。冷却ファン41a、41bからの冷却風は、それぞれ送風ダクト42a、42bを介し、各々の開口部43a、43bを通って定着ローラ5aの長手方向(幅方向)の一部の領域、本例では両端付近の領域に吹き付けられる。
ここで、冷却ファン41a、41bは、制御ユニット200により、サブサーミスタ32、33に応じて回転速度を任意に変更することが可能である。
図4に示すように、シャッタ44a、44bは、ラック&ピニオンを用いたメカ機構600によりスライド移動(図4のX方向)する構成となっている。具体的には、シャッタ44a、44bは、駆動モータ300に駆動連結されているピニオン(ギア)45が回転すると、これに係合関係にある2つのラックが互いに逆方向へ移動する。そして、これらのラックと共にそれぞれ移動するように構成されているシャッタ44a、44bが互いに逆方向へ移動する。また、シャッタ44a、44bの裏面側には送風ダクト42a、42bとの摺動性を向上するため潤滑剤であるグリスが少量塗布されている。
このシャッタ44a、44bのスライド移動は、定着処理(画像加熱処理)に用いられる記録材の幅サイズに応じて制御ユニット200により行われる。その結果、送風ダクト42a、42bの開口部43a、43bの開口幅(図4のX方向であり、記録材の幅方向における開口幅)が調整される。このため、冷却ファン41a、41bからの冷却風(エアー)は、記録材の幅サイズに応じた定着ローラ5aの非接触領域(記録材と接触しない領域)に対して吹き付けられることになる。その結果、定着処理中において、定着ローラ5aの接触領域(記録材と接触する領域)を冷却することなく、定着ローラ5aの幅方向両端側の非接触領域のみを選択的に冷却することが可能となる。
本例では、駆動モータ300にはステッピングモータが使用され、駆動モータ300は制御ユニット200から受けた命令に対応した時間に亘り(パルス数分)回転する。そして、駆動モータ300は、シャッタ44a、44bを、定着ローラ5aの非接触領域が過度に温度上昇してしまうのを抑制する抑制位置(第1の位置)へ移動させることが可能である。開口部43a、43bが完全に閉じる待機位置(送風路を完全に遮断した状態)がホームポジション(第2の位置)となるように検出部として機能するホームポジションセンサ46が設けられている。つまり、シャッタ44a、44bは、このホームポジションから、記録材の幅サイズに応じた位置へ移動する。
本例でのホームポジションセンサ46は、フォトインタラプタであり、シャッタ44aと一体的に移動するフラグ部(シャッタ44aと一体成型されている部位)によって遮光されることを利用してシャッタ44aの位置を検出する。つまり、制御ユニット200は、このフォトインタラプタからの出力をモニターすることによって、シャッタ44aの位置を判断するように構成されている。なお、シャッタ44aとシャッタ44bは、移動方向が互いに逆方向であるものの、共に移動させられる構成となっていることから、シャッタ44aの位置が分かればシャッタ44bの位置も併せて判断できる構造となっている。従って、上述したように、本例では、シャッタ44aの位置のみを検出する機構を設け、シャッタ44bの位置を検出する機構を省いている。なお、シャッタ44bの位置を別途検出する機構を設けても構わない。
ストッパ47はホームポジションセンサ46よりも(定着ローラ5aの)幅方向外側に配置されている。このストッパ47は、ホームポジションセンサ46や制御ユニット200が万が一故障したとしても、シャッタ44aが突き当たることによってこれをメカ的に強制停止させるためのものである。つまり、シャッタ44a、44bが閉方向Wに所定距離(本例では12mm)以上オーバーランしないように構成されている。言い換えると、シャッタ44a、44bは、ホームポジションよりも幅方向外側へそれぞれ移動し得る構成となっている。
ストッパ48はシャッタ44aが定着処理時に最大限開く位置(画像形成装置で使用可能な記録材のうち幅サイズが最小の記録材Pminのとき位置する)よりも(定着ローラ5aの)幅方向内側に配置されている。このストッパ48は、ホームポジションセンサ46や制御ユニット200が万が一故障したとしても、シャッタ44aが突き当たることによってこれをメカ的に強制停止させるためのものである。つまり、シャッタ44a、44bが開方向Zに所定距離(本例では18mm)以上オーバーランしないように構成されている。言い換えると、シャッタ44a、44bは、定着処理時に最大限開く位置よりも幅方向内側へそれぞれ移動し得る構成となっている。
画像形成装置にネットワーク接続されたホストコンピュータや操作部202を通じてユーザによる画像形成命令を受けると、制御ユニット200は、次のような処理を行う。
つまり、制御ユニット200は、画像形成命令とともに受けた記録材(幅サイズが最大の記録材よりも幅狭の記録材)のサイズ情報をもとに、記録材のサイズに応じた時間(駆動パルス数分)に亘り駆動モータ300を駆動する。その結果、開口部43a、43bの開口幅が調整される。もし、幅サイズが最大の記録材(本例では、A3ノビサイズ)であれば、シャッタ44a、44bがホームポジションに位置していることをチェックした上で、駆動モータ300を駆動させずに、シャッタの移動制御を終える。
そして、制御ユニット200は、画像形成動作(以下、ジョブとも呼ぶ)が開始され、その後、ジョブが終了した時点で、シャッタ44a、44bを基準位置に戻す制御を行う。
なお、シャッタ44a、44bを開くタイミングとしては以上のような例でなくても構わない。例えば、複数の記録材Pに連続して画像形成処理(定着処理)を行うジョブの場合、定着ローラ5aの非接触領域(記録材と接触しない領域)の温度を検出するサブサーミスタ32、33の出力に基づいてシャッタ44a、44bを開くように制御しても良い。つまり、サブサーミスタ32、33による検出温度が所定の温度(240度)に上昇した時点で、シャッタ44a、44bを開くように制御しても良い。この場合、冷却ファン41a、41bは、シャッタ44a、44bを開くまで動作を停止させておくのが好ましい。
