JP2006283942A - トルク伝達装置、クラッチ装置及びトルクリミッタ装置 - Google Patents

トルク伝達装置、クラッチ装置及びトルクリミッタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチディスクが摩耗しても付勢力を一定に保つことができるクラッチ装置及びトルクリミッタ装置等のトルク伝達装置を提供する。
【解決手段】クラッチカバー組立体3は、フライホイール2に連結されたクラッチカバー41と、プレッシャープレート42と、ダイヤフラムスプリング43と、摩耗追従機構5とを有している。摩耗追従機構5は、クラッチカバー41に対して軸方向に弾性変形可能に設けられダイヤフラムスプリング43に直列組み合わせされてクラッチディスク33の摩耗時にプレッシャープレート42に対する付勢力の変化を低減するためのコーンスプリング50と、ダイヤフラムスプリング43を軸方向に支持しておりクラッチカバー41に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、摩耗部材が摩耗すると支持部材をクラッチディスク33側に移動させる第1及び第2駆動部材とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、トルク伝達装置、特に摩擦追従機構を備えたクラッチ装置及びトルクリミッタ装置に関する。
車両のエンジンからトランスミッションへのトルク伝達を制御するための装置として、クラッチ装置やトルクリミッタ装置等のいわゆるトルク伝達装置が知られている。
クラッチ装置は、エンジンからのトルクをトランスミッションへ伝達及び遮断するためのものであり、主に、クラッチディスク組立体と、クラッチカバー組立体とから構成されている。クラッチディスク組立体は、出力軸に連結されており、外周側に摩擦部材を有している。クラッチカバー組立体は、主に、フライホイールに連結されるクラッチカバーと、フライホイールとの間で摩擦部材を挟持するためのプレッシャープレートと、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢するためのダイヤフラムスプリングとから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
トルクリミッタ装置は、エンジンからのトルクをトランスミッションへ伝達及び制限するためのものであり、主に、摩擦ディスク組立体と、伝達トルク制限部とから構成されている。摩擦ディスク組立体は、出力軸に連結されており、外周側に摩擦部材を有している。伝達トルク制限部は、入力側プレートに連結されたカバー部材と、摩擦部材を入力側プレートとの間で狭持するためのプレッシャープレートと、プレッシャープレートを入力側プレート側に付勢するためのダイヤフラムスプリングとを有している。
特開2001−304287号公報
前述のクラッチ装置では、ダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートを付勢するとともに、プレッシャープレートの付勢を解除するレバー部材としても機能している。このダイヤフラムスプリングは、レバー部材として機能するために一定の剛性が確保されなければならず、そのため所望の押付荷重特性が得られにくい。図13に、従来のダイヤフラムスプリングの荷重特性線図を示す。図13では、横軸がダイヤフラムスプリングのたわみ量S、縦軸が押付荷重P、初期のセット荷重を点Aで示している。図13に示すように、ダイヤフラムスプリングの剛性が高いと、摩耗代Bが小さく、しかもセット荷重変化Cが大きくなる。この結果、摩擦部材が摩耗すると、ダイヤフラムスプリングの荷重が大きくなり、クラッチレリーズ時のレリーズ荷重が大きくなる。レリーズ荷重が増大すると、ドライバーのクラッチ操作の負担が増大するため好ましくない。
また、前述のトルクリミッタ装置では、クラッチ装置と同様にダイヤフラムスプリングを用いているため、摩擦部材が摩耗するとダイヤフラムスプリングの荷重が大きくなるため、作動トルクが大きくなり、所望のリミッタ特性を得ることが困難となる。
本発明の課題は、摩擦部材の摩耗による摩擦部材に対する付勢力の変化を低減できるトルク伝達装置を提供することにある。
本発明の別の課題は、摩擦部材の摩耗によるレリーズ荷重の変化を低減できるクラッチ装置を提供することにある。
本発明の別の課題は、摩擦部材の摩耗による作動トルクの変化を低減できるトルクリミッタ装置を提供することにある。
請求項1に記載のトルク伝達装置は、入力回転体から出力回転体へのトルク伝達を制御するためのものであって、出力回転体に連結され入力回転体に近接して配置された摩擦部材と、入力回転体に連結されたカバー部材と、カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ入力回転体との間で摩擦部材を狭持するための押圧部材と、カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ押圧部材を軸方向入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、摩耗追従機構とを備えている。摩耗追従機構は、カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ第1付勢部材に直列組み合わせされて摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化を低減するための第2付勢部材と、第1付勢部材を軸方向に支持しておりカバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、摩耗部材が摩耗すると支持部材を摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有している。
このトルク伝達装置では、第1付勢部材と第2付勢部材が押圧部材に対して直列的に作用しており、両者の合成荷重が押圧部材への付勢力になっている。そのため、摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化が少ない。また、摩擦部材の摩耗時に押圧部材の軸方向位置が変化しても、摩耗追従機構により第1付勢部材を押圧部材の軸方向位置の変化に追従させることができる。これにより、例えば、このトルク伝達装置がクラッチ装置の一部を構成している場合、摩擦部材の摩耗前後でのクラッチのレリーズ荷重の変化を低減することができる。また、このトルク伝達装置がトルクリミッタ装置の一部を構成している場合、摩擦部材の摩耗前後での作動トルクの変化を低減することができる。
請求項2に記載のトルク伝達装置は、請求項1において、第2付勢部材が摩擦部材の摩耗時に第1付勢部材の荷重を摩耗前後で一定に保つように第1付勢部材を付勢している。
このトルク伝達装置では、摩擦部材が摩耗すると第2付勢部材が第1付勢部材の荷重を摩耗前後で一定に保つようにった状態で第1付勢部材を軸方向へ移動可能に付勢しているため、摩擦部材が摩耗して押圧部材及び第1付勢部材の軸方向位置が変化しても、合成荷重は摩擦部材への荷重を摩耗前後で変化しない。これにより、例えば、このトルク伝達装置がクラッチ装置の一部を構成している場合、摩擦部材が摩耗してもクラッチのレリーズ荷重の増加を防止することができる。また、このトルク伝達装置がトルクリミッタ装置の一部を構成している場合、摩擦部材が摩耗しても作動トルクを一定に保つことができる。
請求項3に記載のトルク伝達装置は、請求項1または2のおいて、第2付勢部材の荷重特性がたわみ量の変化に関わらず荷重が一定である定荷重部分を有している。
このトルク伝達装置では、第2付勢部材が上記の荷重特性を有しているため、第2付勢部材の定荷重部分においては、第1及び第2付勢部材の釣り合い荷重がを一定に保たれる。具体的には、第1付勢部材が荷重を一定に保った状態で軸方向移動して、第2付勢部材が弾性変形する。
請求項4に記載のトルク伝達装置は、請求項3において、第2付勢部材の初期設定たわみ量が定荷重部分におけるたわみ量の範囲内に設定されている。
このトルク伝達装置では、第2付勢部材の初期設定たわみ量が定荷重部分におけるたわみ量の範囲内に設定されているため、より確実に摩擦部材への荷重を一定に保つことができる。
請求項5に記載のトルク伝達装置は、請求項3または4において、第1付勢部材の荷重特性がたわみ量の増加に伴い荷重が増加する第1増加部分と、第1増加部分以降にたわみ量の増加に伴い荷重が減少する第1減少部分とを有している。第1付勢部材の初期設定たわみ量は、第1減少部分の範囲内に設定されている。
