JP6099905B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱回転体の被加熱範囲が記録材サイズに応じて予め可変に設定される画像形成装置、詳しくは、画像形成の開始後に実際に給送された記録材の記録材サイズが、予め設定された加熱回転体の被加熱範囲に対して不適切な場合の制御に関する。
画像形成部で像担持体にトナー像を形成して直接又は中間転写体を介して記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を画像加熱装置の一例である定着装置で加熱加圧して、記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。画像加熱装置は、加熱回転体(ローラ部材又はベルト部材)に圧接回転体(ローラ部材又はベルト部材)を圧接して記録材のニップ部を形成する。
画像加熱装置の加熱回転体が、記録材が通過する回転軸線方向の範囲の外側まで均等に加熱されている場合、加熱回転体の記録材が通過する範囲の外側の非通紙領域に非通紙部昇温が発生する。記録材よって除熱される通紙領域を所定の目標温度に温度調整すると、通紙領域と等しく加熱される一方で記録材による除熱が及ばない非通紙領域の温度は、目標温度を超えてしまう(特許文献1)。
特許文献1では、加熱回転体の通紙領域と、その外側の非通紙領域とにそれぞれ温度センサを配置している。そして、非通紙領域の検出温度が通紙領域の検出温度よりも所定値を超えて高い場合には、直ちに記録材の搬送を停止して画像形成を禁止する。その後は、画像形成装置の記録材搬送経路に残留した記録材の除去と画像加熱装置の機能確認とを条件として画像形成の禁止を解除している。一般的には、サービスマンによる所定の解除手続きが実施されないと、次の画像形成を開始できない。
特許文献2には、誘導加熱装置を用いて加熱回転体の一例である定着ベルトを加熱する画像加熱装置が示される。ここでは、加熱回転体の回転軸線方向に沿って複数の磁性体コアを配列しており、通紙領域に位置する磁性体コアを加熱回転体から遠ざけて磁束による加熱を規制することで非通紙部昇温を回避している。
特開2008−185955号公報 特開2011−53597号公報
特許文献2の画像加熱装置では、記録材に接触する加熱回転体の被通過領域に対応する被加熱範囲に限定して加熱回転体が加熱されるため、記録材に接触しない非通紙領域の加熱が規制されて非通紙部昇温が発生しにくい。しかし、加熱回転体の被加熱範囲が制限されていても、加熱回転体の被加熱範囲に比べて搬送方向に直角な方向の長さが短い記録材や位置ずれした記録材が誤って給送されると、加熱回転体の被加熱範囲の内側に非通紙部昇温が発生する可能性がある。
そして、特許文献2に示されるように、許容範囲を超えた非通紙部昇温が検出されると、サイズの異なる記録材が誤って給送されて発生した非通紙部昇温であっても、画像形成が自動的に禁止される可能性がある。記録材カセット内で記録材サイズが間違って検出された場合や、手差しトレイに搭載した記録材サイズをユーザーが誤入力した場合でも、非通紙部昇温の過剰として画像形成が自動的に禁止される可能性がある。その結果、画像加熱装置には何らの異常がなくても、画像加熱装置の正常を確認するための所定の解除手続きを強要される結果となる。必要な問題解決方法が、記録材サイズの手入力設定の間違いの訂正や、記録材サイズセンサの清掃や、カセットに搭載された記録材の混載の確認であるにもかかわらず、画像加熱装置の正常を確認するための所定の解除手続きを強要される結果となる。
その結果、画像形成装置のダウンタイムが増えて、画像形成装置の実質的な生産性が低下する可能性がある。そのような状況で本来は必要でない画像加熱装置の正常を確認する解除手続きやジャムシートを取り出す処理を課せられる可能性がある。専門知識を備えたサービスマンでないと画像形成の禁止を解除できない場合がある。
本発明は、給送された記録材が加熱回転体の被加熱範囲に対して不適切な場合には、画像加熱装置の機能確認や画像形成装置内の滞留シートの除去を条件とすることなく、次の画像形成を実行可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、記録材を蓄積して記録材搬送経路に送り出す蓄積部と、前記記録材搬送経路の記録材を搬送する搬送手段と、前記記録材搬送経路を搬送される記録材にトナー像を転写する画像形成部と、前記記録材搬送経路を搬送される記録材のトナー像が転写された面を加熱する加熱回転体と、設定された記録材サイズに応じて前記加熱回転体の被加熱範囲を設定して加熱する加熱手段と、回転軸線方向の両端部で前記加熱回転体の温度を検出する一対の温度センサと、前記記録材搬送経路を搬送される記録材が通過する前記加熱回転体の通過範囲を判別する判別手段と、前記一対の温度センサの検出温度が所定の過熱状態に達すると前記搬送手段を停止して画像形成を禁止するモードを実行可能であり、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応している場合には、前記モードを実行し、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応しない場合は、前記一対の温度センサの検出温度に関わらず前記モードの実行を禁止して、前記搬送手段を動作させて前記記録材搬送経路に存在する記録材を前記記録材搬送経路から排出させる制御部と、を有するものである。
