JP2019215428A - 画像形成装置および定着装置 - Google Patents

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亮 坂口
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Hiroyuki Eda
裕之 江田
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Abstract

【課題】送風領域を規制する遮蔽部材の動作不良が生じた場合であっても、極力、生産性を落さずに印字継続できるようにした画像形成装置および定着装置を提供する。【解決手段】トナー画像を記録材に定着するニップ部を形成する第1及び第2の定着部材と、第1の定着部材の端部領域を送風により冷却する送風手段と、第1の定着部材の端部領域に対応して少なくとも1つ設けられる温度取得手段と、送風手段による風を端部領域に送り込むためのダクトの開口部と、開口部の開口幅を変更可能なシャッタ部材を有し、送風手段の送風領域を変更するシャッタ機構と、シャッタ機構を駆動する駆動手段と、シャッタ部材の位置を検知する位置検知手段と、位置検知手段の出力に基づき、駆動手段を制御する制御部と、を有し、駆動手段の故障と位置検知手段の故障とを区別して診断可能な診断モードを実行する実行部と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等、記録材上に画像形成可能な画像形成装置および定着装置に関する。
従来、定着装置において、定着ニップ部を形成する第1および第2の定着部材の少なくとも一方における長手方向の端部が昇温する場合、記録材が通過しない非通過領域を送風により冷却することが知られている。具体的には、様々な幅サイズの記録材に対応すべく、送風口の開口幅(送風域)を最大送風域から変更するためのシャッタと、シャッタを移動させるシャッタ駆動手段と、シャッタの基準位置を検出する位置検出手段を備える。そして、検出したシャッタ基準位置を起点に、記録材の幅サイズに応じて送風域をシャッタ駆動手段で調整する。
しかし、上述した位置検出手段やシャッタ駆動手段が何らかの要因により動作不良を起こした場合、画像形成装置は画像形成が停止された状態となってしまう。ここで、シャッタ駆動手段の動作不良とは、例えば、シャッタ駆動手段に異物が侵入してしまい、シャッタが特定の位置まで移動できない場合である。このような動作不良により画像形成の停止状態となると、サービスマン等による修理が必要となり、それまで、ユーザは画像形成を行えなくなってしまう事態となる。
そこで、特許文献1では、これら突発的な要因により動作不良が生じた場合の手段として、シャッタ位置を検出できなかった場合、直ぐに装置を停止するのでなく、シャッタの速度を遅くして一度反対の方向に移動させてからシャッタ位置検出方向へ移動させる。すなわち、シャッタ位置検出の再トライ(リトライ)を行うことでリカバリをさせてユーザの満足度を向上させている。
また、特許文献2では、定着部材の長手方向端部を冷却する送風に関し、最大送風域に対して遮蔽により送風域を規制する遮蔽部材としてのシャッタの動作不良が生じた場合は、シャッタ停止位置に応じてその後の画像形成動作の実行の可否を選択する。シャッタ停止位置がホームポジションである場合は、送風ファンを動作させずに画像形成動作を継続し、長手方向における端部で発生する昇温に対しては生産性を落とし(スループットダウン)印字継続させる。
特開2015−158600号公報 特開2008−15049号公報
しかしながら、特許文献1では、上記したシャッタ駆動手段の一時的な動作不良であれば復帰の可能性があるが、シャッタの位置を検出する手段が故障してシャッタの位置が検出できなくなってしまった場合は、復帰が困難である。すなわち、動作リトライを行っても復帰できず、装置を停止させることが必要となる。
また、特許文献2においては、シャッタ動作不良が発生しても印字継続させるが、定着部材の長手方向における端部で発生する昇温に関連して生産性が低下してしまう。
本発明の目的は、送風領域を規制する遮蔽部材の動作不良が生じた場合であっても、極力、生産性を落さずに印字継続できるようにした画像形成装置および定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により形成されたトナー画像を記録材に定着するニップ部を形成する第1及び第2の定着部材と、前記第1の定着部材の長手方向における端部領域を送風により冷却する送風手段と、前記第1の定着部材の温度を取得するために、前記第1の定着部材の前記端部領域に対応して少なくとも1つ設けられる温度取得手段と、前記送風手段による風を前記端部領域に送り込むためのダクトの開口部と、前記長手方向における前記開口部の開口幅を変更可能なシャッタ部材を有し、前記シャッタ部材を前記長手方向に移動させることにより前記送風手段の前記長手方向における送風領域を変更するシャッタ機構と、前記シャッタ部材の位置を移動させるべく前記シャッタ機構を駆動する駆動手段と、前記シャッタ部材の位置を検知する位置検知手段と、前記位置検知手段の出力に基づき、前記駆動手段を制御する制御部と、を有し、前記駆動手段の故障と前記位置検知手段の故障とを区別して診断可能な診断モードを実行する実行部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、トナー画像を記録材に定着するニップ部を形成する第1及び第2の定着部材と、前記第1の定着部材の長手方向における端部領域を送風により冷却する送風手段と、前記第1の定着部材の温度を取得するために、前記第1の定着部材の前記端部領域に対応して少なくとも1つ設けられる温度取得手段と、前記送風手段による風を前記端部領域に送り込むためのダクトの開口部と、前記長手方向における前記開口部の開口幅を変更可能なシャッタ部材を有し、前記シャッタ部材を前記長手方向に移動させることにより前記送風手段の前記長手方向における送風領域を変更するシャッタ機構と、前記シャッタ部材の位置を移動させるべく前記シャッタ機構を駆動する駆動手段と、前記シャッタ部材の位置を検知する位置検知手段と、前記位置検知手段の出力に基づき、前記駆動手段を制御する制御部と、を有し、前記駆動手段の故障と前記位置検知手段の故障とを区別して診断可能な診断モードを実行する実行部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、送風領域を規制する遮蔽部材の動作不良が生じた場合であっても、極力、生産性を落さずに印字継続できるようにした画像形成装置および定着装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 制御ユニットのブロック図である。 定着ユニットの斜視図である。 冷却ユニットの斜視図である。 ジョブが開始されたときの端部シャッタの基準位置移動処理シーケンスである。 記録材のサイズとシャッタ開口幅の関連図である。 端部シャッタ故障個所特定処理の動作フローチャートである。 図7のS707で判断した後の処理を説明するフローチャートである。 図7のS710で判断した後の処理を説明するフローチャートである。 端部シャッタ故障発生後の動作継続動作フローチャートである。 故障発生時のシャッタ位置のイメージ図である。 故障発生時の操作部への結果通知イメージ図である。 シャッタ位置推測動作のフローチャートである。 シャッタ位置と記録材のサイズに応じた冷却動作フローチャートである。 シャッタ位置検出センサ故障時の冷却制御のフローチャートである。 シャッタ推測位置と開口幅の関連図である。 記録材のサイズとシャッタ開口幅、シャッタ推測位置の関連図である。 スループットダウンシーケンスの生産性を示した図である。 記録材のサイズと冷却領域が適切でなかった場合のイメージ図である。 記録材のサイズと冷却領域が適切でなかった場合のイメージ図である。 サーミスタ検知温度による。シャッタ推測位置のイメージ図である。 シャッタ推測位置に応じた適切な記録材サイズのイメージ図である。 ユーザへ冷却装置の異常を通知するための操作部画面表示図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
以下、画像加熱装置としての定着装置を搭載した本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を用いて詳述する。なお、各種機器の具体的な構成について説明するが、これに限らず、本発明の思想の範囲内において各種機器の構成を他の公知の構成に置き換え可能であることは言うまでもない。
