以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。以下では、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、以下の説明では、特に言及しない限り、軸方向は回転中心Ax(回転軸)の軸方向、径方向は回転中心Axの径方向、周方向は回転中心Axの周方向である。
<第1実施形態>
本実施形態のダンパ装置100およびクラッチ装置200(図1参照)は、例えば、エンジン(動力装置、図示されず)とトランスミッション(変速装置、図示されず)との間に位置される。ダンパ装置100は、フライホイールダンパの一例である。また、ダンパ装置100は、エンジンとクラッチ装置200との間に位置され、クラッチ装置200は、ダンパ装置100とトランスミッションとの間に位置される。なお、ダンパ装置100は、エンジンとトランスミッションとの間には限られず、他の位置にも設けられうるし、種々の車両(例えば、ハイブリッド自動車)や、回転要素を有した機械等にも設けられうる。また、ダンパ装置100は、クラッチ装置200との組み合わせにも限定されない。
ダンパ装置100は、回転中心Ax回りに回転する。ダンパ装置100は、全体としては、回転中心Axの軸方向に薄い扁平な円盤状に構成されている。
ダンパ装置100は、部材101や、部材102、弾性部材103、摩擦部材104、弾性部材105、可動部106等を備えている。部材101および部材102のうち一方(例えば、部材101)が入力側(エンジン側)に接続され、他方(例えば、部材102)が出力側(トランスミッション側)に接続される。ダンパ装置100では、部材101と部材102との間に設けられる弾性部材103が、部材101と部材102との相対的な回転に伴って弾性的に伸縮することにより、トルク変動が緩和される。部材101は、第一の部材の一例であり、部材102は第二の部材の一例である。弾性部材103は、第一の弾性部材の一例である。
部材101(ドライブプレート、サイドプレート)は、壁部111,112,113を有する。壁部111(プレート)は、回転中心Axと交叉する(例えば、略直交する)円板状に構成されている。壁部113(プレート)は、回転中心Axと交叉する(例えば、略直交する)円環状かつ板状に構成されている。壁部113は、壁部111の軸方向の一方側(図1では左側)に位置されている。壁部113は、壁部111の径方向の外側の端部(外周部)に対して間隔をあけて軸方向に面している。壁部112(プレート)は、回転中心Axを中心とする円筒状に構成されている。壁部112は、壁部111の径方向の外側の端部と、壁部113の径方向の外側の端部との間に亘っている。なお、壁部112は、径方向の外側に凸に曲がっていてもよい。また、壁部112は、壁部111,113の少なくとも一方の一部として構成される。その場合、壁部112は、例えば当該一方が屈曲された部分として構成される。部材101(壁部111,112,113)は、例えば、金属材料で構成される。部材101は、エンジンのシャフト1と一体的に回転する。
部材101の径方向の外側の端部には、壁部111,112,113によって、室107が構成されている。室107は、軸方向かつ径方向に所定の幅を有し周方向に沿って円弧状に延びている。室107には、弾性部材103が収容されている。弾性部材103は、例えば、周方向に沿って円弧状に延びて当該周方向に沿って伸縮する。弾性部材103は、例えばコイルスプリングである。なお、複数の室107が周方向に分けて設けられてもよい。その場合、複数の室107のそれぞれに、弾性部材103が収容される。また、室107の径方向の内側の端部には、当該径方向の内側に向けて開放された開口部107aが設けられている。室107内には、潤滑剤(例えば、グリス)が収容されている。潤滑剤により、室107内に位置される部品(例えば弾性部材103等)が移動や変形する際の抵抗の増大が抑制されるとともに、当該部品の摩耗が抑制される。
部材102(ドリブンプレート、センタープレート)は、壁部121を有する。壁部121は、部材101の壁部111の軸方向の一方側(図1では左側)に位置されている。壁部121は、回転中心Axと交叉する(例えば、略直交する)円環状かつ板状に構成されている。部材102は、少なくとも所定の角度範囲内では、部材101に対して相対的に回転可能に設けられている。壁部121(部材102)には、スプライン結合部102cが設けられている。スプライン結合部102cは、接続部21の第一部分21aに支持されている。部材102は、接続部21と一体的に回転する。部材102は、例えば、金属材料で構成される。
