以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する画像形成部の一例としての複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置30と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。なお、図中の1aは画像形成装置1の装置本体を示し、この装置本体1aはプレート等からなる支持構造部材や外装カバーなどで構成されている。また、図中の破線は、装置本体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、装置本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、イエロー(Y)の作像装置10Yが鉛直方向に沿った上方に位置して相対的に高く、ブラック(K)の作像装置10Kが相対的に低くなる位置に存在している。
4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。尚、図1中、感光体ドラム11や帯電装置12等を示す符号は、イエロー(Y)の作像装置10Yにのみ付して他の作像装置10(M,C,K)においては省略する。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12は、その表面を清掃する清掃ロール121を有している。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
また、現像装置14は、筐体140の内部に収容された使用済の現像剤4の一部を攪拌搬送部材143等の軸方向に沿った手前側の端部から外部に排出するとともに、筐体140の内部にキャリアを含む現像剤4を供給する所謂トリクル現像方式を採用している。現像装置14は、攪拌搬送部材143等から外部に排出される現像剤4の量を規定するため、排出する現像剤4を攪拌搬送部材143の軸方向に沿った手前側の端部に一旦搬送した後、攪拌搬送部材143から攪拌搬送部材142へと現像剤を受け渡して当該攪拌搬送部材142の軸方向に沿った手前側の端部から外部に排出するように構成されている。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜25と、ベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置26と、二次転写装置26を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置27とで主に構成されている。中間転写装置20は、図示しないプロセスカートリッジの着脱時などに操作ハンドル(図示せず)を操作することにより、ベルト支持ロール24,25及び一次転写装置15に張架された中間転写ベルト21を感光体ドラム11(Y,M,C,K)から離間した退避位置へと移動自在に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は二次転写の背面支持ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21の画像形成面を形成する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール25は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成される。
二次転写装置26は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール26又は中間転写装置20の支持ロール22には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として図示しない電源装置から供給される。
ベルト清掃装置27は、図1に示されるように、一部が開口する容器状の本体270と、二次転写後の中間転写ベルト21の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板271と、清掃板271で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収装置に送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材272等で構成されている。清掃板271としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された図示しない筐体の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。なお、加熱用回転体41としては、例えば、電磁誘導作用により発熱する加熱ベルトが用いられ、加圧用回転体42としては、例えば、円柱状の芯金の外周に弾性率が相対的に低い弾性体層を被覆したソフトロールが用いられる。
