JP2018101087A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】輻射熱源を用いた定着装置において装置を大型化させずに端部昇温を抑制する。【解決手段】中空の加熱回転体と、その内側に配置され輻射熱を発する発熱体と、輻射熱を加熱回転体の内面の周方向の一部領域である照射領域に向けて反射する反射部材と、加熱回転体の周方向に変位可能で、発熱体から照射領域への輻射熱を遮断する遮蔽部材と、遮蔽部材を移動させる移動機構と、を有し、反射部材は、照射領域の長手方向の端部と中央部に関して、端部に対する輻射熱の照度が中央部よりも高く、端部に対する照射面積が中央部よりも狭くなるように構成される。遮蔽部材は、発熱体から照射領域への輻射熱の供給量を装置に導入される記録材の幅サイズに応じて変更する段差形状を持ち、制御部は、装置に対する記録材導入状態においては指定された記録材の幅サイズに応じて照射領域への輻射熱の供給量が変更されるように移動機構を制御する。【選択図】図14

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に搭載される定着装置として用いれば好適な画像加熱装置に関する。
電子写真方式の複写機などには記録材に形成された未定着のトナー像を熱及び圧によって定着させる定着装置が設けられている。記録材はトナー像が形成され得る部材であり、普通紙、樹脂シート、光沢紙、葉書、封筒等が挙げられる。以下、用紙或いは紙と記す。
定着部材として加熱源で加熱される中空の加熱回転体を備える定着装置が知られている。加熱回転体は、例えば、金属基材と弾性ゴム層などから成る薄肉の筒状(エンドレス)の定着ベルト(定着フィルム)である。
低熱容量化された薄肉のベルトを備えることで、ベルトの加熱に必要なエネルギーを大幅に低減することができ、ウォームアップ時間や、ファーストプリント時間の短縮化を図れる。ウォームアップ時間は、電源供給時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間である。ファーストプリント時間は、印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間である。
また、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム短縮のため、ベルトの加熱源として輻射熱源も利用されており、その熱源にハロゲンヒータが使われている。
しかしながら、非通紙部領域において、用紙の加熱によって熱が消費されないために熱が蓄積されてしまい、非通紙部の温度が所定温度に維持管理されている通紙部よりも昇温していく非通紙部昇温が生じる。
上記課題に対し、先行技術においては、例えば、長手非通紙部領域においてハロゲンヒータからの輻射熱を遮蔽する部材を設けることで非通紙部領域の過昇温を抑制するという技術がある。上記構成において、紙サイズに対応した非通紙部領域の過昇温対策として次の先行技術が提案されている。
特許文献1では、開口部を有する遮蔽部材がベルト内面とヒータの間にあり、遮蔽部材は開口部の大きさを調整することで、加熱幅を紙サイズに応じて調整できる構成が提案されている。
特許文献2および3では、ハロゲンヒータからの輻射熱を遮蔽する遮蔽板が紙サイズによって回転する構造を持っており、遮蔽領域は紙サイズに対応して段差形状になっており、紙サイズ毎に端部昇温を抑制できる構成が提案されている。
特開2010−32973号公報 特開2013−97238号公報 特開2014−55998号公報
しかし、筒状ベルトは低熱容量化するために小径化(小型化)され、遮蔽板が輻射熱の照射領域を十分には覆うことができず、通紙領域の外側に輻射熱が漏れる場合があった。
また、紙サイズに対応するためには、一方向に輻射熱を反射させ、反射光を遮蔽板で遮る必要があるが、ハロゲンヒータに代表される輻射熱源はヒータ給電をカットしてもすぐには発熱が止まらない。即ち、発熱減衰しながら数秒発熱(以下、オーバーシュートと記す)を続ける。このため、ジャム発生時などベルトが回転しない状況が発生した場合に、給電カットしても過度にベルトを加熱してしまい、ベルトにダメージを与える恐れがあった。
そこで、本発明の目的は、装置を大型化させずに遮蔽部材の遮光性を向上させることで端部昇温を抑制することにある。さらには、ジャム時のハロゲンヒータ等の輻射熱源のオーバーシュートによる加熱回転体へのダメージを低減させることにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、
トナー像を担持した記録材をニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
中空の加熱回転体と、
前記加熱回転体と前記ニップ部を形成する加圧部材と、
前記加熱回転体の内側に配置され通電により輻射熱を発する発熱体と、
前記加熱回転体の内側に配置され前記発熱体が発する輻射熱を前記加熱回転体の内面の周方向の一部領域である照射領域に向けて反射する反射部材と、
前記加熱回転体の内側の前記発熱体と前記照射領域の間であって、前記発熱体を中にして前記反射部材に対向する位置に配置され、前記加熱回転体の周方向に変位可能で、前記発熱体から前記照射領域への輻射熱を遮断する遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を移動させる移動機構と、
制御部と、を有し、
前記反射部材は、前記照射領域の長手方向の端部と中央部に関して、端部に対する輻射熱の照度が中央部よりも高く、端部に対する照射面積が中央部よりも狭くなるように構成されており、
前記遮蔽部材は、前記発熱体から前記照射領域への輻射熱の供給量を装置に導入される記録材の幅サイズに応じて変更する段差形状を持ち、
前記制御部は、装置に対する記録材導入状態においては指定された記録材の幅サイズに応じて前記照射領域への輻射熱の供給量が変更されるように前記移動機構を制御することを特徴とする。
