以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する画像形成部の一例としての複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置30と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。なお、図中の1aは画像形成装置1の装置本体を示し、この装置本体1aはプレート等からなる支持構造部材や外装カバーなどで構成されている。また、図中の破線は、装置本体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、装置本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、イエロー(Y)の作像装置10Yが鉛直方向に沿った上方に位置して相対的に高く、ブラック(K)の作像装置10Kが相対的に低くなる位置に存在している。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。尚、図1中、感光体ドラム11や帯電装置12等を示す符号は、イエロー(Y)の作像装置10Yにのみ付して他の作像装置10(M,C,K)においては省略する。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12は、その表面を清掃する清掃ロール121を有している。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜25と、ベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置26と、二次転写装置26を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置27とで主に構成されている。中間転写装置20は、後述するプロセスカートリッジ100の着脱時などに図示しない操作ハンドルを操作することにより、ベルト支持ロール24及び一次転写装置15に張架された中間転写ベルト21を感光体ドラム11(Y,M,C,K)から離間した退避位置へと移動自在に構成されている。
この実施の形態に係る画像形成装置では、画像形成部として4つの作像装置10(Y,M,C,K)を想定しているが、中間転写装置20に対しても送風する必要がある場合には、当該中間転写装置20を送風対象としての画像形成部に含めても勿論良い。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は二次転写の背面支持ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21の画像形成面を形成する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール25は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成される。
二次転写装置26は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール26又は中間転写装置20の支持ロール22には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として図示しない電源装置から供給される。
ベルト清掃装置27は、図1に示されるように、一部が開口する容器状の本体270と、二次転写後の中間転写ベルト21の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板271と、清掃板271で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材272等で構成されている。清掃板271としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された図示しない筐体の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。なお、加熱用回転体41としては、例えば、電磁誘導作用により発熱する加熱ベルトが用いられ、加圧用回転体42としては、例えば、円柱状の芯金の外周に弾性率が相対的に低い弾性体層を被覆したソフトロールが用いられる。
給紙装置30は、作像装置10(Y,M,C,K)の鉛直方向に沿った下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置30は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する記録媒体収容部の一例としての複数(又は単数)の用紙収容体31と、用紙収容体31から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置32とで主に構成される。用紙収容体31は、例えば、図示しないガイドレールによって装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。この実施の形態では、図面に直交する方向の手前側の面が装置本体1aの正面となるよう設定されている。
図3は画像形成装置本体1aに装着された給紙装置30を記録用紙5の給紙方向に沿った下流側の斜め上方から見た斜視構成図である。