給紙装置30は、作像装置10(Y,M,C,K)の鉛直方向に沿った下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置30は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する複数(又は単数)の用紙収容体31と、用紙収容体31から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置32とで主に構成される。用紙収容体31は、例えば、図示しないガイドレールによって装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。この実施の形態では、図面に直交する方向の手前側の面が装置本体1aの正面となるよう設定されている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置30と二次転写装置26との間には、図1に示されるように、給紙装置30から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数又は複数の用紙搬送ロール対33や図示しない搬送ガイドで構成される給紙搬送路34が、装置本体1aの左側面に鉛直方向に沿って設けられている。給紙搬送路34において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対33は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置26と定着装置40との間には、二次転写装置26から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するための用紙搬送路35が設けられている。さらに、画像形成装置本体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から出口ロール36により送り出される定着後の記録用紙5を画像形成装置本体1aの上部の第1用紙排出部37に排出するための第1用紙排出ロール対38を備えた第1排出搬送路39と、第1用紙排出部37の上方に位置する第2用紙排出部43に排出するための第2用紙排出ロール対44を備えた第2排出搬送路45とが設けられている。さらに、第2排出搬送路45には、第1切替ゲートG1により記録用紙5の排出方向が切り替えられ、画像形成装置本体1aの左側面の第3用紙排出部46に排出するための第3用紙排出ロール対47が設けられている。尚、第3用紙排出部46は、画像面を上にして排出する所謂フェイスアップトレイからなる。
定着装置40と第1用紙排出ロール対38との間には、用紙搬送路を切り替える第2切替ゲートG2を備えている。第1用紙排出ロール対38は、その回転方向が正転方向(排出方向)と逆転方向に切り替え可能に構成されている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙5の後端が第2切替ゲートG2を通過した後、第1用紙排出ロール対38の回転方向を正転方向(排出方向)から逆転方向に切り替える。第1用紙排出ロール対38によって逆転方向に搬送される記録用紙5は、第2切替ゲートG2によって搬送経路が切り替えられ、画像形成装置本体1aの側面に沿って略鉛直方向に沿うように形成された両面用搬送経路48へと搬送される。両面用搬送経路48は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対33へと搬送する用紙搬送ロール対49と図示しない搬送ガイド等を備えている。なお、符号49aは下方に位置する用紙収容体31や図示しない手差しトレイから給紙される記録用紙5を用紙搬送ロール対33へと搬送する用紙搬送ロール対を示している。
図1中、符号145(Y,M,C,K)は、紙面に直交する方向に沿って配置され、対応する現像装置14(Y,M,C,K)に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。この実施の形態では、トナーカートリッジ145(Y,M,C,K)にトナーとキャリアを混合した現像剤4が収容されている。
また、図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するフルカラーモードにおける動作を説明する。
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からフルカラーの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置26、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図1及び図2に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15(Y,M,C,K)が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置30では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路34に送り出す。