本発明によれば、装置を大型化させずに遮蔽部材の遮光性を向上させることで端部昇温を抑制することができる。
実施例における制御フロー図(その1)である。 同じく制御フロー図(その2)である。 実施例における画像形成装置の構成模式図である 定着装置の途中部分省略の正面模式図である。 同じく縦断正面模式図である。 図3の(5)−(5)線矢視の横断右側面模式図である。 制御系統のブロック図である。 構成部材の寸法関係図である。 反射板の構成説明図である。 遮蔽板の構成説明図である。 フランジ部材の構造説明図である。 中央照射領域と端部照射領域にける輻射熱の照射幅と照射分布を示す図である。 大サイズ用紙の通紙時における遮蔽板の変位位置の説明図である。 中サイズ用紙の通紙時における遮蔽板の変位位置の説明図である。 小サイズ用紙の通紙時における遮蔽板の変位位置の説明図である。 比較例1の定着装置の要部の構成模式図である。 比較例2の定着装置の要部の構成模式図である。 端部昇温の抑制効果を示す図である。 オーバーシュートによる輻射加熱の抑制効果を示す図である
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例》
[画像形成部]
図2は本発明に従う画像加熱装置を定着装置200として搭載した画像形成装置Aの一例の構成模式図である。この装置Aは中間転写方式、タンデム型の4色フルカラーの電子写真レーザプリンタであり、ホスト装置Dから制御部Bに入力する画像情報に対応したトナー像を記録材Pに形成して出力する。記録材Pを以下、用紙又は紙と記す。
ホスト装置Dはパーソナルコンピュータ(PC)などの外部端末である。制御部Bは操作部(UIパネル部)Cやホスト装置Dとの間で各種の電気的情報の授受を行うと共に装置Aの画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
操作部Cはユーザー(操作者、使用者)による指示を受付けるユーザーインターフェース(UI)であり、入力部としての操作キー部C1(図6)と表示部(液晶ディスプレイ等)C2を有する。操作部Cはユーザーが操作キー部C1と表示部C2を用いて、画像形成開始指令を出すだけでなく、画像の画質設定や給紙部にセットする用紙Pの情報入力など印刷条件を指定するための操作を行うことができる。表示部C2は装置Aの状態やエラー、ジャム等の情報、設定など各種メッセージを表示することができる。
装置Aは装置本体A1内に用紙Pに未定着のトナー像を形成する画像形成部1を有する。画像形成部1は、イエロ(Y)色トナー像を形成する作像ユニットUY、マゼンタ(M)色トナー像を形成する作像ユニットUM、シアン(C)色トナー像を形成する作像ユニットUC、ブラック(Bk)色トナー像を形成する作像ユニットUBkを有する。また、画像形成部1はレーザスキャナ7と中間転写ベルトユニット8を有する。
各作像ユニットU(Y・M・C・Bk)は何れも電子写真プロセス機構であり、それぞれ、感光ドラム2、帯電器3、現像器4、一次転写帯電器5、感光ドラムクリーナ6を有する。なお、図の煩雑を避けるため、作像ユニットUY以外の作像ユニットUM・UC・UBkにおけるそれらの機器に対する符号の記載は省略した。また、上記構成の画像形成部1の電子写真プロセスや作像動作は公知であるからその説明は割愛する。
各作像ユニットUのドラム2から中間転写ベルトユニット8のベルト9に対して各色のトナー像が所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト9上にY+M+C+Bkの4色重畳の未定着のフルカラーのトナー像が形成される。
一方、カセット10又は同11、或いはマルチ給紙トレイ(手差しトレイ)12から用紙Pが一枚宛給送されて搬送路13を通って所定の制御タイミングでベルト9と二次転写ローラ14との圧接部である二次転写ニップ部に導入される。これにより、用紙Pに対してベルト9上の4色重畳のトナー像が一括して二次転写される。その用紙Pが搬送路15を通って定着装置200に導入されてトナー像の定着処理を受ける。定着装置200を出た用紙Pは片面印刷モードの場合は制御部Bで姿勢制御されるフラッパ16の上側を通って排出ローラ17により排出トレイ18に排出される。
両面印刷モードの場合には、定着装置200を出た片面印刷済みの用紙Pが制御部Bで姿勢制御されるフラッパ16によりスイッチバック搬送路19側に進路変更される。そして、その用紙Pがスイッチバック搬送されて両面搬送路20に導入され、再び搬送路13に入り、1面目と2面目が反転された状態で二次転写ニップ部に導入されることで2面目に対するトナー像の二次転写を受ける。以後、用紙Pは片面印刷モードの場合と同じ経路を通って両面印刷物として排出トレイ18に排出される。
本例の画像形成装置Aにおいて用紙Pの装置内搬送はいわゆる中央基準でなされる。この用紙搬送は、装置Aに使用可能な大小どのような幅の用紙も用紙の幅方向の中央線を用紙搬送路の幅方向中央に合わせて通紙する形態のことである。本例においては装置に使用可能な最大幅サイズの用紙はA3縦サイズ用紙(幅:297mm)である。これを大サイズ用紙、それよりも幅狭の用紙を中サイズ用紙、小サイズ用紙と記す。
[定着装置]
本例の定着装置200は、ベルト加熱方式、加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)の画像加熱装置である。図3は定着装置200の途中部分省略の正面模式図、図4は同じく縦断正面模式図、図5は図3の(5)−(5)線矢視の横断右側面模式図である。
ここで、本例において、定着装置200若しくはその構成部材に関して、正面(前側)とは装置の用紙入口側から見た面、背面(後側)とはその反対側(用紙出口側)の面、左右とは装置を正面から見て左(一端側)または右(他端側)である。上下とは重力方向において上また下である。また、定着装置若しくはその構成部材に関して長手方向(幅方向)や用紙幅方向とは、用紙搬送路面において、用紙搬送方向(記録材搬送方向)Xに直交する方向に実質平行な方向である。短手方向とは用紙搬送方向Xに実質平行な方向である。