部材101は、弾性部材103の周方向の一方側の端部を支持する部分101aを有している。一方、部材102は、弾性部材103の周方向の他方側の端部を支持する部分102aを有している。弾性部材103は、部分101aと部分102aとの間に位置されている。弾性部材103は、例えば、金属材料で構成され、周方向または径方向との交叉方向に略沿って伸縮するコイルスプリングである。部材101と部材102との相対的な回転によって弾性部材103の周方向の両側に位置される部分101aと部分102aとが互いに近付くと、弾性部材103が弾性的に縮み、部材101と部材102との相対的な回転によって部分101aと部分102aとが互いに遠ざかると、弾性部材103が弾性的に伸びる。弾性部材103は、弾性的に縮むことにより部材101と部材102との間のトルク差を弾性力として一時的に蓄え、蓄えた弾性力を弾性的に伸びることにより部材101および部材102にトルクとして放出する。このようにして、ダンパ装置100は、弾性部材103によってトルク変動を緩和することができる。
摩擦部材104は、部材101と部材102との間に介在している。本実施形態では、摩擦部材104は、壁部111と壁部121との間に軸方向に挟まれている。摩擦部材104は、回転中心Axと交叉する(例えば、略直交する)円環状かつ板状に構成されている。摩擦部材104は、例えば、合成樹脂材料で構成されている。摩擦部材104は、部材101,102のうち少なくとも一方と摺動する。本実施形態では、摩擦部材104は、部材102に支持されて部材102と一体的に回転する。具体的には、摩擦部材104の突出部104aが、部材102に設けられた開口部102bに収容されている。突出部104aと開口部102b(の縁部、内面)とが互いに引っ掛かることにより、摩擦部材104と部材102とが一体的に回転する。部材101と部材102とが相対的に回転する場合に、摩擦部材104は、当該摩擦部材104と摺れる部材(本実施形態では、例えば、部材101)に摩擦トルク(摩擦抵抗、摺動抵抗)を与える。なお、摩擦部材104は、部材101に支持された部材の一例である。
摩擦部材104による摩擦トルク(抵抗トルク)は、摩擦部材104と当該摩擦部材104と摺れる部材(本実施形態では、例えば、部材101)との摩擦面Sに作用する摩擦面と垂直方向(軸方向)の力の大きさに応じて定まる。本実施形態では、摩擦面Sに作用する力の大きさが切り替わるよう構成されている。力の大きさの切り替えに伴って摩擦トルクの大きさが変化する。
また、摩擦部材104は、室107の開口部107a内あるいは開口部107aに隣接して設けられ、開口部107aを覆っている。摩擦部材104によって、室107に収容された潤滑剤が開口部107aから出るのが抑制される。また、摩擦面Sは、開口部107aとは離れて設定されている。よって、潤滑剤によって摩擦面Sでの摩擦トルクが低下するのが抑制されている。
弾性部材105は、摩擦部材104と、当該摩擦部材104と摺れる部材(本実施形態では、例えば、部材101)とが摩擦面Sで互いに押す力を与える。本実施形態では、弾性部材105は、壁部121と壁部113との間に位置され、壁部121および壁部113に、それらが互いに離れる方向に弾性力を与える。弾性部材105は、例えば、金属材料で構成された円環状(円筒状)の板バネ(皿バネ、コーンスプリング)である。本実施形態では、弾性部材103の弾性力によるトルク変動の緩和が行われている通常の使用状態で、弾性部材105が与える力による比較的小さい摩擦トルクが生じる。この摩擦トルクにより、弾性部材103によるトルクの蓄積および放出が急激に行われるのが抑制される。弾性部材105は、第二の弾性部材の一例である。
また、ダンパ装置100は、軸方向に移動可能に設けられた可動部106を備える。本実施形態では、可動部106の動作によっても、摩擦トルクを変化させることができる。可動部106の構成、動作(作用)、ならびに効果については、クラッチ装置200の説明の後に説明される。
クラッチ装置200は、二つの回転伝達部10,20を備えた所謂ツインクラッチである。クラッチ装置200では、図示されないアクチュエータによって、可動部(部材14,24,15,25,16,26や、ベアリング31,32等)が軸方向に沿って動かされることにより、回転伝達部10および回転伝達部20のうち一方で選択的に回転(トルク)が伝達される状態と、回転伝達部10および回転伝達部20の双方での回転の伝達が遮断された状態と、を切り替えることができる。回転伝達部10は、部材2とシャフト3との間の回転の伝達状態を変化させることができる。回転伝達部20は、部材2とシャフト4との間の回転の伝達状態を変化させることができる。部材2は、トルクの入力部材および出力部材のうち一方である。シャフト3,4は他方である。なお、回転伝達部10,20は、それぞれ、入力トルクに対して出力トルクが減る所謂半クラッチ状態での回転の伝達も可能である。
クラッチ装置200は、回転伝達部10による回転の伝達および遮断に関わる部品としては、部材2,13〜16、シャフト3、ならびにベアリング31を備える。部材2,13〜16ならびにシャフト3は、いずれも金属材料等で構成されうる。