本発明の画像形成装置では、記録材のサイズ設定が間違っていた場合に、間違って給送された記録材を画像形成装置の記録材搬送経路から自動的に排除するので、画像形成装置内の滞留シートを取り出す処理が不要である。画像加熱装置の機能確認を伴う解除手続を要することなく、加熱手段を停止せずに、次の画像形成を開始できる。したがって、画像形成装置のダウンタイムが減って、画像形成装置の実質的な生産性が向上する。本来は必要でない画像加熱装置の正常を確認する解除手続きやジャムシートを取り出す処理を課せられない。専門知識を備えたサービスマンによる画像形成の禁止解除を必要としない。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の回転軸線に垂直な断面構成の説明図である。 定着ベルトの断面構造の説明図である。 定着装置の回転軸線方向に平行な垂直断面構成の説明図である。 コア移動機構による加熱範囲の設定の説明図である。 記録材幅検知センサの説明図である。 画像形成装置の制御系のブロック図である。 実施例1の制御のフローチャートである。 事例1における定着ベルトの温度分布の説明図である。 事例2における記録材サイズの誤設定の検知の説明図である。 事例2における定着ベルトの温度分布の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、間違ったサイズの記録材が給送された場合に特別な処置を行わなくても次の画像形成を開始可能である限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、画像加熱装置は、トナー像を転写された記録材を加熱処理して記録材にトナー像を定着させる定着装置のみならず、半定着又は定着済みトナー像を加熱処理して画像に所望の表面性を付与する装置及びカール除去装置を含む。加熱回転体及び圧接回転体は、ベルト部材に限らずローラ部材であってもよい。
画像形成装置は、モノクロ/フルカラー、枚葉型/記録材搬送型/中間転写型、トナー像形成方式、転写方式の区別無く本発明の像加熱装置を搭載できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写/定着に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
(1)画像形成装置
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置Eは、中間転写ベルト26に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム21(Y)にイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム21(M)にマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。画像形成部PC、PKでは、感光ドラム21(C)、21(K)にそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。
中間転写ベルト26は、無端状の樹脂ベルトで構成され、駆動ローラ27、二次転写対向ローラ28、テンションローラ29に張架されて、駆動ローラ27によって駆動される。記録材Pは、記録材カセット31から給紙ローラ32により1枚ずつ取り出されてレジストローラ33で待機する。記録材Pは、レジストローラ33によって二次転写部T2へ給送されて、中間転写ベルト26からトナー像を転写される。トナー像を転写された記録材Pは、定着装置Aへ搬送され、定着装置Aで加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着される。画像が定着された記録材は、記録材搬送経路36を通じて外部トレイ37へ排出される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像装置23(Y)、23(M)、23(C)、23(K)で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、画像形成部PYについて説明し、画像形成部PM、PC、PKに関する重複した説明を省略する。
画像形成部PYは、感光ドラム21の周囲に、帯電ローラ22、露光装置25、現像装置23、転写ローラ30、及びドラムクリーニング装置24を配置している。帯電ローラ22は、感光ドラム21の表面を一様な電位に帯電させる。露光装置25は、レーザービームを走査して感光ドラム21に画像の静電像を書き込む。現像装置23は、静電像にトナーを供給して感光ドラム21にトナー像を現像する。転写ローラ30は、直流電圧を印加されて感光ドラム21のトナー像を中間転写ベルト26へ転写させる。
(2)画像加熱装置
図2は定着装置の回転軸線に垂直な断面構成の説明図である。図3は定着ベルトの断面構造の説明図である。図4は定着装置の回転軸線方向に平行な垂直断面構成の説明図である。以下の説明において、定着装置またはその構成部材の長手方向は、記録材搬送面内において記録材搬送方向に直交する方向に平行な方向である。短手方向は、記録材搬送方向に平行な方向である。定着装置の正面は、定着装置を記録材入口側から見た面、定着装置の背面は、定着装置を記録材出口側から見た面である。定着装置の左右は、定着装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
図2に示すように、定着ベルト1は、金属層を有する無端状のベルト部材である。定着ベルト1は、内径が30mmで、長手方向の長さが390mmである。実施例1では、定着ベルト1は、300mm/secの周速度で回転する。定着装置Aは、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで80枚、A4Rサイズで58枚定着することが可能である。
図3に示すように、定着ベルト1は、基層1aの外周に弾性層1bを配置し、弾性層1bの外周に表面離型層1cを配置し、基層1aの内周に滑性層1dを配置して、外径が30mmである。基層1aの厚みは、励磁コイル6に流す高周波電流の周波数と基層1aの金属層の透磁率・導電率に応じて5〜200μmの範囲で調整される。
