JP2010008652A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持ローラに保持した残留トナーをクリーニングユニットに回収させるための回収時間を短縮させる。
【解決手段】画像形成時において、各色の感光体ドラム49に接触する保持ローラにて残留トナーを保持する。クリーニングローラ73による残留トナー回収動作に移行すると、各色の感光体ドラム49と中間転写ベルト69は画像形成時とは逆方向に回転する。また、現像ローラ56は感光体ドラム49から離間する。各色の感光体ドラム49に接触する保持ローラ57は感光体ドラム49に残留トナーを吐き出し、感光体ドラム49から中間転写ベルトに転写する。中間転写ベルト69が逆転することでクリーニングユニット37へ残留トナーを搬送する経路が短くなる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、複数の感光体と、複数の感光体に対向して配置されるベルトとを備えた画像形成装置に関する。
従来から、感光体ドラムを水平方向に並置する水平タンデム方式のカラー電子写真プリンタがある。カラー電子写真プリンタにおける画像形成の方式は中間転写方式と直接転写方式がある。
中間転写方式のカラー電子写真プリンタにおける画像形成は以下のようにして行われる。中間転写方式のカラー電子写真プリンタは、4つの感光体ドラムと、各感光体ドラムの周囲に帯電器、露光器、現像器、転写器などを有している。まず、感光体ドラムの表面が帯電器によって均一に帯電される。つづいて露光器から照射される光線によって感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。その後、静電潜像を現像器から供給されるトナーで現像し、現像されたトナー像が転写器を構成する中間転写ベルトに一次転写される。各色同様の工程を経て中間転写ベルト上にトナー像を重ね合わせて重ね合わせ画像が中間転写ベルト上に形成される。
その後、中間転写ベルト上の重ね合わせ画像は、タイミングを合わせて搬送されてくる用紙に対し、転写器を構成する二次転写ローラと中間転写ベルトの間を通過させる際に二次転写される。
同様に、直接転写方式のカラー電子写真プリンタにおける画像形成を説明する。直接転写方式においても各色の感光体ドラムの表面がトナーで現像される。各色同様の工程を経た後、タイミングを合わせて転写器を構成する搬送ベルト上に載って感光体ドラムと転写ローラの間に搬送されてくる用紙に対してトナー像を順次転写し、用紙上に画像を形成する。
また、カラー電子写真プリンタにおいて、画像形成を行わないときは、各感光体ドラムに形成されたトナー像が正しい位置で重ね合わせられるか否かを定期的にテストする。具体的には、精度の良い検知のためにベルトを懸架するローラと対向する位置、すなわちベルトのたわみが無い部分に配置したセンサを用いてテストする。各感光体ドラムで形成されたトナー像のパッチパターンを、中間転写ベルトもしくは用紙搬送ベルトに転写し、センサまでパッチパターンを搬送する。センサは光学的にパッチパターンを読み取り、色ずれなどを検出する。
その後、さらに下流であってベルトに対して複数の感光体ドラムの反対側に設けられたベルトクリーナにパッチパターンを回収させる(たとえば、特許文献1)。このように、従来ベルト上のトナーを回収する手段は、ベルトに対して感光体ドラムと反対側に配置されていた。
そして、一般的に、感光体ドラムから中間転写ベルトもしくは用紙にトナー像を転写するにあたって、完全に転写が行われず感光体ドラムに残ったままとなる残留トナーを回収するためのドラムクリーナが設けられている。
一方、ドラムクリーナを設けずに、ベルト上の残留トナーを回収するためのベルトクリーナに、感光体ドラム上の残留トナーを回収させる機構も知られている。
即ち、感光体ドラムに画像が形成されるとき(以降、画像形成時)に感光体ドラム上に残る残留トナーを一時的に保持する保持手段と、ベルト上の残留トナーを回収するベルトクリーナとを備え、保持手段に一時的に保持された残留トナーをベルト上に付与してベルトクリーナによって回収することが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2007−292789号広報 特開2000−29365号公報
上記のように、中間転写方式または直接転写方式のカラー電子写真プリンタにおいて、ベルトクリーナは中間転写ベルトもしくは搬送ベルトに対して4つの感光体ドラムと逆側に配置されてきたが、装置全体の小型化を考えた場合、ベルトクリーナはベルトに対して感光体と同じ側に配置することが考えられる。
しかしながら、この構成において中間転写方式または直接転写方式のカラー電子写真プリンタに対して前記した従来技術の残留トナーを回収する機構を適用した場合、以下のような問題が考えられる。
ベルトクリーナの配置を、ベルトに対して感光体ドラムと同じ側に設けるとすると、ベルトの移動方向において感光体ドラムの上流側に配置するか、下流側に配置するかの二通りの配置が考えられる。
感光体ドラムの上流側に設けることを考えると、保持手段に保持された残留トナーをベルト上に付与してベルトクリーナに回収させるのにベルトをほぼ一周分移動させなければならず、時間のロスとなる。
一方、感光体ドラムの下流側に設けることを考えると、ベルトクリーナはセンサの上流側に配置されることになる。そうすると、ベルトに打たれたパッチパターンはセンサによって検出された後、感光体ドラムを通過してベルトクリーナで回収されるので、感光体ドラムを汚してしまう恐れがある。したがって、パッチパターンを良好に回収することを考えると、ベルトクリーナを感光体ドラムの下流側に配置することは現実的ではない。これらは、中間転写方式においても直接転写方式にも共通する問題である。
以上の問題に鑑み、本発明では短時間で保持手段に保持されたトナーをベルトクリーナに回収可能で、かつ装置全体の小型化を実現した画像形成装置の提供を目的とする。
上記の問題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、並列配置された複数の感光体と、前記複数の感光体と対面して回転駆動される無端ベルトと、前記複数の感光体のうち少なくとも一つに接触して設けられ、該感光体の表面に付着した残留現像剤を保持する保持部材と、前記無端ベルトに対して前記複数の感光体と同じ側に配置され、前記無端ベルトに接触して前記無端ベルト上の残留現像剤を清掃するクリーニング部材と、前記保持部材にて保持された前記残留現像剤を、前記感光体を介して前記無端ベルト上に転写させ、前記クリーニング部材で回収させる回収手段と、前記無端ベルトの移動方向において、各前記感光体に画像が形成されている画像形成時には、前記クリーニング部材が前記複数の感光体の上流側となるように前記無端ベルトを駆動し、前記回収手段による前記残留現像剤の回収が実行される回収時には、前記クリーニング部材が複数の感光体の下流側となるように前記無端ベルトを駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