JP2013238694A - 定着装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ローラーの過昇温の防止と共に定着性の低下を防止することが可能な電磁誘導加熱方式の定着装置を提供すること。
【解決手段】複数枚の用紙が1枚ずつ間隔をおいて定着ニップを通過する際に熱定着を行うジョブ実行中に、消磁コイルをオフしている状態で定着ローラーのローラー端部温度Teが上昇して消磁動作温度Tuを超えると(時点t0)、1枚の用紙S1が定着ニップを抜けてから(時点t1)、次の用紙S2が定着ニップに到達するまで(時点t4)の紙間の時間内に、励磁コイルをオフしてから(時点t1)、消磁コイルをオフからオンに切り替え(時点t2)、励磁コイルをオンに戻す(時点t3)制御を実行する。
【選択図】図9

Description

本発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備える画像形成装置に関する。
プリンター等の画像形成装置に備えられる定着装置は、定着ローラーなどの定着回転体とこれの定着位置で加圧ローラーなどの加圧回転体を圧接して両回転体間に定着ニップを確保しつつ、定着回転体を熱源により加熱して、トナー像が形成されたシートが定着位置を通過する際に、トナー像を加熱して当該シートに熱定着させる。
定着装置の熱源には、従来、ハロゲンヒータが多く採用されてきたが、近年、ハロゲンヒータよりも省エネルギー化を図れる電磁誘導加熱方式のものが注目されている。
電磁誘導加熱方式の定着装置として、特許文献1には、電磁誘導発熱層を有する定着ローラーと、これに定着位置で圧接される加圧ローラーと、定着ローラーの周面と所定距離だけ離れた位置にその軸方向に沿って延設され、定着ローラーの電磁誘導発熱層を発熱させるための磁界を発生させる励磁コイルと、定着ローラーの軸方向両端部に対応する位置に、励磁コイルに重なるように配された消磁コイルとを備えた装置が開示されている。
消磁コイルは、小サイズ紙が使用される場合に、励磁コイルから発せられる磁束を打ち消す方向の磁界を発生させて、定着位置における当該小サイズ紙が通過しない非通紙領域に相当する発熱層の部分の発熱を抑制して、非通紙領域の過昇温を防止する。
消磁コイルによる、励磁コイルから発せられる磁束を打ち消す動作は、スイッチ素子を用いて消磁コイルを開状態から閉(短絡)状態に切り替えることにより実行される。
特開2005−108603号公報
上記のスイッチ素子による消磁コイルの開から閉への切り替えを励磁コイルに電力を供給している状態で行うと、消磁コイルの短絡時に、瞬時に消磁コイルに流れる誘導電流によりスイッチ素子の接点などに電気的負荷がかかり、このことが消磁コイルの開から閉への切り替え毎に繰り返されると、スイッチ素子の耐久性が低下することが生じ易くなる。
このようなスイッチ素子の耐久性の低下を防止する方法として、励磁コイルへの電力供給を一旦停止して、スイッチ素子による消磁コイルの開から閉への切り替えを行った後、励磁コイルへの電力供給を再開する方法が考えられる。
しかしながら、この方法をとると、複数枚のシートを1枚ずつ間隔をおいて定着位置を通過させて熱定着を行う連続通紙のジョブ実行中に、励磁コイルへの電力供給の一旦停止により定着ローラーの発熱が中断されてしまい、発熱の中断により温度が低下した定着ローラーでは、定着位置を通過するシートに対して熱定着に必要な熱を付与することができず、定着性が低下し易くなるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、定着回転体の過昇温の防止と共に、スイッチ素子の耐久性の低下と定着性の低下とを防止することが可能な電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、励磁コイルにより形成される磁界の磁束により発熱する電磁誘導発熱層を有する定着回転体とこれに定着位置で圧接される加圧部材との間をシートが通過する際に、当該シート上の画像を熱定着する定着装置であって、前記励磁コイルの、前記定着回転体の軸方向端部側に位置するコイル部分に臨設される消磁コイルと、前記消磁コイルの開閉を切り替えるスイッチ素子と、前記定着回転体の、前記消磁コイルに対応する領域の温度を検出する検出部と、1枚ずつ間隔をおいて定着位置を通過する複数枚のシートに対する熱定着の実行中に、前記検出温度が所定の第1温度以上になった以降に、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開から閉に切り替えた後、供給電力を元に戻す第1制御を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1制御を、前記励磁コイルへの供給電力が低減する間に発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をn枚目のシートより後かつ(n+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行することを特徴とする。
ここで、上記の「前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減」とは、前記励磁コイルへの電力供給の停止(遮断)を含む概念で用いられる。
また、前記制御部は、前記消磁コイルが閉にされた後、前記検出温度が前記第1温度よりも低い所定の第2温度以下になると、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開に切り替え、供給電力を元に戻す第2制御を実行し、当該第2制御を、当該第2制御により発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をm枚目のシートより後かつ(m+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行するとしても良い。
さらに、前記制御部は、定着すべきシートごとに、幅方向長さに関する情報を取得する取得部と、異なる幅方向長さごとに、前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶している記憶部と、を備え、前記温度情報を参照し、前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第1温度に用いるとしても良い。
ここで、前記温度情報には、幅方向長さが第1の長さに、温度T1が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T1よりも低い温度T2が対応付けされた情報とが含まれるとしても良い。
ここで、前記制御部は、前記第1温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の上昇率に基づき下げる方向に補正をかけるとしても良い。
さらに、前記制御部は、定着すべきシートごとに、幅方向長さに関する情報を取得する取得部と、異なる幅方向長さごとに、前記第2温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶している記憶部と、を備え、前記温度情報を参照し、前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第2温度に用いるとしても良い。
ここで、前記温度情報には、幅方向長さが第1の長さに、温度T1が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T1よりも高い温度T2が対応付けされた情報とが含まれるとしても良い。
ここで、前記制御部は、前記第2温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の低下率に基づき上げる方向に補正をかけるとしても良い。
また、前記励磁コイルへの供給電力の低減は、前記励磁コイルへの電力供給を停止することであるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、シート上に形成された画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、前記定着部として、上記の定着装置を備えることを特徴とする。
このようにすれば、消磁コイルの消磁により定着回転体の過昇温を防止すると共に、励磁コイルへの電力供給を一旦停止してからスイッチ素子による消磁コイルの切り替えを行うことによりスイッチ素子の耐久性の低下を防止しつつ、シートが定着位置を通過している間に、同時に、定着回転体の温度低下領域が定着位置を通過することがなくなり、定着性の低下を防止することが可能になる。
実施の形態に係るプリンターの全体の構成を示す図である。 プリンターに配される定着部の構成を示す斜視図である。 定着部の概略平面図である。 定着部の構成を示す横断面図である。 消磁コイルと定着ニップを通過する用紙との位置関係を説明するための模式図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 定着制御部とIH電源部の構成を示すブロック図である。 消磁動作温度情報設定テーブルの例を示す図である。 (a)は、本実施の形態における定着温調の制御方法を用いる場合の実施例を示すタイミングチャートであり、(b)は、これを用いない場合の比較例を示すタイミングチャートである。 励磁コイルと消磁コイルのオン、オフのタイミングを説明するための模式図である。 (a)は、A4サイズの用紙を縦通紙する場合の定着ローラーの軸方向における表面温度の分布を示す図であり、(b)は、B4サイズの用紙を縦通紙する場合の定着ローラーの表面温度の分布を示す図である。 定着温調制御の処理内容を示すフローチャートである。 切替制御1のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 ジョブ実行中に上昇するローラー端部温度の推移の様子を例示するタイミングチャートである。 切替制御2のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
