JP2005070480A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子写真方式の画像形成装置において、装置の小型化を図るとともに、ユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】 4個の現像器4Y,4C,4M,4Kを装着可能な現像ユニット4、静電潜像を担持可能な感光体22を含む感光体ユニット2および転写ユニット7を略上下方向に配置し、さらにその下方に給紙カセット5を配置する。また、感光体22をクリーナレス構造とする。そして、装置前面(図において左方)にシート搬送経路FF、反転搬送経路FRおよび定着ユニット9を設ける。これにより、設置面積の小さな画像形成装置を構成することができる。また、搬送ユニット8の一部および定着ユニット9を装置前面から開閉可能なフロントカバーに取り付けたので、各ユニットの交換およびジャム処理を装置前面からの作業で行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 4個の現像器4Y,4C,4M,4Kを装着可能な現像ユニット4、静電潜像を担持可能な感光体22を含む感光体ユニット2および転写ユニット7を略上下方向に配置し、さらにその下方に給紙カセット5を配置する。また、感光体22をクリーナレス構造とする。そして、装置前面(図において左方)にシート搬送経路FF、反転搬送経路FRおよび定着ユニット9を設ける。これにより、設置面積の小さな画像形成装置を構成することができる。また、搬送ユニット8の一部および定着ユニット9を装置前面から開閉可能なフロントカバーに取り付けたので、各ユニットの交換およびジャム処理を装置前面からの作業で行うことができる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、静電潜像を担持可能な潜像担持体と、トナーを貯留する現像器と、静電潜像をトナーにより顕像化したトナー像を一時的に担持する中間転写体とを備える画像形成装置に関するものである。
プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置は、静電潜像を担持可能な潜像担持体、トナーを貯留する現像器および静電潜像をトナーにより顕像化したトナー像を一時的に担持する中間転写体などをその基本的構成としており、他の方式の画像形成装置に比べ装置が大型になりがちである。特に、多色化や用紙の大判化を図るといきおい装置が大型化してしまう。これを解決するため、装置を小型化するための種々の技術が従来より提案されている。
例えば、特許文献1に記載の多色画像形成装置では、装置天面に設けた同一の開口部を通して、潜像担持体と中間転写体とを一体化したI/Oカートリッジおよび現像カートリッジの着脱を行うようにすることで、ユーザビリティを向上させるとともに機構を簡素化し、装置の小型化を図っている。このような効果を得るために、この装置では、概略次のような構成を採っている。
図8は従来技術の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。この画像形成装置100では、図8に示すように、現像カートリッジを装着した現像ロータリ101、潜像担持体102および中間転写体103の各機能ブロックが略水平方向に並べられている。そして、これらの下方に設けられた給紙カセット105から取り出された用紙が、略水平方向に設けられた搬送経路106に沿って搬送される際にトナー像を転写され、装置上部に排出される。なお、図8において、太い実線で示す矢印はトナーまたはトナー像の流れを表す一方、破線で示す矢印は用紙の流れを表している。
また、この画像形成装置100では、装置天面に開閉自在のカバー107を設け、現像ロータリ101に装着した各トナー色の現像カートリッジ、および潜像担持体102と中間転写体103とを一体化したI/Oカートリッジ104をいずれも装置天面から着脱可能としている。図8において、2点鎖線で示す矢印は、各カートリッジの着脱方向を示している。
上記した従来技術の画像形成装置は、次のような解決すべき課題を有している。すなわち、各機能ブロックが略水平方向に配置されているため、装置の設置面積が大きくなってしまう。また、用紙が各機能ブロックと給紙カセットとの間を略水平に搬送される構造となっているため、ユーザによるジャム処理作業が煩雑となる。