このトルク伝達装置では、第1付勢部材が支持部材により軸方向に支持されているため、例えばクラッチ装置のレリーズ時には第1付勢部材のみが弾性変形する。このとき、第1付勢部材の荷重特性が第1減少部分を有しているため、第1及び第2付勢部材がともに弾性変形する場合に比べてレリーズ荷重を低減することができる。
請求項6に記載のトルク伝達装置は、請求項1から5のいずれかにおいて、支持部材が第1付勢部材の第2付勢部材によって押される部分の第2付勢部材側を支持している。
このトルク伝達装置では、支持部材が第1付勢部材の第2付勢部材側を支持している。すなわち、第1付勢部材は入力回転体と反対側を支持されているため、例えばプルタイプのクラッチ装置に適用可能である。
請求項7に記載のトルク伝達装置は、請求項6において、第1付勢部材の第2付勢部材によって押される部分が押圧部材の第1付勢部材によって押される部分よりも外周側に配置されている。
このトルク伝達装置では、例えばプルタイプのクラッチ装置に適用可能である。
請求項8に記載のトルク伝達装置は、請求項1から5のいずれかにおいて、支持部材が第1付勢部材の第2付勢部材によって押される部分の第2付勢部材と反対側を支持している。
このトルク伝達装置では、支持部材が第1付勢部材の第2付勢部材と反対側を支持している。すなわち、第1付勢部材は入力回転体側を支持されているため、例えばプッシュタイプのクラッチ装置に適用可能である。
請求項9に記載のトルク伝達装置は、請求項8において、第1付勢部材の第2付勢部材によって押される部分が押圧部材の第1付勢部材によって押される部分よりも内周側に配置されている。
このトルク伝達装置では、例えばプッシュタイプのクラッチ装置に適用可能である。
請求項10に記載のトルク伝達装置は、請求項1から9のいずれにおいて、駆動部材が第1及び第2付勢部材の間に狭持され支持部材と軸方向へ相対移動すると支持部材をカバー部材に対して相対回転させる第1駆動部材と、カバー部材に固定され支持部材と相対回転すると支持部材を摩擦部材側へ移動させる第2駆動部材とから構成されている。
このトルク伝達装置では、駆動部材が第1及び第2駆動部材から構成されているため、摩耗追従機構を簡易な構造により実現することができる。
請求項11に記載のトルク伝達装置は、請求項10において、第1駆動部材が軸方向に傾斜して延びる複数の案内溝を有しており、支持部材が案内溝に半径方向に挿入される複数の爪部を有している。
このトルク伝達装置では、第1駆動部材及び支持部材が上記の構成を有しているため、第1駆動部材及び支持部材が軸方向に相対移動すると両部材が相対回転する。すなわち、第1駆動部材及び支持部材の軸方向の相対移動運動を相対回転運動に確実に変換することができる。
請求項12に記載のトルク伝達装置は、請求項10または11において、支持部材が第2駆動部材側に形成され円周方向に傾斜した複数の第1傾斜面を有しており、第2駆動部材が第1傾斜面に当接し円周方向に傾斜した複数の第2傾斜面を有している。
このトルク伝達装置では、支持部材及び第2駆動部材が上記の構成を有しているため、支持部材及び第2駆動部材が相対回転すると両部材が軸方向へ相対移動する。すなわち、支持部材及び第2駆動部材の相対回転運動を軸方向の相対移動運動に確実に変換することができる。
請求項13に記載のトルク伝達装置は、請求項8または9において、支持部材が第1付勢部材の入力回転体と反対側に配置された第1支持部材と、第1付勢部材と第1支持部材とを軸方向に挟み込むよう配置され第1支持部材に支持されるとともに第1付勢部材を支持している第2支持部材とから構成されている。駆動部材は、第1及び第2付勢部材の間に狭持され第1支持部材と軸方向へ相対移動すると第1支持部材をカバー部材に対して相対回転させる第1駆動部材と、カバー部材に固定され第1支持部材と相対回転すると第1支持部材を摩擦部材側へ移動させる第2駆動部材とから構成されている。
例えばプルタイプのクラッチ装置においては、支持部材及び駆動部材は第1付勢部材の入力回転体側に配置する必要があるが、第1付勢部材と押圧部材との間にはスペースに余裕がない。しかし、このトルク伝達装置では、第2支持部材を設けることにより第1支持部材を第1付勢部材の入力回転体と反対側に配置することができる。これにより、第1支持部材、第1及び第2駆動部材を第1付勢部材の入力回転体側に配置する必要がなく、第1付勢部材周辺のスペースを有効利用することができる。
請求項14に記載のクラッチ装置は、入力回転体からのトルクを出力回転体へ伝達及び遮断するためのものであって、出力回転体に連結され外周側に摩擦部材を有するクラッチディスク組立体と、入力回転体に連結され入力回転体との間で摩擦部材を狭持及び解除可能なクラッチカバー組立体とを備えている。クラッチカバー組立体は、入力回転体に連結されたカバー部材と、カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ入力回転体との間に摩擦部材を狭持するための押圧部材と、カバー部材に対して相対回転不能に設けられ押圧部材を軸方向入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、摩耗追従機構とを有している。摩耗追従機構は、カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ第1付勢部材に直列組み合わせされて摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化を低減するための第2付勢部材と、第1付勢部材を軸方向に支持しておりカバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、摩耗部材が摩耗すると支持部材を摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有している。
このクラッチ装置では、第1付勢部材と第2付勢部材が押圧部材に対して直列的に作用しており、両者の合成荷重が押圧部材への付勢力になっている。そのため、摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化が少ない。また、摩擦部材の摩耗時に押圧部材の軸方向位置が変化しても、摩耗追従機構により第1付勢部材を押圧部材の軸方向位置の変化に追従させることができる。これにより、このクラッチ装置では、摩擦部材の摩耗前後でのクラッチのレリーズ荷重の変化を低減することができる。
請求項15に記載のトルクリミッタ装置は、入力回転体から出力回転体へ伝達されるトルクを制限するためのものであって、出力回転体に連結され外周側に摩擦部材を有する摩擦ディスク組立体と、入力回転体に連結され入力回転体との間で摩擦部材を狭持しトルク伝達を制限するための伝達トルク制限部とを備えている。伝達トルク制限部は、入力回転体に連結されたカバー部材と、カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ入力回転体との間に摩擦部材を狭持するための押圧部材と、カバー部材に対して相対回転不能に設けられ押圧部材を軸方向入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、摩耗追従機構とを有している。摩耗追従機構は、カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ第1付勢部材に直列組み合わせされて摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化を低減するための第2付勢部材と、第1付勢部材を軸方向に支持しておりカバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、摩耗部材が摩耗すると支持部材を摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有している。
このトルクリミッタ装置では、第1付勢部材と第2付勢部材が押圧部材に対して直列的に作用しており、両者の合成荷重が押圧部材への付勢力になっている。そのため、摩擦部材の摩耗時に押圧部材に対する付勢力の変化が少ない。また、摩擦部材の摩耗時に押圧部材の軸方向位置が変化しても、摩耗追従機構により第1付勢部材を押圧部材の軸方向位置の変化に追従させることができる。これにより、このトルクリミッタ装置では、摩擦部材の摩耗前後での作動トルクの変化を低減することができる。
本発明に係るトルク伝達装置では、摩耗追従機構を備えているため、摩擦部材の摩耗による摩擦部材への付勢力を一定に保つことができ、付勢力の変化を低減することができる。