この定着装置200は、中空の加熱回転体(第1の回転体)としての筒状(エンドレス)の定着ベルト(定着部材、無端ベルト、定着フィルム:以下、ベルトと記す)202を備えた加熱ユニット(ベルトユニット)200Uを有する。また、ベルト202とニップ部(定着ニップ部)Nを形成して未定着のトナー像Taを担持した用紙Pを挟持搬送する加圧部材(第2の回転体)としての加圧ローラ210を有する。また、それらを収容した筐体(装置フレーム)211を有する。
(1)加熱ユニット200U
加熱ユニット200Uは、発熱体(加熱体)201、ベルト202、反射板(反射部材)203、加圧パッド204、補強ステー205、遮蔽板(遮蔽部材)206、左右のフランジ部材207L・207R等の組み立て体である。上記において左右のフランジ部材207L・207R以外の部材は、ベルト202の内側に配置されており、左右方向に長い部材である。
(1−1)発熱体201
発熱体201はベルト202を内側から加熱する、通電により輻射熱を発する輻射熱源(加熱手段)であり、棒状に形成された左右方向に長いハロゲンヒータ(赤外線ヒータ)やカーボンヒータ(以下、ヒータと記す)である。ヒータ201は両端部の口金部201aがそれぞれ左右のフランジ部材207L・207Rの側のヒータソケット207dに対して差し込まれることで左右のフランジ部材207L・207R間に保持されている。
本例において、このヒータ201の有効発熱幅L201(図7)は320mmとしている。この有効発熱幅L201は本例で装置に通紙可能な大サイズ用紙であるA3縦サイズ用紙の通紙領域幅Wmax:297mmに両端11.5mm程度の余裕を付加したものである。
(1−2)ベルト202
ベルト202は熱を伝達する加熱部材であり、薄肉で可撓性と耐熱性を有し、自由状態においては自身の弾発力でほぼ円筒形状を呈する。本例におけるベルト202は、幅L202(図7):340mm、φ30mmで、外側から内側に順に離型層(表層)、弾性層、基層(基材)、内面コート層の4層複合構造を有している。
離型層は厚さ100μm以下、好ましくは20〜70μmのフッ素樹脂材料を使用できる。フッ素樹脂層としては、例えばPTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。本例では、厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
弾性層は、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
基層も、弾性層と同様にクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。基層は、例えば、SUS、ニッケルなどの金属フィルムを使用できる。本例では、厚さが30μm、直径が30mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
内面コート層は、加圧パッド204と接するため耐熱性を持つ樹脂層やセラミックス、金属などを使用できる。例えば、エンジニアリングプラスティックや、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられる。具体的には、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が挙げられる。また、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)などが挙げられる。
(1−3)反射板203
図8の(a)は反射板203の外観斜視模式図である。本例において、反射板203は板金製の溝型部材(チャンネル部材)であり、内面は反射面として鏡面加工されている。ヒータ201はこの反射板203の内側に位置している。反射板203はヒータ201が発する輻射熱を集光して開口部203aからベルト201の内面の周方向の一部領域である照射領域(被加熱部、加熱領域)208に向けて反射する部材である。本例において、反射板203の長さL203(図7)は330mmである。反射板203の更なる詳細については後述する。
(1−4)加圧パッド204と補強ステー205
加圧パッド204はベルト202の内面に摺接(当接)する摺接部材(バックアップ部材、押し付け部材:以下、パッドと記す)である。そして、パッド204はベルト202を介して加圧ローラ210に圧接してベルト202と加圧ローラ210との間にニップ部Nを形成する部材である。パッド202は鉄鋼材などの高剛性部材である補強ステー(以下、ステーと記す)205の下面に固定して配設されている。
パッド204とステー205の長さL204・L205(図7)はベルト202の幅L202:340mmよりも長い360mmにしてあり、左右の両端部がそれぞれベルト202の左右の両端部から外方へ所定長さ突出している。
反射板203はステー205の上面に固定されて配設されている。また、ステー205の長手方向のほぼ中央部には弾性部材209を介して接触式温度計(温度検知手段:以下、サーミスタと記す)THが配設されている。このサーミスタTHはベルト202の幅方向中央部の内面に対して弾性部材209により弾性的に接触しており、ヒータ201で加熱された直後のベルト内面温度を検知する。
(1−5)遮蔽板206
図9は遮蔽板206の外観斜視模式図である。遮蔽板206は装置に導入される用紙Pの幅サイズに応じてヒータ201からベルト203の照射領域208への輻射熱照射幅を変更する段差形状を持っている。遮蔽板206は、ベルト202の内側のヒータ201と照射領域208の間であって、ヒータ201を中にして反射板203に対向する位置に配置され、ベルト202の周方向に変位可能で、ヒータ201から照射領域208への輻射熱を選択的に遮断する。この遮蔽板206の更なる詳細については後述する。
(1−6)フランジジ部材207L・207R
