JP5891938B2 - 定着装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Description
定着装置の熱源には、従来、ハロゲンヒータが多く採用されてきたが、近年、ハロゲンヒータよりも省エネルギー化を図れる電磁誘導加熱方式のものが注目されている。
消磁コイルによる、励磁コイルから発せられる磁束を打ち消す動作は、スイッチ素子を用いて消磁コイルを開状態から閉(短絡)状態に切り替えることにより実行される。
このようなスイッチ素子の耐久性の低下を防止する方法として、励磁コイルへの電力供給を一旦停止して、スイッチ素子による消磁コイルの開から閉への切り替えを行った後、励磁コイルへの電力供給を再開する方法が考えられる。
ここで、前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる前記温度情報には、幅方向長さが第1の長さに、温度T3が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T3よりも低い温度T4が対応付けされた情報とが含まれるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、シート上に形成された画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、前記定着部として、上記の定着装置を備えることを特徴とする。
(1)プリンター1の全体構成
図1は、プリンター1の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンター1は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40および制御部50を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
カラーのプリントを実行する場合には、作像部10M〜10K毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム11上に作像され、その作像されたトナー像それぞれが中間転写ベルト21上に一次転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト21の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
各色トナー像が二次転写された後の用紙Sは、定着部40まで搬送される。
定着部40は、電磁誘導加熱(IH)方式によるものであり、搬送されて来る用紙Sを加熱、加圧して、用紙S上の各色トナー像を用紙Sに定着させる。定着後の用紙Sは、排出ローラー対33を介して排出トレイ34上に排出される。
プリンター1の本体の正面側の、ユーザーの操作し易い位置には、操作部60が配置されている。操作部60は、給紙カセット31に収容されている用紙Sのサイズ(A4やB4など)のユーザーからの設定入力などを受け付けるキーやタッチパネル式の液晶表示部などを備えている。受け付けた用紙サイズの情報などは、制御部50に送られる。
(2)定着部40の構成
図2は、定着部40の構成を示す斜視図であり、図3は、定着部40の概略平面図であり、図4は、図3のD−D線における定着部40の矢視横断面図である。なお、図2では、構成を判り易くするために一部を切り欠いて示している。また、図3は、図2に示すカバー139を取り外した状態になっている。
定着ローラー101は、外径が約35〔mm〕であり、芯金111(図4(a))の周囲に断熱層112が形成されてなるローラー本体110と、ローラー本体110の外周に嵌め込まれたスリーブ113とから構成される。
スリーブ113は、図4(b)に示すように、断熱層112側から電磁誘導発熱層(以下、「発熱層」という。)115、弾性層116、離型層117の順に積層されてなる。
発熱層115は、厚みが約0.2〔mm〕であり、ニッケルまたはステンレスからなる層が銅からなる層の両側を挟むようにしてなる3層構造になっており、磁束発生部103から発せられる磁束により発熱する。なお、発熱層115の材料は、電磁誘導発熱するものであれば上記のものに限られず、例えばニッケル単層などとすることもできる。
定着ローラー101の軸方向(用紙Sの幅方向に相当)長さは、最大サイズ、例えばA3サイズの用紙が縦方向(用紙の長辺が用紙搬送方向に平行な方向に搬送されるときの用紙の向き)に通紙された場合における用紙の幅方向長さよりも長くなっている。以下、用紙を縦方向に搬送することを縦通紙という。図2では、最小サイズのB5サイズの用紙が縦通紙されている様子を示している。