(画像形成部)
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト2の下面に沿って画像形成部1a、1b、1c、1dを配列したフルカラー複写機である。分離ローラ8は、記録材カセット4から引き出した記録材(シート)Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ9へ送り出す。レジストローラ9は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト2のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。
画像形成部1a、1b、1c、1dは、それぞれの現像装置で用いるトナー(正規の帯電極性が負極性のトナー)の色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部1aについて説明し、他の画像形成部1b、1c、1dについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部1aは、感光ドラムaを含む交換ユニット(プロセスカートリッジ)に組み込まれている。感光ドラムaは、アルミニウム製シリンダの外周面に正規の帯電極性が負極性の感光層を備えており、不図示の駆動モータから駆動力を伝達されて、所定のプロセススピード(本実施形態では200mm/sec)で回転する。
感光ドラムaは、画像形成部1aに内蔵された不図示の帯電ローラを用いて、一様な負極性の電位に帯電される。露光装置6は、イエローの分解色画像(原稿画像を色分解したもの)に応じてレーザービームを回転ミラーで走査露光することにより、帯電された感光ドラム1aの表面に静電像を形成する。感光ドラムaに書き込まれた静電像は、画像形成部1aに内蔵された不図示の現像装置によってトナーを付着させて、トナー像に反転現像される。
一次転写ローラ2aは、中間転写ベルト2を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト2との間に一次転写部Taを形成する。一次転写ローラ2aに正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラムaに担持された負極性のトナー像が、一次転写部Taを通過する中間転写ベルト2へ一次転写される。
中間転写ユニット20は、画像形成部1a、1b、1c、1dの上方に配置されて、画像形成装置100から取り外し可能な交換ユニットであって、中間転写ベルト2の他にこれを支持する支持機構及び駆動する駆動機構を含む。
ベルト部材の一例である無端状の中間転写ベルト2は、テンションローラ27、駆動ローラ26、二次転写張架ローラ25、及び一次転写張架ローラ28、29に掛け渡して支持され、駆動ローラ26に駆動されて矢印R2方向に回転する。
画像形成部1a、1b、1c、1dに対応させて、中間転写ユニット20には、一次転写ローラ2a、2b、2c、2dが組み込まれている。一次転写ローラ2a、2b、2c、2dは、それぞれ感光ドラムa、b、c、dに向かってバネ付勢されることにより、中間転写ベルト2を感光ドラムa、b、c、dに当接させて、一次転写部を形成する。
二次転写部T2は、二次転写張架ローラ25と二次転写ローラ22により中間転写ベルト2を挟み込むことにより形成される。二次転写張架ローラ25が中間転写ユニット20に組み込まれている一方、二次転写ローラ22は画像形成装置100の装置本体部分30に設置されている。不図示の電源から二次転写ローラ22に正極性の直流電圧が印加されることで、接地電位に接続された二次転写張架ローラ25との間に転写電界が形成される。
搬送に絡む各モータ212は、転写電界が形成されるタイミングで記録材Pの先端が二次転写ローラ22に達するよう搬送動作を行い、高圧制御部205は記録材Pへの転写動作を行う。その後、記録材Pは、後述する定着装置5により定着処理を受けて、画像形成装置外へ排出される。
(画像形成シーケンス)
次に、上記画像形成装置の画像形成シーケンス(以下、画像形成動作とも呼ぶ)について説明する。制御ユニット200(図2に関して後に詳述)は、上記各ユニット内の機構の動作を制御するためのCPU、モータドライバ部などを有している。
CPUにより画像形成動作開始信号が発せられると、ユーザにより指定された記録材のサイズ情報などに応じて、所望の記録材カセット4から記録材Pの給送動作を開始する。図1にて、先ず、分離ローラ8により、記録材カセット4から記録材Pが一枚ずつ送り出され、レジストローラ9まで搬送される。その時レジストローラ9は停止されており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部1a〜1dが画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ9は回転を始める。
この回転時期は、記録材Pと画像形成部1a〜1dより中間転写ベルト2上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域T2において一致するようにそのタイミングが設定されている。
一方、画像形成部1a〜1dでは、画像形成動作開始信号が発せられると、前述したプロセスにより中間転写ベルト2の回転方向において一番上流にある感光体ドラムa上に形成されたトナー画像を一次転写領域Taにおいて中間転写ベルト2に一次転写する。一次転写されたトナー画像は、次の一次転写領域Tbまで搬送される。そこでは、各画像形成部間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われている。そして、前画像の上にレジストを合わせて、その次のトナー画像が転写される。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー画像が中間転写ベルト2上において一次転写される。
その後、記録材Pが二次転写領域T2に進入し、中間転写ベルト2に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ22に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト2上に形成された4色のトナー画像が記録材Pの表面に転写される。その後、記録材Pは定着装置5の定着ニップ部(以下、ニップ部)まで正確に案内される。
定着装置5において記録材Pはニップ部にて挟持搬送され、その搬送過程で熱と圧力によってトナー像が記録材表面に定着される。条件によっては後述の冷却ユニット500を動作させることによって、定着ローラ5aの端部領域(記録材と接触しない非接触領域)の過度な温度上昇を防止する。定着装置5を出た記録材Pは、排出ローラ11により搬送され、排出トレイ7上に積載される。
(制御装置)
次に、図2に制御装置である制御ユニット200のブロック図を示す。画像形成装置内の各種機器は、制御部として機能する制御ユニット200によって統括的にコントロールされている。言い換えると、制御ユニット200は、各種機器に対し動作を実行させる命令、即ち、動作を実行させるための信号を各種機器に対して出力する。
制御ユニット200は、本装置内の各負荷の駆動、センサ類の情報収集解析、画像制御、そして操作部202即ちユーザインターフェースとのデータの交換の役割を担っている。制御ユニット200の内部構成は、上述した役割を担うために、CPU201aを搭載している。このCPU201aは、同様に制御ユニット200に搭載したROM201cに格納されたプログラムによって、予め決められた画像形成シーケンスに纏わる様々なシーケンスを実行する。また、その際、一次的または恒久的に保存することが必要な書き換え可能なデータを格納するために、RAM201bも搭載している。
RAM201bには、例えば高圧制御部205への高圧設定値、後述する各種データ、操作部202からの画像形成指令情報などを保存する。RAM201bは図示しないバッテリー等により、画像形成装置の電源が切られてもデータを保持する構成となっている。また、CPU201aは、タイマ201dが接続されており、タイマ201dの動作を制御するとともにタイマ201dにより計測された時間をモニターする。
操作部202と制御ユニット200は、通信IFを介して、お互いの情報のやり取りを行う。制御ユニット200への報知部として機能する操作部202は、ユーザにより画像形成を行うのに必要となる情報、例えば、記録材Pのサイズ、記録材Pの種類(厚紙、コート紙など)、画像形成枚数、複写倍率、画像濃度設定値などを指定するためのものである。
