JP7086689B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

画像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7086689B2
JP7086689B2 JP2018078304A JP2018078304A JP7086689B2 JP 7086689 B2 JP7086689 B2 JP 7086689B2 JP 2018078304 A JP2018078304 A JP 2018078304A JP 2018078304 A JP2018078304 A JP 2018078304A JP 7086689 B2 JP7086689 B2 JP 7086689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shutter
image heating
opening
paper
heating device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018078304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019184940A (ja
JP2019184940A5 (ja
Inventor
拓也 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2018078304A priority Critical patent/JP7086689B2/ja
Priority to US16/384,576 priority patent/US10732568B2/en
Publication of JP2019184940A publication Critical patent/JP2019184940A/ja
Publication of JP2019184940A5 publication Critical patent/JP2019184940A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7086689B2 publication Critical patent/JP7086689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/20Humidity or temperature control also ozone evacuation; Internal apparatus environment control
    • G03G21/206Conducting air through the machine, e.g. for cooling, filtering, removing gases like ozone

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Atmospheric Sciences (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Ecology (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、画像加熱装置に関し、画像加熱装置は、例えば、電子写真方式等を用いた、複写機、プリンタ、FAX、及びそれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に搭載される、記録材上に形成されたトナー像を加熱定着する定着装置として用い得る。
例えば電子写真画像形成装置は、作像手段によりシート状の記録材(以下、用紙又は紙と記す)上に未定着トナー像を形成した後、定着手段により、該トナー像を固着像として定着させている。
定着手段には様々な方式が提案されているが、トナー像を加熱・加圧して定着させる熱圧定着方式の定着装置が一般に用いられている。この定着装置は、加熱手段で加熱される加熱回転体(定着ローラ、定着フィルムなど)と、これと圧接して定着ニップ部を形成する加圧回転体(加圧ローラ、加圧ベルトなど)を有している。そして、この両回転体を回転させ、定着ニップ部に未定着トナー像を担持させた用紙を導入して挟持搬送させることで、トナー像を加熱回転体の熱とニップ圧で用紙面に定着させる。
このような定着装置においては、装置に通紙可能な最大幅を有する最大サイズ用紙よりも幅が小さい小サイズ用紙を連続的に通紙して定着を実行させた場合に、加熱回転体の非通紙領域(用紙との非接触領域)において、表面温度が過度に上昇する。ここで、非通紙領域(非通紙部)とは、加熱回転体の長手方向に関し、小サイズ用紙を通紙させるときに用紙と接触しない加熱回転体の領域のことである。
これは、小サイズ用紙を連続的に通紙すると、定着ニップ部の用紙が通過しない非通紙域では、用紙による奪熱が無い分だけ、部分的に蓄熱されるためである。この現象は、定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、この端部昇温が高温になると、ホットオフセットの発生や装置構成部品の熱劣化につながる。
この非紙部昇温の対策の一つとして、非通紙部を冷却する冷却ファンを配置する機構が知られている。特許文献1では、定着ローラの長手方向の左右に冷却ファンの風を送風するダクトを設け、ダクトの開口部を開け閉めできるシャッタを配置する構成が開示されている。特許文献1では、このシャッタを用紙の幅サイズに応じた位置に移動させ、定着ローラの非通紙領域部分の温度を検知する素子によって検知した温度に応じて、冷却ファンで送風する。このように、シャッタの移動によって冷却範囲を調整することで、非通紙部昇温を抑制している。
また、特許文献1では、定着ローラの長手方向(用紙の通紙方向に直交する方向において一端部側と他端部側(左右)に冷却ファンによる送風を遮ることで定着ローラへの冷却範囲を調整するシャッタが配置されている。
特開2015-158600号公報
特許文献1のシャッタ構成は、シャッタのホームポジション(HP)出し用のセンサと、シャッタの位置制御用のセンサが別々のセンサ2つ構成である。そのため、このシャッタ構成は、シャッタの開閉動作の機能を得るために、2つのフォトセンサ分のコストがかかっていた。
即ち、特許文献1のシャッタ構成は、画像形成装置本体の電源のOFF/ON時にシャッタが基準位置(ホームポジション)となるシャッタが閉じている状態を検知するためのフォトセンサ(シャッタのHP出し用のセンサ)を有している。
また、特許文献1のシャッタ構成は、左右(一端部側と他端部側)の2枚のシャッタの一方のシャッタの折り曲げ縁部に、各種幅サイズの用紙に対応して決められた複数のエッジ部が設けてある。そのエッジ部を検出するためのフォトセンサ(シャッタの位置制御用のセンサ)がフレームに固定して設けてある。
使用する用紙の幅サイズ情報に対応したエッジ部がフォトセンサで検出されるようにシャッタモータを正回転または逆回転制御して、左右のシャッタを移動させる。そして、フォトセンサにより、使用される用紙の幅サイズ情報に対応したエッジ部が検出された時点でシャッタモータの駆動を停止させる。これにより、左右のシャッタは、使用される用紙の幅に対応した位置に移動される。
また、フォトセンサ1つでの制御方法として、ホームポジションを検知するためのフォトセンサのみを配置し、使用される用紙の幅サイズ情報に対応したシャッタモータの回転パルス数で制御する方法も知られている。即ち、シャッタのHP出し用のセンサのみ(センサ1つ)を設け、このセンサではシャッタの位置を見ずに、HPからのモータのパルス数のみでシャッタの位置を制御する構成である。
しかしながら、この制御方法においては、シャッタモータが突発的な負荷重によって脱調し、回転が停止してしまった場合、シャッタの開口位置が想定した位置ではない位置で止まってしまい、端部昇温の抑制ができない状態になることが懸念されている。
そこで、本発明の目的は、シャッタのHP出しと位置制御を1つのセンサで共に確実に行うことができ、しかもセンサ一つ分のコストを低減することである。
本発明に係る画像加熱装置は、記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、空気を送風する送風部と、前記送風部から前記画像加熱部材の長手方向端部に向けて送風される空気を導くと共に、開口部を有するダクトと、前記ダクトの開口部をスライドすることによって開閉し、前記開口部を開ける開位置と前記開口部を閉じる閉位置を有するシャッタと、前記シャッタと共に移動可能な複数の突出部であって、前記複数の突出部のそれぞれが移動方向に関して幅を有し、最も幅が小さい最小突出部を含む複数の突出部と、前記複数の突出部の少なくとも1つを検知する検知センサと、前記シャッタの動作を制御する制御部であって、前記検知センサによって前記最小突出部以外の前記突出部の何れか1つを検知することに基づいて、前記シャッタが前記開位置となる位置に前記シャッタを停止させ、前記検知センサによって前記最小突出部を検知することに基づいて、前記シャッタが前記閉位置となる位置に前記シャッタを停止させるように前記シャッタを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、スタンバイ動作中において、前記突出部を移動させ、前記検知センサが前記最小突出部を検知することに基づいて前記シャッタを前記閉位置に停止させるように制御することを特徴とする。
また、本発明に係る画像加熱装置は、記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、空気を送風する送風部と、前記送風部から前記画像加熱部材の長手方向端部に向けて送風される空気を導くと共に、開口部を有するダクトと、前記ダクトの開口部をスライドすることによって開閉し、前記開口部を開ける開位置と前記開口部を閉じる閉位置を有するシャッタと、前記シャッタと共に移動可能な複数の凹部であって、前記複数の凹部のそれぞれが移動方向に関して幅を有し、最も幅が小さい最小凹部を含む複数の凹部と、前記複数の凹部の少なくとも1つを検知する検知センサと、前記シャッタの動作を制御する制御部であって、前記検知センサによって前記最小凹部以外の前記凹部の何れか1つを検知することに基づいて、前記シャッタが前記開位置となる位置に前記シャッタを停止させ、前記検知センサによって前記最小凹部を検知することに基づいて、前記シャッタが前記閉位置となる位置に前記シャッタを停止させるように前記シャッタを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、スタンバイ動作中において、前記凹部を移動させ、前記検知センサが前記最小凹部を検知することに基づいて前記シャッタを前記閉位置に停止させるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、シャッタのホームポジション出しと位置制御を1つのセンサで共に確実に行うことができ、しかもセンサ一つ分のコストを低減するができる。
実施例1の送風冷却機構におけるシャッタ位置検知手段の説明図 画像形成装置の一例の概略構成を示す模式的断面図 定着装置の要部の横断右側面模式図 (a)は同装置の要部の縦断背面模式図(送風冷却機構部におけるシャッタ機構のシャッタ全閉時)、(b)はシャッタ全閉時のシャッタ機構の平面模式図 (a)は同装置の要部の縦断背面模式図(送風冷却機構部におけるシャッタ機構のシャッタ全開時)、(b)はシャッタ全開時のシャッタ機構の平面模式図 定着アセンブリの分解斜視模式図 送風冷却機構部の分解斜視模式図 制御系統のブロック図 フォトセンサが出力するON信号とOFF信号の切り替わる時間を示す図 実施例1におけるシャッタの開閉動作フローチャート 実施例2の送風冷却機構におけるシャッタ位置検知手段の説明図 フォトセンサが出力するON信号とOFF信号の切り替わる時間を示す図 実施例2におけるシャッタの開閉動作フローチャート (a)は実施例3における定着装置の要部の縦断背面模式図(送風冷却機構部におけるシャッタ機構のシャッタ全閉時)、(b)はシャッタ全閉時のシャッタ機構の平面模式図 実施例3の送風冷却機構におけるシャッタ位置検知手段の説明図 実施例3におけるシャッタの開閉動作フローチャート 実施例3におけるシャッタの開閉動作フローチャート シャッタの復帰動作フローチャート 比較例1の説明図 比較例3の説明図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