給紙搬送路34では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対33が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置26が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置27が二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21から剥離された後に用紙搬送路35を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を施して未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、第1用紙排出ロール対38などにより、例えば、装置本体1aの上部に設置された第1用紙排出部37に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。なお、画像形成装置1では、ブラック(K)の作像装置10Kのみを用いて記録用紙5にモノクロの画像を形成しても勿論よい。
<プロセスカートリッジの構成>
ところで、この実施の形態では、図3に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を構成する感光体ドラム11や現像装置14等の主要部材が、プロセスカートリッジ100として画像形成装置本体1aに対し着脱自在に構成されている。プロセスカートリッジ100は、作像装置10を構成する各部材の交換時期の相違等を考慮し、複数の着脱構造体(画像形成ユニット)の一例としての感光体ユニット50と、現像ユニット60と、図示しない露光ユニットとを備える。感光体ユニット50、現像ユニット60及び露光ユニットは、画像形成装置本体1aに対して個別に着脱自在となっている。
(感光体ユニット)
感光体ユニット50は、図2及び図3に示されるように、感光体ドラム11と、当該感光体ドラム11の斜め下方に配置される帯電装置12と、感光体ドラム11の側方に配置されるドラム清掃装置16とを一体的にユニット化して装着した感光体ユニット本体501を備える。感光体ユニット本体501の下端部には、感光体ユニット50を画像形成装置本体1aに着脱する際に当該感光体ユニット50を案内する下向き略T字形状のガイド部504(図2参照)が長手方向に沿ってほぼ全長にわたり設けられている。また、感光体ユニット50は、画像形成装置本体1aに装着される際、画像形成装置本体1aに設けられた位置決め部材としての第1のスタッド112(図5参照)が挿入されることで位置決めされる図示しない位置決め孔を背面側の端部に有している。尚、図1及び図2中、符号70は感光体ユニット50、現像ユニット60及び露光ユニットを画像形成装置本体1aに対して着脱する際に、これらの感光体ユニット50、現像ユニット60及び露光ユニットを案内する案内部材を示している。案内部材70は、図2に示されるように、感光体ユニット50や現像ユニット60を案内するための案内用の凹部707,713,714等を有している。
感光体ユニット50の前フレーム部502には、図3に示されるように、当該感光体ユニット50を画像形成装置本体1aに装着した際に、画像形成装置本体1aの前面側の端部に設けられた円柱形状の位置決め用突起505に挿入される位置決め孔506が開口されている。また、前フレーム部502には、ドラム清掃装置16により回収されて送出部材162によって送り出される回収物を排出する円筒形状の排出部507が前面側に突出した状態で設けられている。前フレーム部502の排出部507から排出される回収物は、画像形成装置本体1aの前面側に配置される後述する回収装置85により回収される。
(現像ユニット)
現像ユニット60は、図2及び図3に示されるように、画像形成装置本体1aに装着される際、画像形成装置本体1aに設けられた位置決め部材としての第2のスタッド113が挿入されることで位置決めされる位置決め孔146を、現像装置筐体140の背面における感光体ユニット50側の下端部に有している。また、現像ユニット60には、図3に示されるように、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着した際に、画像形成装置本体1aの前面側の端部に設けられた円柱形状の位置決め用突起607,608に挿入される位置決め孔609,610が開口されている。
また、現像ユニット60の長手方向に沿った奥側の端部底面には、図2に示されるように、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着する際に案内する第1の凸部153が、感光体ユニット50側の底面に下方へ向けて突出するよう設けられている。さらに、現像ユニット60の長手方向に沿った奥側の端部には、現像ユニット60を画像形成装置本体1aに装着する際に案内する第2の凸部154が、感光体ユニット50と反対側の側面に突出するよう設けられている。
(露光ユニット)
露光ユニットは、図1に示されるように、着脱構造体(画像形成ユニット)としてユニット化された露光装置13そのものから構成されている。露光ユニットは、本実施の形態では要部を構成するものではないため詳細な説明を省略する。尚、便宜上、露光ユニットを示す符号として露光装置の符号「13」をそのまま使用する場合がある。
<画像形成装置の特徴部分の構成>
図4は画像形成装置の装置本体を示す斜視構成図である。