また、このような配置では、用紙の両面に画像を形成する両面印刷機能を実現することは難しい。というのは、各機能ブロックと給紙カセットとの間を用紙が往復することとなり、そのためのスペースを確保するために装置が大型化してしまううえに、ジャム発生時の処理作業がさらに煩雑となってしまうからである。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電子写真方式の画像形成装置において、装置の小型化を図るとともに、ユーザの操作性を向上させることを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、トナーを貯留する現像器を少なくとも1つ装着可能となっており、前記トナーにより前記潜像担持体上の前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、前記潜像担持体から一次転写された前記トナー像を一時的に担持して、記録材への二次転写位置まで搬送する中間転写体とを備え、前記潜像担持体を前記中間転写体の略上方に配置するとともに、前記現像ユニットを前記潜像担持体の略上方に配置し、しかも、前記潜像担持体および前記中間転写体の少なくとも一方が、その表面に残留付着するトナーを除去するためのクリーナを有しないクリーナレス構造となっていることを特徴としている。
このように構成された発明では、現像ユニット、潜像担持体および中間転写体がほぼ上下方向に配置されるため、装置の設置面積を小さくすることができ、装置全体の小型化を図ることができる。しかも、潜像担持体、中間転写体のうち少なくとも一方をクリーナレス構造として、クリーナブレードや廃トナータンクを省くことにより、装置をさらに小型化することが可能となる。
このうち、潜像担持体のクリーナレス構造を実現するための構成については、例えば本願出願人の出願にかかる特開2003−84571号公報に記載されている。また、中間転写体のクリーナレス構造については、例えば本願出願人の出願にかかる特開2003−98845号公報に記載された転写効率向上のための技術を適用することにより実現可能である。
また、この画像形成装置においては、前記中間転写体の略下方に設けられ、前記記録材を収容する記録材カセットと、前記記録材カセットから取り出した前記記録材を、略鉛直方向上向きの搬送経路に沿って装置上方まで搬送して装置外部に排出する記録材搬送手段とをさらに備え、前記二次転写位置が前記搬送経路上に設けられるようにしてもよい。こうすれば、記録材は単に装置下部から上部へほぼ一直線状に搬送されるのみでよいこととなり、搬送経路を単純化することができる。これにより、さらに装置の小型化を図ることができるとともに、ジャム発生の頻度を低く抑えることができる。
このとき、前記現像ユニット、前記潜像担持体および前記中間転写体よりも装置前面側を前記記録材が通過するように前記搬送経路を設けると、該搬送経路において発生した記録材のジャムに対し、装置前方からのアクセスで簡単に処理作業を行うことができる。
また、前記搬送経路上において前記二次転写位置よりも下流側に、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着ユニットをさらに設けるとともに、前記装置前面を覆う筐体の少なくとも一部が開閉自在のカバーを設け、前記記録材搬送手段の少なくとも一部および前記定着ユニットを前記カバーに取り付けるようにするとより好ましい。このようにすれば、カバーを開くことにより搬送経路が露出して外部からのアクセスが容易となり、さらにジャム処理を行いやすくなる。
ここで、前記記録材搬送手段を、前記定着ユニットを通過した前記記録材を略鉛直方向下向きの反転搬送経路に沿って搬送し前記二次転写位置の上流側で再び前記搬送経路に送り込む反転搬送可能に構成した場合には、記録材の両面に画像を形成する両面印刷機能を実現することができる。この反転搬送経路も装置前面に設けることができるので、ジャム処理における良好な作業性は損なわれない。
また、この画像形成装置では、前記潜像担持体の表面を感光体により形成するとともに、所定方向に沿って配列された複数の光源を前記潜像担持体表面に対向配置してなる露光手段をさらに設け、所定の表面電位に帯電させた前記潜像担持体表面を前記露光手段により露光することによって前記静電潜像を形成するように構成してもよい。特に、前記露光手段を、有機EL(エレクトロルミネセンス)アレイまたは発光ダイオードアレイを光源として構成することが好ましい。このように構成された露光手段は、従来より広く用いられているレーザ走査光学系に比べて小型に構成することができるので、装置のさらなる小型化のために好適に用いることができる。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が与えられると、図示を省略するコントローラが装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
この装置1では、装置筐体10に以下の7つのユニット:感光体ユニット2;ロータリー現像ユニット4;給紙カセット5;露光ユニット6;転写ユニット7;搬送ユニット8および定着ユニット9を設けている。これらの各ユニットのうち、感光体ユニット2と転写ユニット7とは一体化されて(以下、これらを一体化したユニットを必要に応じて「感光体・転写ユニット」と称する)、装置本体に対し着脱自在に構成されている。