《実施例1》
<画像形成装置>
図2は本発明に係る画像加熱装置を定着装置6として搭載している、電子写真技術を用いた画像形成装置Aの一例の概略構成を示す模式的断面図である。本実施例では画像形成装置Aはパソコン等の外部ホスト装置200から制御回路部(CPU)100に入力した画像形成ジョブ(プリントジョブ)に対応した画像形成動作を実行してトナー像を形成した記録材をプリントアウトするモノクロプリンタである。
記録材Pは、画像形成装置Aによってトナー像が形成され得るシート状の記録媒体(メディア)である。例えば、定型あるいは不定型の普通紙、薄紙、厚紙、上質紙、コート紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、印刷用紙、フォーマット紙等が挙げられる。便宜上、記録材Pの扱いを、通紙、給紙、排紙、通紙部、非通紙部など紙に纏わる用語を用いて説明するが記録材は紙に限定されるものではない。以下、記録材Pを用紙又は紙と記す。
画像形成装置Aにおいて、用紙Pにトナー像を形成する画像形成部A1は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)1を有する。ドラム1は矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。また、画像形成部A1はドラム1の周囲にドラム回転方向に沿ってドラム1に作用するプロセス機器としての、帯電ローラ1a、レーザスキャナ1b、現像装置1c、転写ローラ1d、クリーニング装置1eを有する。以上の画像形成部A1の電子写真プロセスや作像動作は周知であるからその説明は省略する。
用紙カセット2に収納されている用紙Pが給送ローラ3の回転によって所定の制御タイミングにて1枚分離給送される。その用紙Pが、搬送路a、レジストローラ対4、搬送路bの経路を通ってドラム1と転写ローラ1dの当接部である転写部(転写ニップ部)5に所定の制御タイミングにて導入される。用紙Pは転写部5にて挟持搬送される過程でドラム1の表面に形成されているトナー像の転写を順次に受ける。
転写部5を出た用紙Pはドラム1の面から分離されて搬送路cを通って定着装置(加熱定着装置:画像加熱装置)6に導入されて用紙上(記録材上)のトナー像(画像)の熱圧定着処理を受ける。定着装置6を出た用紙Pは搬送路dを通って画像形成物(成果物)として排出トレイ7に排出される。Paは用紙搬送方向である。
<定着装置>
ここで、定着装置6について、正面(前面)とは用紙Pの導入口側の面、背面(後面)とはその反対側の面、左右とは定着装置6を正面から見て左(L)又は右(R)である。長手方向とは回転体の軸線方向又は母線方向、短手方向とは長手方向に直交する方向である。上下とは重力方向において上又は下である。定着装置6の構成部材についても同様である。
また、上流側と下流側は用紙搬送方向Paにおいて上流側と下流側である。一端側と他端側は長手方向において一端側と他端側であり、本実施例においては、左側を一端側(非駆動側、手前側)とし、右側を他端側(駆動側(駆動力を受ける側)、奥側)としている。用紙Pの幅とは用紙面における用紙搬送方向Paに直交する方向の用紙寸法である。
図3は定着装置6の要部の横断右側面模式図である。図4(a)は同装置6の要部の縦断背面模式図であり、送風冷却機構部30におけるシャッタ機構34のシャッタ全閉時を示している。同図(b)はシャッタ全閉時のシャッタ機構34の平面模式図である。図5(a)は同装置6の要部の縦断背面模式図であり、送風冷却機構部30におけるシャッタ機構34のシャッタ全開時を示している。同図(b)はシャッタ全開時のシャッタ機構34の平面模式図である。
この定着装置6はフィルム(ベルト)加熱方式の画像加熱装置である。この定着装置6は、大別して、定着フィルム(定着ベルト)13を備えた定着アセンブリ(定着部材)10と、弾性を有する加圧ローラ(定着部材)20と、これらを収容した装置フレーム(装置筐体)25と、送風冷却機構30と、を有する。以下、定着アセンブリ10を単にアセンブリ10と記す。一対の回転体としての定着フィルム13(加熱回転体:第1の回転体)と加圧ローラ20(加圧回転体:第2の回転体)との協働によりニップ部(定着ニップ部)Nが形成される。
ニップ部Nは未定着トナー像Tを担持している用紙Pを挟持搬送してトナー像Tを熱と圧力で定着する部分である。ニップ部Nにおいて定着フィルム13が用紙Pの未定着トナー像Tを担持している面に対して接触する。
ここで、本実施例において、定着装置6に対する用紙Pの搬送はいわゆる中央基準搬送でなされる。中央基準搬送とは、幅サイズの異なる用紙を搬送する際に、各用紙の幅方向(記録材の搬送方向と直交する方向)の用紙の中心(記録材の幅方向の中心)が略一致するように搬送する方法のことである。図4(a)、図5(a)において、Oはその基準線(中央基準線:仮想線)である。
WPmaxは装置に使用可能な最大幅(例えば、330mm幅)の用紙の通紙領域幅(通過領域幅)である。WPminは装置に使用可能な最小幅(例えば、100mm幅)の用紙の通紙領域幅である。最大幅用紙よりも幅狭の用紙を中央基準で搬送する場合、その幅狭用紙の幅方向において両外側(一端側と他端側の両方)に、最大幅用紙の幅との差に対応する非通紙部がニップ部Nに存在する。
[アセンブリ]
アセンブリ10は、円筒状(無端状:エンドレスベルト状)の定着フィルム13、ヒータ11、ヒータ11を保持する断熱ホルダ12、加圧ステイ(金属ステイ)14、定着フランジ15(L・R)などによる組立体である。図6はこのアセンブリ10の分解斜視模式図であり、加圧ローラ20も一緒に描いてある。
(1)定着フィルム
加熱回転体としての定着フィルム(定着ベルト、可撓性スリーブ:以下、フィルムと記す)13は、可撓性・耐熱性を有する薄肉無端状の伝熱部材であり、自由状態においては自身の弾性によりほぼ円筒状を呈する。
フィルム13は、クイックスタートを可能にするために、総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。ポリイミド・ポリアミドイミド・PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS(ステインレス鋼)・Al・Ni・Cu・Zn等の純金属、あるいは合金を基層として形成されている。
樹脂製の基層の場合は熱伝導性を向上させるために、BN・アルミナ・Al等の高熱伝導性粉末を混入してあってもよい。また、長寿命の定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルム13として、総厚100μm以上の厚みが必要である。よって、フィルム13の総厚としては100μm以上200μm以下が最適である。
さらに、オフセット防止や用紙の分離性の確保のために表層にはPTFE・PFA・FEP・ETFE・CTFE・PVDF等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂が混合ないし単独で被覆され離型性層(離型層)が形成される。本実施例では、表層は、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成している。
ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAはテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPはテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体である。また、ETFEはエチレンテトラフルオロエチレン共重合体であり、CTFEはポリクロロトリフルオロエチレンであり、PVDFはポリビニリデンフルオライドである。
被覆の方法としては、フィルム13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂をフィルム13の表面に被せる方式であってもよい。又は、フィルム13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であってもよい。
(2)ヒータ
ヒータ11は通電により有効発熱領域幅の全長部が急峻に昇温する低熱容量の細長の板状発熱体であり、本実施例ではセラミックヒータである。このヒータ11は、細長薄板状の熱伝導が良好なAlN(窒化アルミニウム)などの基板上(セラミック基板)にAg・Pdなどの導電ペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱体(抵抗発熱体、通電発熱抵抗層)を形成する。
そして、発熱体の上に摺動絶縁部材として50~60μm程度の厚さのガラスコーティング層が一体となって設けられたセラミックヒータを構成する。本実施例においてはガラスコーティング層側がヒータ表面側であり、フィルム内面に接する。
発熱体は基板の長手に沿って装置に使用可能な最大幅サイズの用紙の幅に対応する長さもしくはそれよりも所定に長い長さにて形成されている。この発熱体の長さ範囲がヒータ11の有効発熱領域幅である。ヒータ11において、基板を挟んで発熱体が設けられている側と反対側の基板上(ヒータ背面側)には、温度検知素子としてのチップ状のサーミスタ(第1のサーミスタ)18が設けられている。このサーミスタ18はバネ等の加圧手段(不図示)により基板(ヒータ背面)に対して所定の圧力で固定されている。
(3)断熱ホルダ
断熱ホルダ(ヒータ保持部材:以下、ホルダと記す)12は、フィルム13の長手方向(幅方向)に沿って長い部材であり、液晶ポリマー・フェノール樹脂・PPS・PEEK等の耐熱性樹脂により形成さる。熱伝導率が低いほどヒータ11の熱を奪熱する事がなく、効率的にフィルム13に熱を伝えることができるので、樹脂層中にガラスバルーンやシリカバルーン等のフィラーを内包してあってもよい。ヒータ11はホルダ12の下面にホルダ長手に沿って形成されている溝部12a(図6)に表面側を外向きにして嵌め込まれて保持されている。また、ホルダ12はフィルム13の回転を案内する役目も持つ。
(4)加圧ステイ
加圧ステイ(以下、ステイと記す)14は、フィルム13の長手方向に沿って長く、加圧ローラ20からの反力を受ける剛性部材であり、高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましい。本実施例においては金属ステイであり、横断面U字形のSUS304の型材を用いている。ステイ14は、ホルダ12の上面側に配設されてホルダ12と接触し、アセンブリ10全体の撓みや捩れを抑制する。
(5)定着フランジ
フィルム13は、上記のヒータ11、ホルダ12、ステイ14の組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。ステイ14の両端部14a(図6)はそれぞれフィルム13の両端部の開口部から外方に突出している。そのステイ14の両端部14aに対してそれぞれ一端側と他端側の定着フランジ(以下、フランジと記す)15L・15Rが嵌着されている。フィルム13はその嵌着されたフランジ15L・15Rの対向する端部規制面(鍔座部)15a間に位置している。
フランジ15L・15Rはアセンブリ10におけるフィルム13の長手方向への移動および周方向の形状を規制する規制部材であり、PPS・液晶ポリマー・フェノール樹脂等の耐熱樹脂のモールド形成品である。フランジ15L・15Rは、それぞれ、端部規制面15a、内周規制面15b、被押圧部(加圧受部)15cを有する。