図5は、本実施例での、記録材の幅サイズに対する駆動モータ300の、基準位置からの駆動パルス数を表している。ここでは、閉状態となる基準位置(ホームポジション)に対して6段階の位置を設けている。これにより定着ローラ5aに対する最適な領域(記録材と接触しない非接触領域)へのエアーの吹き付けを可能としている。
(初期チェックシーケンス)
次に、図6を用いて、シャッタ44a、44bの位置を把握するための初期チェックシーケンス(以下、初期チェック処理とも呼ぶ)について説明する。画像形成装置の電源が投入された際、シャッタ44a、44bの位置が不定であるため、制御ユニット200はシャッタを基準位置に位置させる初期動作を実行する。
図6(a)、(b)は、いずれも、正常時(シャッタを移動させる機構が正常に作動するとき)におけるタイムチャートである。これは、制御ユニット200が各種機器を制御する(各種機器へ命令(信号)を出力する)ことにより行われる。
画像形成装置の電源が投入されると(メインスイッチが押されると)、制御ユニット200は、まず、ホームポジションセンサ46がオン状態にあるかどうか確認を行う(図中(1))。ここで、本例では、「センサ46がオン状態」とはフォトインタラプタがシャッタのフラグ部により遮光された状態であることを意味している。一方、「センサ46がオフ状態」とはフォトインタラプタがフラグ部により遮光されていない状態であることを意味している。ホームポジションセンサ46の検出状態によってその後の動作が異なる。
図6(a)に示すように、ホームポジションセンサ46がオフ状態であった場合、シャッタがホームポジションにいないので、シャッタ44a、44bが閉方向Wへ移動するように、駆動モータ300を閉方向Wに応じた回転方向W’へ所定の速度で回転させる。本例では、駆動モータ300の駆動速度は48rpmに設定されている。続いて、駆動モータ300を回転させる命令を出力してから所定時間(本例では1.2秒)以内にホームポジションセンサ46がオンしたことを検出すると(図中(2))、駆動モータ300を停止させて初期チェック処理が完了する(図中(3))。
また、図6(b)に示すように、画像形成装置の電源投入時にホームポジションセンサ46がオン状態であった場合、シャッタがホームポジションにいるが、シャッタの位置を検出する機構に故障が無いか確認するため後述する初期チェック処理を実行する。つまり、この場合、シャッタ44a、44bが一旦開方向Zへ移動するように、駆動モータ300を開方向Zに応じた回転方向Z’へ所定の速度(本例では48rpm)で回転させる。続いて、ホームポジションセンサ46が所定時間(本例では0.6秒)内にオフしたことを検出すると、駆動モータ300を一時停止させる(図中(2))。そして、モータの振動が安定する所定時間(本例では0.1秒)が経過後、今度は駆動モータ300を閉方向Wに対応した回転方向W’へ回転させる。これに伴い、ホームポジションセンサ46がオン状態になると(図中(3))、駆動モータ300を停止させて初期チェック処理が完了する(図中(4))。
この初期チェック処理は、正常時(シャッタを移動させる機構が正常に動作するとき)であれば上述のタイムチャートに沿って一連の動作が完了する。しかし、シャッタを移動させる機構が何らかの要因により正常に作動せず異常状態(エラー状態)となっている場合、完了させることができない。
(正常状態への早期復帰が見込めないケース)
例えば、シャッタ44a、44bは繰り返しスライド移動することから、耐久により送風ダクト42a、42bとの摺動性が悪化してしまうケースである。具体的には、耐久回数が進み上述したグリスが枯渇し、それが原因となって開閉動作がスムーズに動作しなくなるケースである。この場合、その後の正常状態への早期復帰が見込めない。そのため、最終的には、サービスマンによるメンテナンス作業(グリスの再塗布もしくは冷却ユニットの交換)が必要となり、メンテナンス作業が行われるまで、それ以上の画像形成(シャッタ44a、44bを用いる場合の定着処理)が禁止される。
なお、このとき、シャッタ44a、44bがホームポジションに位置したままでスライド移動できないケースであれば、幅サイズが最大の記録材Pmaxに対する画像形成(定着処理)に限り、実行を許容するようにしても構わない。この場合、操作部202において記録材Psmallへの画像形成を選択的に禁止するため、操作画面(液晶表示部)の記録材のサイズを設定するパートにおいて、記録材Psmallの選択がユーザによりできないようにするとより好ましい。例えば、操作画面上において記録材Psmallを選択するためのキー表示がグレーアウトするように、制御ユニット200により操作部202を制御することにより達成することができる。
さらに、シャッタ44a、44bがホームポジションに位置したままでスライド移動できないケースの場合、後述の生産性を低下させる特殊制御を実施するのが好ましい。つまり、生産性を低下させた上で、記録材Psmallに対する画像形成(正常であれば画像形成にシャッタ44a,44bの使用が必要な場合)を実行できるようにしても構わない。具体的には、記録材Psmallに画像形成を行う場合、画像形成速度(単位時間当たりの記録材Psmallへの画像形成枚数)を正常時よりも低下させる。このようにすることにより、定着ローラ5aの非接触領域の温度上昇率を低下させることができる。そのため、制御ユニット220は、画像形成速度が低下するように、各種機器を制御(命令を出力)する。
なお、シャッタ44a、44bがホームポジション(閉じた位置)と抑制位置(開いた位置)との間の位置に位置したままでスライド移動できないケース(センサ46がオフ状態を継続)であれば、記録材の幅サイズに依らず画像形成を禁止するのが好ましい。
(正常状態への早期復帰が見込めるケース)
一方、ラック&ピニオン機構や、シャッタ44a、44bと送風ダクト42a、42bとの摺動部に、ゴミ等の異物が突発的に侵入してしまうケースである。この場合、その後の正常状態への早期復帰が見込めるケースが存在し得る。
