JP6309946B2 - 拡散反射特性を有する透明層状素子を備えるガラスへの投影又は逆投影方法 - Google Patents

拡散反射特性を有する透明層状素子を備えるガラスへの投影又は逆投影方法 Download PDF

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Description

本発明は、拡散反射特性を有する透明層状素子を備えるグレージングを投影又は逆投影スクリーンとして使用する投影又は逆投影方法に関する。本発明は、本発明の投影又は逆投影方法に特に適したグレージングにも関する。
公知のグレージングには、グレージング上で入射放射線の正透過及び反射が起きる標準的な透明グレージングと、グレージング上で入射放射線の拡散透過及び反射が起きる半透明グレージングが含まれる。
通常、グレージング上の所定の入射角の入射放射線がグレージングによって複数の方向に反射される場合、グレージングによる反射は拡散反射と呼ばれる。グレージング上の所定の入射角の入射放射線が入射角と等しい反射角でグレージングによって反射される場合、グレージングによる反射は正反射と呼ばれる。同様に、グレージング上の所定の入射角の入射放射線が入射角と等しい透過角でグレージングを透過する場合、グレージングを通る透過は正透過と呼ばれる。
標準的な透明又は半透明グレージングに、投影又は逆投影スクリーンとして使用できるように追加の特性を付与しようと数多くの試みがなされてきた。
投影スクリーンは2つの面又は表面を備える。光源からの画像が投影される、光源と同じ空間領域に位置する正面と(直接投影)、正面に投影された画像が透明性により任意で出現する反対面である。
逆投影スクリーンは、上述の投影スクリーンのものと同じ特徴を有する正面及び反対面を有する。他方で、逆投影スクリーンは、ユーザと光源が同じ空間領域に位置せずスクリーンの両側に在る点で投影スクリーンとは異なる。逆投影では必ずプロジェクタをグレージングの背後に位置決めし、したがってチャンバをこの位置に用意する。したがって、この構成は、その使用のために必要とする部屋において制約が多いものとなる。
投影スクリーンとしての透明標準グレージングの使用は考えられない。これはこれらのグレージングが拡散反射特性を示さず、したがってその面のどれであっても結像したり、鏡のように鮮明な反射像を返したりすることができないからである。
投影スクリーンとしての半透明標準グレージングの使用にも不利な点がある。これらの半透明グレージングでは、グレージングを通したくっきりとした視界を保持することができない。
投影スクリーンとして使用する標準半透明グレージングの性能を改善するために提案される解決策の1つは、透明状態と散乱状態との間で切り替え可能なグレージングを使用することを含む。これらのグレージングは、2つの電極担持支持体の間に置かれた能動素子を備える機能性フィルムの使用をベースとしている。フィルムが電圧下にある場合、能動素子は優先軸線に沿って配向されるため、機能性フィルムを通して見えるようになる。電圧下にないと、能動素子は整列せず、フィルムは散乱性となり、見えなくなる。
現在、このようなグレージングは主に、散乱状態で画像を逆投影するためのスクリーンとして使用されているが、これはその特性から投影スクリーンとして適切には使用できないからである。これは切り替え型のグレージング、例えば液晶グレージング上に直接画像を投影すると、これらのグレージングの光学特性は不適であることから(例えば、低拡散反射)投影の質が月並みなものになるからである。しかしながら、特に、これらのグレージングに投影される画像の明るさは概して、観測角が増大すると大きく低下する。たとえ散乱状態にあっても、投影における画角は大きく低下し、そのようなグレージングの投影スクリーンとしての使用は困難となる。
特に欧州特許第0823653号明細書において提供される別の解決策は、可変光透過/吸収系と可変光散乱系とを組み合わせたグレージングから成る。このグレージングは、逆投影又は投影スクリーンとして使用し得る。しかしながら、これらの系が逆投影では比較的満足のいくものであるものの、投影において正確に機能しないことがはっきりと述べられている。反射による画像投影の質は月並みなものであり、ここでもまた明るさは低く、画角は小さい。そして、画像投影は散乱状態だけで可能である。透明状態において、直接投影は不可能である。
投影及び逆投影スクリーンとして使用される、スクリーン印刷されたグレージングも公知である。しかしながら、そのようなグレージングは充分な透明度を示さない。これらのグレージングのスクリーン印刷パターンは常に可視である。
そして、グレージングの透明度を維持つつ、ある角度から画像を逆投影で投影可能な「ホログラフィック」投影グレージングが公知である。しかしながら、これらのグレージングは逆投影に限定されることから、プロジェクタを極めて精確な位置に置く必要がある。さらに、これらの製品の製造コストは極めて高い。
したがって、本発明は、投影又は逆投影スクリーンとして使用し得るグレージングを提供することで先行技術の公知のグレージングの欠点を克服することを目標とし、本発明のグレージングはグレージングの透明度を維持しつつ、特には、大きな画角で可視である画像の直接投影を可能にする。
本発明はまた、
投影される画像の明るさを強化し、
投影される画像のコントラストを強化又は改善し、
優れた画角を得て、このディスプレイが光学的欠点を伴うことなく製造され、すなわち画像は素晴らしい鮮明度でもって表示され、
ホットスポット現象を回避し且つ投影室における投影画像の反射及び透過に因る二次画像の結像によって引き起こされ得る不都合を最小限に抑えることを可能にする。
したがって、本発明は、投影又は逆投影スクリーンとして使用される2つの主要外面10、20を備えるグレージング5及びプロジェクタが用いられる投影又は逆投影方法に関し、この方法は、見物人に見える画像をプロジェクタでグレージングの面の一方に投影することを含み、このグレージングが2つの滑らかな主要外面2A、4Aを有する透明層状素子1を備えることを特徴とし、この透明層状素子1が、
それぞれが層状素子の2つの主要外面2A、4Aの一方を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成される、実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層2、4と、
外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、好ましくは誘導体層、若しくは金属層である単層によって、又は少なくとも1つの、外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する透明層、好ましくは誘導体層、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、外層の間に挿入される中心層3とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)はテクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする。
本発明において、屈折率の値が重要ではない一方の金属層と、もう一方の既定の屈折率を有する透明層、好ましくは誘導体層とは区別されており、これらに関しては外層の屈折率に対する屈折率における違いが考慮される。
特に有利な実施形態において、グレージングは追加で、少なくとも1つの反射防止コーティングを備える。
別の特に有利な実施形態において、グレージングは追加で、透明状態と散乱状態とを切り替え可能な機能性フィルムを備える可変光散乱系を備える。この可変光散乱系は好ましくは電気的に制御可能である。この系は、2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備え得て、機能性フィルムは好ましくは透明である。電極は機能性フィルムと直接接触している。電極は好ましくはそれぞれ少なくとも1つの導電層を備える。
本発明の好ましい実施形態は有利な実施形態を組み合わせたものである。
拡散反射を有する透明素子は、透過において透明であり且つ拡散反射を示すグレージングを得ることを可能にする。これらの特性は得られる投影画像の良好な明るさに寄与する。したがって、この素子は、「鏡面」タイプの正反射を制限しつつ素子を通したくっきりとした視界の両方を得ることを可能にする。中心層は拡散反射を促進するため、透明層状素子が組み込まれたグレージングのどの面への画像の直接投影も可能となり、画像は中心層で形成される。
反射防止コーティングの追加は、層状素子内での多重反射の軽減ひいては投影される画像の質の向上を可能にする。
可変光散乱系との組み合わせは、この系がその透明状態にある場合、グレージングの特性を変化させない。他方で、系がその散乱状態にある場合、層状素子の拡散反射が可変光散乱系の拡散反射に追加されることから、直接投影で得られる画像の質は改善される。この相乗的相互作用は、より良好な明るさ及びより良好なコントラストの投影画像を得ることを可能にする。したがって、好ましくは電気的に制御可能な可変光散乱系の存在は、透明状態と散乱状態との間で切り替わるが透明状態及び散乱状態の両方において良好な画角でもって直接投影が可能なグレージングを得ることを可能にする。
したがって、本発明のグレージングは、画像の直接投影を可能にする。投影画像は、最高180°になり得る優れた画角でもって見える。これは、約−90°又は+90°の角度で位置している観察者が、本発明のグレージング上に投影された画像をはっきりと見る又は投影された文字列を読むことができるからである。
グレージングの特性、特にこの極めて大きい画角により、プロジェクタの位置について特定の制約を課さないことが可能になる。例えば、投影の質に悪影響を及ぼすことなく、プロジェクタのランプの正反射及び/又は非拡散透過が観察者には見えないようにプロジェクタを設置し得る。その結果、ホットスポット現象が回避される。
この同じ特性が、二次画像の形成によって引き起こされ得る不都合を最小限に抑えることを可能にする。二次画像は、
グレージング上に投影された光の正反射(次に画像は投影室の別の面上に形成される)、
グレージングを通って投影される光の非拡散透過(次に画像は投影室の別の面上に形成される)、
に起因する。
観察者にとって煩わしくない場所、例えば床上にこれらの二次画像が形成されるようにプロジェクタを位置決めすることで、この厄介事を最小限に抑えることが可能である。
本発明の解決策により、技術的な観点からだけでなく拡散反射特性を有する透明層状素子の存在によって発生する低追加コストに因る経済的な観点から、投影スクリーンとして使用するための既存のグレージングが改善される。
明細書全体を通して、本発明のグレージングは水平に位置決めされるとみなされ、下向きのその第1面は下側の主要外面10を画成し、第1面の反対側にある上向きのその第2面は上側主要外面20を画成している。したがって、「上」及び「下」という表現の意味は、この向きに対して考えられる。特に明記されていない限り、「上」及び「下」という表現は必ずしも2つの素子、層、コーティング及び/又は系が互いに接触して位置決めされていることを意味しない。用語「下側」及び「上側」は本明細書においてこの位置決めに関して用いられる。
グレージングは、層状素子及び/又は任意の可変光散乱系の、上又は下に位置決めされる少なくとも1つの追加層をさらに備え得る。グレージングのこの追加層は、層状素子の外層の透明材料、好ましくは誘電体の屈折率と極めて実質的に同じ屈折率を有するか又はそれとは異なる屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から成り得る。これらの追加層は好ましくは、
2つの滑らかな主要面を備える、ポリマー、ガラス又はセラミックから選択される透明基板、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサート、
から選択される。
グレージングは、2つの上側及び下側の主要外面10、20を備える。グレージングの主要外面は、例えばグレージングが追加層を備えない場合、層状素子の主要外面と一致し得る。他方で、グレージングが、
少なくとも1つの追加の上側層を備える場合、グレージングの上側の主要外面は追加の上側層の上側主要外面と一致し、
少なくとも1つの追加の下側層を備える場合、グレージングの下側主要外面は、追加の下側層の下側主要外面と一致する。
本発明の意味の範囲内で、用語「屈折率(index)」とは、波長550nmで測定される光学的屈折率のことである。
本発明において、薄層は、1μm未満の厚さを有する層である。
2つの透明材料又は透明層、好ましくは誘電体又は誘電体層は実質的に同じ屈折率を有する、あるいは2つの透明材料、好ましくは誘電体が550nmでの屈折率の差の絶対値が0.15以下である屈折率を有する場合、実質的に等しい屈折率を有する。本発明において、層状素子の2つの外層の構成透明材料、好ましくは誘電体材料の間での550nmでの屈折率の差の絶対値は、好ましくは小さいほうから0.05以下、0.02以下、0.018以下、0.015以下、0.01以下、0.005以下である。
2つの透明材料又は透明層、好ましくは誘電体又は誘電体層は、550nmでの屈折率の差の絶対値が厳密に0.15より大きい場合、異なる屈折率を有する。有利な特色に従うと、一方の外層ともう一方の、中心層の屈折率(n3、n31、n32、・・・n3k)を有する少なくとも1つの透明層との間での550nmでの屈折率の差の絶対値は0.3以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上である。
屈折率におけるこの比較的大きな差は、層状素子の内側の少なくとも1つのテクスチャ加工接触面で起きる。これが、このテクスチャ加工接触面での放射線の反射、すなわち層状素子による放射線の拡散反射の促進を可能にする。
2つの隣接する層の間の接触面は、2つの隣接する層の界面である。
透明素子は、少なくとも素子のターゲット用途の使用波長範囲において放射線の透過が起きる素子である。好ましくは、素子は、少なくとも可視波長範囲において透明である。
本発明において、透明材料又は透明層とは特に、
屈折率(n2、n4)を有する透明材料から成る外層2、4、
屈折率(n3)を有する透明層から形成される中心層3、