左右のフランジジ部材207L・207Rはそれぞれ耐熱樹脂によるモールド成形品であり、ベルト202の左右の両端部から外方に突出しているステー部分に対して左右対称に嵌着して装着されている。ベルト202はこの左右のフランジ部材207L・207Rの間において、ヒータ201、反射板203、加圧パッド204、ステー205、遮蔽板206、サーミスタTHのアセンブリの外側にルーズに外嵌されている。
フランジジ部材207L・207Rはベルト202の左側端部と右側端部の内面を保持してベルト202の回転をガイドするとともに、ベルト202の幅方向への移動を規制する。また、ヒータ201の左右両端部を支持する。また、遮蔽板206の左右両端側をベルト周方向に関して移動可能(変位可能)に支持する。
図10の(a)は左側のフランジ部材207Lを内側から見た外観斜視模式図、(b)は同じく外側から見た外観斜視模式図である。右側のフランジ部材207Rはこの左側のフランジ部材49Lと左右対称形状であるので、以下、左側のフランジ部材207Lを代表して説明する。
フランジ部材207L(207R)は、フランジ部207a、ステー端部に対する嵌着凹部207b、円弧状のベルト内面ガイド部207cを有している。また、フランジ部材207Lは、ヒータソケット207d、遮蔽板回動ガイドスリット207e、受圧部207f、給電プラグ差し込み部207g、縦溝部207hを有している。
前述したように、ヒータ201はそれぞれ左右端部の口金部201aが左右のフランジ部材207L・207のヒータソケット207dに対して差し込まれることで左右のフランジ部材207L・207R間に保持されている。
左右のフランジ部材207L・207Rの遮蔽板回動ガイドスリット207eはそれぞれベルト内面ガイド部207cの内側において当該ガイド部207cの円弧形状とほぼ同心の円弧形状のスリットである。そして、遮蔽板206の左右の外方延長板部206aLと206aR(図9)がそれぞれ左右のフランジ部材207L・207Rの上記のスリット207e・207eに挿入されている(図4)。外方延長板部207aLと207aRは横断面がそれぞれスリット207eの円弧形状に対応する円弧形状にされている。
これにより、遮蔽板206はスリット207e・207eに沿って反射板203の開口部203aにおいてベルト202の周方向に移動可能に左右のフランジ部材207L・207R間に支持されている。遮蔽板206の左側の外方延長板部206aLはスリット207eからフランジ部材207Lの外側に突出させてあり、その突出部にスリット207eの円弧形状に対応する円弧形状のギアG2が配設されている。
(2)加圧ローラ210
加圧ローラ210は耐熱性弾性加圧ローラであり、芯金210aと、この芯金210aの外周面にローラ状に形成された弾性層210bを有する。弾性層210bはシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコーンゴムの発泡体である。更に、弾性層210bの外周面にPFA、PTFE等の離形層を設けることもできる。
加圧ローラ210は芯金210aの左右両端部がそれぞれ筺体211の左右の側板212L・212R間に軸受部材(ベアリング)213・213を介して回転可能に保持(両持ち式)されて配設されている。芯金210aの右側端部には駆動ギアG1が同心一体に配設されている。
(3)加熱ユニット200Uの配設と加圧
加熱ユニット200Uは加圧パッド204側を下向きにして、加圧ローラ210の上側において加圧ローラ210に実質平行に配列して、筺体211の左右の側板212L・2121R間に配設されている。加熱ユニット200Uの左右のフランジ部材207L・207Rはそれぞれの縦溝部207h・207hが左右の側板212L・212Rに設けられた縦ガイドスリット214・214の縦縁部に係合されている。これにより、左右のフランジ部材207L・207Rは、それぞれ、左右の側板212L・212Rに対して上下方向にスライド移動可能に保持されている。
即ち、加熱ユニット200Uは左右の側板212L・212R間において上下方向にスライド移動可能に保持されている。そして、左右のフランジ部材207L・207Rの受圧部207f・207fに対してそれぞれ加圧バネ215L・215Rにより所定の押し下げ付勢力Fを作用させている。これにより、左右のフランジ部材207L・207Rからステー205とパッド204に押し下げ力が作用し、パッド204によりベルト202が加圧ローラ210の上面に対して所定の押圧力で圧接される。
この圧接によるベルト202の弾性層と加圧ローラ210の弾性層210bの弾性変形によりベルト202と加圧ローラ210との間に短手方向において所定幅のニップ部Nが形成される。即ち、パッド204の位置においてベルト202と加圧ローラ210が当接してニップ部Nを形成している。
(4)定着動作
図6は定着装置200の駆動系統と制御系統のブロック図である。加圧ローラ210の駆動ギアG1には制御部(CPU)Bで制御される第1の駆動モータM1の駆動力が駆動伝達部(不図示)を介して伝達される。これにより、加圧ローラ210が駆動回転体として図5において矢印R210の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
加熱ユニット200Uの左右のフランジ部材207L・207Rの給電プラグ差し込み部207g・207gにはそれぞれ給電プラグ216L・216Rが差し込まれている。給電プラグ216L・216Rは制御部Bで制御される電源部Eに連絡している。ヒータ201は電源部Eから給電プラグ216L・216Rを介して電力供給を受けて点灯して発熱する。
加熱ユニット200Uの遮蔽板206の円弧ギアG2には駆動ギアG3を噛合させてある。駆動ギアG3は制御部Bで正逆転制御される第2の駆動モータ(ステッピングモータ)M2で所定の回転角をもって正逆回転制御される。制御部Bは装置に使用(導入)される用紙サイズ情報に応じて遮蔽板206を所定に正逆回転制御して反射板203の開口部203aの開口幅を狭広することによりベルト202の加熱幅を変更する。用紙サイズ情報は画像形成装置Aの操作部Cやパソコン等のホスト装置Dから制御部Bに入力される。