操作者からの指示を入力可能な操作部202は、操作画面(液晶表示部)を備えていることから、このような役割の他に、後述する「異常(エラー)の旨をユーザに報知する」ためにも用いられる。例えば、「定着装置に異常があります」といった通知(文章の表示)を行う。更には、画像形成中か否かの情報、ジャムの発生やその箇所等をユーザに示すための表示を行う。
本装置は、装置内部の各所にモータ、ファン、クラッチ/ソレノイド等のDC負荷及び、フォトインタラプタやマイクロスイッチ等のセンサを配置している。モータの駆動や各DC負荷を適宜駆動させることで、記録材の搬送や各ユニットの駆動を行っており、その動作を監視しているものが各種センサである。
制御ユニット200は、各種センサ類214からの信号がセンサIF209を経由して入力され、この信号をもとに、モータ制御部207により各モータ212をコントロールする。それと同時に、制御ユニット200は、DC負荷制御部208によりクラッチ/ソレノイド213を動作させ、ファン制御部215によって各ファン216を動作させることで、画像形成動作を円滑に進めている。また、高圧制御部205から各種高圧制御信号を高圧206ユニットへ出力し、高圧ユニット206は一次帯電器、転写帯電器、及び現像器内の現像ローラに適切な高圧を印可させている。
更には、定着ローラを加熱するための定着ヒータ211はACドライバ210によってON/OFF制御されている。また、定着ローラの温度を検出するためのサーミスタ204が設けられ、A/Dコンバータ203によって、定着ローラの温度変化に応じたサーミスタ204の抵抗値変化を電圧値に変換した後、デジタル値として制御ユニット200に入力される。この温度データをもとに前述のACドライバ210を制御する。
また、画像制御部220は、外部から入力される画像データに対して画像処理を行い、画像形成部221へと送られる。
(定着装置)
次に、図3を用いて、画像加熱装置として機能する定着装置5について説明する。定着装置5は、第1の定着部材である加熱回転体としての定着ローラ5aと、第2の定着部材である加圧回転体としての加圧ローラ5bを有しており、その間においてニップ部(定着ニップ部)を形成する。記録材Pは、ニップ部において定着ローラ5aと加圧ローラ5bにより挟持搬送されながら、加熱/加圧を受けて、トナー画像が定着される。
ここで、本願明細書における定着部材に関し、長手方向とは、ニップ部で挟持搬送される記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向であり、記録材の幅方向に対応する。
図3に示すように、定着ローラ5aには、ニップ部を加熱する加熱部材(加熱機構)としての2本のヒータ34、35が内蔵されており、これらのヒータによって加熱される。また、定着ローラ5aの表面温度を検出するため、定着ローラ5aの長手方向の中央部付近に温度センサとしてメインサーミスタ31、長手方向の端部付近にそれぞれサブサーミスタ32、33が設置されている。
このメインサーミスタ31の出力に応じて、制御ユニット200はヒータ34、35へ供給する電力を制御することにより、定着ローラ5aの接触領域(いずれの幅サイズの記録材Pとも接触し得る領域)の温度を制御する。また、サブサーミスタ32、33を備えることにより、定着ローラ5a表面の長手方向における温度分布、つまり、定着ローラ5aの非接触領域(幅サイズが狭い記録材Pと接触しない領域)の表面温度を監視することができる。サブサーミスタ32、33は、後述するように、定着ローラ5aの非接触領域の温度が過度に上昇してしまうのを送風冷却により抑制するために利用される。
(冷却装置)
次に、定着装置5を冷却する冷却装置(以下、冷却ユニット)について説明する。図4は、冷却ユニット500を背面側から見た斜視図である。冷却ユニット500は、定着装置5に隣接して配置され、画像形成装置において使用可能な記録材Pのうち幅サイズが最大の記録材Pmaxよりも幅狭の記録材Psmallに対して定着処理を施す際に用いられる。これは、定着ローラ5aの非接触領域の過度な温度上昇を防止するために、この非接触領域を送風(エアーを吹き付ける)により部分的に冷却するためのものである。
冷却ユニット500は、送風手段としての冷却ファン41a、41b、送風ダクト42a、42b、開口部43a、43b、最大開口部に対し遮蔽により開口部を変更可能に規制する遮蔽部材(シャッタ部材)としてのシャッタ44a、44bを備える。そして、冷却ユニット500は、シャッタ44a、44bを駆動させるシャッタ駆動モータ(以下、駆動モータ)300、シャッタ44a、44bの移動機構600であるラック&ピニオン機構を備える。更に、シャッタ基準位置を検知する基準位置検知手段としてのホームポジションセンサ(以下、HPセンサ)46、シャッタ44a、44bのストッパ47、48を備える。
冷却ファン41a、41bは、サブサーミスタ32、33による定着ローラ5a表面の検出温度が所定値以上(本実施形態では240度以上)に上昇すると、制御ユニット200からの命令(動作を開始させる信号)を受けて、駆動を開始する。冷却ファン41a、41bからの冷却風は、送風領域(冷却領域)として、それぞれ送風ダクト42a、42bを介し、各々の開口部43a、43bを通って定着ローラ5aの長手方向の一部の領域、本実施形態では両端付近の領域に吹き付けられる。冷却ファン41a、41bは、制御ユニット200により、サブサーミスタ(32、33)に応じて回転速度を任意に変更することが可能である。
シャッタ44a、44bは、ラック&ピニオンを用いたメカ機構600によりスライド移動(X方向)する構成となっている。具体的には、シャッタ44a、44bは、駆動モータ300に駆動連結されているピニオン(ギア)45が回転すると、これに係合関係にある2つのラックが互いに逆方向へ移動する。そして、これらのラックと共にそれぞれ移動するように構成されているシャッタ44a、44bが互いに逆方向へ移動する。また、シャッタ44a、44bの裏面側には送風ダクト42a、42bとの摺動性を向上するため、潤滑剤であるグリスが少量塗布されている。
このシャッタ44a、44bのスライド移動は、定着処理に用いられる記録材Pの幅サイズに応じて制御ユニット200により行われる。その結果、開口部43a、43bの開口幅が調整される。このため、冷却ファン41a、41bからの冷却風は、記録材Pの幅サイズに応じた定着ローラ5aの非接触領域(記録材の非通過域)に対して吹き付けられることになる。その結果、定着処理中において、定着ローラ5aの接触領域(記録材の通過域)を冷却することなく、定着ローラ5aの幅方向両端側の非接触領域のみを選択的に冷却することが可能となる。
本実施形態では、駆動モータ300にはステッピングモータが使用され、駆動モータ300は、制御ユニット200から受けた命令に対応した時間に亘り(指定距離相当のパルス数分)回転する。そして、駆動モータ300は、シャッタ44a、44bを、定着ローラ5aの非接触領域が過度に温度上昇してしまうのを抑制する抑制位置(第1の位置)へ移動させることが可能である。
開口部43a、43bが十分に閉じる待機位置(送風路を十分に遮断した全閉位置)が基準位置としてのホームポジション(第2の位置)となるように、検出部として機能するHPセンサ46が設けられている。つまり、シャッタ44a、44bは、このホームポジションから、記録材Pの幅サイズに応じた位置へ移動する。
本実施形態のHPセンサ46は、フォトインタラプタであり、シャッタ44aと一体的に移動するフラグ部(シャッタ44aと一体成型されている部位)によって遮光されることを利用してシャッタ44aの位置を検出する。つまり、制御ユニット200は、このフォトインタラプタからの出力をモニターすることによって、シャッタ44aの位置を判断するように構成されている。
なお、シャッタ44aとシャッタ44bは、移動方向が互いに逆方向であるものの、共に移動させられる構成となっていることから、シャッタ44aの位置が分かればシャッタ44bの位置も併せて判断できる構造となっている。従って、上述したように、本実施形態では、シャッタ44aの位置のみを検出する機構を設け、シャッタ44bの位置を検出する機構を省いている。なお、シャッタ44bの位置を別途検出する機構を設けても構わない。
ストッパ47は、HPセンサ46よりも幅方向外側に配置されている。このストッパ47は、HPセンサ46や制御ユニット200が万が一故障したとしても、シャッタ44aが突き当たることによって、これをメカ的に強制停止させるためのものである。つまり、シャッタ44a、44bが、閉方向Wに所定距離(本実施形態ではHPセンサ46から閉方向Wに12mm)以上オーバーランしないように構成されている。言い換えると、シャッタ44a、44bは、基準位置であるホームポジションよりも幅方向外側へそれぞれ移動し得る構成となっている。