芯金121は、アルミニウム等からなり、弾性層122は、シリコンスポンジゴム等からなり、離型層123は、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。
磁束発生部103は、励磁コイル131と、メインコア132と、裾コア133と、消磁コイル136a、136bと、コイルボビン138およびカバー139を有し、定着ローラー101の軸方向に沿うように延設される。
励磁コイル131、メインコア132、裾コア133、消磁コイル136a、136bは、コイルボビン138の、定着ローラー101側とは反対側の面に配置される。
この発熱量が、定着ローラー101の軸方向にどの位置でも略均一になるように、励磁コイル131、メインコア132や裾コア133の大きさ、形状等が設定されている。
消磁コイル136a、136bは、励磁コイル131の、定着ローラー101の両端部に対応するコイル部分に重ねられるようにして配置されている。
消磁コイル136a、136bは、IH電源部106により開放から短絡状態に切り替えられることにより、励磁コイル131から発せられている磁束の一部を打ち消す方向の磁界を発生させて、定着ローラー101の発熱層115のうち、消磁コイル136a、136bに対応する部分の発熱を抑制させる。
同図に示すように、消磁コイル136a、136bは、縦通紙されるA4サイズの用紙Sが定着ニップNを通過する領域(A4T幅)よりも少し幅広の領域Gaを挟んで両外側の領域Gb,Gbに対応する位置に配されている。本実施の形態では、消磁コイル136a、136bにより定着ローラー101の発熱層115の領域Gb,Gbに相当する部分の発熱が抑制される。以下、消磁コイル136a、136bを区別して説明する必要がない場合には、消磁コイル136と総称し、励磁コイル131から発せられる磁束を打ち消すことを消磁という。
中央部温度センサー104は、不図示のフレームに取着され、定着ローラー101の軸方向中央部における表面温度(定着ローラー中央温度)を検出する。この中央部は、搬送路32上における幅方向略中央の位置に相当する。本実施の形態では、上記のようにセンター基準の搬送方式なので、当該中央部は、どのサイズの用紙Sが使用される場合でもその用紙Sの幅方向中央の位置に一致し、通紙領域内に位置することになる。
制御部50の定着制御部55(図6参照)は、各温度センサーからの検出信号により現在のローラー温度を検出する。本実施の形態では、中央部温度センサー104の検出信号に基づき定着ローラー中央温度が定着温度T0(定着に必要な温度:例えば180〔℃〕)に維持されるように励磁コイル131への電力供給を制御する(プリント温調制御)。
また、端部温度センサー105の検出信号に基づき、消磁コイル136a、136bによる消磁動作の開始と停止を制御する。この制御については、後述する。
図6は、制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部50は、主な構成要素として通信インターフェース(I/F)部51と、CPU52と、ROM53と、CPU52のワークエリアとなるRAM54および定着制御部55を備え、相互に信号をやりとりできるようになっている。
CPU52は、ROM53から必要なプログラムを読み出して、画像プロセス部10、中間転写部20、給送部30などの動作をタイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。また、操作部60からの信号を参照して、例えばユーザーにより入力された用紙サイズの情報から使用される用紙Sのサイズを判断する。
(4)定着制御部55とIH電源部106の構成
図7は、定着制御部55とIH電源部106の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、定着制御部55は、励磁コイル制御部91と、消磁コイル制御部92と、温度設定テーブル93および端部温度情報記憶部94を有する。
励磁コイル制御部91は、中央部温度センサー104の検出信号に基づき、定着ローラー101が定着温度T0に維持されるように、IH電源部106のコイル駆動部151に対して駆動指示と停止指示を行う。この駆動指示には、励磁コイル131への供給電力Pの大きさが含まれる。
消磁コイル制御部92は、端部温度センサー105の検出信号に基づき、IH電源部106の切替制御部152に対して消磁コイル136a,136bの開(開放)と閉(短絡)の切替指示を行う。
消磁切替スイッチ153は、消磁コイル136の開閉を切り替えるスイッチであり、切替制御部152の指示により、消磁コイル136が並列接続される回路を断続する。すなわち、消磁切替スイッチ153がオンになり閉回路が形成されると、消磁コイル136が閉になり(短絡)、消磁作用が働く状態になる。一方、消磁切替スイッチ153がオフになり閉回路が切断されると(回路が開いた状態に切り替わると)、消磁コイル136が開になり(切断)、消磁作用が働かない状態になるようになっている。