外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層を備える積層体(31、32、・・・3k)、
のことである。
好ましくは、透明材料又は透明層は有機質又は無機質である。好ましくは、透明材料又は透明層は金属ではない。無機透明材料又は透明層は、1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択され得る。遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属は好ましくは、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、インジウム、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム又はマグネシウムから選択される。有機誘電体又は有機誘電体層はポリマーから選択される。
これらの透明材料又は透明層は好ましくは誘電体である。誘電体又は誘電体層は非金属材料又は非金属層である。誘電体又は誘電体層は低導電率、好ましくは104S/m未満、任意で100S/m未満の材料又は層であると考えられる。また、誘電体又は誘電体層は金属の抵抗率より高い抵抗率を示す材料又は層であると考えられる。本発明の誘電体又は誘電体層は、1オーム・センチメートル(Ω・cm)を越える、好ましくは10Ω・cmを越える、任意で104Ω・cmを越える抵抗率を示す。
本発明の特定の実施形態において、透明層状素子は電極担持支持体として使用される。例えば、透明層状素子は、可変光散乱系の電極担持支持体の1つを構成し得る。この場合、下側外層は支持体の役割を果たし、中心層及び上側外層から構成されるアセンブリは電極の役割を果たす。
この実施形態において、中心層は好ましくは少なくとも1つの金属層を備える。この層の上に位置する層が屈折率n4、n31、n32、・・・n3kを有する透明層である場合、これらの層はある程度導電性でなくてはならない。したがって、透明材料又は透明層は導電層になり得る。これは、これらの透明材料又は透明層が、この層又はこれらの層と層状素子の中心層とから構成される電極を絶縁しないだけの充分に「低い」抵抗率を示さなくてはならないからである。これらの層又は材料は好ましくは1Ω・cm未満、好ましくは10-2Ω・cm未満の抵抗率を有する。
テクスチャ加工面又は粗面は、面特性が、面上の入射放射線の波長より大きい規模で変化する面である。そのため、入射放射線は透過し、面で拡散反射される。好ましくは、本発明のテクスチャ加工面又は粗面は、少なくとも0.5μm、特には1〜5μmの算術平均偏差Raに対応する粗さパラメータを示す(評価長さに沿ったプロファイルの中央線から測定される粗さプロファイルRの全ての絶対距離の算術平均に対応する)。
滑らかな面とは、面不整がその面不整によって放射線が逸れないようなものである面である。したがって、入射放射線は透過し、面で正反射される。好ましくは、滑らかな面は、面不整が面上の入射放射線の波長より小さい又はずっと大きい(大規模起伏)寸法を有する面である。
しかしながら、外層又は追加層は、これらの層が実質的に同じ屈折率を有する誘電体から構成される1つ以上の追加層と接触しているならば若干の面不整を示し得て、追加層は若干の不整を示す層と接触している面とは反対側の面に、上で定義されたような滑らかな面を呈する。
好ましくは、滑らかな面は、0.1μm未満、好ましくは0.01μm未満の算術平均偏差Raに対応する粗さパラメータ又は10°未満の傾斜を示す面である。
グレージングは、少なくとも1つの透明有機又は無機基板を備える。
層状素子は剛性又は可撓性になり得る。特には例えばガラス又はポリマーをベースとして構成されるグレージングになり得る。また、特には透過特性を保持しつつ拡散反射特性を付与するために面に追加可能な可撓性ポリマー系フィルムになり得る。
出願人は、本発明の層状素子の特に有利な特性は外層間での屈折率の一致、すなわちこれら2つの層が実質的に同じ屈折率を有する事実に因るものであることを発見した。本発明において、屈折率における一致又は屈折率における差は、層状素子の2つの外層の構成透明材料、好ましくは誘電体間での550nmでの屈折率における差の絶対値に対応する。屈折率における差が小さければ小さいほど、グレージングを通した視界はより鮮明となる。層状素子を通した極めて鮮明な視界は、可能な限り良く調整された屈折率における一致に起因する。
本発明により、層状素子上での入射放射線の正透過及び拡散反射が得られる。正透過は、層状素子を通した鮮明な視界を保証する。拡散反射は、層状素子上での鋭い反射及び幻惑のリスクの防止を可能にする。
層状素子上での拡散反射は、2つの隣接する層(一方は透明であり、もう一方は金属である、あるいは異なる屈折率を有する2つの透明層である)の間の各接触面がテクスチャ加工されることから起きる。したがって、層状素子上の入射放射線がそのような接触面に到達した場合、入射放射線は金属層で反射されるか又は2つの透明層間での屈折率における差の結果として反射され、また接触面にはテクスチャ加工が施されているため、反射は拡散反射となる。
正透過は、層状素子の2つの外層が滑らかな主要外面を有し且つ実質的に同じ屈折率を有する材料から構成され、また層状素子の2つの隣接する層の間の各テクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)が2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)と平行であることから起きる。
層状素子の滑らかな外面は、各空気/外層界面での放射線の正透過を可能にする。すなわち、放射線の方向が変化することのない、空気から外層内への放射線の入射又は外層から空気中への放射線の出射を可能にする。
テクスチャ加工接触面の平行関係は、透明であり且つ外層の屈折率と異なる屈折率を有するか又は金属である中心層の構成要素又は各構成要素層が、中心層の外層との接触面に対して垂直に均一な厚さを示すことを含意する。
厚さにおけるこの均一性は、テクスチャ全体にわたって又はテクスチャのセクションに限局して共通となり得る。特に、テクスチャの傾斜に変動がある場合、2つの連続したテクスチャ加工接触面間の厚さはセクションごとにテクスチャの傾斜に応じて変化し得るが、テクスチャ加工接触面は常に互いに平行なままである。これは特に層の厚さがテクスチャの傾斜が大きくなるにつれて減少する陰極スパッタリングで堆積させる層の場合にあてはまる。したがって、局所的には、所定の傾斜を有する各テクスチャセクションにおいて層の厚さは一定なままであるが、層の厚さは、第1傾斜を有する第1テクスチャセクションと第1傾斜とは異なる第2傾斜を有する第2テクスチャセクションとの間で異なる。
有利には、層状素子内でテクスチャ加工接触面の平行関係を得るために、中心層の構成層又は各構成層は陰極スパッタリングで堆積される層である。これは、陰極スパッタリング、特には磁場支援型陰極スパッタリングが、層の境界を定める面が互いに平行となることを保証するからであり、他の堆積技法、例えば蒸着又は化学蒸着(CVD)法又はゾル−ゲル法には当てはまらない。実際、層状素子内でのテクスチャ加工接触面の平行関係は、素子を通る正透過を得るのに必須である。
層状素子の第1外層上の入射放射線は、その方向を変化させることなくこの第1外層を横断する。第1外層と中心層の少なくとも1つの層との間での性質における違い(透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・n3k)を有する又は金属である)又は屈折率の差の結果として、放射線は続いて中心層で屈折する。一方で層状素子の2つの隣接する層の間のテクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明でもう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)は全て互いに平行であり、他方で第2外層は第1外層と実質的に同じ屈折率を有するため、スネル・デカルトの屈折の法則に従って、中心層から始まる第2外層における放射線の屈折角は第1外層から始まる中心層上での放射線の入射角に等しい。
このため放射線は、層状素子の第2外層から、素子の第1外層上でのその入射方向と同じ方向に沿って出てくる。したがって、層状素子による放射線の透過は正透過である。その結果、層状素子を通したくっきりとした視界が、すなわち半透明の層状素子を使用することなく、層状素子の正透過特性によって得られる。
本発明の一態様においては、層状素子の拡散反射特性を利用して放射線の大部分を複数の方向に放射線入射側で反射させる。層状素子の正透過特性により、この強力な拡散反射が、層状素子を通したくっきりとした視界を有しつつ、すなわち半透明の層状素子を使用せずに得られる。そのような強力な拡散反射を有する透明層状素子は、ディスプレイ、投影スクリーン等の用途にある程度の重要性を示す。
本発明の一態様において、層状素子の2つの外層の少なくとも一方は誘電体から構成され、
好ましくはポリマー、ガラス又はセラミックから選択される透明基板(その主要面の一方にはテクスチャ加工が施され、もう一方の主要面は滑らかである)、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体の層、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとし、
光架橋性及び/又は光重合性材料、
ゾル−ゲル法で堆積される層、
エナメル層、
を含む層、
ポリビニルブチラール(PVB)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート又はエチレン/ビニルアセテート(EVA)から選択されるポリマーを好ましくはベースとし得る熱成形性又は感圧プラスチックのインサート又はインターリーブ、
から選択される。
透明基板の主要面の1つへのテクスチャ加工はいずれの公知のテクスチャ加工法でも施し得て、例えば面を変形させることが可能な温度まで事前に加熱された基板面への、特には基板に形成しようとするテクスチャに相補的なテクスチャをその表面に有するローラでローラ掛けすることによるエンボス加工、研磨粒子又は研磨面による研磨(特にはサンドブラスト)、化学処理(特には、ガラス基板の場合は酸処理)、成型(特には、熱可塑性ポリマー製の基板の場合は射出成形)又は彫刻である。
透明基板がポリマーから形成される場合、この基板は剛性又は可撓性になり得る。本発明に適したポリマーの例には、特には
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリアクリレート、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、
ポリカーボネート、
ポリウレタン、
ポリアミド、
ポリイミド、
フルオロポリマー、例えばフルオロエステル、例えばエチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)又はフッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、
光架橋性及び/若しくは光重合性樹脂、例えばチオレン、ポリウレタン、ウレタン−アクリレート又はポリエステル−アクリレート樹脂、並びに
ポリチオウレタン、
が含まれる。
これらのポリマーは概して、1.3〜1.7の屈折率範囲を示す。
層状素子の外層として直接使用し得る、前もってテクスチャ加工が施されたガラス基板の例には、
Saint-Gobain Glassが販売するSatinovo(登録商標)シリーズ(前もってテクスチャ加工が施され且つその主要面の1つに、サンドブラスト又は酸処理で得られるテクスチャを有する)のガラス基板、
Saint-Gobain Glassが販売するAlbarino(登録商標)S、P 若しくはGシリーズ(登録商標)又はMasterglass(登録商標)シリーズ(その主要面の1つにロール掛けで得られるテクスチャを呈する)のガラス基板、
フリントガラス等のサンドブラストでテクスチャ加工される高屈折率ガラス基板(例えば、Schottが品番SF6(n=1.81)、7SF57(n=1.85)、N−SF66(n=1.92)及びP−SF68(n=2.00)で販売)、
が含まれる。
層状素子の2つの外層のそれぞれが透明基板によって形成される場合、これら2枚の透明基板は互いに相補的なテクスチャを有する。
層状素子のテクスチャ加工が施された外層は単純に、1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体の層から構成され得る。遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属は好ましくは、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム又はマグネシウムから選択される。誘電体のこの薄層は高い屈折率を有する材料、例えばSi34、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al23、MoO3、NbO、TiO2又はZrO2及び低屈折率を有する材料、例えばSiO2、MgF2又はAlF3から選択される材料から構成され得る。この層は好ましくは層状素子の上側外層として使用され、また陰極スパッタリング堆積技法、特には磁場支援型陰極スパッタリング堆積技法、蒸着、化学蒸着(CVD)法によって、既に下側外層及び中心層を備えているグレージング上に堆積され得る。他方で、陰極スパッタリングで形成される堆積物は面に合致する。したがって、このようにして堆積された層を続いて研磨して平坦な主要外面を得なくてはならない。したがって、これらの誘電体層は中心層の表面粗さに調和したテクスチャ加工面と、この面とは反対側の、平坦な主要外面とを備える。
層状素子の外層はまた、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとし得る。好ましくは、これらの層は、層状素子の上側外層として使用される。