シャフト3,4は、ケース5(例えばトランスミッションケース)に、軸受部(図示されず)を介して回転可能に支持されている。シャフト3,4は、それらの中心軸である回転中心Ax回りに回転する。すなわち、シャフト3,4は同心の多重の(本実施形態では、例えば二重の)回転体である。シャフト3,4のうち一方は少なくとも部分的に筒状に構成される。他方は一方の筒状部内に位置される。
ケース5には、突出部51が設けられている(固定されている、結合されている)。突出部51は、シャフト3,4を径方向の外側(外周側)から覆う。突出部51は、壁部52から軸方向の他方側(図1では右側)に向けて筒状(円筒状)に突出している。突出部51は、ケース5の他の部分(例えば、壁部52)と一体成形されるし、あるいは、他の部分とは別部材として構成され当該他の部分に結合具(ねじ、リベット等、図示されず)等を用いて一体化される。
部材2(例えば、クラッチカバー)は、回転中心Ax回りに回転可能に設けられる。部材2は、壁部2a,2b,2cを有する。壁部2aは、円環状かつ板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。壁部2bは、壁部2aから軸方向の一方側(図1の左側)に向けて突出し、円筒状に構成されている。壁部2cは、壁部2bに接続(結合、固定)されている。壁部2cは、円板状に構成され、回転中心Axと交叉して広がっている。また、ベアリング33(軸受部)の一方の回転部分(例えば、径方向の内側の回転部分)は、突出部51と接続(結合、固定)され、他方の回転部分(例えば、径方向の外側の回転部分)は、壁部2c(部材2)の径方向の内側の端部と接続(結合、固定)されている。壁部2c(部材2)は、ベアリング33によって、回転中心Ax回りに回転可能に支持されている。なお、部材2は、軸方向には移動しない。
壁部2aには、接続部21(接続部材、結合部材)が結合されている。接続部21は、第一部分21a、第二部分21b、および第三部分21cを有する。第一部分21aは、円筒状に構成されている。第一部分21aは、ダンパ装置100の部材102(壁部121のスプライン結合部102c)を軸方向に移動可能に支持している。第一部分21aは部材102と一体的に回転する。すなわち、ダンパ装置100から出力されたトルクは、接続部21を介して、部材2に入力される。第二部分21bおよび第三部分21cを含む複数のL字状部分が、第一部分21aから突出している。複数のL字状部分が、周方向に間隔をあけて設けられている。なお、図1には、一つのL字状部分(第二部分21bおよび第三部分21c)のみが示されている。第二部分21bは、板状あるいは棒状に構成され、第一部分21aから径方向の外側に向けて突出している。第三部分21cは、板状あるいは棒状に構成され、第二部分21bから軸方向の一方側に向けて軸方向に沿って突出している。そして、第三部分21cの軸方向の一方側の端部が、壁部2aに結合(固定)されている。第三部分21cは、部材24の壁部24aに設けられた開口部24dを貫通している。壁部24aには、複数の第三部分21cのそれぞれに対応して、複数の開口部24dが設けられている。接続部21は、例えば、金属材料で構成される。
部材13(例えば、第一のクラッチディスク)は、壁部2aの軸方向の一方側(図1では左側)に設けられている。部材13は、壁部13aならびにスプライン結合部13bを有する。壁部13aは、円板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。部材13は、シャフト3と一体的に回転する。また、部材13は、軸方向に移動可能に設けられている。具体的には、壁部13aは、シャフト3に、円筒状のスプライン結合部13bを介して支持されている。また、壁部13aは、壁部2a,14aの間に位置されて壁部2a,14aによって挟まれる領域を有している。壁部13aの軸方向の両側には、摩擦材13c(摩擦部材)が設けられている。
部材14(例えば、第一のプレッシャプレート)は、壁部14aを有する。壁部14aは、円環状かつ板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。部材14は、軸方向に移動可能に部材2に支持される。また、部材14は、部材2と一体的に回転するよう構成されている。
図1,2に例示されるように、部材14は、位置P1(図2)と位置P2(図1)との間で軸方向に移動することができる。壁部13aは、位置P1では、壁部2aと壁部14aとの間に摩擦材13cを介して挟まれる。この状態では、壁部2aと壁部13aとの間で回転が伝達される(伝達状態)。壁部13aは、位置P2では、位置P1よりも壁部2aおよび壁部14aの双方から離間する。この状態では、壁部2aと壁部14aとの間の回転の伝達が遮断される(遮断状態)。摩擦材13cは、壁部2aと壁部13aとの間、ならびに壁部13aと壁部14aとの間のそれぞれに、介在する。壁部14aの位置によっては、摩擦材13cと壁部2a,14aとの間ですべりが生じる状態(所謂半クラッチ状態)にもなる。なお、摩擦材は、壁部2a,14aにも設けられうる。