切替制御部152は、消磁切替スイッチ153のオフ(開)からオン(閉)への切替、オンからオフへの切り替えを行うと、切り替えが完了したこと、および開と閉のいずれの状態にあるかを示す切替完了を消磁コイル制御部92に通知する。
温度設定テーブル93は、消磁動作を開始する条件となる定着ローラー端部温度を示す消磁動作温度情報と、消磁動作を停止する条件となる定着ローラー端部温度を示す消磁停止温度情報とが書き込まれてなるテーブルであり、記憶部に格納されている。
図8(a)に示すように、消磁動作温度情報は、用紙幅Wに消磁動作温度Tuを対応付けた情報であり、図8(b)に示すように、消磁停止温度情報は、用紙幅Wに消磁停止温度Tfを対応付けた情報である。この対応付けを行う理由については、後述する。
定着制御部55は、消磁動作を開始する場合、励磁コイル131への電力供給を停止してから、消磁切替スイッチ153により消磁コイル136を開から閉に切り替えた後、励磁コイル131への電力供給を再開する制御(第1制御)を実行する。
すなわち、第1制御では、ジョブ実行中に消磁コイル136の開から閉への切り替えのために励磁コイル131への電力供給を一旦停止させるので、その一旦停止の間に発熱層115が発熱しなくなり、一時的に定着ローラー101の温度が定着温度T0よりも大幅に低下してしまうことが生じる。励磁コイル131への電力供給の停止と再開のタイミングと、定着ニップNを通過する用紙Sの搬送タイミングによっては、電力供給の停止により定着ローラー101の温度が低下した部分が定着ニップNに至る時期と、連続通紙される1枚の用紙Sが定着ニップNを通る時期とが一致する場合があり、このようになると、その1枚の用紙Sに対しては熱定着に必要な熱量を与えることができず、用紙S上のトナー像を不十分な熱量でしか定着を行えなくなるからである。
(5)定着温調の制御方法の説明
図9(a)は、本実施の形態における定着温調の制御方法を用いる場合の実施例を示すタイミングチャートであり、図9(b)は、本実施の形態における制御方法を用いない場合の比較例を示すタイミングチャートである。
なお、励磁コイル131のオンは、ローラー中央部温度Tcが定着温度T0に維持されるように供給電力を可変する制御を含むものである。また、同図中の「通紙」とは、1枚の用紙Sごとに、その先端が定着ニップNに到達してからその後端が定着ニップNを通過するまでの時間tyに相当し、「紙間」とは、用紙間隔、すなわちn枚目の用紙Sの後端が定着ニップNを通過してから次の(n+1)枚目の用紙Sの先端が定着ニップNに到達するまでの時間txに相当する。従って、紙間は、用紙Sが定着ニップNに存在していない時間、通紙は、用紙Sが定着ニップNを通っている時間ということになる。また、「S1」〜「S4」の数値は、連続通紙される各用紙Sの搬送順(nに相当)を示している。
励磁コイル131のオフを契機に、これ以降、ローラー端部温度Teの上昇が下降に転じ、ローラー中央部温度Tcが定着温度T0からやや減少する。
励磁コイル131のオンからオフへの切り替わり直後の時点t2になると、消磁切替スイッチ153の動作により消磁コイル136がオフからオンに切り替わる。励磁コイル131のオフにより励磁コイル131への電力供給が停止されているので、消磁切替スイッチ153による切り替えが実行される時点t2では、消磁コイル136に誘導電流が流れておらず、切替スイッチ153の開閉用の接点に電気的負荷がかかることがない。
この理由を、図10を用いて説明する。
図10(a)に示す定着ローラー101の周(回転)方向における領域Qは、励磁コイル131による定着ローラー101の主な発熱領域を示している。この発熱領域Qは、定着ローラー101(発熱層115)の一周のうち、励磁コイル131から発せられる磁束により熱定着に最低限必要な熱量以上の熱量を発することができる領域に相当し、位置Q1が当該領域の回転方向下流端、位置Q2が回転方向上流端になる。
時点t1になると励磁コイル131がオンからオフに切り替わる(第1制御の開始)。
紙間txの時間内では、定着ニップNに用紙Sが存在せず、紙間txの時間内における時点t1の直後の時点2で消磁コイル136がオフからオンに切り替えられる。
ここで、検出位置Dpから定着ニップNの入口Nxまでの搬送路上の距離をLa、定着ローラー101の周面の位置Q1から回転方向に定着ニップNの入口Nxまでの周面上の距離をLb、用紙Sの搬送速度Vが定着ローラー101の周速Vと同じとしたとき、La>Lbの関係を有する構成になっている。これにより、次の用紙S2の先端Pyが定着ニップNに到達する時点(紙間txの終了)では既に定着ローラー101の発熱部分Hが定着ニップ(位置)Nに至っている状態になり、用紙S2の定着性が低下することがない。