従って、シャッタ44a、44bを移動させる移動機構が異常な状態となった場合に、この移動機構を正常な状態へ復帰させることが見込めるケースも含めて、一律、画像形成を禁止する構成を採用すると、ユーザビリティ性が低下してしまう。つまり、サービスマンによりメンテナンスが行われるまでの期間、画像形成ができない状況(もしくは、画像形成速度を低下させて実行する場合は生産性が低下)となってしまい、ユーザにとっては不都合極まりない。
そこで、本例では、このようなシャッタ44a、44bを移動させる機構を正常な状態へ早期復帰させることができるか否か試みる後述の復帰シーケンス(復帰処理)を実行する。具体的には、後述のように、制御ユニット200は、シャッタ44a、44bを開方向Z、閉方向Wへ交互に所定回数繰り返し移動させる命令を出力可能である。本例では、この繰り返し回数は2回に設定されている。その間に正常な状態へ復帰できれば画像形成を続行可能とする。この復帰シーケンスにより、シャッタ44a、44bを移動させる機構を正常な状態へと復帰させることができた場合には、その後の画像形成の実行を許容することができるのである。その結果、ユーザにとって満足度の高い画像形成装置を提供することができるのである。
一方、その間に、正常状態へ復帰できなければ、異常状態であると判断し、エラーを報知するようにしている。
なお、正常状態への早期復帰が見込める他のケースとして、次のようなケースも考えられ得る。例えば、シャッタ44a、44bと送風ダクト42a、42bとの摺動部のグリスが部分的に枯渇したケースである。このようなケースの場合においても、復帰シーケンスを実行することによりグリスが引き延ばされて摺動部における摺動性が復活し、上述のケースと同様に、シャッタ44a、44bの移動機構を正常状態へと復帰させることができる。
(復帰シーケンス)
そこで、本実施例では、上記のような異常事態が発生した場合においても、シャッタ44a、44bを用いた定着処理、つまり、定着ローラ5aの非接触領域に対する送風冷却が極力行えるように、以下に説明するような、復帰シーケンスを実施する。
図7(a)、(b)は、シャッタ44a、44bを移動させる機構に異常事態(シャッタ44a、44bがスライド移動しないケース)が発生した場合における復帰シーケンスのタイムチャートである。この復帰シーケンスも、制御ユニット200により各種機器を制御(命令(信号)を出力)することにより行われる。以下、2つのケースについてそれぞれ説明する。
(シャッタがホームポジションにいないケース)
図7(a)は、画像形成装置の電源投入時に、ホームポジションセンサ46がオフ状態であった場合(シャッタ44a、44bがホームポジションになく開いている場合)の動作シーケンスである。
画像形成装置の電源が投入されると(電源ON)、制御ユニット200は、ホームポジションセンサ46の検出状態を確認する(図中(1))。オフ状態であった場合、制御ユニット200は、シャッタ44a、44bが閉方向Wへ移動するように、駆動モータ300を閉方向に応じた回転方向W’へ所定の速度(本例では48rpm)で回転させる命令を出力する。
そして、駆動モータ300へ回転命令を出力してから経過した時間を、図2に示す制御ユニット200内のタイマ201d(計測部)により計測する。そして、このタイマ201dによる計測時間がシャッタを移動させる機構が正常な状態でホームポジションセンサ46がオン状態となり得る時間よりも長く設定された所定時間に到達してもオン状態にならない場合、駆動モータ300を停止させる。本例では、この所定時間が1.2秒に設定されている。つまり、制御ユニット200は駆動モータ300の回転を停止させるための命令を出力する(図中(2))。
そして、制御ユニット200は、駆動モータ300を所定時間(本例では0.1秒)停止させた後、駆動モータ300をこれまでとは反対方向であるシャッタ44a、44bを開方向Zへ移動させようとする。つまり、制御ユニット200は、駆動モータ300が回転方向Z’(開方向Zに対応)へ所定時間(本例では0.4秒)に亘り回転するように、駆動モータ300を駆動する(図中(3))。つまり、制御ユニット200は、所定時間(本例では0.4秒もしくは相当する駆動パルス数)、駆動モータ300を駆動させる命令を出力する。ここでは、駆動モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動する際、回転方向W’(閉方向Wに対応)へ駆動する際と同じ駆動速度としているが、駆動速度を変更してもよい。
このように、回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動モータ300を回転させようとすることで、シャッタ44a、44bの摺動部やラック&ピニオン機構に入り込んだ異物を取り除くことが期待できる。従って、シャッタ44a、44bの移動機構を正常な状態へ復帰させることができる可能性が増大する。
その後、再度、駆動モータ300を一旦停止させ、再び駆動モータ300が回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転するように駆動する。その際、駆動速度を復帰シーケンスの初期の速度(初回の回転方向W’へ回転させるときの速度)よりも遅くする(図中(4))。
ここでは、復帰シーケンスの初期に行われる回転方向W’(閉方向Wに対応)への駆動速度(図8の通常の速度(本例では48rpm))の半分の速度としている。駆動速度を遅くしているのは、駆動モータ300の回転数と出力トルクとの関係を示す図8から理解されるように、駆動モータ300の回転数、つまり、駆動速度を遅くすると駆動モータの出力トルクが増大するためである。従って、シャッタ44a、44bが正常に動く状態へ復帰する可能性が更に高まるためである。