[加圧ローラ]
加圧ローラ20は、SUS・SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)・Al等の金属製芯金21の外側に、弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層等の弾性層22からなる弾性ローラである。
ここで、弾性ソリッドゴム層は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成したものである。また、弾性スポンジゴム層は、より断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成したものである。また、弾性気泡ゴム層は、シリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めたものである。この上にパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の離型性層を形成してあってもよい。
加圧ローラ20は装置フレーム(以下、フレームと記す)25の一端側と他端側の側板25L・25Rの間において、芯金21の一端側と他端側がそれぞれ軸受を介して回転可能に支持されている。
アセンブリ10は側板25L・25Rとの間において、加圧ローラ20の上側にヒータ11の側を加圧ローラ20に対向させて加圧ローラ20に平行に配列されている。アセンブリ10におけるフランジ15L・Rはそれぞれの被押圧部15cが側板25L・25Rに対称に形成された上下方向のガイド穴(不図示)に対して加圧ローラ20の方向へスライド移動可能に係合されている。
[加圧機構]
一端側と他端側フランジ15L・15Rは、それぞれ、被押圧部15cにおいて一端側と他端側の加圧機構26L・26Rの加圧アーム26aにより加圧ローラ20に向かう方向へ所定の加圧力を受ける。なお、図3には他端側の加圧機構26Rが示されている。一端側の加圧機構26Lは不図示である。図4(a)、図5(a)においては一端側と他端側の両加圧機構26L・26Rを省略あいている。
この一端側と他端側の加圧機構26L・26Rの加圧力により、アセンブリ10のフランジ15L・15R、ステイ14、ホルダ12、ヒータ11の全体が加圧ローラ20の方向に加圧される。そのため、ヒータ11とホルダ12の一部とがフィルム13を介して加圧ローラ20に対して弾性層22の弾性に抗して所定の加圧力で押圧される。これによりフィルム13と加圧ローラ20との間に用紙搬送方向Paに関して所定幅のニップ部Nが形成される。
一端側と他端側の加圧機構26L・26Rは、それぞれ、装置フレーム25の一端側と他端側の側板25L・25Rの外側に配設されている。この両加圧機構26L・26Rは鏡面対称構成の同一機構である。加圧機構26L・26Rはそれぞれ加圧レバー(以下、レバーと記す)26aと加圧ばね(以下、ばねと記す)26bを有する。レバー26aは基部側が側板25L・25Rに対して軸部26cを中心に揺動可能に取り付けられている。レバー26aは軸部26cからフランジ15L・15Rの被押圧部15cの上側を経由して軸部26c側とは反対側に延びている。
ばね26bはレバー26aをフランジ15L・15Rの被押圧部15cに当接させて加圧する方向に軸部26cを中心に回動付勢する弾性部材である。本実施例においては、ばね26bはレバー26aの自由端部26dと側板25L・25Rに植設されたピン軸26eとの間に張設されている。従って、レバー26aはばね26bの引っ張り力によりフランジ15L・15Rの被押圧部15cに対して当接して所定の加圧力を与える。
レバー26aは側板25L・25Rに対して回動自在に支持されているのでばね26bの引っ張り力によって軸部26cまわりに回動モーメントが発生して、フランジ15L・15Rが加圧ローラ20方向へ所定の加圧力で押圧される。
[定着動作]
加圧ローラ20の芯金21の他端側(駆動側)には同心一体に駆動ギア27が配設されている。このギア27に対して、制御回路部(制御部)100(図8)により制御される定着モータ駆動回路111にて駆動される定着モータ(駆動源)MMの駆動力が駆動伝達機構(不図示)を介して伝達される。これにより、加圧ローラ20が駆動回転体として図3において矢印R20の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
加圧ローラ20が回転駆動されることで、ニップ部Nにおいてフィルム13に加圧ローラ20との摩擦力で回転トルクが作用する。加圧ローラ20は、フィルム13を回転させる駆動回転体として機能する。フィルム13は、加圧ローラ20に従動回転する。これにより、フィルム13はその内面がニップ部Nにおいてヒータ11とホルダ12の一部に密着して摺動(摺接)しながら、ヒータ11・ホルダ12・ステイ14の組み立て体の外回りを図3において矢印R13の時計方向に従動回転する。フィルム13の回転周速度は加圧ローラ20の回転周速度とほぼ対応している。
フランジ15L・15Rの端部規制面15aは回転するフィルム13の端面(コバ面)13a(図6)と接触することでフィルム13の長手方向(スラスト方向)への移動を規制する。内周規制面15bはフィルム13の端部の内周面を内側から支持するガイド面であり、フランジ15L・15Rの内面側に円弧状の凸縁部として配設されている。フィルム13とヒータ11との間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑材を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑え、滑らかにフィルム13が回転可能(移動可能)となる。
また、制御回路部100はヒータ駆動回路112を制御してヒータ11に対する通電を開始する。ヒータ駆動回路112からヒータ11への給電経路は図には省略したけれども、ヒータ駆動回路112とヒータ11とを電気的に接続させた配線とコネクタ28(図4(a)、図5(a))を介してなされる。この通電によりヒータ11はその有効発熱領域の全長域が急峻に昇温する。
このヒータ11の温度がヒータ11の背面に配設されている第1のサーミスタ18により検知され、その検知温度情報がA/D変換器300を介して制御回路部100に入力する。また、ヒータ11で加熱されながら回転しているフィルム13の内面の温度が第2、第3、第4のサーミスタ19a・19b・19c(図3・図6)で検知され、それらの検知温度情報がそれぞれA/D変換器300を介して制御回路部100に入力する。
制御回路部100は第1~第4のサーミスタ18・19a・19b・19cから入力する検知温度情報(出力)に応じてヒータ駆動回路112からヒータ11の発熱体に印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し適切に制御する。これにより、ニップ部Nにおける温度が所定の定着設定温度に立ち上げられて温調される。
上記の定着装置状態において、画像形成部A1から未定着トナー像Tが形成された用紙Pが装置フレーム25の正面側の導入口から定着装置内に導入され、ニップ部Nで挟持搬送される。用紙Pはニップ部Nを挟持搬送される過程でヒータ11の熱がフィルム13を介して付与される。未定着トナー像Tはヒータ11の熱によって溶融され、ニップ部Nにかかっている圧力によって用紙Pに対して固着像として熱圧定着される。そして、ニップ部Nを出た用紙Pは装置フレーム25の背面側の排出口から定着装置外に排出される。
なお、装置フレーム25の内部には、導入口からニップ部Nへ至る間に用紙ガイド部材、用紙センサ等が配設されており、ニップ部Nから排出口へ至る間に用紙ガイド部材、排紙ローラ対、用紙センサ等が配設されているが、図には省略した。
第1のサーミスタ18は中央基準線Oにほぼ対応するヒータ背面位置にヒータ背面に接触させて配設させてある。第2のサーミスタ19aはフィルム13のニップ部Nよりもフィルム回転方向下流側の内面であって、中央基準線Oにほぼ対応する位置のフィルム内面に接してフィルム温度を検知する。第3と第4のサーミスタ19b・19cは、それぞれ、フィルム13のニップ部Nよりもフィルム回転方向下流側の内面であって、通紙領域幅WPmaxの一端側と他端側の端部の内側に対応する位置のフィルム内面に接してフィルム温度を検知する。
即ち、第2のサーミスタ19aは装置に使用可能な大小各種幅サイズのどの用紙も通紙部となる通紙領域幅WPmin内に対応するフィルム部分の温度を検知する。第3と第4のサーミスタ19b・19cはそれぞれ最大幅の用紙よりも幅狭の用紙を通紙したときの非通紙部に対応するフィルム部分の温度を検知するサブサーミスタである。
第2~第4のサーミスタ19a・19b・19cはそれぞれ細長いばね部材19d(図6)の先端部に支持されている。ばね部材19dの基部はそれぞれホルダ12に固定されている。即ち、第2~第4のサーミスタ19a・19b・19cはそれぞれフィルム13の内面に弾性的に接触して摺動するようにばね部材19dにより支持されている。そして、第2~第4のサーミスタ19a・19b・19cは自然状態においてフィルム13の取り付け時の投影形状外側に先端がばね性を持って突出するように取り付けられている。
さらに、金属製のステイ14にはフィルム13のアースをとる目的で、第2のサーミスタ19aの近傍においてフィルム13の内面に接触するアース部材19e(図6)が設けられる。アース部材19eは細長いばね部材であり、基部がステイ14に電気的に導通しており、先端部がフィルム13の内面に弾性的に接触して摺動する。このアース部材19eも第2~第4のサーミスタ19a・19b・19cと同様に自然状態においてフィルム13の取り付け時の投影形状外側に先端がばね性を持って突出するように取り付けられている。
[送風冷却機構]
送風冷却機構30を説明する。送風冷却機構30は、装置に使用可能な最大幅の用紙よりも小さい幅(幅狭)の用紙を連続通紙した際に生じる、アセンブリ10の非通紙部昇温を送風により冷却する冷却手段である。図7はこの送風冷却機構部30の分解斜視図である。図4および図5は送風冷却機構30におけるシャッタ機構34の動作説明図である。
送風冷却機構部30は、アセンブリ10におけるフィルム13の一端側の部分(左端部側の部分)に対向して送風口31Lが形成された左側ダクト32Lと、このダクト32Lに冷却風を送風する左側冷却ファン33L(空気を送り込むファン)を有する。また、フィルム13の他端側の部分(右端部側の部分)に対向して送風口31Rが形成された右側ダクト32Rと、このダクト32Rに冷却風を送風する右側冷却ファン33Rを有する。また、左側ダクト32Lの送風口31Lと右側ダクト32Rの送風口31Rの開口幅を調節する開口幅調節機構としてのシャッタ機構34を有する。
シャッタ機構34は、シャッタフレーム35、このフレーム35の一端側の部分(左端部側の部分)と他端側の部分(右端部側の部分)とにそれぞれ具備させた左右の窓穴36L・36R、左右一対の可動シャッタ(シャッタ部材)37L・37Rを有する。また、シャッタ機構34は、シャッタモータ(パルスモータ)M、シャッタ位置の検知手段を構成する1つのフォトセンサ40を有する。
左右の窓穴36L・36Rの形状・大きさは、それぞれ、左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rの形状・大きさに対応させてある。そして、左右のダクト32L・32Rは、それぞれ、送風口31L・31Rをシャッタフレーム35の左右の窓穴36L・36Rに対応合致させて、シャッタフレーム35に固定して配設してある。
左右一対の可動シャッタ37L・37Rは、シャッタフレーム35のダクト32L・32Rを固定して配設した側とは反対側の面(シャッタフレーム35の裏面側)に配設してある。左側のシャッタ37Lは左側の窓穴36L、すなわち、左側ダクト32Lの送風口31Lの開口幅を調節するように移動する。右側のシャッタ37Rは右側の窓穴36R、すなわち、右側ダクト32Rの送風口31Rの開口幅を調節するように移動する。