ところが、仮に紙間txの終了直前、例えば用紙S2の先端Pyが定着ニップNの入口Nxに到達する直前に励磁コイル131をオンすれば、用紙S2の先端Pyが定着ニップNに入ってから、定着ローラー101の発熱部分Hが遅れて定着ニップNに到達する事態が生じる場合がある。このようになると、用紙S2の先端部分に対して定着に必要な熱が付与されずに定着性が低下してしまうおそれがある。
本実施の形態では、第1制御の開始が時点t1(先行する用紙Sの後端Pxが定着ニップNを通過した時点に相当)、その終了が時点t3(次の用紙Sの先端Pyが検出位置Dpに到達した時点)に設定されている。
例えば、時点t1を、用紙S1の後端Pxが定着ニップNの入口Nxを通過する時点(上記よりも少し早め)にすることもできる。この場合、紙間ではなく通紙中に励磁コイル131がオフされることになるが、用紙S1の後端Pxが定着ニップNを通過した後に、温度低下領域Jが定着ニップNに至ることになるので、定着性が低下することはない。従って、紙間に限られることもない。
励磁コイル131のオンからオフへの切り替わり直後の時点t12になると、消磁切替スイッチ153の動作により消磁コイル136がオンからオフに切り替わる。励磁コイル131への電力供給が停止されているので、消磁切替スイッチ153による切り替えが実行されても、切替スイッチ153の接点に電気的負荷がかかることがない。
なお、第2制御の実行タイミングは、これに限られず、上記の第1制御と同様に、第2制御により励磁コイル131への電力供給の停止の間に発熱されなくなる定着ローラー101の温度低下領域Jが、定着ニップ(位置)Nをm枚目の用紙Sより後かつ(m+1)枚目の用紙Sより前に通過するようになる第2の時間内のタイミング(第2のタイミング)であれば良い。なお、mは、nよりも大きい正の整数である。
なお、図9(a)に示す実施例による制御方法では、定着ローラー101のローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを少し超え(オーバーシュート)、消磁停止温度Tfを少し下回る(アンダーシュート)ことになるが、これを見越して予め、オーバーシュートとアンダーシュートしたときの温度をローラー端部温度Teの上限温度と下限温度に設定しておくことにより、温度変化が上限から下限までの温度域内に収まるように制御することが可能になる。
図8(a)に示すように消磁動作温度情報は、異なる用紙幅Wに対して異なる消磁動作温度Tuを対応付けた情報であり、例えば190≦用紙幅W<215〔mm〕の範囲に対して240〔℃〕が対応し、240≦用紙幅W<265〔mm〕の範囲に対して230〔℃〕が対応している。ここで、190≦用紙幅W<215〔mm〕の範囲には、A4サイズの用紙(A4用紙)を縦通紙する場合が含まれ、240≦用紙幅W<265〔mm〕の範囲には、B4サイズの用紙(B4用紙)を縦通紙する場合が含まれる。
図11(a)は、A4サイズの用紙(A4用紙)を縦通紙する場合の定着ローラー101の軸方向における表面温度の分布を示す図であり、図11(b)は、B4サイズの用紙(B4用紙)を縦通紙する場合の定着ローラー101の表面温度の分布を示す図である。
図11(a)に示すようにA4用紙は、その用紙幅A4Tが210〔mm〕になり、その幅方向両側の側縁(長辺)が搬送路32の中央CLを挟んで105〔mm〕の位置を通過するように搬送される。
一方、消磁作用が働いていないときには、実線で示すように非通紙領域の温度が全体的に定着温度よりも高くなり、そのピークが240〔℃〕近辺まで上昇している。このピークの軸方向における位置は、端部温度センサー105の検出位置Dwに略一定しているので、A4用紙の場合、そのピーク値を検出することができる。
また、消磁停止温度Tfについては、図8(b)に示すように、A4用紙では180〔℃〕に、B4用紙では220〔℃〕にそれぞれ予め設定しておけば、異なるサイズの用紙に対して、それぞれ消磁作用を停止させる条件を満たしたことを判断することが可能になる。これらのことは、他のサイズについても同様である。
また、用紙幅W<190〔mm〕を満たす用紙Sは、極端に小さいサイズであることから、常時、消磁作用を働かせるべく、消磁動作温度Tuが最小の100〔℃〕に設定されている。なお、消磁作用が常時、働くことから消磁停止温度Tfは未設定になっている。
図12は、定着温調制御の処理内容を示すフローチャートであり、当該処理は、定着制御部55により実行される。
同図に示すようにプリンター1の電源スイッチがオンされると(ステップS1)、励磁コイル131への電力供給を開始させる(ステップS2)。これにより、定着部40の定着ローラー101の発熱が開始され、定着部40のウォームアップが開始される。