部材15(例えば、第一のレリーズプレート)は、壁部15a、貫通部15b、接続部15cを有する。壁部15aは、例えば、ダイヤフラムスプリング(弾性部材)であり、円環状(円錐状)のばね部15a1(コーンスプリング)と、ばね部15a1から周方向に沿って略等角度間隔で径方向の内側に向けて片持ち状(例えば三角形状)に伸びた複数のレバー部15a2とを有する。貫通部15bは、板状あるいは棒状に構成され、軸方向に沿って延びている。接続部15cは円筒状に構成されている。接続部15cからは、周方向に沿って略等角度間隔で並べられた複数の貫通部15bが、軸方向の他方側(図1の右側)に向けて突出している。貫通部15bは、壁部2cに設けられた開口部2dを貫通している。貫通部15bの軸方向の他方側の端部に、壁部15aが接続(支持、接触)されている。
部材15は、ベアリング31(軸受部)を介して、回転中心Ax回りに回転可能に、突出部51に支持されている。ベアリング31の一方の回転部分(例えば、径方向の内側の回転部分)は、突出部51に対して相対的に回転しないよう構成されるとともに、軸方向に移動可能に突出部51に支持されている。一方、ベアリング31の他方の回転部分(例えば、径方向の外側の回転部分)は、接続部15cと接続(支持)されている。すなわち、部材15は、ベアリング31を介して、突出部51に、軸方向に移動可能に支持されるとともに、回転中心Ax回りに回転可能に支持されている。また、部材15は、部材2,15間の周方向の引っ掛かりや、摩擦等によって、部材2と一体的に回転する。
部材16(例えば、第一のレバー、第一のフォーク)は、ケース5に対して軸方向に移動可能に設けられている。部材16は、延部16a(アーム部、レバー部、壁部)を有する。延部16aは、径方向に沿って延びており、板状あるいは棒状に構成されている。延部16aは、ベアリング31の突出部51に支持される側の回転部分(例えば、径方向の内側の回転部分)と接続(結合、固定)されている。よって、アクチュエータ(図示されず)が部材16を軸方向に動かし、これにより、部材15ひいては部材14が軸方向に動いて、回転伝達部10の伝達状態、半クラッチ状態、遮断状態が切り替わる。
一方、クラッチ装置200は、回転伝達部20による回転の伝達および遮断に関わる部品としては、部材2,23〜26、シャフト4、ならびにベアリング32を備える。部材23〜26ならびにシャフト4は、いずれも金属材料等で構成されうる。
部材23(例えば、第二のクラッチディスク)は、壁部2aの軸方向の他方側(図1では右側)に設けられている。部材23は、壁部23aならびにスプライン結合部23bを有する。壁部23aは、円板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。部材23は、シャフト3と一体的に回転する。また、部材23は、軸方向に移動可能に設けられている。具体的には、壁部23aは、シャフト3に、円筒状のスプライン結合部23bを介して支持されている。また、壁部23aは、壁部2a,24aの間に位置されて壁部2a,24aによって挟まれる領域を有している。壁部23aの軸方向の両側には、摩擦材23cが設けられている。
部材24(例えば、第二のプレッシャプレート)は、壁部24a,24b,24cおよび突出部24eを有する。壁部24aは、円環状かつ板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。壁部24aには、周方向に沿って間隔をあけて複数の開口部24dが設けられている。壁部24bは、円筒状に構成されている。壁部24cは、円環状に構成され、壁部24bに接続(結合、固定)されている。突出部24eは、板状あるいは棒状に構成されている。壁部24aからは、周方向に沿って間隔をあけて配置された複数の突出部24eが、軸方向に沿って軸方向の他方側(図1では右側)に向けて櫛歯状に突出している。突出部24eと接続部21の第二部分21bとは、周方向に互い違いに(交互に)配置されている。部材24は、軸方向に移動可能に部材2に支持される。また、部材24は、部材2と一体的に回転するよう構成されている。
図1,3に例示されるように、部材24は、位置P3(図3)と位置P4(図1)との間で軸方向に移動することができる。壁部23aは、位置P3では、壁部2aと壁部24aとの間に摩擦材23cを介して挟まれる。この状態では、壁部2aと壁部23aとの間で回転が伝達される(伝達状態)。壁部23aは、位置P4では、位置P3よりも壁部2aおよび壁部24aの双方から離間する。この状態では、壁部2aと壁部24aとの間の回転の伝達が遮断される(遮断状態)。摩擦材23cは、壁部2aと壁部23aとの間、ならびに壁部23aと壁部24aとの間のそれぞれに、介在する。壁部24aの位置によっては、摩擦材23cと壁部2a,24aとの間ですべりが生じる状態(所謂半クラッチ状態)にもなる。なお、摩擦材は、壁部2a,24aにも設けられうる。