一方、ストッパ48は、シャッタ44aが最大限開く位置(画像形成装置で使用可能な記録材のうち幅サイズが最小の記録材Pminに対応した最大開口位置)よりも幅方向内側に配置されている。このストッパ48は、HPセンサ46や制御ユニット200が万が一故障したとしても、シャッタ44aが突き当たることによって、これをメカ的に強制停止させるためのものである。つまり、シャッタ44a、44bが開方向Zに所定距離(本実施形態ではHPセンサ46から開方向Zに60mm)以上オーバーランしないように構成されている。
言い換えると、シャッタ44a、44bは、定着処理時に記録材に対応した最大開口位置よりも幅方向内側へそれぞれ移動し得る構成となっている。
画像形成装置にネットワーク接続されたホストコンピュータや操作部202を通じてユーザによる画像形成命令を受けると、制御ユニット200は、次のような処理を行う。すなわち、制御ユニット200は、画像形成命令と共に受けた記録材Pのサイズ情報を基に、記録材Pのサイズに応じた駆動時間(指定距離相当のパルス数分)もしくは駆動量によって、駆動モータ300を駆動する。その結果、開口部43a、43bの開口幅が調整される。
もし、幅サイズが最大の記録材(本実施形態では、A3ノビサイズ)で、かつシャッタ44a、44bがホームポジションに位置している場合(既にHPセンサ46がシャッタ44aを検出している状態)は、以下のように制御する。すなわち、シャッタ44a、44bを開方向Zに移動させて、HPセンサ46がシャッタ44aを非検出状態(OFF)にする。非検出状態になったら、駆動モータ300を停止する。
その後、駆動モータ300が駆動できる状態まで待ってから、シャッタ44a、44bを閉方向Wに移動させて、HPセンサ46がシャッタ44aを検出状態にする。このように、画像形成動作スタート(以下、ジョブとも呼ぶ)毎に必ずシャッタ44a、44bの位置を確定させる。
図6は、本実施形態での、記録材の幅サイズに対する駆動モータ300の基準位置からの駆動距離を表している。ここでは、閉状態となる基準位置(ホームポジション)に対して5段階の位置を設けている。これにより、定着ローラ5aに対する最適な領域(記録材と接触しない非接触領域)へのエアーの吹き付けを可能としている。
(初期チェックシーケンス)
次に、図5を用いて、シャッタ44a、44bの位置を把握するための初期チェックシーケンス(以下、初期チェック処理とも呼ぶ)について説明する。画像形成装置の電源が投入された際、シャッタ44a、44bの位置が不定であるため、制御ユニット200(図2)はシャッタを基準位置(ホームポジション)に位置させる初期動作を実行する。
図5(a)、(b)は、いずれも、正常時(シャッタを移動させる機構が正常に作動するとき)におけるタイムチャートである。これは、制御ユニット200が各種機器を制御する(各種機器へ命令(信号)を出力する)ことにより行われる。
画像形成装置の電源が投入されると、制御ユニット200は、まず、HPセンサ46がオン状態にあるかどうか確認を行う(図5における(1))。ここで、本実施形態では、「HPセンサ46がオン状態」とはフォトインタラプタ(図11(a)に示すHPセンサ)がシャッタのフラグ部(図11(a)に示すセンサフラグ)により遮閉された状態であることを意味している。
一方、「HPセンサ46がオフ状態」とはフォトインタラプタがフラグ部により遮閉されていない状態であることを意味している。図5(a)、(b)に示すように、ホームポジションセンサ46の検出状態によって、その後の動作が異なる。
図5(a)のように、HPセンサ46がオフ(OFF)状態であった場合、シャッタがホームポジションにいないので、シャッタ44a、44bを閉方向W(図4)へ移動するように、駆動モータ300を閉方向Wに応じた回転方向W’へ所定の速度で回転させる。本実施形態では、駆動モータ300の駆動速度は48rpmに設定されている。
続いて、駆動モータ300を回転させる命令を出力してから所定時間(本実施形態では1.2秒)以内にHPセンサ46がオン(ON)したことを検出すると(図5(2))、駆動モータ300を停止させて初期チェック処理が正常終了する(図5(3))。
一方、駆動モータ300を閉方向Wに応じた回転方向W’へ所定の速度で回転させてから所定時間(1.2秒)以内にHPセンサ46がオンしたことを検出できなかった場合(信号変化が無い場合)は、異常と判断して初期チェック処理が異常終了する。
また、図5(a)と異なり図5(b)のように、画像形成装置の電源投入時にHPセンサ46がオン(ON)状態であった場合は、以下のように動作させる。すなわち、シャッタ44a、44bが一旦開方向Z(図4)へ移動するように、駆動モータ300を開方向Zに応じた回転方向Z’へ所定の速度(本実施形態では48rpm)で回転させる。
続いて、HPセンサ46が所定時間(本実施形態では0.6秒)内にオフしたことを検出すると、駆動モータ300を一時停止させる(図5(b)における(2))。そして、駆動モータ300の振動が安定する所定時間(本実施形態では0.1秒)が経過後、今度は駆動モータ300を閉方向Wに対応した回転方向W’へ回転させる。これに伴い、HPセンサ46がオン状態になると(図5(b)における(3))、駆動モータ300を停止させて初期チェック処理が正常終了する(図5(b)における(4))。
一方、図5(b)で、HPセンサ46が所定時間(0.6秒)内にオフしたことを検出できなかった場合、または、オフを検出したがその後にHPセンサ46がオン状態にならなかった場合は、異常と判断して初期チェック処理が異常終了する。
この初期チェック処理は、画像形成装置の電源が投入された際だけでなく、操作部202(図2)より制御ユニット200にジョブの開始通知された際にも行う。
ここで、上述した初期チェック処理が異常終了した場合としては、HPセンサ46の故障がある場合、駆動モータ300の故障(異常)がある場合が考えられるが、これらの場合においてシャッタ44a、44bの位置が不明である。この状態で印字動作を行い、冷却ファンを駆動させると、シャッタの位置と記録材Pの幅サイズによっては、記録材の通過する領域まで冷却されてしまう可能性があり、記録材に転写された画像の定着が十分なされずに排出されてしまう可能性がある。
このため、従来は、HPセンサ46の故障がある場合も、駆動モータ300の故障(異常)がある場合も印字動作を禁止する(装置を停止する)。あるいは、冷却ユニットの動作を停止させて、非接触領域の昇温を抑えるために生産性(スループット)を低下させて印字するしかなかった。
(シャッタ故障判断後の動作)
本実施形態では、上述した初期チェック処理が異常終了した場合の原因として、HPセンサ46の故障がある場合か、駆動モータ300の故障(異常)がある場合かを、後に詳述するように診断(特定)する。そして、HPセンサ300が故障の場合には、駆動モータ300の駆動方向と、温度センサの出力変化有無とに基づいて、ホームポジションの位置を見做す判断をする。これにより、装置を停止させて生産性を低下させることなく、駆動モータ300を用いて好ましいシャッタ位置へ駆動制御し、記録材の幅サイズに対応した定着部材における記録材の非通過域を送風により冷却することができる。
本実施形態では、HPセンサの故障か、あるいは駆動モータの異常か、を診断可能な診断モードを実行可能な実行部(CPU201a)を有し、図7に示す故障原因特定処理のフローチャートを詳細に説明する。なお、本実施例では、診断モードで実行される処理を故障原因特定処理と称するが、HPセンサの故障か、あるいは駆動モータの異常かを区別して判定可能なモードであれば、その呼び方は問わない。
図7に示す故障原因特定処理は、例えば印字動作中に初期チェックシーケンスが異常終了した場合に、そのまま実施してもよいし、故障原因特定を行いたいときに操作部202より、その実行を選択して実施してもよい。操作者は、操作部202を操作することにより、診断モードの実行キーを入力可能な画面に到達することができ、操作部202を介して診断モードの実行キーを入力することができる。すなわち、操作部202は、診断モードの実行命令(実行指示)を受け付ける受付部として機能する。
また、CPU201aは、例えば操作部202にメッセセージを表示するなどして、診断モードでの判定結果を操作者に報知する。具体的には、CPU201aは、診断モードの結果、HPセンサ46の故障であると判定した場合には、その旨を操作者に報知する。診断モードの結果、駆動モータの故障であると判定した場合には、その旨を操作者に報知する。