ウォームアップの終了を判断すると(ステップS3で「YES」)、スタンバイ温調制御に移る(ステップS4)。スタンバイ温調制御は、定着ローラー101の表面温度が定着温度T0よりも少し低いスタンバイ温度、例えば160〔℃〕に維持する制御である。
消磁コイル136がオフ状態であることを判断すると(ステップS5で「YES」)、切替制御1を実行して(ステップS6)、ステップS8に移る。一方、消磁コイル136がオン状態であることを判断すると(ステップS5で「NO」)、切替制御2を実行して(ステップS7)、ステップS8に移る。切替制御1は、消磁コイル136のオフからオンへの切り替えを含む制御であり、切替制御2は、消磁コイル136のオンからオフへの切り替えを含む制御であるが、これらの詳細については、後述する。
プリントジョブが実行されていないときには(ステップS8で「NO」)、ステップS4に戻り、スタンバイ温調制御を実行する。
プリントジョブが実行されているときには(ステップS8で「YES」)、プリント温調制御を実行する(ステップS9)。プリント温調制御は、中央部温度センサー104の検出結果に基づき定着ローラー中央温度を定着温度T0に維持する制御である。
従って、ジョブ実行中にも、スタンバイ中と同様に切替制御1と2のいずれかが実行されることになる。また、複数枚の用紙Sを1枚ずつ連続通紙するジョブ実行中であれば、ステップS10において1枚の用紙Sごとに、その用紙Sが定着ニップNを抜けるときに検出された定着ローラー端部温度の履歴が端部温度情報として蓄積される。この定着ローラー端部温度の履歴は、切替制御1と2で用いられる。
図13は、切替制御1のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように使用されている用紙Sの用紙サイズを取得する(ステップS61)。
用紙サイズの取得は、操作部60からユーザーによる入力されたサイズ情報を取得することにより行われる。なお、ユーザーによる入力に限られず、例えば用紙サイズを検知するセンサーからその検知結果を用紙サイズとして取得する構成をとるようにしても良い。
この補正方法を、図14を用いて説明する。
図14は、ジョブ実行中に上昇するローラー端部温度Teの推移の様子を例示するタイミングチャートである。同図では、同じジョブ実行中に(n−1)枚目の用紙S、n枚目の用紙S、(n+1)枚目の用紙Sがこの順に間隔をおいて定着ニップNを通過して、n枚目の用紙Sの後端が定着ニップNを抜ける時点tpを現在として、先行の(n−1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜ける過去の時点をtq、次に定着ニップNに至る予定の(n+1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜ける未来の時点をtrとしている。
なお、上記では、消磁動作温度Tuを温度変化量Δだけ低くする補正を行うとしたが、これに限られず、温度上昇率に基づき下げる方向に補正をかける構成をとれば、補正を行わない構成よりも消磁作用の働きを早めることができる。
なお、図9では、第1制御が消磁動作温度Tuに基づいて実行されることを解り易くするため、補正前の消磁動作温度Tuを用いた場合の例を説明したが、本実施の形態では、補正後の消磁動作温度に基づき第1制御が実行される。このことは、後述の消磁停止温度Tfについても同様であり、補正後の消磁停止温度に基づいて第2制御が実行される。
Te1≧Tuaであれば(ステップS64で「YES」)、現在が第1の時間内またはスタンバイ中であるか否かを判断する(ステップS65)。現在が第1の時間内またはスタンバイ中であれば(ステップS65で「YES」)、消磁作用を働かせる条件が満たされたとして、第1の時間内の第1のタイミングで第1制御を実行、すなわち励磁コイル131への電力供給を停止してから(ステップS66)、消磁コイル136をオフからオンに切り替えた後(ステップS67)、励磁コイル131への電力供給を再開して(ステップS68)、リターンする。
なお、現在が第1の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合とは、ジョブ実行中で消磁コイル136がオフされている時間帯のうち、第1の時間以外の時間、主に用紙Sが定着ニップNを通過している時間帯に現在が属している場合である。
図15は、切替制御2のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように使用されている用紙Sの用紙サイズを取得する(ステップS71)。
そして、取得した用紙サイズに対応する消磁停止温度Tfを温度設定テーブル93から読み出す(ステップS72)。例えば、図8(b)の消磁停止温度設定テーブルの例の場合、B4サイズの用紙に対して消磁停止温度Tfとして220〔℃〕が読み出される。