(1)プリンター1の全体構成
図1は、プリンター1の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンター1は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40および制御部50を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y〜10Kを備えている。作像部10Yは、矢印で示す方向に回転する感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電部12、露光部13、現像部14、一次転写ローラー15、感光体ドラム11の表面を清掃するためのクリーナー16などを備えており、公知の帯電、露光、現像工程を経て感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M〜10Kについて同様であり、同図では符号が省略されているが、対応する色のトナー像が感光体ドラム11上に作像される。
中間転写部20は、駆動ローラーと従動ローラーに張架されて矢印方向に循環走行される中間転写ベルト21を備える。
カラーのプリントを実行する場合には、作像部10M〜10K毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム11上に作像され、その作像されたトナー像それぞれが中間転写ベルト21上に一次転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト21の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
給送部30は、給紙カセット31からシート、ここでは用紙Sを1枚ずつ搬送路32上に繰り出して、繰り出された用紙Sを二次転写ローラー22に送る。給紙カセット31には、使用される用紙Sとして、例えばB5〜A3サイズの用紙が収容可能である。本実施の形態では、用紙Sが搬送路32上の搬送路幅方向中央の位置を基準に搬送される、いわゆるセンター基準の搬送方式になっている。
2次転写ローラー22に送られた用紙Sが二次転写ローラー22と中間転写ベルト21の間を通過する際に、中間転写ベルト21の上に多重転写された各色トナー像が2次転写ローラー22の静電作用により用紙Sに一括して二次転写される。
各色トナー像が二次転写された後の用紙Sは、定着部40まで搬送される。
定着部40は、電磁誘導加熱(IH)方式によるものであり、搬送されて来る用紙Sを加熱、加圧して、用紙S上の各色トナー像を用紙Sに定着させる。定着後の用紙Sは、排出ローラー対33を介して排出トレイ34上に排出される。
制御部50は、ネットワークを介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブのデータに基づき各部を制御してプリント動作を実行させる。
プリンター1の本体の正面側の、ユーザーの操作し易い位置には、操作部60が配置されている。操作部60は、給紙カセット31に収容されている用紙Sのサイズ(A4やB4など)のユーザーからの設定入力などを受け付けるキーやタッチパネル式の液晶表示部などを備えている。受け付けた用紙サイズの情報などは、制御部50に送られる。
なお、搬送路32の近辺であり、定着部40よりも用紙搬送方向上流側の直近の位置には、搬送される用紙Sを検出するための用紙検出センサー39が配置されている。用紙検出センサー39による用紙Sの検出信号は、制御部50に送られる。
(2)定着部40の構成
図2は、定着部40の構成を示す斜視図であり、図3は、定着部40の概略平面図であり、図4は、図3のD−D線における定着部40の矢視横断面図である。なお、図2では、構成を判り易くするために一部を切り欠いて示している。また、図3は、図2に示すカバー139を取り外した状態になっている。
図2〜図4に示すように、定着部40は、主な構成要素として、定着ローラー101と、加圧ローラー102と、磁束発生部103と、中央部温度センサー104と、端部温度センサー105およびIH電源部106(図7)を備える。
定着ローラー101は、外径が約35〔mm〕であり、芯金111(図4(a))の周囲に断熱層112が形成されてなるローラー本体110と、ローラー本体110の外周に嵌め込まれたスリーブ113とから構成される。
芯金111は、例えばステンレスなどからなる円柱状の軸状部材である。断熱層112は、断熱性の高い弾性材料、例えばゴム材や樹脂材のスポンジ体が用いられている。
スリーブ113は、図4(b)に示すように、断熱層112側から電磁誘導発熱層(以下、「発熱層」という。)115、弾性層116、離型層117の順に積層されてなる。
発熱層115は、厚みが約0.2〔mm〕であり、ニッケルまたはステンレスからなる層が銅からなる層の両側を挟むようにしてなる3層構造になっており、磁束発生部103から発せられる磁束により発熱する。なお、発熱層115の材料は、電磁誘導発熱するものであれば上記のものに限られず、例えばニッケル単層などとすることもできる。
弾性層116は、耐熱性を有するシリコンゴムなどからなる弾性部材であり、用紙Sと定着ローラー101の表面との密着性を高める役割を果たし、最外層の離型層117は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などからなり、定着ローラー101の表面の離型性を高める役割を果たしている。
定着ローラー101の軸方向(用紙Sの幅方向に相当)長さは、最大サイズ、例えばA3サイズの用紙が縦方向(用紙の長辺が用紙搬送方向に平行な方向に搬送されるときの用紙の向き)に通紙された場合における用紙の幅方向長さよりも長くなっている。以下、用紙を縦方向に搬送することを縦通紙という。図2では、最小サイズのB5サイズの用紙が縦通紙されている様子を示している。
加圧ローラー102は、長尺で円柱状の芯金121の周囲に、弾性層122を介して離型層123が積層されてなり、図示しないバネなどを含む押圧手段により定着ローラー101に押圧され、定着ローラー101との間に定着ニップNを確保する。
芯金121は、アルミニウム等からなり、弾性層122は、シリコンスポンジゴム等からなり、離型層123は、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。
定着ローラー101と加圧ローラー102は、芯金111、121の軸方向両端部が図示しないフレームに軸受部材などを介して回転自在に支持されると共に、加圧ローラー102は、駆動モータ(不図示)からの駆動力により矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラー102の回転に伴って、定着ローラー101が矢印A方向に従動回転する。
磁束発生部103は、励磁コイル131と、メインコア132と、裾コア133と、消磁コイル136a、136bと、コイルボビン138およびカバー139を有し、定着ローラー101の軸方向に沿うように延設される。
コイルボビン138は、定着ローラー101の軸方向に沿って伸びる長尺状の部材であり、定着ローラー101の表面に対向する面が定着ローラー101の周方向に沿って円弧状に湾曲すると共に、定着ローラー101の周面との間に所定の間隔、例えば3〔mm〕の間隔が開くように、その長手方向両端部が図示しないフレームなどに固定されている。
励磁コイル131、メインコア132、裾コア133、消磁コイル136a、136bは、コイルボビン138の、定着ローラー101側とは反対側の面に配置される。
励磁コイル131は、用紙幅方向に沿って長く伸びると共に横断面が円弧状の形状になるようにコイルボビン138に、表面に融着層と絶縁層を有する銅線が複数回、巻き回して構成されている。励磁コイル131の長手方向長さは、定着ローラー101の軸方向長さよりもやや長くなっている。励磁コイル131は、公知の高周波インバータを含むIH電源部106に接続され、IH電源部106からの交流電力の供給により、定着ローラー101の発熱層115を発熱させるための磁界を形成する。これにより、励磁コイル131から磁束が発せられる。
メインコア132、裾コア133は、高透磁率のフェライトなどからなり、励磁コイル131からの磁束を定着ローラー101に導く。定着ローラー101に導かれた磁束は、定着ローラー101の発熱層115の、主に磁束発生部103に対向する部分(発熱領域)Q(図4(a))を貫き、この発熱領域Qに渦電流を発生させて発熱させる。
この発熱量が、定着ローラー101の軸方向にどの位置でも略均一になるように、励磁コイル131、メインコア132や裾コア133の大きさ、形状等が設定されている。
発熱層115の発熱領域Qの熱が定着ローラー101の回転により定着ニップ(定着位置)Nで加圧ローラー102に伝わることにより定着ニップNの温度が昇温される。
消磁コイル136a、136bは、励磁コイル131の、定着ローラー101の両端部に対応するコイル部分に重ねられるようにして配置されている。
消磁コイル136a、136bは、IH電源部106により開放から短絡状態に切り替えられることにより、励磁コイル131から発せられている磁束の一部を打ち消す方向の磁界を発生させて、定着ローラー101の発熱層115のうち、消磁コイル136a、136bに対応する部分の発熱を抑制させる。