の感光体と前記クリーニング部材とが一体的に引き出し可能に構成されたことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、各前記感光体に接触配置され、各前記感光体に現像剤を供給する複数の現像部材を備え、前記保持部材が接触配置されている前記感光体に対応する前記現像部材は、前記回収時には前記感光体から離間することを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3いずれかに記載の発明において、前記クリーニング部材は、回転駆動されるクリーニングローラであり、前記駆動手段は、前記回収時における前記クリーニングローラの回転方向を前記画像形成時における前記クリーニングローラの回転方向とは逆方向に駆動させることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4いずれかに記載の発明において、前記駆動手段は、前記回収時における前記感光体の回転方向を前記画像形成時における前記感光体の回転方向とは逆方向に駆動させることを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記画像形成時における前記感光体の回転方向において、前記保持部材と前記感光体の接触位置の下流側、かつ前記現像部材と前記感光体の接触位置よりも上流側に前記感光体に接触配置され、前記感光体を帯電する帯電部材を備えたことを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項1から6いずれかに記載の発明において、前記無端ベルトは、記録シートを各前記感光体に搬送する搬送ベルトであって、前記クリーニング部材は、前記記録シートが搬送されるときには前記搬送ベルトから離間し、前記回収時には前記搬送ベルトに接触するように移動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、クリーニング部材を前記無端ベルトに対して前記複数の感光体と同じ側に配置しているので画像形成装置を小型化することができる。また、画像形成時と回収時とでベルトの移動方向を変えるので、回収時における残留現像剤の無端ベルト上における移動距離が短くなり、残留現像剤の回収時間を短縮化することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明に加えて、複数の感光体とクリーニング部材とが一体的に引き出し可能に構成されているので、感光体およびクリーニング部材の取出しが容易である。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明に加えて、現像部材は感光体に接触して現像剤を供給するので、感光体に形成された静電潜像に忠実な画像形成が行える。また、現像部材が回収時に離間するので、残留現像剤が現像部材に付着することを防ぐことが可能である。
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3いずれかに記載の発明に加えて、回収時のクリーニングローラの回転方向を、画像形成時のクリーニングローラの回転方向とは逆方向に駆動することによって、クリーニングローラは無端ベルトの駆動の切替に対応して回転することが可能となるので、常に回収に最適な条件で回収動作を行うことができる。
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1から4いずれかに記載の発明に加えて、回収時の前記感光体の回転方向を画像形成時とは逆方向に駆動するので、無端ベルトと感光体は連れまわり回転することになる。したがって回収時においてベルトと感光体とが擦れ合って傷つくことも防止できる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の発明に加えて、帯電部材が感光体に接触配置されているので、感光体を容易に均一帯電することができる。また、回収時において感光体ドラムの駆動方向を画像形成時における感光体ドラムの駆動方向とは逆方向に駆動するため、残留現像剤が帯電部材まで搬送されず、感光体に付着した残留現像剤が帯電部材を通過して汚すことを防ぐことが可能である。
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1から6いずれかに記載の発明に加えて、画像形成時にクリーニング部材が離間するので、画像形成時においてクリーニング部材が記録シート搬送の邪魔にならない。
(実施例1)
[カラープリンタの構成]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の全体構成を示す断面図である。図2は、4つのプロセスカートリッジ35とクリーニングユニット37が引き出された状態を示した断面図である。図3は、プロセスカートリッジ35およびクリーニングユニット37の断面図である。
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1から図3において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって上下方向を「上下方向」、紙面に向かって奥側を「右方向」、紙面に向かって手前側を「左方向」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、ケーシング3内に、本発明の記録シートの一例としての記録のための用紙Pを供給する給紙部5と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部7と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部9とを備えている。
ケーシング3の上部にはアッパーカバー13が設けられている。またケーシング3の前部には、開閉自在なフロントカバー15が、下側に設けられたヒンジ(図示せず)を支点として前後に回動自在に設けられている。アッパーカバー13の上面は、ケーシング3から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ19となっている。
給紙部5は、ケーシング3内の下部に設けられ、ケーシング3に着脱自在に装着される給紙トレイ23と、この給紙トレイ23から用紙Pを画像形成部7へ搬送する用紙供給機構として給紙トレイ23の手前側に給紙ローラ25、分離ローラ27および分離パッド29を主に備えている。
このように構成される給紙部5では、給紙トレイ23内の用紙Pが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ31と分離ローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、後ろ向きに方向転換され、搬送ローラ33を通って画像形成部7に供給される。