給紙装置30の用紙収容体31は、図3に示されるように、上端面が全面開口した平面矩形の高さが相対的に低い略直方体状の箱体として構成されている。用紙収容体31は、最大サイズの記録用紙5よりも大きな面積を有する平面矩形状に形成された底壁311と、底壁311の外周に記録用紙5の給紙方向に沿って前後に設けられた左右の側壁312,313と、記録用紙5の給紙方向と交差する用紙収容体31の着脱方向に沿って前面側と背面側に設けられた前後壁314(前壁は図示せず)とを備えている。用紙収容体31の底壁311には、記録用紙4を載置した状態で図示しない駆動手段によって昇降可能に配置された昇降板315と、記録用紙4の給紙方向に沿った先端部及び後端部を支持する前後のガイド部材316,317と、記録用紙4の給紙方向と交差する方向に沿った左右の側端部を支持する左右のガイド部材318,319とが装着されている。前後及び左右のガイド部材316,317,318,319は、用紙収容体31に収容される記録用紙4のサイズに応じて移動可能に構成されている。なお、用紙収容体31の左右の側壁312,313は、その背面側の端部312a,313aが後壁314よりも背面側に延長して設けられている。
また、用紙収容体31の後壁314の背面側には、前後及び左右のガイド部材316,317,318,319の位置に応じて用紙収容体31に収容された記録用紙5のサイズを検知するサイズ検知手段320が配置されている。
複数の用紙収容体31は、基本的に同様に構成されている。また、複数の用紙収容体31のうち、最も上段に位置する用紙収容体31は、図4に示されるように、当該用紙収容体31の背面側に設けられる空間が他の下方に位置する用紙収容体31より広くなるよう設定されている。更に説明すると、最上段の用紙収容体31は、用紙収容体31の後壁314が他の用紙収容体31と比較して装置本体1aの奥行き方向に沿った手前側(前面側)に配置されている。そのため、最上段の用紙収容体31は、用紙収容体31の後壁314と装置本体1aの後述するリアプレート103との間隔が他の用紙収容体31より大きくなるよう構成されている。最上段の用紙収容体31において、用紙収容体31の後壁314と装置本体1aの後述するリアプレート103との間に形成される空間は、後述する送風手段により送風される空気が流れる通路を形成している。
用紙収容体31に収容される記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置30と二次転写装置26との間には、図1に示されるように、給紙装置30から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数又は複数の用紙搬送ロール対33や図示しない搬送ガイドで構成される給紙搬送路34が、装置本体1aの左側面に鉛直方向に沿って設けられている。給紙搬送路34において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対33は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置26と定着装置40との間には、二次転写装置26から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するための用紙搬送路35が設けられている。さらに、画像形成装置本体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から出口ロール36により送り出される定着後の記録用紙5を画像形成装置本体1aの上部の第1用紙排出部37に排出するための第1用紙排出ロール対38を備えた第1排出搬送路39と、第1用紙排出部37の上方に位置する第2用紙排出部43に排出するための第2用紙排出ロール対44を備えた第2排出搬送路45とが設けられている。さらに、第2排出搬送路45には、第1切替ゲートG1により記録用紙5の排出方向が切り替えられ、画像形成装置本体1aの左側面の第3用紙排出部46に排出するための第3用紙排出ロール対47が設けられている。尚、第3用紙排出部46は、画像面を上にして排出する所謂フェイスアップトレイからなる。
定着装置40と第1用紙排出ロール対38との間には、用紙搬送路を切り替える第2切替ゲートG2を備えている。第1用紙排出ロール対38は、その回転方向が正転方向(排出方向)と逆転方向に切り替え可能に構成されている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙5の後端が第2切替ゲートG2を通過した後、第1用紙排出ロール対38の回転方向を正転方向(排出方向)から逆転方向に切り替える。第1用紙排出ロール対38によって逆転方向に搬送される記録用紙5は、第2切替ゲートG2によって搬送経路が切り替えられ、画像形成装置本体1aの側面に沿って略鉛直方向に沿うように形成された両面用搬送経路48へと搬送される。両面用搬送経路48は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対33へと搬送する用紙搬送ロール対49と図示しない搬送ガイド等を備えている。なお、符号49aは下段に位置する用紙収容体31や図示しない手差しトレイから給紙される記録用紙5を用紙搬送ロール対33へと搬送する用紙搬送ロール対を示している。
図1中、符号145(Y,M,C,K)は、紙面に直交する方向に沿って配置され、対応する現像装置14(Y,M,C,K)に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。
また、図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