このように構成された画像形成装置1に対し外部装置から画像信号が与えられると、レーザ光源およびその出射光を所定の照射方向に導くためのミラー、レンズ等からなる光学系を有する露光ユニット6が、その画像信号に応じて、感光体ユニット2に設けられて図1の矢印方向D1に回転する感光体22に向け光ビームLを照射する。感光体22は、所定の帯電バイアスを印加された帯電ユニット23により所定の表面電位に均一に帯電されており、その表面を光ビームLで露光することにより、画像信号に対応する静電潜像が感光体22表面に形成される。
こうして形成された静電潜像はロータリー現像ユニット4によってトナー現像される。この現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられており、該ユニット4に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、コントローラからの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44が感光体22に対し対向配置されるとともに所定の現像バイアスを印加されて、感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜74に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ72を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えるとともに、装置本体に対し着脱可能に構成されている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成する。
こうして中間転写ベルト71上に形成されたモノクロまたはカラー画像については、中間転写ベルト71の周回によって所定の二次転写領域TR2まで搬送する。そして、給紙カセット5から1枚ずつ取り出され、搬送ユニット8により搬送経路FFに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。搬送ユニット8は、給紙カセット5から1枚ずつシートSを取り出すピックアップローラ80、所定のタイミングでシートSを二次転写領域TR2へ送り込むゲートローラ81、二次転写ローラ82、排出ローラ83および後述する反転搬送経路FRを構成する複数のローラ84、85を備えている。なお、図1は装置1を右側から見た状態を示しており、同図に示すように、この搬送ユニット8は装置1の前面側(図1において左側)に設けられている。
このように構成された搬送ユニット8が作動することにより、カラー画像が形成されたシートSは装置上方に向けて搬送され、定着ユニット9、排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に排出される。一方、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSが定着ユニット9を通過し終えた時点で排出ローラ83の回転方向を反転させる。これにより、シートSは反転搬送経路FRに沿って装置下方に向け搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路FFに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、この画像形成装置1の感光体ユニット2には、中間転写ベルト71の表面に残留付着したトナーを除去するためのクリーナ76が設けられている。クリーナ76は、中間転写ベルト71表面の残留トナーを、所定のクリーニングバイアスを印加されて中間転写ベルト71に当接するクリーナローラに移行させて廃トナータンクに回収する。
一方、感光体22については専用のクリーナを設けないクリーナレス構造としている。感光体のクリーナレス構造は、例えば、感光体22から中間転写ベルト71へのトナー転写効率を100%近くまで向上させることによって実現可能である。本実施形態において適用可能なこの種の公知技術としては、例えば、特開2003−84489号公報に記載されたように、感光体よりも中間転写ベルトに対する付着力が大きいトナーを使用する技術や、特開2003−84571号公報に記載されたように、感光体よりもトナー母粒子間の付着力が大きいトナーを使用する技術などがある。また、一次転写領域TR1において感光体22と中間転写ベルト71との間に速度差を設けることにより転写効率の向上を図ることも有効である。また、転写効率を向上させる技術以外にも、例えば、各現像器の現像ローラに適当なバイアス電圧を印加することによって、感光体上の残留トナーを現像ローラにより回収する技術も適用可能である。
このように、この実施形態の画像形成装置では、感光体22をクリーナレス構造としたことにより、クリーナ機構および除去したトナーを回収する廃トナータンクを設ける必要がなくなっている。これに加えて、以下に説明するように、各ユニットの配置を工夫しているので、この実施形態では、装置全体をきわめて小型に構成することが可能となっている。