そして、駆動モータ300を回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転させる命令を再度出力してからのタイマ201dによる計測時間が所定時間(本例では2.3秒)に達するまでの間、ホームポジションセンサ46がオン状態になるか否か確認する。ホームポジションセンサ46がオン状態になったら、制御ユニット200は正常な状態に復帰したと判断する。つまり、ホームポジションセンサ46がオン状態になったことに伴い、駆動モータ300を停止させる命令を出力し(図中(5))、復帰シーケンスを終了する。シャッタ44a、44bを移動させる機構が正常な状態へ復帰したことにより、これ以降、通常の画像形成処理(定着処理)が許容される。
また、もし、駆動モータ300を回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転させる命令を再度出力してからのタイマ201dによる計測時間が所定時間(本例では2.3秒)に達するまでの間、ホームポジションセンサ46がオフ状態のままか否か確認する。ホームポジションセンサ46がオフ状態のままなら、制御ユニット200は正常な状態に復帰できないと判断する。つまり、駆動モータ300を再度回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転させる命令を出力してからのタイマ201dによる計測時間が所定時間(2.3秒)に到達したことに伴い、駆動モータ300を停止させる命令を出力し、復帰シーケンスを終了する。この場合、制御ユニット200は操作部202に対し、異常の旨を報知させる命令を出力し、これを受けた操作部202は操作画面上において、例えば、「サービスマンを呼んで下さい」といったエラーメッセージを表示する。このエラーメッセージは、異常である旨をユーザに知らせるものであれば、このような表記でなくても構わない。
なお、図7(a)のようにシャッタがホームポジションに位置していないケースにおいて、上述の例では、初回に駆動モータ300を回転させる方向を回転方向W’(閉方向Wに対応)としているが、初回の回転方向を逆にしても良い。つまり、初回は回転方向Z’(開方向Zに対応)、2回目は回転方向W’(閉方向Wに対応)、3回目は回転方向Z’(開方向Zに対応)・・・、となる。この場合、回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動させる時間は、正常時においてシャッタ44aが最大限開いた位置からストッパ47までシャッタ44aが移動に要する時間(パルス数)よりも短い時間(少ないパルス数)に設定するのが好ましい。
(シャッタがホームポジションにいるケース)
図7(b)は、画像形成装置の電源投入時に、ホームポジションセンサ46がオン状態(シャッタ44a、44bがホームポジションにいて閉じている場合)であった場合の復帰シーケンスを示すタイムチャートである。
画像形成装置の電源が投入されると、制御ユニット200は、ホームポジションセンサ46の検出状態を確認する(図中(1))。オン状態であった場合、シャッタ44a、44bが一旦開方向Zへ移動するように、駆動モータ300を回転方向Z’へ所定時間(本例では0.6秒)に亘り回転させようとする。
そして、タイマ201dによる計測時間がシャッタを移動させる機構が正常な状態でホームポジションセンサ46がオフ状態となり得る時間よりも長く設定された所定時間(0.6秒)に到達してもオフ状態にならない場合、次のような処理を行う。つまり、制御ユニット200はその時点で駆動モータ300の回転を停止させるための命令を出力する(図中(2))。
制御ユニット200は、駆動モータ300を所定時間(0.1秒)停止させた後、駆動モータ300をこれまでとは逆方向である回転方向W’(閉方向Wに対応)へ所定時間に亘り(所定のパルス数分(8パルス))駆動する(図中(3))。このパルス数は、正常時においてホームポジションからストッパ47までシャッタ44aが移動に要するパルス数よりも少ないパルス数に設定される。ここでは、回転方向W’(閉方向Wに対応)へ駆動させようとする際の駆動速度を、回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動させようとする際の駆動速度と同じ速度としているが、変更してもよい。
制御ユニット200は、駆動モータ300を回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転させる命令を出力してからのタイマ201dによる計測時間が所定時間(本例では0.6秒)に達するまでの間、ホームポジションセンサ46がオンとなるか否かチェックする。ホームポジションセンサ46がオン状態とならない場合、所定時間(本例では0.6秒)経過した時点で駆動モータ300の駆動を停止させる。
その後、駆動モータ300を所定時間(本例では0.1秒)停止させた後、制御ユニット200は再び駆動モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ所定時間(本例では1.1秒)に亘り駆動させる命令を出力する。その際、駆動速度を復帰シーケンスの初期の速度(初回の回転方向Z’へ回転させるときの速度)よりも遅くする(図中(4))
ここでは、復帰シーケンスの初期に行われる回転方向Z’への駆動速度(図8の通常の速度(48rpm))の半分の速度としている。駆動速度を遅くしているのは、上述(図8)したように、駆動モータ300の回転数、つまり、駆動速度を遅くすると駆動モータの出力トルクが増大するためである。従って、シャッタ44a、44bが正常に動く状態へ復帰する可能性が更に高まるためである。
続いて、2回目の駆動モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動させる命令を出力してからの時間(タイマ201dにより計測)が所定時間(本例では1.1秒)経過するまでの間に、ホームポジションセンサ46がオフ状態となるかチェックする。ホームポジションセンサ46がオフ状態へ切り替わった場合、所定時間(1.1秒)経過した時点で駆動モータ300の駆動を停止させる(図中(5))。