左右のシャッタ37L・37Rはラック-ピニオン機構41(シャッタを移動させる移動機構:図4(b)、図5(b))により連結されている。41aはピニオン、41bL・41bRはラックである。制御回路部100により制御されるシャッタモータ駆動回路400にて駆動されるシャッタモータMによりピニオン41aが正逆回転駆動される。これにより、左右のシャッタ37L・37Rが連動して左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rの開口幅を同じように調節するように移動する。
本実施例においては、シャッタモータMが所定の駆動速度で正回転駆動されることで左右のシャッタ37L・37Rが連動して所定の速度で開く方向に移動する。また、シャッタモータMが所定の駆動速度で逆回転駆動されることで左右のシャッタ37L・37Rが連動して所定の速度で閉じる方向に移動する。
ラック-ピニオン機構41は、シャッタ37(L・R)を、送風口31(L・R)を閉じるための閉じ位置と、送風口31(L・R)の開口幅を装置に導入される用紙の幅方向長さに応じた所定の幅にするための開き位置と、を取り得るように移動させる。
図4(a)と図5(a)においては、煩雑を避けるために、送風冷却機構部30は、左右側の各ダクト32L・32R、冷却ファン33L・33R、シャッタ37L・37Rだけを示した。左右のシャッタ37L・37Rは、装置に通紙される用紙の幅に対応した位置に移動するように制御される。これにより、左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rが、通紙される用紙幅に最適な開口幅に調整されて、フィルム13の非通紙部昇温する範囲に対して送風冷却がなされる。
上記のように、本実施例における定着装置6は、用紙Pの搬送が中央基準搬送である。そのため、送風口41は中央基準搬送の基準線Oに対して対称的に2つ配置されている。そして、各送風口41L・41Rに対してそれぞれシャッタ37L・37Rが配設されている。
(1)シャッタ開閉動作
シャッタ開閉動作に関して説明する。左右のシャッタ37L・37Rの一方のシャッタ37Rの長手方向の折り曲げ縁部38には、各種幅サイズの用紙に対応して決められた複数のセンサフラグ39が折り曲げ縁部38の長手(フィルムの幅方向)に沿って設けてある。また、そのセンサフラグ39のエッジ部を検出するフォトセンサ40が定置部材であるシャッタフレーム35に固定して配置されている。フォトセンサ40はシャッタ37Rと共に移動する複数のセンサフラグ39が移動に伴うセンサ光路の遮光と光透とによりON信号とOFF信号を出力する。
本実施例においては、フォトセンサ40のON信号はフォトセンサ40のセンサ光路がセンサフラグ39によって遮られていない状態時(透光状態)の出力信号である。OFF信号はフォトセンサ40のセンサ光路がセンサフラグ39によって遮られている状態時(遮光状態)の出力信号である。このON信号とOFF信号はフォトセンサ40のセンサフラグ39のエッジ部検知情報である。このエッジ部検知情報がA/Dコンバータ300を介して制御回路部100に入力される。なお、以下において、ON信号をON、OFF信号をOFFと記すこともある。
制御回路部100は外部ホスト装置200等から入力した、通紙使用される用紙の幅サイズ情報に対応したセンサフラグ39のエッジ部がフォトセンサ40で検出されるようにシャッタモータMを正回転または逆回転制御する。これにより、左右のシャッタ37L・37Rを開閉移動させる。
そして、フォトセンサ40により、通紙使用される用紙の幅サイズ情報に対応したセンサフラグ39のエッジ部が検出された時点で、その時間を起点として数msec間だけシャッタモータMを駆動し、停止させる。これにより、左右のシャッタ37L・37Rは、通紙使用される用紙の幅に対応した位置に移動される。
通紙使用される用紙が最大幅サイズであるときなど冷却ファン33L・33Rによる冷却が不要である場合には、左右のシャッタ37L・37Rは図4のように全閉位置(閉じ位置)に移動される。即ち、左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rが全幅に亘って閉鎖される。これにより、フィルム13からの輻射熱によって冷却ファン33L・33Rが故障するのを防ぐことができる。
なお、本実施例では、シャッタ37L・37Rの全閉位置にて送風口31L・31Rがそれぞれ十分に閉鎖されている構成としたが、送風口31L・31Rにわずかに隙間が空いている状態を閉じ位置としてもよい。即ち、シャッタ37L・37Rが制御回路部100の制御により可動できる範囲の中で、最も送風口31L・31Rが遮蔽されている状態を閉じ位置と定義する。
通紙使用される用紙が最小幅サイズである場合には、左右のシャッタ37L・37Rは図5のように全開位置(開き位置)に移動される。即ち、左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rが全幅に亘って開放される。
なお、本実施例では、シャッタ37L・37Rの全開位置にて送風口31L・31Rがそれぞれ完全に開放されている構成としたが、送風口31L・31Rの一部がわずかに閉じられている状態を開き位置としてもよい。即ち、シャッタ37L・37Rが制御回路部100の制御により可動できる範囲の中で、最も送風口31L・31Rが開放されている状態を開き位置と定義する。
また、通紙使用される用紙が最大幅サイズよりも幅狭で最小幅サイズよりも幅広である場合には、左右のシャッタ37L・37Rが送風口31L・31Rを通紙される用紙Pの幅に対応した開口幅に調整する位置に移動される。
(2)冷却ファン動作
次に、左右の冷却ファン33L・33Rの動作について説明する。画像形成時に、定着装置6に通紙使用可能な最大幅の用紙のサイズよりも幅の小さいサイズの用紙を連続定着した場合、非通紙域R(図5(a))の温度が上昇する。このとき、第3と第4のサーミスタ19b・19cは、非通紙域Rに対応するフィルム部分の内面温度を検知する。
制御回路部100はサーミスタ19b・19cが予め定めた或る温度を検知したら、シャッタモータM駆動回路400を制御して、シャッタモータMにより左右のシャッタ37L・37Rを用紙の幅に対応した位置に移動させる。また、冷却ファン駆動回路500を制御して、左右の冷却ファン33L・33Rの動作を開始さる。これにより、フィルム13の非通紙域の温度上昇が押えられる。
そして、冷却ファン33L・33Rの冷却風によりフィルム13の非通紙域が冷却されることで、サーミスタ19b・19cの検知温度が予め定めた或る温度まで下降したら、制御回路部100は冷却ファン33L・33Rの動作を停止させる。
この冷却ファン33L・33Rのサーミスタ19b・19cの検知温度によるON-OFF制御の温度レンジは、冷却ファン33L・33Rの動作状況により、変更するように制御されている。本実施例での冷却ファン33L・33RのON-OFF制御の温度レンジは、例えば、B4サイズ用紙を連続通紙した場合には次のように制御している。すなわち、通紙中に、冷却ファン33L・33Rの動作開始温度をサーミスタ19b・19cの検知温度が200℃になった時に、冷却ファン33L・33Rの停止温度をサーミスタ19b・19cの検知温度が190℃になった時に行う。
また、冷却ファン33L、33Rのサブサーミスタ19bの検知温度によるON-OFF制御の温度レンジは、使用する用紙のサイズ、及び、坪量によって変更するように制御することもできる。
(3)シャッタ開閉動作シーケンス
一方のシャッタ37Rに配置される、各種幅サイズの用紙に対応して決められた複数のセンサフラグ39のエッジ部の形状、および、その形状を利用したシャッタ37L・37Rの開閉シーケンスに関して説明する。
左右のシャッタ37L・37Rは前述したようにラック-ピニオン機構41で連結されており、連動して左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rの開口幅を同じように調節するように移動する。そこで、以下は、センサフラグ39を具備させている右側のシャッタ37Rを代表して説明する。
図1(a)に、シャッタ37Rに配置された複数のセンサフラグ39のエッジ部の形状を示す。図1(b)はシャッタ37Rがホームポジション(シャッタ全閉時)の位置で停止した際の、フォトセンサ40とセンサフラグ39のエッジ部の位置関係を示している。図1(c)はシャッタ全開時のフォトセンサ40とセンサフラグ39のエッジ部の位置関係を示している。図1(b)と図1(c)において、I~VIIは複数のセンサフラグ39の位置を示している。
シャッタ37Rがホームポジションに至る直前に配置されたシャッタ37Rのセンサフラグ39の幅a1は、他のセンサフラグ39の幅a2、a3よりも小さくなっている(図1(a)。図9は複数のセンサフラグ39の位置I~VIIにおいて、シャッタ37Rが図1(c)の全開位置から図1(b)の全閉位置へシャッタモータMの逆回転駆動により移動されていく際のフォトセンサ40が出力するON信号-OFF信号の切り替わりを示す。
上記のように、シャッタ37Rがホームポジション位置(全閉位置)に至る直前に配置されたセンサフラグ39の幅a1を他のセンサフラグ39の幅a2、a3よりも小さくする。
これにより、シャッタ37(L・R)をシャッタモータMによって移動させた場合において次のことが可能になる。即ち、フォトセンサ40がOFF信号を検知し始めてからON信号に切り替わるまでの時間T1を他のエッジによるOFF信号を検知し始めてからON信号に切り替わるまでの時間T2、T3よりも短い時間にすることが可能になる。
制御回路部100は、シャッタ37を移動させながらフォトセンサ40がOFF信号を検知し始めてからON信号に切り替わるまでの時間をモニタリングすることで、他のシャッタ位置と混同することなく、確実にホームポジション位置を検知することができる。
ここで、シャッタ37Rが全開位置からホームポジション位置へ向かって移動されていく過程において、ホームポジション位置に至る直前において、フォトセンサ40がON信号からOFF信号に切り替わった時刻をTα1とする。その次にOFF信号からON信号に切り替わった時刻をTβ1とする。このとき、OFF信号を検知し始めてからON信号に切り替わるまでの時間T1とは、T1=Tβ1-Tα1である。
一方、他のエッジによる切り替わり時間T2、T3とは、同様の移動において、T2=Tβ2-Tα2、T3=Tβ3-Tα3である。フォトセンサ40がON信号からOFF信号に切り替わった時刻がTα2、その次にOFF信号からON信号に切り替わった時刻がTβ2である。また、フォトセンサ40がON信号からOFF信号に切り替わった時刻がTα3、その次にOFF信号からON信号に切り替わった時刻がTβ3である。
このシャッタ37Rのセンサフラグ39の形状の関係を利用して、シャッタ37(L・R)の開閉制御を以下のように行う。図10のフローチャートと図8の制御系統のブロック図を用いて説明する。
1)制御回路部100は、画像形成装置Aが画像形成ジョブの入力待ちをするためのスタンバイ動作を開始すると(9-1)、まずシャッタ37(L・R)を開く方向に移動させるために、シャッタモータMを正回転駆動する(9-2)。
2)スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がONの場合、シャッタモータMを正回転させ続け、OFFを検知し、再度、ONを検知したら(9-3)、そこから数msec間だけシャッタモータMを正回転駆動させて、停止させる(9-5)。スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がONの場合とは、例えば、図1のIVやVIの位置でシャッタ37Rが停止している場合である。尚、ここの数msec間とは、フォトセンサ40の検知理論が切り替わらない程度の所定の時間である。