図2はこの画像形成装置のユニット配置を示すブロック図である。図2に示すように、この画像形成装置1では、現像ユニット4、感光体ユニット2および転写ユニット7をほぼ上下方向に配置している。そのため、図1から明らかなように、これらの各ユニット4、2および7を装置底面に投影したときその像の大部分が互いに重なり合うこととなる。このような配置としたことにより、これらを水平方向に配置した従来技術の装置(図8)と比較して、装置の底面積を大きく削減することができる。
また、給紙カセット5を転写ユニット7の下方に配置するとともに、装置前面側(図2の左側)に、シートSをほぼ上向きの搬送経路FFに沿って搬送する搬送ユニット8を配置しているため、これらを設けたことによる底面積の増加を抑えることが可能となっている。なお、図1では、給紙カセット5は装置後方(図1において右側)に突出した構造となっている。これは、上記のように装置の底面積を小さくした結果、装置の奥行きがシート長さより短くなった場合の構成の一例を示したものであって、給紙カセット5が常に装置後方に突出していたり、給紙カセット5を装置後方に向けて引き出す構造となっていることを示すものではない。
また、シートSが装置下部の給紙カセット5から上部の排出トレイ89までほぼ一直線状に搬送されるように構成したので、搬送経路FFが極めて簡素化され、ジャム発生頻度を大幅に低下させることができる。しかも、搬送経路FFを装置前面側に設けているので、万一ジャムが発生した場合でも、他のユニットが作業の障害となることもなく、装置前面からの作業によりジャム処理を行うことができ、ユーザの操作性の点でも優れている。さらに、反転搬送経路FRも装置前面に設けられているので、反転搬送経路FRにおいて発生したジャムに対しても、容易に処理作業を行うことができる。なお、図2において、太い実線で示す矢印はトナーまたはトナー像の流れを表す一方、破線で示す矢印はシートSの流れを表している。
図3はこの実施形態における感光体・転写ユニット交換方法を示す図である。この画像形成装置1では、装置筐体10の前面側(図3の左側)に開閉自在のフロントカバー11が設けられている。このフロントカバー11を開いた状態で、装置前面に各種メンテナンス作業を行うための開口部APが開口する。そして、定着ユニット9と、搬送ユニット8を構成する各部品のうち二次転写ローラ82およびローラ84、85とはこのフロントカバー11に取り付けられている。このような構成としたことで、フロントカバー11を開いた状態では、感光体ユニット2および転写ユニット7の前方が大きく開くこととなる。そのため、ユーザはこれらのユニット2および7を一体的に、つまり感光体・転写ユニットを、その長手方向に沿って開口部APを通して容易に引き出すことができる。また、これとは逆の動作により、新しいユニットを容易に装着することができる。このように、感光体・転写ユニットの前方に配置された定着ユニット9および搬送ユニット8の一部をフロントカバー11に取り付け、それらがカバーの開閉とともに移動するようにしたことで、この実施形態では、感光体・転写ユニットの着脱作業を優れた作業性で行うことができる。
このとき、現像ユニット4については、各現像器に設けられた現像ローラが感光体22から離間した状態で位置決め固定されていることが望ましい。これにより、ユニット着脱時の接触による現像ローラおよび感光体の損傷を避けられるからである。特に、図3に示すように、感光体22と最近接位置にある現像ローラ44が感光体22よりも後方(図3の右側)に位置するようにすれば、着脱される感光体ユニット2が現像ローラ44に接触するのを確実に回避することができる。また、図示を省略するが、感光体ユニット2および転写ユニット7が誤った方向から抜き差しされて周囲部品と接触するのを防止するため、これらのユニットの着脱方向を規制するガイドレールを装置筐体10の両側面に設けることが好ましい。
また、このような構成とすることにより、フロントカバー11を開くことでシート搬送経路FFおよび反転搬送経路FRを形成する各部品が露出するので、これらの経路上でジャムが生じても、フロントカバー11を開いて簡単に詰まったシートSを取り除くことができる。
さらに、図3に示すように、給紙カセット5も、装置前面から引き出すことができるようになっており、これを引き出すことによってシートSの補充を行うことができる。この給紙カセット5の引き出しは、フロントカバー11の開閉状態によらず可能である。
図4はこの実施形態における現像器交換方法を示す図である。各現像器4Y等は、現像ユニット4に対して、その回転軸に直交する方向に着脱できるようになっている。したがって、図4に示すように、フロントカバー11を開いた状態で、現像ユニット4に対して、1つの現像器(図4の例ではブラック現像器4K)の取り出しまたは装着作業を装置前方から開口部APを通して行うことが可能である。