部材25は(例えば、第二のレリーズプレート)は、壁部25aを有する。壁部25aは、部材2の壁部2cの壁部15aとは反対側に位置している。壁部25aは、例えば、ダイヤフラムスプリング(弾性部材)であり、円環状(円錐状)のばね部25a1(コーンスプリング)と、ばね部25a1から周方向に沿って略等角度間隔で径方向の内側に向けて片持ち状(例えば三角形状)に伸びた複数のレバー部25a2とを有する。ベアリング32(軸受部)は、壁部25aの径方向の内側の端部と接続(支持)されている。
部材25は、ベアリング32を介して、回転中心Ax回りに回転可能に、部材15の接続部15cに支持されている。ベアリング32の一方の回転部分(例えば、径方向の内側の回転部分)は、部材15に対して相対的に回転しないよう構成されるとともに、軸方向に移動可能に部材15に支持されている。一方、ベアリング32の他方の回転部分(例えば、径方向の外側の回転部分)は、壁部25aと接続(結合)されている。部材25は、部材2,25間の周方向の引っ掛かりや、摩擦等によって、部材2と一体的に回転する。すなわち、部材25は、ベアリング32を介して、部材15に、軸方向に移動可能に支持されるとともに、回転可能に支持されている。
部材2(の壁部2c)と部材25(の壁部25a)との間には弾性部材27(例えば、コーンスプリング、ダイヤフラムスプリング)が介在している。弾性部材27は、部材2に対して部材25に軸方向の力(荷重)を与えることができる。弾性部材27によって、部材24や部材26を押す力を得ることができる。
部材26(例えば、第二のレバー、第二のフォーク)は、ケース5に対して軸方向に移動可能に設けられている。部材26は、延部26a(アーム部、レバー部、壁部)を有する。延部26aは、径方向に沿って延びており、板状かつ帯状あるいは棒状に構成されている。延部26aは、ベアリング32の部材25に支持される側の回転部分(例えば、径方向の内側の回転部分)と接続(結合、固定)されている。よって、アクチュエータ(図示されず)が部材26を軸方向に動かし、これにより、部材25ひいては部材24が軸方向に動いて、回転伝達部20の伝達状態、半クラッチ状態、遮断状態が切り替わる。なお、部材26は、部材25に替えて突出部51に、ベアリング(図示されず)を介して支持されうる。
本実施形態では、部材24が、ダンパ装置100の部材101(第一の部材)と部材102(第二の部材)との摩擦トルクを増大することが可能な可動部106として機能する。可動部106は、アクチュエータ(図示されず)によって部材26,25を介して軸方向に動かされる。具体的に、可動部106は、位置P5(第一の位置、図1)と、位置P6(第二の位置、図4)との間で軸方向に移動することができる。位置P5では、部材101と部材102との相対的な回転が許容され、位置P6では、部材101と部材102との相対的な回転が抑制される。アクチュエータによって部材24(可動部106)が部材102(壁部121)に押し付けられ、これにより、摩擦部材104と部材101との摩擦面Sでの摩擦トルク(摩擦抵抗、摺動抵抗)が大きくなる。可動部106が位置P5に位置している状態、すなわち、可動部106によっては部材101と部材102との相対的な回転が抑制されていない状態では、部材101に、弾性部材103を介して、比較的質量の大きなクラッチ装置200が揺動可能に支持されている。よって、例えば、エンジンのクランキング中などの低回転の状態等で、シャフト1の回転変動が大きくなったり、クラッチ装置200の音や振動が大きくなったりする虞がある。
この点、本実施形態によれば、例えば、必要に応じて可動部106を位置P5(第一の位置、図1)から位置P6(第二の位置、図4)に移動することで、部材101(第一の部材)と部材102(第二の部材)との相対的な回転が抑制され(例えば停止され)、弾性部材103(第一の弾性部材)の弾性的な伸縮が抑制される(例えば伸縮しない状態となる)。よって、例えば、部材101に弾性部材103を介してクラッチ装置200が揺動可能に支持された状態が、解消されやすい。したがって、本実施形態によれば、例えば、回転変動や、音、振動等がより低減されやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106が位置P6に位置された状態で、摩擦部材104を用いて、部材101と部材102との相対的な回転が抑制される。よって、本実施形態によれば、例えば、摩擦部材104を用いた比較的簡単な構成で、可動部106によって部材101と部材102との相対的な回転が抑制される状態が得られやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106が位置P5に位置された状態にあっても、部材101と部材102との間で、可動部106が位置P6に位置された状態よりも小さい摩擦トルクが生じる。