故障原因特定処理に入ると(S701)、まず温調制御を行う(S702)。ここでは、図3に示すように、定着ローラ5aが回っている状態で、メインサーミスタ31が所定温度になるようメインサーミスタ31の温度を監視しながら定着ローラ5aの加熱機構の2本のヒータ34、35を制御して加熱していく。本実施形態では、所定温度を180°とする。所定温度としては、冷却ファンの冷却風が定着ローラ5aにあてたときに短時間で温度変化率が分かる高温度が望ましい。
メインサーミスタ31が所定温度を検知すると、メインサーミスタ31とサブサーミスタ32、33の温度(冷却ファンを回す前の温度)を取得する(S703)。
次に、冷却ファン41a、41bを駆動させて(S704)、その後にメインサーミスタ31、サブサーミスタ32、33の各サーミスタの温度変化(各サーミスタにおいて送風前と送風後の温度変化)をサンプリングする(S705)。例えば100ms周期で10回サンプリングして、サンプリングした数値の最大値と最小値を外して平均温度を算出する(以下、サンプリング平均温度と記載する)。
次に、初期チェックシーケンスが終了した後、シャッタは閉方向に移動していたのか否かを確認する(S706)。具体的には、例えば、駆動モータ300の回転方向から確認する。
S706に関し、上述した図5(a)において異常終了だった場合は、シャッタ44a、44bを閉方向W(図4)に移動していたことになり、S706がYesの判断となる。また、図5(b)においてHPセンサ46がオフしたことを検出できなくて異常終了し場合は、シャッタ44a、44bを開方向Zに移動していたことになり、S706がNoの判断となる。
また、図5(b)でHPセンサ46がオフしたことを検出した後、駆動モータ300を閉方向Wに対応した回転方向W’へ回転させてもHPセンサ46がオンを検出できなくて異常終了した場合は、以下の判断となる。すなわち、シャッタ44a、44bを閉方向Wに移動していたことになり、S706がYesの判断となる。
S706の処理で、シャッタ44a、44bを閉方向Wに移動していた場合(S706、Yes)は、各サーミスタの冷却ファンを回す前(送風前)に取得した温度(S703)と、冷却ファンを回した後(送風後)のサンプリング平均温度をそれぞれ比較する。そして、変化量が所定の変化量以内であれば(S707、Yes)、図11(b)のように、シャッタ44a、44bは全閉していると判断して(冷却風が当たらない)、HPセンサ46の故障と診断(特定)する(S708)。
即ち、シャッタが駆動されシャッタ開口が開状態から閉状態に変化したにも拘らず、駆動モータ300を閉方向Wに応じた回転方向W’へ所定の速度で回転させてから所定時間(1.2秒)以内にHPセンサ46がオンしたことを検出できなかったからである。
本来、記録材を定着ローラ5aに接触していない状態で、シャッタ44a、44bが全閉の状態なら、冷却ファンを駆動しても送風後の温度は送風前の温度から殆ど変化しない筈である。よって、送風後のサーミスタ(31、32、33)の平均温度は送風前のサーミスタ(31、32、33)の取得温度と同等となる。本実施形態では、不安定な電圧環境下での動作時のバラつきを考慮して、所定変化量(S707のΔt1)をゼロではなく、5%以内とする。
Δt1が5%を超えている場合がサーミスタ(31、32、33)の中で一つでもあれば(S707、No)、冷却風が定着ローラ5aに当たっている状態と判断する。すなわち、図11(a)のように、シャッタ44a、44bが開いている状態と判断して、駆動モータ300の異常と診断(特定)する(S709)。シャッタが駆動されず、シャッタ開口が開状態から閉状態に変化せず開状態のままと考えられるからである。
一方、S706の処理で、シャッタ44a、44bは開方向Zに移動していた場合は(S706、No)、以下の通りである。すなわち、各サーミスタの送風前に取得した温度(S703)と、送風後のサンプリング平均温度をそれぞれ比較して、サブサーミスタ32、33の変化量が所定の変化量以上で有るか確認する(S710)。所定の変化量以上であれば(S710、Yes)、図11(d)のように、シャッタ44a、44bは全開していると判断すると共にセンサ故障と判断する(S711)(冷却風がサブサーミスタ32,33の端部に当たる)。
通常、記録材を定着ローラ5aに接触していない状態で、シャッタ44a、44bが全開の状態の場合、冷却ファンを回すと、定着ローラ5aの中央部には冷却風が当たらない(メインサーミスタの温度変化はない)。一方、定着ローラ5aの端部に冷却風が当たる(サブサーミスタ32、33は温度が低下していく)。
よって、サーミスタ(31、32、33)の平均温度は冷却ファンを回す前のサーミスタ(31、32、33)の取得温度に対して、メインサーミスタ31は同等、サブサーミスタ(32、33)は明らかに温度差が出る。本実施形態では、不安定な電圧環境下での動作時のバラつきを考慮して、所定変化量(S710、Δt2)を10%以上とする。
そして、シャッタ全開判断がされる場合(S711)、駆動モータ300の停止安定待ちを行った後(S712)、シャッタ44a、44bを閉方向Wへ駆動して、タイムアウト時間駆動させる。すなわち、シャッタ44a、44bをHPセンサ46の位置へ移動させる(S713)。その後、S703に戻すようにする。そして、上述したS707の判断を経て、センサ故障判断(S708)か、モータ異常判断(S709)か、異常終了の原因を診断する。
一方、S710で、サブサーミスタ32、33の変化量(温度差)が所定の変化量より小さい場合(S710、No)、モータの異常と診断する(S714)。シャッタが駆動されず、シャッタ開口が更なる開状態へ変化せず、元の状態のままと考えられるからである。
S710で、Δt2が10%未満の場合がサブサーミスタ(32、33)の中で一つでもあれば(S710、No)、冷却風が定着ローラ5aにあたっていない状態となる。すなわち、図11(c)のように、シャッタ44a、44bが閉じている状態と判断して駆動モータ300の異常と診断(特定)する(S714)。
以上、故障原因特定処理を実施すると、故障の原因が、HPセンサ46なのか、駆動モータ300なのかを診断(特定)して終了する(S715)。故障の原因が、HPセンサ46である場合には、シャッタがホームポジションで停止していると見做す判断をし、印字を継続することで生産性を低下させないようにできる。一方、故障の原因が、駆動モータ300である場合は、印字を停止する(S707に関するフローを図8に、またS710に関するフローを図9に示す)。
このように本実施形態では、故障原因特定処理による故障原因特定結果がHPセンサ46の故障の場合は、シャッタが停止している位置をホームポジション位置と見做し、HPセンサ46がシャッタを検知した場合の制御と同等の制御を行う。これについては、次の実施形態(第2の実施形態)に関する図8で、冷却ファンの作動を含め詳述する。
《第2の実施形態》
本実施形態においては、第1の実施形態における故障原因特定処理で原因を診断(特定)した後の処理について説明する。以下、図10のフローチャートを用いて説明する。
印字する条件が決定してジョブが開始されると、操作部202より制御ユニット200にジョブの開始が通知される(S801)。制御ユニット200の各制御部は、印字の準備を行うために前回転を実施する(S802)。そして、第1の実施形態で説明した初期チェックシーケンスの処理を行う(S803)。
通知を受信した操作部202は、図12に示すように表示画面101にメッセージを表示する。本実施形態では、故障原因特定処理(S701)でHPセンサ46の故障と判断した場合は、図12のメッセージ表示領域102にHPセンサ46の点検を促すメッセージを表示する。故障原因特定処理(S701)で駆動モータ300の異常と判断した場合は、図12のメッセージ表示領域102に駆動モータ300の点検を促すメッセージを表示する。尚、ネットワーク接続されている環境であれば、接続先のサーバへ故障原因特定結果を通知してもよい。
本実施形態において、故障原因特定処理を行った後も制御ユニット200の印字動作は継続され、画の作像、記録材Pへの転写処理に入る(S807)。ここで再び初期チェックシーケンス(S803)の処理が正常に終了したか否かを確認し(S808)、正常に終了していなかった場合は(S808、No)、故障原因特定処理による故障原因特定結果を参照する。
故障原因特定処理による故障原因特定結果がHPセンサ46の故障の場合は(S809、Yes)、シャッタが停止している位置をホームポジション位置にして、HPセンサ46がシャッタを検知した場合の制御と同等の制御を行う(S810)。記録材がB5の場合は駆動モータ300をシャッタの開方向Zへ駆動して、図6のB5サイズに該当する距離分(22mm)移動させた後、駆動モータ300を停止させ、第1の実施形態で説明した定着動作に入る(S811)。