最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される層は、光架橋性及び/又は光重合性材料の層になり得る。好ましくは、この光架橋性及び/又は光重合性材料は周囲温度で液体の形態で用意され、照射により光架橋及び/又は光重合されると、気泡又は他の不整のない透明な固体となる。この材料は特には樹脂、例えば通常は接着剤又は表面コーティング剤として使用されるものになり得る。これらの樹脂は概して、エポキシ、エポキシシラン、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸タイプのモノマー/コモノマー/プレポリマーをベースとする。例えば、チオレン、ポリウレタン、ウレタン−アクリレート又はポリエステル−アクリレート樹脂を挙げ得る。樹脂の代わりに、この材料は光架橋性水性ゲル、例えばポリアクリルアミドゲルになり得る。本発明で使用し得る光架橋性及び/又は光重合性樹脂の例には、Norland OpticsがNOA(登録商標)Norland Optical Adhesivesブランドとして販売している製品、例えばNOA(登録商標)65、NOA(登録商標)75製品が含まれる。
代替の形態において、最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される外層はゾル−ゲル法で堆積されるゾル−ゲル層になり得て、ゾル−ゲル法に従って得られるシリカ系マトリックスを含む。
ゾル−ゲル法は、第1ステップにおいて、水の存在下で重合反応を引き起こす前駆体を含む「ゾル−ゲル溶液」と称される溶液を調製することから成る。このゾル−ゲル溶液を面上に堆積させると、ゾル−ゲル溶液中の水の存在により又は大気中の水分との接触により、前駆体は加水分解、縮合して網目構造が形成され、その網目構造内に溶媒が捕捉される。これらの重合反応によって次第に縮合度が上昇する実体が形成され、ゾル、次にゲルを形成するコロイド粒子となる。これらのゲルを数百度オーダーの温度で乾燥、緻密化すると、シリカ系前駆体の存在下、ガラスに相当するゾル−ゲル層が得られ、このゾル−ゲル層の特徴は慣用のガラスのものと同様である。
好ましくは、ゾル−ゲル層は、層状素子の上側外層として使用される。その粘性により、コロイド溶液又はゲルの形態のゾル−ゲル溶液は第1外層とは反対側の、中心層のテクスチャ加工主要面上に容易に堆積し得て、この面のテクスチャに合致する。ゾル−ゲル層は、中心層の粗さを「埋める」。これは、この層がそのようにテクスチャ加工された中心層の表面粗さに調和する面と、この面とは反対側にある、平坦な主要外面とを備えるからである。したがって、ゾル−ゲル法で堆積される層は層状素子の面の平坦化をもたらす。
ゾル−ゲル層はシリカ系マトリックスを含み得て、またシリコンアルコキシドSi(OR)4等の前駆体から得られる。このため、ゾル−ゲル層はシリカガラスに相当する。
堆積を、以下の技法:
ディップコーティング、
スピンコーティング、
ラミナーフローコーティング又はメニスカスコーティング、
スプレーコーティング、
ソークコーティング、
ロール・ツー・ロール方式加工、
ペイントコーティング、
スクリーン印刷、
の1つに従って行い得る。
堆積は、好ましくは空気噴霧式のスプレーコーティングによって行われる。ゾル−ゲル層を乾燥させるための温度は0〜200℃、好ましくは100〜150℃、より好ましくは120〜170℃になり得る。
ゾル−ゲル法で堆積される層は、層状素子の面の平坦化をもたらす。しかしながら、そのような平坦化層を使用すると、ゾル−ゲル層の主要外面は、大規模面不整を呈し得る。したがって、層状素子の外層の滑らかさを再構成するために、不整を呈するこの面と接触させて、外層と実質的に同じ屈折率を有する幾つかの追加層、例えばプラスチックシート、板ガラス基板等を位置決めすることが可能である。
別の外層例は、ガラス基板、例えばソーダ石灰ガラス基板上にガラスフリットをベースとしたエナメルを堆積することで得られる。エナメルを得るために、まずガラスフリットを含む調合物を、ガラスを数ミクロン(例えば、D50=2ミクロン)の粒径に粉砕し、続いてこの粉砕ガラスを有機マトリックスを使用してペーストにすることで調製する。次に、この組成物の層を、液状堆積技法、例えばスクリーン印刷又はスロットコーティングによりガラス基板上に堆積する。そして、この層を、組成物に使用したガラスフリットのガラス転移温度より少なくとも100℃高い温度で焼成する。エナメル層は、成形操作に適した最初は粘性の液体又はペースト状態の硬化性材料をベースとした層に対応する。
続いて、極限pH値を有する、すなわち強酸性(pH<2)又は強塩基性(pH>12)である溶液での処理によってこのエナメル層に粗面又はテクスチャ加工を施し得る。この場合、ガラス基板は層状素子の追加層であり、エナメル層は層状素子の外層を構成すると考えられる。
エナメル層は、上側外層としても使用され得る。この場合、層状素子のテクスチャ加工上側外層は単純に、液状堆積技法(スクリーン印刷、スロットコーティング等)によって下側外層及び中心層が事前にコーティングされた支持体上に堆積される、ガラスフリットをベースとしたエナメル組成物から構成され得る。エナメル層は、中心層の粗さを「埋める」。エナメル層はそのようにテクスチャ加工された中心層の表面粗さに調和する面とこの面とは反対側にある、平坦な主要外面とを備える。しかしながら、この場合、ガラスフリットを含む組成物を溶融させるための高焼成温度という観点から、層状素子のその他の層に使用する材料、すなわち中心層でコーティングされる外層の材料がこの焼成段階の後に変形しないようにすることが必要である。例えば、下側外層としてテクスチャ加工されたエナメルを含むガラス基板から構成される支持体を使用する場合、上側外層を形成することが意図された、ガラスフリットを含むエナメル組成物が下側外層のエナメル形成に使用されるフリット組成物のガラス転移温度より低いガラス転移温度Tgを示すことが好ましい。したがって、下側外層は、上側外層の焼成段階中に変形しない。
外層は、圧縮及び/又は加熱によってテクスチャ加工を施される、熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサート又はシートをベースとした層を備え得る。ポリマー材料をベースとしたこの層は特にはポリビニルブチラール(PVB)、エチレン/ビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は塩化ポリビニル(PVC)をベースとした層になり得る。ポリマー材料をベースとしたこの層は、第1外層の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する透明基板等の追加層との間をつなぐ積層インサートとしての役割を果たし得る。
外層の厚さは好ましくは0.2μm〜6mm、より好ましくは1μm〜6mmであり、材料の選択によって異なる。
平坦な又はテクスチャ加工が施されたガラス基板は好ましくは0.4〜6mm、好ましくは0.7〜4mmの厚さを有する。
平坦な又はテクスチャ加工が施されたポリマー基板は好ましくは0.020〜2mm、好ましくは0.025〜0.25mmの厚さを有する。
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体の層から構成される外層は好ましくは0.2〜20μm、好ましくは0.5〜2μmの厚さを有する。
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとした層は好ましくは0.5〜50μm、好ましくは0.5〜20μmの厚さを有する。光架橋性及び/又は光重合性材料をベースとした層は好ましくは0.5〜20μm、好ましくは0.7〜10μmの厚さを有する。ゾル−ゲル法で堆積される層は好ましくは0.5〜50μm、好ましくは10〜15μmの厚さを有する。ガラスフリットをベースとしたエナメル層は好ましくは、3〜30μm、好ましくは5〜20μmの厚さを有する。
プラスチックインサート又はシートをベースとした層は好ましくは10μm〜2mm、好ましくは0.3〜1mmの厚さを有する。
外層として使用される透明材料又は透明層は、例えば標準ガラスを使用する場合、1.49〜1.7、好ましくは1.49〜1.54又は1.51〜1.53の屈折率を有し得る。
グレージングから構成されるスクリーンの質は、このグレージングの透過及び反射特性に左右される。原則として、光透過率が低ければ低いほど光反射率は高く、直接投影で使用するスクリーンの質は良好である。しかしながら、本発明では、透過における良好な透明性の保持を追及している。
一実施形態において、中心層は、光の反射を促進する少なくとも1つの反射層、すなわち高い可視光反射率を示す層を備える。この特性は層状素子の特殊な構造と相まって光の拡散反射を可能にし、投影スクリーンとしての使用にとって極めて優れた特性が得られる。しかしながら、反射層の使用はグレージングを通る光透過にとって不利益となる。したがって、中心層の反射及び透過特性の選択は、グレージングの良好な透明性と投影される画像の良好な明るさの達成との間で予測されるものに応じてなされなくてはならない。
層状素子の中心層の層又は積層体は、
透明ポリマーから形成される少なくとも1つの接着層、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体から構成される少なくとも1つの薄層、
少なくとも1つの金属薄層、特には銀、金、銅、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)、ステンレススチール又はこれらの合金の薄層、
を備え得る。
透明材料、好ましくは誘電体から構成される薄層は、
外層の屈折率とは異なる高屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSi34、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al23、MoO3、NbO、TiO2又はZrO2から構成される少なくとも1つの薄層、
外層の屈折率とは異なる低屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSiO2、MgF2又はAlF3から構成される少なくとも1つの薄層、
から選択され得る。
中心層が透明ポリマーから形成される接着層である場合、外層を、外層の屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体の層によって形成されるこの中心層で組み立てる。
中心層の厚さの選択は、一定数のパラメータに左右される。概して、中心層の総厚は1μm未満、好ましくは5〜200nmであると考えられ、中心層の層の厚さは1〜200nmである。
中心層が金属層を備える場合、層の厚さは好ましくは5〜40nm、より好ましくは6〜30nm、より一層好ましくは6〜20nmである。好ましくは、中心層は、銀、金、ニッケル、クロム又は合金をベースとした、例えばスチール、好ましくはステンレススチールから形成される金属層を備える。
中心層が例えばTiO2の誘電体層を備える場合、中心層は好ましくは20〜10nm、より好ましくは55〜65nmの厚さ及び/又は2.2〜2.4の屈折率を示す。
有利には、層状素子の中心層の組成を調節することによって層状素子に追加の特性、例えば太陽光制御及び/又は低放射率タイプの熱特性を付与し得る。したがって、一実施形態において、層状素子の中心層は、「n」枚の金属機能性層、特には銀又は銀含有合金をベースとした機能性層と「(n+1)」(n≧1)枚の反射防止コーティングとを交互に備え各金属機能性層が2枚の反射防止コーティングの間に位置決めされる、薄層の透明な積層体である。
公知のやり方において、金属機能性層を有するそのような積層体は太陽光の範囲及び/又は長波長赤外線の範囲で反射特性を示す。そのような積層体においては金属機能性層が本質的に熱性能を決定し、金属機能性層を囲む反射防止コーティングは光学的側面に干渉的に作用する。これは、金属機能性層は各金属機能性層についてたとえ10nmオーダーの小さい幾何的厚さであっても望ましい熱的性能を得ることを可能にするのに、可視波長の範囲の放射線の通過には強力に対抗するからである。したがって、各金属機能性層の両側の反射防止コーティングが、可視光範囲における良好な光透過を確保するために必要である。実際には、光学的に最適化されるのは、金属薄層及び反射防止コーティングを備える中心層の積層体全体である。有利には、光学的最適化は層状素子の積層体全体に対して行われ得て、すなわち中心層の両側に位置決めされた外層も含まれる。
したがって、得られる層状素子は光学特性、すなわち層状素子上での入射放射線の正透過及び拡散反射の特性と熱特性、すなわち太陽光制御及び/又は低放射率の特性とを併せ持つ。そのような素子を備えるグレージングは、投影又は逆投影スクリーンのその機能に加えて、建築物又は車両の太陽光防御及び/又は断熱の機能を含む。
中心層が透明ポリマーから形成される接着層である場合、外層は、外層の屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体の層によって形成されるこの中心層によって組み立てられる。
本発明の一態様において、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明で好ましくは誘電体であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャは、接触面の全般面に対して窪んだ又は突出した複数のパターンによって形成される。好ましくは、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明で好ましくは誘電体であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のパターンの平均高さは1μm〜1mmである。本発明の意味の範囲内で、接触面のパターンの平均高さは、接触面の各パターンについて接触面のピークと全般面との間で測定される、絶対値での距離yiの算術平均と定義され、
Figure 0006309946
に等しい。
層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明で好ましくは誘電体であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャのパターンは、接触面全体にわたってランダムに分散させられ得る。代替の形態において、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャのパターンは、接触面全体にわたって周期的に分散させられ得る。これらのパターンは特には円錐、角錐、溝、畝又はさざ波になり得る。