このように、この実施形態の画像形成装置では、装置のメンテナンスに関わる主な作業、すなわち、現像器の交換、感光体・転写ユニットの交換、ジャム処理および給紙カセットへのシート補給をいずれも装置前方からの操作により行えるようになっており、ユーザの操作性は極めて良好である。
以上のように、この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態では、装置の主要部であり大きなスペースを占有する各ユニット、すなわち現像ユニット4、感光体ユニット2および転写ユニット7をほぼ上下方向に配置しているので、装置の底面積を小さくすることができる。しかも、感光体22についてはクリーナレス構造、すなわちその表面に当接して残留付着トナーを除去するためのクリーナおよび除去したトナーを収容する廃トナータンクを設けない構造としているため、これらを設ける場合に比べて装置をより小型化することが可能である。
また、給紙カセット5を転写ユニット7の下方に設けるとともに、シート搬送経路FFが装置下部の給紙ユニット5から装置上部の排出トレイ89までほぼ一直線状となるように搬送ユニット8を構成しているので、搬送経路が短くかつ簡素であり、ジャムが発生しにくい。そして、搬送経路を装置前面側に配置しているので、万一ジャムが発生しても装置前面から簡単にその処理を行うことができる。また、装置前面に、装置上方から下方に向けてシートSを搬送する反転搬送経路FRを設けることで、装置を大型化させることなく容易に両面印刷機能を実現することができ、しかもジャム処理等の利便性は損なわれない。
また、定着ユニット9および搬送ユニット8の一部をフロントカバー11に取り付けたため、フロントカバー11を開くことで搬送経路FF、FRおよび感光体・転写ユニットが大きく露出し、ジャム処理およびユニットの着脱作業を装置前方から容易に行うことができる。しかも、現像ユニット4に装着される現像器4Y等の着脱作業も装置前方から行えるようにしたので、主なメンテナンス作業は全て装置前方から行うことができる。
このように、この発明にかかる画像形成装置は、従来の画像形成装置に比べて、より装置の小型化が可能であるとともに、ユーザの操作性の点でも様々な利点を有するものである。すなわち、本発明を適用することによって、小型でありながら多機能(多色、両面印刷)を有し、しかもユーザの操作性にも優れた画像形成装置を実現することができる。
図5はこの発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。上記した第1実施形態の画像形成装置(図1)と対比すると、この第2実施形態においては、中間転写ベルト71上の残留トナーを除去するクリーナ76が省かれる一方、感光体22上の残留トナーを除去するためのクリーナ25が設けられている。このクリーナ25は、感光体22上に付着する残留トナーを、感光体22に当接させたクリーナブレードにより掻き落とし、廃トナータンクに回収する。この実施形態においては、感光体22、帯電ユニット23およびクリーナ25が、感光体ユニット20を構成している。上記相違点以外の装置構成は第1実施形態の装置と同様であるので、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
このように、この第2実施形態の画像形成装置では、中間転写ベルト71について、その表面に付着するトナーを除去するとともに廃トナーを回収するクリーナを設けないクリーナレス構造を採っている。このような構造とすることにより、感光体22をクリーナレス構造とした第1実施形態の装置と同様に、感光体ユニット2各ユニット装置全体をきわめて小型に構成することが可能となっている。また、他の構成および動作は第1実施形態の装置と同一であり、前述した第1実施形態の装置が有する種々の優れた特徴を、この第2実施形態の装置も同様に有するものである。
なお、中間転写ベルト71のクリーナレス構造は、例えば、次のようにして実現可能である。すなわち、中間転写ベルト71またはローラ73に所定の(一次転写時のバイアスとは逆極性の)クリーニングバイアスを必要に応じて印加し、その作用により中間転写ベルト71上の残留トナーを感光体22に移行させるとともに、感光体22をクリーニングするクリーナ25により不要なトナーを回収するようにすればよい。また、例えば、特開2003−98845号公報に記載されたように、中間転写ベルト71への付着力がトナー粒子間の付着力よりも小さくなるようなトナーを使用することにより、中間転写ベルト71からシートSへのトナー転写効率を向上させることも有効である。