基層1aは、電気鋳造法によって製造した厚み40μmのニッケルの金属層である。基層1aは、ニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。基層1aは、樹脂基層に金属を積層して形成してもよい。弾性層1bは、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、厚み300μmの耐熱性シリコンゴム層である。耐熱性シリコンゴム層は、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。弾性層1bは、100〜1000μmの範囲内で厚さを設定するのが好ましい。表面離型層1cは、厚み30μmのフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)である。滑性層1dは、厚さ20μmのポリイミド樹脂層であって、定着ベルト1の内面と温度センサTH1との摺動摩擦を低下させる。滑性層1dは、10〜50μmのフッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層とすることが好ましい。
図2に示すように、加圧ローラ2は、定着ベルト1の外周と接するように配設されて定着ベルト1との間にニップ部Nを形成するローラ部材である。加圧ローラ2は、未定着のトナー像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転駆動される。
加圧ローラ2は、芯金2aの外周に弾性層2bを配置し、弾性層2bの外周に離型層2cを配置して、外径が30mm、長手方向の長さが350mmである。
芯金2aは、長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmの鉄合金製の中実丸棒である。加圧時に圧力付与部材3が撓んだ状態でニップ部Nの長手方向の圧力分布が均一になるように、芯金2aにテーパ形状をつけている。弾性層2bは、シリコンゴム層である。加圧ローラ2の長手方向中央部における弾性層2bの硬度は、ASK−C70°である。離型層2cは、厚み30μmのフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)である。
加圧の総圧力が600Nのとき、ニップ部Nの回転方向の幅は、長手方向の両端部で約9mm、中央部で約8.5mmである。長手方向の両端部の方が中央部よりもニップ部Nの幅が狭いため、記録材Pの両端部の搬送速度が中央部よりも少し速くなって紙しわ抑制効果を奏する。
磁気遮蔽コア5は、ステー4の励磁コイル6側に配置されて、誘導加熱によるステー4の温度上昇を防止する磁気遮蔽部材である。磁気遮蔽コア5は、圧力付与部材3の上面に長手方向にわたって配置してある。磁気遮蔽コア5は、励磁コイル6で生じる磁界を遮蔽して圧力付与部材3の発熱を防止する。
接離機構105は、定着装置Aの停止時に、加圧ローラ2を定着ベルト1から離間させて、ニップ部Nの圧力を解除する。これにより、加圧ローラ2の弾性層2bや定着ベルト1に変形が残ることを防止している。
図4に示すように、圧力付与部材3は、金属製のステー4に保持されて、定着ベルト1と加圧ローラ2との間に押圧力を作用させてニップ部Nを形成する。圧力付与部材3は耐熱性樹脂である。
ステー4の両端部は、定着フランジ10内に挿通して配設される。ステー4は、左右の定着フランジ10の間に梁状に掛け渡された剛性が高い鉄製の部材である。ステー4は、圧力付与部材3の全長に渡ってほぼ等しい圧力を加える。
ステー4の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材9aとの間にステー加圧バネ9bが縮設される。ステー加圧バネ9bは、ステー4に押し下げ力を作用させて、圧力付与部材3に内側面を支持された定着ベルト1の下面と加圧ローラ2の上面との間に所定幅のニップ部Nを形成する。
定着フランジ10は、定着ベルト1の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材である。定着装置Aの支持側板12は、定着フランジ10を支持し、定着フランジ10を介して定着ベルト1の長手方向の位置を規制する。定着フランジ10は、円筒部で定着ベルト1の端部を単純に受け止めて支持しつつ、起立部で回転状態における幅方向への寄りを規制する。これにより、定着装置Aの構成を簡略化できるという利点がある。
図2に示すように、誘導加熱装置100は、定着ベルト1の外周面の上面側に所定の隙間を介して対向配置されて、定着ベルト1を誘導加熱する。励磁コイル6は、リッツ線を横長・船底状にして定着ベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。励磁コイル6の長手方向の内径は352mm、外径は392mmである。
定着ベルト1と励磁コイル6の間隔は1.5mmに揃えられているため、定着ベルト1は均一に加熱される。誘導加熱装置100が、高温になる定着ベルト1の内部ではなく外部に配置されているので、励磁コイル6の温度が高温になりにくい。励磁コイル6の温度が低く保たれるため、励磁コイル6の電気抵抗が上昇せず、高周波電流を流してもジュール発熱による損失が少なくて済む。励磁コイル6を定着ベルト1の外部に配置したことで、定着ベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、しいては省エネルギー性にも優れている。
外側磁性体コア7aは、励磁コイル6を覆って配置され、励磁コイル6より発生した交流磁束を効率よく定着ベルト1の誘導発熱体に導く役割をする。外側磁性体コア7aは、励磁コイル6の磁気回路(磁路)の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。外側磁性体コア7aの材質は、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いている。モールド部材8は、励磁コイル6及び外側磁性体コア7aを電気絶縁性の樹脂によって支持する。励磁コイル6は、0.5mmのモールドによって電気絶縁の状態を保ち、モールド表面と定着ベルト1の表面の距離は1.0mmである。
接離機構105は、画像形成ジョブの実行が指示されると定着ベルト1と加圧ローラ2とを圧接する。その後、定着モータ104は、加圧ローラ2を搬送方向に回転駆動して、定着ベルト1を加圧ローラ2に従動回転させる。定着ベルト1の回転状態において、電源装置101は、20〜50kHzの高周波電流を励磁コイル6に印加する。励磁コイル6が発生した交番磁束が外側磁性体コア7aに導かれて定着ベルト1に入射して、定着ベルト1の金属層を誘導加熱する。