本発明の一態様において、それ自身とは異なる性質(誘電体又は金属)又はそれ自身とは異なる屈折率を有する層に囲まれた中心層の各層に関し、隣接する層とのその接触面に対して垂直に測定されるこの層の厚さは、隣接する層とのその接触面のそれぞれのパターンの平均高さより小さい。そのような小さい厚さは、この層への放射線の入射界面とこの層から出ていく放射線の出射界面とが平行である確率を上昇させ、ひいては層状素子を通る放射線の正透過率を上昇させることを可能にする。有利には、それ自身とは異なる性質(誘電体又は金属)又はそれ自身とは異なる屈折率を有する2つの層の間に挿入される中心層の各層の厚さは(この厚さは隣接する層とのその接触面に対して垂直に測定される)、隣接する層とのその接触面のそれぞれのパターンの平均高さの1/4未満である。
中心層は、第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積される単層又は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積される層の積層体によって形成される。
本発明において、堆積後にもし中心層の上面がテクスチャ加工され且つ第1外層のテクスチャ加工接触面に対して平行であるならば、中心層は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積されると考えられる。第1外層のテクスチャ加工主要面上への中心層のテクスチャ加工主要面と合致するような堆積又は中心層の複数の層のテクスチャ加工主要面と合致するような連続的な堆積は、好ましくは陰極スパッタリング、特には磁場支援型陰極スパッタリングによって行われる。
透明層状素子はグレージングの全面又はグレージングの少なくとも一部にわたって延び得て、すなわち層状素子1は、主要外面10、20の一部だけ又は全体を考慮にいれて形成され得る又は存在し得る。したがって、グレージングは層状素子をその面の一部だけに備え得る。したがって、層状素子を備えるグレージングの一部だけを実際に投影スクリーンとして使用し得る。投影スクリーンとして実際に使用し得るグレージングの面は層状素子を備える面に対応し且つその面と整列している。用語「面の一部」とは、観察者に見える画像の投影を可能にするのに充分な表面積を意味すると理解される。例えば、この面の一部は、グレージングの総表面積の10〜90%になり得る。
層状素子が不在であっても厚さが均一なグレージングを得るために、幾つかの解決策が考えられる。一実施形態においては、外層として、滑らかな主要外面と少なくとも面の一部がテクスチャ加工され且つ少なくとも面の一部が滑らかである主要内面とを備える透明基板を使用する。続いて、中心層が、例えば陰極スパッタリングによりこの外層上に堆積される。この堆積技法は面に従う。その結果として、外層のテクスチャ加工部上だけでテクスチャ加工された中心層及び外層の非テクスチャ加工部上で滑らかな層が得られる。そして、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとした外層、好ましくはゾル−ゲル層が中心層上に堆積される。中心層がテクスチャ加工される場合この層が粗さを埋め、また全てのケースにおいてこのアセンブリの上側主要外面を平坦化する。
このやり方で進めることによって、特には2つのテクスチャ加工され且つ平行な隣接する層の間に少なくとも2つの接触面を有するという特徴を示す本発明の層状素子は、外層のテクスチャ加工部に対応するグレージングの面の一部の上だけに位置する。外層の滑らかな部分に対応するグレージングの面の部分は、2つのテクスチャ加工され且つ平行な隣接する層の間の接触面を示さず、結果的に拡散反射特性を示さない。したがって、本発明のグレージングの面の一部の上だけに層状素子を備えるグレージングが実際に得られる。
基板の部分的なテクスチャ加工は上述したようないずれの公知のテクスチャ加工法、例えば基板の面の少なくとも一部をテクスチャ加工せずに残すためのマスクを使用する、例えば基板の面のエンボス加工、研磨、サンドブラスト、化学処理又は彫刻によっても得られる。
この実施形態は有利である。例えば情報を投影するためにグレージングの上部のバナー上だけに層状素子を得ることが可能だからである。グレージングの、層状素子を備えた部分だけを投影スクリーンとして実際に使用し得る。これは特には本発明で得られる極めて大きい画角ゆえに可能であり、このことは大きい角度でもってプロジェクタを配置することを可能にする。
一実施形態において、グレージングは追加で少なくとも1つの反射防止コーティング6を備える。反射防止コーティングの存在には、グレージングの外面ではなく層状素子の各テクスチャ加工接触面で入射放射線を優先的に反射する効果があり、これは正反射モードではなく拡散反射モードに対応する。したがって、層状素子による放射線の拡散反射が正反射より優先される。
1つ以上の反射防止コーティングの存在は、多重反射によって発生する二次画像と比較して、より精細な投影画像の達成、特には画像の鮮明度の向上及び投影から得られる主画像のコントラストにおける上昇に寄与する。
反射防止コーティングは好ましくは、スクリーンが投影スクリーンとして使用されようと逆投影スクリーンとして使用されようと、プロジェクタから最も離れた側に位置するグレージングの主要外面上に位置決めされる。これは、グレージングを透明なままにするために、光の殆どが透過し、残りが拡散反射してこの画像を形成するからである。この大部分の透過光は次にプロジェクタの反対側に位置しているグレージングの主要外面で反射され、中心層で画像を再形成し得て、この画像はその時、光が進む距離がより長い結果、異なるサイズを有する。この二重像は画像の鮮明度を損なう。
同じ現象がプロジェクタ側に位置しているグレージングのもう一方の主要外面で起きるが、拡散反射した一部の光から生じるだけなので、画像は薄い。
グレージングは有利には少なくとも1つの反射防止コーティングをその主要外面のそれぞれの上に備える。
したがって、好ましくは昇順で、本発明のグレージングは、
好ましくはグレージングのプロジェクタとは反対側の、空気と、グレージングの主要外面を形成する層の構成材料との間の界面に少なくとも1つの反射防止コーティング、
グレージングの各主要外面上に少なくとも1つの反射防止コーティング
を備える。
グレージングが基板(又は対向基板)を備える場合、その外面はグレージングの主要外面に対応し、反射防止コーティングは基板の外面及び/又は内面に存在し得る。
グレージングの主要外面の少なくとも1つ上に設けられる反射防止コーティングは、空気と反射防止コーティングを堆積させる支持体(ガラス基板又は層状素子の外層等)との間の界面での放射線の反射の軽減を可能にするいずれのタイプのものにもなり得る。特には、反射防止コーティングは、空気の屈折率と反射防止コーティングを堆積させる支持体の屈折率との間の屈折率を有する層になり得て、例えば真空技法で堆積される層又はゾル−ゲルタイプの多孔質層又は、外層がガラスから形成される場合、エッチングタイプの酸処理によって得られるガラス外層の空洞面部である。代替の形態において、反射防止コーティングは、空気と外層との間の界面で干渉フィルタとして作用する交互に低屈折率及び高屈折率を有する薄層積層体によって、あるいは空気の屈折率と外層の屈折率との間の連続的な又は交互勾配の屈折率を示す薄層積層体によって形成され得る。
追加層は好ましくは:
上で定義したようなポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、ただし2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
上で定義したような成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
上述したような熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサート又はシート
から選択される。
有利には、層状素子の滑らかな主要外面及び/又はグレージングの滑らかな主要外面は平坦である又は湾曲している。好ましくは、これらの滑らかな主要外面は互いに平行である。このことは層状素子を横断する放射線の光分散の制限、ひいては層状素子又はグレージングを通した視界の鮮明度の改善に寄与する。
本発明の別の主題は、本特許出願において定義されるような投影スクリーンとして使用されるグレージングと、投影中にグレージングを照らすためのプロジェクタとを備える投影システムである。
本発明の別の主題は本発明の投影又は逆投影スクリーンとして使用されるグレージングであり、グレージングに関して本特許出願において記載した特徴を示す2つの主要外面10、20を備える。
グレージングは好ましくは反射で動作する投影スクリーンとして使用され、すなわち見物人及びプロジェクタは、投影スクリーンとして使用されるグレージングの同じ側に位置する。しかしながら、グレージングは透過で動作する逆投影スクリーンとして使用され得て、すなわち見物人及びプロジェクタはグレージングの両側に位置し得る。
グレージングは好ましくは、上で定義されたような少なくとも1つの透明層状素子1と少なくとも1つの可変散乱系とを備える。
本発明の有利な実施形態において、グレージングは追加で電気的に制御可能な可変光散乱系を備える。機能性フィルムは能動素子を備え、その配向は電場又は磁場の印加によって変化する。
これらの可変光散乱系は、例えば液晶系を備える。
本発明において、用語「ON状態」とは、グレージングに電気を供給した場合の機能性フィルムの透明状態を意味すると理解され、用語「OFF状態」は、グレージングに電気が供給されなくなった場合の機能性フィルムの散乱状態を意味すると理解される。フィルムに電圧を印加すると、能動素子は、優先される軸線に沿って配向され、これが放射線の透過を可能にし、機能性フィルムを通して見えるようになる。電圧が印加されないと、能動素子が整列しないためフィルムは散乱性となり、見えなくなる。機能性フィルムは、電場の印加によって透明状態と半透明状態との間で可逆的に切り替わる。
拡散反射特性を有する透明層状素子と可変光散乱系との組み合わせは、透明状態と散乱状態との間での切り替えを可能にする。散乱状態にある可変光散乱系及び拡散反射を有する透明素子の反射における特性の組み合わせは、単体で使用される可変光散乱系を備えるグレージングと比較して、極めて良好な明るさ、高いコントラスト及びより大きい画角を示す投影スクリーンを得ることを可能にする。
そして、可変光散乱系が透明状態にある場合、拡散反射を有する透明層状素子の存在により、グレージングは同じく直接投影の投影スクリーンとして動作し得る。
本発明においては、明るい環境における良好な質の画像の投影が可能だが、これは可変光散乱系を備える先行技術のグレージングでは困難であった。投影される画像の質、特にはコントラストが、機能性フィルムがON状態にある場合にグレージングの透明度を損なうことなく極めて大きく改善される。
したがってこの有利な実施形態は、可変光散乱系だけを備えるグレージングと比較して、明るさ及びコントラストを暗がり及び明るい部屋の両方において上昇させること、また優れた画角、ひいては画像の良好な見え方及び可読性を、たとえ角度180°で観察した場合であっても可能にする。
液晶を有する電気的に制御可能な可変光散乱系は、液晶を含む機能性フィルムを備える。これらの液晶系は、電場、好ましくは交流電場の印加により、透明状態と非透明状態との間で可逆的に切り替わる。機能性フィルムは好ましくは、液晶、特には正の誘電異方性を有するネマチック液晶の液滴が分散している高分子材料を含む。
グレージング用途に使用される液晶は好ましくはカラミチック液晶ファミリーに分類される。この液晶ファミリーは概して3つのグループ:ネマチック、コレステリック及びスメクチックに分割される。
大画面用途の場合、使用される用語は概して分散液晶(Polymer−Dispersed Liquid Crystal:PDLC)及びカプセル化液晶(Nematic Curvilinear Aligned Phase:NCAP)、特にはPriva-Lite(登録商標)グレージングにおいて使用されるものである。これらの系は、微細空洞に閉じ込められたネマチック液晶から得られる。NCAPフィルムは概してエマルションから作製されるが、PDLCフィルムは概して、重合又は架橋中に別々の相を形成する等方性溶液から得られる。
また、本発明において、CLC(「コレステリック液晶」)又はNPD−LCD(「不均一高分子分散液晶ディスプレイ」)タイプの液晶を使用し得る。
また、例えば、少量の架橋ポリマーを含むコレステリック液晶、例えば国際出願第92/19695号パンフレットに記載されるもの又は光透過率LTにおける変化に応じて切り替わる液晶をベースとしたゲルを含む層を使用し得る。より広くは、したがってPSCT(「ポリマー安定化コレステリックテクスチャ」)製品が選択され得る。
また、欧州特許第2256545号明細書に記載されるような双安定性液晶を使用し得て、双安定性液晶はパルス形態の交流電場の印加で切り替わり、新たにパルスが印加されるまで切り替えられた状態で留まる。
液晶を含む機能性フィルムは好ましくは3〜100μm、好ましくは3〜50μm、より好ましくは3〜30μmの厚さを有する。
機能性フィルムは、液晶が能動素子として分散したポリマーフィルム又は液晶の層を備え得る。ポリマーフィルムは架橋ポリマーフィルム又は媒体中の液晶のエマルションになり得る。NCAP、PDLC、CLC及びNPD−LCDの用語で公知の液晶を使用し得る。
機能性フィルムは、能動素子として、適切な媒体中に液滴の形態で分散した液晶を含むポリマーフィルムになり得る。液晶は、正の誘電異方性を有するネマチック液晶、例えばNCAP又はPDLCタイプの液晶になり得る。液晶機能性フィルムの例は、特には欧州特許第88126号明細書、欧州特許第268877号明細書、欧州特許第238164号明細書、欧州特許第357234号明細書、欧州特許第409442号明細書及び欧州特許第964288号明細書並びに米国特許第4435047号明細書、米国特許第4806922号明細書及び米国特許第4732456号明細書に記載されている。
これらのポリマーフィルムは、液晶と水溶性ポリマーを含む媒体との水性エマルション中に存在する水を蒸発させることで得られる。