サーミスタTHはヒータ201と反射板203による輻射熱の照射領域208よりもベルト回転方向の下流側でニップ部Nの用紙入口部よりも上流側であって、ベルト202の幅方向中央部にほぼ対応する位置にベルト内面に弾性的に接して配置されている。即ち、サーミスタTHは装置に使用される大小どの幅サイズの用紙も通過する通紙領域に対応するベルト部分の温度を検出する。
そして、サーミスタTHの検出温度情報が制御部Bにフィードバックされる。制御部BはサーミスタTHからのベルト温度に関する検出温度情報が所定の目標温度(定着温度)に立ち上げられて維持(温調)されるように電源部31からヒータ201への供給電力を制御する。
図5において、加圧ローラ210の矢印R210の時計方向への回転駆動による加圧ローラ210とベルト202の外面とのニップ部Nにおける摩擦力でベルト202に回転力(回転トルク)が作用する。これにより、ベルト202が、その内面がニップ部Nにおいてパッド204の下面に密着して摺動しながら矢印R202の時計方向に加圧ローラ210の回転周速度にほぼ対応した速度で従動回転する。このベルト202の回転を滑らかなものにするために、ベルト202とパッド204の相互摺接部には潤滑剤を介在させることが好ましい。
左右のフランジ部材207L・207Rにおけるフランジ部207a・207aは回転するベルト202の左右方向(スラスト方向)への寄り移動を規制し、ベルト内面ガイド部207cはベルト端部の内面を支持してベルト202の回転をカイドする。また、制御部Bで制御される電源部Eからヒータ201に通電がなされる。そして、ヒータ201の輻射熱によってベルト202の内面が反射板203によって規定される照射領域208において加熱される。
ベルト202が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、ニップ部Nに画像形成部1側から未定着トナー像Taを担持した用紙Pが導入される。そして、ニップ部Nおいて用紙Pのトナー像担持側面がベルト202の外面に密着してベルト202と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程においてヒータ201の輻射熱で加熱されたベルト202の熱により用紙Pが加熱され、またニップ圧によって、用紙P上の未定着トナー像Taが用紙P上に加熱・加圧されて溶融定着Tbされる。ニップ部Nを通過した用紙Pはベルト202の面から曲率分離して排出搬送されていく。
(5)反射板203の詳細説明
図8に本例における反射板203の構成とベルト内面の照射領域(被加熱部)208の関係を示した。図8の(a)に示す通り、ヒータ201は反射板203によって囲まれており、反射板203は内部のヒータ201が発する輻射熱をベルト202の内面に向けて照射するための輻射熱出口である開口部203aを長手に沿って具備している。
本例では、反射板203は厚さ500μmのアルミニウム板を用いた板金加工品であり、ヒータ201に対向した面(内面)が鏡面状になっている。ヒータ201からの輻射熱は反射板203に反射することで集光し、ベルト202の内面を輻射熱の照射で加熱する。
本例では反射板203は長手に関して中央部領域である中央反射板部分(中央反射部材部分)203Aと両端部領域である端部反射板部分(端部反射部材部分)203B・203Bの3つの領域部がある。端部反射板部分203B・203Bにおける開口部203aの短手幅は中央反射板部分203Aにおける開口部203aの短手幅よりも狭く設定されている。即ち、端部反射板部分203B・203Bによって照射されるベルト202の照射領域は中央反射板部分203Aによって照射される照射領域よりも照度が高くなるように設定される。
図8の(b)は、(a)における中央反射板部分203Aの断面b部分に対応するベルト部分、即ちベルト202の幅方向中央部の集光率が低い照射領域208a部分の断面模式図を示している。(c)は、(a)における端部反射板部分203Bの断面c部分に対応するベルト部分、即ちベルト202の幅方向端部の集光率が高い照射領域208b部分の断面模式図を示している。
本例では、中央照射領域208aはベルト内周面の周方向のほぼ3分の1、端部照射領域208bはベルト内周面の周方向のほぼ6分の1であるように、端部反射板部分203B・203Bは中央反射板部分203A部よりも輻射熱の集光率を高く設定した。即ち、反射板203は、照射領域208の長手方向の端部と中央部に関して、端部に対する輻射熱の照度が中央部よりも高く、端部に対する照射面積が中央部よりも狭くなるように構成されている。
図11の(a)と(b)に、それぞれ、上記中央照射領域208aと端部照射領域208bのベルト周方向に関する照度分布と照射幅をグラフとして示した。中央照射領域208aと端部照射領域208bはピーク照度と照射領域幅が異なるが、ヒータ201から照射される輻射熱の総熱量は端部照射領域208bと中央照射領域208aとで同じであり、集光率が異なるだけである。すなわち、照射領域208をベルト202が通過する間に受け取る輻射熱の積算エネルギーは中央照射領域208aと端部照射領域208bとで同じになるように設定される。
従って、回転しているベルト202が端部照射領域208bと中央照射領域208aを通過してニップ部Nの位置に到達する時点では、後述する遮蔽板206による遮蔽が無い限り、ベルト202の幅方向の端部と中央部とで加熱量に違いが生じることがない。
(6)遮蔽板206の詳細説明
遮蔽板206は装置に導入される用紙Pの幅サイズに応じてヒータ201からベルト203の照射領域208への輻射熱照射幅を変更する段差形状(図9)を持っている。遮蔽板206は、ベルト202の内側のヒータ201と照射領域208の間であって、ヒータ201を中にして反射板203に対向する位置に配置され、ベルト202の周方向に変位可能で、ヒータ201から照射領域208への輻射熱を選択的に遮断する。
制御部Bは装置に使用される用紙Pの幅サイズ情報に応じて遮蔽板206を所定に正逆回転制御(変位制御)してヒータ201からベルト203の照射領域208への輻射熱照射幅を変更する。