さらに、図1中符号70は、後述するように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を構成するプロセスカートリッジ100を画像形成装置本体1aに着脱する際に案内する挿入ガイド部材の一部を示している。
また、図1中符号109は、後述するように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)と、隣接空間に配置される給紙装置30とを仕切る板状の仕切り部材の一例としてのボトムプレートを示している。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するフルカラーモードにおける動作を説明する。
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からフルカラーの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置26、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図1及び図2に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15(Y,M,C,K)が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置30では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路34に送り出す。給紙搬送路34では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対33が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置26が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置27が二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21から剥離された後に用紙搬送路35を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、第1用紙排出ロール対38などにより、例えば、装置本体1aの上部に設置された第1用紙排出部37に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
<プロセスカートリッジの構成>
ところで、この実施の形態では、図5に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を構成する感光体ドラム11や現像装置14等の主要部材が、プロセスカートリッジ100として画像形成装置本体1aに対し着脱自在に構成されている。プロセスカートリッジ100は、作像装置10を構成する各部材の交換時期の相違等を考慮し、複数の着脱構造体(画像形成ユニット)の一例としての感光体ユニット50と、現像ユニット60と、図示しない露光ユニットとを備える。感光体ユニット50、現像ユニット60及び露光ユニットは、画像形成装置本体1aに対して個別に着脱自在となっている。
(感光体ユニット)
感光体ユニット50は、図2に示されるように、感光体ドラム11と、当該感光体ドラム11の斜め下方に配置される帯電装置12と、感光体ドラム11の側方に配置されるドラム清掃装置16とを一体的にユニット化して装着した感光体ユニット本体501を備える。感光体ユニット本体501は、図5に示されるように、感光体ユニット50の着脱方向(Z方向)に沿った手前側及び奥側の端部に配置され、感光体ドラム11を回転自在に支持する前フレーム部502と図示しない後フレーム部を有している。感光体ユニット本体501の下端部には、感光体ユニット50を画像形成装置本体1aに着脱する際に当該感光体ユニット50を案内する下向き略T字形状のガイド部504(図2参照)が長手方向に沿ってほぼ全長にわたり設けられている。
感光体ユニット50の前フレーム部502には、図5に示されるように、当該感光体ユニット50を画像形成装置本体1aに装着した際に、画像形成装置本体1aの前面側の端部に設けられた円柱形状の位置決め用突起505に挿入される位置決め孔506が開口されている。また、前フレーム部502には、ドラム清掃装置16により回収されて送出部材162によって送り出される回収物を排出する円筒形状の排出部507が前面側に突出した状態で設けられている。前フレーム部502の排出部507から排出される回収物は、画像形成装置本体1aの前面側に配置される図示しない回収システムにより回収される。
(現像ユニット)
現像ユニット60は、図2に示されるように、画像形成装置本体1aに装着される際、画像形成装置本体1aに設けられた位置決め部材としての第2のスタッド113(図7参照)が挿入されることで位置決めされる位置決め孔146(図2参照)を、現像装置筐体140の背面における感光体ユニット50側の下端部に有している。
また、図5に示されるように、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着した際に、画像形成装置本体1aの前面側の端部に設けられた円柱形状の位置決め用突起607,608に挿入される位置決め孔609,610が開口されている。