本発明に係るクラッチ装置では、摩耗追従機構を備えているため、摩擦部材の摩耗によるレリーズ荷重の変化を低減することができ、レリーズ荷重を一定に保つことができる。
本発明に係るトルクリミッタ装置では、摩耗追従機構を備えているため、摩擦部材の摩耗による作動トルクの変化を低減することができ、作動トルクを一定に保つことができる。
本発明の各実施形態を図面を参照しながら説明する。
A.第1実施形態(プルタイプクラッチ装置)
本発明に係るトルク伝達装置の構成は、プルタイプのクラッチ装置について適用可能である。以下に、プルタイプのクラッチ装置について説明する。
1.クラッチ装置の構成
図1に、本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図を示す。O−Oは、クラッチ装置1の回転中心を示している。また、図1では、左側にエンジン(図示せず)、右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。このクラッチ装置1は、エンジン側からのトルクをトランスミッション側へ伝達及び遮断するためのもので、主に、クラッチディスク組立体3と、クラッチカバー組立体4とから構成されている。
(1)クラッチディスク組立体
クラッチディスク組立体3は、摩擦係合によりトルクを伝達するとともにエンジンからのトルク変動を減衰・吸収するためのもので、主に、スプラインハブ31と、一対のクラッチディスク33(摩擦部材)と、ダンパー機構32とから構成されている。
スプラインハブ31は、トランスミッション側から延びるインプットシャフト7(出力回転体)の外周側に配置された筒状の部材であり、インプットシャフト7とスプライン係合している。クラッチディスク33は、摩擦連結によりトルクを伝達するためのもので、スプラインハブ31の外周側に配置された環状の部材である。クラッチディスク33は、フライホイール2(入力回転体)と後述するプレッシャープレート42との間に配置されている。ダンパー機構32は、エンジンからのトルク変動及び振動を吸収・減衰するためのもので、スプラインハブ31とクラッチディスク33とを回転方向に弾性的に連結している。
(2)クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体4は、トルクを伝達及び遮断するためのもので、主に、クラッチカバー41(カバー部材)と、プレッシャープレート42(押圧部材)と、ダイヤフラムスプリング43(第1付勢部材)と、摩耗追従機構5とから構成されている。
クラッチカバー41は、プレッシャープレート42及びダイヤフラムスプリング43を収容するための環状の部材であり、フライホイール2に固定されている。クラッチカバー41の外周側の軸方向トランスミッション側には、後述する摩耗追従機構5を収容する収容部41aが形成されている。プレッシャープレート42は、クラッチディスク33をフライホイール2との間で狭持するためのもので、クラッチカバー41に対して軸方向へ相対移動可能にかつ相対回転不能に設けられた環状の部材である。プレッシャープレート42のトランスミッション側には、後述するダイヤフラムスプリング43と当接する複数の突起部42aが形成されている。
ダイヤフラムスプリング43は、プレッシャープレート42をエンジン側へ付勢するためのもので、弾性部43aと、複数のレバー部43bと、複数の切欠部43cとを有している。弾性部43aは、ダイヤフラムスプリング43の外周側に配置された環状かつプレート状の部分である。弾性部43aの内周部は、突起部42aと当接している。弾性部43aの外周部は、後述するコーンスプリング50の外周部と当接している。レバー部43bは、弾性部43aの内周側から半径方向内方へ延びる部分である。レバー部343bの先端部(ダイヤフラムスプリング43の内周端)は、クラッチ装置1の連結及び解除を操作するためのレリーズ装置6に係合している。切欠部43cは、レバー部43bの付け根周辺であって隣接するレバー部43b同士の間に形成されている。ダイヤフラムスプリング43は、プレッシャープレート42を軸方向へ付勢するよう予め軸方向へ弾性変形した状態でセットされている。ダイヤフラムスプリング43の外周側には、本発明の特徴である摩耗追従機構5が配置されている。
(3)摩耗追従機構
図2に摩耗追従機構5周辺の縦断面概略図、図3に図2のA−A矢視図を示す。摩耗追従機構5は、ダイヤフラムスプリング43を支持するとともに、クラッチディスク33の摩耗量に応じてダイヤフラムスプリング43の軸方向への移動を可能にするためのものである。摩耗追従機構5は、主に、コーンスプリング50(第2付勢部材)と、支持機構59としての支持部材52、第1駆動部材51及び第2駆動部材53から構成されている。
コーンスプリング50は、ダイヤフラムスプリング43を軸方向へ付勢するためのもので、ダイヤフラムスプリング43と直列組み合わせされている。直列組み合わせによって同じ荷重に対するたわみ量が増大している。具体的には、コーンスプリング50は、クラッチカバー41と一体回転可能にかつ軸方向へ弾性変形可能に配置されている。コーンスプリング50の内周部はクラッチカバー41に支持されており、外周部はダイヤフラムスプリング43の弾性部43aの外周部に支持されている。コーンスプリング50の内周部と収容部41aとの間には、リング54が挟み込まれている。コーンスプリング50の外周部とダイヤフラムスプリング43との間には、第1駆動部材51が挟み込まれている。
第1駆動部材51は、ダイヤフラムスプリング43の軸方向の移動を後述する支持部材52に伝達するための環状の部材である。具体的には、第1駆動部材51は、狭持部51aと、筒状部51bと、複数の案内板51dと、複数の案内溝51cとを有している。狭持部51aは、環状の板状部分であり、コーンスプリング50とダイヤフラムスプリング43との間に挟み込まれている。筒状部51bは、狭持部51aの外周側から軸方向トランスミッション側へ延びる筒状の部分である。案内板51dは、筒状部51bの軸方向端部からさらに軸方向トランスミッション側へ延びた一対の板状部分である。案内板51d同士の間には、案内溝51cが形成されている。案内溝51cは円周方向へ若干傾斜した方向へ延びており、案内溝51cには後述する爪部52bが挿嵌されている。
支持部材52は、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、支持部材52は、複数の支持部材本体52aと、複数の爪部52bと、複数の第1傾斜面52cとを有している。支持部材本体52aは、支持部材52の主要部を構成する環状の部分である。支持部材本体52aの軸方向エンジン側の部分は曲面状に形成されており、コーンスプリング50と軸方向に当接している。爪部52bは、支持部材本体52aから外周側へ突出した部分であり、前述の案内溝51cに挿嵌されている。第1傾斜面52cは、図3に示すように、支持部材本体52aの軸方向トランスミッション側に形成されている。第1傾斜面52cは円周方向に傾斜している面である。各第1傾斜面52cはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第1傾斜面52c同士の間には段差が形成されている。
第2駆動部材53は、支持部材52を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、第2駆動部材53は、第2駆動部材本体53aと、複数の第2傾斜面53bとを有している。第2駆動部材本体53aは、クラッチカバー41の収容部41aに固定された環状の部分である。第2傾斜面53bは、図3に示すように、第2駆動部材本体53aの軸方向エンジン側に形成されている。第2傾斜面53bは円周方向に傾斜している面である。各第2傾斜面53bはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第2傾斜面53b同士の間には段差が形成されている。第2傾斜面53bと前述の第1傾斜面52cとは、軸方向に当接している。すなわち、支持部材52と第2駆動部材53とは、第1傾斜面52c及び第2傾斜面53b周辺において互いに相補的な形状を有している。
以上に述べた各部材51、52、53の動作について簡単に説明する。第1駆動部材51が支持部材52に対して軸方向へ相対移動すると、爪部52bが案内溝51cに沿って円周方向に移動し、支持部材52が第1駆動部材51に対して相対回転する。すなわち、第1駆動部材51の軸方向運動を支持部材52の回転運動に変換することができる。また、支持部材52と第2駆動部材53とが相対回転すると、第1傾斜面52cと第2傾斜面53bとが摺動し、支持部材52が第2駆動部材53に対して軸方向へ相対移動する。すなわち、第2及び第2駆動部材52、53により、支持部材52の回転運動を支持点の軸方向運動に変換することができる。