本例においては、遮蔽板206の変位は遮蔽板206の円弧ギアG2に噛合させてある駆動ギアG3が制御部Bで正逆転制御される第2の駆動モータM2にて装置に導入される用紙Pの幅サイズに応じて所定の回転角をもって制御されることによりなされる。モータM2、ギアG3、ギアG2が遮蔽板206を回転移動させる移動機構(回転機構)である。制御部Bは、装置に対する用紙導入状態(記録材導入状態)においては指定された用紙の幅サイズに応じて照射領域208への輻射熱の供給量が変更されるように移動機構を制御する。
図12から図14に、使用される用紙のサイズ(幅サイズ)に対応した、遮蔽板206の位置(回転角)と中央照射領域208aと端部照射領域208bの関係を示した。
図12は大サイズ用紙、本例ではA3縦サイズ用紙(幅:297mm)が使用される場合である。この場合は、遮蔽板206は中央照射領域208aと端部照射領域208bの何れも遮蔽していない回転角位置に移動されており、大サイズ用紙に対応してベルト202の長手全域が加熱される。このとき、図11に示した通り、中央照射領域208aと端部照射領域208bの積算照射エネルギーは同じになるため、ベルト202は長手全域で均一加熱される。
図13は中サイズ用紙、本例ではA4縦サイズ用紙(幅:210mm)が使用される場合である。この場合は、遮蔽板206は端部照射領域208bについて当該用紙の非通紙領域に対応する領域部分を遮蔽する回転角位置に移動されており、当該用紙の通紙領域に対応したベルト幅部分が加熱される。断面3の位置において漏れ光無く端部照射領域208bを遮蔽することができるため、当該用紙の通紙において端部昇温が抑制される。
また、遮蔽板206の開口部分では中央照射領域208aと端部照射領域208bの両方が存在するが、図11に示した通り、積算照射エネルギーは同じになるため開口部の範囲でベルト202は加熱領域208a、208bを通過する間に均一加熱される。
図14は小サイズ用紙、本例でははがきサイズ用紙横送り(幅:150mm(はがきは148mm×100mm)が使用される場合である。この場合は、遮蔽板206は端部照射領域208bについて当該用紙の非通紙領域に対応する領域部分を遮蔽する回転角位置に移動されており、当該用紙の通紙領域に対応したベルト幅部分が加熱される。この時、断面2および断面3の位置では漏れ光無く端部照射領域208bを遮蔽することができるため当該用紙の通紙において端部昇温が抑制される。
(7)ジャム発生時の動作
1)画像形成装置Aの画像形成動作中に用紙搬送経路において用紙ジャムが発生した場合にはそれがジャム検知システムにより検知される。そして、制御部Bはジャム発生時には画像形成装置Aの画像形成動作を緊急停止させる。
ところで、輻射加熱するヒータは通電停止からオーバーシュートする時間が数秒間あり、発熱量上限としては2000Wを超えない。本例では定着装置200に輻射加熱のヒータ201を使用している。ジャム発生時に定着装置200も加圧ローラ210の駆動が停止されてベルト202の回転が停止した状態において、ヒータ201のオーバーシュートによる発熱量上限2000Wのときにベルト202の上限温度250℃を超えないようにする必要がある。
そこで、本例では、ジャム発生時における定着装置200の対処制御を図1Aのようにしている。即ち、制御部Bは画像形成動作中にジャム検知システムによりジャムが検知されると、装置Aの画像形成動作を緊急停止する(S1〜S3)。定着装置200については、第1の駆動モータM1の駆動を停止させる。これにより、加圧ロ−ラ210の駆動が停止する(S4)。これに伴いベルト202の回転も停止する。
そして、制御部Bは、画像形成動作の停止に伴う第1の駆動モータM1の駆動停止制御と同時的に、ヒータ201への通電を停止すると共に、移動機構M2・G3・G2により遮蔽板206を図14のように小サイズ用紙の位置へ回転移動させる(S5)。即ち、小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置へ回転移動させる。そして、操作部Cの表示部C2あるいはホスト装置Dの表示部にエラー表示(ジャム発生表示)をする(S6)。
このように制御することで、照度の高い端部照射領域208bにおけるオーバーシュートによる輻射熱を漏れ光なく遮蔽し、オーバーシュートによって加熱される領域は中央照射領域208aだけになる。中央照射領域208aは図8の(b)に示してようにピーク照度が低いためジャム時であってもベルト202の上限温度250℃を超えることが無い。
2)ジャム発生時以外でも、定着装置200の稼働中において加圧ローラ210が駆動されているにも関わらず、ベルト202の回転が何等かの原因で阻害されて停止したり、回転速度が低下したりする事象の発生も想定される。例えば、ベルト202の他物に対する引っ掛かりやベルト内面とパッド204との摺動部への異物の噛み込みなどに起因するベルト202の回転停止や回転速度の低下である。このような事象の発生の場合もベルト202の上限温度250℃を超えないようにする必要がある。
図1Bはこのような場合に対する制御フロー図である。定着装置200にはベルト回転検知部H(図6:ベルト回転検知機構)が具備されており、制御部Bにはこのベルト回転検知部Hからベルト202の回転状態情報が入力する。ベルト回転検知部Hの具体例は図には省略したけれども、例えばロータリーエンコーダ構成を用い得る。
制御部Bは装置Aの画像形成動作中において回転検知部Hからの入力情報によりベルト202が所定の周速度にて回転していると判断されるときは画像形成動作を続行させる(S1、S2)。
一方、回転検知部Hからの入力情報によりベルト202の回転が停止した或いはベルト202の回転速度が所定以下に低下したと判断した場合には、ヒータ201への通電を停止する。これと共に、移動機構M2・G3・G2により遮蔽板206を図14のように小サイズ用紙の位置へ回転移動させる(S3)。即ち、小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置へ回転移動させる。