続いて、駆動モータ300を所定時間停止させた後、駆動モータ300回転方向W’(閉方向Wに対応)へ回転させる命令を出力する(図中(6))。2回目の駆動モータ300を回転方向W’(閉方向Wに対応)へ駆動させる命令を出力してからの時間(タイマ201dにより計測)が所定時間(0.6秒)経過するまでの間にホームポジションセンサ46がオン状態となるかチェックする。ホームポジションセンサ46がオン状態に切り替わったら、駆動モータ300の駆動を停止させて(図中(7))、復帰シーケンスを終了する。このように、シャッタ44a、44bを移動させる機構が正常な状態へ復帰したことにより、これ以降、通常の画像形成処理(定着処理)が許容される。
また、もし、2回目の駆動モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ回転させる命令を出力してからの時間(タイマ201dによる計測)が所定時間(0.6秒)に達するまでに、ホームポジションセンサ46がオン状態のままか否か確認する。ホームポジションセンサ46がオン状態のままなら、制御ユニット200は正常な状態に復帰できないと判断する。つまり、2回目の駆動モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ回転させる命令を出力してからのタイマ201dによる計測時間が所定時間(0.6秒)に到達したことに伴い、駆動モータ300を停止させる命令を出力し、復帰シーケンスを終了する。このように、シャッタ44a、44bを移動させる機構が正常な状態へ復帰しなかったことにより、これ以降、通常の画像形成処理(定着処理)が禁止される(もしくは、画像形成速度を低下させて実行する場合は生産性が低下)。
この場合、制御ユニット200は操作部202に対し、異常の旨を報知させる命令を出力し、これを受けた操作部202は操作画面上において、例えば、「サービスマンを呼んで下さい」といったエラーメッセージを表示する。このエラーメッセージは、異常である旨をユーザに知らせるものであれば、このような表記でなくても構わない。
なお、図7(b)のようにシャッタがホームポジションに位置しているケースにおいて、上述の例では、初回に駆動モータ300を回転させる方向を回転方向Z’(開方向Zに対応)としているが、初回の回転方向を逆にしても良い。つまり、初回は回転方向W’(閉方向Wに対応)、2回目は回転方向Z’(開方向Zに対応)、3回目は回転方向W’(閉方向Wに対応)・・・、となる。この場合、回転方向W’(閉方向Wに対応)へ駆動させる時間は、正常時においてホームポジションからストッパ48(図4)までシャッタ44aが移動に要する時間(パルス数)よりも短い時間(少ないパルス数(ここでは8パルス))に設定するのが好ましい。
(初期チェックシーケンス及び復帰シーケンスに係る動作フロー)
次に、図9を用いて、初期チェックシーケンス及び復帰シーケンスに係る動作フローについて説明する。図9は、制御ユニット200により各種機器の動作を制御する(命令を出力する)ことにより行われる初期チェックシーケンス及び復帰シーケンスに係るフローチャートである。なお、ここでは、ホームポジションセンサ(46)のことを単にHPセンサ、また、駆動モータ(300)のことを単にモータと呼ぶ。
画像形成装置の電源がオンされる(メインスイッチが押される)と(S901)、HPセンサ46の検知状態を確認する(S902)。以下、2つのケースについてそれぞれ説明する。
(HPセンサがオフ状態の場合)
S902にて、HPセンサ46がオフ状態であった場合、シャッタ44a、44bがホームポジション(基準位置)にはいないと判断する。そして、シャッタ44a、44bが閉方向Wへ移動するようにモータ300を回転方向W’へ回転するように駆動する(S903)。HPセンサ46の検知状態を確認し(S904)、オン状態となったことを検知したら、モータ45を停止して(S905)、初期チェックシーケンスが終了する。
一方、S904にて、HPセンサ46がオン状態とならずに所定時間(本例では1.2秒)経過した場合(S906)、モータ300を停止する(S907)。モータ300を所定時間(本例では0.1秒)に亘り一旦停止させた後、モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ所定時間(0.4秒)に亘り(所定パルス数)駆動する(S908)。その後、モータ300を所定時間に亘り一旦停止させて(S909)、再びモータ300を回転方向W’(閉方向Wに対応)へ駆動する。このとき、モータ300の駆動速度を初回の速度(48rpm)の半分の速度(24rpm)に切替える(S910)。続いて、HPセンサ46がオン状態になったこと検知したら(S911)、モータ300を停止して(S912)、復帰シーケンスが終了する。
また、S911にて、HPセンサ46がオン状態とならずに所定時間経過した場合(S913)、制御ユニット200は復帰できない異常が発生していると判断し、モータ300を停止させる(S914)。そして、操作部202にエラーまたはアラーム表示を行い、画像形成装置の動作を禁止する状態(または動作に制限をかけた状態)へ移行させる(S915)。
(HPセンサがオン状態の場合)
S902にて、HPセンサ46がオン状態であった場合、シャッタ44a、44bがホームポジションに適切にいるか更に閉方向に動いた位置にいるのか不明なため、モータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動する(S916)。HPセンサ46の検知状態を確認し(S917)、オフ状態となったことを検知したらモータ300を停止させる(S918)。モータ300を所定時間(本例では0.1秒)に亘り一旦停止させた後、今度はシャッタ44a、44bが閉方向Wへ移動するようにモータ300を回転方向W’へ駆動する(S919)。そして、HPセンサ46がオン状態となったことを検知したら(S920)、モータ300の駆動を停止させて(S921)。初期チェックシーケンスが終了する。