また、現像ユニット60の長手方向に沿った奥側の端部底面には、図2に示されるように、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着する際に案内する第1の凸部153が、感光体ユニット50側の底面に下方へ向けて突出するよう設けられている。さらに、現像ユニット60の長手方向に沿った奥側の端部には、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着する際に案内する第2の凸部154が、感光体ユニット50と反対側の側面に突出するよう設けられている。
(露光ユニット)
露光ユニットは、図1に示されるように、着脱構造体(画像形成ユニット)としてユニット化された露光装置13そのものから構成されている。露光ユニットは、本実施の形態では要部を構成するものではないため詳細な説明を省略する。尚、便宜上、露光ユニットを示す符号として露光装置の符号「13」をそのまま使用する場合がある。
<画像形成装置の特徴部分の構成>
図6は画像形成装置の装置本体を示す斜視構成図である。
画像形成装置本体1aは、図6に示されるように、画像形成装置1の前面に配置され、プロセスカートリッジ100を画像形成装置本体1aに着脱するため正面略長方形状に形成された開口部101を有するフロントプレート102と、画像形成装置1の背面に略全面にわたり配置され、プロセスカートリッジ100の位置決め部材などを有するリアプレート103と、画像形成装置1の右側面に上下に配置され、フロントプレート102とリアプレート103を連結する右サイドプレート104,105,106と、画像形成装置1の左側面に配置され、フロントプレート102とリアプレート103を連結する左サイドプレート107,108と、画像形成装置1の内部空間を作像装置10(Y,M,C,K)が存在する空間と給紙装置30が存在する空間とに水平に仕切るよう配置される板状の仕切り部材の一例としてのボトムプレート109と、画像形成装置1の内部空間に部分的に配置される中間プレート110,111などを備える。
画像形成装置本体1aを構成する各プレート102〜111は、板金に曲げ加工や打ち抜き加工などを伴うプレス加工を施すとともに、プレス加工された板金を必要に応じて溶接や締結等の手段により互いに接合することで、略直方体形状の枠体として組み立てられる。各プレート102〜111には、画像形成装置1を構成する各種の部材や部品、あるいは外装カバーなどが固定した状態又は着脱自在に装着される。リアプレート103には、図7に示されるように、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部に設けられた図示しない位置決め部を挿入することにより位置決めする4本の第1のスタッド112と、各現像ユニット60(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部に設けられた図示しない位置決め孔を挿入することにより位置決めする4本の第2のスタッド113とが、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)及び各現像ユニット60(Y,M,C,K)に対応した位置に画像形成装置本体1aの内側に向けて突出するようそれぞれ設けられている。
また、フロントプレート102には、図8に示されるように、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った手前側の端部に設けられた位置決め孔506(図5参照)に挿入されることにより位置決めする4本の位置決め用突起505と、各現像ユニット60(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った手前側の端部に設けられた位置決め孔609,610(図5参照)に挿入されることにより位置決めする4本の位置決め用突起607,608とが、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)及び各現像ユニット60(Y,M,C,K)に対応した位置に画像形成装置本体1aの前面側に向けて突出するようそれぞれ設けられている。なお、図8中、符号114は感光体ユニット50の通電部504が装着されるソケットを示している。
また、画像形成装置本体1のボトムプレート109の上方には、図9に示されるように、案内部材(支持部材)の一例としての挿入ガイド部材70が所要の間隙を介して装着される。挿入ガイド部材70は、感光体ユニット50、現像装置60及び露光ユニット13を画像形成装置本体1aに着脱する際に、これら感光体ユニット50、現像装置60及び露光ユニット13を着脱(挿抜)方向であるZ方向に沿って案内して支持する部材である。
挿入ガイド部材70は、図10及び図11に示されるように、射出成形等により一体的に成形された合成樹脂からなり、平面略矩形であって鉛直方向(Y方向)に沿って所要の高さを有する基盤状に形成されている。挿入ガイド部材70は、その背面側の端面に突出するよう設けられた複数のボス部701をリアプレート103に開口された図示しない複数の位置決め孔にそれぞれ挿入するとともに、その前面側の端面に設けられた複数の取付孔702(図11参照)を介してフロントプレート102にネジ止めすることにより、画像形成装置本体1aのボトムプレート109の上部に所要の間隙を隔てて水平(平行)に位置するよう固定した状態で取り付けられる。