以上に述べた構成により、摩耗追従機構5は、クラッチカバー41に対するダイヤフラムスプリング43の軸方向位置を摩耗量に応じて調整可能としている。また、ダイヤフラムスプリング43の軸方向移動に応じて、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の支持点を軸方向へ移動させることができる。これにより、クラッチレリーズ時にダイヤフラムスプリング43に軸方向エンジン側への力が作用しても、ダイヤフラムスプリング43が軸方向トランスミッション側へ移動するのを防止することができ、レリーズ動作を確実に行うことができる。
(4)荷重特性について
本発明に係るクラッチ装置1では、クラッチディスク33が摩耗してもプレッシャープレート42に対する荷重を一定に保つことができるよう、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の荷重特性が以下に説明するような特性に設定されている。図4に、クラッチ装置1の荷重特性線図を示す。図4では、縦軸を押付荷重P、横軸をたわみ量Sとしており、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の荷重特性、そしてこれらの合成荷重特性を示している。
図4に示すように、ダイヤフラムスプリング43の荷重特性は、たわみ量の増加に伴い荷重が増加する第1増加部分Dと、最大ピーク値E以降にたわみ量の増加に伴い荷重が減少する第1減少部分Fと、最小ピーク値G以降にたわみ量の増加に伴い荷重が増加する第2増加部分Hとを有している。
また、図4に示すように、コーンスプリング50の荷重特性は、たわみ量の増加に伴い荷重が増加する第3増加部分Iと、たわみ量の変化に関わらず荷重が一定である定荷重部分Jと、それ以降にたわみ量の増加に伴い荷重が増加する第4増加部分Kとを有している。
以上に述べたダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の合成荷重特性は、図4の曲線Lとなる。曲線Lは、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の荷重が同一の場合における両者の合計たわみ量をプロットして描かれている。図4に示すように、コーンスプリング50の定荷重部分Jにより合成荷重は定荷重部分Vを有している。また、ダイヤフラムスプリング43の初期設定荷重は、第1減少部分Fの範囲内に設定されている。コーンスプリング50の初期設定たわみ量は、定荷重部分Jにおけるたわみ量の範囲内に、より詳細には定荷重部分Jの範囲内での最大たわみ量又はその付近に設定されている。この結果、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の初期設定荷重は、コーンスプリング50の定荷重部分Jの荷重と同じとなっている。
2.クラッチ装置の動作
(1)摩耗追従動作
図5に、本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置1の動作説明図を示す。摩耗追従機構5の動作の詳細については、図3に示されている。図5及び図3の実線はクラッチディスク33が摩耗していない初期状態X、図5及び図3の破線はクラッチディスク33の摩耗が進行した摩耗状態Yを示している。また、初期状態X及び摩耗状態Yを図4の荷重特性線図で示すと、曲線L上の点X及びYとなり、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の荷重特性で示すと、点X1、Y1及び点X2、Y2となる。
図5に示すように、クラッチディスク33が摩耗していない場合、プレッシャープレート42は初期状態Xに位置している。クラッチディスク33の摩耗が進行すると、クラッチ連結時におけるプレッシャープレート42の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化する。プレッシャープレート42の位置が摩耗状態Yまで変化すると、突起部42aに当接しているダイヤフラムスプリング43の位置が破線で示す位置に変化する。
ここで、これらの変化を図2の荷重特性線図にて説明する。プレッシャープレート42の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化すると、点Xから点Yまで合成たわみ量が減少する方向(図4では左側)へ荷重点が移動する。このとき、前述のように合成荷重特性も定荷重部分Vを有しているため、点Xから点Yへ合成たわみ量が減少しても合成荷重は一定に保たれる。このとき、図4に示す点X1及びY1から明らかなように、荷重特性線図上のダイヤフラムスプリング43の荷重点は移動しない。すなわち、プレッシャープレート42の位置が変化しても、ダイヤフラムスプリング43の荷重及びたわみ量が一定に保たれる。また、コーンスプリング50の荷重点は、定荷重部分Jに沿って点X2から点Y2へ移動する。すなわち、プレッシャープレート42の位置が変化すると、コーンスプリング50のたわみ量は減少するが、荷重は一定に保たれる。
以上に述べた動作により、プレッシャープレート42の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化しても、図5に示すように、ダイヤフラムスプリング43は姿勢を一定に保った状態でプレッシャープレート42に追従し、コーンスプリング50が変形する。このとき、レリーズ装置6は、ダイヤフラムスプリング43とともに軸方向へ移動する。これにより、クラッチディスク33が摩耗してもクラッチディスク33への荷重を一定に保つことができ、クラッチ装置1のレリーズ荷重を一定に保つことができる。すなわち、このクラッチ装置1では、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50により、摩耗追従機構5を実現することができる。また、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50が直列組み合わせされているため、従来よりも大きな摩耗代を確保することができる。
また、以上に述べた動作に伴い、摩耗追従機構5の支持機構59も動作する。具体的には、図3に示すように、プレッシャープレート42の位置が摩耗状態Yに変化すると、ダイヤフラムスプリング43及び第1駆動部材51がコーンスプリング50により軸方向へ付勢される。この結果、第1駆動部材51が図3の破線で示す位置まで軸方向移動する。第1駆動部材51が軸方向に移動すると、案内溝51cの溝に沿って爪部52bが円周方向へ移動し、支持部材52がクラッチカバー41に対して相対回転する。この結果、支持部材52の第1傾斜面52cと第2駆動部材53の第2傾斜面53bとが摺動するため、支持部材52は回転しながら軸方向へ移動する。支持部材52が軸方向へ移動すると、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の支持点が軸方向エンジン側へ移動する。この結果、クラッチディスク33が摩耗しても、それに応じてダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の支持点を軸方向へ移動させることができる。これにより、クラッチレリーズ時において、ダイヤフラムスプリング43が軸方向トランスミッション側へ移動するのを防止することができ、レリーズ動作を確実に行うことができる。
(2)クラッチレリーズ動作
クラッチ装置1のレリーズ動作について説明する。図5に示すように、クラッチ連結時においては、プレッシャープレート42がダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50により軸方向エンジン側へ付勢されている。クラッチの連結を解除する場合、レリーズフォーク(図示せず)によりレリーズ装置6が軸方向トランスミッション側へ移動する。ダイヤフラムスプリング43は支持機構59により軸方向トランスミッション側へ移動不能に支持されているため、ダイヤフラムスプリング43のみが軸方向に圧縮され、クラッチの連結が解除される。
これを図4の荷重特性線図において説明する。クラッチ連結状態を点Xとすると、レリーズ装置6が軸方向トランスミッション側へ移動した場合、ダイヤフラムスプリング43のみが軸方向へ圧縮されるため、ダイヤフラムスプリング43のみの荷重特性である曲線T上を点Xから点Zへ荷重点が移動する。これにより、支持機構59がない場合に比べてレリーズ荷重を低減することができる。