この消磁停止温度Tfの補正は、消磁動作温度Tuの補正と同様の考えによるものである。すなわち、ジョブ実行中に消磁作用により下降するローラー端部温度Teの下がりすぎを防止するために、消磁停止温度Tfに対し、その温度低下率に基づき上げる方向に補正をかけて、補正をしない場合よりも消磁作用の停止時期を早めようとするものである。
この温度変化量ΔTの絶対値の分だけ、消磁停止温度Tfを高くする補正、例えば消磁停止温度Tfが220〔℃〕、温度変化量ΔTが−5〔℃〕であれば、消磁停止温度Tfを225〔℃〕に補正する。以下、補正後の消磁停止温度をTfaという。
これ以降、消磁作用の停止により、ローラー端部温度Teが下降から上昇に転じるようになり、(n+1)枚目の用紙Sが定着ニップNを通過するときにローラー端部温度Teが下がりすぎることが防止される。
従って、消磁停止温度Tfの補正により、通紙領域B4Tの両端部の温度が定着に必要な温度域よりも低くなる前に消磁作用を停止して、その温度を下降から上昇に転じさせるようにすることで、必要な定着性を確保することができるようなる。
Te1≦Tfaであれば(ステップS74で「YES」)、現在が第2の時間内またはスタンバイ中であるか否かを判断する(ステップS75)。現在が第2の時間内またはスタンバイ中であれば(ステップS75で「YES」)、消磁作用を停止させる条件が満たされたとして、第2の時間内の第2のタイミングで第2制御を実行、すなわち励磁コイル131への電力供給を停止してから(ステップS76)、消磁コイル136をオンからオフに切り替えた後(ステップS77)、励磁コイル131への電力供給を再開して(ステップS78)、リターンする。
なお、現在が第2の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合とは、ジョブ実行中で消磁コイル136がオンされている時間帯のうち、第2の時間以外の時間、主に用紙Sが定着ニップNを通過している時間帯に現在が属している場合である。
本発明は、定着装置および画像形成装置に限られず、例えば定着温調制御方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、励磁コイル131への電力供給を停止した状態で消磁切替スイッチ153をオン、オフするとしたが、これに限られない。消磁切替スイッチ153に瞬時に大きな突入電流が流れることによる電気的負荷を低減することができれば良い。
(2)上記実施の形態では、消磁動作温度Tuと消磁停止温度Tfをそれぞれ温度変化量Δに応じて補正する構成例を説明したが、補正を行う構成に限定されることはない。この補正を行わなくても、定着ローラー101のローラー端部温度Teが上がり過ぎる、または下がり過ぎるといったことがほとんど生じない、または生じたとしても定着性等の画質劣化まで至ることがないような場合には、補正を行わない構成をとるとしても良い。
例えば、単位時間当たりのプリント枚数が多い高速のプリンター1であれば、用紙間隔が極めて狭くなっていることが多く、その狭小の用紙間隔内に、消磁コイル136のオン、オフの切り替えを含む第1制御、第2制御を実行することが困難であれば、その制御を実行するのに必要な時間だけ一時的に用紙間隔を広くする構成をとることもできる。なお、用紙間隔を可変する場合、給紙カセット31から複数枚の用紙Sを1枚ずつ給送するときの給送タイミングと、画像プロセス部10における各用紙に対するトナー像の作像タイミングがその用紙間隔の大きさに応じて可変される。
電磁誘導発熱層を有する定着ローラーなどの定着回転体を定着位置で、加圧ローラーなどの加圧部材で圧接して定着ニップを確保すると共に、定着回転体の周面から所定距離だけ離れた位置にその軸方向に沿って延設された励磁コイルを配置しつつ、励磁コイルの延設方向端部に存するコイル部分に消磁コイルが臨設された構成の電磁誘導加熱方式の定着装置、およびこれを備える画像形成装置であれば、例えば複写機、ファクシミリ装置、複合機(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
40 定着部
55 定着制御部
91 励磁コイル制御部
92 消磁コイル制御部
93 温度設定テーブル
101 定着ローラー
102 加圧ローラー
103 磁束発生部
104 中央部温度センサー
105 端部温度センサー
106 IH電源部
115 電磁誘導発熱層
131 励磁コイル
136 消磁コイル
153 消磁切替スイッチ
J 定着ローラーの温度低下領域
N 定着ニップ(定着位置)
Tu 消磁動作温度
Tua 補正後の消磁動作温度
Tf 消磁停止温度
Tfa 補正後の消磁停止温度