一方、S917にてHPセンサ46がオフ状態とならずに所定時間(本例では0.6秒)経過した場合(S922)、モータ300を一旦停止させ(S923)、その後、モータ300を回転方向W’(閉方向Zに対応)へ駆動する(S924)。所定時間に亘り(所定パルス数分(8パルス))モータ300を駆動した時点で、モータ300を再び停止させる(S925)。
続いて、再びモータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動するが、駆動速度を初回の速度(48rpm)の半分の速度(24rpm)で駆動する(S926)。再びモータ300を回転方向Z’(開方向Zに対応)へ駆動させる命令を出力してから所定時間(本例では1.1秒)が経過する前にHPセンサ46がオフ状態になったこと検知したら(S927)、モータ300を一旦停止させる(S918)。そして、シャッタ44a、44bが閉方向Wへ移動するようにモータ300を回転方向W’へ再度駆動する(S919)。その際、モータ300を回転方向W’へ再度駆動する命令を出力してから所定時間(本例では0.6秒)が経過する前にHPセンサ46がオン状態になったこと検知したら(S920)、モータ300を停止させて(S921)、復帰シーケンスが終了する。
また、S927にて、HPセンサ46がオフ状態とならずに所定時間(本例では1.1秒)経過した場合(S928)、制御ユニット200は復帰できない異常が発生していると判断して、モータ300を停止させる(S930)。そして、操作部202にエラーまたはアラーム表示を行い、画像形成装置の動作を禁止する状態(または動作に制限をかけた状態)へ移行させる(S931)。
同様に、S920にて、HPセンサ46がオン状態とならずに所定時間(本例では0.6秒)経過した場合も(S929)、制御ユニット200は復帰できない異常が発生していると判断して、モータ300を停止させる(S930)。そして、操作部202にエラーまたはアラーム表示を行い、画像形成装置の動作を禁止する状態(または動作に制限をかけた状態)へ移行させる(S931)。
以上のように、本例の構成を採用すれば、シャッタ44a、44bを移動させる機構に異常が発生したとしても、その移動機構が復帰するか否か試みることにより、ユーザの満足度を向上させることができる。つまり、たとえ移動機構が異常となった場合でも即刻一律に画像形成動作を禁止させる(もしくは画像形成動作に制限をかける)のではなく、復帰するか否か試みるとともに、復帰できたな場合にはその後画像形成を続行させることができる。
<実施例2>
図10を用いて実施例2について説明する。図10は、(a)はシャッタ44が退避した状態を示す定着装置の概略断面図、(b)はシャッタ44が挿入された状態を示す定着装置の概略断面図、(c)はシャッタ44の概略斜視図である。
本例では、定着ローラ5aを加熱するための加熱機構とこの加熱機構により定着ローラ5aの非接触領域が過剰昇温してしまうのを抑制する抑制機構が実施例1と大きく異なる。従って、これらの構成以外は、実施例1と同様な構成であるので、詳細な説明を省略する。
図10(a)、(b)に示すように、本例では、電磁誘導加熱方式を用いた加熱機構を採用している。具体的には、定着ローラ5aの内部に、励磁コイル5c、磁性コア5dが設置されており、励磁コイル5cへ高周波電流を印加することに伴い励磁コイル5cから発生した磁束により、定着ローラ5aの導電層(芯金)を電磁誘導発熱させる方式を採用している。磁性コア5dは、励磁コイル5cから発生した磁束を定着ローラ5aの加熱領域(本例ではニップ部Nの上流近傍)に向けて誘導させるための機能を担っている。
また、定着ローラ5aの外面には温度センサであるサーミスタ31、32、33が同じ角度位置で且つ幅方向の異なる位置に設置されている。サーミスタ31は定着ローラ5aの幅方向中央近傍、サーミスタ32は定着ローラ5aの幅方向一端側、サーミスタ33は定着ローラ5aの幅方向他端側に設置されている。従って、定着ローラ5aの温度調整は、制御ユニット200がサーミスタ31の出力に基づいて励磁コイル5cへ供給する高周波電流を制御することによって行われる。また、サーミスタ32、33は、実施例1と同様に、記録材Psmallや記録材Pminへ画像形成処理(定着処理)する際に、定着ローラ5aの非接触領域の温度上昇をチェックするために用いられる。
本例では、図10(a)〜(c)に示すように、定着ローラ5aの非接触領域が過剰昇温してしまうのを抑制する抑制機構として円弧状の銅板であるシャッタ44を用いている。具体的には、シャッタ44は、記録材Psmallや記録材Pminに対応して一部が切り欠かれた形状を為しており、幅方向一端に固定されたギア44’にギア列700を介して駆動モータ300から入力される駆動力によって回動する。つまり、シャッタ44は、定着ローラ5aの周方向における位置が切り替わるように構成されている。
なお、シャッタ44の幅方向他端に固定されたギア44’’は、シャッタ44の幅方向一端に入力された駆動力を幅方向他端側へと伝達するためのものである。具体的には、軸方向両端にギアが固定された回転軸(不図示)をシャッタ44の上方に配置する。そして、その回転軸の両端のギアが、ギア44’、ギア44’’とそれぞれ駆動連結するように配置する。従って、ギア44’に入力された駆動力が回転軸を経由してギア44’’へと伝わり、シャッタ44がねじれてしまうのを防止することが可能となる。
図10(a)はシャッタ44が定着ローラ5aを加熱すべき加熱領域から退避した状態を示しており、使用する記録材PがPmaxの場合を示している。この状態のとき、定着ローラ5aの接触領域において電磁誘導加熱が抑制されないようになる。
一方、図10(b)はシャッタ44が、図10(a)の退避状態から反時計周り方向へ回動することによって、定着ローラ5aを電磁誘導加熱すべき領域に挿入された状態を示しており、使用する記録材PがPsmallの場合を示している。この状態のとき、定着ローラ5aの非接触領域において電磁誘導加熱が抑制されるようになる。なお、記録材がPminの場合、シャッタ44は、Psmallの場合に比べて、図10において反時計周り方向へより回動した角度位置となる。また、記録材PがPsmallからPmaxへ切り替わる場合、シャッタ44は時計周り方向へ回動することによって、図10(a)に示す退避状態となる。