画像形成装置本体1aは、図4に示されるように、画像形成装置1の前面に配置され、プロセスカートリッジ100を画像形成装置本体1aに着脱するため正面略長方形状に形成された開口部101を有するフロントプレート102と、画像形成装置1の背面に略全面にわたり配置され、プロセスカートリッジ100の位置決め部材などを有するリアプレート103と、画像形成装置1の右側面に上下に配置され、フロントプレート102とリアプレート103を連結する右サイドプレート104,105,106と、画像形成装置1の左側面に配置され、フロントプレート102とリアプレート103を連結する左サイドプレート107,108と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)の下方に配置されるボトムプレート109と、画像形成装置1の内部空間に部分的に配置される中間プレート110,111などを備える。
画像形成装置本体1aを構成する各プレート102〜111は、板金に曲げ加工や打ち抜き加工などを伴うプレス加工を施すとともに、プレス加工された板金を必要に応じて溶接や締結等の手段により互いに接合することで、略直方体形状の枠体として組み立てられる。各プレート102〜111には、画像形成装置1を構成する各種の部材や部品、あるいは外装カバーなどが固定した状態又は着脱自在に装着される。リアプレート103には、図5に示されるように、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部に設けられた図示しない位置決め部を挿入することにより位置決めする4本の第1のスタッド112と、各現像ユニット60(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った奥側の端部に設けられた位置決め孔146を挿入することにより位置決めする4本の第2のスタッド113とが、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)及び各現像ユニット60(Y,M,C,K)に対応した位置に画像形成装置本体1aの内側に向けて突出するようそれぞれ設けられている。
また、フロントプレート102には、図6に示されるように、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った手前側の端部に設けられた位置決め孔506(図3参照)に挿入されることにより位置決めする4本の位置決め用突起505と、各現像ユニット60(Y,M,C,K)の装着方向(Z方向)に沿った手前側の端部に設けられた位置決め孔609,610(図3参照)に挿入されることにより位置決めする4本の位置決め用突起607,608とが、各感光体ユニット50(Y,M,C,K)及び各現像ユニット60(Y,M,C,K)に対応した位置に画像形成装置本体1aの前面側に向けて突出するようそれぞれ設けられている。なお、図6中、符号114は感光体ユニット50に通電するためのソケットを示している。
画像形成装置1は、図7及び図8に示されるように、画像形成装置本体1aの内部に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に送風するとともに、画像形成装置本体1a内の空気を外部に排出することにより、各作像装置10(Y,M,C,K)などを冷却しつつ画像形成装置本体1aの内部に浮遊するクラウドトナー等の粉塵を捕捉して排出する送風装置80及び排気装置90(図17参照)を備えている。
送風装置80は、図8に示されるように、画像形成装置本体1aの前面において一端部(図示例では左側端部)に配置された送風手段の一例としての送風ファン81を備えている。送風ファン81は、画像形成装置本体1aの前面において各作像装置10(Y,M,C,K)の配列方向へ向けて上部から送風する第1の送風口82と、下部から送風する第2の送風口83をそれぞれ有している。画像形成装置本体1aの前面には、図7に示されるように、フロントカバー84を開いた状態で外部に露出する部材であって、各作像装置10(Y,M,C,K)及び中間転写装置20から排出される廃トナー等の回収物を回収する回収装置85が着脱自在に装着されている。回収装置85は、回収した回収物を当該回収装置85の長手方向に沿って搬送し、画像形成装置本体1aの前面において他端部(図示例では右側端部)に配置された廃トナー回収容器87の内部に回収するためのものである。
回収装置85は、図9に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)及び中間転写装置20から排出される廃トナー等の回収物を回収する回収装置本体851を備える。回収装置本体851は、正面形状が横長の略平行四辺形状で奥行(厚さ)が比較的短い(薄い)偏平な箱体として形成されている。回収装置本体851の前面には、その幅方向に沿った一端側の上部に中間転写ベルト21を感光体ドラム11から離間させるよう手動で操作する操作ハンドル852が回転自在に設けられている。