図6はこの発明にかかる画像形成装置の第3実施形態を示す図である。また、図7はこの実施形態の装置における露光ユニットの構造を示す図である。この第3実施形態の画像形成装置では、感光体22上に光ビームを照射して静電潜像を形成するための露光手段の構成が第1実施形態とは相違しているが、その他の装置構成および動作については第1実施形態の装置(図1)と同一である。以下では、この発明にかかる画像形成装置の第3実施形態について説明するが、第1実施形態の装置と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略することとする。
第1実施形態の装置に設けられた露光ユニット6(図1)では、レーザ光源から発せられる光を、ミラー、レンズ等からなる光学系により感光体22上の所定位置に導くことで感光体22を走査露光し、その表面に静電潜像を形成する。そのため、ユニットが大型になり、しかも装置内を横切る長い光路を確保する必要がある。これに対し、この第3実施形態の装置は、図7に示す露光ユニット60を備えており、この露光ユニット60により感光体22表面を露光することで感光体22上に静電潜像を形成する。
露光ユニット60は、一列に配列された複数のLED(発光ダイオード)素子からなり感光体22の軸方向(図6の紙面に直交する方向)に平行なライン像を形成するLEDアレイ63と、LEDアレイ63を構成する各LED素子を駆動するドライバ(図示省略)と、LEDアレイ63を覆うハウジング62と、LEDアレイ63の前方(光出射方向)に固定された屈折率分布型ロッドレンズアレイ64と、これらを一体的に保持して感光体22に対し対向配置されたフレーム61とを有している。そして、LEDアレイ63を構成する各LED素子のオン・オフによる発光点列が、ロッドレンズアレイ64の結像作用により感光体22表面に結像されて、該表面に静電潜像を形成する。
このような構成を有する露光ユニット60は、第1実施形態の装置において用いられていた露光ユニット6に比べて小型に構成することができる。また、感光体22に対して近接配置することができるため、装置内を横切る長い光路を確保する必要がない。これらの理由により、このような露光ユニット60を備えた第3実施形態の画像形成装置では、第1実施形態の装置に比べ、さらなる装置の小型化を図ることが可能となる。そして、露光ユニットを除いた他の構成および動作は第1実施形態の装置と同一であり、前述した第1実施形態の装置が有する種々の優れた特徴を、この第3実施形態の装置も同様に有するものである。
以上説明したこれらの実施形態においては、感光体22が本発明の「潜像担持体」に、中間転写ベルト71が本発明の「中間転写体」にそれぞれ相当する。また、シートSが本発明の「記録材」に相当し、給紙カセット5が本発明の「記録材カセット」として機能する。また、搬送ユニット8が本発明の「記録材搬送手段」として機能する。さらに、第3実施形態において、一列に配置された複数のLED素子を備えた露光ユニット60が、本発明の「露光手段」に相当する。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した第3実施形態の画像形成装置においては、露光ユニット60に設ける光源として、複数のLED素子を並べたLEDアレイ63を設けている。しかしながら、これ以外にも、例えば、このようなLED素子と同様に小型に構成可能な有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を光源として使用した有機ELアレイを備えた露光ユニットを構成してもよい。
また、第2実施形態のように、中間転写ベルト71をクリーナレス構造とした画像形成装置に対し、第3実施形態のように、LEDアレイまたは有機ELアレイを光源とする露光ユニットを設けてもよい。こうすることによって、第2実施形態の装置と比較してより小型の装置を構成することが可能となる。
また、例えば、上記各実施形態は、シートSの両面に画像を形成する両面印刷機能を有する画像形成装置であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、シートSの片面にのみ画像を形成する画像形成装置に対しても適用可能である。
また、例えば、上記各実施形態の画像形成装置はいずれも、「中間転写体」としての中間転写ベルト71を備える画像形成装置であるが、このようなベルト状のもの以外にも、例えばドラム状の中間転写体を備える画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、例えば、上記各実施形態では、感光体ユニット2および転写ユニット7を一体的に装置本体に対し着脱可能としているが、これらを個別に装置本体に対し着脱するようにしてもよい。また、各現像器4Y等については、装置上部の設けた開口部を通して着脱するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する装置に本発明を適用したものであるが、トナー色の種類および数については上記に限定されるものでなく任意である。