B.第2実施形態(プッシュタイプクラッチ装置)
前述の第1実施形態はプルタイプのクラッチ装置であるが、本発明はプッシュタイプのクラッチ装置についても適用可能である。
1.クラッチ装置の構成
図6に、本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置101の縦断面概略図を示す。O−Oは、クラッチ装置101の回転中心を示している。また、図6では、左側にエンジン(図示せず)、右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。このクラッチ装置101は、エンジン側からのトルクをトランスミッション側へ伝達及び遮断するためのもので、主に、クラッチディスク組立体103と、クラッチカバー組立体104とから構成されている。
(1)クラッチディスク組立体
クラッチディスク組立体103は、摩擦係合によりトルクを伝達するとともにエンジンからのトルク変動を減衰・吸収するためのもので、主に、スプラインハブ131と、クラッチディスク133(摩擦部材)と、ダンパー機構132とから構成されている。クラッチディスク組立体103の基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(2)クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体104は、トルク伝達を連結及び解除するためのもので、主に、クラッチカバー141と、プレッシャープレート142と、ダイヤフラムスプリング143と、摩耗追従機構105とから構成されている。クラッチカバー組立体の基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
プッシュタイプの場合、ダイヤフラムスプリング143の支点及び作用点がプルタイプの場合とは逆の配置になるため、摩耗追従機構5の配置が異なる。以下に、摩耗追従機構105の構成について説明する。
(3)摩耗追従機構
図7に摩耗追従機構105周辺の縦断面概略図、図8に図7のB−B矢視図を示す。図8では便宜上、クラッチカバー141は描かれていない。摩耗追従機構105は、ダイヤフラムスプリング143を支持するとともに、クラッチディスク133の摩耗量に応じてダイヤフラムスプリング143の軸方向への移動を可能にするためのものである。摩耗追従機構105は、主に、コーンスプリング150(第2付勢部材)と、支持機構159としての支持部材152、第1駆動部材151及び第2駆動部材153から構成されている。
コーンスプリング150は、ダイヤフラムスプリング143を軸方向へ付勢するためのもので、ダイヤフラムスプリング143と直列組み合わせされている。直列組み合わせによって同じ荷重に対するたわみ量が増大している。具体的には、コーンスプリング150は、クラッチカバー141と一体回転可能にかつ軸方向へ弾性変形可能に配置されている。コーンスプリング150の内周部はクラッチカバー141に支持されており、外周部はダイヤフラムスプリング143の弾性部143aの外周部に支持されている。コーンスプリング150の内周部と収容部141aとの間には、リング154が挟み込まれている。コーンスプリング150の内周部とダイヤフラムスプリング143との間には、第1駆動部材151が挟み込まれている。
第1駆動部材151は、ダイヤフラムスプリング143の軸方向の移動を後述する支持部材152に伝達するための環状の部材である。具体的には、第1駆動部材151は、複数の狭持部151aと、筒状部151bと、複数の案内板151dと、複数の案内溝151cとを有している。筒状部151bは、軸方向エンジン側へ延びる筒状の部分である。狭持部151aは、筒状部151bの軸方向トランスミッション側の端部から軸方向及び半径方向外方へ突出した部分であり、コーンスプリング150とダイヤフラムスプリング143との間に挟み込まれている。狭持部151aは、ダイヤフラムスプリング143の切欠部143cを軸方向へ貫通している。案内板151dは、筒状部151bの軸方向端部からさらに軸方向エンジン側へ延びた一対の板状部分である。案内板151d同士の間には、案内溝151cが形成されている。案内溝151cは円周方向へ若干傾斜した方向へ延びており、案内溝151cには後述する爪部152bが挿嵌されている。
支持部材152は、ダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、支持部材152は、複数の支持部材本体152aと、複数の爪部152bと、複数の第1傾斜面152cとを有している。支持部材本体152aは、支持部材152の主要部を構成する環状の部分である。支持部材本体152aの軸方向トランスミッション側の部分は曲面状に形成されており、ダイヤフラムスプリング143と軸方向に当接している。爪部152bは、支持部材本体152aから内周側へ突出した部分であり、前述の案内溝151cに挿嵌されている。第1傾斜面152cは、図8に示すように、支持部材本体152aの軸方向エンジン側に形成されている。第1傾斜面152cは円周方向に傾斜している面である。各第1傾斜面152cはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第1傾斜面152c同士の間には段差が形成されている。
第2駆動部材153は、支持部材152を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、第2駆動部材153は、第2駆動部材本体153aと、複数の第2傾斜面153bとを有している。第2駆動部材本体153aは、クラッチカバー141の収容部141aに固定された環状の部分である。第2傾斜面153bは、図8に示すように、第2駆動部材本体153aの軸方向トランスミッション側に形成されている。第2傾斜面153bは円周方向に傾斜している面である。各第2傾斜面153bはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第2傾斜面153b同士の間には段差が形成されている。第2傾斜面153bと前述の第1傾斜面152cとは、軸方向に当接している。すなわち、支持部材152と第2駆動部材153とは、第1傾斜面152c及び第2傾斜面153b周辺において互いに相補的な形状を有している。
以上に述べた各部材151、152、153の動作について簡単に説明する。第1駆動部材151が支持部材152に対して軸方向へ相対移動すると、爪部152bが案内溝151cに沿って円周方向に移動し、支持部材152が第1駆動部材151に対して相対回転する。すなわち、第1駆動部材151の軸方向運動を支持部材152の回転運動に変換することができる。また、支持部材152と第2駆動部材153とが相対回転すると、第1傾斜面152cと第2傾斜面153bとが摺動し、支持部材152が第2駆動部材153に対して軸方向へ相対移動する。すなわち、第2及び第2駆動部材152、153により、支持部材152の回転運動を支持点の軸方向運動に変換することができる。
以上に述べた構成により、摩耗追従機構105は、クラッチカバー141に対するダイヤフラムスプリング143の軸方向位置を摩耗量に応じて調整可能としている。また、ダイヤフラムスプリング143の軸方向移動に応じて、ダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150の支持点を軸方向へ移動させることができる。これにより、クラッチレリーズ時にダイヤフラムスプリング143に軸方向エンジン側への力が作用しても、ダイヤフラムスプリング143が軸方向エンジン側へ移動するのを防止することができ、レリーズ動作を確実に行うことができる。
(4)荷重特性について
前述のダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150の荷重特性については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
2.クラッチ装置の動作
(1)摩耗追従動作
図9に、本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置101の動作説明図を示す。摩耗追従機構105の動作の詳細については、図8に示されている。図9及び図8の実線はクラッチディスク133が摩耗していない初期状態X、図9及び図8の破線はクラッチディスク133の摩耗が進行した摩耗状態Yを示している。また、初期状態X及び摩耗状態Yを図4の荷重特性線図で示すと、曲線L上の点X及びYとなり、ダイヤフラムスプリング43及びコーンスプリング50の荷重特性で示すと、点X1、Y1及び点X2、Y2となる。