一方、回収装置本体851の背面には、図10に示されるように、感光体ユニット50に設けられたドラム清掃装置16の送出部材162によって送出され、円筒形状の排出部507から排出される回収物を回収する第1の回収口853(Y,M,C,K)が円筒形状に開口されている。また、回収装置本体851の背面側の下端部には、現像ユニット60に設けられた現像装置14の撹拌搬送部材143によって送出される使用済の現像剤4を回収する第2の回収口854(Y,M,C,K)がそれぞれ開口されている。さらに、回収装置本体61の背面側の一端部上方には、ベルト清掃装置27の送出部材272により送出される回収物を回収する第3の回収口855が略楕円形状に開口されている。
また、回収装置本体851の下端部(底部)には、第1乃至第3の回収口853〜855から回収された回収物を回収装置本体851の幅方向(長手方向)に沿って搬送する搬送部材856が配置されている。搬送部材856は、回収装置85が画像形成装置本体1aに装着された際、画像形成装置本体1aから駆動力伝達部857を介して駆動力が伝達され、内部に配置された図示しない搬送オーガが回転駆動される。また、搬送部材856の長手方向に沿った一端部(図中左端部)には、搬送オーガにより搬送される回収物を廃トナー収容容器87に排出する図示しない排出口が下向きに開口されている。
回収装置本体851の背面側の上部には、図10に示されるように、送風装置80の送風ファン81から送られる空気をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に対して送る送風ダクト部材858が装着されている。送風ダクト部材858は、図11に示されるように、一側面が開口された長尺な角筒状に形成されている。送風ダクト部材858の内部は、回収装置本体851に装着された状態で当該回収装置本体851の長手方向に沿って空気を送る送風用のダクト859を形成する。また、送風ダクト部材858の長手方向に沿った基端部には、送風ファン81の第1の送風口82に接続される導入口860が開口されている。また、送風ダクト部材858には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に対応した位置に送風口861がそれぞれ開口されている。導入口860に最も近い送風口861Kは、図12に示されるように、ブラック(K)の作像装置10Kにおけるドラム清掃装置16Kの側方に対応した位置に開口されている。また、2番目の送風口861Cは、ブラック(K)の作像装置10Kとシアン(C)の作像装置10Cとの間の上部に開口されている。3番目の送風口861Mは、シアン(C)の作像装置10Cとマゼンタ(M)の作像装置10Mとの間の上部に開口されている。4番目の送風口861Yは、マゼンタ(M)の作像装置10Mとイエロー(Y)の作像装置10Yの間の上部に開口されている。5番目の送風口861Gは、イエロー(Y)の作像装置10Yにおける現像装置14の上部に開口されている。
また、送風ファン81の第2の送風口83から送られる空気は、図12に示されるように、ボトムプレート109の上部に配置される給電用の保持部材862を介して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)の手前側に送られる。給電用の保持部材862には、図6に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)に送風するための送風口863が開口されている。
廃トナー回収容器87は、図13に示されるように、廃トナー収容部871と、集塵部872を有している。廃トナー収容部871は、回収装置85により回収されて搬送される残留トナー等の回収物を貯留する。集塵部872は、画像形成装置本体1a内の空気を通過させることにより、空気流とともに通過するトナークラウド等の粉塵を捕捉する。
廃トナー収容部871は、廃トナー等の回収物を貯留する収容ハウジング873と、当該収容ハウジング873の上部に係合されて貯留室を画成する収容カバー874とからなる。収容ハウジング873には、長手方向に沿って回収物を搬送する図示しない搬送オーガが回転可能に支持され、回収物を回転しながら回転軸方向に沿って搬送して貯留する。
収容カバー874には、回収装置85により回収されて搬送される残留トナー等の回収物が流入する流入口875が形成されている。流入口875には、図示しないシャッタが開閉自在に設けられる。収容カバー874の集塵部872側には、画像形成装置1における廃トナー回収容器87の装着の有無検知のための遮光片876が設けられている。画像形成装置1には、発光部を持ち他方の側に受光部を持つ図示しないフォトセンサが設けられ、遮光片876による遮光の有無によって、廃トナー回収容器87の装着の有無が検知される。
廃トナー収容部871の一端側には、廃トナー回収容器87の画像形成装置本体1aへの装着時又は脱着時に把持される把持部877が設けられ、操作者が把持部877を把持して操作することにより、廃トナー回収容器87を画像形成装置本体1aに対して容易に脱着可能となっている。
集塵部872は、図14に示されるように、吸気口878と、吸気口878に対して屈曲して延び空気を流通させる空気流路879と、空気流路879内に設けられ、空気流とともに通過する粉塵を捕捉するフィルタ部材880と、外部に臨む排気口881を有している。吸気口878は、図15に示されるように、集塵部872の上面に開口して形成され、画像形成装置本体1aに設けられた空気流路925の排気口921に接続される。吸気口878の周囲には、図14に示されるように、弾性を有するシート部材884が貼り付けられ、画像形成装置本体1aの排気口921と接続された状態で圧縮変形して粉塵の漏洩を抑制している。