また、スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がOFFの場合、シャッタモータMを正回転させ続け、ONを検知したら(9-4)、そこから数msec間だけシャッタモータMを正回転駆動し、停止させる(9-5)。スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がOFFの場合とは、例えば、図1のIIIやVやVIIの位置でシャッタ37Rが停止している場合である。
尚、ここの数msec間とは、フォトセンサ40の検知理論が切り替わらない程度の所定の時間であり、(9-3)の場合と同じ時間である。(9-3)、(9-4)、(9-5)によって、フォトセンサ40は、センサフラグ39の縁から数msecの位置と対向し、透光状態(ON状態)に位置することになる。
ただし、スタンバイ動作開始時にI及びIIの位置に停止していた場合、IではOFFの状態のまま、又、IIではOFF検知後、そのままOFFの状態のままになってしまう。この場合は、タイムアウト時間Tmaxを設定し、その時間以上OFFを検知し続けたら、強制的に9-6の動作に移行する。Tmaxは図9で示す時間T1、T2、T3よりも長い時間に設定する(9-26及び9-27)。
3)次に、制御回路部100はシャッタ37(L・R)を閉じる方向に移動させるために、シャッタモータMを逆回転駆動する(9-6)。
4)逆回転駆動させ続けることで、(9―5)でのON状態からOFFに切り替わる。そこから所定時間以内(本実施例では、時間T1[msec]以内)にフォトセンサ40がOFFからONに切り替わったら(9-8)、そこから数msec間だけシャッタモータMを逆回転駆動させて、停止させる(9-9)。これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)に移動され、その位置出しが完了する。
以上の1)~4)がシャッタ37(L・R)のホームポジション(HP)出し動作、即ちシャッタ(L・R)を閉じ位置に位置させる閉位置出し動作である。
尚、本実施例では、(9-7)、(9-8)における所定時間を図9に示す時間T1[msec]とした。しかし、OFFからONに切り替わる時間が2番目に短いセンサフラグ(本実施例では図1のIIIの位置)の切り替わり時間(本実施例では図9で示す時間T3)より短い時間に設定すればよい。
5)画像形成ジョブが開始されて(9-11)、第3と第4のサーミスタ(サブサーミスタ)19b・19cによる非通紙域Rに対応するフィルム部分の内面の検知温度が所定温度に達すると(9-13)、シャッタモータMを正回転駆動する(9-14)。これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)から開き移動していく。
そして、制御回路部100は通紙使用される用紙Pの幅に対応したフォトセンサ40のON/OFF切替回数を検知したら(9-16)、数msec間だけシャッタモータMを駆動し、停止させる(9-17)。これにより、左右のシャッタ37L・37Rが送風口31L・31Rを通紙される用紙の幅に対応した開口幅に調整する位置に移動される。
6)そして、制御回路部100は、冷却ファン駆動回路500を制御して、左右の冷却ファン33L・33Rの動作を開始さる(9-18)。
7)制御回路部100は、画像形成ジョブが終了したら(9-20)、左右の冷却ファン33L・33Rを停止させ(9-21)、シャッタモータMを逆回転駆動する(9-22)。これによりシャッタ37(L・R)は閉じ方向に移動する。制御回路部100は、フォトセンサ40が所定時間以内(本実施例では、図9に示す時間T1[msec]以内)にOFFからONに切り替わったら(9-24)、そこから数msec間だけシャッタモータMを逆回転駆動させて、停止させる(9-25)。これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)に戻し移動されて待機状態となる。
以上説明したように、シャッタ37Rのホームポジション位置に至る直前に配置されたセンサフラグ39の幅a1を他のセンサフラグの幅a2、a3よりも小さくする。換言すれば、シャッタ37Rの閉じ位置を検知するセンサフラグに基づいてフォトセンサ40が出力するOFF信号の間隔T1は、他のセンサフラグに基づいてフォトセンサ40が出力するOFF信号の間隔T2、T3よりも狭い。
これにより、一つのフォトセンサ40のみで、本体電源がOFF/ONされた場合においてもシャッタ37Rのホームポジションを検知可能にする。これとともに、シャッタ37を通紙使用される用紙の幅サイズ情報に対応した所定位置に確実に移動させることが可能となる。
即ち、シャッタのHP出しと用紙幅に対応した開閉位置制御を1つのセンサで確実に行うことができるため、センサ一つ分のコストを低減することが可能となる。
《実施例2》
本実施例2において、画像形成装置Aの構成、定着装置6の基本的な構成は実施例1と同様であるから共通部分には共通の符号を付しての再度の説明を割愛する。本実施例2の実施例1との違いは、一方のシャッタ37Rに配置される複数のセンサフラグ39のエッジ部の形状と、その形状を利用したシャッタ37(L・R)の開閉シーケンスにある。以下、これについて図11~図13を用いて説明する。
なお、左右のシャッタ37L・37Rは実施例1と同様にラック-ピニオン機構41で連結されており、連動して左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rの開口幅を同じように調節するように移動する。そこで、以下は、センサフラグ39を具備させている右側のシャッタ37Rを代表して説明する。
(1)センサフラグのエッジ部の形状
図11(a)に、本実施例2においてシャッタ37Rに配置された複数のセンサフラグ39のエッジ部の形状を示す。図11(b)はシャッタ37Rがホームポジション(シャッタ全閉時)の位置で停止した際の、フォトセンサ40とセンサフラグ39のエッジ部の位置関係を示している。図11(c)はシャッタ全開時のフォトセンサ40とセンサフラグ39のエッジ部の位置関係を示している。図11(b)と図11(c)において、I~VIIは複数のセンサフラグ39の位置を示している。
本実施例2においては、シャッタ37Rがホームポジションに至る直前に配置されたセンサフラグ39のセンサフラグ間のクリアランス幅b1は、他のセンサフラグ間のクリアランス幅b2、b3よりも小さくなっている(図11(a))。図12は複数のセンサフラグ39の位置I~VIIにおいて、シャッタ37Rが図11(c)の全開位置から図11(b)の全閉位置へシャッタモータMの逆回転駆動により移動されていく際のフォトセンサ40が出力するON-OFF信号の切り替わりを示す。
上記のように、シャッタ37Rのホームポジション位置(全閉位置)に至る直前に配置されたセンサフラグ39のセンサフラグ間のクリアランス幅b1を、他のセンサフラグ間のクリアランス幅b2、b3よりも小さくする。
これにより、図12に示すように、シャッタ37RをシャッタモータMによって移動させた場合において次のことが可能になる。即ち、フォトセンサ40がON信号を検知し始めてからOFF信号に切り替わるまでの時間t1を他のエッジによりON信号を検知し始めてからOFF信号に切り替わるまでの時間t2、t3よりも短い時間にすることが可能になる。
制御回路部100は、シャッタ37を移動させながらフォトセンサ40がON信号を検知し始めてからOFF信号に切り替わるまでの時間をモニタリングすることで、他のシャッタ位置と混同することなく、確実にホームポジション位置を検知することができる。
ここで、シャッタ37Rが全開位置からホームポジション位置へ向かって移動されていく過程において、ホームポジション位置に至る直前において、フォトセンサ40がOFF信号からON信号に切り替わった時刻をtα1とする。その次にON信号からOFF信号に切り替わった時刻をtβ1とする。このとき、ON信号を検知し始めてからOFF信号に切り替わるまでの時間t1とは、t1=tβ1-tα1である。一方、他のエッジによる切り替わり時間t2、t3とは、同様の移動において、t2=tβ2-tα2、t3=tβ3-tα3である。
フォトセンサ40がOFF信号からON信号に切り替わった時刻がtα2、その次にON信号からOFF信号に切り替わった時刻がtβ2である。また、フォトセンサ40がOFF信号からON信号に切り替わった時刻がtα3、その次にON信号からOFF信号に切り替わった時刻がtβ3である。
ここで、本実施例2においても実施例1の場合と同様に、フォトセンサ40のONはフォトセンサ40がセンサフラグ39によって遮られていない状態時(透光状態)の出力信号である。OFFはフォトセンサ40がセンサフラグ39によって遮られている状態時(遮光状態)の出力信号である。
(2)シャッタ開閉動作シーケンス
本実施例2においては、このシャッタ37Rのセンサフラグ39の形状の関係を利用して、シャッタ37(L・R)の開閉制御を以下のように行う。図13のフローチャートと図8の制御系統のブロック図を用いて説明する。
1)制御回路部100は、画像形成装置Aが画像形成ジョブの入力待ちをするためのスタンバイ動作を開始すると(14-1)、まずシャッタ37(L・R)を開く方向に移動させるために、シャッタモータMを正回転駆動する(14-2)。
2)スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がONの場合、シャッタモータMを正回転させ続け、OFFを検知したら(14-3)、そこから数msec間だけシャッタモータMを正回転駆動し、停止させる(14-5)。スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がONの場合とは、例えば、図11のIIやIVやVIの位置でシャッタ37Rが停止している場合である。尚、ここの数msec間とは、フォトセンサ40の検知理論が切り替わらない程度の所定の時間である。
また、スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がOFFの場合、シャッタモータMを正回転させ続け、ONを検知後、再度OFFを検知したら(14-4)、数msec間だけシャッタモータMを駆動させて、停止させる(14-5)。スタンバイ動作開始時にフォトセンサ40がOFFの場合とは、例えば、図11のIIIやVやVIIの位置でシャッタ37Rが停止している場合である。
尚、ここの数msec間とは、フォトセンサ40の検知理論が切り替わらない程度の所定の時間であり、(14-3)の場合と同じ時間である。(14-3)、(14-4)、(14-5)によって、フォトセンサ40は、センサフラグ39の縁から数msecの部分によって、遮光状態(OFF状態)に位置することになる。
ただし、スタンバイ動作開始時にIに停止していた場合、IではOFFの状態のままになってしまう。この場合は、タイムアウト時間tmaxを設定し、その時間以上OFFを検知し続けたら、強制的に14-6の動作に移行する。tmaxは図12で示すIIIやVの状態の切り替わり時間Z1、Z2よりも長い時間に設定する(14-26及び14-27)。
3)次に、制御回路部100はシャッタ37(L・R)を閉じる方向に移動させるために、シャッタモータMを逆回転駆動する(14-6)。
4)逆回転駆動させ続けることで、(14-5)でのOFF状態からONに切り替わる。そこから所定時間以内(本実施例では、図12に示すt1[msec]以内)にフォトセンサ40がONからOFFに切り替わったら(14-8)、数msec間だけシャッタモータMを逆回転駆動し、停止させる(14-9)。これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)に移動され、その位置出しが完了する。