温度センサTH1は、定着ベルト1の幅方向中央の内側面に当接配設したサーミスタ等の温度検出素子である。温度センサTH1は、すべての記録材サイズにおいて通紙領域に位置する定着ベルト1の中央部分の温度を検知する。温度センサTH1は、圧力付与部材3に弾性支持部材を介して取り付けられており、定着ベルトの当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもこれに追従して良好な接触状態が維持される。温度センサTH1の検知温度情報は、制御部102にフィードバックされる。
制御部102は、温度センサTH1から入力する検知温度情報が所定の目標温度に維持されるように電源装置101が励磁コイル6に供給する電力を制御する。制御部102は、定着ベルト1の表面温度が目標温度の180℃で一定に維持されるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて励磁コイル6に入力する電力を制御する。電源装置101は、定着ベルト1の温度が目標温度の180℃に維持されるように、励磁コイル6に入力する高周波電流の周波数を変化させる。
定着装置Aのウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えば励磁コイル6に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達できる。また、スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
誘導加熱装置100に電力供給がなされて定着ベルト1が目標温度に温度調整された状態で、ニップ部Nに、未定着のトナー像Tを有する記録材Pが給送される。記録材Pは、画像面を定着ベルト1側に向けてガイド部材38で案内されてニップ部Nに進入し、定着ベルト1の外周面に密着して定着ベルト1と一緒にニップ部Nを挟持搬送される。これにより、主に定着ベルト1の熱が付与されるとともにニップ部Nの加圧力を受けて未定着のトナー像Tが記録材Pの表面に定着される。
(3)コア移動機構
図5はコア移動機構による加熱範囲の設定の説明図である。図6は記録材幅検知センサの説明図である。定着装置Aは、加熱回転体を薄肉化して熱容量を小さくし、加熱効率の良い熱源で加熱して室温から画像形成開始までの昇温時間を短くし、製造コストを下げ、エネルギー効率を高めている。しかし、加熱回転体を薄肉化すると、加熱回転体の回転軸線方向に垂直な断面の断面積が小さくなって、回転軸線方向の熱移動が妨げられ、温度差が生じ易くなる。温度差は、薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い材料では、さらに顕著である。加熱回転体の回転軸線方向の長さ一杯(最大通紙幅)の記録材を定着処理する場合は温度差は発生しない。しかし、通紙幅の小さい記録材を連続で通紙させる場合、加熱回転体の非通紙領域の温度が温調温度よりも高くなり、通紙領域と非通紙領域の温度差が大きくなり易い。
通紙領域と非通紙領域の温度差が大きくなると、加熱回転体や加圧回転体の交換寿命が短くなる。通紙幅の小さい記録材を連続で通紙した直後に最大通紙幅の記録材を定着処理した場合、通紙幅の中央と端部とで温度差による光沢ムラが発生し易くなる。加圧ローラの熱膨張ムラによって記録材にしわが発生し易くなる。また、通紙領域と非通紙領域の温度差は、記録材の熱容量が大きく、スループット(単位時間あたりのプリント枚数)が多いほど大きくなる。このため、一般的には、薄肉で低熱容量の加熱回転体を用いることは、スループットの高い画像形成装置では困難とされている。
そこで、定着装置は、各種の記録材サイズに対応するため、磁性体コアが記録材搬送に直交する方向で分割され、それぞれがコア移動機構106によって移動可能とし、予め設定された記録材サイズに応じた被加熱範囲を定着ベルト1に設定している。各種の記録材サイズに対応するため、磁性体コアごとの移動距離を記録材サイズに応じて異ならせる。
通紙幅の内側に位置する磁性体コアを定着ベルト1に近接した位置へ移動させ、通紙幅の外側に位置する磁性体コアは定着ベルト1から離間した位置へ移動させている。通紙幅の外側に位置する磁性体コアと励磁コイル6の距離を離して、励磁コイル6の周りにできる、磁性体コア及び定着ベルト1を含む磁気回路の効率を落として、定着ベルト1の非通紙部の発熱量を低下させている。これにより、非通紙部昇温を抑制して、磁性体コアや励磁コイル6の昇温を抑制している。いろいろな種類の記録材サイズにおいて、非通紙部昇温を防止可能としている。
図4に示すように、外側磁性体コア7aは、記録材搬送方向と直交する方向に並んで配置される。種々の記録材サイズ、例えばハガキ、A5、B4、A4、A3ノビまでの各種サイズの記録材において非通紙部昇温に対応できるように、外側磁性体コア7aは、長手方向で複数に分割されている。外側磁性体コア7aは、コア移動機構106によって定着ベルト1に接離する方向へ移動可能である。外側磁性体コア7aの幅は10mm、外側磁性体コア7aの間隔は1.0mmである。外側磁性体コア7aは、少しずつ位相を異ならせたカム列を用いたコア移動機構106によって15mmの振幅で昇降される。
制御部102は、加熱処理される記録材のサイズに応じてコア移動機構106を作動させ、外側磁性体コア7aごとに励磁コイル6に近い位置と励磁コイル6から遠い位置とのいずれかを設定する。制御部102は、記録材の種類を判別して、非通紙領域に位置する外側磁性体コア7aをコイル6から離れる方向に移動させる。記録材のサイズに対応して外側磁性体コア7aが移動することで、非通紙部昇温が抑制される。
図6の(a)に示すように、外側磁性体コア7aは、記録材の通紙領域では、励磁コイル6に近付く方向に移動して、定着ベルト1に入射する磁束密度を高めている。外側磁性体コア7aは、記録材の非通紙領域では、励磁コイル6から離れる方向に移動して、励磁コイル6と外側磁性体コア7aの隙間を広げて定着ベルト1に入射する磁束密度を低下させて、定着ベルト1の発熱量を低下させる。