媒体は好ましくはポリウレタン(PU)タイプのラテックスのファミリーのポリマー及び/又はポリビニルアルコール(PVA)タイプのポリマーをベースとしたものであり、概して水に対してポリマーが15〜50重量%の割合の水相に調製される。
原則として、液晶の複屈折は0.1〜0.2であり、特には使用する媒体に応じて変化する。その複屈折は、媒体のポリマーがポリウレタン(PU)タイプならば0.1オーダーであり、ポリビニルアルコール(PVA)タイプならば0.2オーダーである。
光散乱に関して能動的な素子は有利には0.5〜3μm、特には1〜2.5μmの平均直径を有する、媒体に分散した液滴の形態である。液滴のサイズは一定数のパラメータに左右され、特には検討中の媒体における能動素子の乳化性が含まれる。好ましくは、これらの液滴は、媒体の概して水性である溶媒は除いて、媒体の120〜220重量%、特には150〜200重量%となる。
特に好ましくは、媒体がポリウレタンラテックス(複屈折約0.1)をベースとする場合、直径約2.5μm、媒体がポリビニルアルコール(複屈折約0.2)をベースとする場合、直径約1μmを有する液滴の形態の液晶が選択される。
ネマチック液晶の液体エマルションを含む機能性フィルムは好ましくは約10〜30μm、より好ましくは20〜25μmの厚さを有する。
このタイプのフィルムは、一旦2枚の基板の間に積層、取り込まれたら、Saint-Gobain GlassからPriva-Lite(登録商標)の商品名で販売される。
液晶を含むポリマーフィルムは、液晶、モノマー及び好ましくは重合開始剤を含む混合物を調製し、続いてモノマーを架橋することで得られる。
液晶を含むポリマーフィルムは、4−((4−エチル−2,6−ジフルオロフェニル)エチニル)−4’−プロピルビフェニル及び2−フルオロ−4,4’−ビス(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ビフェニル等の、例えばMerckが品番MDA−00−3506で販売する化合物を含み得る。
ポリマーフィルムは、米国特許第5691795号明細書に記載の公知の化合物を含み得る。本発明に適した液晶として、商品名E-31 LVで販売されるMerck Co. Ltdの製品に言及し得て、この製品は幾つかの液晶化合物の混合物に対応する。好ましくは、この製品とキラル物質、例えば4−シアノ−4’−(2−メチルブチル)ビフェニル、モノマー、例えば4,4’−ビスアクリロイルビフェニル及びUV光開始剤、例えばベンゾインメチルエーテル(CAS番号3524−62−7)の混合物を使用する。この混合物を、電極と接触する「層」形態で適用する。液晶を含むポリマーフィルムを紫外線照射で硬化させると、液晶が取り込まれたポリマー網目構造が形成される。
液晶が取り込まれたポリマー網目構造を含むポリマーフィルムは、3〜100μm、好ましくは3〜60μm、より一層好ましくは3〜20μmの厚さを有し得る。
別の実施形態において、液晶の層は、液晶及びスペーサを含む。スペーサは、ガラスビーズ等のガラスから又は硬質プラスチックから形成され得て、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)から形成され得る。これらのスペーサは好ましくは透明であり、好ましくは液晶の層のマトリックスの光学指数に実質的に等しい光学指数を示す。スペーサは非導電性材料から形成される。
液晶の層が必ずしも媒体又は網目構造を構成するポリマーを含むわけではない。液晶及びスペーサだけがこの層を構成し得る。液晶は(追加モノマーを伴うことなく)、電極と接触させて3〜60μm、好ましくは3〜20μmの厚さで適用される。この実施形態に適した化合物が、例えば米国特許第3963324号明細書に記載されている。この実施形態において、液晶の層の厚さは10〜30μm、好ましくは10〜20μmになり得る。
機能性フィルムを備える可変光散乱系はグレージングの全面又はグレージングの少なくとも一部にわたって延び得る。可変光散乱系がグレージングの少なくとも一部にわたって延びる場合、面のこの部分はグレージングの層状素子を備える部分に対応し且つそれと整列している。したがって、可変光散乱系は、グレージングの主要外面10、20の一部だけ又は全体を考慮して形成され得る又は存在し得る。
機能性フィルムは好ましくは2つの電極担持支持体で囲まれ、電極は機能性フィルムと直接接触している。
各電極は少なくとも1つの導電層を備える。この導電層は透明導電性酸化物(TCO)、すなわち良好な導電体であり且つ可視領域で透明である材料、例えばスズドープインジウム酸化物(ITO)、アンチモンドープスズ酸化物、フッ素ドープスズ酸化物(SnO2:F)又はアルミニウムドープ亜鉛酸化物(ZnO:Al)を含み得る。ITOをベースとした導電層は、約100オーム/スクエアの抵抗を示す。
導電層は、共役二重結合を含む有機化合物である透明導電性ポリマーも含み得て、その導電率は化学又は電気化学的ドーピングによって改善され得る。
導電性酸化物又は導電性ポリマーをベースとしたこれらの導電層は好ましくは、機能性フィルム又は中間層上に直接、多数の公知の技法、例えば磁場支援型陰極スパッタリング、蒸着、ゾル−ゲル技法及び気相蒸着(CVD)技法によって50〜100nmオーダーの厚さで堆積される。
導電層は金属層にもなり得て、好ましくはTCC(透明導電性コーティング)と称される薄層又は薄層の積層体になり得て、例えばAg、Al、Pd、Cu、Pd、Pt、In、Mo又はAuから形成され、典型的には20〜50nmの厚さを有する。
導電層を備える電極はエネルギー供給源に接続される。エネルギー供給源は0〜110Vの電圧を使用する電力供給源になり得る。それぞれが入力配線を備える2本の電線が分離電極接続部に接続される。
次に、電極の導電層を直接、支持体の面上に堆積することで電極担持支持体を形成し得る。
支持体はガラスシート、例えば平坦なフロートガラスシート又はプラスチックインサートになり得る。プラスチックシートは特には、PVB(ポリビニルブチラール)若しくはEVA(エチレン/ビニルアセテート)タイプの熱可塑性ポリマーから形成されるシート、ポリウレタン(PU)又はポリエチレンテレフタレート(PET)から形成されるシートになり得る。
PETシートは、例えば50μm〜1mm、好ましくは100〜500μm、より好ましくは150〜200μm、特には約175μmの厚さを有する。
したがって、可変光散乱系は、機能性フィルムを囲む導電性ITO層で覆われたPETシートからそれぞれ構成される2つの電極担持支持体を備え得る。
このタイプの可変光散乱系は、Saint-Gobain glass製のPriva-Lite(登録商標)グレージングで使用される。
好ましくは、機能性フィルムの厚さが30μm未満の場合、少なくとも3mmの厚さを示すガラスシートが使用され、機能性フィルムの厚さが30μm以上の場合、少なくとも2mmの厚さを示すガラスシートが使用される。
したがって、可変光散乱系は2つの電極担持支持体を備え得て、この電極担持支持体は、機能性フィルムを囲む、導電層を備える電極を備える平坦なフロートガラスシートを備える。
層状素子は剛性グレージング又は可撓性フィルムになり得る。有利には、そのような可撓性フィルムの主要外面の1つに接着層を設け、この接着層はフィルム接着時に取り外すことが意図された保護ストリップで覆われる。したがって、可撓性フィルムの形態の層状素子は、既存の面、例えばグレージングの面に接着により追加することでその面に拡散反射特性を正透過特性を維持しながら付与するのに適している。
本発明の好ましい実施形態において、下側外層は透明基板である。中心層は、第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積される単層又は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積される層の積層体によって形成される。好ましくは、中心層は陰極スパッタリング、特には磁場支援型陰極スパッタリングにより堆積される。第2外層又は上側外層は、第1外層とは反対側の、中心層のテクスチャ加工主要面上に堆積されるゾル−ゲル層を備える。
本発明の別の態様においては、1つ以上の上側の追加層を使用し得て、例えば熱成形性若しくは感圧プラスチックから形成されるインサート若しくはシート及び/又は透明基板又は対向基板である。プラスチックインサート又はシートをベースとする層はその場合、好ましくはゾル−ゲル層を備える層状素子の上側外層と好ましくは対向基板を備える追加層との間を繋ぐ又はその間に一体性を付与する積層インサートに対応する。
本発明のグレージングは好ましくは:
ポリマー、ガラス等の2つの主要面が滑らかな透明基板及び熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートから選択される任意の少なくとも1つの下側の追加層と、
ポリマー、ガラス等の透明基板、熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサート及び成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料から選択される下側外層と、
透明材料、好ましくは誘電体から構成される薄層又は金属薄層を備える中心層と、
ゾル−ゲル層から選択される上側外層と、
ポリマー及びガラスから選択される、2つの主要面が滑らかな透明基板並びに熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートから選択される任意の少なくとも1つの上側の追加層、
との積層体を備える。
本発明の代替の形態において、本発明のグレージングは:
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、中心層であって好ましくは薄層を備える中心層と、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料から選択される上側外層、好ましくはゾル−ゲル層とを備える層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
板ガラスから形成される透明基板であって、好ましくは少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、透明基板、
との積層体を備える。
この実施形態において、グレージングは熱成形性又は感圧性材料のインサートから選択される上側の追加層を備え、この上側の追加層上には透明ガラス基板から選択される別の上側の追加層が好ましくは重ねられる。
本発明の別の代替の形態において、本発明のグレージングは:
層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備える可変光散乱系であって、電極が機能性フィルムと直接接触している、可変光散乱系と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
好ましくは少なくとも1つの反射防止コーティングを備える板ガラスから形成される透明基板、
との積層体を備える。
本発明の別の主題は、上述したような層状素子と可変光散乱系とを備えるグレージングの製造方法であり、以下の:
(A)主要面の一方がテクスチャ加工されもう一方の主要面が滑らかな透明基板を第1外層又は下側外層として用意し、
中心層を下側外層のテクスチャ加工主要面上に堆積させ、中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層、好ましくは誘電体層又は金属層である単層から形成される場合、中心層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積され、あるいは中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体層又は金属層を備える積層体から形成される場合、中心層の層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積され、
第2外層又は上側外層を下側外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に形成し、下側及び上側外層は実質的に同じ屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成され、
任意で少なくとも1つの追加の上側及び/又は下側層を層状素子の滑らかな主要外面上に形成する、層状素子を作製する段階と、
(B)任意で追加層を備える層状素子と可変光散乱系とを組み立てる段階、
とを含む。
可変光散乱系及び層状素子はいずれの公知の手段でも組み立て得て、例えば機械的又は化学的手段である。特に、可変光散乱系及び層状素子を、積層インサートを使用して積層することで組み立てることが可能である。
好ましくは、中心層の第1外層のテクスチャ加工主要面上へのその面に合致するような堆積又は中心層の複数の層のテクスチャ加工主要面上へのその面に合致するような連続的な堆積は、陰極スパッタリング、特には磁場支援型陰極スパッタリングによって行われる。
本発明の一態様において、第2外層は、第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に、第1外層と実質的に同じ屈折率を有し且つ成形操作に適した最初は粘性状態の層を堆積することで形成される。したがって、第2外層は、例えば、最初は流体形態の光架橋性及び/若しくは光重合性材料の層を堆積し、続いてこの層に照射を行うことを含む方法又はゾル−ゲル法によって形成され得る。
本発明の別の態様において、第2外層は、第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面に対して、第1外層と実質的に同じ屈折率を有するポリマー材料をベースとした層を位置決めし、次にポリマー材料をベースとしたこの層を圧縮及び/又は少なくともポリマー材料のガラス転移温度まで加熱することで中心層のテクスチャ加工主要面に合致させることで形成される。
本発明の特徴及び利点は、例として挙げられたに過ぎない、添付の図面に関連した層状素子の幾つかの実施形態についての以下の説明から明らかとなる。