以上の1)~4)がシャッタ37(L・R)のホームポジション(HP)出し動作である。
なお、本実施例では、(14-7)、(14-8)における所定時間を図12に示すt1[msec]とした。しかし、ONからOFFに切り替わる時間が2番目に短いセンサフラグ(本実施例では図11のIIの位置)の切り替わり時間(本実施例では図12で示すt3)より短い時間に設定すればよい。
5)画像形成ジョブが開始される(14-11)。そして、第3と第4のサーミスタ(サブサーミスタ)19b・19cによる非通紙域Rに対応するフィルム部分の内面の検知温度が所定温度に達すると(14-13)、制御回路部100はシャッタモータMを正回転駆動する(14-14)。これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)から開き移動していく。
そして、制御回路部100は通紙使用される用紙Pの幅に対応したフォトセンサ40のON/OFF切替回数を検知したら(14-16)、数msec間だけシャッタモータMを駆動し、停止させる(14-17)。これにより、左右のシャッタ37L・37Rが送風口31L・31Rを通紙される用紙の幅に対応した開口幅に調整する位置に移動される。
6)そして、制御回路部100は、冷却ファン駆動回路500を制御して、左右の冷却ファン33L・33Rの動作を開始さる(14-18)。
7)制御回路部100は、画像形成ジョブが終了したら(14-20)、左右の冷却ファン33L・33Rを停止させ(14-21)、シャッタモータMを逆回転駆動する(14-22)。これによりシャッタ37(L・R)は閉じ方向に移動する。制御回路部100は、フォトセンサ40が所定時間以内(本実施例では、t1[msec]以内)にONからOFFに切り替わったら(14-24)、そこから数msec間だけシャッタモータMを逆回転駆動させて、停止させる(14-25)。
これにより、シャッタ37(L・R)は全閉位置(ホームポジション)に戻し移動されて待機状態となる。
以上説明したように、シャッタ37Rがホームポジションに至る直前に配置されたセンサフラグ39のセンサフラグ間のクリアランス幅b1を、他のセンサフラグ間のクリアランス幅b2、b3よりも小さくする。換言すれば、シャッタ37Rの閉じ位置を検知するセンサフラグに基づいてフォトセンサ40が出力するON信号の間隔t1は、他のセンサフラグに基づいてフォトセンサ40が出力するON信号の間隔t2、t3よりも狭い。
これにより、実施例1と同様、一つのフォトセンサ40のみで、本体電源がOFF/ONされた場合においてもシャッタ37Rのホームポジションを検知可能にする。これとともに、シャッタ37(L・R)を通紙使用される用紙の幅サイズ情報に対応した所定位置に確実に移動させることが可能となる。
即ち、シャッタのHP出しと用紙幅に対応した開閉位置制御を1つのセンサで確実に行うことができるため、センサ一つ分のコストを低減することが可能となる。
《実施例3》
実施例1・同2における画像形成装置Aの構成、及び定着装置6の基本的な構成は本実施例3においても同様であるから再度の説明を割愛する。以下においては、本実施例3の特徴となるセンサフラグ39とフォトセンサ40の関係について、図14~図16を用いて説明する。図14においては、送風冷却機構部30は、煩雑を避けるために、左右側の各ダクト32L、32R、冷却ファン33L、33R、シャッタ37L、37R、及び、センサフラグ39のみ示す。
また、本実施例3においては、実施例1、同2の場合とは逆に、フォトセンサ40のONはフォトセンサ40がセンサフラグ39によって遮られている状態時(遮光状態)の出力信号としている。OFFはフォトセンサ40がセンサフラグ39によって遮られていない状態時(透光状態)の出力信号としている。
図14(a)は、左右のシャッタ37L・37Rが十分に閉じた位置、つまり、ホームポジション(全閉位置)に位置している状態時を示している。この状態時においては、センサフラグ39によってフォトセンサ40が遮られている(センサ信号:ON)。
また、図14(b)は、左右のシャッタ37L・37Rが最大限開いた位置にいる状態時を示している。この状態時においては、フォトセンサ40はセンサフラグ39に遮られることなく透過している(センサ信号:OFF)。
このように、ホームポジション(全閉位置)に位置するときと、全開位置に位置するときと、でフォトセンサ40による検知状態が逆(即ち、一方がOFF、他方がON)になるように、センサフラグ39を設けている。
尚、本実施例3では、シャッタ37Rが図14(a)のようにホームポジションに位置している状態においてはセンサフラグ39によってフォトセンサ40が遮られ、図14(b)のように最大開口位置においてはフォトセンサ40が透過している構成とした。しかし、この関係は、ホームポジション(全閉位置)と全開位置とで検知状態が逆になればよく、ホームポジションにおいては、センサフラグ39によってフォトセンサ40が透過し、最大開口位置においては、フォトセンサ40が遮光している関係にしてもよい。
(シャッタのホームポジション出し動作シーケンス)
本実施例3における、一方のシャッタ37Rに配置される複数のセンサフラグ39のエッジ部の形状、および、その形状を利用したシャッタ37(L・R)の開閉シーケンスに関して説明する。左右のシャッタ37L・37Rは実施例1・同2と同様にラック-ピニオン機構41で連結されており、連動して左右のダクト32L・32Rの送風口31L・31Rの開口幅を同じように調節するように移動する。そこで、以下は、センサフラグ39を具備させている右側のシャッタ37Rを代表して説明する。
シャッタ37Rが、ホームポジション(全閉位置)にある場合を図15(a)に、また、シャッタ37Rが最大開口位置(全開位置)にある場合を図15(b)に示す。図15(b)においてI~VIIIは複数のセンサフラグ39の位置を示している。シャッタ37Rがホームポジションに至る直前に配置されたセンサフラグ39のセンサフラグのクリアランス幅b1(図15(b))は、他のセンサフラグのクリアランス幅b2、b3よりも小さくなっている。
クリアランス幅b1を、他のクリアランス幅b2、b3よりも小さくする。これにより、シャッタ37をシャッタモータMによって移動させた場合、次のことが可能となる。
即ち、フォトセンサ40がOFF(透過状態)を検知し始めてからON(遮光状態)に切り替わるまでの時間t1を他のエッジによりOFFを検知し始めてからONに切り替わるまでの時間t2、t3よりも短い時間にできる。そして、この切り替わりの時間の差を利用して、制御回路部100は、ある時間内(例えば、時間t1)でフォトセンサ40の検知論理が切り替わった場合に、ホームポジション位置にシャッタ37Rが移動したと判断することが可能になる。
尚、変形例としてホームポジションにおいて透光状態とする場合には、シャッタ37Rがホームポジション位置(全閉位置)に至る直前に配置されたセンサフラグ39の幅を他のセンサフラグ39による幅よりも小さくすればよい。これにより、制御回路部100は、フォトセンサ40がON信号(遮光)を検知し始めてからOFF信号(透光)に切り替わるまでの時間を基に、他のシャッタ位置と混同することなく確実にホームポジション位置を検知することができる。
このシャッタ37Rのセンサフラグ39の形状の関係を利用したシャッタ37Rのホームポジション出し動作に関して、図17のフローチャートを用いて説明する。このシャッタ37Rのホームポジション出し動作制御及び後述するシャッタ復帰動作シーケンスは制御回路部100(図8)によりなされる。
<8-1>
ホームポジション出し動作を開始。
<8-2>
シャッタ37(L・R)を開く方向に移動させるために、シャッタモータMを正回転駆動する。
<8-3>
フォトセンサ40の状態がONの場合(図16のII、IV、VI、VIIIの位置でシャッタ37Rが停止している場合)、OFFを検知するかを確認する。
<8-4>
時間Tx以内にOFFを検知するかを確認する。
<8-5>
時間Tx経過でもON状態のままの場合、後述する復帰動作シーケンスに移行する。
<8-6>
時間Tx以内にOFFを検知した場合、次にONを検知するかを確認する。
<8-7>
時間tmax以内にONを検知するかを確認する。
<8-8>
ホームポジション出し動作開始時に、OFFの場合も<8-7>の動作に移行する。
<8-9>
時間tmax以内にONを検知した場合、シャッタモータMを停止する。
<8-10>
シャッタモータMを逆回転駆動する。
<8-11>
時間Tx以内にOFFを検知するかを確認する。
<8-12>
Tx経過してもON状態のままの場合、後述する復帰動作シーケンスに移行する。
<8-13>
時間Tx以内にOFFを検知した場合、次にt1以内にONを検知するかを確認する。
<8-14>
時間t1以内にONを検知したら、シャッタモータMを停止し、動作終了とする。
<8-15>
時間t1経過でもOFF状態のままの場合、OFF状態が時間Ty以内に切り変わるかを確認する。時間Ty以内にONに切り替わった場合は、再度、<9-11>に移行する。
<8-16>
時間Ty経過してもOFF状態のままの場合、後述する復帰動作シーケンスに移行する。
<8-17>、<8-18>、<8-19>
<8-7>において、tmax経過してもOFF状態のままの場合、シャッタモータMを停止し、逆回転させて、<8-15>に移行する。
以上が、シャッタ37(L・R)のホームポジション出し動作(閉位置出し動作)シーケンスの説明である。少なくともシャッタ37Rの記閉じ位置を検知するセンサフラグのエッジ間隔が切り替わるだけシャッタ37Rを開く方向に移動する。
この方法を用いることで、フォトセンサ40の切り替わりの時間の差を利用して、ホームポジション位置にシャッタ37(L・R)が移動したことを判断することができる。
上記シーケンスの時間t1に関しては、OFFからONに切り替わる時間が2番目に短い切り替わり時間(本実施例では図16で示すt3)より短い時間に設定すればよい。
次に、上記シーケンスの<8-7>で設定した時間tmax(タイムアウト時間)について説明する。時間tmaxを設定した理由は次の通りである。シャッタ37Rのホームポジション出し動作の開始時に、シャッタ37Rが図15(a)の位置IIに停止していた場合のONからOFFに切り替わり後、また、位置Iに停止していた場合において、OFFの状態のままになってしまうからである。タイムアウト時間tmaxを設定することで、その時間以上OFFを検知し続けたら、強制的にシャッタ37(L・R)が閉じる方向に移動する動作に移行するようにする。
時間tmaxは、図16で示す位置VIIの状態の切り替わり時間であるt1とほぼ同様の時間で良い。但し、t1より短い時間に設定してしまうと、動作初期に、図15の位置VIIにシャッタ37Rがいた場合において、VIの位置まで切り替わる前に閉動作に移行してしまう。そのため、ホームポジションとする位置VIIの切り替わりを検知ることができず、ホームポジションにシャッタを移動することができなくなる。よって、時間tmaxは少なくともt1より長く設定する必要がある。但し、その他のt2、t3より大きくする必要はない。
或いは、時間tmaxは図16で示すVII、V、IIIの状態の切り替わり時間t1~t3のいずれよりも長い時間に設定する。
また、図17のシーケンスにおいて、Tx[sec]は、想定されるONからOFFへの最大切り替わり時間(図16のt4、t5、t6のうちの最大時間)以上に設定する必要がある。また、Ty[sec]は想定されるOFFからONへの最大切り替わり時間(図16のt1、t2、t3のうちの最大時間)以上に設定する必要がある。
このように、1つのフォトセンサ40でシャッタ37Rの位置を制御する構成において、シャッタ37Rのホームポジション出しをする際は次のようにする。即ち、初期のシャッタ開口移動量を、ホームポジションに至る直前に配置されたセンサフラグのエッジが切り替わるだけ移動させるようにする。これにより、シャッタ37Rの移動に必要な範囲を縮小し、シャッタ構成の複雑化を防ぐことが可能となる。