画像形成部7は、露光ユニット21と、4つのプロセスカートリッジ35と、クリーニングユニット37と、転写ユニット39と、定着ユニット41とから主に構成されている。4つのプロセスカートリッジ35は、露光ユニット21と転写ユニット39との間に設けられている。4つのプロセスカートリッジ35及びクリーニングユニット37は、ケーシング3に対して着脱自在に構成された引き出し部材43に前後方向に並列配置されて搭載されている。引き出し部材43は、例えば、底のない枠状に形成されている。引き出し部材43は、フロントカバー15を開放することで、ケーシング3から引き出すことができるようになっている。(図2参照。)
露光ユニット21は、アッパーカバー13の下方に設けられ、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー45、レンズ(図示せず)、反射鏡47などを備えている。レーザ発光部から発光される画像データに基づく各色に対応したレーザビームは、ポリゴンミラー45、各色に対応した反射鏡47、各色に対応したレンズの順に反射あるいは通過して、各色に対応したプロセスカートリッジ35に備えられた本発明の感光体の一例としての感光体ドラム49の表面上に高速走査にて照射される。
定着ユニット41は、各プロセスカートリッジ35、転写ユニット39およびクリーニングユニット37の後側に配置され、加熱ローラ83と、加熱ローラ83と対向配置され加熱ローラ83を押圧する加圧ローラ81とを備えている。
図3に示すように、プロセスカートリッジ35は、感光体カートリッジ50と、感光体カートリッジ50に対して着脱自在に装着される現像カートリッジ51とを備えている。感光体カートリッジ50は、ドラムフレーム53と、ドラムフレーム53に回転可能に支持される感光体の一例としての感光体ドラム49と、帯電器55と、保持部材の一例としての保持ローラ57とを主に備えている。また、プロセスカートリッジ35は、引き出し部材43に対して着脱可能に構成されている(図1参照)。
ドラムフレーム53は、現像カートリッジ51が装着されることで、現像カートリッジ51との間に上部から感光体ドラム49を臨む露光穴が形成されるようになっている。この露光穴には、感光体ドラム49の上方の面に向かって、露光ユニット21からのレーザビームが入射される。保持ローラ57は、感光体ドラム49と摺接するようにドラムフレーム53に回転可能に設けられており、所定の電圧が印加されることによって、感光体ドラム49上に付着する転写後の残留トナーを一時的に回収している。
現像カートリッジ51は、現像フレーム54と、現像フレーム54に回転可能に支持される現像部材の一例としての現像ローラ56および供給ローラ58と、層厚規制ブレード59とを備え、トナーを収容するトナー収容室61を有している。
なお、上記の各現像カートリッジ51および各感光体カートリッジ50は、トナー収容室61に収容される現像剤の一例としてのトナーの色が相違するのみであり、構成は同一である。
図1に示すように、転写ユニット39は、給紙部5と各プロセスカートリッジ35との間に設けられている。転写ユニット39は、駆動ローラ65と、第1従動ローラ63と、第2従動ローラ67と、中間転写ベルト69と、4つの中間転写ローラ74と、2次転写ローラ71とを主に備えている。
駆動ローラ65および第1従動ローラ63は、前後方向に離間して平行に配置されている。駆動ローラ65は、画像形成時におけるトナーの搬送方向の上流側で回転する。また、第2従動ローラ67は、駆動ローラ65の斜め下方に配置されている。
駆動ローラ65、第1従動ローラ63および第2従動ローラ67の間には本発明の無端ベルトの一例としての中間転写ベルト69が張設されている。中間転写ベルト69は、その外側の面が各感光体ドラム49に対面して接している。また、中間転写ベルト69の内側には、各感光体ドラム49との間で中間転写ベルト69を挟持する中間転写ローラ74が、各感光体ドラム49に対向して計4つ配置されている。この中間転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
さらに、中間転写ベルト69の外側であって駆動ローラ65に対向する位置には、2次転写ローラ71が配置されている。用紙Pは、駆動ローラ65と2次転写ローラ71との間で中間転写ベルト69に接触する。2次転写ローラ71に転写バイアスが印加されることによって、中間転写ベルト69に担持されたトナー像が用紙Pに転写されるようになっている。
また、中間転写ベルト69のうち第一従動ローラ63に懸架された面に対向してフォトセンサ64が設けられている。フォトセンサ64は、中間転写ベルト69に対して赤外光などの光を照射させ、その反射光を読み取る光学式の読み取り手段である。フォトセンサ64は、色ずれ補正用に各色の感光体49から中間転写ベルト49に転写されたパッチに対して光を照射して各色のパッチを読み取る。
そして、図示しない制御装置は読み取られた各色のパッチの相互の色ずれ量から露光ユニット21による露光タイミング等を制御する。
クリーニングユニット37は、中間転写ベルト69上の残留トナーを回収する装置である。クリーニングユニット37は、中間転写ベルト69に対して、複数のプロセスカートリッジ35と同じ側に並列に配置され、4つのプロセスカートリッジの後方に配置されている。従って、クリーニングユニット37のクリーニングローラ73は、感光体ドラム49と同じ側に配置され、かつ後述する画像形成時における中間転写ベルト69の移動方向において4つの感光体ドラム49の上流側に配置されている。
図3に示すように、クリーニングユニット37は中間転写ベルト69に付着したトナーを回収するクリーニング部85と、回収したトナーを貯留する廃トナー収容室87と、クリーニング部85から廃トナー収容室87までトナーTを搬送する廃トナー搬送部89と、を備えている。クリーニングユニット37のうち後述するクリーニングローラ73を除いた部分は、引き出し部材43に対して着脱可能に構成されている。
なお、ここで回収されるトナーは、2次転写ローラ71による用紙Pへの転写の後に、中間転写ベルト69に残留したトナーである。また、紙詰まり(ジャム)の他、印刷の濃度、色調および色ずれをテストする、いわゆるパッチテストを行う場合に中間転写ベルト69に付着するトナーも回収する。以後、画像形成中に中間転写ベルト69に残留したトナーを清掃する動作を、クリーニング動作とする。
クリーニング部85は、本発明のクリーニング部材の一例としてのクリーニングローラ73と、回収ローラ91と、ブレード93と、を備えている。
クリーニングローラ73は、中間転写ベルト69に接触してトナーを取り除く部材であり、金属製のローラ軸を導電性の発泡材料からなるローラ体で被覆することにより構成されたシリコンやウレタンなどの発泡ローラである。クリーニングローラ73は、バックアップローラ75との間に中間転写ベルト69を挟むことにより、中間転写ベルト69を常に押圧している。クリーニングローラ73は、引き出し部材43の側壁に、回転可能に保持されている。また、中間転写ベルト69の内側には、クリーニングユニット37のクリーニングローラ73に対向するバックアップローラ75が配置されている。