挿入ガイド部材70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に対応して、プロセスカートリッジ100の着脱方向(Z方向)に沿って延びる4つの挿入ガイド部703(Y,M,C,K)を有する。各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、イエロー(Y)の作像装置10Y側が相対的に高く、ブラック(K)の作像装置10K側が相対的に低くなるよう傾斜して配置されている。そのため、各挿入ガイド部703(Y,M,C,K)は、各作像装置10(Y,M,C,K)に倣ってイエロー(Y)の挿入ガイド部703Yが相対的に高く、ブラック(K)の挿入ガイド部703Kが相対的に低くなるよう段差を有する階段状に配置されている。
各挿入ガイド部703(Y,M,C,K)は、基本的に同様に構成されている。各挿入ガイド部703(Y,M,C,K)は、図10及び図11に示されるように、プロセスカートリッジ100の装着方向(Z方向)と交差する幅方向(X方向)に沿った左側の端部に一段高く配置され、感光体ユニット50の下端部を案内する感光体ユニット用ガイド704と、挿入ガイド部703(Y,M,C,K)の幅方向(X方向)に沿った中央部に配置され、露光ユニット13を案内する露光ユニット用ガイド705と、挿入ガイド部703(Y,M,C,K)の幅方向(X方向)に沿った右側の端部に配置され、現像ユニット60の下端部を案内する現像ユニット用ガイド706とを備える。
感光体ユニット用ガイド704は、感光体ユニット50の下端部に下方へ向けて断面略T字形状に設けられたガイド部504を案内する凹溝状に形成されている。感光体ユニット用ガイド704の他側(図示例では、左側)の側面には、感光体ユニット50のガイド部504との接触面積を減少させて接触抵抗を低減するための凹凸面708が形成されている。この凹凸面708は、感光体ユニット50の装着方向(Z方向)に沿った手前側の端部から中間部までにわたり配置されている。
また、露光ユニット用ガイド705は、露光ユニット13の装着方向(Z方向)に沿った手前側に一段高く且つ感光体ドラム11側に向けて傾斜した状態で設けられ露光ユニット13を載置して固定する載置台710と、装着方向(Z方向)に沿った奥側に形成されて露光ユニット13に接続された図示しないフレキシブルフラットケーブル(FFC)等を収容する凹所711と、装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部に形成されて露光ユニット13の奥側の端部を載置して固定する載置板712を有している。
現像ユニット用ガイド706は、現像装置14の下端部における感光体ユニット50側の端部に下向きに突出するように設けられた第1の凸部153(図2参照)を挿入した状態で案内するガイド溝713と、現像装置14の下端部における感光体ユニット50と反対側の端部に設けられた第2の凸部154を案内する案内面714とを備えている。案内面714の片側(図示例では、右側)の上端部には、第2の凸部154の上方への移動を規制する規制板715が案内面714の上部に突出するよう且つ装着方向(Z方向)に沿って複数に分割された状態で設けられている。なお、イエローの現像装置用ガイド706には、イエローの現像装置筐体140が図示しない他の部材により案内されるため、案内面714が設けられていない。
<発明の要部の説明:送風装置90と給紙装置30との位置関係>
ところで、この実施の形態では、図1に示されるように、画像形成部としてのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)と、画像形成装置本体1aの内部において作像装置10(Y,M,C,K)に隣接する上段の給紙装置30が配置される隣接空間Sとがボトムプレート109により仕切られている。ボトムプレート109の後端部は、図4に示されるように、リアプレート103に連結されて固定されており、作像装置10(Y,M,C,K)と給紙装置30は、ボトムプレート109によって空気の移動が阻止されるよう仕切られている。
給紙装置30は、上述したように、主として、記録用紙5を収容する用紙収容体31と、用紙収容体31から記録用紙5を1枚ずつ分離した状態で送出する送出装置32とから構成されている。そのため、給紙装置30は、温度上昇要因である駆動部が送出装置32のみであり、しかも送出装置32は記録用紙5を送出するときに間欠的に駆動されるに過ぎない。したがって、給紙装置30は、他の領域から熱伝導や輻射により伝わる熱の影響を無視すれば、画像形成装置1が設置される外部の気温(外気温)に略等しいか又は外気温より若干高い温度となる。これに対して、作像装置10(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、ドラム清掃装置16など、画像形成時に常時駆動される駆動部や発光部などの温度上昇要因が複数存在し、しかもこれらの温度上昇要因がプロセスカートリッジ100として互いに近接した状態で密に配置されている。その結果、給紙装置30が収容される領域(空間)Sは、作像装置10(Y,M,C,K)に比較して温度上昇要因が大幅に少ない空間であり、空間内の空気の温度が作像装置10(Y,M,C,K)に比較して低い空間となっている。
そこで、この実施の形態では、図4及び図8に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)と給紙装置30とを仕切るボトムプレート109に、給紙装置30が収容される空間Sから各作像装置10(Y,M,C,K)に向けて送風する送風手段の一例としての送風装置90が配置されている。送風装置90は、ボトムプレート109のプロセスカートリッジ100の装着方向(Z方向)に沿った背面側の端部において、作像装置10(Y,M,C,K)の配列方向である幅方向(X方向)に沿った略中央部に相当するマゼンタ(M)作像装置10Cとシアン(C)の作像装置10Cとの間に位置するよう配置されている。