図9に示すように、クラッチディスク133が摩耗していない場合、プレッシャープレート142は初期状態Xに位置している。クラッチディスク133の摩耗が進行すると、クラッチ連結時におけるプレッシャープレート142の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化する。プレッシャープレート142の位置が摩耗状態Yまで変化すると、突起部142aに当接しているダイヤフラムスプリング143の位置が破線で示す位置に変化する。
ここで、これらの変化を図4の荷重特性線図にて説明する。プレッシャープレート142の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化すると、点Xから点Yまで合成たわみ量が減少する方向(図4では左側)へ荷重点が移動する。このとき、このクラッチ装置101では、コーンスプリング150の荷重特性が定荷重部分Jを有しているため、合成荷重特性も定荷重部分を有することとなり、点Xから点Yへ合成たわみ量が減少しても合成荷重は一定に保たれる。このとき、図4に示す点X1及びY1から明らかなように、荷重特性線図上のダイヤフラムスプリング143の荷重点は移動しない。すなわち、プレッシャープレート142の位置が変化しても、ダイヤフラムスプリング143の荷重及びたわみ量が一定に保たれる。また、コーンスプリング150の荷重点は、定荷重部分Jに沿って点X2から点Y2へ移動する。すなわち、プレッシャープレート142の位置が変化すると、コーンスプリング150のたわみ量は減少するが、荷重は一定に保たれる。
以上に述べた動作により、プレッシャープレート142の位置が初期状態Xから摩耗状態Yまで変化しても、図9に示すように、ダイヤフラムスプリング143は姿勢を一定に保った状態でプレッシャープレート142に追従し、コーンスプリング150が変形する。このとき、レリーズ装置106は、ダイヤフラムスプリング143とともに軸方向へ移動する。これにより、クラッチディスク133が摩耗してもクラッチディスク133への荷重を一定に保つことができ、クラッチ装置101のレリーズ荷重を一定に保つことができる。すなわち、このクラッチ装置101では、ダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150により、摩耗追従機構105を実現することができる。また、ダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150が直列組み合わせされているため、従来よりも大きな摩耗代を確保することができる。
また、以上に述べた動作により、摩耗追従機構105の支持機構159も動作する。具体的には、図8に示すように、プレッシャープレート142が摩耗状態Yに位置すると、ダイヤフラムスプリング143及び第1駆動部材151がコーンスプリング150により軸方向へ押される。この結果、第1駆動部材151が図8の破線で示す位置まで軸方向移動する。第1駆動部材151が軸方向に移動すると、案内溝151cの溝に沿って爪部152bが円周方向へ移動し、支持部材152がクラッチカバー141に対して相対回転する。この結果、支持部材152の第1傾斜面152cと第2駆動部材153の第2傾斜面153bとが摺動するため、支持部材152は回転しながら軸方向へ移動する。支持部材152が軸方向へ移動すると、ダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150の支持点が軸方向エンジン側へ移動する。この結果、クラッチディスク133が摩耗しても、それに応じてダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150の支持点を軸方向へ移動させることができる。これにより、クラッチレリーズ時において、ダイヤフラムスプリング143に軸方向エンジン側への力が作用しても、ダイヤフラムスプリング143が軸方向エンジン側へ移動するのを防止することができ、レリーズ動作を確実に行うことができる。
(2)クラッチレリーズ動作
クラッチ装置1のレリーズ動作について説明する。図9に示すように、クラッチ連結時においては、プレッシャープレート142がダイヤフラムスプリング143及びコーンスプリング150により軸方向エンジン側へ付勢されている。クラッチの連結を解除する場合、レリーズフォーク(図示せず)によりレリーズ装置106が軸方向エンジン側へ移動する。ダイヤフラムスプリング143は支持機構159により軸方向エンジン側へ移動不能に支持されているため、ダイヤフラムスプリング143のみが軸方向に圧縮され、クラッチの連結が解除される。
これを図4の荷重特性線図において説明する。クラッチ連結状態を点Xとすると、レリーズ装置106が軸方向エンジン側へ移動した場合、ダイヤフラムスプリング143のみが軸方向へ圧縮されるため、ダイヤフラムスプリング143のみの荷重特性である曲線T上を点Xから点Zへ荷重点が移動する。これにより、支持機構159がない場合に比べてレリーズ荷重を低減することができる。
C.第3実施形態(プッシュタイプクラッチ装置)
前述の第2実施形態の摩耗追従機構105の変形例について説明する。
1.摩耗追従機構
図10に摩耗追従機構205周辺の縦断面概略図、図11に図10のC−C矢視図を示す。図11では便宜上、クラッチカバー241及び後述する第2支持部材255は描かれていない。摩耗追従機構205は、主に、コーンスプリング250(第2付勢部材)と、支持機構259としての第1支持部材252(支持部材)、第2支持部材255、第1駆動部材251及び第2駆動部材253から構成されている。
コーンスプリング250は、ダイヤフラムスプリング243を軸方向へ付勢するためのもので、ダイヤフラムスプリング243と直列組み合わせされている。直列組み合わせによって同じ荷重に対するたわみ量が増大している。具体的には、コーンスプリング250は、クラッチカバー241と一体回転可能にかつ軸方向へ弾性変形可能に配置されている。コーンスプリング250の内周部はクラッチカバー241に支持されており、外周部はダイヤフラムスプリング243の弾性部243aの外周部に支持されている。コーンスプリング250の内周部と収容部241aとの間には、リング254が挟み込まれている。コーンスプリング250の内周部とダイヤフラムスプリング243との間には、第1駆動部材251が挟み込まれている。
第1駆動部材251は、ダイヤフラムスプリング243の軸方向の移動を後述する第1支持部材252に伝達するための環状の部材である。具体的には、第1駆動部材251は、狭持部251aと、筒状部251bと、複数の案内板251dと、複数の案内溝251cとを有している。狭持部251aは、環状の板状部分であり、コーンスプリング250とダイヤフラムスプリング243との間に挟み込まれている。筒状部251bは、狭持部251aの外周側から軸方向トランスミッション側へ延びる筒状の部分である。案内板251dは、筒状部251bの軸方向端部からさらに軸方向トランスミッション側へ延びた一対の板状部分である。案内板251d同士の間には、案内溝251cが形成されている。案内溝251cは円周方向へ若干傾斜した方向へ延びており、案内溝251cには後述する爪部252bが挿嵌されている。
第1支持部材252は、ダイヤフラムスプリング243及びコーンスプリング250を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、第1支持部材252は、複数の第1支持部材本体252aと、複数の爪部252bと、複数の第1傾斜面252cとを有している。第1支持部材本体252aは、第1支持部材252の主要部を構成する環状の部分である。第1支持部材本体252aの軸方向トランスミッション側の部分は曲面状に形成されており、第2支持部材255と軸方向に当接している。爪部252bは、第1支持部材本体252aから内周側へ突出した部分であり、前述の案内溝251cに挿嵌されている。第1傾斜面252cは、図11に示すように、第1支持部材本体252aの軸方向エンジン側に形成されている。第1傾斜面252cは円周方向に傾斜している面である。各第1傾斜面252cはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第1傾斜面252c同士の間には段差が形成されている。