そして、定着制御(S811)を行いながら、サブサーミスタ32、33によって定着ローラ5aの表面温度を監視する。サブサーミスタ32、33の温度が所定値(本実施形態では240度)以上になると(S812、Yes)、冷却ファン41a、41bは、制御ユニット200からの命令(動作を開始させる信号)を受けて駆動を開始する。そして、定着ローラ5a端部を冷却する(S813)。
一方、サブサーミスタ(32、33)の温度が所定の温度(本実施形態では240度)未満の場合(S812、No)、冷却ファン41a、41bを停止させて、端部冷却動作は停止する(S814)。
そして、S811〜S813の処理を最終紙まで繰り返す(S815)。最終紙の処理が終わった後、制御ユニット200の各制御部はジョブの動作終了処理を行い(S816)、ジョブは終了する(S817)。
ここで、(S809)のフローで特定が駆動モータ300の異常の場合は(S809、No)、第1の実施形態のように装置の停止を行うのでなく、以下のようにスループットを低下させて定着制御を行う(S818)。すなわち、サブサーミスタ(32、33)の温度が所定の温度(本実施形態では240度)以上になっても(S819、Yes)、制御ユニット200からの命令(動作を開始させる信号)を、冷却ファン41a、41bに対して発行しない。
そして、記録材の定着間隔を空けて(ニップ部に搬入される記録材の時間間隔を大きくする)、定着ローラ5aの端部昇温を防ぐ後述のスループットシーケンスでスループットダウン動作に入る(S820)。
一方、サブサーミスタ(32、33)の温度が所定の温度(本実施形態では240度)未満の場合(S819、No)、通常のスループット動作に戻す(S821)。そして、S818〜S819の処理を最終紙まで繰り返す(S822)。最終紙の処理が終わった後、制御ユニット200の各制御部はジョブの動作終了処理を行い(S816)、ジョブは終了する(S817)。
(スループットダウンシーケンス)
以下、スループットダウンシーケンスについて説明する。スループットダウン制御は、記録材Pが定着装置500を通過する際に定着ローラ5aの非接触領域が過度に温度上昇することを防止する目的で、生産性を低下させ、ページ間の間隔を広げて記録材Pが定着装置500を通過していない時間を増加させる。これにより、非接触領域の温度が低下し、さらに、接触領域と非接触領域の温度差を小さくする。
スループットダウンシーケンスによる生産性の低下の判断は、制御ユニット200で画像形成動作の1枚ごとに行われる。サーミスタ32、サーミスタ33により非接触領域の温度を検出し、温度が所定値よりも高い場合には、それまでの生産性から、一段階生産性を低下させる。生産性のテーブルの一例を図18に示す。
《第3の実施形態》
本実施形態は、シャッタを駆動する駆動モータ300の異常がある場合に関する。本実施形態は、駆動モータ300が異常でシャッタの駆動制御ができない状況下で、停止しているシャッタ位置を推測すると共に、記録材の幅サイズを勘案して冷却ファンの作動適否を判断するものである。
上述した初期チェックが完了しない原因として、駆動モータ300の故障が考えられる。
このとき、記録材のサイズと冷却領域が適切でなかった場合には、図19、図20に示すように、定着ローラの温度分布として好ましくない領域が生ずる可能性がある。その一方で、駆動モータ300の故障の場合はシャッタを動かすことはできないが、シャッタの停止位置と記録材Pの幅サイズによっては、記録材の通過する領域を冷却してしまうことがなく、生産性を低下させることなく印字を行うことが可能である。
そこで、本実施形態では、シャッタ機構が異常な状態となった場合に、現在停止しているシャッタの位置を推測する処理を実行する(図13のフローチャート)。そして、推測したシャッタ位置と、使用される記録材の幅に応じて適切な冷却動作を行う(図14のフローチャート)。それにより、現在のシャッタ位置で冷却可能な幅の記録材の印字をする場合には、シャッタの機構が正常な時と同様の生産性で印字を行うことが可能になる。
また、生産性を低下させることのない記録材のサイズを選出してユーザに通知することで、生産性を低下してしまう記録材の使用を低減させることができる。
(シャッタ位置推測制御)
図13を用いて、シャッタ駆動手段の故障時のシャッタ位置を推測する動作フローについて説明する。図13は、制御ユニット200によって各種機器の動作を制御することにより行われるシャッタ位置推測動作のフローチャートである。このシャッタ位置推測動作は、上述した初期チェック処理において、異常と判断された場合に、初期動作後自動的に実施される。
定着ローラ5a、加圧ローラ5bを駆動させACドライバ210を介してヒータ34、35への供給電力を制御することで、定着ローラ5aを幅方向に均一に加熱する(S601)。次に、冷却機構500の冷却ファン41a、41bを回転させる(S602)。このとき、シャッタ44a、44bの位置に応じて開いている開口部43a、43bを通るエアー(風)によって定着ローラ5aの所定の領域(長手方向の端部領域)が冷却される。ここで、定着ローラ5aに複数個設けられた(備え付けられた)サーミスタ(31、32、33)から検知温度を取得する(S603)。
本実施形態では、図3のように3つのサーミスタが備え付けられているので、3つのサーミスタ検出温度を取得する。次に、複数のサーミスタ検出温度のうち隣り合う2つの温度を比較ことによって、現在のシャッタ位置(冷却領域)を推測する。ここで、本実施形態で推測するシャッタ位置は、図21(A)(B)(C)に示される。シャッタの開口幅がサーミスタ33より外側(端部側)の場合をA、シャッタの開口幅がサーミスタ33とサーミスタ32の間の場合をB、シャッタの開口幅がサーミスタ32より内側(中央部側)をCとし、シャッタ位置がこれら3つの内いずれかを判断する。
サーミスタ31とサーミスタ32の温度を比較し(S604)、より中央部側にあるサーミスタ31の温度の方が10℃以上高い場合は、図21(C)のようにサーミスタ31とサーミスタ32の位置の間に冷却領域、非冷却領域の境界があると判断する。すなわち、シャッタ位置はCであり、図16の表より、シャッタ開口幅が45mmの位置にあると推測する(S605)。
一方、サーミスタ31とサーミスタ32の温度を比較し(S604)、より中央部側にあるサーミスタ31の温度の方が10℃以上高くない場合は、サーミスタ32とサーミスタ33の温度を比較する(S606)。そして、サーミスタ32の温度の方が10℃以上高い場合は、図21(B)のようにサーミスタ32とサーミスタ33の間に冷却領域、非冷却領域の境界があると判断する。そして、シャッタ位置はBであり、図16の表よりシャッタ開口幅が22mmの位置にあると推測する(S607)。
サーミスタ32とサーミスタ33の温度を比較し(S606)、より中央部側にあるサーミスタ32の温度の方が10℃以上高くない場合は、以下のように推測する。すなわち、図21(A)のように冷却領域はないと判断し、シャッタ位置はAであり、図16の表よりシャッタ開口幅は0mmの位置にあると推測する(S608)。
なお、本実施形態では、サーミスタの数を3つの場合を説明したが、サーミスタの数を規定するものではない。数が違っていても隣り合うサーミスタの温度を比較することで冷却領域と非冷却領域の境界がどこにあるかを推測すること可能であり、数が多いほどシャッタの位置をより正確に推測することが可能となる。
また長手方向の位置が異なるサーミスタの温度差として、隣り合うサーミスタの温度差の有無の判定で10℃という温度を設定したが、この値もこれに限定するものではない。ヒータの熱容量、冷却能力などによって異なる判断基準となるように、所定の温度差が設定される。
(推測されたシャッタ位置に応じた冷却制御)
次に、初期チェック処理が正常に終了せずシャッタに異常があると判断し、シャッタ位置予測動作を行った後の冷却動作について、図14のフローチャートに従い説明する。上述したシャッタ位置推測動作により推測されたシャッタの位置(開口幅)と、図6記載の初期チェック処理が正常だった場合に位置させるシャッタの開口幅を比較する。
画像形成する記録材のサイズを取得し(S808)、シャッタ推測位置の開口幅と、図6に示す記録材の幅サイズに対応した開口幅を比較し(S801)、同等であった場合は、冷却ファン41a、41bを駆動させ(S802)、印字動作を行う(S807)。