図5は、消磁コイル136a、136bと定着ニップNを通過する用紙Sとの位置関係を説明するための模式図である。ここで、同図に示す一点鎖線CLは、定着ローラー101の軸方向における用紙Sの中央の位置(搬送路32の幅方向中央の位置に相当)を示すものである。
同図に示すように、消磁コイル136a、136bは、縦通紙されるA4サイズの用紙Sが定着ニップNを通過する領域(A4T幅)よりも少し幅広の領域Gaを挟んで両外側の領域Gb,Gbに対応する位置に配されている。本実施の形態では、消磁コイル136a、136bにより定着ローラー101の発熱層115の領域Gb,Gbに相当する部分の発熱が抑制される。以下、消磁コイル136a、136bを区別して説明する必要がない場合には、消磁コイル136と総称し、励磁コイル131から発せられる磁束を打ち消すことを消磁という。
消磁コイル136による消磁は、消磁コイル136が閉(短絡)状態にされているときに作用し、開(切断)されているときには、作用しない。また、消磁作用が及ぶ領域Gbは、用紙サイズに関わらず一定である。
中央部温度センサー104は、不図示のフレームに取着され、定着ローラー101の軸方向中央部における表面温度(定着ローラー中央温度)を検出する。この中央部は、搬送路32上における幅方向略中央の位置に相当する。本実施の形態では、上記のようにセンター基準の搬送方式なので、当該中央部は、どのサイズの用紙Sが使用される場合でもその用紙Sの幅方向中央の位置に一致し、通紙領域内に位置することになる。
端部温度センサー105は、不図示のフレームに取着され、定着ローラー101の軸方向一方端の部分における表面温度(定着ローラー端部温度)を検出する。この一方端の部分とは、どのサイズの用紙が使用される場合でも用紙の通過領域から外れている領域内のある部分を示している。各温度センサーによる検出信号は、制御部50に送られる。
制御部50の定着制御部55(図6参照)は、各温度センサーからの検出信号により現在のローラー温度を検出する。本実施の形態では、中央部温度センサー104の検出信号に基づき定着ローラー中央温度が定着温度T0(定着に必要な温度:例えば180〔℃〕)に維持されるように励磁コイル131への電力供給を制御する(プリント温調制御)。
定着ローラー中央温度が定着温度T0に維持された状態で用紙Sが定着ニップNを通過する際に、用紙S上の未定着のトナー像が加熱、加圧されて当該用紙S上に熱定着される。この意味で、定着ニップNは、用紙Sのトナー像を定着する定着位置になる。
また、端部温度センサー105の検出信号に基づき、消磁コイル136a、136bによる消磁動作の開始と停止を制御する。この制御については、後述する。
(3)制御部50の構成
図6は、制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部50は、主な構成要素として通信インターフェース(I/F)部51と、CPU52と、ROM53と、CPU52のワークエリアとなるRAM54および定着制御部55を備え、相互に信号をやりとりできるようになっている。
通信I/F部51は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
CPU52は、ROM53から必要なプログラムを読み出して、画像プロセス部10、中間転写部20、給送部30などの動作をタイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。また、操作部60からの信号を参照して、例えばユーザーにより入力された用紙サイズの情報から使用される用紙Sのサイズを判断する。
定着制御部55は、定着部40の励磁コイル131への電力の供給と停止、消磁コイル136による消磁動作の開始(短絡)と停止(開放)を切り替える制御を行う。
(4)定着制御部55とIH電源部106の構成
図7は、定着制御部55とIH電源部106の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、定着制御部55は、励磁コイル制御部91と、消磁コイル制御部92と、温度設定テーブル93および端部温度情報記憶部94を有する。
一方、IH電源部106は、コイル駆動部151と、切替制御部152および消磁切替スイッチ153を有する。
励磁コイル制御部91は、中央部温度センサー104の検出信号に基づき、定着ローラー101が定着温度T0に維持されるように、IH電源部106のコイル駆動部151に対して駆動指示と停止指示を行う。この駆動指示には、励磁コイル131への供給電力Pの大きさが含まれる。
具体的には、中央部温度センサー104による定着ローラー101の中央部の検出温度が定着温度T0よりも低ければ、励磁コイル131への供給電力をP1とし、定着温度T0と同じであれば供給電力をP2(<P1)とし、定着温度T0よりも高ければ供給電力をP3(<P2)とする。供給電力P1の大きさは、定着温度T0との差分が大きくなるほど大きくなり、P3の大きさは、定着温度T0との差分が大きくなるほど小さくなる。P2は、定着温度T0を維持するのに必要な熱量に相当する電力値である。ここでは、プリンター1の電源スイッチがオンされている間は、定着ローラー101の温度が目標とする温度に維持されるように常時、励磁コイル131に電力が可変可能に供給される。
コイル駆動部151は、励磁コイル制御部91から指示された供給電力Pが励磁コイル131に供給されるように高周波スイッチングにより励磁コイル131に駆動電流を流して、励磁コイル131から磁束を発生させる。また、停止指示があると、励磁コイル131への電力供給を停止(遮断)する。
消磁コイル制御部92は、端部温度センサー105の検出信号に基づき、IH電源部106の切替制御部152に対して消磁コイル136a,136bの開(開放)と閉(短絡)の切替指示を行う。
切替制御部152は、消磁コイル制御部92からの切替指示に基づき、消磁切替スイッチ153を制御する。
消磁切替スイッチ153は、消磁コイル136の開閉を切り替えるスイッチであり、切替制御部152の指示により、消磁コイル136が並列接続される回路を断続する。すなわち、消磁切替スイッチ153がオンになり閉回路が形成されると、消磁コイル136が閉になり(短絡)、消磁作用が働く状態になる。一方、消磁切替スイッチ153がオフになり閉回路が切断されると(回路が開いた状態に切り替わると)、消磁コイル136が開になり(切断)、消磁作用が働かない状態になるようになっている。
なお、消磁切替スイッチ153は、消磁コイル136を開閉可能なスイッチであれば特に限定されず、マイクロスイッチなどの機械的なものであっても良いし、トランジスタなどの半導体素子などであっても良い。
切替制御部152は、消磁切替スイッチ153のオフ(開)からオン(閉)への切替、オンからオフへの切り替えを行うと、切り替えが完了したこと、および開と閉のいずれの状態にあるかを示す切替完了を消磁コイル制御部92に通知する。
消磁コイル制御部92は、切替制御部152からの切替完了通知により、消磁切替スイッチ153による消磁コイル136の開から閉への切り替え、閉から開への切り替えが行われたことを知ることができる。以下、消磁コイルの開放をオフ、短絡をオンという。
温度設定テーブル93は、消磁動作を開始する条件となる定着ローラー端部温度を示す消磁動作温度情報と、消磁動作を停止する条件となる定着ローラー端部温度を示す消磁停止温度情報とが書き込まれてなるテーブルであり、記憶部に格納されている。
図8(a)は、消磁動作温度情報設定テーブルの例を示す図であり、図8(b)は、消磁停止温度情報設定テーブルの例を示す図である。
図8(a)に示すように、消磁動作温度情報は、用紙幅Wに消磁動作温度Tuを対応付けた情報であり、図8(b)に示すように、消磁停止温度情報は、用紙幅Wに消磁停止温度Tfを対応付けた情報である。この対応付けを行う理由については、後述する。
図7に戻って、端部温度情報記憶部94は、ジョブ実行中における定着ローラー端部温度の履歴を端部温度情報として記憶しているものである。ここでは、複数枚の用紙Sを連続通紙するジョブ単位で、ジョブ実行中にジョブ開始から1枚の用紙Sが定着ニップNを通過するごとに、その時点で端部温度センサー105により検出された定着ローラー端部温度を示す情報が時間順に端部温度情報記憶部94に記憶されるようになっている。
端部温度情報を参照することにより、ジョブ実行中に当該ジョブ開始からの用紙1枚単位での定着ローラー端部温度の上昇や下降の温度勾配を求めることができる。この端部温度情報は、消磁動作温度Tuと消磁停止温度Tfの補正(後述)に用いられる。
定着制御部55は、消磁動作を開始する場合、励磁コイル131への電力供給を停止してから、消磁切替スイッチ153により消磁コイル136を開から閉に切り替えた後、励磁コイル131への電力供給を再開する制御(第1制御)を実行する。
このように励磁コイル131への電力供給の停止、消磁コイル136の開から閉への切り替え、励磁コイル131への電力供給の再開を順に実行するのは、消磁切替スイッチ153の耐久性の低下を防止するためである。すなわち、励磁コイル131に電力を供給している状態で、消磁コイル136を開から閉にすべく消磁切替スイッチ153をオンさせると、そのオンの瞬間に消磁コイル136に流れる誘導電流が突入電流となって消磁切替スイッチ153の接点に流れることにより電気的負荷がかかり、これが消磁動作の度に繰り返されると、消磁切替スイッチ153の接点が疲労して、消磁切替スイッチ153の耐久性を低下させることになるからである。