回収ローラ91は、当該クリーニングローラ73に当接する金属等の硬質材料からなる、例えばメタルローラであり、クリーニングローラ73の後側斜め上方に回転可能に設けられている。ブレード93は、回収ローラ91に当接してトナーを掻き落とす部材であり、回収ローラ91の後側斜め上方に設けられている。
廃トナー搬送部89は左右方向に延設された6つの搬送路101と、これらの搬送路101の内部に回転自在に設けられた6つのオーガ113とを備えている。
搬送路101は、回収ローラ91に沿って開口する開口部を有しており、この開口部にブレード93が設置されている。ブレード93によって搬送路101内に掻き落とされた廃トナーは、オーガ113によって左側に搬送されるようになっている。
搬送路同士は連通している。また、オーガ113の左端には、オーガ113によって左端に集められたトナーを次の搬送路に送り込む羽根が設けられている。同様に、他のオーガにも左右いずれかの端部に羽根が設けられている。また、各オーガ113右側の端部には、各オーガを所定方向に回転させるためのギア(図示せず)が設けられている。
搬送路101を通じて、トナーは最後のオーガ113まで搬送され、廃トナー収容室87に送られる。
廃トナー収容室87は、回収したトナーを貯留する部屋である。廃トナー収容室87は、クリーニングユニット37の骨格を形成するフレーム137を所定形状に区切ることによって形成されている。
[カラープリンタのハード構成]
次に、カラープリンタ1のハード構成について、ブロック図を用いて説明する。図4はカラープリンタのハード構成を示すブロック図である。カラープリンタ1は、回収手段および駆動手段の一例としてのCPU139,ROM141,RAM143,保持ローラ57,感光体ドラム49、駆動ローラ65,クリーニングユニット37,保持ローラ57等を備え、それぞれがバスを通じて制御信号の入出力が可能に接続されている。
ROM141は、カラープリンタ1を動作させるための実行プログラムが記憶されており、CPU139はROM141から読み込んだプログラムにしたがって、画像形成のための制御信号を発し、その処理結果をRAM143に記憶させながら図示しない制御回路を介して各部の制御を実行する。
感光体ドラム49は、CPU139からの画像形成開始の命令により、図1における反時計回りに回転を始め、上述した画像形成を行う。
駆動ローラ65は、CPU139からの命令により図1における時計回りに回転する。その結果、駆動ローラ65に懸架された中間転写ベルト69を回転させることが可能となる。
現像カートリッジ51は、CPU139からの命令により上述した画像形成処理を行う。クリーニングユニット37は、CPU139からの命令によりクリーニングローラ73を回転させ、中間転写ベルト69に付着したトナーを回収するよう制御される。保持ローラ57は、CPU139からの命令により回転可能で、感光体ドラム49の残留トナーを回収するよう制御される。
[画像形成時の動作]
次に、画像形成時の動作について、図1、図3を参照して説明する。図1、図3に示すように、画像形成部7では、まず、各感光体ドラム49の表面が、帯電器55により一様にプラスに帯電(ここでは800V)された後、露光ユニット21から照射される各色に対応したレーザ光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって(ここでは150V)、各感光体ドラム49上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
また、トナー収容室61内のトナーが、供給ローラ58の回転により現像ローラ56に供給され、現像ローラ56の回転により現像ローラ56と層厚規制ブレード59との間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ56上に担持される。ここで、現像ローラ56上に担持されるトナーTは、供給ローラ58と現像ローラ56との間や、現像ローラ56と層厚規制ブレード59との間で、プラスに摩擦帯電される。
現像ローラ56上に担持されたトナーは、現像ローラ56が感光体ドラム49に対向して接触するときに、感光体ドラム49上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム49上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト69が、各感光体ドラム49と各中間転写ローラ73との間を通過することで、順次、各感光体ドラム49上に形成されたトナー像が中間転写ベルト69上に重畳転写され、カラー画像が形成される。中間転写ベルト69上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト69の回転に伴って、用紙Pとの接触地点である駆動ローラ65と2次転写ローラ71の間に到達する。尚、中間転写ベルト69は、感光体ドラム39と対向する面が後側から前側に移動するように回転している。
このとき、駆動ローラ65と2次転写ローラ71の間に用紙Pが搬送されることにより、中間転写ベルト69上に形成されたカラー画像が、用紙Pに転写される。
そして、用紙Pが加熱ローラ83と加圧ローラ81との間を通過すると、用紙P上に転写されたカラー画像が熱定着される。
排紙部9は、図1に示すように用紙Pの排紙側搬送経路と用紙Pの排出口に複数対の搬送ローラを備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラによって排紙側搬送経路を搬送され、ケーシング3の外部に排出されて排紙トレイ19に蓄積される。
なお、画像形成中に用紙Pに転写されず、中間転写ベルト69に残留したトナーは、クリーニング動作によって清掃される。
[残留トナーの回収動作]
次に、感光体ドラム49に画像が形成されている画像形成時における感光体ドラム49上に付着した残留トナーを保持ローラ57で一旦保持し、保持ローラ57から感光体ドラム49に吐出して最終的にクリーニングローラ73に回収させる回収動作について、図面を用いて説明する。以後、回収動作の工程のうち、保持ローラ57に保持された残留トナーを、感光体ドラム49に吐出してクリーニングローラ73に回収させる動作を行うときを、特に「回収時」とよぶ。図5は画像形成時および回収時における画像形成部7の動作のタイミングを示したタイミングチャートである。
画像形成時において、中間転写ベルト69は、駆動ローラ63の回転によって図1における時計回りに回転する。このとき、感光体ドラム49と現像カートリッジ51の現像ローラ56は感光体ドラム49の表面に画像を形成するために当接した状態であって、感光体ドラム49は図1の反時計回り、現像ローラ56は時計回りに回転している。また、クリーニングローラ73は時計回りに回転している。また、クリーニングローラ73は、4つの感光体ドラム49の上流側という位置関係にある。以後、画像形成時における回転方向を「正転」とする。