図1は、プロジェクタと本発明のある実施形態による層状素子を備えるグレージングとを備える本発明の投影システムの概略横断面図である。 図2は、層状素子の第1の代替形態についての図1の特徴部Iの拡大図である。 図3は、層状素子の第2の代替形態についての図1の特徴部Iの拡大図である。 図4は、プロジェクタと本発明の好ましい実施形態による層状素子及び可変光散乱系を備えるグレージングとを備える本発明の投影システムの概略横断面図である。 図5は、プロジェクタと本発明の好ましい実施形態による層状素子及び可変光散乱系を備えるグレージングとを備える本発明の投影システムの概略横断面図である。 図6は、本発明のグレージングの製造方法の段階を示すスキームである。 図7は、本発明のグレージングの製造方法の段階を示すスキームである。 図8は、写真である。 図9は、写真である。
図を分かり易くするために、図中の様々な層の相対的な厚さは正確には描かれていない。さらに、中心層の構成層又は各構成層の厚さにおける、テクスチャの傾斜に応じた考えられ得る変化は図には描かれておらず、厚さにおけるこの考えられ得る変化はテクスチャ加工接触面の平行関係に影響しないと理解される。これは、テクスチャの各所定の傾斜に関し、テクスチャ加工接触面は互いに平行だからである。
図1には反射で動作させることが意図された投影システムが描かれ、この投影システムはプロジェクタPと、層状素子1を備えるグレージング5とを備える。グレージングは、逆投影スクリーン(すなわちプロジェクタがグレージングの背後に位置し、見物人とプロジェクタとがグレージングによって隔てられる)としてではなく、投影スクリーン(すなわちプロジェクタP側に見物人が位置する)として使用される。
グレージングは2つの主要外面10、20を備える。主要外面10は、見物人に見える画像がプロジェクタによって投影されるグレージング面である。主要外面20は、プロジェクタとは反対側のグレージング面である。グレージングを反射で動作する投影スクリーンとして使用していることから、見物人及びプロジェクタはグレージングの同じ側に位置する。
層状素子1は2つの外層2、4を備え、これらは実質的に同じ屈折率n2、n4を有する透明材料から構成される。各外層2又は4はそれぞれ、層状素子の外側を向いた滑らかな主要面2A又は4A及び層状素子の内側を向いたテクスチャ加工主要面2B又は4Bを呈する。
層状素子1の滑らかな外面2A、4Aは各面2A、4Aでの放射線の正透過、すなわち放射線の方向が変わることのない、外層への放射線の入射又は外層からの放射線の出射を可能にする。
内面2B、4Bのテクスチャは互いに相補的である。図1からはっきりとわかるように、テクスチャ加工面2B、4Bは対向して位置決めされ、そのテクスチャは厳密に互いに平行な構成にある。層状素子1は、テクスチャ加工面2B、4Bの間に接触的に挿入された中心層3も備える。
図2に示す代替の形態において、中心層3は単層であり、金属であるか又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率n3を有し透明である透明材料から構成される。図3の代替の形態において、中心層3は幾つかの層31、32、・・・3kの透明な積層体から形成され、層31〜3kの少なくとも1つは金属層又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層、好ましくは誘電体層である。好ましくは、少なくとも、積層体の両端に位置する2つの層31、3kのそれぞれは金属層又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率n31又はn3kを有する透明層である。
図1〜3において、S0は外層2と中心層3との間の接触面を示し、S1は中心層3と外層4との間の接触面を示す。さらに、図3において、S2〜Skは面S0に最も近い接触面から順に中心層3の内部接触面を示す。
図2の代替の形態において、中心層3が互いに平行なテクスチャ加工面2B、4Bの間に接触的に配置される結果、外層2と中心層3との間の接触面S0はテクスチャ加工され、また中心層3と外層4との間の接触面S1に対して平行となる。言い換えると、中心層3は、その全体にわたって、接触面S0、S1に対して垂直に測定した場合に均一な厚さe3を示すテクスチャ加工層である。
図3の代替の形態において、中心層3の構成積層体の2つの隣接する層の間の各接触面S2、・・・Skはテクスチャ加工され且つ外層2、4と中心層3との間の接触面S0、S1に対して厳密に平行である。したがって、素子1の隣接する層の間の全ての接触面S0、S1、・・・・Sk(隣接する層は一方においては性質が異なり、透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有する又は金属であり、他方では透明で異なる屈折率を有する)はテクスチャ加工され且つ互いに平行である。特に、中心層3の構成積層体の各層31、32、・・・3kは少なくとも局所的に、接触面S0、S1、・・・Skに対して垂直に測定した場合に均一な厚さe31、e32、・・・e3kを示す。
図1に示すように、層状素子1の各接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skのテクスチャは、接触面の全般面Пに対する複数の凹凸パターンによって形成される。好ましくは、各テクスチャ加工接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skのパターンの平均高さは1μm〜1mmである。各テクスチャ加工接触面のパターンの平均高さは算術平均
Figure 0006309946
であると定義され、距離yiは図1で図示されるように面の各パターンについてピークと面Пとの間で測定される。
本発明の一態様において、中心層3の構成層又は各構成層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは層状素子の各テクスチャ加工接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skのパターンの平均高さより小さい。この状態は、中心層3のある層への放射線の入射界面とこの層からの放射線の出射界面とが平行である確率を上昇させ、ひいては層状素子1を通る放射線の正透過率を上昇させるために重要である。これら各種の層を見やすくするために、この状態は図において厳密には描かれていない。
好ましくは、中心層3の構成層又は各構成層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは層状素子の各テクスチャ加工接触面のパターンの平均高さの1/4未満である。実際には、中心層3が薄層又は薄層の積層体である場合、中心層3の各層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは、層状素子の各テクスチャ加工接触面のパターンの平均高さの1/10以下のオーダーである。
図1は、外層2側で層状素子1に入射する放射線の経路を示す。入射光Riは外層2に所定の入射角θで到達する。図1に示すように、入射光Riは外層2と中心層3との間の接触面S0に到達すると金属面によって又はそれぞれ、外層2と中心層3との間(図2の代替の形態)及び外層2と層31との間(図3の代替の形態)の接触面で屈折率における違いの結果として反射される。接触面S0はテクスチャ加工されているため、反射は複数の方向Rrで起きる。したがって、層状素子1による放射線の反射は拡散反射である。
また、入射放射線の一部は中心層3において屈折する。図2の代替の形態において、接触面S0、S1は互いに平行であり、これはスネル−デカルトの法則に従って、n2.sin(θ)=n4.sin(θ’)であることを含意し、θは外層2から来る中心層3での放射線の入射角であり、θ’は中心層3から来る外層4における放射線の屈折角である。図3の代替の形態において、接触面S0、S1、・・・・Skは互いに平行であるため、スネル−デカルトの法則から得られる関係n2.sin(θ)=n4.sin(θ’)はそのままである。結果的に、両方の代替の形態において、2つの外層の屈折率n2、n4は実質的に等しいため、層状素子を透過する光線Rtは層状素子上での入射角θに等しい透過角θ’で透過する。したがって、層状素子1による放射線の透過は正透過である。
同様に、両方の代替の形態において、上と同じ理由から、外層4側の層状素子1への入射放射線は拡散反射され、また層状素子を正透過する。
有利には、層状素子1は、グレージング10、20のその滑らかな主要外面の少なくとも一方の上に反射防止コーティング6を備える。図1のグレージングは追加層を備えていない。その結果、グレージング10、20の主要外面は層状素子の主要外面2A、4Aと一致する。好ましくは、反射防止コーティング6を、放射線を受けることが意図されたグレージングの各主要外面上に設ける。図1の例においては、グレージングの面20にのみ反射防止コーティング6が設けられているが、これは面20がプロジェクタとは反対側のグレージングの面に関わるからである。
上述したように、反射防止コーティング6は、空気と外層との間の界面での放射線の反射の軽減を可能にするいずれのタイプのものにもなり得る。反射防止コーティングは、特には、空気の屈折率と外層の屈折率との間の屈折率を有する層、干渉フィルタとして作用する薄層の積層体又は勾配する屈折率を示す薄層の積層体になり得る。
この例において、サテン仕上げのガラス上にマグネトロンで堆積される中心層は拡散反射をもたらし、画像の直接投影を可能にするが、ゾル−ゲル平坦化層は透過におけるグレージングの透明性の維持を可能にする。反射防止処理を施した背面ガラスプレートの追加はグレージング内での多重反射の軽減、ひいては投影される画像の質の向上を可能にする。
図4及び5は本発明の2つの別の投影システムを図示したものであり、グレージング5には電気的に制御可能な可変光散乱系7が組み込まれ、この可変光散乱系7は透明状態と散乱状態との間で切り替わる。「OFF」状態では散乱主要外面を備えるグレージングが得られ、改善された直接投影が可能となり、これはマグネトロン層上での拡散反射が液晶フィルム上での拡散反射に加わるからである。「ON」状態では透明主要外面を備えるグレージングが得られ、その機能は可変光散乱系がないものと同じである。
図4に図示のグレージングは:
粗ガラスから形成される基板を備える下側外層2と、銀又はステンレススチールをベースとした薄層を備える中心層3と、ゾル−ゲル層から構成される上側外層4とを備える層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートから構成される追加層12aと、
下側の電極担持支持体9及び上側の電極担持支持体11の2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルム16を備える可変光散乱系7であって、電極が機能性フィルム16と直接接触している、可変光散乱系7と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートから構成される上側の追加層12aと、
反射防止コーティング6を備える板ガラスから形成される透明基板から構成される別の上側の追加層12b、
との積層体を備える。
電極担持支持体はポリエチレンテレフタレートから構成されるプラスチックから形成されるシートであり、その上に電極が堆積されている。電極は、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)から形成される、厚さ約20〜400nmを有する導電層になり得る。ITO層は5〜300オーム/スクエアの表面電気抵抗を有する。ITOから形成される層の代わりに、同じ目的のために、同等の表面抵抗を有する他の導電性酸化物層又は銀の層も使用可能である。それから、機能性フィルム16は液晶の層から構成される。
それから、図5に図示のグレージングは層状素子が電極担持支持体の役割を果たす実施形態である。図5に図示のグレージングは:
粗ガラスから形成される基板を備える下側外層2と、好ましくは金属層である薄層を備える中心層3と、1Ω.cm未満の抵抗率を示すスズ亜鉛酸化物から構成される上側外層4とを備える層状素子1と、
機能性フィルム16と、
上側の電極担持支持体11と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートから構成される上側の追加層12aと、
反射防止コーティング6を備える板ガラスから形成される透明基板から構成される別の上側の追加層12b、
との積層体を備える。
層状素子の下側外層2は、中心層及び上側外層から構成されるアセンブリにとっての支持体の役割を果たし、このアセンブリ自身は電極の役割を果たす。したがって、層状素子1は下側の電極担持支持体を構成している。
可変光散乱系7は、層状素子1から構成される下側の電極担持支持体9及び上側の電極担持支持体11の2つの電極担持支持体に囲まれた、電極と直接接触している機能性フィルム16を備える。
本発明のグレージングの製造方法の例を、図6を参照しながら後述する。この方法では、中心層3を、層状素子1の外層2を形成している剛性又は可撓性透明基板のテクスチャ加工面2B上にその面と合致するように堆積する。テクスチャ加工面2Bとは反対側の、この基板の主要面2Aは滑らかである。この基板2は特にはSatinovo(登録商標)、Albarino(登録商標)又はMasterglass(登録商標)タイプのテクスチャ加工ガラス基板になり得る。代替の形態において、基板2は、例えばポリメチルメタクリレート又はポリカーボネートタイプの剛性又は可撓性のポリマー材料をベースとした基板になり得る。
単層であろうと幾つかの層の積層体によって形成されるものであろうと、テクスチャ加工面2B上へのその面と合致するような中心層3の堆積は特には、好ましくは、真空下、磁場支援型陰極スパッタリング(「マグネトロン陰極」スパッタリング)によって行われる。この技法は、基板2のテクスチャ加工面2B上に、単層をテクスチャ加工面2Bと合致するように堆積する又は積層体の異なる複数の層をテクスチャ加工面2Bと合致するように連続的に堆積することを可能にする。積層体の異なる複数の層は特には透明薄層、好ましくは誘電体層、特にはSi34、SnO2、ZnO、ZrO2、SnZnOx、AlN、NbO、NbN、TiO2、SiO2、Al23、MgF2若しくはAlF3の層又は金属薄層、特には銀、金、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)若しくはこれらの金属の合金の層になり得る。