また、第1の駆動モータM1の駆動停止制御により加圧ローラ210の駆動を停止させる(S4)。また、画像形成動作を停止させる(S5)。ステップS3〜S5は同時的になされる。そして、操作部Cの表示部C2あるいはホスト装置Dの表示部にエラー表示をする(S6)。
このように制御することで、照度の高い端部照射領域208bにおけるオーバーシュートによる輻射熱を漏れ光なく遮蔽し、オーバーシュートによって加熱される領域は中央照射領域208aだけになる。中央照射領域208aは図8の(b)に示してようにピーク照度が低いためベルト202の上限温度250℃を超えることが無い。
上記1)と2)の制御をまとめると次の通りである。制御部Bは、ベルト202が回転途中において停止あるいは回転速度が所定以下に低下したときは、ヒータ201への給電を停止する。これと共に、移動機構M2・G3・G2を制御して照射領域208における輻射熱の照度が高い照射領域への輻射熱を遮蔽する位置に遮蔽板206を移動させる。これにより、ベルト202が上限温度250℃を超えることが無い。
(8)比較例
以下は上記構成の実施例の効果確認のための比較例である。
[比較例1]
図15は比較例1の説明図である。(a)は、遮蔽板206がベルト内面の最小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置に移動した状態における、ヒータ201、反射板203、遮蔽板206の構成を示した模式図である。(b)は(a)における断面900の位置でのベルト202の断面を示した図である。照射領域208cは実施例の照射領域208aと同じ幅で設定した。
比較例1では照射領域208cは断面900の位置において遮蔽板206によって輻射熱が遮蔽されるが、照射領域208cが遮蔽板206によって遮蔽できる範囲より広い。そのため、遮光しきれない領域901の部分から輻射熱が漏れ光としてベルト内面に照射される。この漏れ光による加熱で通紙枚数が多い時には端部が過剰に昇温してしまう。
漏れ光を防ぐために照射領域208cを遮蔽できるサイズまで遮蔽板206の段差を大きくするとベルトΦ30mm内に比較例1の構成が収まらず装置が大型化してしまう。比較例1の構成ではベルトΦ30mmに収めるため、漏れ光の領域901ができてしまう。
また、ジャム時には実施例と同様に図1に示した制御フローに従ってヒータ201への通電を停止し、遮蔽板206を最小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置へ回転機構M2、ギアG3、ギアG2で回転移動させる。
[比較例2]
図16は比較例2の説明図である。(a)は遮蔽板206がベルト内面の最小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置に移動した状態におけるヒータ201、反射板203、遮蔽板206の構成を示した模式図である。(b)は(a)における断面1000の位置でのベルトの断面を示した図である。照射領域208dは実施例の照射領域208bと同じ幅で設定した。
輻射領域208dは断面1000の位置において遮蔽板206によって輻射熱が遮蔽される。このとき、照射領域208dが遮蔽板206によって遮蔽できる範囲より狭いため、漏れ光が無く、比較例1に対して端部の過剰昇温が抑制される。
また、ジャム時には実施例と同様に図1に示したフローに従ってヒータ201への通電を停止し、遮蔽板206を最小加熱幅(ここでははがきサイズ用紙幅)の位置へ回転機構M2、ギアG3、ギアG2で回転移動させる。
比較例2は比較例1と比べて集光率が照射領域208dの長手全域にわたって高く設定されているため、中央部の常に開口されている領域では照度が比較例1よりも高くなる。
通紙状態ではベルト202は回転しているため、ベルト202の周方向全体が加熱される。しかし、ジャム発生によってベルト202が停止すると、ヒータ201のオーバーシュートによって中央部の常に開口されている部分は比較例1よりも過剰に温度上昇してしまい、ベルトの上限温度250℃を超えてダメージが蓄積されやすい。
[効果の確認1]
確認実験では端部昇温の抑制効果を実施例と比較例1、比較例2と比較する。定着処理条件として、ベルト202の裏側にサーミスタを設置し、サーミスタの温度が230℃となるように温調制御を行い、ベルト202の加圧力を総圧で32kgf、ベルト202の回転速度を246mm/sとした。用紙Pははがきサイズ用紙を用い、遮蔽板206をはがきサイズ用紙の通紙に対応した最小加熱幅の位置で通紙を行った。ベルト温度は放射温度計(KEYENCE社製、FT−H30)で測定した。
上記の端部昇温の試験結果を図17に示す。実施例と比較例2は図14、図16に示すように通紙領域の端部からの漏れ光がないため端部昇温が180℃までに抑制され端部昇温抑制効果があった。
一方、比較例1は図15に示したように漏れ光の領域901により通紙された用紙の外側が加熱されるため、端部昇温が240℃まで上昇した。
[効果の確認2]
確認実験として定着装置200を空回転させながらヒータ201を発熱させ、ベルト202を温度200℃まで昇温させたところで加圧ローラ210およびベルト202の回転駆動を止めた。同時に遮蔽板206を最小加熱幅の位置に回転移動させ、ヒータ201への通電を停止した。このときのオーバーシュートによって昇温したベルト温度を放射温度計(KEYENCE社製、FT−H30)で測定した。
図18は上記確認実験における実施例と比較例1、比較例2の場合でベルト202の最高到達温度を比較したグラフである。実施例と比較例1は輻射熱の照射領域内のピーク照度が同程度であるため、ベルト202の最高到達温度が136℃であり、比較例2は274℃であった。
以下に効果確認1、2をまとめた表1を示す。端部昇温抑制の判定は比較例1よりも10℃以上の効果があればOK、10℃以上の効果がなければNGとした。オーバーシュートによる昇温の抑制は250℃より低ければOK、250℃以上のときNGとした。
以上のように中央部よりも端部の集光率を上げることで、端部昇温抑制効果と、ジャム時のオーバーシュートによるベルト202への熱的ダメージ低減を両立させることができた。
《その他の事項》