画像形成時において、各色の感光体ドラム49の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト69に転写する。このとき、感光体ドラム49から中間転写ベルト69に転写されず、感光体ドラム49にトナー像が残ってしまうことがある。この残留トナーは、回転する感光体ドラム49に付着したまま保持ローラ57に接触する。
保持ローラ57は、ここでは−300Vのバイアスをかけて感光体ドラム49上でプラスに帯電している残留トナーを保持ローラ57の表面に付着させる。画像形成時は感光体ドラム49および保持ローラ57は回転しているので、感光体ドラム49上の残留トナーは保持ローラ57まで運ばれて保持ローラ57の表面に移動する。従って、保持ローラ57を通過した感光体ドラム49の表面には残留トナーはほとんど残らない。
なお、この画像形成時において二次転写ローラ71にて用紙Pに転写されずに中間転写ベルト69に残留するトナーが生じる。このトナーを回収するため、クリーニングローラ73と中間転写ベルト69の間にバイアスを印加してクリーニング動作を行い、中間転写ベルト69上に残留するトナーを清掃する。
なお、上記の動作は通常の印刷時の他、中間転写ベルト69に色ずれ検知用のテストに用いるパッチを打つ場合に中間転写ベルト69に転写しきれず、感光体ドラム49の表面に残留したトナーを保持する動作を行う場合にも行ってもよい。
次に、回収動作のうち、画像形成時において保持ローラ57に保持された本発明の残留現像剤の一例としての残留トナーを、回収時においてクリーニングローラ73で回収する動作について説明する。図6は、回収時の画像形成部7の要部断面図である。
中間転写ベルト69に転写されたトナー像が二次転写ローラ71において用紙Pに転写された後、印刷動作が終了すると、クリーニングローラ73による残留トナー回収動作に移る。クリーニングローラ73による残留トナー回収動作は、CPU139の制御信号に基づいて行う。具体的には、カラープリンタが一枚分の印刷命令を受けて画像形成動作を行い、用紙Pに画像が形成された後に行う。連続印刷の場合は、全ての印刷が終了した後に行えばよい。また、画像形成中にジャムが生じた場合は、ジャム処理後にクリーニングローラ73による残留トナー回収動作を行っても良い。
クリーニングローラ73による残留トナー回収動作に入ると、4つの感光体ドラム49、中間転写ベルト69、クリーニングローラ73は、その回転方向を画像形成時の反対方向に切り替えられ、画像形成時の回転方向とは逆方向に回転する(図6の矢印方向)。このとき、現像ローラ56は回転を停止し、かつ感光体ドラム49から離間させて感光体ドラム49と摺らないようにする(図6参照)。また、クリーニングローラ73は4つの感光体ドラム49の下流側という位置関係になる。以後、回収時における回転方向を「逆転」とする。
上記のような動作を行うカラープリンタ1は、画像形成動作からクリーニングローラ73による残留トナー回収動作に移行する。まず、図6の各感光体ドラム49に対応して設けられた保持ローラ57にバイアスが印加(ここでは800V)され、画像形成時に保持ローラ57の表面に保持された残留トナーが感光体ドラム49に吐出される。吐出された残留トナーは、感光体ドラム49の回転によって中間転写ベルト69と対面する位置まで搬送される。
このとき、残留トナーを中間転写ベルト69に転写させるべく中間転写ベルト69にバイアスが印加される。各色の感光体ドラム49から転写された残留トナーは、中間転写ベルト69によってクリーニングローラ73に搬送される。クリーニングローラ73は、中間転写ベルト69に転写された残留トナーを回収し、クリーニングユニット37内に格納する。
したがって、各色の感光体ドラム49は、回収時において逆転するため、感光体ドラム49に吐出された残留トナーは画像形成時と同じ経路を戻って中間転写ベルト49に対面する。そのため、感光体ドラム49を正転させるときよりも短い移動距離で残留トナーを中間転写ベルト69まで運ぶことが可能となる。
また、この構成において回収時に中間転写ベルト69が逆転することで、クリーニングローラ73は中間転写ベルト69の移動する方向において4つの感光体ドラム49の下流に存在することになる。各色の感光体ドラム49から中間転写ベルト69に吐き出された残留トナーをクリーニングローラ73まで最短距離で搬送することが可能となる。仮に、回収時において中間転写ベルト69を正転させると、クリーニングローラ73は複数の感光体ドラム49の上流側になるので、中間転写ベルト69をほぼ一周させなければ全ての残留トナーを回収できない。
従って、回収時に中間転写ベルト69を逆転させることによって回収時間を短縮することが可能となる。さらに、このとき各色の感光体ドラム49も逆転しているので、感光体ドラム49と中間転写ベルト69との接触位置における移動方向が同一となり、両者が摺擦して表面を傷つけることもない。
また、回収時にクリーニングローラ73を逆転させることによって、クリーニングローラ73は中間転写ベルト69を摺擦するようにして回転することになる。したがって、クリーニングローラ73は、画像形成時でも回収時でも常に同じ条件にて中間転写ベルト69上の残留トナーをクリーニングおよび回収することができる。
以上のように、中間転写方式の画像形成装置において、画像形成時に保持ローラに保持した残留トナーを、回収時に中間転写ベルト69を介してクリーニングユニットに回収させる。このとき、回収時の中間転写ベルトの回転方向を画像形成時とは逆に切り替え、より短い経路で残留トナーをクリーニングユニットに運ぶことができる。
(実施例2)
[直接転写方式のレーザプリンタの構成および画像形成動作]
実施例1では、中間転写方式のカラープリンタにおいて画像形成時と回収時で中間転写ベルトを逆転するよう駆動することで、残留トナーの回収時間の短縮化を可能とした。本実施例では、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を、用紙Pに直接転写する直接転写方式のレーザプリンタ201に対して本発明を適用した場合について、図面を用いて説明する。
まず、レーザプリンタ201の構成について説明する。図7は、直接転写方式のレーザプリンタ201の要部断面図で、図8は画像形成時の画像形成部207の要部断面図である。ここでは定着ユニット241と露光ユニット221は図示していない。
図7に示すように、直接転写方式のレーザプリンタ201は、実施例1のカラープリンタ1と同様、ケーシング203内に、記録のための用紙Pを供給する給紙部205と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部207と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部209とを備えている。