この第1制御を行えば、消磁切替スイッチ153の耐久性の低下を防止できるが、その一方で、複数枚の小サイズ紙、例えばA4サイズの用紙Sを縦通紙により1枚ずつ間隔をあけて定着ニップNを通過させて熱定着を行う連続通紙のジョブ実行中に、用紙Sの搬送タイミングに関係なく第1制御を行うと、用紙Sの定着性が低下する場合がある。
すなわち、第1制御では、ジョブ実行中に消磁コイル136の開から閉への切り替えのために励磁コイル131への電力供給を一旦停止させるので、その一旦停止の間に発熱層115が発熱しなくなり、一時的に定着ローラー101の温度が定着温度T0よりも大幅に低下してしまうことが生じる。励磁コイル131への電力供給の停止と再開のタイミングと、定着ニップNを通過する用紙Sの搬送タイミングによっては、電力供給の停止により定着ローラー101の温度が低下した部分が定着ニップNに至る時期と、連続通紙される1枚の用紙Sが定着ニップNを通る時期とが一致する場合があり、このようになると、その1枚の用紙Sに対しては熱定着に必要な熱量を与えることができず、用紙S上のトナー像を不十分な熱量でしか定着を行えなくなるからである。
そこで、本実施の形態では、n(1以上の整数)枚目の用紙Sの後端が定着ニップNを通過してから次の(n+1)枚目の用紙Sの先端が定着ニップNに到達するまでの用紙間隔の時間内に、供給電力の停止により定着ローラー101の温度が低下した部分(温度低下領域)が定着ニップ(定着位置)Nを通過することになるようなタイミング、すなわち定着ローラー101の温度低下領域が定着ニップNを通過しているときと、複数枚の用紙Sが1枚ずつ間隔をおいて定着ニップNを通過しているときとが重複しない(ずれる)ようになるタイミングで第1制御を行う方法をとっている。
この方法により、定着ローラー101の温度低下領域が用紙Sに熱定着に用いられることがなくなり、消磁切替スイッチ153の耐久性の低下を防止すると共に用紙Sに対する定着性の低下を防止することができる。
(5)定着温調の制御方法の説明
図9(a)は、本実施の形態における定着温調の制御方法を用いる場合の実施例を示すタイミングチャートであり、図9(b)は、本実施の形態における制御方法を用いない場合の比較例を示すタイミングチャートである。
図9(a)と(b)は、複数枚の小サイズ紙を連続通紙するジョブ実行中における定着ローラー101のローラー端部温度Te、ローラー中央部温度Tc、加圧ローラー102の軸方向中央部温度Tbの推移と、励磁コイル131のオン(電力供給)とオフ(電力供給停止)、消磁コイル136のオン(閉)とオフ(開)のタイミングを示している。
なお、励磁コイル131のオンは、ローラー中央部温度Tcが定着温度T0に維持されるように供給電力を可変する制御を含むものである。また、同図中の「通紙」とは、1枚の用紙Sごとに、その先端が定着ニップNに到達してからその後端が定着ニップNを通過するまでの時間tyに相当し、「紙間」とは、用紙間隔、すなわちn枚目の用紙Sの後端が定着ニップNを通過してから次の(n+1)枚目の用紙Sの先端が定着ニップNに到達するまでの時間txに相当する。従って、紙間は、用紙Sが定着ニップNに存在していない時間、通紙は、用紙Sが定着ニップNを通っている時間ということになる。また、「S1」〜「S4」の数値は、連続通紙される各用紙Sの搬送順(nに相当)を示している。
図9(a)に示すように実施例を見ると、複数枚の小サイズ紙の連続通紙により、1枚の用紙S1の通紙中の時点t0でローラー端部温度Teが消磁動作開始の条件である消磁動作温度Tuに達するが、励磁コイル131はオンのままであり、消磁コイル136はオフのままである。なお、消磁動作温度Tuは、温度設定テーブル93から、使用される用紙幅Wに応じて設定された温度を読み出すことにより取得される。
時点t0から、用紙S1の後端が定着ニップNを通過する時点t1までの間、ローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを少し超えるが、時点t1になると、励磁コイル131がオンからオフに切り替わる。なお、消磁コイル136はオフのままである。
励磁コイル131のオフを契機に、これ以降、ローラー端部温度Teの上昇が下降に転じ、ローラー中央部温度Tcが定着温度T0からやや減少する。
加圧ローラー102の中央部温度Tbは、通紙tyでは、用紙Sに熱を奪われることから下降し、紙間txでは、用紙Sに熱を奪われることがなく定着ローラー101から定着ニップNを介して熱が流入してくることから上昇に転じ、この温度の上がり下がりが通紙と紙間とで交互に繰り返される。
励磁コイル131のオンからオフへの切り替わり直後の時点t2になると、消磁切替スイッチ153の動作により消磁コイル136がオフからオンに切り替わる。励磁コイル131のオフにより励磁コイル131への電力供給が停止されているので、消磁切替スイッチ153による切り替えが実行される時点t2では、消磁コイル136に誘導電流が流れておらず、切替スイッチ153の開閉用の接点に電気的負荷がかかることがない。
切替スイッチ153による消磁コイル136のオフからオンへの切り替えが終了した後の時点t3になると、励磁コイル131がオフからオンに切り替わる。これにより、励磁コイル131への電力供給が再開され、ローラー中央部温度Tcの減少が上昇に転じて定着温度T0に維持される。消磁コイル136がオンされたままなので、消磁コイル136の消磁作用により、ローラー端部温度Teは下降し続ける。
この励磁コイル131のオフから、消磁コイル136のオン、励磁コイル131のオンまでの第1制御は、先行する用紙S1の後端が定着ニップNを通過する時点t1から次の用紙S2の先端が定着ニップNに到達する時点t4までの紙間txの時間内に行われるが、できるだけ紙間txの最初(時点t1の直後)に実行されることが望ましい。
この理由を、図10を用いて説明する。
図10は、励磁コイル131と消磁コイル136のオン、オフのタイミングを説明するための模式図であり、図10(a)が上記の時点t0、図10(b)が時点t1、図10(c)が時点t2、図10(d)が時点t3に対応している。
図10(a)に示す定着ローラー101の周(回転)方向における領域Qは、励磁コイル131による定着ローラー101の主な発熱領域を示している。この発熱領域Qは、定着ローラー101(発熱層115)の一周のうち、励磁コイル131から発せられる磁束により熱定着に最低限必要な熱量以上の熱量を発することができる領域に相当し、位置Q1が当該領域の回転方向下流端、位置Q2が回転方向上流端になる。
従って、定着ローラー101の周面のうち、位置Q2から回転方向に定着ニップNの用紙搬送方向上流端(入口)Nxまでの部分H(太線で示す部分)が熱定着に必要な熱が蓄積されている(定着温度T0またはこれに近い温度に維持されている)部分になり、定着ニップNの用紙搬送方向下流端(出口)Nyから回転方向に位置Q2までの部分は、定着ニップNにおいて用紙Sと加圧ローラー102に熱を奪われたために熱量が低下している部分になる。
時点t0は、通紙txの時間内であり、励磁コイル131がオンされている。これにより定着ローラー101の発熱領域Qで発熱した定着に必要な熱量が蓄積されている周面部分が定着ローラー101の回転により定着ニップNに至り、定着ニップNを通っている用紙S1に供給され、用紙S1に対して熱定着が実行される。
時点t1になると励磁コイル131がオンからオフに切り替わる(第1制御の開始)。
この時点t1は、用紙S1の後端Pxが用紙検出センサー39の検出位置Dpを通過してから時間taの経過時に相当する。ここで、時間taは、検出位置Dpから定着ニップNの出口Nyまでの搬送路上の距離を、用紙Sの搬送速度(定着ローラー101の周速に相当)Vで除した時間に相当する。これにより、用紙S1の後端Pxが定着ニップNを通過した時点で励磁コイル131がオフすることになり、励磁コイル131のオフによる非発熱により用紙S1に対する定着性が低下することがない。
時点t1で紙間txに入り、時点t1以降の紙間txの時間内では定着ローラー101が発熱されないので定着ローラー101の周方向に発熱部分Hを除く部分Jが温度低下領域(定着温度T0を中心に上下に所定の範囲内である定着に適した温度域よりも温度が低いために定着を良好に行えない温度領域)になる。
紙間txの時間内では、定着ニップNに用紙Sが存在せず、紙間txの時間内における時点t1の直後の時点2で消磁コイル136がオフからオンに切り替えられる。
そして、紙間txの時間内における時点t3になると、励磁コイル131がオフからオンに切り替わり、励磁コイル131への電力供給が再開され、発熱領域Qで発熱が開始される(第1制御の終了)。この時点t3は、次の用紙S2の先端Pyが用紙検出センサー39の検出位置Dpに到達した(検出される)時点に相当する。
ここで、検出位置Dpから定着ニップNの入口Nxまでの搬送路上の距離をLa、定着ローラー101の周面の位置Q1から回転方向に定着ニップNの入口Nxまでの周面上の距離をLb、用紙Sの搬送速度Vが定着ローラー101の周速Vと同じとしたとき、La>Lbの関係を有する構成になっている。これにより、次の用紙S2の先端Pyが定着ニップNに到達する時点(紙間txの終了)では既に定着ローラー101の発熱部分Hが定着ニップ(位置)Nに至っている状態になり、用紙S2の定着性が低下することがない。
このように紙間txの時間内のできるだけ早い時期に第1制御を実行すれば、先行する用紙S1も、次の用紙S2に対しても定着性の低下が防止される。
ところが、仮に紙間txの終了直前、例えば用紙S2の先端Pyが定着ニップNの入口Nxに到達する直前に励磁コイル131をオンすれば、用紙S2の先端Pyが定着ニップNに入ってから、定着ローラー101の発熱部分Hが遅れて定着ニップNに到達する事態が生じる場合がある。このようになると、用紙S2の先端部分に対して定着に必要な熱が付与されずに定着性が低下してしまうおそれがある。