(シャッタ復帰動作シーケンス)
上記のホームポジション出し動作における復帰動作シーケンスに関して説明する。図14(a)に示すように、シャッタ37Rがホームポジション(全閉位置)にある場合は、フォトセンサ40はONを検知している。また、図14(b)に示すように、シャッタ37Rが最大開口位置(全開位置)にいる場合は、フォトセンサ40は、OFFを検知している。シャッタ復帰動作シーケンスに関して、図18を用いて説明する。
<1-1>
シャッタ復帰動作シーケンスを開始する。
<1-2>
フォトセンサ40の検知論理を確認し、ONであった場合、シャッタモータMを正回転する。
<1-3>
時間Tx以内にOFFを検知するかを確認する。
<1-4>
時間Tx以内にOFFを検知した場合、シャッタモータMを停止する。
<1-5>
ホームポジション出し動作に移行する。
<1-6>
時間時間Tx経過してもON状態のままであった場合、画像形成装置Aの動作を停止し、画像形成装置Aの操作部(不図示)における表示部や外部ホスト装置200の表示部(不図示)にエラーを表示する。
<1-7>
シャッタ復帰動作シーケンス開始時に、フォトセンサ40の検知論理を確認し、OFFであった場合、シャッタモータMを逆回転する。
<1-8>
時間Ty以内にONを検知するかを確認する。
<1-9>
時間Ty以内にONを検知した場合、シャッタモータMを停止する。
<1-10>
ホームポジション出し動作に移行する。
<1-11>
時間Tx経過してもON状態のままであった場合、画像形成装置Aの動作を停止し、画像形成装置Aの操作部(不図示)における表示部や外部ホスト装置200の表示部(不図示)にエラーを表示する。
上記をまとめると次のとおりである。シャッタ37(L・R)が閉じ位置に位置した状態と、送風口31(L・R)を十分に開いた開き位置に位置した状態でのフォトセンサ40の検知論理を異なる構成とする。シャッタ37(L・R)が閉じ位置に位置した状態と同じ検知論理の場合におけるシャッタ37(L・R)の復帰動作はシャッタ37(L・R)を開く方向に動かす。シャッタ37(L・R)が開き位置に位置した状態と同じ検知論理の場合におけるシャッタ37(L・R)のリトライ動作はシャッタ37(L・R)を閉じる方向に動かすことを特徴とする。
以上が、シャッタの復帰動作シーケンスの説明である。復帰動作シーケンス時における、シャッタモータMへの電流値は、シャッタ開閉動作シーケンス動作時よりも大きくし、シャッタモータMの出力トルクを増加させることで、復帰を試みるようにしても良い。
このように、本実施例3のようにフォトセンサ40に対するセンサフラグ39の検知論理を、シャッタ37(L・R)がホームポジションにいる場合と、最大開口位置にいる場合で逆の関係にする。そして、復帰動作時にフォトセンサ40の検知論理によって、シャッタモータMの回転方向を決定することで、確実にフォトセンサ40の検知論理が変化する方向にシャッタ37(L・R)を動作させることが可能となる。よって、シャッタ37(L・R)の動作異常時の復帰動作において、各駆動ギアやシャッタへの不必要な負荷を防止することが可能となる。
《比較例》
(1)比較例1
本比較例1は、図19のように、通紙使用される用紙の幅サイズに応じた位置にシャッタを移動させる制御にフォトセンサを2つ使用した定着装置6である。
この定着装置6は、画像形成装置の電源のOFF/ON時にシャッタ37(L・R)が所定の全閉位置(基準位置:ホームポジション)に位置していることを検知するための第1のフォトセンサ40aが配置されている。また、この定着装置6は、用紙の幅サイズ情報に対応したセンサフラグ39を検出するための第2のフォトセンサ40bが配置されている。第2のフォトセンサ40bで検知される、シャッタ37R上のセンサフラグ39の所定の切り替わりタイミングで、シャッタモータMの駆動を停止することで、用紙の幅サイズ情報に応じた所定位置までシャッタ37(L・R)を移動させる。
なお、これ以外の定着装置構成は実施例の定着装置6と同様であるから共通部分には共通の符号を付しての再度の説明を割愛する。
このようなフォトセンサを2つ使用した方法では、フォトセンサを複数個使用することにより、本体全体のコストアップに繋がるという課題がある。
(2)比較例2
本比較例2は、フォトセンサ1つでの制御方法として、シャッタのホームポジションを検知するためのフォトセンサのみを配置し、通紙使用される用紙の幅サイズ情報に対応したシャッタモータの回転パルス数で制御する方法である。
この方法においては、シャッタモータが突発的な負荷重によって脱調し、回転が停止してしまった場合、シャッタの開口位置が想定した位置ではない位置で止まってしまい、端部昇温の抑制ができない状態になることが懸念されている。
(3)比較例3
本比較例3もフォトセンサ1つでの制御方法である。即ち、1つのフォトセンサでシャッタの制御をするために、シャッタに設けられた用紙の幅サイズ情報に対応したセンサフラグの間隔を最適化し、シャッタのホームポジションに至る直前に配置されたセンサフラグの間隔を他の間隔よりも狭くする。そして、フォトセンサの検知論理の切り替わり時間が所定時間以内に切り替わった場合にホームポジションと検知する方法である。
しかしながら、この技術を用いた場合に、シャッタモータが突発的な負荷重によって脱調した場合の復帰動作に課題がある。この技術を用いた場合、フォトセンサの検知論理だけでは、シャッタがいずれの位置にいるか判断することができない。そのため、復帰動作で再度、直前の動作と同じ方向にシャッタモータを回転させると、シャッタが構成上、干渉して動けない状態にあるにも関わらず、シャッタを動作させようとする。
そのため、例えば、図20(a)のように、最大の開口位置にシャッタ37(L・R)がいるときに、復帰動作で再度開動作をした場合に、各駆動ギアやシャッタ等、構成する部品を破損させてしまう恐れがある。また、例えば、図20(b)のように、ホームポジションにシャッタ37(L・R)がいるときに、閉動作をした場合に、各駆動ギアやシャッタ等、構成する部品を破損させてしまう恐れがある。
《その他の実施例》
(1)以上、本発明の実施例について説明したが、各実施例で例示した寸法・条件等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。本発明を適用できる範囲において、数値は適宜選択できる。また、本発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。例えばローラ定着方式、IH定着方式の定着装置と実施例の様な送風冷却機構とを組み合わせても良い。
(2)実施例に示したフィルム加熱方式の定着装置6におけるフィルム13は、ヒータ11と断熱ホルダ12によってその内面を支持され、加圧ローラ20によって駆動される構成に限られない。例えば、フィルム13は、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるユニット方式であってもよい。
(3)フィルム13とニップ部Nを形成する加圧部材20は、ローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニット(これも定着部材である)を用いてもよい。
(4)シャッタの位置を検知する検知手段としての複数のセンサフラゲ39とフォトセンサ40は、フォトセンサ40をシャッタ37Rに、センサフラゲ39をシャッタフレーム35に配置することもできる。
即ち、検知手段であるセンサフラゲ39とフォトセンサ40は、一方をシャッタ37Rに配置し、他方を定置部材35に対して固定して配設し、両者の相対移動に伴うセンサ光路の遮光と透光とによりON信号とOFF信号を出力する構成にできる。
用紙を片側基準搬送する定着装置であってもよい。この場合は送風口31は1つである。
(5)定着装置6として用紙上に形成された未定着トナー像を加熱して定着する装置を例にして説明したがこれに限られない。例えば、用紙に仮定着されたトナー像を加熱し再定着することにより画像のグロス(光沢度)を増大させる装置(この場合も定着装置と呼ぶことにする)であってもよい。即ち、例えば、半定着済みのトナー画像を用紙に定着させる装置や、定着済みの画像に対して加熱処理を施す装置であってもよい。したがって、画像形成装置に搭載される定着装置6は、例えば、画像の光沢や表面性を調節する表面加熱装置であってもよい。
(6)プリンタAを例に説明した画像形成装置は、モノクロの画像を形成する画像形成装置に限られず、カラーの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
10・・・定着アセンブリ(定着部材)、11・・・加熱ヒータ、12・・・断熱ホルダ、13・・・定着フィルム、14・・・金属ステイ、15・・・加圧バネ、16・・・フランジ、18・・・サーミスタ(ヒータ裏)、19・・・サーミスタ(フィルム裏)、20・・・加圧ローラ、21・・・金属製芯金、22・・・ゴム弾性層、23・・・加圧アーム、24・・・アース線、30・・・送風冷却機構部、31・・・送風口、32・・・ダクト、33・・・冷却ファン、35・・・シャッタフレーム、36・・・窓、37・・・シャッタ、38・・・縁部、39・・・センサフラグ39・・・フォトセンサ、100・・・制御回路部、200・・・外部ホスト装置、300・・・A/Dコンバータ、400・・・シャッタモータM駆動回路、500・・・冷却ファン駆動回路、M・・・シャッタモータM

Claims (18)

  1. 記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、
    空気を送風する送風部と、
    前記送風部から前記画像加熱部材の長手方向端部に向けて送風される空気を導くと共に、開口部を有するダクトと、
    前記ダクトの開口部をスライドすることによって開閉し、前記開口部を開ける開位置と前記開口部を閉じる閉位置を有するシャッタと、
    前記シャッタと共に移動可能な複数の突出部であって、前記複数の突出部のそれぞれが移動方向に関して幅を有し、最も幅が小さい最小突出部を含む複数の突出部と、
    前記複数の突出部の少なくとも1つを検知する検知センサと、
    前記シャッタの動作を制御する制御部であって、前記検知センサによって前記最小突出部以外の前記突出部の何れか1つを検知することに基づいて、前記シャッタが前記開位置となる位置に前記シャッタを停止させ、前記検知センサによって前記最小突出部を検知することに基づいて、前記シャッタが前記閉位置となる位置に前記シャッタを停止させるように前記シャッタを制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、スタンバイ動作中において、前記突出部を移動させ、前記検知センサが前記最小突出部を検知することに基づいて前記シャッタを前記閉位置に停止させるように制御することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記送風部は、送風ファンを有することを特徴とする、請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記画像加熱部材は、長手方向に関して一端部と他端部とを有し、
    前記ダクトは、前記画像加熱部材の前記一端部と前記他端部とのそれぞれに向けて空気を導く第1開口部と第2開口部とを有し、
    前記シャッタは、前記第1開口部と前記第2開口部とのそれぞれに設けられた第1シャッタと第2シャッタを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記第1シャッタと前記第2シャッタに駆動力を伝達する駆動機構を備えたことを特徴とする、請求項3に記載の画像加熱装置。