図8に示すように、画像形成部207は、中間転写方式のカラープリンタ1と同様に、露光ユニット221と、4つのプロセスカートリッジ235と、クリーニングユニット237と、転写ユニット239と、定着ユニット241とから主に構成されている。また、プロセスカートリッジ235およびクリーニングユニット237は引き出しフレーム243に一体的に取り付けられ、図示しない前カバーをあけて引き出しフレーム243を前方に引き出すことでプロセスカートリッジ235とクリーニングユニット237を一体的に取り出すことができる。
転写ユニット239は、給紙部5と各プロセスカートリッジ235との間に設けられている。転写ユニット239は、駆動ローラ265と、従動ローラ263と、搬送ベルト250と、転写ローラ252とを主に備えている(図7参照)。
駆動ローラ265および従動ローラ263は、前後方向に離間して平行に配置されている。駆動ローラ265は、画像形成時におけるトナー像の搬送方向の下流側で時計回りに回転する。これによって、搬送ベルト250のうちトナーを転写する面を張った状態にすることができる。
駆動ローラ265および従動ローラ263の間には本発明の無端ベルトの一例としてのエンドレスベルトからなる搬送ベルト250が張設されている。搬送ベルト250は、その外側の面が各感光体ドラム249に対面して接している。また、搬送ベルト250の内側には、各感光体ドラム249との間で搬送ベルト250を挟持する転写ローラ252が、各感光体ドラム249に対向して計4つ配置されている。この転写ローラ252には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
なお、搬送ベルト250の内側には、クリーニングユニット237のクリーニングローラ273に対向するバックアップローラ275が配置されている。
クリーニングユニット237は搬送ベルト250に付着したトナーを除去する装置であり、複数のプロセスカートリッジ235の前方にこれらと並列に配置されている。クリーニングユニット237は、廃トナーボックス287、クリーニングローラ273、回収ローラ276、そしてブレード278、オーガ262などから構成される。
クリーニングローラ273は、搬送ベルト250に接触してトナーを取り除く部材であり、金属製のローラ軸を導電性の発泡材料からなるローラ体で被覆することにより構成されたシリコンやウレタンなどの発泡ローラである。クリーニングローラ273は、搬送ベルト250に対して4つの感光体ドラム249と同じ側で、4つの感光体ドラム249の前方において搬送ベルト250に対して離接可能に構成されている。言い換えると、この位置は搬送ベルト250が画像形成時に回転する状態において、4つの感光体ドラム249の上流側である。
回収ローラ276は、クリーニングローラ273に当接する金属等の硬質材料からなる、例えばメタルローラであり、クリーニングローラ273の前側斜め上方に回転可能に設けられている。ブレード278は、回収ローラ276に当接してトナーを掻き落とす部材であり、回収ローラ276の前側に設けられている。オーガ262は、ブレード278によって掻き落とされたトナーを廃トナーボックス287の上方に搬送する部材である。
廃トナーボックス287は、断面視で略平行四辺形状を呈し、その下端部にクリーニングローラ273を有する。
また、駆動ローラ265のうち搬送ベルト250が懸架された面に対向してフォトセンサ264が設けられている。フォトセンサ264は、搬送ベルト250に対して赤外光などの光を照射させ、その反射光を読み取る光学式の読み取り手段である。フォトセンサ264は、色ずれ補正用に各色の感光体ドラム249から搬送ベルト250に転写されたパッチに対して光を照射して各色のパッチを読み取る。
そして、図示しない制御装置は読み取られた各色のパッチの相互の色ずれ量から露光ユニット221による露光タイミング等を制御する。
なお、露光ユニット221や定着ユニット241など、上記以外の直接転写方式のレーザプリンタ201の構成およびハード構成に関しては、実施例1に記載した構成および図4とほぼ同様なので、ここでは割愛する。
次に、レーザプリンタ202の画像形成時の画像形成動作について説明する。図7に示すように、まず、各感光体ドラム249の表面が、帯電器255により一様にプラスに帯電された後、露光ユニット221から照射される各色に対応したレーザ光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム249上に画像データに基づく静電潜像が形成される。
また、トナーが現像ローラ256上に担持され、現像ローラ256上に担持されるトナーは、供給ローラ258と現像ローラ256との間や現像ローラ256と層厚規制ブレード259との間で、プラスに摩擦帯電される。
現像ローラ256上に担持されたトナーは、現像ローラ256が感光体ドラム249に対向して接触するときに、感光体ドラム249上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム249上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像が形成される。
そして、搬送ベルト250上に供給された用紙Pが各感光体ドラム249と搬送ベルト250の内側に配置される各転写ローラ252との間を通過することで、各感光体ドラム249上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。用紙Pが加熱ローラ281と加圧ローラ283との間を通過すると、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラによって排紙側搬送経路を搬送され、ケーシング203の外部に排出されて排紙トレイ219に蓄積される。
[直接転写方式のレーザプリンタにおける残留トナーの回収動作]
次に、上記のような構成のレーザプリンタ201について、感光体ドラム249に画像が形成されている画像形成時における感光体ドラム249に付着した残留トナーを保持ローラ257で一旦保持し、保持ローラ257から感光体ドラム249に吐出して最終的にクリーニングローラ273に回収させる回収動作を図面を用いて説明する。なお、本実施例における回収動作の工程のうち、保持ローラ257に保持された残留トナーを、感光体ドラム249に吐出してクリーニングローラ273に回収させる動作を行うときを、「回収時」とよぶ。図9は画像形成時および回収時における画像形成部207の動作のタイミングを示したタイミングチャートである。また、図10はクリーニングユニット237と搬送ベルト250の要部断面図である。
図9に示すように、画像形成時において搬送ベルト250は駆動ローラ265の回転によって時計回り方向に回転する。このとき、感光体ドラム249と現像ローラ256は感光体ドラム249の表面に画像を形成するために当接した状態であって、感光体ドラム249は反時計回り、現像ローラ256は時計回りに回転している(図8参照)。また、クリーニングローラ273は、4つの感光体ドラム249の上流側という位置関係にある。
また、図9に示すように、画像形成時は搬送ベルト250上に用紙Pが搬送されるため、用紙Pの搬送の妨げにならないようクリーニングユニット237のクリーニングローラ273を矢印方向に上昇させて搬送ベルト250から離間させ、かつ停止している。