2…感光体ユニット、 4…現像ユニット、 4C,4K,4M,4Y…現像器、 5…給紙カセット(記録材カセット)、 6,60…露光ユニット(露光手段)、 7…転写ユニット、 8…搬送ユニット(記録材搬送手段)、 9…定着ユニット、 22…感光体(潜像担持体)、 63…LED(発光ダイオード)アレイ、 71…中間転写ベルト(中間転写体)、 FF…搬送経路、 FR…反転搬送経路、 S…シート(記録材)、 TR2…二次転写領域(二次転写位置)
Claims (8)
- 静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、
トナーを貯留する現像器を少なくとも1つ装着可能となっており、前記トナーにより前記潜像担持体上の前記静電潜像をトナー像として顕像化する現像ユニットと、
前記潜像担持体から一次転写された前記トナー像を一時的に担持して、記録材への二次転写位置まで搬送する中間転写体と
を備え、
前記潜像担持体を前記中間転写体の略上方に配置するとともに、前記現像ユニットを前記潜像担持体の略上方に配置し、しかも、
前記潜像担持体および前記中間転写体の少なくとも一方が、その表面に残留付着するトナーを除去するためのクリーナを有しないクリーナレス構造となっていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体の略下方に設けられ、前記記録材を収容する記録材カセットと、
前記記録材カセットから取り出した前記記録材を、略鉛直方向上向きの搬送経路に沿って装置上方まで搬送して装置外部に排出する記録材搬送手段と
をさらに備え、前記二次転写位置が前記搬送経路上に設けられている請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記現像ユニット、前記潜像担持体および前記中間転写体よりも装置前面側を前記記録材が通過するように、前記搬送経路が設けられた請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記搬送経路上において前記二次転写位置よりも下流側に設けられて、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着ユニットをさらに備えるとともに、前記装置前面を覆う筐体の少なくとも一部が開閉自在のカバーとなっており、
前記記録材搬送手段の少なくとも一部および前記定着ユニットが前記カバーに取り付けられている請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記記録材搬送手段は、前記定着ユニットを通過した前記記録材を、略鉛直方向下向きの反転搬送経路に沿って搬送し前記二次転写位置の上流側で再び前記搬送経路に送り込む反転搬送可能に構成された請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体の表面が感光体により形成されるとともに、
所定方向に沿って配列された複数の光源を前記潜像担持体表面に対向配置してなる露光手段をさらに備え、
所定の表面電位に帯電させた前記潜像担持体表面を前記露光手段により露光することによって前記静電潜像を形成する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記露光手段は、前記複数の光源としての有機ELアレイを備える請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記露光手段は、前記複数の光源としての発光ダイオードアレイを備える請求項6に記載の画像形成装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007033866A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2007065641A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-03-15 | Canon Inc | 画像形成装置 |
US8190057B2 (en) | 2009-07-14 | 2012-05-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus having a main assembly, a cartridge detachably mountable to the main assembly, and a fixing unit detachably mountable to the main assembly |
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-
2003
- 2003-08-26 JP JP2003300776A patent/JP2005070480A/ja not_active Withdrawn
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