第2駆動部材253は、第1支持部材252を軸方向へ支持するためのものである。具体的には、第2駆動部材253は、第2駆動部材本体253aと、複数の第2傾斜面253bとを有している。第2駆動部材本体253aは、クラッチカバー241の収容部241aに固定された環状の部分である。第2傾斜面253bは、図11に示すように、第2駆動部材本体253aの軸方向トランスミッション側に形成されている。第2傾斜面253bは円周方向に傾斜している面である。各第2傾斜面253bはそれぞれ同じ角度になるよう形成されており、隣接する第2傾斜面253b同士の間には段差が形成されている。第2傾斜面253bと前述の第1傾斜面252cとは、軸方向に当接している。すなわち、第1支持部材252と第2駆動部材253とは、第1傾斜面252c及び第2傾斜面253b周辺において互いに相補的な形状を有している。
第2支持部材255は、ダイヤフラムスプリング243を支持するためのものである。具体的には、第2支持部材255は、外周側支持部255aと、複数の中間部255cと、複数の内周側支持部255bとを有している。外周側支持部255aは、円板状の部分であり、第1支持部材本体252aに軸方向に支持されている。中間部255cは、外周側支持部255aから軸方向へ延びる部分であり、ダイヤフラムスプリング243の切欠部243cを軸方向に貫通している。内周側支持部255bは、中間部255cの軸方向エンジン側の端部から半径方向外方へ延びており、ダイヤフラムスプリング243を軸方向に支持している。すなわち、第2支持部材255は、第1支持部材252とダイヤフラムスプリング243とを軸方向に挟み込んでいる。また、内周側支持部255bとダイヤフラムスプリング243との間には、リング256が挟み込まれている。以上の構成から明らかなように、ダイヤフラムスプリング243は、第2支持部材255を介して第1支持部材252に支持されている。
以上に述べた各部材251、252、253、255の動作について簡単に説明する。第1駆動部材251が第1支持部材252に対して軸方向へ相対移動すると、爪部252bが案内溝251cに沿って円周方向に移動し、第1支持部材252が第1駆動部材251に対して相対回転する。すなわち、第1駆動部材251の軸方向運動を第1支持部材252の回転運動に変換することができる。また、第1支持部材252と第2駆動部材253とが相対回転すると、第1傾斜面252cと第2傾斜面253bとが摺動し、第1支持部材252が第2駆動部材253に対して軸方向へ相対移動する。第1支持部材252が軸方向へ移動すると、第2支持部材255も軸方向へ移動する。すなわち、第2及び第2駆動部材252、253により、第1支持部材252の回転運動を支持点の軸方向運動に変換することができる。
以上に述べた構成により、摩耗追従機構205は、クラッチカバー241に対するダイヤフラムスプリング243の軸方向位置を摩耗量に応じて調整可能としている。また、ダイヤフラムスプリング243の軸方向移動に応じて、ダイヤフラムスプリング243及びコーンスプリング250の支持点を軸方向へ移動させることができる。これにより、クラッチレリーズ時にダイヤフラムスプリング243に軸方向エンジン側への力が作用しても、ダイヤフラムスプリング243が軸方向エンジン側へ移動するのを防止することができ、レリーズ動作を確実に行うことができる。
D.第4実施形態(トルクリミッタ装置)
本発明に係るトルク伝達装置の構成は、トルクリミッタ装置についても適用可能である。以下に、第4実施形態としてのトルクリミッタ装置について説明する。
1.トルクリミッタ装置の構成
図12に、本発明の第4実施形態としてのトルクリミッタ装置の縦断面概略図を示す。O−Oは、トルクリミッタ装置301の回転中心を示している。また、図12では、左側にエンジン(図示せず)、右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。このトルクリミッタ装置301は、入力回転体302から出力軸307へ伝達されるトルクを制限するためのもので、主に、摩擦ディスク組立体303と、伝達トルク制限部304とから構成されている。
(1)摩擦ディスク組立体
摩擦ディスク組立体303は、摩擦係合によりトルクを伝達するとともにエンジンからのトルク変動を減衰・吸収するためのもので、主に、スプラインハブ331と、クラッチディスク333(摩擦部材)と、ダンパー機構332とから構成されている。
スプラインハブ331は、トランスミッション側から延びる出力軸307にスプライン係合している。クラッチディスク333は、摩擦連結によりトルクを伝達するためのもので、スプラインハブ331の外周側に配置された環状の部材である。クラッチディスク333は、後述する入力回転体302とプレッシャープレート342との間に狭持されている。ダンパー機構332は、エンジンからのトルク変動及び振動を吸収・減衰するためのもので、スプラインハブ331とクラッチディスク333とを回転方向に弾性的に連結している。
(2)伝達トルク制限部
伝達トルク制限部304は、トルク伝達を連結及び解除するためのもので、主に、カバー部材341と、プレッシャープレート342と、ダイヤフラムスプリング343と、摩耗追従機構305とから構成されている。
カバー部材341は、プレッシャープレート342、ダイヤフラムスプリング343を収容するためのもので、入力回転体302に一体回転可能に連結されている。プレッシャープレート342は、クラッチディスク333を入力回転体302へ押圧するためのもので、カバー部材341に対して軸方向へ相対移動可能にかつ相対回転不能に設けられた環状の部材である。プレッシャープレート342のトランスミッション側には、後述するダイヤフラムスプリング343と当接する複数の突起部342aが形成されている。
ダイヤフラムスプリング343は、プレッシャープレート342をエンジン側へ付勢するためのもので、弾性部343aと、複数のレバー部343bとを有している。弾性部343aは、環状かつプレート状の部分であり、突起部342aと当接している。また、弾性部343aの外周部は、後述する摩耗追従機構305に軸方向トランスミッション側へ支持されている。レバー部343bは、弾性部343aの内周側から半径方向内方へ延びる部分である。レバー部343bの内周側先端部は、軸方向への移動が可能な支持装置306に係合している。ダイヤフラムスプリング343は、プレッシャープレート342を軸方向エンジン側へ付勢するよう予め軸方向へ弾性変形した状態でセットされている。ダイヤフラムスプリング343の外周側には、摩耗追従機構305が配置されている。
(3)摩耗追従機構
摩耗追従機構305の構成は、前述の第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(4)荷重特性
ダイヤフラムスプリング343及びコーンスプリング350の荷重特性は、前述の第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上に述べた構成により、トルクリミッタ装置301では、コーンスプリング350がダイヤフラムスプリング343の荷重を一定の大きさに保った状態でダイヤフラムスプリング343を軸方向へ移動可能に付勢しているため、クラッチディスク333の摩耗が進行してもクラッチディスク33への荷重を一定に保つことができる。これにより、クラッチディスク333が摩耗しても作動トルクを一定に保つことができる。また、ダイヤフラムスプリング343及びコーンスプリング350が直列組み合わせされているため、従来よりも大きな摩耗代を確保することができる。
また、以上に述べたトルクリミッタ装置301の摩耗追従機構305は、第2及び第3実施形態の摩耗追従機構105、205の構成を適用しても、同様の効果が得られる。
E.その他の実施形態
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。 摩耗追従機構5周辺の縦断面概略図。 図2のA−A矢視図。 本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置1の荷重特性線図。 本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置1の動作説明図。 本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置101の縦断面概略図。 摩耗追従機構105周辺の縦断面概略図。 図7のB−B矢視図。 本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置101の動作説明図。 摩耗追従機構205周辺の縦断面概略図。 図10のC−C矢視図。 本発明の第4実施形態としてのトルクリミッタ装置301の縦断面概略図 従来のダイヤフラムスプリングの荷重特性線図。
符号の説明