集塵部872には、図14に示されるように、吸気口878を開放する位置と閉鎖する位置とに移動可能なシャッタ部材885が設けられている。シャッタ部材885は、付勢部材であるコイルスプリング886により吸気口878を常時閉鎖するように付勢されている。そのため、廃トナー回収容器87が画像形成装置本体1aから離脱された状態では、吸気口878はシャッタ部材885によって閉鎖され、捕捉された粉塵が吸気口878から外部へ漏出するのを抑制している。
吸気口878は、集塵部872の内部空間で屈曲して排気口881に向かって延びる空気流路879に接続されている。空気流路879の排気口881上流側には、フィルタ部材880が配置されている。フィルム部材880は、クラウドトナーや異物等を除去する多孔質のフィルタであり、例えばポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維またはガラス繊維等の不織布からなり、ジグザグに折り畳んだ蛇腹形状に形成されている。
集塵部872の一側面には、図15(b)に示されるように、吸気口913が形成され、画像形成装置本体1aに備えられた排気ファン91に接続されて、フィルタ部材880でクラウドトナーや異物等が捕捉されて浄化された空気が機外へ排出される。集塵部872の排気口881が形成された一面と反対側の面には、図16に示されるように、廃トナー収容部871の収容ハウジング873に形成された被嵌合部887に嵌合して廃トナー収容部871と一体として接続される嵌合部888が形成されている。収容ハウジング873に形成された被嵌合部887と集塵部872の嵌合部888は、互いに嵌り合って集塵部872が、廃トナー収容部871に一体的に装着される。
一方、排気装置90は、図17(排気ファン91周辺を装置上面から下面方向に向けて見た図)に示されるように、画像形成装置本体1aの背面において下端部の一端側(図示例では左端側)の内部に配置された排気手段としての排気ファン91を備えている。排気ファン91は、画像形成装置本体1aに対して吸気ファン81の対角線上に位置するように配置されている。すなわち、吸気ファン81は、図18に示されるように、画像形成装置本体1aの前面において下端部の左端側に配置されているのに対して、排気ファン91は、画像形成装置本体1aの背面において下端部の右端側に配置されている。
排気ファン91の吸気口911には、図15(b)に示されるように、当該排気ファン91の上部に画像形成装置本体1aの内部へ向けて配置された吸気ダクト912が接続されている。吸気ダクト912の吸気口913は、廃トナー回収容器87を画像形成装置本体1aに装着した際に、当該廃トナー回収容器87の集塵部872の排気口881に接続される。また、集塵部872の吸気口878は、駆動力伝達装置92の下端部に開口された排気口921に接続される。
駆動力伝達装置92は、画像形成装置本体1a内の空気を排気ファン91によって吸引して外部に排出するための導風ダクト部材を兼ねている。駆動力伝達装置92は、図19に示されるように、画像形成装置本体1aのリアプレート103の背面にネジ止め等の手段により取り付けられている。駆動力伝達装置92は、図20に示されるように、駆動モータ932(図15参照)の回転駆動力を感光体ユニット50及び現像ユニット60等に伝達する複数枚の伝達歯車923,924等の駆動力伝達手段を内部に有している。駆動力伝達装置92は、内部に駆動力伝達手段を収容した状態で表裏両面及び外周面が気密に閉塞された偏平な箱体状に形成されている。
駆動力伝達装置92の前面には、図19に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)等から空気を吸引するための角筒状の吸気口925(Y,M,C,K)がそれぞれ開口されている。第1の吸気口925Kは、ブラック(K)の作像装置10Kの上部に開口されている。また、第2の吸気口925Cは、シアン(C)の作像装置10Cの上部に、第3の吸気口925Mは、マゼンタ(M)の作像装置10Mの上部に、第4の吸気口925Yは、イエロー(Y)の作像装置10Yの上部にそれぞれ開口されている。また、駆動力伝達装置92の内部には、図21に示されるように、第1乃至第4の吸気口925Y〜925Kと、下端部の排気口921とを連通する空気流路926が形成されている。空気流路926は、複数枚の伝達歯車923,924等の駆動力伝達手段と区画して設けられている。