よって、本実施形態によれば、例えば、通常のエンジンの使用状態等において、摩擦部材104を、部材101と部材102との急な角度差が生じるのを抑制するのに、用いることができる。よって、例えば、摩擦部材104等の部品の共用化を図ることができ、可動部106が位置P6に位置されることによる効果を得るための部品と、部材101と部材102との急な角度差が生じるのを抑制するための部品とが別個に設けられた場合に比べて、構成がより簡素化されたりより小型化されたりしやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106が位置P5に位置された状態で、弾性部材105(第二の弾性部材)によって、摩擦部材104と部材101(摩擦部材104と擦れる部材)とを押す力を与える。よって、本実施形態によれば、例えば、可動部106が位置P5に位置された状態にあっても、摩擦部材104による摩擦トルクがより適切な大きさに設定されやすい。
また、本実施形態では、例えば、摩擦部材104が、室107(収容部)から潤滑剤が出るのを抑制する。よって、本実施形態によれば、例えば、摩擦部材104とは別に室107から潤滑剤が出るのを抑制する部材が設けられた場合に比べて、構成がより簡素化されやすい。
また、本実施形態では、例えば、摩擦部材104と部材101とが摺動する摩擦面S(部位)が、室107と外れて位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、潤滑剤によって摩擦面Sでの摩擦トルクが低下するのが抑制されやすい。
また、本実施形態では、例えば、室107には、弾性部材103が収容されている。よって、本実施形態によれば、例えば、弾性部材103がより円滑に伸縮しやすくなったり、弾性部材103の摩耗が抑制されたりといった効果が得られる。
また、本実施形態では、例えば、可動部106は、回転中心Axの軸方向に移動可能である。よって、本実施形態によれば、他の方向に動く可動部が設けられる場合に比べて、可動部106がより簡素に構成されやすい。また、例えば、クラッチ装置200の可動部(例えば部材24等)と共用されやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106は、位置P6では、部材101、部材102、および部材101または部材102に支持された部材のうち一つ(本実施形態では、例えば部材102、接触した部材)と接触し、位置P5では、当該接触した部材から離間してもよい。この構成の場合には、例えば、位置P5では、可動部106が部材101,102の相対的な回転の妨げにならずに済む。よって、例えば、可動部106が部材101と部材102との相対的な回転の抑制(停止)に使用されていない状態で、当該可動部106によって不都合が生じるのが抑制されやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106は、部材24と結合(固定)されており、部材24と軸方向に一体的に動く。すなわち、可動部106の位置に応じて、クラッチ装置200の回転伝達部20で伝達されるトルクが変化する。よって、本実施形態によれば、例えば、部材24や、アクチュエータ(図示されず)等、クラッチ装置200と部品が共用されやすい。
また、本実施形態では、例えば、可動部106が、位置P6に位置された状態では、クラッチ装置200(の回転伝達部20)では、トルクが伝達されない。よって、本実施形態では、例えば、弾性部材103が機能していない状態(例えば、ロックされている状態)となることによる影響が生じ難い。
ここで、図5,6が参照されて、ダンパ装置100とクラッチ装置200(の回転伝達部20)とで共用されるアクチュエータ304(図5参照)の動作の一例が説明される。図5に示されるように、ダンパ装置100(クラッチ装置200)は、ECU301(electronic control unit)や、操作部302、スタータモータ303、アクチュエータ304、センサ305等を備える。ECU301は、制御部の一例である。操作部302は、エンジンの始動のトリガとなる操作部(入力操作部、入力部、始動操作部)であって、例えば、イグニッションスイッチや、操作ボタン等である。また、操作部302は、エンジンの停止のトリガとなる停止操作部(操作部、入力操作部、入力部)としても機能することができる。アクチュエータ304は、可動部106(部材24)を軸方向に動かすとともに、可動部106を軸方向に押す力を発生することができる。アクチュエータ304は、例えば、リニアアクチュエータや、モータ等の駆動源と、運動変換機構(減速機構や、リンク機構、方向変換機構等)とを有することができる。センサ305は、少なくともエンジンの始動あるいは停止がわかる信号を出力する。また、センサ305は、例えば、エンジンの回転数(回転速度)を示す信号(データ)を出力する回転速度センサであることができる。ECU301は、エンジンの回転数がアイドリング状態に対応した回転数(例えば、700rpm)となった場合に、エンジンの始動が完了したと判断することができる。