この場合は、図22(A)(B)(C)のように冷却ファン41a、41bの風が開口部43a、43bを通り定着ローラ5aに当たり冷却される冷却領域と、記録材の通過しない非通過領域の位置が合致する。そして、シャッタ機構が正常な時と同様の冷却を行うことが可能となり、生産性に関してもシャッタ機構が正常な時と同様の生産性を維持することができる。
一方、シャッタ推測位置の開口幅と記録材の幅サイズの開口幅が同等でなく、シャッタ推測位置の開口幅の方が記録材の幅サイズの開口幅よりも大きい場合は、冷却ファン41a、41bの駆動を禁止し(S804)、印字動作を行う(S807)。冷却ファン41a、41bの駆動を禁止するのは、定着ローラにおける記録材の通過域を冷却してしまうことを避けるためである。このように本実施形態では、記録材が通過する接触領域を冷却することがないため、接触領域の温度低下により画像品質を低下させることなく印字動作を行うことができる。
一方、シャッタ推測位置の開口幅と記録材の幅サイズの開口幅が同等でなく、シャッタ推測位置の開口幅の方が記録材の幅サイズの開口幅よりも小さい場合は、冷却ファン41a、41bを駆動させて(S806)、印字動作を行う(S807)。この場合は、非通過領域の範囲内を可能な限り冷却することが可能となり、冷却ファン41a、41bを停止させている時と比べて生産性の低下を軽減させる効果が見込める。
なお、シャッタ推測位置の開口幅の方が記録材の幅サイズの開口幅よりも小さい場合であって、以下のような場合は、冷却ファンの駆動を停止させても良い。すなわち、非接触領域の一部分のみを冷却ファンを駆動させて冷却動作を行うと、非接触領域で且つ冷却されない領域の最も高温になる部分の温度を検出することができず生産性の設定が難しくなる場合は、冷却ファンの駆動を停止させても良い。
また、本実施形態では、図16のようにシャッタ推測位置に対応したシャッタ開口幅を設定したが、図17のようにシャッタ推測位置に対応した、幅サイズに応じたシャッタ開口幅を設定しても良い。
本実施形態によれば、冷却装置が動作不良に陥った場合でも、記録材サイズと推測されたシャッタ位置とに基づいた冷却動作の判断をすることにより、可能な限り冷却ファンによる非接触領域の冷却を行うことができる。これにより、生産性の低下を抑えることができる。
《第4の実施形態》
本実施形態は、HPセンサ46に故障がある場合に関する。本実施形態では、第3の実施形態で述べたようにシャッタ位置を推測すると共に、推測されたシャッタ位置を基準に、駆動モータ300を用いて好ましいシャッタ位置へシャッタを駆動制御するものである。
初期チェックシーケンスが正常に終了せず、シャッタ機構に異常があると判断した場合に、第1の実施形態で説明したシャッタの故障原因特定処理(図7)を行う。そして、シャッタの基準位置を検知するHPセンサ46の故障であって、シャッタ自体の駆動が可能であると判断した場合には、第3の実施形態で説明したシャッタ位置推測動作により推測したシャッタ位置を基準に、シャッタを移動させて冷却制御を行う。
なお、本実施形態では、シャッタ異常の要因を診断(特定)する動作については、第1の実施形態で説明したものと同様のため、説明は省略する。
以下、本実施形態において、HPセンサ46の故障時の冷却動作について、図15を参照して動作フローを説明する。前述の異常要因の特定動作(図7)を実施し(S901)、シャッタ位置推測動作(図13)を行う(S902)。異常要因がHPセンサ46であった場合(S903,Yes)、第3の実施形態で説明した推測動作によって現在シャッタ位置を推測する。そして、シャッタの移動先の目標位置(図6の通紙される記録材のサイズに応じて設定されているシャッタの開口幅)から、現在のシャッタ位置からの移動量を算出し(S904)、差分量シャッタを移動させる(S905)。
本実施形態では、ホームポジション位置(全閉状態)を0mmの基準位置として、そこからZ方向(開く方向)への移動量で位置を示している。すなわち、シャッタ位置(開口幅)>記録材(開口幅)の場合は、「シャッタ位置―紙幅」の距離分だけシャッタをW(閉じ)方向へ移動させる。また、シャッタ位置(開口幅)<記録材(開口幅)の場合は、「紙幅―シャッタ位置」の距離分だけシャッタをZ(開き)方向へ移動させる。
一例として、シャッタ推測位置がB(開口幅=22mm)で、通紙する記録材のサイズがLGL(開口幅=42mm)であった場合は、以下のようになる。すなわち、LGL(開口幅=42mm)−シャッタ推測位置がB(開口幅=22mm)=20mmで、移動量の差分は20mmであり、移動方向はZ(開き)方向となる。
次に、冷却ファンを駆動させ(S906)、印字動作を行う(S907)。
一方、異常要因がHPセンサ46ではなかった場合(S903,No)、推奨する記録材サイズを選出する(S908)。推奨する記録材サイズとは、シャッタを移動させることなく現在のシャッタ位置で適切に冷却可能な記録材のサイズである。本実施形態では、図17のようにシャッタ推測位置と各推測位置において適切に冷却できる記録材サイズの対応表を定義しておき、シャッタ推測位置に応じて推奨する記録材サイズを決定する。そして、、推奨する記録材サイズを、操作部202に図23のように表示させ、ユーザへ通知する(S909)。
そして、第3の実施形態で説明したように、駆動モータ300の異常がある場合であるため、シャッタの移動は行わず、推測したシャッタ位置を基に記録材のサイズに応じた冷却制御(図14)を行う(S910)。
以上のように、シャッタ位置をHPセンサ46で検出できない場合でも、推測したシャッタ位置を基準にシャッタを駆動制御することによって、記録材の幅に応じた非接触領域を適切に冷却することが可能になる。また、シャッタが移動できない場合においては、非接触領域を適切に冷却可能な記録材のサイズをユーザに通知することにより、ユーザが生産性の低下するサイズの記録材の使用を控えることが可能となり、ユーザの満足度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、シャッタ位置推測動作を行った後にシャッタを移動させて終了しているが、移動後に、もう一度シャッタ位置推測動作と差分量のシャッタ移動を繰り返しても良い。これによって、移動後のシャッタ位置の確認も行え、シャッタ位置の信頼性を高めることもできる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、HPセンサ46の配置が冷却領域が全閉する方向(端部側)であり、シャッタがHPセンサ46に近づく方向(第1の方向)の場合、温度変化量が所定値より小さい場合、シャッタ駆動は正常でHPセンサ46の故障と判断された。逆に、温度変化量が所定値より小さくない場合は駆動モータ300の異常と判断された。
また、シャッタがHPセンサ46から遠ざかる方向(第2の方向)の場合、温度変化量が所定値より小さくない場合、シャッタ駆動は正常でHPセンサ46の故障と判断された。逆に、温度変化量が所定値より小さい場合は駆動モータ300の異常と判断された。
しかしながら、HPセンサ46の配置が上述した配置とは逆で冷却領域が全開する方向(中央部側)にある場合は、判断される原因も逆となる。
すなわち、シャッタがHPセンサ46に近づく方向(第1の方向)の場合、温度変化量が所定値より小さくない場合、シャッタ駆動は正常でHPセンサ46の故障と判断される。逆に、温度変化量が所定値より小さい場合は駆動モータ300の異常と判断される。
また、シャッタがHPセンサ46から遠ざかる方向(第2の方向)の場合、温度変化量が所定値より小さい場合、シャッタ駆動は正常でHPセンサ46の故障と判断される。逆に、温度変化量が所定値より小さくない場合は駆動モータ300の異常と判断される。
(変形例2)
上述した第1の実施形態のS707において、シャッタ全閉状態を共通のサーミスタの送風前と送風後の温度変化が所定値以内であることにより判断したが、サブサーミスタ32、33の温度変化が所定値以内であることにより判断しても良い。
(変形例3)
上述した実施形態では、温度取得手段としてサーミスタを長手方向に3つ使用しているが、長手方向に設けられるサーミスタの個数を3つに限定したものではなく、例えば2つのサーミスタ構成でも本発明における原因を診断(特定)する処理は実現できる。
(変形例4)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する装置を例に説明したが、本発明は、これに限られない。画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶものとする)にも、同様に適用可能である。
(変形例5)