クリーニングローラ273を離間させる機構としては、クリーニングローラ273に軸部に図示しない回動部材を設け、回動部材に連結された図示しないアクチュエータに作動信号を送信して、回動部材を矢印方向に回動させる。これにより、回動部材に連結した軸部を介して、クリーニングローラ273が搬送ベルト250から離間することが可能となる。もちろん、離間させる方法はその他の公知の技術にて達成可能である。
上記の動作を行う画像形成時において、感光体ドラム249の表面に形成されたトナー像を、給紙部205から搬送ベルト250と各色の感光体ドラム249の間に搬送された用紙Pに転写する(図7参照)。このとき、感光体ドラム249から用紙中に転写されず、感光体ドラム249にトナー像が残留トナーとして残ってしまうことがある。この残留トナーは、回転する感光体ドラム249に付着したまま保持ローラ257に接触する。
保持ローラ257は、ここでは−300Vのバイアスをかけて感光体ドラム249上でプラスに帯電している残留トナーを保持ローラ257の表面に付着させる。画像形成時は感光体ドラム249および保持ローラ257は回転しているので、感光体ドラム249上の残留トナーは保持ローラ257まで運ばれて保持ローラ257の表面に移動する。
以上の動作によって、画像形成時に各色の感光体ドラム249から用紙Pに転写しきれなかった残留トナーを保持ローラ257に保持することが可能となる。
次に、回収動作のうち感光体に画像が形成されている画像形成時に保持ローラ257に保持された残留トナーを回収する動作について図9、図10を用いて説明する。保持ローラ257に保持された残留トナーを回収する動作に移行するタイミングは、中間転写方式のカラープリンタ1において保持ローラ57に保持された残留トナーをクリーニングローラ73に回収する動作に移行するタイミングと同様である。
図9に示すように、クリーニングローラ273による残留トナー回収動作に入ると4つの感光体ドラム249、搬送ベルト250は、その回転方向を画像形成時の反対方向に切り替えられ、逆回転を行う。また、現像ローラ256は回転を停止し、かつ感光体ドラム249から離間する。このとき、クリーニングローラ273は4つの感光体ドラム249の下流側という位置関係になる。
さらに、離間していたクリーニングローラ273は、回収時において搬送ベルト250に圧接すべく回動する。搬送ベルト250に圧接したクリーニングローラ273は反時計回りに回転する(図10参照)。
上記のような動作を行うカラープリンタ202は、画像形成動作からクリーニングローラ273による残留トナー回収動作に移行する。まず、各感光体ドラム249に対応して設けられた保持ローラ257にバイアスが印加(ここでは800V)され、画像形成時に保持ローラ257の表面に保持された残留トナーが感光体ドラム249に吐出される。吐出された残留トナーは、搬送ベルト250と対面する位置まで搬送される。
このとき、残留トナーを搬送ベルト250に転写させるべく搬送ベルト250に対しバイアス(−2000V)が印加される。各色の感光体ドラム249から搬送ベルト250へ転写された残留トナーは、搬送ベルト250の移動に伴ってクリーニングローラ273に搬送される。
クリーニングローラ273は、バイアス(ここでは−1500V)が印加されることで搬送ベルト250に転写された残留トナーを回収し、クリーニングユニット237内に格納する。
以上のように各色の感光体ドラム249は、回収時において逆転するため、感光体ドラム249に吐出された残留トナーは画像形成時と同じ経路を戻って搬送ベルト250に対面する。したがって、感光体ドラム249を正転させるよりも短い移動距離で残留トナーを搬送ベルト250まで運ぶことが可能となる。
また、搬送ベルト250が逆転することによって、各色の感光体ドラム249から搬送ベルト250に吐き出された残留トナーをクリーニングローラ273まで最短距離で搬送することが可能となる。仮に、回収時において搬送ベルト250を正転させると、搬送ベルト250をほぼ一周させなければ全ての残留トナーを回収できない。
従って、回収時に搬送ベルト250を逆転させることによって残留トナーの回収時間を短縮することが可能となる。
さらに、回収時には各色の感光体ドラム249も逆転しているので、感光体ドラム249と搬送ベルト250との接触位置における移動方向が同一となり、両者が摺擦して表面を傷つけることもない。
以上に説明したように直接転写方式のレーザプリンタにおいて、画像形成時に保持ローラに保持した残留トナーを、回収時に搬送ベルトを介してクリーニングユニットに回収させる。このとき、回収時の搬送ベルトの回転方向を画像形成時とは逆に切り替え、より短い経路で残留トナーをクリーニングユニットに運ぶことができる。これによって、回収時間の短縮が可能となる。
[本発明の変形例]
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能である。図11(a)は、画像形成時におけるカラープリンタ1の感光体ドラム49の周辺の構成についての模式図である。また、図11(b)は、回収時におけるカラープリンタ1の感光体ドラム49の周辺の構成についての模式図である。なお、図11は図1における帯電器55にかわって帯電ローラ355が配置されたものであり、同一の部分については同じ符号を付して説明する。
図11(a)に示すように、画像形成時は感光体が矢印方向に回転する感光体ドラム49に当接して現像ローラ56、保持ローラ57、本発明の帯電部材の一例としての帯電ローラ355が設けられている。帯電ローラ355は帯電器としての役割を果たし、導電性ゴムローラで構成される。帯電ローラ355は画像形成時の感光体ドラム49の回転方向(矢印)において保持ローラ57の下流側、かつ現像ローラ56の上流側にて感光体に当接している。この帯電ローラ355を感光体ドラム49に押し当てながら回転してバイアスを印加し、感光体ドラム49を均一に帯電させる。
この構成において、中間転写ローラ74、保持ローラ57、帯電ローラ355は時計回りに回転する。回転する帯電ローラ355によって感光体ドラム49の表面が一様に帯電され、露光ユニット45によって静電潜像が形成される。現像ローラ56上に担持されたトナーは、現像ローラ56が感光体ドラム49に対向して接触するときに、感光体ドラム49上に形成された静電潜像に供給される。
この動作により、感光体ドラム49上でトナーが選択的に担持されて静電潜像が可視像化され、反転現像によりトナー像が形成される。その後、中間転写ベルト69にトナー像が転写され、二次転写ローラ71にて用紙Pにトナー像が転写される。このとき中間転写ベルト69に転写されずに感光体ドラム49に残った残留トナーは、保持ローラ57にて回収される。
図11(b)に示すように、回収時は感光体ドラム49の回転方向は画像形成時とは逆方向(矢印方向)である。また、中間転写ベルト69の回転方向も逆方向に切り替えられ、画像形成時に保持ローラ57に回収された残留トナーが感光体に吐き出され、回収動作が行われる。