図6の方法において、層状素子1の第2外層4は、中心層3を、基板2の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する透明ゾル−ゲル層で覆うことで形成され得て、ゾル−ゲル層は最初は成形操作に適した粘性状態で用意され且つ硬化性である。この層は、液体又はペースト状粘性状態において、中心層3の、基板2とは反対側の面3Bのテクスチャに調和する。したがって、層4の硬化状態において、中心層3と外層4との間の接触面S1が確かにテクスチャ加工され且つ中心層3と外層2との間の接触面S0に対して平行となることが保証される。
図6の層状素子1の外層4は、中心層3のテクスチャ加工面上にゾル−ゲル法によって堆積されるゾル−ゲル層である。
そして、1つ以上の追加層12を、層状素子の上に形成し得る。この場合、この又はこれらの追加層は好ましくは板ガラス基板、プラスチックインサート又はインサートと板ガラス基板とを重ね合わせたものである。
層状素子の外層がゾル−ゲル層から得られた場合、ある種の不整がこの層の滑らかな主要外面上に存在し得る。これらの不整を補正するために、積層PVB又はEVAインサートを層状素子の滑らかな主要外面上に位置決めすることで、このゾル−ゲル層上に追加層12を形成するのが有利となり得る。追加層12は、この場合、ゾル−ゲル法で得られる層状素子の外層と実質的に同じ屈折率を有する。
追加層は透明基板、例えば板ガラスにもなり得る。この場合、追加層は対向基板として使用される。したがって、ゾル−ゲル層は、中心層が設けられた下側外層と対向基板との間に一体性をもたらす。
上側の追加層としての透明基板の使用は、この上側の追加層のすぐ下の追加層が積層ポリマーインサートによって形成される場合に特に役立つ。
積層PVB又はEVAインサートによって形成される第1追加層12は層状素子の上側外面上に位置決めされ得て、板ガラス基板から構成される第2追加層12を、このインサート上に位置決めし得る。
この構成において、これらの追加層は層状素子と、慣用の積層法によって結合される。この工程において、積層ポリマーインサート及び基板は層状素子の上側主要外面から開始して連続的に位置決めされ、次に例えばプレス機又は炉内での、圧縮及び/又は少なくとも積層ポリマーインサートのガラス転移温度までの加熱が、このようにして形成された積層構造体に施される。
この積層工程中、インサートが層状素子のすぐ上に位置する上側の追加層を形成し、層状素子の上側層がゾル−ゲル層である場合、インサートはゾル−ゲル層の上面及び板ガラス基板の下面の両方に合致する。
図7に図示の工程において、層状素子1は総厚が200〜300μmオーダーの可撓性フィルムである。層状素子は、
可撓性ポリマーフィルムによって形成される下側の追加層12と、
可撓性フィルムの滑らかな主要面の一方に対する紫外線の作用下で光架橋及び/又は光重合し得る材料から形成される外層2、
中心層3と、
層状素子1の第2外層4を形成するための、厚さ約15μmを有するゾル−ゲル層との重ね合わせによって形成される。
下側の追加層を形成する可撓性フィルムは、厚さ100μmを有するポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムになり得て、外層2は、JSR Corporationが販売するKZ6661タイプの、厚さ約10μmを有する紫外線下で硬化性の樹脂の層になり得る。可撓性フィルム及び層2は共に550nmで1.65オーダーの実質的に同じ屈折率を有する。硬化状態において、樹脂の層はPETとの良好な接着性を示す。
樹脂の層2は可撓性フィルムに、フィルム12とは反対側のその面2Bへのテクスチャ加工を可能にする粘度でもって適用される。図7に図示されるように、面2Bのテクスチャ加工は、層2に形成するテクスチャに相補的なテクスチャをその面に有するロール13を使用して行い得る。テクスチャが一旦形成されたら、重ね合わせた可撓性フィルム及び樹脂の層2に、図7において矢印で示すように紫外線を照射し、この紫外線照射が、テクスチャ加工を施した樹脂の層2の固化及び可撓性フィルムと樹脂の層2との組み立てを可能にする。
続いて、外層2の屈折率とは異なる屈折率を有する中心層3を、マグネトロン陰極スパッタリングでテクスチャ加工面2B上にその面と合致するように堆積する。この中心層は、上述したように、単層になり得る又は積層体によって形成され得る。中心層3は例えば55〜65nmオーダーの厚さ、すなわち60nmオーダーの厚さ及び550nmで2.45の屈折率を有するTiO2の層になり得る。
続いてゾル−ゲル層を中心層3上に堆積させることで層状素子1の第2外層4を形成する。この第2外層4は、外層2とは反対側の、中心層3のテクスチャ加工面3Bに合致する。
接着後に除去することが意図された保護ストリップ(ライナ)15で覆われた接着剤の層14を、層状素子1の層4の外面4Aに追加し得る。したがって、層状素子1はある面、例えばグレージングの面に接着により簡単に追加できてその面に拡散反射特性を付与する可撓性フィルムの形態で用意される。図7の例において、接着剤の層14及び保護ストリップ15は、層4の外面4Aに追加される。入射放射線を受けることが意図された層2の外面2A自身には、反射防止コーティングを設ける。
特に有利には、図7で示唆されるように、この工程の異なる段階は連続的に1つの同じ製造ライン上で行われ得る。
図6、7において、層状素子1の反射防止コーティングの導入は描かれていない。これらの図に描かれている各工程において、反射防止コーティングを層状素子の組み立て前又は組み立て後に外層の滑らかな面2A及び/又は4Aに導入し得て、どちらであっても違いはないことに留意すべきである。
本発明は、説明、図示した例に限定されない。特に、図7の例のように層状素子が可撓性フィルムである場合、ポリマーフィルムをベースとして形成される(例えば、PETフィルムをベースとする)各外層の厚さは10μmより大きく、特には10μm〜1mmオーダーになり得る。
さらに、図7の例における第1外層2のテクスチャは、ポリマーフィルム上に堆積される硬化性樹脂の層に頼らずとも直接、ポリマーフィルムを熱エンボス加工、特にはテクスチャ加工ロールを使用してロール掛け又はパンチを使用してプレス加工することで得られる。
ガラス基板の代わりのプラスチック基板でも、同様の構造が考えられる。
反射で動作する投影スクリーンとしてのこのように定義されたグレージングの使用は、コントラスト及び/又は明るさ及び/又は画角の向上を可能にする。
本発明のグレージングは特には建築物における(2つの部屋間又はある空間における)内部仕切りとして使用され得る。より具体的には、本発明のグレージングは、プレゼンテーションを投影するための会議室の内部仕切りとして特に有用である。透明状態と散乱状態とで切り替え可能である。
本発明のグレージングはグレージングのいずれの公知の用途にも使用可能であり、例えば車両、建築物、街路備品、室内調度品、照明、表示スクリーン及び同種のものである。したがって、本発明の透明グレージングは、ファサード、窓、会議室又は陳列棚用の投影スクリーンとして使用され得る内部仕切りとして使用され得る。グレージングはまた、博物館での分類展示又は宣伝補助材として販売小売店での宣伝に使用され得る。
グレージングはまた、特には、面にその透過特性を保持しつつ拡散反射特性を付与するための、面に追加可能は可撓性ポリマー系フィルムになり得る。
強い拡散反射を有する本発明のグレージングを、ヘッドアップディスプレイ(HUD)システムに使用し得る。公知のやり方において、特には航空機のコックピット及び列車、また今日では個人用の自動車両(自動車両、トラック及び同種のもの)で使用されるHUDシステムは、グレージング、概して車両の風防に投影される情報の表示を可能にし、情報は運転者又は観察者に向かって反射される。これらのシステムは車両の運転者への、運転者が車両前方の視界から目を離すことのない情報伝達を可能にし、これによって安全性が大きく上昇する。
本発明の一態様において、層状素子はHUDシステムにグレージングとして組み込まれ、このグレージング上に情報が投影される。本発明の別の態様において、層状素子はHUDシステムのグレージング(特には風防)の主要面に追加される可撓性フィルムであり、情報は可撓性フィルム側でグレージングに投影される。これらのケースの両方において、強い拡散反射が、層状素子において放射線が当たる第1テクスチャ加工接触面で起き、これが虚像の良好な見え方を可能にし、同時にグレージングを通した正透過が保持され、これがグレージングを通した鮮明な視界を保証する。
最先端のHUDシステムにおいては、虚像が、2枚のガラスシート及び1つのプラスチックインサートから形成される積層構造を有するグレージング(特には風防)に情報を投影することで得られることは注目に値する。これら既存のシステムの1つの欠点は、その時、運転者にはグレージングの表面でコンパートメントの内側に向かって反射された第1の画像とグレージングの外面からの反射による第2の画像との二重像が見え、これら2つの画像が互いに若干ずれている点である。このずれが情報の見え方を阻害し得る。
本発明は、この問題の解決を可能にする。これは、層状素子をHUDシステムにグレージングとして又は投影ソースからの放射線を受けるグレージングの主要面に追加される可撓性フィルムとして組み込む場合に、層状素子において放射線が当たる第1テクスチャ加工接触面での拡散反射が、空気と接触している外面での反射より際立って大きくなり得るからである。したがって、層状素子の第1テクスチャ加工接触面での反射が優先され、二重反射が制限される。
I.使用材料
1.層状素子
これらの試験は:
下側外層:Satinovo(登録商標)ガラス基板と、
中心層:マグネトロンで堆積される銀又はステンレススチールをベースとした層と、
上側外層:ゾル−ゲル層、
との積層体を備える層状素子について行われた。
層状素子の下側外層として使用される基板は、Saint-Gobanが販売するSatinovo(登録商標)透明粗ガラスサテン仕上げガラス基板である。厚さ6mmのこれらの基板は、酸処理によって得られるテクスチャ加工主要面を備える。これらの基板はこのようにして層状素子の下側外層として使用される。Satinovo(登録商標)ガラスのテクスチャ加工面の粗さRaに対応する、この下側外層に施されたテクスチャ加工のパターンの平均高さは1〜5μmである。その屈折率は1.518であり、そのPV(ピークから谷)は12〜17μmである。
中心層は、Satinovo(登録商標)基板のテクスチャ加工面上にその面と合致するようにマグネトロン堆積によって堆積される層又は積層体であり、
厚さ6mmの板ガラス基板上に堆積した場合に光透過率LT69%を示す、Saint-Gobainの品番KN169の銀をベースとした層を備える積層体、
厚さ6mmの板ガラス基板上に堆積した場合に光透過率LT32%を示す、Saint-Gobainの品番SS132のステンレススチールをベースとした層を備える積層体
に対応する。
ゾル−ゲル層は、金属酸化物の粒子を分散させたシリカ系マトリックスを備える。ゾル−ゲル層は屈折率1.51及び厚さ約15μmを示す。
2.可変散乱系(VSS)
可変散乱系(VSS1)は、電極担持支持体として、ITO層で覆われ且つ機能性フィルム、すなわち液晶の液滴を含む媒体を囲む2枚のポリエチレンテレフタレートシートを備える。この可変散乱系は現在、Saint-Gobain Glass製のPriva-Lite(登録商標)グレージングで使用されている。ネマチック液晶の液体エマルションを含む機能性フィルムは、厚さ約10〜30μm(好ましくは20〜25μm)を有する。PETシートは厚さ約175μmを有する。2つの電極は、抵抗約100オーム/スクエアを有するITO(スズドープインジウム酸化物)から構成される。
3.他の基板
他の基板(又は背面ガラスプレート)を使用して本発明のグレージングを形成し得る。これらの基板を、例えば、PVB又はEVAから形成されるインサートを使用して積層し得る。基板としては板ガラス、例えばPlanilux(登録商標)又はDiamant(登録商標)ガラスを挙げ得る。
金属酸化物の層の真空陰極スパッタリングでの堆積で得られる1つ以上の反射防止コーティングを備える板ガラスの使用も可能である。反射防止効果は、ガラスの各外面に層を堆積することで得られる。そのようなガラスは例えば、Saint-Gobainから商品名Visionlite(登録商標)として販売されている。
II.中心層の性質の影響
この試験では、中心層の性質だけが異なる本発明の2つのグレージングを比較する。本発明の投影スクリーンとして使用されるグレージングを比較するために、画像を直接投影で投影する場合のグレージングの明るさ及び透明度を複数の人間が目視で判定した。判定者が評価する投影画像は、図9の写真Zの対象を形成している。画像は、反射防止コーティングを備えていないグレージング側に投影された。判定者は、グレージングに投影された各画像について、「−−」不良、「−」普通、「0」正しい、「+」良好、「++」極めて良好から選択される判定指標を割り当てた。
Figure 0006309946
写真Zはそれぞれ左側のKN169層を設けた及び右側のSS132層を設けた拡散反射グレージング上への投影を表す。実施例1のグレージングの透明度は高いが、投影画像の明るさは低い。対照的に、実施例2のグレージングの透明度は低いが、投影画像の明るさは高い。これら2つの実施例に関して、コントラスト及び画角は良好である。
この実施例は、中心層の選択、より具体的にはその反射特性の選択を、望ましい用途及び望ましいレンダリングに合わせて調節しなくてはならないことを例証している。投影室における周辺光の場合、中心層の特性を変化させることによって、グレージングの透明度と投影画像の明るさとの間でバランスを取り得る。
III.拡散特性を有する透明素子を備えるグレージング
本発明の実施例が、積層インサートにより、以下の積層体:拡散反射特性を有する定格透明素子(ゾル−ゲル層)/可変光散乱系/Vision-Lite(登録商標)ガラスの積層によって行われた。
比較例が、積層インサートにより、以下の積層体:板ガラス基板/可変光散乱系/Vision-lite(登録商標)ガラスの積層により行われた。
本発明の投影スクリーンとして使用されるグレージングの優れた質を示すために、画像を直接投影で投影した場合(すなわち、観察者とプロジェクタはグレージングの同じ側に位置している)のグレージングの明るさ及びコントラストを複数の人間が目視で判定した。判定者が評価する各投影画像は、写真の対象を形成している。これらの写真を図8にまとめてある。画像は、反射防止コーティングを備えていないグレージング側に投影された。