(4)非通紙部昇温検出
図4に示すように、定着ベルト1の温度調整に用いる温度センサTH1は、定着ベルト1の長手方向の中央位置に配置される。温度センサTH2、TH3は、温度センサTH1から外側へそれぞれLmmの位置で定着ベルト1の内面を摺擦するように配置されている。温度センサTH2、TH3は、非通紙部昇温を検出する。ここでは、Lmmは、150mmである。すなわち、温度センサTH2,TH3は、定着ベルトの最小サイズの記録材が通過する範囲より外側で最大サイズの記録材が通過する範囲に対向して配置される。
制御部102は、温度センサTH2、TH3のいずれかの検出温度が240を越えると、端部高温ソフトエラーモードに移行して、画像形成装置Eの全動作を停止させる。また、温度センサTH2、TH3の検出温度の温度差が40℃以上となると、端部温度差ソフトエラーモードに移行して、画像形成装置Eの全動作を停止させる。ソフトエラーとは、温度センサTH2、TH3の検出温度をソフトウエア的に判断して画像形成装置の各部にリカバリーソフトウエアを実行させるモードである。ソフトエラーとは、想定外の要因により温度センサTH2、TH3の検出温度が異常を示した場合に、画像形成装置の全動作を停止して、サービスマンによる機能確認を要求するモードである。
(5)記録材検出
図1に示すように、画像形成装置Eの記録材搬送経路の始点である記録材カセット31の出口に隣接して給紙検知スイッチ60が配置される。画像形成装置Eの記録材搬送経路の終点である外部トレイ37への出口に隣接して排紙検知スイッチ61が配置される。給紙検知スイッチ60及び排紙検知スイッチ61は、LEDの照射光を、記録材搬送経路を挟んで配置した反射板で正反射させてフォトダイオードで検出する反射型フォトインタラプタである。フォトダイオードの検知信号は、不図示のA/Dコンバータを介して制御回路部102に入力される。
制御部102は、給紙検知スイッチ60の出力パルスのカウントによって何枚の記録材が二次転写部T2へ給送されたかを検知し、排紙検知スイッチ61の出力パルスのカウントによって何枚の記録材が外部トレイ37へ排出されたかを検知する。制御部102は、2つのカウント数の差分を求めて、画像形成装置Eの記録材搬送経路に何枚の記録材が残っているかを判別する。
制御部102は、給紙検知スイッチ60を記録材が通過した後に、所定秒数が経過しても排紙検知スイッチ61を記録材が通過しない場合、記録材のジャムが発生したと判断して、ジャム発生エラーモードに移行する。ジャム発生エラーモードは、直ちに定着装置Aの加熱を停止して記録材の搬送も停止させる。そして、制御部102は、表示装置70にジャム処理の手順を表示する。操作者は、表示装置70の指示に従って、画像形成装置Eの筐体を開いて、記録材の搬送経路に残留した記録材を取り除く。記録材を取り除く処理が実行されると、制御部102は、画像形成の禁止を解除して、画像形成装置Eをスタンバイ状態に戻して、次の画像形成の指令を待機させる。
(6)実施例1の構成
図1に示すように、蓄積部の一例である記録材カセット31は、記録材を蓄積して記録材搬送経路36に送り出す。別の蓄積部の一例である外部トレイ37は、定着装置Aによって加熱処理された記録材を蓄積する。搬送手段の一例である搬送ローラ38は、記録材搬送経路36の記録材を搬送する。画像形成部の一例である画像形成部PY、PM、PC、PK及び二次転写ローラ34は、トナー像を形成して、記録材搬送経路36を搬送される記録材に転写する。
図2に示すように、加熱回転体の一例である定着ベルト1は、記録材搬送経路36を搬送される記録材のトナー像が転写された面を加熱する。加熱手段の一例である誘導加熱装置100は、設定された記録材サイズに応じて定着ベルト1の被加熱範囲を設定して加熱する。誘導加熱手段の一例である励磁コイル6は、磁束を発生して定着ベルト1を所定の目標温度に誘導加熱する。磁束規制手段の一例である外側磁性体コア7aは、定着ベルト1に入射する磁束を規制して設定された記録材サイズに応じた被加熱範囲を設定する。
図4に示すように、一対の温度センサの一例である温度センサTH2、TH3は、回転軸線方向の両端部で定着ベルト1の温度を検出する。判別手段の一例である記録材幅検知センサ(200:図1)は、記録材搬送経路36を搬送される記録材が通過する定着ベルト1の通過範囲を判別する。
記録材幅検知センサ200は、記録材の搬送方向に直角な方向の複数位置で記録材を検出する複数のフォトインタラプタを有し、通過する記録材が遮光するフォトインタラプタの範囲に基づいて定着ベルト1における記録材の通過範囲を判別する。
図6の(b)に示すように、レジストローラ33の直前に、記録材幅検知センサ200が配置される。記録材幅検知センサ200は、レジストローラ33の回転軸線方向に沿って複数の反射型フォトインタラプタ200a〜200fを配列して構成される。反射型フォトインタラプタ200a、200fは、定着ベルト1の長手方向中央からそれぞれ155mmの位置に配置される。反射型フォトインタラプタ200b、200eは、定着ベルト1の長手方向中央からそれぞれ145mmの位置に配置される。反射型フォトインタラプタ200c、200dは、定着ベルト1の長手方向中央からそれぞれ100mmの位置に配置される。ただし、反射型フォトインタラプタ200a〜200fは、異なる個数としてもよく、異なる位置に配置してもよい。
反射型フォトインタラプタ200a〜200fの出力は、不図示のADコンバータを介して制御部102へ入力される。制御部102は、記録材幅検知センサ200を記録材が通過する際の反射型フォトインタラプタ200a〜200fのON/OFFの組み合わせパターンを検出する。反射型フォトインタラプタ200a〜200fがOFFとなる範囲に基づいて、二次転写部T2へ給送された記録材の搬送方向に直角な方向の長さ(記録材幅と呼ぶ)を判別する。記録材幅は、定着ベルト1の回転軸線方向において記録材が接触して除熱を及ぼす範囲に相当している。