従って、第1制御は、間隔をおいて連続通紙される複数枚の用紙Sのその間隔(シート間隔)のタイミングに応じて、定着性が低下することのないように予め適した時間帯(第1の時間内)に実行されるように設定する必要がある。
本実施の形態では、第1制御の開始が時点t1(先行する用紙Sの後端Pxが定着ニップNを通過した時点に相当)、その終了が時点t3(次の用紙Sの先端Pyが検出位置Dpに到達した時点)に設定されている。
なお、第1制御の実行タイミングは、上記の紙間の時間内に限られず、励磁コイル131への電力供給の停止の間に発熱されなくなる定着ローラー101の温度低下領域Jが、定着ニップ(位置)Nをn枚目の用紙Sより後かつ(n+1)枚目の用紙Sより前に通過するようになる第1の時間内のタイミング(第1のタイミング)であれば良い。
例えば、時点t1を、用紙S1の後端Pxが定着ニップNの入口Nxを通過する時点(上記よりも少し早め)にすることもできる。この場合、紙間ではなく通紙中に励磁コイル131がオフされることになるが、用紙S1の後端Pxが定着ニップNを通過した後に、温度低下領域Jが定着ニップNに至ることになるので、定着性が低下することはない。従って、紙間に限られることもない。
なお、上記では、定着ローラー101のうち、回転方向に熱定着に必要な熱量が蓄積されている部分Hを、位置Q2から回転方向に定着ニップの入口Nxまでの領域、温度低下領域Jを、定着ニップの出口Nyから回転方向に位置Q2までの領域としたが、これに限られない。例えば、位置Q2から回転方向に位置Q1までの領域は、昇温中であることから、この領域も温度低下領域の一部とみなして、部分Hを、位置Q1から回転方向に定着ニップの入口Nxまでの領域、温度低下領域Jを、定着ニップの出口Nyから回転方向に位置Q1までの領域とすることもできる。
図9(a)に戻って、用紙S2に対しては、励磁コイル131がオン、消磁コイル136がオンされた状態が継続されるが、消磁コイル136のオンによりローラー端部温度Teが低下して消磁停止温度Tfに近づいてきている。この消磁停止温度Tfは、温度設定テーブル93から、使用される用紙幅Wに応じて設定された温度を読み出すことにより取得される。
用紙S3に対する熱定着(通紙ty)中の時点t10に、ローラー端部温度Teが消磁動作の停止の条件である消磁停止温度Tfまで低下しているが、励磁コイル131も消磁コイル136もオンのままである。用紙S3の後端Pxが定着ニップNを通過した時点に相当する時点t11になると(紙間txの開始)、励磁コイル131がオンからオフに切り替わる。なお、消磁コイル136はオフのままである。
励磁コイル131のオフを契機にローラー端部温度Teの下降がさらに進み、ローラー中央部温度Tcが定着温度T0からやや減少する。
励磁コイル131のオンからオフへの切り替わり直後の時点t12になると、消磁切替スイッチ153の動作により消磁コイル136がオンからオフに切り替わる。励磁コイル131への電力供給が停止されているので、消磁切替スイッチ153による切り替えが実行されても、切替スイッチ153の接点に電気的負荷がかかることがない。
消磁コイル136のオンからオフへの切り替えが終了した後の時点t13になると、励磁コイル131がオフからオンに切り替わる。これにより、励磁コイル131への電力供給が再開され、ローラー中央部温度Tcの減少が上昇に転じて定着温度T0に維持される。消磁コイル136がオンからオフに切り替わったので、消磁コイル136の消磁作用が働かなくなり、ローラー端部温度Teは、時点t13以降には下降から上昇に転じる。
この励磁コイル131をオフしてから、消磁コイル136をオンからオフに切り替えた後、励磁コイル131をオンする制御(第2制御)は、上記の第1制御と同様の理由により、できるだけ紙間txの最初(時点t11の直後)に実行される。
なお、第2制御の実行タイミングは、これに限られず、上記の第1制御と同様に、第2制御により励磁コイル131への電力供給の停止の間に発熱されなくなる定着ローラー101の温度低下領域Jが、定着ニップ(位置)Nをm枚目の用紙Sより後かつ(m+1)枚目の用紙Sより前に通過するようになる第2の時間内のタイミング(第2のタイミング)であれば良い。なお、mは、nよりも大きい正の整数である。
次の用紙S4に対しては、励磁コイル131がオン、消磁コイル136がオフされた状態が継続されるが、消磁コイル136のオフによりローラー端部温度Teが上昇して消磁動作温度Tuに近づいてきている。ローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuに達すると、用紙S1のときと同様に、これ以降、第1制御が第1のタイミングで実行され、その後、消磁コイル136のオンによりローラー端部温度Teが下降して消磁停止温度Tfに達すると、第2制御が第2のタイミングで実行されることが繰り返される。
これに対して、図9(b)に示す比較例では、定着ローラー101のローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuに達すると(時点t0)、用紙S1の通紙中に励磁コイル131がオンからオフに切り替わって、その直後の時点t21に消磁コイル136がオフからオンに切り替わる。励磁コイル131への電力供給が停止した状態で消磁コイル136がオンされるので、切替スイッチ153に、励磁コイル131の誘導電流による電気的負荷がかかることはないが、通紙中に励磁コイル131をオフするので、次にオンするまでの間、通紙中であるにも関わらず定着ローラー101に温度低下領域Jが生じてしまう。
定着ローラー101の温度低下領域Jは、定着に必要な熱量が蓄積されていないローラー部分に相当するので、温度低下領域Jが定着ニップNに至ったときに同時に定着ニップNに存在していた用紙S1の部分に対しては必要な熱量を付与できずに定着性が低下しているおそれがあり、良好な定着を行えないことになる。このことは、定着ローラー101のローラー中央部温度Tcの低下が、通紙中の時点t0直後に大きく、例えば8〜10〔℃〕程度、低下していることから判る。この温度低下により、定着性が例えば10〔%〕以上、低下していることが実験から確認されている。
用紙S2の次の用紙S3に対しては、定着ローラー101のローラー端部温度Teが消磁停止温度Tfに達した時点t10が偶然に紙間であったことから、通紙中の温度低下は生じていないが、用紙4に対しては、用紙S1と同様に、通紙中の時点t20に励磁コイル131がオフされることから同様の温度低下が生じて、定着性の低下が生じ易くなる。
なお、図9(a)に示す実施例による制御方法では、定着ローラー101のローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを少し超え(オーバーシュート)、消磁停止温度Tfを少し下回る(アンダーシュート)ことになるが、これを見越して予め、オーバーシュートとアンダーシュートしたときの温度をローラー端部温度Teの上限温度と下限温度に設定しておくことにより、温度変化が上限から下限までの温度域内に収まるように制御することが可能になる。
(6)温度設定テーブルの内容
図8(a)に示すように消磁動作温度情報は、異なる用紙幅Wに対して異なる消磁動作温度Tuを対応付けた情報であり、例えば190≦用紙幅W<215〔mm〕の範囲に対して240〔℃〕が対応し、240≦用紙幅W<265〔mm〕の範囲に対して230〔℃〕が対応している。ここで、190≦用紙幅W<215〔mm〕の範囲には、A4サイズの用紙(A4用紙)を縦通紙する場合が含まれ、240≦用紙幅W<265〔mm〕の範囲には、B4サイズの用紙(B4用紙)を縦通紙する場合が含まれる。
このように用紙幅Wが広くなるに伴って低い消磁動作温度Tuを設定しているのは、消磁コイル136と用紙Sと端部温度センサー105との、定着ローラー101の軸方向における位置関係によるものである。このことを、図11を用いて説明する。
図11(a)は、A4サイズの用紙(A4用紙)を縦通紙する場合の定着ローラー101の軸方向における表面温度の分布を示す図であり、図11(b)は、B4サイズの用紙(B4用紙)を縦通紙する場合の定着ローラー101の表面温度の分布を示す図である。
なお、図11(a)と(b)に示す位置Dwは、定着ローラー101の端部温度センサー105の検出位置に相当し、搬送路32の中央CLから140〔mm〕の位置にある場合の構成例を示しており、この位置の温度がローラー端部温度Teとして検出される。
図11(a)に示すようにA4用紙は、その用紙幅A4Tが210〔mm〕になり、その幅方向両側の側縁(長辺)が搬送路32の中央CLを挟んで105〔mm〕の位置を通過するように搬送される。
消磁コイル136a、136bは、搬送路32の両端側に配置されており、消磁作用が働いているときは、破線で示すように用紙幅A4Tの領域(通紙領域)内の温度が定着温度である180〔℃〕近辺に維持されつつ、用紙幅A4Tを挟んで両外側の領域(非通紙領域)の温度も定着温度の近辺または定着温度より低い温度に抑制されている。
一方、消磁作用が働いていないときには、実線で示すように非通紙領域の温度が全体的に定着温度よりも高くなり、そのピークが240〔℃〕近辺まで上昇している。このピークの軸方向における位置は、端部温度センサー105の検出位置Dwに略一定しているので、A4用紙の場合、そのピーク値を検出することができる。