1 クラッチ装置
2 フライホイール(入力回転体)
3 クラッチディスク組立体
4 クラッチカバー組立体
5 摩耗追従機構
6 レリーズ装置
7 インプットシャフト(出力回転体)
31 スプラインハブ
32 ダンパー機構
33 クラッチディスク(摩擦部材)
41 クラッチカバー(カバー部材)
42 プレッシャープレート(押圧部材)
43 ダイヤフラムスプリング(第1付勢部材)
50 コーンスプリング(第2付勢部材)
51 第1駆動部材
52 支持部材
53 第2駆動部材
301 トルクリミッタ装置
302 入力側プレート(入力回転体)
303 摩擦ディスク組立体
304 伝達トルク制限部
307 出力軸(出力回転体)
341 カバー部材
342 プレッシャープレート(押圧部材)
343 ダイヤフラムスプリング(第1付勢部材)
350 コーンスプリング(第2付勢部材)

Claims (15)

  1. 入力回転体から出力回転体へのトルク伝達を制御するためのトルク伝達装置であって、
    前記出力回転体に連結され、前記入力回転体に近接して配置された摩擦部材と、
    前記入力回転体に連結されたカバー部材と、
    前記カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ、前記入力回転体との間で前記摩擦部材を狭持するための押圧部材と、
    前記カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ、前記押圧部材を軸方向入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、
    前記カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1付勢部材に直列組み合わせされて前記摩擦部材の摩耗時に前記押圧部材に対する付勢力の変化を減らすための第2付勢部材と、前記第1付勢部材を軸方向に支持しており前記カバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、前記摩耗部材が摩耗すると前記支持部材を前記摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有する摩耗追従機構と、
    を備えているトルク伝達装置。
  2. 前記第2付勢部材は、前記摩擦部材の摩耗時に、前記第1付勢部材の荷重を摩耗前後で一定に保つように前記第1付勢部材を付勢している、
    請求項1に記載のトルク伝達装置。
  3. 前記第2付勢部材の荷重特性は、たわみ量の変化に関わらず荷重が一定である定荷重部分を有している、
    請求項1または2に記載のトルク伝達装置。
  4. 前記第2付勢部材の初期設定たわみ量は、前記定荷重部分におけるたわみ量の範囲内に設定されている、
    請求項3に記載のトルク伝達装置。
  5. 前記第1付勢部材の荷重特性は、たわみ量の増加に伴い荷重が増加する第1増加部分と、前記第1増加部分以降にたわみ量の増加に伴い荷重が減少する第1減少部分とを有しており、
    前記第1付勢部材の初期設定たわみ量は、前記第1減少部分の範囲内に設定されている、
    請求項3または4に記載のトルク伝達装置。
  6. 前記支持部材は、前記第1付勢部材の前記第2付勢部材によって押される部分の前記第2付勢部材側を支持している、
    請求項1から5のいずれかに記載のトルク伝達装置。
  7. 前記第1付勢部材の前記第2付勢部材によって押される部分は、前記押圧部材の前記第1付勢部材によって押される部分よりも外周側に配置されている、
    請求項6に記載のトルク伝達装置。
  8. 前記支持部材は、前記第1付勢部材の前記第2付勢部材によって押される部分の前記第2付勢部材と反対側を支持している、
    請求項1から5のいずれかに記載のトルク伝達装置。
  9. 前記第1付勢部材の前記第2付勢部材によって押される部分は、前記押圧部材の前記第1付勢部材によって押される部分よりも内周側に配置されている、
    請求項8に記載のトルク伝達装置。
  10. 前記駆動部材は、前記第1及び第2付勢部材の間に狭持され前記支持部材と軸方向へ相対移動すると前記支持部材を前記カバー部材に対して相対回転させる第1駆動部材と、前記カバー部材に固定され前記支持部材と相対回転すると前記支持部材を前記摩擦部材側へ移動させる第2駆動部材とから構成されている、
    請求項1から9のいずれかに記載のトルク伝達装置。
  11. 前記第1駆動部材は、軸方向に傾斜して延びる複数の案内溝を有しており、
    前記支持部材は、前記案内溝に半径方向に挿入される複数の爪部を有している、
    請求項10に記載のトルク伝達装置。
  12. 前記支持部材は、前記第2駆動部材側に形成され円周方向に傾斜した複数の第1傾斜面を有しており、
    前記第2駆動部材は、前記第1傾斜面に当接し円周方向に傾斜した複数の第2傾斜面を有している、
    請求項10または11に記載のトルク伝達装置。
  13. 前記支持部材は、前記第1付勢部材の前記入力回転体と反対側に配置された第1支持部材と、前記第1付勢部材と前記第1支持部材とを軸方向に挟み込むよう配置され、前記第1支持部材に支持されるとともに前記第1付勢部材を支持している第2支持部材とから構成されており、
    前記駆動部材は、前記第1及び第2付勢部材の間に狭持され前記第1支持部材と軸方向へ相対移動すると前記第1支持部材を前記カバー部材に対して相対回転させる第1駆動部材と、前記カバー部材に固定され前記第1支持部材と相対回転すると前記第1支持部材を前記摩擦部材側へ移動させる第2駆動部材とから構成されている、
    請求項8または9に記載のトルク伝達装置。
  14. 入力回転体からのトルクを出力回転体へ伝達及び遮断するためのクラッチ装置であって、
    前記出力回転体に連結され、外周側に摩擦部材を有するクラッチディスク組立体と、
    前記入力回転体に連結され、前記入力回転体との間で前記摩擦部材を狭持及び解除可能なクラッチカバー組立体とを備え、
    前記クラッチカバー組立体は、
    前記入力回転体に連結されたカバー部材と、
    前記カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ、前記入力回転体との間に前記摩擦部材を狭持するための押圧部材と、
    前記カバー部材に対して相対回転不能に設けられ、前記押圧部材を軸方向前記入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、
    前記カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1付勢部材に直列組み合わせされて前記摩擦部材の摩耗時に前記押圧部材に対する付勢力の変化を減らすための第2付勢部材と、前記第1付勢部材を軸方向に支持しており前記カバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、前記摩耗部材が摩耗すると前記支持部材を前記摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有する摩耗追従機構とを有している、
    クラッチ装置。
  15. 入力回転体から出力回転体へ伝達されるトルクを制限するためのトルクリミッタ装置であって、
    前記出力回転体に連結され、外周側に摩擦部材を有する摩擦ディスク組立体と、
    前記入力回転体に連結され、前記入力回転体との間で前記摩擦部材を狭持しトルク伝達を制限するための伝達トルク制限部とを備え、
    前記伝達トルク制限部は、
    前記入力回転体に連結されたカバー部材と、
    前記カバー部材に対して相対回転不能にかつ軸方向へ相対移動可能に設けられ、前記入力回転体との間に前記摩擦部材を狭持するための押圧部材と、
    前記カバー部材に対して相対回転不能に設けられ、前記押圧部材を軸方向前記入力回転体側へ付勢するための第1付勢部材と、
    前記カバー部材に対して軸方向に弾性変形可能に設けられ、前記第1付勢部材に直列組み合わせされて前記摩擦部材の摩耗時に前記押圧部材に対する付勢力の変化を減らすための第2付勢部材と、前記第1付勢部材を軸方向に支持しており前記カバー部材に軸方向に移動可能に支持された支持部材と、前記摩耗部材が摩耗すると前記支持部材を前記摩擦部材側に移動させる駆動部材とを有する摩耗追従機構とを有している、
    トルクリミッタ装置。
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