排気ファン91の吹出口914には、図17に示されるように、画像形成装置本体1aの背面から外部へ排気するための排気ダクト93が接続されている。排気ダクト93は、先端側に向けて開口面積が増大する角錐台形状に形成された基端部931と、角柱形状に形成された先端部932とを備えている。排気ダクト93の先端部932は、画像形成装置本体1aの背面を覆う背面カバー1bに接続され固定されている。そして、排気ダクト93の先端には、排気口933が正面矩形状に開口されている。画像形成装置本体1aの背面カバー1bには、図22及び図23に示されるように、排気口933に対応した領域に、当該排気口933を部分的に覆って異物の浸入を抑制する複数の異物浸入抑制板の一例としての複数のルーバー934が設けられている。また、排気ファン91の吹出口914が排気口933に投影される領域935には、図17に示されるように、異物浸入抑制板の一例としてのルーバー934が設けられておらず、背面カバー1bを構成する部材によって正面矩形状に閉塞されている。
画像形成装置本体1aの背面カバー1bは、フレーム102〜111等とともに、画像形成装置本体1aを構成する部材であるが、図22に示されるように、画像形成装置本体1aの背面側の下端部を覆うように配置される。背面カバー1bは、合成樹脂等の成形品からなり、ルーバー934や後述する接続用凹部94が一体的に形成されている。画像形成装置本体1aは、背面カバー1bに隣接して画像形成装置本体1aを正面から見た場合における右側に位置する側面を覆う側面カバー1cを有している。
画像形成装置本体1aの背面カバー1bには、図23に示されるように、排気口933に隣接した画像形成装置本体1aの外側面より凹んだ凹部からなり、画像形成装置1が外部から少なくとも電力又は電気信号のいずれかの供給を受けるなど、外部と電気的に接続するための接続用凹部94が設けられている。接続用凹部94は、画像形成装置本体1aの背面カバー1bの下端部において右側の側面カバー1cと交差する角部に配置されている。接続用凹部94は、側面カバー1c側に開口されており、側面カバー1cに対応した凹所1c’が形成されている。また、接続用凹部94は、正面略L字形状に形成されており、排気口933の一側(図示例では、左側)及び下側に隣接するよう配置されている。接続用凹部94は、画像形成装置本体1aの背面カバー1bの表面より所要の深さDだけ内側に配置されて凹んだ(窪んだ)取付面941を有している。取付面941には、画像形成装置1が外部から電力コード942aを介して電力の供給を受ける給電用のソケット942と、画像形成装置1に外部から画像信号等を入力する入力端子943がそれぞれ装着されている。給電用のソケット942及び入力端子943は、接続用凹部94に装着した状態で画像形成装置本体1aの背面カバー1aの表面から外側に突出しないよう接続用凹部94の深さDが設定されている。
また、排気ダクト部材93は、図20に示されるように、接続用凹部94側に位置する左側面及び下端面に切欠き部936,937がそれぞれ設けられ開口されている。そのため、接続用凹部94には、図17に示されるように、排気口933から排出される空気の一部を接続用凹部94側へ排出する補助排気用の開口部945,946が形成されている。接続用凹部94は、画像形成装置本体1aの背面カバー1bよりも所要の深さDだけ内側に凹んだ状態で形成されており、接続用凹部94の排気ダクト部材93側には、図23に示されるように、背面カバー1bに直交するように起立した左側面947及び下端面948が形成されている。この接続用凹部94の左側面947及び下端面948には、上述したように、補助排気用の開口部945,946が設けられている。また、補助排気用の開口部945,947には、当該開口部945を部分的に覆って異物の浸入を抑制する複数の異物浸入抑制板の一例としての複数のルーバー949が設けられている。
<画像形成装置の特徴部分の動作>
画像形成装置1は、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)における画像形成動作に伴って、送風装置80及び排気装置90が駆動される。なお、送風装置80及び排気装置90は、各作像装置10(Y,M,C,K)における画像形成動作に完全に同期しても良いが、各作像装置10(Y,M,C,K)における画像形成動作が終了した後も所要時間Tだけ継続して駆動され、所要時間Tが経過した後に停止するように構成することが望ましい。
画像形成装置1は、図12に示されるように、画像形成動作の開始に伴って、画像形成装置本体1の前面に配置された送風装置80の送風ファン81が駆動され、送風ファン81によって外部の空気が画像形成装置本体1の内部に導入される。画像形成装置本体1の内部に送風ファン81によって導入された空気は、第1の送風口82から画像形成装置本体1aの前面に配置された回収装置85の本体851に装着されたダクト部材858を介して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)へと送られる。
ダクト部材858の送風口861G〜861Kからは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)の上部へと送風され、各作像装置10(Y,M,C,K)を構成する感光体ユニット50、現像ユニット60及び露光ユニット13がそれぞれ冷却されるとともに、現像ユニット60から生じるクラウドトナー等の粉塵が画像形成装置本体1aの背面側へと空気の流れに伴って搬送される。