その場合、ECU301は、アイドリング状態(始動完了)の判断の条件として、エンジンの回転数の所定時間あたりの変動が閾値以内であることを付加しても良い。また、ECU301は、エンジンが停止している状態で操作部302が操作された場合(始動操作時、例えば当該始動操作から所定時間内)に、エンジンの回転数が上昇し、所定の回転数(閾値、第一の回転数、第一の閾値)に達した場合に、エンジンが始動したとみなす(判断する)ことができる。ここで、所定の回転数に達した場合とは、エンジンの回転数が上昇して所定の回転数と同じかあるいはより高くなった場合(高い場合)である。また、ECU301は、エンジンが動作している状態で操作部302が操作された場合(停止操作時、例えば当該停止操作から所定時間内)に、エンジンの回転数が低下し、所定の回転数(閾値、第二の回転数、第二の閾値)に達した場合に、エンジンが停止したとみなす(判断する)ことができる。ここで、所定の回転数に達した場合とは、エンジンの回転数が低下して所定の回転数と同じかあるいはより低くなった場合(低い場合)である。なお、エンジンの始動の場合の所定の回転数(第一の回転数)とエンジンの停止の場合の所定の回転数(第二の回転数)とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、所定の回転数(第一の回転数、第二の回転数)は、例えば、エンジン爆発の最低回転数(例えば、300rpm)とアイドリング状態での回転数(例えば、700rpm)との間であることができる。
また、可動部106は、エンジンの停止状態、すなわち停車状態では、ECU301によって制御されたアクチュエータ304の動作によって、位置P5と位置P6との間を自在に移動可能となるように、構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、エンジン停止状態(すなわち停車状態)では可動部106は位置P5に位置することができる。よって、例えば、可動部106の比較的長時間にわたる押圧によるクラッチ装置200あるいはダンパ装置100を構成する部品の反り等が抑制され、ひいては、クラッチ性能やダンパ性能の変化が抑制されうる。
図6に示されるように、操作部302が操作されると(S1)、ECU301は、可動部106が位置P5(第一の位置)から位置P6(第二の位置)へ移動するよう、アクチュエータ304を制御する(S2)。ただし、S1終了時点で、既に可動部106が位置P6に位置している場合には、S2は省略される。次に、ECU301は、エンジン(図示されず)が駆動するよう、スタータモータ303を駆動し(S3)、エンジンの始動が完了した場合、すなわち、例えば、センサ305の信号等からアイドリング状態であると判断された場合に(S4)、可動部106が位置P6から位置P5へ移動するよう、アクチュエータ304を制御する(S5)。なお、ECU301は、S4でエンジンの回転数が所定回転数に達した場合にS5に移行するよう、制御することができる。また、ECU301によるS5へ移行するための判断は、上述した例には限定されない。
このように、本実施形態では、例えば、部材101(第一の部材および第二の部材のうち一方、入力側の部材)がエンジンのシャフト1(出力シャフト)に接続され、可動部106は、エンジンの始動操作時には(S3)、既に位置P6に位置されており、始動完了後または始動判断後に(S4の後に)、位置P5へ移動する。よって、本実施形態によれば、エンジンが始動する場合における、エンジンが始動する前のクランキング状態、すなわち安定的なアイドリング状態が得られる前の状態で、位置P6に位置された可動部106によって部材101と部材102との相対的な回転が抑制される。よって、例えば、ダンパ系の共振現象や、回転変動、音、振動等がより低減されやすい。また、個々の部品へ入力される荷重がより小さくなりやすい。
可動部106を位置P5から位置P6に移動するタイミングは、例えば、操作部302による操作後や、スタータモータ303の駆動前等、エンジンが停止された後(例えば、直後や、停止後の所定時間経過時点等)であればよい。一例として、ECU301は、操作部302が操作されたエンジンの停止操作時において、エンジンが停止した場合あるいはエンジンの回転数が所定回転数に達した場合に、可動部106が位置P5から位置P6へ移動するよう、アクチュエータ304を制御することができる。よって、本実施形態によれば、エンジンが停止する場合においても、位置P6に位置された可動部106によって部材101と部材102との相対的な回転が抑制される。よって、例えば、ダンパ系の共振現象や、回転変動、音、振動等がより低減されやすい。また、個々の部品へ入力される荷重がより小さくなりやすい。また、ECU301は、操作部302の操作によらずにエンジンを始動する場合にも、S2以降の処理を実行することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、ダンパ装置100Aの可動部106の位置、ならびに可動部106が接触する部材(押圧する部材)が、上記第1実施形態のダンパ装置100とは異なっている。それ以外の構成や制御等は、上記第1実施形態と同様である。本実施形態によっても、同様の構成や制御に基づく同様の作用や効果が得られる。