これに対して、B4用紙の場合、図11(b)に示すように消磁作用の有無に関わらず、用紙幅B4Tの領域(通紙領域)内の温度が定着温度である180〔℃〕近辺に維持されており、非通紙領域の温度は、全体的に定着温度よりも高くなり、消磁作用が働いていない場合(実線)では、ピークが240〔℃〕まで上昇し、消磁作用が働いている場合(破線)では、ピークが230〔℃〕まで上昇している。
ところが、B4用紙を用いる場合、ピークの軸方向の位置は、端部温度センサー105の検出位置Dwよりも外側になり、検出位置Dwではピーク値を直接、検出することができない。従って、ピーク値になったときに検出位置Dwでは何度になるかを予め求めておく、例えば同図では消磁作用が働いていない場合(実線)に230〔℃〕、消磁作用が働いている場合(破線)に220〔℃〕を求めておくことにより、端部温度センサー105により消磁作用が働いていないときに230〔℃〕に達したことが検出されると、ピークの位置では240〔℃〕に達しており、消磁作用が働いているときに220〔℃〕に達したことが検出されると、ピークの位置では230〔℃〕に達していることが判る。
すなわち、消磁動作温度Tuについては、図8(a)に示すようにA4用紙では240〔℃〕に、B4用紙では230〔℃〕にそれぞれ予め設定しておけば、異なるサイズの用紙に対して、それぞれ異なる位置の温度がピーク値に達したことを、消磁作用を働かせる条件を満たしたとして判断することが可能になる。
また、消磁停止温度Tfについては、図8(b)に示すように、A4用紙では180〔℃〕に、B4用紙では220〔℃〕にそれぞれ予め設定しておけば、異なるサイズの用紙に対して、それぞれ消磁作用を停止させる条件を満たしたことを判断することが可能になる。これらのことは、他のサイズについても同様である。
なお、図8において、265〔mm〕≦用紙幅Wを満たす用紙Sは、A3などの大サイズの用紙であり、定着ローラー101の軸方向に沿って通紙領域が幅広になる分、非通紙領域が狭くなるので、消磁動作温度Tuが小さく、これに合わせて消磁停止温度Tfも小さい値に設定されている。
また、用紙幅W<190〔mm〕を満たす用紙Sは、極端に小さいサイズであることから、常時、消磁作用を働かせるべく、消磁動作温度Tuが最小の100〔℃〕に設定されている。なお、消磁作用が常時、働くことから消磁停止温度Tfは未設定になっている。
スタンバイ中は、ジョブ実行を待っている待機中に定着温度T0よりも低いスタンバイ温度、例えば160〔℃〕に維持する制御が実行されるが、大量のジョブ実行の終了直後に、スタンバイ中になっても定着ローラー101の温度があまり下がっておらず、ある程度高い温度になったままのような場合を考慮して、消磁動作温度Tuと消磁停止温度Tfがそれぞれ設定されている。
(7)定着温調制御の処理内容
図12は、定着温調制御の処理内容を示すフローチャートであり、当該処理は、定着制御部55により実行される。
同図に示すようにプリンター1の電源スイッチがオンされると(ステップS1)、励磁コイル131への電力供給を開始させる(ステップS2)。これにより、定着部40の定着ローラー101の発熱が開始され、定着部40のウォームアップが開始される。
ウォームアップが終了したか否かを判断する(ステップS3)。ウォームアップは、定着ローラー101の表面温度が定着温度T0まで昇温すると終了する。
ウォームアップの終了を判断すると(ステップS3で「YES」)、スタンバイ温調制御に移る(ステップS4)。スタンバイ温調制御は、定着ローラー101の表面温度が定着温度T0よりも少し低いスタンバイ温度、例えば160〔℃〕に維持する制御である。
スタンバイ温調制御において現時点での消磁コイル136がオフ状態になっているか否かを判断する。消磁コイル136がオンとオフのいずれの状態になっているかの判断は、定着制御部55がIH電源部106の切替制御部152からの切替完了通知を受け付けることにより行われる。
消磁コイル136がオフ状態であることを判断すると(ステップS5で「YES」)、切替制御1を実行して(ステップS6)、ステップS8に移る。一方、消磁コイル136がオン状態であることを判断すると(ステップS5で「NO」)、切替制御2を実行して(ステップS7)、ステップS8に移る。切替制御1は、消磁コイル136のオフからオンへの切り替えを含む制御であり、切替制御2は、消磁コイル136のオンからオフへの切り替えを含む制御であるが、これらの詳細については、後述する。
ステップS8では、プリントジョブが実行されているか否かを判断する。
プリントジョブが実行されていないときには(ステップS8で「NO」)、ステップS4に戻り、スタンバイ温調制御を実行する。
プリントジョブが実行されているときには(ステップS8で「YES」)、プリント温調制御を実行する(ステップS9)。プリント温調制御は、中央部温度センサー104の検出結果に基づき定着ローラー中央温度を定着温度T0に維持する制御である。
そして、ジョブ実行中に用紙1枚単位で端部温度センサー105により検出された定着ローラー端部温度を端部温度情報記憶部94に記憶して(ステップS10)、ステップS5に戻る。ジョブ実行中であれば、ステップS5〜S10の処理が繰り返し実行される。
従って、ジョブ実行中にも、スタンバイ中と同様に切替制御1と2のいずれかが実行されることになる。また、複数枚の用紙Sを1枚ずつ連続通紙するジョブ実行中であれば、ステップS10において1枚の用紙Sごとに、その用紙Sが定着ニップNを抜けるときに検出された定着ローラー端部温度の履歴が端部温度情報として蓄積される。この定着ローラー端部温度の履歴は、切替制御1と2で用いられる。
(8)切替制御1の処理内容
図13は、切替制御1のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように使用されている用紙Sの用紙サイズを取得する(ステップS61)。
用紙サイズの取得は、操作部60からユーザーによる入力されたサイズ情報を取得することにより行われる。なお、ユーザーによる入力に限られず、例えば用紙サイズを検知するセンサーからその検知結果を用紙サイズとして取得する構成をとるようにしても良い。
取得した用紙サイズに対応する消磁動作温度Tuを温度設定テーブル93から読み出す(ステップS62)。例えば、A4サイズの用紙の場合、用紙幅Wが210〔mm〕になるので、図8(a)の消磁動作温度設定テーブルの例の場合、消磁動作温度Tuとして240〔℃〕が読み出される。事前に用紙サイズと用紙幅の対応をとっておくことにより、用紙サイズから消磁動作温度Tuを読み出すことができる。
なお、温度設定テーブル93を、用紙幅Wではなく、用紙サイズと消磁動作温度Tuを対応付けた構成にすれば、取得した用紙サイズに対応する消磁動作温度Tuを直接、読み出すこともできる。また、用紙サイズに限られない。定着すべき用紙Sごとに、異なる用紙幅W(用紙幅方向長さ)に関する情報と消磁動作温度Tuとが対応付けされた温度情報が記憶されていればよい。例えば、用紙サイズに代えて用紙幅Wそのものを検出するセンサーなどを備え、検出された用紙幅に対応する消磁動作温度Tuを用いる構成をとることもできる。このことは、後述の消磁停止温度Tfについて同様である。
そして、端部温度情報記憶部94に記憶されている端部温度情報に基づき、読み出した消磁動作温度Tuを補正する(ステップS63)。
この補正方法を、図14を用いて説明する。
図14は、ジョブ実行中に上昇するローラー端部温度Teの推移の様子を例示するタイミングチャートである。同図では、同じジョブ実行中に(n−1)枚目の用紙S、n枚目の用紙S、(n+1)枚目の用紙Sがこの順に間隔をおいて定着ニップNを通過して、n枚目の用紙Sの後端が定着ニップNを抜ける時点tpを現在として、先行の(n−1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜ける過去の時点をtq、次に定着ニップNに至る予定の(n+1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜ける未来の時点をtrとしている。
ローラー端部温度Teは、時点tqで225〔℃〕、時点tp(現在)で235〔℃〕になっており、1枚の用紙Sごとに温度が10〔℃〕、上昇している状態で、現在以降も同じ温度上昇率であれば、破線のグラフで示されるように時点trになると、245〔℃〕に至ることが予想される。仮に現時点(tp)で、ローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを超えていれば、(n+1)枚目の用紙が定着ニップNに至るまでの第1の時間内に消磁コイル136がオフからオンに切り替わるはずである。
ところが、同図では、現在のローラー端部温度Teが235〔℃〕であり、消磁動作温度Tu(=240〔℃〕)よりも低く、直後の紙間の時間内にローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを超えない例になっている。これでは、消磁コイル136がオンにならず、破線のグラフで示すようにローラー端部温度Teが上昇し続けることになり、(n+1)枚目の用紙Sが定着ニップNを通っているときには、時間tzの間に、ローラー端部温度が240〔℃〕よりも高い245〔℃〕以上の過昇温の域に入るおそれが生じる。
そこで、本実施の形態では、現在のn枚目の用紙Sが定着ニップNを抜けるときのローラー端部温度Te1(同図では235〔℃〕)と、過去の(n−1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜けたときのローラー端部温度Te2(同図では225〔℃〕)との差分ΔT、ここでは(Te1−Te2)を求め、これを定着ローラー端部温度の温度変化量ΔTとして、この温度変化量ΔTだけ消磁動作温度Tuを低くする補正をかける制御を行っている。上記の例では、消磁動作温度Tuが240〔℃〕、温度変化量ΔTが+10〔℃〕になるので、消磁動作温度Tuを230〔℃〕に補正する。以下、補正後の消磁動作温度をTuaという。