上述した実施形態では、制御ユニット200と操作部202を使用して、ジョブの開始や故障原因特定通知などの通信のやり取りを行っているが、本発明はこの構成に限られない。例えば、ネットワークを介して制御ユニット200と通信する手段を用いても良い。
5a・・定着ローラ、5b・・加圧ローラ、32、33・・サブサーミスタ、34、35・・ヒータ、41a、41b・・冷却ファン、44a、44b・・シャッタ、46・・ホームポジションセンサ(HPセンサ)、200・・制御ユニット、201a・・CPU、300・・シャッタ駆動モータ(駆動モータ)

Claims (16)

  1. 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により形成されたトナー画像を記録材に定着するニップ部を形成する第1及び第2の定着部材と、
    前記第1の定着部材の長手方向における端部領域を送風により冷却する送風手段と、
    前記第1の定着部材の温度を取得するために、前記第1の定着部材の前記端部領域に対応して少なくとも1つ設けられる温度取得手段と、
    前記送風手段による風を前記端部領域に送り込むためのダクトの開口部と、
    前記長手方向における前記開口部の開口幅を変更可能なシャッタ部材を有し、前記シャッタ部材を前記長手方向に移動させることにより前記送風手段の前記長手方向における送風領域を変更するシャッタ機構と、
    前記シャッタ部材の位置を移動させるべく前記シャッタ機構を駆動する駆動手段と、
    前記シャッタ部材の位置を検知する位置検知手段と、
    前記位置検知手段の出力に基づき、前記駆動手段を制御する制御部と、
    を有し、
    前記駆動手段の故障と前記位置検知手段の故障とを区別して診断可能な診断モードを実行する実行部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記診断モードの実行指示を受け付ける受付部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 操作者からの指示を入力可能な操作部と、を有し、
    前記操作部は、前記診断モードの実行指示を受け付け可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記実行部は、前記制御部が前記駆動手段を動作させてから所定の時間が経っても前記位置検知手段の信号変化がない場合、前記診断モードを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記診断モードの結果、前記駆動手段の故障であると診断した場合、前記駆動手段の故障であることを操作者に報知する報知部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記報知部は、前記診断モードの結果、前記位置検知手段の故障であると診断した場合、前記駆動手段の故障であることを操作者に報知することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段は前記開口部が全閉する方向に配置され、前記駆動手段の駆動方向として前記シャッタ部材が前記位置検知手段に近づく第1の方向に駆動され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さい場合、前記位置検知手段の故障と診断され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さくない場合、前記駆動手段の異常と診断されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段は前記開口部が全閉する方向に配置され、前記駆動手段の駆動方向として前記シャッタ部材が前記位置検知手段から遠ざかる第2の方向に駆動され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さくない場合、前記位置検知手段の故障と診断され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さい場合、前記駆動手段の異常と診断されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段は前記開口部が全開する方向に配置され、前記駆動手段の駆動方向として前記シャッタ部材が前記位置検知手段から近づく第1の方向に駆動され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さくない場合、前記位置検知手段の故障と診断され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さい場合、前記駆動手段の異常と診断されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段は前記開口部が全開する方向に配置され、前記駆動手段の駆動方向として前記シャッタ部材が前記位置検知手段から遠ざかる第2の方向に駆動され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さい場合、前記位置検知手段の故障と診断され、前記温度取得手段による温度差が所定値より小さくない場合、前記駆動手段の異常と診断されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段の故障と診断される場合、
    前記制御部は、前記シャッタ部材の位置を基準位置と見做して、前記シャッタ部材の前記長手方向における位置を記録材の幅に応じて制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段の異常と診断される場合、
    前記温度取得手段による温度差とは、共通の前記送風手段における送風前と送風後の温度差、あるいは前記長手方向で異なる位置に設けられる異なる前記温度取得手段における温度差であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記診断モードにおいて、前記駆動手段の異常と診断される場合であって、
    前記第1の定着部材の前記長手方向における端部領域が所定値以上の温度であるとき、前記送風手段を作動させずに、前記ニップ部に搬入される前記記録材の時間間隔を大きくしてスループットを低下させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記診断モードにおいて、前記駆動手段の異常と診断される場合であって、
    前記温度取得手段は、前記第1の定着部材の長手方向の位置に対応して異なる位置に複数個設けられ、
    前記シャッタ部材の位置を温度差が所定値以上となる異なる前記温度取得手段の間にあると推測し、
    前記記録材の幅サイズに基づいて、前記送風手段の作動適否を判断することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記診断モードにおいて、前記位置検知手段の故障と診断される場合であって、
    前記温度取得手段は、前記第1の定着部材の長手方向の位置に対応して異なる位置に複数個設けられ、
    前記シャッタ部材の位置を温度差が所定値以上となる異なる前記温度取得手段の間にあると推測し、
    前記推測された位置を基準として、前記制御部を制御することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. トナー画像を記録材に定着するニップ部を形成する第1及び第2の定着部材と、
    前記第1の定着部材の長手方向における端部領域を送風により冷却する送風手段と、
    前記第1の定着部材の温度を取得するために、前記第1の定着部材の前記端部領域に対応して少なくとも1つ設けられる温度取得手段と、
    前記送風手段による風を前記端部領域に送り込むためのダクトの開口部と、
    前記長手方向における前記開口部の開口幅を変更可能なシャッタ部材を有し、前記シャッタ部材を前記長手方向に移動させることにより前記送風手段の前記長手方向における送風領域を変更するシャッタ機構と、
    前記シャッタ部材の位置を移動させるべく前記シャッタ機構を駆動する駆動手段と、
    前記シャッタ部材の位置を検知する位置検知手段と、
    前記位置検知手段の出力に基づき、前記駆動手段を制御する制御部と、
    を有し、
    前記駆動手段の故障と前記位置検知手段の故障とを区別して診断可能な診断モードを実行する実行部と、を有することを特徴とする定着装置。
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