このとき、感光体ドラム49が画像形成時とは逆に回転しているため、残留トナーは帯電ローラ355の方へ搬送されず、中間転写ローラ74の方へ向かって搬送される。そのため、残留トナーが帯電ローラ355に付着して帯電ローラ355を汚すことがない。しかも、転写ローラまでの搬送距離が短くて済む。上記のように、本発明は帯電部材として帯電ローラを用いた場合においても適用可能である。
なお、ここでは中間転写方式のカラープリンタに対して帯電ローラ355を適用したが、当然直接転写方式のレーザプリンタに適用することも可能である。
そのほかにも、変形例として保持ローラ57の代わりに表面がブラシ状に形成されたクリーニングブラシを回転させるようにしても良い。また、実施例1、実施例2では中間転写ベルト69および搬送ベルト250を張設する二つのローラのうち、片方を駆動ローラとし、もう片方を従動ローラとして説明したが、どちらのローラを駆動ローラとしてもよいし、画像形成時と回収時で駆動するローラを切り替えるようにしても良い。
特に、画像形成時と回収時でベルトの搬送方向の下流にて駆動ローラを駆動させるように切り替えることで、感光体と対面する側の面を張った状態にすることができる。したがって画像形成時においても回収時においても安定してトナーおよび用紙Pを搬送することができる。もちろん、回収時に現像ローラ56を離間させたりクリーニングローラ73を逆転させたりするなどの構成を加えても良い。
また、実施例中では4つの感光体ドラムに対応して保持ローラを設けたが、4つ全てに対応させる必要は無い。例えば、最も消費する機会が多いと考えられるブラックのトナーが現像される感光体ドラムに対して保持ローラを設け、ブラックの残留トナーのみを保持およびクリーニングローラで回収するようにしてもよいし、最も残留トナーが多く発生する感光体ドラムに対して保持ローラを設ける構成にしても良い。
また、本実施例では、クリーニング部材としてクリーニングローラを用いたが、中間転写ベルトもしくは搬送ベルトの移動方向がかわったときに対応できないもの(たとえば、クリーニングブレードなど)でなければよい。たとえば、ブラシローラなどのように、回転方向が切替可能なものを採用することで、ベルトの移動方向の切替に対応できるので、常に最適なクリーニング条件で残留トナーの回収が可能となる。
画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の全体構成を示す断面図である。 4つのプロセスカートリッジ35とクリーニングユニット37が引き出された状態を示した断面図である。 プロセスカートリッジ35およびクリーニングユニット37の断面図である。 カラープリンタのハード構成を示すブロック図である。 画像形成時および回収時における画像形成部7の動作のタイミングを示したタイミングチャートである。 クリーニングローラ73による残留トナー回収時の画像形成部7の要部断面図である。 直接転写方式のレーザプリンタ201の要部断面図である。 画像形成時の画像形成部207の要部断面図である。 画像形成時および回収時における画像形成部207の動作のタイミングを示したタイミングチャートである。 クリーニングユニット237と搬送ベルト250の要部断面図である。 (a)画像形成時における変形例のカラープリンタ1の感光体ドラム49の周辺の構成についての模式図である。
(b)回収時における変形例のカラープリンタ1の感光体ドラム49の周辺の構成についての模式図である。
符号の説明
1 カラープリンタ
7 画像形成部
35 プロセスカートリッジ
37 クリーニングユニット
39 転写ユニット
43 引き出し部材
49 感光体
51 現像カートリッジ
56 現像ローラ
57 保持ローラ
63 従動ローラ
65 駆動ローラ
69 中間転写ベルト
73 クリーニングローラ
139 CPU
250 搬送ベルト
243 引き出しフレーム
201 レーザプリンタ
355 帯電ローラ

Claims (7)

  1. 並列配置された複数の感光体と、
    前記複数の感光体と対面して回転駆動される無端ベルトと、
    前記複数の感光体のうち少なくとも一つに接触して設けられ、該感光体の表面に付着した残留現像剤を保持する保持部材と、
    前記無端ベルトに対して前記複数の感光体と同じ側に配置され、前記無端ベルトに接触して前記無端ベルト上の残留現像剤を清掃するクリーニング部材と、
    前記保持部材にて保持された前記残留現像剤を、前記感光体を介して前記無端ベルト上に転写させ、前記クリーニング部材で回収させる回収手段と、
    前記無端ベルトの移動方向において、各前記感光体に画像が形成されている画像形成時には、前記クリーニング部材が前記複数の感光体の上流側となるように前記無端ベルトを駆動し、前記回収手段による前記残留現像剤の回収が実行される回収時には、前記クリーニング部材が複数の感光体の下流側となるように前記無端ベルトを駆動する駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の感光体と前記クリーニング部材とが一体的に引き出し可能に構成された請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 各前記感光体に接触配置され、各前記感光体に現像剤を供給する複数の現像部材を備え、前記保持部材が接触配置されている前記感光体に対応する前記現像部材は、前記回収時には前記感光体から離間することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニング部材は、回転駆動されるクリーニングローラであり、
    前記駆動手段は、前記回収時における前記クリーニングローラの回転方向を前記画像形成時における前記クリーニングローラの回転方向とは逆方向に駆動させることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記駆動手段は、前記回収時における前記感光体の回転方向を前記画像形成時における前記感光体の回転方向とは逆方向に駆動させることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成時における前記感光体の回転方向において、前記保持部材と前記感光体の接触位置の下流側、かつ前記現像部材と前記感光体の接触位置よりも上流側に前記感光体に接触配置され、前記感光体を帯電する帯電部材を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記無端ベルトは、記録シートを各前記感光体に搬送する搬送ベルトであって、前記クリーニング部材は、前記記録シートが搬送されるときには前記搬送ベルトから離間し、前記回収時には前記搬送ベルトに接触するように移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の画像形成装置。
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