このような補正を行えば、現在、ローラー端部温度Te1(=235〔℃〕)が本来の消磁動作温度Tu(=240〔℃〕)に達していなくても、補正後の消磁動作温度Tua(=230〔℃〕)を超えていることにより、消磁作用を開始する条件が満たされて、第1の時間内に消磁コイル136がオンされる。これ以降、消磁作用の働きにより、ローラー端部温度Teが上昇から下降に転じるようになる(一点鎖線のグラフ)。
この補正は、1枚の用紙Sごとに行われるが、例えば(n−1)枚目の用紙Sに対しては、温度変化量ΔTが上記と同じ(+10)〔℃〕であれば、補正後の消磁動作温度Tuaが230〔℃〕になるが、時点tqでは、ローラー端部温度Teが225〔℃〕になっており、補正後の消磁動作温度Tuaよりも低いことから、消磁作用を開始する条件が満たされず、消磁コイル136がオンされることはない。
消磁動作温度Tuの補正は、この補正を行わなければ、温度変化量が例えば+1〔℃〕など極めて小さい場合であっても、温度変化量(温度上昇率)が大きく、次の(n+1)枚目の用紙Sの熱定着中にローラー端部温度Teが消磁動作温度Tuを超えて過昇温の域に入ってしまうような場合に特に効果が発揮される。
なお、上記では、消磁動作温度Tuを温度変化量Δだけ低くする補正を行うとしたが、これに限られず、温度上昇率に基づき下げる方向に補正をかける構成をとれば、補正を行わない構成よりも消磁作用の働きを早めることができる。
また、現時点tpでのローラー端部温度Te1の取得は、端部温度センサー105の検出値を受信することにより行われ、過去の時点tqでのローラー端部温度Te2の取得は、端部温度情報記憶部94に記憶されている端部温度情報のうち、時点tqでの端部温度情報が読み出されることにより行われる。
なお、図9では、第1制御が消磁動作温度Tuに基づいて実行されることを解り易くするため、補正前の消磁動作温度Tuを用いた場合の例を説明したが、本実施の形態では、補正後の消磁動作温度に基づき第1制御が実行される。このことは、後述の消磁停止温度Tfについても同様であり、補正後の消磁停止温度に基づいて第2制御が実行される。
図13に戻って、ステップS64では、現時点tpでのローラー端部温度Te1が補正後の消磁動作温度Tua以上であるか否かを判断する。
Te1≧Tuaであれば(ステップS64で「YES」)、現在が第1の時間内またはスタンバイ中であるか否かを判断する(ステップS65)。現在が第1の時間内またはスタンバイ中であれば(ステップS65で「YES」)、消磁作用を働かせる条件が満たされたとして、第1の時間内の第1のタイミングで第1制御を実行、すなわち励磁コイル131への電力供給を停止してから(ステップS66)、消磁コイル136をオフからオンに切り替えた後(ステップS67)、励磁コイル131への電力供給を再開して(ステップS68)、リターンする。
一方、Te1<Tuaの場合(ステップS64で「NO」)、または現在が第1の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合(ステップS65で「NO」)、消磁作用を働かせる条件が満たされないとして、リターンする。この場合、第1制御は実行されず、消磁コイル136はオフされたままになる。
なお、現在が第1の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合とは、ジョブ実行中で消磁コイル136がオフされている時間帯のうち、第1の時間以外の時間、主に用紙Sが定着ニップNを通過している時間帯に現在が属している場合である。
(9)切替制御2の処理内容
図15は、切替制御2のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように使用されている用紙Sの用紙サイズを取得する(ステップS71)。
そして、取得した用紙サイズに対応する消磁停止温度Tfを温度設定テーブル93から読み出す(ステップS72)。例えば、図8(b)の消磁停止温度設定テーブルの例の場合、B4サイズの用紙に対して消磁停止温度Tfとして220〔℃〕が読み出される。
そして、端部温度情報記憶部94に記憶されている端部温度情報に基づき、読み出した消磁停止温度Tfを補正する(ステップS73)。
この消磁停止温度Tfの補正は、消磁動作温度Tuの補正と同様の考えによるものである。すなわち、ジョブ実行中に消磁作用により下降するローラー端部温度Teの下がりすぎを防止するために、消磁停止温度Tfに対し、その温度低下率に基づき上げる方向に補正をかけて、補正をしない場合よりも消磁作用の停止時期を早めようとするものである。
具体的には、現在のn枚目の用紙Sが定着ニップNを抜けるときのローラー端部温度Te1と、過去の(n−1)枚目の用紙Sが定着ニップNを抜けたときのローラー端部温度Te2との差分である温度変化量ΔT(=Te1−Te2)を求める。切替制御2の実行中では、消磁作用により温度が下降しているはずなので、温度変化量ΔTは負になる。
この温度変化量ΔTの絶対値の分だけ、消磁停止温度Tfを高くする補正、例えば消磁停止温度Tfが220〔℃〕、温度変化量ΔTが−5〔℃〕であれば、消磁停止温度Tfを225〔℃〕に補正する。以下、補正後の消磁停止温度をTfaという。
この補正を行えば、現在、ローラー端部温度Te1が例えば223〔℃〕であり、本来の消磁停止温度Tf、例えば220〔℃〕まで下降していなくても、補正後の消磁停止温度Tfa、例えば225〔℃〕よりも下回っていることにより、消磁作用を停止する条件が満たされて、第2の時間内に消磁コイル136がオフされる。
これ以降、消磁作用の停止により、ローラー端部温度Teが下降から上昇に転じるようになり、(n+1)枚目の用紙Sが定着ニップNを通過するときにローラー端部温度Teが下がりすぎることが防止される。
このローラー端部温度Teの下がり過ぎの防止は、特にB4サイズなどの中間サイズの用紙Sに対して効果がある。すなわち、図5に示すようにB4サイズの用紙Sを縦通紙する場合、通紙領域B4Tの両端側の一部が消磁コイル136a,136bの消磁領域に重なる位置関係になる。このため、図11(b)に示すグラフのようにB4縦通紙の場合、消磁作用が働いているときに通紙領域B4Tの両端部の温度低下が大きくなる傾向が強くなる(グラフの部分U)。
ローラー端部温度Teが下がるほど、これに伴って通紙領域B4Tの両端部の温度も下がり、通紙領域B4Tの両端部の温度が定着に必要な温度域よりも低下すると、B4サイズの用紙Sの幅方向両端部における定着性が低下するおそれが生じるからである。
従って、消磁停止温度Tfの補正により、通紙領域B4Tの両端部の温度が定着に必要な温度域よりも低くなる前に消磁作用を停止して、その温度を下降から上昇に転じさせるようにすることで、必要な定着性を確保することができるようなる。
図15に戻り、ステップS74では、現時点tpでのローラー端部温度Te1が補正後の消磁停止温度Tfa以下であるか否かを判断する。
Te1≦Tfaであれば(ステップS74で「YES」)、現在が第2の時間内またはスタンバイ中であるか否かを判断する(ステップS75)。現在が第2の時間内またはスタンバイ中であれば(ステップS75で「YES」)、消磁作用を停止させる条件が満たされたとして、第2の時間内の第2のタイミングで第2制御を実行、すなわち励磁コイル131への電力供給を停止してから(ステップS76)、消磁コイル136をオンからオフに切り替えた後(ステップS77)、励磁コイル131への電力供給を再開して(ステップS78)、リターンする。
Te1>Tfaの場合(ステップS74で「NO」)、または現在が第2の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合(ステップS75で「NO」)、消磁作用を停止させる条件が満たされないとして、リターンする。この場合、第2制御は実行されず、消磁コイル136はオンされたままになる。
なお、現在が第2の時間内に属さず、スタンバイ中でもない場合とは、ジョブ実行中で消磁コイル136がオンされている時間帯のうち、第2の時間以外の時間、主に用紙Sが定着ニップNを通過している時間帯に現在が属している場合である。
以上、説明したように本実施の形態では、ジョブ実行中の用紙間隔(紙間)の時間における第1と第2のタイミングで、励磁コイル131への電力供給を停止した状態で消磁コイル136のオンとオフを行うので、用紙Sの定着性の低下を防止し、かつ、励磁コイル131への電力供給を行っている状態で行う構成に比べて、消磁切替スイッチ153への電気的負荷が低減され、消磁切替スイッチ153の耐久性を向上することができる。
消磁切替スイッチ153の耐久性の向上により、低コストの消磁切替スイッチ153を用いることができるようになったり、交換頻度が大幅に少なくなって交換作業にかかる時間とコストを大きく低減したりすることができるという効果を得ることができる。
本発明は、定着装置および画像形成装置に限られず、例えば定着温調制御方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、励磁コイル131への電力供給を停止した状態で消磁切替スイッチ153をオン、オフするとしたが、これに限られない。消磁切替スイッチ153に瞬時に大きな突入電流が流れることによる電気的負荷を低減することができれば良い。