図6の(b)に示すように、記録材幅検知センサ200を通過した記録材がA4サイズ縦送りであり、ユーザーが設定した記録材幅がA4サイズ横送りの場合を想定する。ユーザーが設定した記録材幅であるA4サイズ横送りでは、記録材幅検知センサ200において反射型フォトインタラプタ200b、200c、200d、200eがOFFする。しかし、実際に記録材幅検知センサ200を通過した記録材は、A4サイズ縦送りのため、反射型フォトインタラプタ200b、200cがOFFとなり反射型フォトインタラプタ200d、200eがOFFしない。
このような場合、制御部102は、記録材幅検知センサ200が検知した実際の記録材幅と、ユーザーが設定した記録材幅とが一致しないと判断する。制御部102は、実行中の画像形成を中断して、画像形成装置の記録材搬送経路に存在するすべての記録材を外部トレイ37へ排出する。その後、画像形成装置Eをスタンバイ状態に移行させて、記録材サイズ誤設定のアラームを出し、表示装置70を通してユーザーに注意を喚起する。
(7)実施例1の制御
図7は画像形成装置の制御系のブロック図である。図8は実施例1の制御のフローチャートである。
図1に示すように、制御部102は、記録材幅検知センサ200が判別した通過範囲が設定された記録材サイズに対応している場合に温度センサTH2、TH3の検出温度が所定の過熱状態に達すると、搬送ローラ38を直ちに停止させて画像形成を禁止する。所定の過熱状態とは、温度センサTH2、TH3のいずれかの検出温度が所定の閾値を超えた場合、及び温度センサTH2、TH3の検出温度差が別の所定の閾値を超えた場合である。制御部102は、表示装置70を通じて定着装置Aの過熱を通知し、記録材搬送経路36のジャム確認と定着装置Aの機能の確認とを条件として画像形成の禁止を解除する。ここで、定着装置Aの機能の確認とは、サービスマンが装置の機能と安全を確認しエラーを解除した時などを意味する。
制御部102は、記録材幅検知センサ200が判別した通過範囲が設定された記録材サイズに対応しない場合は、記録材カセット31からの記録材の送り出しを停止して記録材搬送経路36に存在するすべての記録材を外部トレイ37へ排出して蓄積する。制御部102は、記録材搬送経路36に存在するすべての記録材を排出させた後、記録材搬送経路36の確認も定着ベルト1の確認も条件とすることなく画像形成部PY、PM、PC、PK及び定着装置Aを画像形成開始可能に待機させる。通知部の一例である制御部102は、表示装置70を通じて記録材サイズの設定の誤りを通知する。
制御部102は、記録材幅検知センサ200が判別した通過範囲が設定された記録材サイズに対応している場合には温度センサTH2、TH3の検出温度が所定の過熱状態に達すると定着装置Aを停止して画像形成を禁止する。しかし、記録材幅検知センサ200が判別した通過範囲が設定された記録材サイズに対応しない場合には、温度センサTH2、TH3の検出温度が所定の過熱状態に達しても画像形成を禁止しない。そのまま、定着装置Aを作動させ続けて、すでに開始してしまった画像形成が終了するまで記録材を排出する。
図7に示すように、制御部102の入力側には、記録材搬送経路上の記録材を検出する給紙検知スイッチ60、排紙検知スイッチ61、定着ベルト1の内面温度を検知する温度センサTH1、TH2、TH3、記録材幅検知センサ200が接続される。制御部102の出力側には、定着ベルト1を加熱する電源装置101、誘導加熱装置100、記録材サイズ誤設定のアラームや各種エラーモードを表示する表示装置70、画像形成装置内の記録材を搬送する搬送機構300、画像形成部が接続されている。
図7を参照して図8に示すように、制御部102は、画像形成ジョブを受信すると、通常のプリント動作を開始して(S1)、給紙検知スイッチ60の出力から記録材が給紙されたことを検知する(S2)。
制御部102は、記録材幅検知センサ200の出力から、通過した記録材の記録材幅を判別し、ユーザーが設定した記録材幅と一致するか否かを判別する(S3)。
制御部102は、通過した記録材の記録材幅とユーザーが設定した記録材幅とが一致する場合、画像形成ジョブのプリントが終了するまで(S9のNO)、通常のプリント動作を継続する(S1)。そして、画像形成ジョブのプリントが終了すると(S9のYES)、画像形成ジョブを終了する。
制御部102は、上述したように、記録材幅検知センサ200が検知した実際の記録材幅とユーザーが設定した記録材幅とが一致しない場合、給紙を停止する(S4)。また、ユーザーが再度誤サイズ設定しないように警告情報を通知する(S5)。
制御部102は、ソフト的に判断している端部高温ソフトエラーと、端部温度差ソフトエラーを解除する(S6)。
これにより、制御部102は、その時点もしくはその後の記録材の排出処理に伴って一時的に温度センサTH2、TH3の検知温度が上昇しても端部高温ソフトエラーとは判別しない。温度センサTH2、TH3の検知温度の温度差が増大しても、端部温度差ソフトエラーとは判別しない。
ここで、端部高温ソフトエラーは、非通紙部昇温が進行して温度センサTH2、TH3のいずれかが上限温度(240℃)を超えると、定着装置Aを含む画像形成装置Eの全動作を停止するモードである。端部温度差ソフトエラーは、温度センサTH2の検知温度と温度センサTH3の検知温度とが想定外の要因によって所定温度差(40℃)以上となると、定着装置Aを含む画像形成装置Eの全動作を停止するモードである。
しかし、記録材幅検知センサ200の検知結果によって、ユーザーが記録材サイズを誤設定したことが明らかであり、想定外の要因が存在しないことも定着装置の機能的な問題が存在しないことも明らかである。画像形成の再開のためにユーザーがジャムシート処理や定着装置の機能確認を行う必要なく、ユーザーが行うべきことは記録材サイズの設定を訂正するだけであることが明らかである。
そこで、端部高温ソフトエラー又は端部温度差ソフトエラーと判断されて、画像形成装置Eの全動作が停止されて、ユーザーにジャムシート処理や定着装置の機能確認と言った不必要な負荷をかけることがないようにしている。