具体的には、図7に示されるように、本実施形態では、例えば、可動部106としての突出部24eが、壁部24aの径方向の内側の端部から、接続部21を避けた状態に、具体的には、接続部21よりも径方向の内側で、突出している。そして、可動部106(突出部24e)は、図8に示されるように、位置P6では、部材102(第二の部材)では無く、部材101(第一の部材)と接触し、当該部材101の回転を抑制する(例えば止める)。クラッチ装置200では、部材24および部材102は、いずれも、部材2と一体的に回転している。よって、可動部106と部材101との回転を抑制することにより、可動部106が構成されている部材24と、部材2とを介して、部材101と部材102との相対的な回転が抑制される。よって、本実施形態によっても、例えば、部材101に弾性部材103を介してクラッチ装置200が揺動可能に支持された状態が、解消されやすい。したがって、本実施形態によれば、例えば、回転変動や、音、振動等がより低減されやすい。部材101は、可動部106が接触した部材の一例である。
<第3実施形態>
本実施形態では、クラッチ装置200B(回転伝達部10B)の構成が、上記実施形態のクラッチ装置200とは異なっている。それ以外の構成や制御等は、上記第1実施形態と同様である。本実施形態によっても、同様の構成や制御に基づく同様の作用や効果が得られる。
具体的には、図9に示されるように、本実施形態では、例えば、部材2は、部材13の壁部2aとは反対側に位置された壁部2eを有している。また、部材14は、壁部14a,14b,14cを有している。壁部2eは、円環状かつ板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。壁部2eは、壁部2bの壁部2aと壁部2cとの位置から径方向の内側に向けて突出している(張り出している)。壁部14aは、部材13の軸方向の他方側に位置されている。壁部14aは、円環状かつ板状に構成され、回転中心Axと交叉して(略直交して)広がっている。壁部14bおよび壁部14cを含む複数のL字状部分が、壁部14aから突出している。複数のL字状部分が、周方向に間隔をあけて設けられている。なお、図9には、一つのL字状部分(壁部14bおよび壁部14c)のみが示されている。壁部14bは、板状あるいは棒状に構成され、壁部14aから軸方向の一方側(図9の左側)に向けて軸方向に沿って突出している。壁部14cは、板状あるいは棒状に構成され、壁部14bの軸方向の一方側の端部から径方向の内側に向けて突出している。壁部14cは、部材2の壁部2eに設けられた開口部2fを貫通している。壁部2eには、複数の壁部14bのそれぞれに対応して、複数の開口部2fが設けられている。
このような構成では、部材14が軸方向に一方側(図9の左側)移動し、部材13が摩擦材13cを介して部材2の壁部2eと部材14の壁部14aとの間に挟まれる。すなわち、回転伝達部10Bにおける部材14の動く方向が、上記実施形態とは逆である。また、回転伝達部10Bと回転伝達部20とで、部材13,23が、部材2の異なる部位(壁部2a,2e)に押し付けられる。このように、上記実施形態とは構成が異なるクラッチ装置200Bについても、発明を適用した構成が得られる。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、複数の実施形態間で、構成を部分的に入れ替えて実施することができる。
例えば、本発明は、クラッチ装置に隣接したダンパ装置には限定されない。また、可動部、摩擦部材、あるいは可動部または摩擦部材と接触(摺動)する部材には、抵抗を高めることが可能な凸形状(例えば鋸歯形状、ギザギザ等)が設けられてもよい。また、可動部は、第二の位置では、第一の部材または第二の部材に直接接触するのではなく、第一の部材または第二の部材と一体的に回転する他の部材(支持された部材、例えば、上記実施形態での摩擦部材104等)等と接触してもよい。また、可動部の他の部材との接触部分には、摩擦材や緩衝材等が設けられてもよい。また、可動部は、摩擦(または摩擦の増大)によって第一の部材と第二の部材との相対的な回転を抑制するのではなく、引っ掛かる(係合する)ことによって相対的な回転を抑制してもよい(止めてもよい)。また、可動部は、軸方向以外に動いてもよい。また、アクチュエータは、クラッチ装置のアクチュエータとは別に設けられてもよい。また、アクチュエータは、弾性力や油圧力等、他の力を用いるものであってもよい。また、クラッチのトルク伝達状態を変化させるための機構等、クラッチ装置の構成も、上記実施形態には限定されず、種々の構成をとり得る。