例えば、励磁コイル131への電力供給の停止に代えて、熱定着時よりも供給電力を少なくした状態で消磁切替スイッチ153をオン、オフする構成をとることもできる。熱定着時と同等の電力を供給している場合よりも消磁切替スイッチ153に対する電気的負荷を、ある程度は低減することができる。具体的には、励磁コイル131に対し、熱定着時の電力よりも極端に少ない微小電力を供給している状態で消磁切替スイッチ153をオン、オフする制御が考えられる。突入電流の電流量の低減を図ることができる。
励磁コイル131への電力供給を熱定着時よりも低減する構成として、予め、励磁コイル131への電力供給を完全に停止する第1の構成と、停止するのではなく少ない電力だけを供給する第2の構成のうち、電気的負荷による消磁切替スイッチ153の耐久性の低下の程度に基づいて装置構成に適した方を採用することができる。
(2)上記実施の形態では、消磁動作温度Tuと消磁停止温度Tfをそれぞれ温度変化量Δに応じて補正する構成例を説明したが、補正を行う構成に限定されることはない。この補正を行わなくても、定着ローラー101のローラー端部温度Teが上がり過ぎる、または下がり過ぎるといったことがほとんど生じない、または生じたとしても定着性等の画質劣化まで至ることがないような場合には、補正を行わない構成をとるとしても良い。
(3)上記実施の形態では、複数枚の用紙Sが1枚ずつ間隔をおいて定着ニップNを通過する連続通紙のジョブ実行において、その用紙間隔が不変(一定)であることを前提に説明したが、これに限らない。
例えば、単位時間当たりのプリント枚数が多い高速のプリンター1であれば、用紙間隔が極めて狭くなっていることが多く、その狭小の用紙間隔内に、消磁コイル136のオン、オフの切り替えを含む第1制御、第2制御を実行することが困難であれば、その制御を実行するのに必要な時間だけ一時的に用紙間隔を広くする構成をとることもできる。なお、用紙間隔を可変する場合、給紙カセット31から複数枚の用紙Sを1枚ずつ給送するときの給送タイミングと、画像プロセス部10における各用紙に対するトナー像の作像タイミングがその用紙間隔の大きさに応じて可変される。
(4)上記実施の形態では、定着ローラー101を、ローラー本体110の外周にスリーブ113が嵌め込まれつつ、ローラー本体110とスリーブ113が接着剤などにより接着される構成のものを用いたが、これに限られない。例えば、接着せずに、熱膨張によりスリーブ113がローラー本体110に密着する構成のものを用いることもできる。また、回転体であればローラー状に限られず、例えばベルト状のものであっても良い。このことは、加圧ローラー102について同様であり、また、定着回転体との間で定着ニップNを確保できる加圧部材であれば、回転体に限られず、例えば回転しない加圧パッドなどを用いることもできる。
(5)上記実施の形態では、本発明に係る定着装置および画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。
電磁誘導発熱層を有する定着ローラーなどの定着回転体を定着位置で、加圧ローラーなどの加圧部材で圧接して定着ニップを確保すると共に、定着回転体の周面から所定距離だけ離れた位置にその軸方向に沿って延設された励磁コイルを配置しつつ、励磁コイルの延設方向端部に存するコイル部分に消磁コイルが臨設された構成の電磁誘導加熱方式の定着装置、およびこれを備える画像形成装置であれば、例えば複写機、ファクシミリ装置、複合機(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
さらに、上記ではセンター基準の搬送方式の構成例を説明したが、これに限られない。例えば、シートの搬送路幅方向一端側の辺が搬送路の一方端側に設けられた基準位置に沿うようにシートを搬送する、いわゆる片側基準の搬送方式にも適用できる。この場合、例えば消磁コイルは、定着回転体の軸方向に基準位置の反対側の一方端にだけ配することができる。使用される用紙Sのサイズも上記のものに限られることはなく、さらに温度、時間、部材の材料なども上記のものに限られることもない。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置に適用することができる。
1 プリンター
40 定着部
55 定着制御部
91 励磁コイル制御部
92 消磁コイル制御部
93 温度設定テーブル
101 定着ローラー
102 加圧ローラー
103 磁束発生部
104 中央部温度センサー
105 端部温度センサー
106 IH電源部
115 電磁誘導発熱層
131 励磁コイル
136 消磁コイル
153 消磁切替スイッチ
J 定着ローラーの温度低下領域
N 定着ニップ(定着位置)
Tu 消磁動作温度
Tua 補正後の消磁動作温度
Tf 消磁停止温度
Tfa 補正後の消磁停止温度

Claims (10)

  1. 励磁コイルにより形成される磁界の磁束により発熱する電磁誘導発熱層を有する定着回転体とこれに定着位置で圧接される加圧部材との間をシートが通過する際に、当該シート上の画像を熱定着する定着装置であって、
    前記励磁コイルの、前記定着回転体の軸方向端部側に位置するコイル部分に臨設される消磁コイルと、
    前記消磁コイルの開閉を切り替えるスイッチ素子と、
    前記定着回転体の、前記消磁コイルに対応する領域の温度を検出する検出部と、
    1枚ずつ間隔をおいて定着位置を通過する複数枚のシートに対する熱定着の実行中に、前記検出温度が所定の第1温度以上になった以降に、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開から閉に切り替えた後、供給電力を元に戻す第1制御を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1制御を、前記励磁コイルへの供給電力が低減する間に発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をn枚目のシートより後かつ(n+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行することを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御部は、
    前記消磁コイルが閉にされた後、前記検出温度が前記第1温度よりも低い所定の第2温度以下になると、前記励磁コイルへの供給電力を熱定着時より低減してから、前記スイッチ素子により前記消磁コイルを開に切り替え、供給電力を元に戻す第2制御を実行し、
    当該第2制御を、当該第2制御により発熱量が低下する前記定着回転体の温度低下領域が前記定着位置をm枚目のシートより後かつ(m+1)枚目のシートより前に通過するようになるタイミングで実行することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御部は、
    定着すべきシートごとに、幅方向長さに関する情報を取得する取得部と、
    異なる幅方向長さごとに、前記第1温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶している記憶部と、を備え、
    前記温度情報を参照し、前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第1温度に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記温度情報には、
    幅方向長さが第1の長さに、温度T1が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T1よりも低い温度T2が対応付けされた情報とが含まれることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記制御部は、
    前記第1温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の上昇率に基づき下げる方向に補正をかけることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記制御部は、
    定着すべきシートごとに、幅方向長さに関する情報を取得する取得部と、
    異なる幅方向長さごとに、前記第2温度として異なる温度を対応付けてなる温度情報を記憶している記憶部と、を備え、
    前記温度情報を参照し、前記取得された幅方向長さに対応する温度を前記第2温度に用いることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  7. 前記温度情報には、
    幅方向長さが第1の長さに、温度T1が対応付けされた情報と、前記第1の長さよりも長い第2の長さに、前記温度T1よりも高い温度T2が対応付けされた情報とが含まれることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記制御部は、
    前記第2温度として用いる温度に対し、前記検出部による検出温度の低下率に基づき上げる方向に補正をかけることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記励磁コイルへの供給電力の低減は、
    前記励磁コイルへの電力供給を停止することであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. シート上に形成された画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、
    前記定着部として、請求項1〜9のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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