Claims (6)
- 励磁コイルにより形成される磁界の磁束により発熱する電磁誘導発熱層を有する定着回転体とこれに定着位置で圧接される加圧部材との間をシートが通過する際に、当該シート上の画像を熱定着する定着装置であって、
前記励磁コイルの、前記定着回転体の軸方向端部側に位置するコイル部分に臨設される消磁コイルと、
前記消磁コイルの開閉を切り替えるスイッチ素子と、
前記定着回転体の、前記消磁コイルに対応する領域の温度を検出する検出部と、
1枚ずつ間隔をおいて定着位置を通過する複数枚のシートに対する熱定着の実行中に、前記検出温度が所定の第1温度以上になった以降に、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開から閉に切り替えた後、供給電力を元に戻す第1制御を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1制御を、前記励磁コイルへの供給電力が低減する間に発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をn枚目のシートより後かつ(n+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行するとともに、
前記消磁コイルが閉にされた後、前記検出温度が前記第1温度よりも低い所定の第2温度以下になると、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開に切り替え、供給電力を元に戻す第2制御を実行し、
当該第2制御を、当該第2制御により発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をm枚目のシートより後かつ(m+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行し、
定着すべきシートごとに、幅方向長さに関する情報を取得する取得部と、異なる幅方向長さごとに、前記第2温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶している記憶部と、を備え、前記温度情報を参照して前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第2温度に用い、
前記温度情報には、幅方向長さが第1の長さに温度T1が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに前記温度T1よりも高い温度T2が対応付けされた情報とが含まれ、
前記第2温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の低下率に基づき上げる方向に補正をかけることを特徴とする定着装置。 - 前記記憶部はさらに、異なる幅方向長さごとに、前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶しており、
前記制御部はさらに、
前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる前記温度情報を参照し、前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第1温度に用いることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる前記温度情報には、
幅方向長さが第1の長さに、温度T3が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T3よりも低い温度T4が対応付けされた情報とが含まれることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記制御部は、
前記第1温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の上昇率に基づき下げる方向に補正をかけることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 前記励磁コイルへの供給電力の低減は、
前記励磁コイルへの電力供給を停止することであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。 - シート上に形成された画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、
前記定着部として、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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