制御部102は、給紙検知スイッチ60で検知されたすべての記録材が排紙検知スイッチ61で検知されるまで(S8のNO)、搬送機構300を作動させ続ける(S7)。画像形成装置Eの記録材搬送経路の記録材がすべて排紙されたことが確認されると(S8のYES)、搬送機構300を停止して画像形成を終了する。
これにより、画像形成装置Eの記録材搬送経路に記録材を残したまま搬送機構300を停止して、記録材をジャムシートとみなしてユーザーに除去させる必要がなくなる。ジャム発生エラーと判断して画像形成装置の全動作を停止させることで、ユーザーに不必要な負荷をかけないようにしている。
(8)事例1
図9は事例1における定着ベルトの温度分布の説明図である。
図1を参照して図9に示すように、ユーザーがA4サイズ横送りの記録材サイズを誤設定して連続5枚の画像形成を開始したところ、記録材カセット31からA4サイズ縦送りで記録材が給送されてしまったとする。そして、A4サイズ縦送りの1枚目の記録材が記録材幅検知センサ200を通過してA4サイズ縦送りに相当する信号が制御部102に入力されたとする。記録材サイズの誤設定の判断がされた段階で、画像形成装置Eの記録材搬送経路にA4サイズ縦送りの記録材が3枚存在していたとする。
制御部102は、すでに画像形成動作を開始してしまったA4サイズ縦送りの記録材に関してはそのまま排紙まで行う。制御部102は、記録材サイズの誤設定の判断がされた段階で給紙動作を開始してしまっていた3枚目のA4サイズ縦送りの記録材の排紙が確認されるまで搬送動作を継続する。画像形成装置Eの記録材搬送経路に既に送り出されていた3枚のA4サイズ縦送りの記録材を外部トレイ37に積載する。
そして、図9に示す温度分布は、この3枚目が定着ベルト1を通過している最中における定着ベルト1の回転軸線方向の温度分布である。温度センサTH2は、記録材が通過するため180℃を示すのに対し、反対側の温度センサTH3は、記録材が通過しないため223℃を示した。
端部温度差エラーの閾値を40℃に設定しているため、180+40=220℃を超えて、本来なら端部温度差エラーと判断されるが、端部温度差エラーを解除しているため、排紙の途中で端部温度差エラーの判断がされることはない。
実施例1の制御によれば、ユーザーが記録材サイズを誤って設定して画像形成を開始した際に、ジャム発生エラーも、端部高温ソフトエラーも、端部温度差ソフトエラーも判断されない。その後も、給紙動作を開始してしまった記録材が排紙されるまでは、画像形成動作は停止することなく、ジャム発生エラーも、端部高温ソフトエラーも、端部温度差ソフトエラーも発生しない。
このため、これらのエラーの判定に伴ってユーザーに課せられる機能回復措置が不要であるため、ストレスレスな画像形成装置を提供できる。表示装置70を通してユーザーに記録材サイズの設定の間違いが指摘されるため、ユーザーは、記録材サイズの設定を訂正して直ちに画像形成を再実行できる。表示装置70を通して警告することで、記録材サイズの誤設定の再発も防ぐことができる。未定着トナー像が転写されたままの記録材によって手や機械を汚すこともない。
(9)事例2
図10は事例2における記録材サイズの誤設定の検知の説明図である。図11は記録材サイズを誤設定した際の定着ベルトの温度分布の説明図である。
図10に示すように、ユーザーがA4サイズ横送り、坪量80[g/m]の記録材設定をして画像形成を開始したところ、記録材カセット31からA4サイズ縦送りで坪量105[g/m]の記録材が給送されてしまったとする。
ユーザーが設定したA4サイズ横送りの記録材であれば、記録材幅検知センサ200において、反射型フォトインタラプタ200b、200c、200d、200eがOFFする。しかし、記録材幅検知センサ200をA4サイズ縦送りの記録材が通過すると、反射型フォトインタラプタ200c、200dがOFFして反射型フォトインタラプタ200、200eは、ONのままである。
さらに、坪量105[g/m]の記録材の通紙時に通紙領域の目標温度180℃で温度調整された定着ベルト1は、その非通紙部が、A4サイズ縦送りで坪量80[g/m]の記録材が通過した場合よりも温度が高くなる。
その結果、図11に示すように、温度センサTH2、TH3において上限温度を超えてしまい、制御部102は、端部高温ソフトエラーを判断する。端部高温ソフトエラーは、温度センサTH2あるいはTH3が所定の温度を超えたところでソフト的にエラーを検知して画像形成装置Eの全動作を停止してしまうモードである。
しかし、上限温度は、上限温度に晒された状態で記録材の加熱処理が連続的に実行され続けた場合に定着ベルト1の耐久寿命を短くする可能性がある温度である。そのため、ユーザーによる記録材サイズ等の誤設定に伴って上限温度に短時間晒された場合には、定着ベルト1の耐久寿命に影響が無い。
そこで、制御部102は、ユーザーによる記録材サイズ等の誤設定と判断した場合には、端部温度差エラーの場合と同様に、端部高温エラーも解除する。
ただし、記録材サイズ等の誤設定に重ねて想定外の不具合が起きる可能性を考慮して、温度ヒューズを用いたハード的な高温エラー検知は生かしてある。
制御部102は、記録材サイズ誤設定が検知されると、本体搬送路内にある記録材を全て排紙するまで画像形成装置を継続し、さらに紙サイズ誤設定に起因するエラーを解除するため、ジャムやエラーを起こさずユーザーにストレスレスな定着装置を提供できる。
(10)実施例2
なお、記録材サイズ誤設定を検知する手段は、記録材幅検知センサ200には限らない。すなわち、判別手段は、定着ベルト1の回転軸線方向の複数位置で定着ベルト1の温度を検出する複数の温度センサによって構成可能である。記録材が定着ベルト1を通過する際に検出温度が所定の閾値を超えない温度センサの範囲に基づいて通過範囲を判別することができるからである。
図9の場合を想定すると、例えば、1枚の記録材をニップ部Nに通過させた直後の温度センサTH2の検知温度と温度センサTH3の検知温度の温度差が所定温度以上であれば、そのことをもって記録材サイズ誤設定であると判断してもよい。制御部102は、定着ベルト1の回転軸線方向の温度分布を3個の温度センサTH1、TH2、TH3で検出して、定着ベルト1における記録材の通過領域と定着ベルト1の被加熱領域の一致/不一致を判断する。