  5. 前記複数の突出部は、前記シャッタと一体に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記検知センサは、前記シャッタの光路を光が通過することでON信号を、前記シャッタの光路が遮られることでOFF信号を出力するフォトセンサであることを特徴とする、請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記閉位置は、前記シャッタのホームポジションであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記制御部は、前記シャッタを開いている間に、記録材の搬送方向に直交する方向の記録材の幅に対応する前記複数の突出部の1つの突出部を前記検知センサによって検知することに基づいて、前記シャッタを停止することを特徴とする、請求項1ないし7の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記画像加熱部材の端部の温度を検知する温度検知部材を備え、
    前記制御部は、前記温度検知部材の出力に基づいて前記シャッタの動作を制御することを特徴とする、請求項8に記載の画像加熱装置。
  10. 記録材上の画像を加熱する画像加熱部材と、
    空気を送風する送風部と、
    前記送風部から前記画像加熱部材の長手方向端部に向けて送風される空気を導くと共に、開口部を有するダクトと、
    前記ダクトの開口部をスライドすることによって開閉し、前記開口部を開ける開位置と前記開口部を閉じる閉位置を有するシャッタと、
    前記シャッタと共に移動可能な複数の凹部であって、前記複数の凹部のそれぞれが移動方向に関して幅を有し、最も幅が小さい最小凹部を含む複数の凹部と、
    前記複数の凹部の少なくとも1つを検知する検知センサと、
    前記シャッタの動作を制御する制御部であって、前記検知センサによって前記最小凹部以外の前記凹部の何れか1つを検知することに基づいて、前記シャッタが前記開位置となる位置に前記シャッタを停止させ、前記検知センサによって前記最小凹部を検知することに基づいて、前記シャッタが前記閉位置となる位置に前記シャッタを停止させるように前記シャッタを制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、スタンバイ動作中において、前記凹部を移動させ、前記検知センサが前記最小凹部を検知することに基づいて前記シャッタを前記閉位置に停止させるように制御することを特徴とする画像加熱装置。
  11. 前記送風部は、送風ファンを有することを特徴とする、請求項10に記載の画像加熱装置。
  12. 前記画像加熱部材は、長手方向に関して一端部と他端部とを有し、
    前記ダクトは、前記画像加熱部材の前記一端部と前記他端部とのそれぞれに向けて空気を導く第1開口部と第2開口部とを有し、
    前記シャッタは、前記第1開口部と前記第2開口部とのそれぞれに設けられた第1シャッタと第2シャッタを含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の画像加熱装置。
  13. 前記第1シャッタと前記第2シャッタに駆動力を伝達する駆動機構を備えたことを特徴とする、請求項12に記載の画像加熱装置。
  14. 前記複数の凹部は、前記シャッタと一体に形成されていることを特徴とする、請求項10ないし13の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  15. 前記検知センサは、前記シャッタの光路を光が通過することでON信号を、前記シャッタの光路が遮られることでOFF信号を出力するフォトセンサであることを特徴とする、請求項10ないし14の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  16. 前記シャッタの閉位置は、前記シャッタのホームポジションであることを特徴とする、請求項10ないし15の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  17. 前記制御部は、前記シャッタを開いている間に、記録材の搬送方向に直交する方向の記録材の幅に対応する前記複数の凹部の1つの凹部を前記検知センサによって検知することに基づいて、前記シャッタを停止することを特徴とする、請求項10ないし16の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  18. 前記画像加熱部材の端部の温度を検知する温度検知部材を備え、
    前記制御部は、前記温度検知部材の出力に基づいて前記シャッタの動作を制御することを特徴とする、請求項17に記載の画像加熱装置。
JP2018078304A 2018-04-16 2018-04-16 画像加熱装置 Active JP7086689B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018078304A JP7086689B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 画像加熱装置
US16/384,576 US10732568B2 (en) 2018-04-16 2019-04-15 Image heating apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018078304A JP7086689B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 画像加熱装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019184940A JP2019184940A (ja) 2019-10-24
JP2019184940A5 JP2019184940A5 (ja) 2021-05-27
JP7086689B2 true JP7086689B2 (ja) 2022-06-20

Family

ID=68161710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018078304A Active JP7086689B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 画像加熱装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10732568B2 (ja)
JP (1) JP7086689B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7283582B2 (ja) 2020-01-17 2023-05-30 日本電信電話株式会社 半導体装置の製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021182020A (ja) * 2020-05-18 2021-11-25 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 多方向冷却用の送風部材を備える定着装置
JP2022061070A (ja) * 2020-10-06 2022-04-18 ブラザー工業株式会社 箔転写装置
JP2022122058A (ja) 2021-02-09 2022-08-22 キヤノン株式会社 定着装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008003141A (ja) 2006-06-20 2008-01-10 Canon Inc 画像形成装置
JP2008032904A (ja) 2006-07-27 2008-02-14 Canon Inc 画像加熱装置
US20080292345A1 (en) 2007-05-25 2008-11-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing unit and image forming apparatus having the same

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6324107B2 (ja) 2014-02-24 2018-05-16 キヤノン株式会社 画像加熱装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008003141A (ja) 2006-06-20 2008-01-10 Canon Inc 画像形成装置
JP2008032904A (ja) 2006-07-27 2008-02-14 Canon Inc 画像加熱装置
US20080292345A1 (en) 2007-05-25 2008-11-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing unit and image forming apparatus having the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7283582B2 (ja) 2020-01-17 2023-05-30 日本電信電話株式会社 半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019184940A (ja) 2019-10-24
US10732568B2 (en) 2020-08-04
US20190317449A1 (en) 2019-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7263588B2 (ja) 画像加熱装置
JP7086689B2 (ja) 画像加熱装置
JP4732088B2 (ja) 画像加熱装置
JP4890821B2 (ja) 画像形成装置
US8068758B2 (en) Belt conveyance apparatus and image heating apparatus
JP4944529B2 (ja) 画像加熱装置
US7542692B2 (en) Image forming apparatus with detecting members for determining when set width is wrong
US8116654B2 (en) Image heating apparatus
JP7062413B2 (ja) 画像加熱装置
JP2007079033A (ja) 画像加熱装置
JP6100090B2 (ja) 画像形成装置
JP4708932B2 (ja) 画像形成装置
JP7046707B2 (ja) 送風冷却機構、画像加熱装置、及び画像形成装置
JP7102215B2 (ja) 送風冷却装置、画像加熱装置、及び画像形成装置
US9110417B2 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus including the fixing apparatus
JP4769527B2 (ja) 画像加熱装置
JP2018101087A (ja) 画像加熱装置
JP2019023681A (ja) 定着装置
JP2019109285A (ja) 画像加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20200207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210413

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220608

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7086689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151