このように、制御ユニット200は、記録材Pの幅サイズに応じて駆動モータ300の動作を制御することにより、シャッタ44の位置を切り替える。
このようなシャッタ44を用いた本例の定着装置においても、実施例1と同様に、シャッタ44を移動させる機構(ギア44’、ギア列700)に異物等が突発的に混入し異常状態となっても、これを復帰させる復帰シーケンスを試みる。つまり、実施例1のシャッタ44a、44bをシャッタ44に読み換えて初期チェックシーケンス、復帰シーケンスを実施例1と同様に実施すれば良い。従って、その詳細な説明は省略する。
よって、本例においても、実施例1と同様に、ユーザの満足度を向上させることが可能となる。
以上、本発明を適用することができる例として実施例1、2について詳細に説明したが、このような例に限らず、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
例えば、加熱回転体として定着ローラを用いる例を説明したが、加熱回転体として定着ベルトを用いる場合にも、本発明を同様に適用することができる。さらに、冷却装置が送風により冷却する対象として、記録材上の未定着トナー像と接触する側に配置された定着ローラ5aを冷却する形態について説明したが、加圧ローラ5bを冷却する対象としても構わない。この場合、加圧ローラ5bは、ローラ状でなくとも、ベルト状の加圧ベルトであっても良い。
さらに、画像加熱装置として定着装置を例に説明したが、記録材に定着されたトナー像を再度加熱加圧することにより画像の光沢度を向上させる光沢化装置にも、本発明を同様に適用することができる。
また、上記実施例では、検出部としてのホームポジションセンサ46がシャッタ(44a、44)がホームポジション(退避位置)にいることを検出する構成とされているが、このような例だけに限られない。例えば、シャッタ(44a、44)が定着ローラ5aの非接触領域の温度上昇を抑制させる位置(抑制位置)にいることをホームポジションセンサ46が検出する形態であっても、本発明を同様に適用することができる。この場合、上記実施例において、シャッタ(44、44a)の検出位置を読み替えることにより理解されることから、詳細な説明は省略する。例えば、シャッタが抑制位置にある場合には、最初はシャッタが閉方向へ移動するように駆動モータを制御し、次はシャッタが開方向へ移動するように駆動モータを制御すれば良い(必要に応じてこれらの処理を繰り返す)。同様に、シャッタが抑制位置にいない場合には、最初はシャッタが開方向へ移動するように駆動モータを制御し、次はシャッタが閉方向へ移動するように駆動モータを制御すれば良い(必要に応じてこれらの処理を繰り返す)。
また、制御装置(制御部)である制御ユニット200が画像形成装置内に搭載されている例について説明したが、次のような構成でも良い。例えば、制御装置が画像形成装置外に設置され通信回線を経由して画像形成装置と接続される外部装置として用いられる形態であっても、本発明を同様に適用することができる。
また、操作部の操作画面を用いてユーザに報知する例について説明したが、このような例に限らず、次のような形態でも良い。例えば、制御装置(制御部)が画像形成装置とネットワークケーブルを経由して接続されたホストコンピュータに命令(信号)を出力する形態であっても良い。この場合、ホストコンピュータに接続されたモニター画面にエラーメッセージ等が表示(報知)される。
5 定着装置
5a 定着ローラ
41a、41b 冷却ファン
43a、43b 開口部
44a、44b シャッタ
46 ホームポジションセンサ
500 冷却装置
100 画像形成装置
200 制御装置
300 駆動モータ

Claims (22)

  1. 記録材上のトナー像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体を加熱する加熱機構と、
    前記加熱回転体の幅方向の一部の所定の領域が温度上昇するのを抑制する抑制部材と、
    前記加熱回転体の前記所定の領域が温度上昇するのを抑制する第1の位置と前記第1の位置から退避した第2の位置とを取り得るように前記抑制部材を移動させる移動機構と、
    前記抑制部材が所定の位置にあることを検出する検出部と、
    前記検出部の出力に基づいて前記移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記抑制部材を前記所定の位置に向けて移動させるための第1の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合、前記抑制部材を前記所定の位置から離れる方向へ移動させるための第2の命令を出力することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記制御部は、前記第2の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合、前記抑制部材を前記所定の位置に向けて移動させるための第3の命令を出力することを特徴とする請求項1の画像加熱装置。
  3. 前記制御部は、前記第3の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合、前記移動機構が異常である旨を報知するための命令を出力することを特徴とする請求項2の画像加熱装置。
  4. 前記制御部は、前記第2の命令と前記第3の命令を交互に所定回数繰り返し出力可能であり、前記第2の命令と前記第3の命令を交互に所定回数繰り返し出力しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合には前記移動機構が異常である旨を報知するための命令を出力することを特徴とする請求項2の画像加熱装置。
  5. 前記制御部からの命令を受けて前記移動機構が異常である旨を報知する報知部を有することを特徴とする請求項3又は4の画像加熱装置。