ボトムプレート109は、図13(画像形成装置1の前側下方からボトムプレート109を見上げた斜視図)に示されるように、送風装置90を装着するための平面略矩形状の開口部91を有している。開口部91の外周縁は、当該開口部91の端縁を所要の高さを有するよう上方へ折り曲げたフランジ部91aにより補強されている。開口部91の平面形状は、送風装置90の送風ファン92の平面形状よりもプロセスカートリッジ100の装着方向(Z方向)に沿って長い平面矩形状に設定されている。
送風装置90は、図13に示されるように、送風ファン92と、送風ファン92を固定した状態で保持してボトムプレート109に装着するための保持部材93とを備える。送風ファン92は、平面略正方形の枠体状に形成されたファン本体921と、ファン本体921の内部に当該ファン本体921に取り付けられた図示しない駆動モータにより回転駆動される複数枚の送風羽根922(図8参照)とを有している。送風ファン92は、画像形成装置1に設けられた図示しない電源装置から電力が供給され、制御装置200により制御されて所要のタイミングで回転駆動及び停止される。
保持部材93は、図3及び図13に示されるように、送風ファン92を上部から嵌め込んだ状態で収容する当該送風ファン92に一致した平面形状を有する凹部931と、凹部931の外周を覆うように平面矩形状に設けられた平板部932と、凹部931の背面側の端部に下方へ向けて直交するように延設された固定板部933とを備えている。凹部931の底面には、送風ファン92が吸気するための吸気孔934が複数開口されている。また、平板部932の上面には、図3に示されるように、保持部材93をボトムプレート109に固定するための固定用突起935が、用紙収容体31の装着方向に沿った手前側の端部に断面略L字形状に背面側へ向けて折り曲げた状態で設けられている。固定用突起935は、図13に示されるように、ボトムプレート109に設けられた固定孔936に下方から挿通した状態で、用紙収容体31の装着方向に沿った背面側へ向けてスライドさせることによりボトムプレート109の固定孔936の端縁に固定される。また、固定板部933には、ネジ孔936が開口されている。固定板部933は、保持部材93を用紙収容体31の装着方向(Z方向)に沿った背面側に向けてスライドさせた状態でリアプレート103に密着され、図14(画像形成装置1の左側面下方よりボトムプレート109及び送風装置90を見上げた斜視図)に示されるように、リアプレート103に固定ネジ937により固定される。なお、図14中、符号938は凹部931に設けられ、送風ファン92を固定するためのスナップフィット部を示している。
送風装置90の送風ファン92は、図4に示されるように、給紙装置30の用紙収容体31の背面側における端部に配置されている。送風ファン92の設置個所は、用紙収容体31のうち記録用紙5が収容される領域の外側(背面側)に設定されている。最上段の用紙収容体31は、最大サイズの記録用紙5を収容した場合であっても、後壁314が他の用紙収容体31と比較して用紙収容体31の着脱方向に沿った手前側に位置するよう設けられている。更に説明すると、後壁314(内面)の最後端の位置は、送風ファン92の用紙収容体31の着脱方向(Z方向)に沿った手前側の端部に対応している。そのため、送風ファン91は、用紙収容体31に収容される記録用紙5の位置から外れており、用紙収容体31に薄紙等からなる記録用紙5が収容された場合であっても、記録用紙5を吸引することが回避されるようになっている。
ボトムプレート109の上部には、図15に示されるように、送風ファン92により送られる空気をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に導くためのダクト部材94が配置されている。ダクト部材94は、図16に示されるように、挿入ガイド部材70の裏面に密着した状態で取り付けられている。ダクト部材94は、挿入ガイド部材70の裏面の一部を気密状に覆うことにより、挿入ガイド部材70とボトムプレート109との間に空気が流れるエアダクト(空気流路)を形成する。
エアダクト部材94は、図17及び図18に示されるように、平面略矩形の高さの低い箱体状に形成された本体部905と、当該本体部905の一側に略長方形状に一体的に形成された導風部906とを備えている。エアダクト部材94の高さは、挿入ガイド部材70とボトムプレート109との間隙と略等しい高さに設定されている。エアダクト部材90の本体部905の一側には、ブラック(K)の作像装置10Kに送風するための送風口907が開口されている。エアダクト部材90の本体部905の中央には、シアン(C)の作像装置10Cに送風するための送風口908が開口されている。さらに、エアダクト部材90の本体部の他側には、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の作像装置10M,10Yに導風部906を介して送風するための送風口909が、送風口907,908よりも大きな開口面積を有するように開口されている。送風口907,908,909の開口面積は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に略等しい量の空気を導く大きさに設定されている。