画像形成装置本体1aの背面側へと送られた空気は、図19に示されるように、回転駆動装置92に設けられた吸気口925Y〜925Kから排気ファン91によって吸引される。回転駆動装置92の内部に吸引された空気は、図21に示されるように、当該回転駆動装置92の内部に設けられた空気流路926を通って、回転駆動装置92の下端部に設けられた排気口921から排出される。回転駆動装置92の排気口921から排出された空気は、図15(b)に示されるように、集塵部872の吸気口878から空気流路879を通過するとともに、フィルター部材880によってクラウドトナー等の粉塵が除去される。
集塵部872の排気口881から排出された空気は、吸気ダクト921を介して排気ファン91によって吸引され、図17に示されるように、排気ファン91の吹き出し口914から排気ダクト部材93を介して画像形成装置本体1aの背面に設けられた排気口933から外部に排出される。
ところで、画像形成装置1は、図24に示されるように、設置スペースの有効活用等のため、画像形成装置本体1aが壁面等の遮蔽物Sに近接して設置される場合がある。この場合、画像形成装置本体1aの背面に設けられた排気口933から外部に排出された空気は、壁面等の遮蔽物Sに突き当たり、大気圧と等しい圧力まで十分に圧力が低下し難いことがある。すると、画像形成装置本体1aの排気口933に面した外部の空気は、圧力が上昇し、排気ファン91の排気作用により画像形成装置本体1a内の空気が効率良く外部に排出されずに、画像形成装置本体1aの内部に滞留する場合が生じる。この場合、排気ファン91により外部に排出されるべき空気は、クラウドトナー等の粉塵を含んでいるため、排気中のクラウドトナー等の粉塵が画像形成装置本体1aの内部に滞留して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)などを汚損する虞れがある。
この実施の形態では、図24及び図25に示されるように、排気口933に隣接して配置された接続用凹部94に補助排気用の開口部945,946が設けられているため、画像形成装置本体1aの排気口933から外部に排出される空気の一部は、接続用凹部94に設けられた補助排気用の開口部945,946を介して、接続用凹部94へと排出される。そのため、排気ダクト部材93の排気口933は、接続用凹部94に設けられた補助排気用の開口部945,946の分だけ開口面積が増加し、補助排気用の開口部945,946から接続用凹部94へと排出される。その結果、画像形成装置本体1aが壁面等の遮蔽物Sに近接して設定された場合であっても、画像形成装置本体1aの排気口933から外部に排出される空気の一部は、接続用凹部94の補助排気用の開口部945,946を介して外部に効率良く排出され、画像形成装置本体1aの排気口933に面した外部の空気圧が上昇することが抑制され、排気ファン91の排気作用により画像形成装置本体1aの内部の空気を効率良く外部に排出することができる。そのため、画像形成装置本体1aの内部は、排気中に含まれるクラウドトナー等の粉塵によって汚損されることが抑制される。
また、接続用凹部94は、画像形成装置本体1aの右側の側面カバー1c側が開口されているため、接続用凹部94へと導入された空気は、画像形成装置本体1aの右側の側面カバー1c側へと排出され、より一層効率良く外部に排出される。
また、上記実施の形態では、画像形成装置本体1aの前面に配置される回収装置85が吸気ダクトを兼ね、画像形成装置本体1aの背面側に配置される駆動力伝達装置92が排気ダクトを兼ねているため、画像形成装置本体1aの内部に別途吸気ダクトや排気ダクトを設ける必要がなく、画像形成装置本体1aを小型化することが可能となる。
さらに、上記実施の形態では、排気ファン91の吹出口914が排気口933に投影される領域935に、図26に示されるように、異物浸入抑制板の一例としてのルーバー934が設けられておらず、背面カバー1bを構成する部材によって正面矩形状に閉塞されている。そのため、排気ファン91の吹出口914から外部に排出される空気が排気口933に投影される領域935に突き当たり、画像形成装置本体1aの背面側に近接して配置される壁面等の遮蔽物Sに直接突き当たることが回避され、排気ファン91の吹出口914から外部に排出される空気中に含まれるクラウドトナー等が壁面等の遮蔽物Sに付着して堆積することが抑制される。
このように、上記実施の形態では、画像形成装置本体1aの排気口に隣接して装置本体1aの外側面より凹んだ凹部からなり、外部と電気的に接続するための接続用凹部94と、排気ダクト部材93の接続用凹部94側に位置する側面に開口され、排気口933から排出される空気の一部を接続用凹部94側へ排出する補助排気用の開口部945,946とを備えない場合に比較して、排気口933が壁面等の遮蔽物Sに近接して配置された場合に生じる排気不良に起因した装置本体1a内の汚損が抑制される。
なお、前記実施の形態では、画像形成装置としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を形成するフルカラー画像形成装置について説明したが、モノクロの画像形成装置にも同様に適用することができることは勿論である。
また、前記実施の形態では、排気口が画像形成装置本体の背面側に開口されている場合について説明したが、排気口が画像形成装置本体の側面に開口されている場合でも同様に適用することができることは勿論である。