ここで、本発明は上記の実施例の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施例の形態の中で示唆した以外にも、実施例の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、構成部材の数、位置、形状等は実施例の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1)実施例の定着装置200では、遮蔽板206の複数の開口部は、遮蔽板206の幅方向の端部から幅方向の中央部に向けてベルト202の周方向における開口長さが段階的に大きくなるように形成した。しかし、段階的ではなく、連続的に大きくなるように形成されてもよい。
2)実施例の定着装置200では、ヒータ201を1本設置した装置構成にしたが、ヒータを複数本設置した装置構成にすることもできる。
3)実施例では、加熱回転体202として、駆動回転体としての加圧ローラ210の回転駆動で従動回転する筒状のベルトを用いた装置で説明した。これに限定されず、加熱回転体は剛性を有する筒状の駆動回転体の形態にすることもできる。
4)加圧部材210を回転可能な無端ベルト体の形態にすることもできる。
5)本発明の画像加熱装置は実施例のように用紙Pに担持された未定着トナー像Taを加熱加圧して固着画像として加熱定着する定着装置としての使用に限定されない。用紙Pに一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)を加熱加圧して光沢度を向上させるなどの画像の表面性を調整する加熱処理装置としても有効である。
6)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、用紙に対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
7)制御部Bは画像形成に係る制御と定着に係る制御を兼用する制御手段(画像形成装置に備わるCPU)であっても、専ら定着に係る制御を行う制御手段であっても良い。
8)定着装置(画像加熱装置)200は、画像形成装置の内部に固設されているものに限らず、ユニット化されて画像形成装置の外部へ取り外し交換できるものであっても良い。この場合、制御部Bを含めて取り外し交換されるものでも良いし、制御部Bを除いて取り外し交換されるものでも良い。また、定着装置は、画像形成装置とは独立して、定着装置単独で用いられるものであっても良い。
200・・画像加熱装置(定着装置)、202・・加熱回転体(定着ベルト)、210・・加圧部材(加圧ローラ)、N・・ニップ部、201・・発熱体(輻射熱源)、203・・反射部材、206・・遮蔽部材、208・・照射領域、M2・G3・G2・・移動機構、B・・制御部、P・・記録材、Ta・・トナー像

Claims (7)

  1. トナー像を担持した記録材をニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
    中空の加熱回転体と、
    前記加熱回転体と前記ニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱回転体の内側に配置され通電により輻射熱を発する発熱体と、
    前記加熱回転体の内側に配置され前記発熱体が発する輻射熱を前記加熱回転体の内面の周方向の一部領域である照射領域に向けて反射する反射部材と、
    前記加熱回転体の内側の前記発熱体と前記照射領域の間であって、前記発熱体を中にして前記反射部材に対向する位置に配置され、前記加熱回転体の周方向に変位可能で、前記発熱体から前記照射領域への輻射熱を遮断する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材を移動させる移動機構と、
    制御部と、を有し、
    前記反射部材は、前記照射領域の長手方向の端部と中央部に関して、端部に対する輻射熱の照度が中央部よりも高く、端部に対する照射面積が中央部よりも狭くなるように構成されており、
    前記遮蔽部材は、前記発熱体から前記照射領域への輻射熱の供給量を装置に導入される記録材の幅サイズに応じて変更する段差形状を持ち、
    前記制御部は、装置に対する記録材導入状態においては指定された記録材の幅サイズに応じて前記照射領域への輻射熱の供給量が変更されるように前記移動機構を制御することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記制御部は、前記加熱回転体が回転途中において停止あるいは回転速度は所定以下に低下したときは、前記発熱体への給電を停止すると共に、前記移動機構を制御して前記照射領域における輻射熱の照度が高い照射領域への輻射熱を遮蔽する位置に前記遮蔽部材を移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記照射領域の長手方向の端部と中央部に関して前記発熱体から照射される輻射熱の総熱量は端部と中央部でほぼ同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加熱回転体の内面に摺接するように配置された摺接部材を有し、前記加圧部材は前記摺接部材との間で前記加熱回転体を挟むこと前記加熱回転体との間に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記加熱回転体が可撓性を有する無端ベルトであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記加熱回転体がローラであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記加圧部材が駆動回転体であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像加熱装置。
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