(11)実施例3
画像加熱装置は、金属層を有する薄肉の定着ベルト1を誘導加熱する定着装置Aには限らない。薄肉小径化した定着ローラを有する定着装置、樹脂フィルムの定着ベルトの内側面に抵抗加熱素子を圧接した定着装置でもよい。薄肉の加熱回転体では、加熱が集中すると短時間で急激に温度上昇するからである。これらの定着装置でも、ユーザーが記録材サイズ等を誤設定して、設定した記録材サイズよりも搬送幅の狭い記録材やセンターずれした記録材が定着装置を通過する場合がある。例えば、記録材が設定よりも片寄せ通紙されて加熱回転体の片側の端部だけが極端に昇温してしまうと、端部高温エラーが判断されて画像形成動作が即時停止される。記録材ジャムと、ひとくくりに判定して未定着トナー像が転写された記録材を記録材搬送経路に残したままジョブを停止する場合がある。
しかし、記録材サイズの誤設定を記録材ジャムと判定してジョブ途中に画像作成プロセスを停止させた場合、ユーザーにジャム処理の負荷がかかってしまう。記録材ジャムと判定せずに、記録材サイズ誤設定のまま通紙を続けると、想定以上の非通紙部昇温によって高温ソフトエラーが判定される可能性がある。高温ソフトエラーが判定されると、ユーザーには処理できず、サービスマン対応が必要になってしまう。このように、記録材ジャム判定や高温ソフトエラーによってユーザーに多大な労力をかけてしまう可能性があるため、記録材サイズの誤設定の場合には、記録材ジャムや高温ソフトエラーとは判断しないで、軽微な警告に止めて画像形成の継続を許可する。これにより、ユーザーの負荷が大幅に軽減される。
1 定着ベルト、2 加圧ローラ、3 圧力付与部材、4 ステー
5 磁気遮蔽コア、6 励磁コイル、7a 外側磁性体コア
10 定着フランジ、31 記録材カセット、36 記録材搬送経路
37 外部トレイ、38 搬送ローラ、60 給紙検知スイッチ
61 排紙検知スイッチ、70 表示装置、100 誘導加熱装置
102 制御部、200 記録材幅検知センサ
PY、PM、PC、PK 画像形成部
TH1、TH2、TH3 温度センサ

Claims (7)

  1. 記録材を蓄積して記録材搬送経路に送り出す蓄積部と、
    前記記録材搬送経路の記録材を搬送する搬送手段と、
    前記記録材搬送経路を搬送される記録材にトナー像を転写する画像形成部と、
    前記記録材搬送経路を搬送される記録材のトナー像が転写された面を加熱する加熱回転体と、
    設定された記録材サイズに応じて前記加熱回転体の被加熱範囲を設定して加熱する加熱手段と、
    回転軸線方向の両端部で前記加熱回転体の温度を検出する一対の温度センサと、
    前記記録材搬送経路を搬送される記録材が通過する前記加熱回転体の通過範囲を判別する判別手段と、
    前記一対の温度センサの検出温度が所定の過熱状態に達すると前記搬送手段を停止して画像形成を禁止するモードを実行可能であり、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応している場合には、前記モードを実行し、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応しない場合は、前記一対の温度センサの検出温度に関わらず前記モードの実行を禁止して、前記搬送手段を動作させて前記記録材搬送経路に存在する記録材を前記記録材搬送経路から排出させる制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応しない場合に記録材サイズの設定の誤りを通知する通知部を備え、
    前記制御部は、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応しない場合は、前記記録材搬送経路に存在するすべての記録材を排出させた後、前記記録材搬送経路の確認も前記加熱回転体の確認も条件とすることなく前記画像形成部及び前記加熱手段を画像形成開始可能に待機させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応している場合に前記一対の温度センサの検出温度が所定の過熱状態に達すると前記加熱回転体の過熱を通知する通知部を備え、
    前記制御部は、前記記録材搬送経路の確認と前記加熱回転体の確認とを条件として前記モードの実行を停止することを特徴とする請求項請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記加熱手段は、磁束を発生して前記加熱回転体を所定の目標温度に誘導加熱する誘導加熱手段と、前記加熱回転体に入射する磁束を規制して設定された記録材サイズに応じた前記被加熱範囲を設定する磁束規制手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記加熱回転体によって加熱処理された記録材を蓄積する別の蓄積部を備え、
    前記制御部は、前記判別手段が判別した前記通過範囲が前記設定された記録材サイズに対応しない場合に、前記記録材搬送経路に存在するすべての記録材を前記別の蓄積部へ排出して蓄積することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記判別手段は、記録材の搬送方向に直角な方向の複数位置で記録材を検出する複数のフォトインタラプタを有し、通過する記録材が遮光するフォトインタラプタの範囲に基づいて前記通過範囲を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記判別手段は、前記加熱回転体の回転軸線方向の複数位置で前記加熱回転体の温度を検出する複数の温度センサを有し、記録材が前記加熱回転体を通過する際に検出温度が所定の閾値を超えない温度センサの範囲に基づいて前記通過範囲を判別することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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