挿入ガイド部材70には、図10に示されるように、ダクト部材90によって送られる空気流を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に供給する供給口751(Y,M,C,K)がそれぞれ開口されている。供給口751(Y,M,C,K)は、各現像ユニット60(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部寄りに各々異なる形状に開口されている。
ダクト部材94の導風部906は、図20に示されるように、挿入ガイド部材70のイエロー及びマゼンタの供給口751(Y,M)に対応した位置に配置される。ダクト部材94の導風部906の内部には、図18に示されるように、当該導風部906を空気の流れる方向と交差する方向に仕切ることにより、導風部906を流れる空気をマゼンタの供給口751Mへと導く仕切り板部910が設けられている。
また、ダクト部材94のシアン(C)用の送風口908は、挿入ガイド部材70のシアン(C)の供給口751Cに対応した位置に配置される。さらに、ダクト部材94のブラック(K)の送風口907は、上述したように、挿入ガイド70のブラック(K)の供給口751Kに導かれる。
<画像形成装置の特徴部分の動作>
実施の形態1に係る画像形成装置1では、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を構成するプロセスカートリッジ100(Y,M,C,K)を画像形成装置本体1aに装着した状態で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)などが駆動され、画像形成動作が実行される。
その際、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)は、感光体ドラムユニット50及び現像ユニット60がそれぞれ駆動されるとともに、露光ユニット13が画像情報に応じて発光するように駆動される。そのため、各作像装置10(Y,M,C,K)は、画像形成動作の開始に伴って温度上昇要因である感光体ドラムユニット50、現像ユニット60及び露光ユニット13の駆動に伴い温度が上昇する。その際、現像ユニット60は、現像装置本体140の内部に現像剤としてのトナーが収容されており、温度の上昇に伴ってトナーが凝集するトナーブロッキング等を発生する虞れがある。
そこで、この実施の形態では、図19に示されるように、送風装置90の送風ファン92が画像形成動作と同期して駆動される。送風ファン92が駆動されると、画像形成装置本体1aの内部において最上段の用紙収容体31が配置された空間Sの背面側における端部近傍の空気は、送風ファン92により吸引されて、ボトムプレート109に設けられた開口部91を介してボトムプレート109の上部に配置されたダクト部材90の内部へと送られる。
そして、ダクト部材94の内部へと送られた空気流は、図18に示されるように、ダクト部材94に設けられた導風部906及び供給口907,908,909を介して、挿入ガイド部材70の供給口751(Y,M,C,K)からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)の現像ユニット60の下部へと送られる。この各作像装置10(Y,M,C,K)の現像ユニット60の下部へと送られた空気流は、図21に示されるように、各現像ユニット60の外周を通過しながら現像ユニット60の現像装置14を冷却しつつ、現像ユニット60に近接して配置された露光ユニット14及び感光体ユニット50を冷却する。
このように、上記実施の形態では、各作像装置10(Y,M,C,K)を冷却する空気を画像形成装置本体1aの外部から案内部材を介して各作像装置10(Y,M,C,K)へと導くのではなく、図19に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)より相対的に温度が低い給紙装置30の用紙収容体31が配置される空間Sから、ボトムプレート109の開口部91に配置された送風ファン92によって扁平なダクト部材94を介して各作像装置10(Y,M,C,K)へと直接送風するように構成されている。
そのため、送風装置90の送風ファン92の設置個所は、ボトムプレート109の開口部91に装着される送風ファン92の上下方向の高さ(厚さ)に相当する空間で良く、送風ファン92の設置個所が大幅に省スペース化される。また、ダクト部材94も、送風ファン92の上部の狭い空間に配置すれば良い。その結果、送風装置90の送風ファン92の設置個所は、大幅に省スペース化され、画像形成装置1全体も大幅に小型化される。
なお、前記実施の形態では、送風装置90によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に送風する場合について説明したが、中央部に位置するマゼンタ(M)及びシアン(C)の作像装置10(M,C)にのみ送風するように構成しても良い。
また、前記実施の形態では、ボトムプレートに設けた開口部として平面矩形状の開口部について説明したが、開口部は必ずしも外周が閉じた開口部に限定されず、ボトムプレートの端縁に設けられた凹部のように一辺が外部に開口するように構成しても良い。
また、前記実施の形態では、送風ファン92を一つのみ配置する場合について説明したが、送風ファン92を複数配置するように構成しても良い。
また、前記実施の形態では、フルカラーの画像形成装置に適用した場合について説明したが、モノクロの画像形成装置にも同様に適用することができることは勿論である。