  6. 前記制御部は、前記第3の命令を出力してから所定の時間が経過する前に前記抑制部材が前記検出部により検出された場合には、前記抑制部材を用いた画像加熱処理を許容することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項の画像加熱装置。
  7. 前記制御部は、前記第1の命令を出力してから前記所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出されない場合、前記第1の命令により前記抑制部材を移動させようとする速度よりも、前記第2の命令により前記抑制部材を移動させようとする速度を遅くすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の画像加熱装置。
  8. 前記検出部は、前記抑制部材が前記所定の位置として前記第2の位置にあることを検出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項の画像加熱装置。
  9. 前記制御部は、前記装置で使用可能な記録材のうち幅が最大の記録材に画像加熱処理を施すとき前記抑制部材を前記第2の位置に位置させることを特徴とする請求項の画像加熱装置。
  10. 前記制御部は、前記最大の記録材よりも幅が狭い所定の記録材に画像加熱処理を施すとき前記抑制部材を前記第1の位置に位置させ得ることを特徴とする請求項の画像加熱装置。
  11. ファンと、前記ファンによるエアーの排出を許容するとともに前記抑制部材により開閉される開口を備えたダクトと、を有し、前記制御部は記録材の幅サイズに応じて前記抑制部材の位置を制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項の画像加熱装置。
  12. 記録材上のトナー像をニップ部にて加熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体を加熱する加熱機構と、
    前記加熱回転体の幅方向の一部の所定の領域が温度上昇するのを抑制する抑制部材と、
    前記加熱回転体の前記所定の領域が温度上昇するのを抑制する第1の位置と前記第1の位置から退避した第2の位置とを取り得るように前記抑制部材を移動させる移動機構と、
    前記抑制部材が所定の位置にあることを検出する検出部と、
    前記検出部の出力に基づいて前記移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記抑制部材を前記所定の位置から第1の方向へ移動させるための第1の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合、前記第1の方向とは反対の第2の方向へ前記抑制部材を移動させるための第2の命令を出力することを特徴とする画像加熱装置。
  13. 前記制御部は、前記第2の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合、前記抑制部材を前記第1の方向へ移動させるための第3の命令を出力することを特徴とする請求項12の画像加熱装置。
  14. 前記制御部は、前記第3の命令を出力してから所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合、前記移動機構が異常である旨を報知するための命令を出力することを特徴とする請求項13の画像加熱装置。
  15. 前記制御部は、前記第2の命令と前記第3の命令を交互に所定回数繰り返し出力可能であり、前記第2の命令と前記第3の命令を交互に所定回数繰り返し出力しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合には前記移動機構が異常である旨を報知するための命令を出力することを特徴とする請求項13の画像加熱装置。
  16. 前記制御部からの命令を受けて前記移動機構が異常である旨を報知する報知部を有することを特徴とする請求項14又は15の画像加熱装置。
  17. 前記制御部は、前記第3の命令を出力してから所定の時間が経過する前に前記抑制部材が前記検出部により検出されなくなる場合には、前記抑制部材を用いた画像加熱処理を許容することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項の画像加熱装置。
  18. 前記制御部は、前記第1の命令を出力してから前記所定の時間が経過しても前記抑制部材が前記検出部により検出される場合、前記第1の命令により前記抑制部材を移動させようとする速度よりも、前記第2の命令により前記抑制部材を移動させようとする速度を遅くすることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項の画像加熱装置。
  19. 前記検出部は、前記抑制部材が前記所定の位置として前記第2の位置にあることを検出するように構成されていることを特徴とする請求項12乃至18のいずれかの画像加熱装置。
  20. 前記制御部は、前記装置で使用可能な記録材のうち幅が最大の記録材に画像加熱処理を施すとき前記抑制部材を前記第2の位置に位置させることを特徴とする請求項19の画像加熱装置。
  21. 前記制御部は、前記最大の記録材よりも幅が狭い所定の記録材に画像加熱処理を施すとき前記抑制部材を前記第1の位置に位置させ得ることを特徴とする請求項20の画像加熱装置。
  22. ファンと、前記ファンによるエアーの排出を許容するとともに前記抑制部材により開閉される開口を備えたダクトと、を有し、前記制御部は記録材の幅サイズに応じて前記抑制部材の位置を制御することを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項の画像加熱装置。
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