Figure 0006309946
判定者は、グレージングに投影された各画像について、「−−」不良、「−」普通、「0」正しい、「+」良好、「++」極めて良好から選択される判定指標を割り当てた。グレージング、評価条件及び判定者による判定並びに対応する写真の参照符を下の表にまとめる。
Figure 0006309946
写真A、B、C、D、E、Fは、可変光散乱系がONの状態、すなわち透明状態で撮影された。透明状態では、可変光散乱系だけを備えるグレージングが画角45°では使用不可能であることが判明した(写真D)。観察角度が増大すると、スクリーンの明るさが大きく低下する。比較すると、追加で少なくとも可変光散乱系及び、実施例の場合、反射防止層を備えるグレージングは、45°オーダーの画角に関して画像の質における際立った向上を可能にする(写真E、F)。
写真G、H、I、J、K、Lは、可変光散乱系がOFFの状態、すなわち散乱状態で撮影された。正面での明るさにおける向上が観察される(写真G、H、I)。他方で、散乱状態において、可変光散乱系だけを備えるグレージングの質は、画角45°について凡庸である(写真J)。投影におけるこのようなスクリーンの画角は、たとえ散乱状態であっても大きく低下しスクリーンは使用不可能となる。比較すると、少なくとも可変光散乱系及び、実施例のケースにおいて、反射防止層を追加で備えるグレージングは、広い画角にわたって画像の質における際立った向上を可能にする(写真K、L)。結果的に、直接投影の場合の画角は、Satinovo(登録商標)ガラス上のマグネトロン層の等方散乱反射の結果として、本発明のグレージングで改善される。
そして、実施例3、4は本質的に中心層の選択において異なる。それぞれ同じ中心層を有する(KN169、SS132)実施例1、2と同じ傾向が明るさ及びコントラストに関して観察される。
IV.コントラストの分析
コントラストの測定を、本発明の投影スクリーンを試験するために、特定の照度条件下で行った。投影室を照らさない場合(「OFF」環境)、平均照度は1ルクスであり、投影室を照らす場合(「ON」環境)、平均照度は195ルクスである。
輝度測定を、Konica-Minolta(登録商標)LS-110輝度計を使用してグレージングの面で行う。画像投影を、Canon(登録商標)XEED SX80ビデオプロジェクタ(明るさ、3000ルーメン、コントラスト900:1)を使用して行う。
素子の配置は以下の通りである。ビデオプロジェクタはスクリーンから1.5mの位置にある。観察者及び写真撮影装置はスクリーンから2mの位置にある。
この試験は、投影スクリーンとしてのグレージングのコントラストの測定を可能にする。コントラストは、プロジェクタが白色画像を表示した時に測定される輝度(Lw)対プロジェクタが暗画像を表示した時に測定される輝度(Lb)の比であると定義される。
散乱状態(OFFグレージング)又は透明状態(ONグレージング)にあるスクリーンで行われた輝度の測定を下の表にまとめた。
完全に透明なグレージング上でコントラストを測定すると値は1である。
Figure 0006309946
これらの試験は、透明状態において、可変光散乱系だけを備えるグレージングは画角45°で使用不可能であることを裏付けている。層状素子の存在は、画角45°の場合、全てのケースについて、コントラストにおける35%を超える上昇を可能にする。
散乱状態において、可変光散乱系だけを備えるグレージングの画角45°での質は凡庸である(コントラスト1.7)。比較すると、本発明のグレージングは、広い画角にわたって、画像の質における際立った向上を可能にする。室内が明るい場合、コントラストにおける改善率は特には100%であり、室内が暗い場合、コントラストにおける改善率は214%である。
本発明の態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
投影又は逆投影スクリーンとして使用される2つの主要外面(10、20)を備えるグレージング(5)及びプロジェクタが用いられ、前記プロジェクタで、見物人に見える画像を、前記グレージングの上記面の一方に投影することを含む、投影又は逆投影方法であって、
前記グレージングが、2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する透明層状素子(1)を備えることを特徴とし、前記透明層状素子(1)が、
前記層状素子の2つの主要外面(2A、4A)を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成される、実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層である単層によって、又は少なくとも1つの、前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有する透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層を備える積層体(3 1 、3 2 、・・・3 k )によって形成される、前記外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S 0 、S 1 、・・・S k )が、テクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする、
投影又は逆投影方法。
《態様2》
前記グレージングが、少なくとも1つの反射防止コーティングをさらに備えることを特徴とする、態様1に記載の投影又は逆投影方法。
《態様3》
前記グレージングが、前記プロジェクタとは反対側の、空気と前記グレージングの主要外面を形成する層の構成材料との間の界面に、少なくとも1つの反射防止コーティングを備えることを特徴とする、態様2に記載の投影又は逆投影方法。
《態様4》
前記グレージングが、透明状態と散乱状態との間で切り替え可能な機能性フィルムを備える可変光散乱系をさらに備えることを特徴とする、態様1〜3のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様5》
前記可変光散乱系が電気的に制御可能であり且つ2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備えており、前記電極が前記機能性フィルムと直接接触していることを特徴とする、態様4に記載の投影又は逆投影方法。
《態様6》
前記透明層状素子が前記可変光散乱系の電極担持支持体の1つを構成し、下側の前記外層が支持体の役割を果たし、前記中心層及び上側の前記外層から構成されるアセンブリが電極の役割を果たすことを特徴とする、態様5に記載の投影又は逆投影方法。
《態様7》
前記可変光散乱系が、前記グレージングの主要外面(10、20)の一部だけに面して形成されることを特徴とする、態様4〜6のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様8》
前記層状素子が、前記グレージングの主要外面(10、20)の一部だけに面して形成されることを特徴とする、態様1〜7のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様9》
前記層状素子が可撓性フィルムであることを特徴とする、態様1〜8のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様10》
前記グレージングが、前記層状素子及び/又は任意で前記可変光散乱系の、上又は下に位置決めされた少なくとも1つの追加層をさらに備え、前記追加層が、好ましくは
ポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサート、
から選択されることを特徴とする、態様1〜9のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様11》
前記グレージングが、
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側の外層と、中心層であって好ましくは薄層を備える中心層と、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料から選択される上側の外層、好ましくはゾル−ゲル層とを備える層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
板ガラスから形成される透明基板であって、好ましくは少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、透明基板、
とを備えることを特徴とする、態様1〜10のいずれか一つに記載の投影又は逆投影方法。
《態様12》
前記グレージングが、
層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備える可変光散乱系であって、前記電極が前記機能性フィルムと直接接触している、可変光散乱系と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
板ガラスから形成される透明基板であって、好ましくは少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、透明基板、
とを備えることを特徴とする、態様11に記載の投影又は逆投影方法。
《態様13》
前記グレージングが反射で動作する投影スクリーンとして使用され、すなわち前記見物人及び前記プロジェクタが投影スクリーンとして使用されるグレージングと同じ側に位置することを特徴とする、態様1〜12のいずれか一つに記載の投影方法。
《態様14》
2つの主要外面(10、20)を備えるグレージングであって、
2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する少なくとも1つの透明層状素子(1)と、
少なくとも1つの可変散乱系であって、好ましくは電気的に制御可能である可変散乱系とを備え、
前記透明層状素子(1)が、
前記層状素子の2つの主要外面(2A、4A)を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成される、実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、好ましくは誘電体層若しくは金属層である単層によって、又は少なくとも1つの、前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有する透明層、好ましくは誘電体層若しくは金属層を備える積層体(3 1 、3 2 、・・・3 k )によって形成される、前記外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
一方が透明で屈折率(n1、n2、n3、n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S 0 、S 1 、・・・S k )がテクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n1、n2、n3、n3 1 、n3 2 、・・・又はn3 k )を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とするグレージング。
《態様15》
層状素子と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備える可変光散乱系であって、前記電極が前記機能性フィルムと直接接触している、可変光散乱系と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
板ガラスから形成される透明基板であって、好ましくは少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、透明基板、
とを備えることを特徴とする、態様14に記載のグレージング。

Claims (21)

  1. 投影又は逆投影スクリーンとして使用される2つの主要外面(10、20)を含むグレージング(5)の面の一方に、見物人に見える画像をプロジェクタで投影することを含む、投影又は逆投影方法であって、
    前記グレージングが、2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する透明層状素子(1)を備え、前記透明層状素子(1)が、
    おのおのが前記透明層状素子の2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を形成し且つ透明材料から構成される、実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
    (a)前記2つの外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、若しくは金属層である単層によって、又は(b)少なくとも1つの、前記2つの外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する透明層、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、前記2つの外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
    一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)が、テクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n4、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であり、
    かつ前記グレージングが、透明状態と散乱状態との間で切り替え可能な機能性フィルムを備える可変光散乱系をさらに備えることを特徴とする、
    投影又は逆投影方法。
  2. 前記2つの外層が誘電体から構成され、前記中心層を形成する透明層が誘電体層である、請求項1に記載の投影又は逆投影方法。
  3. 前記グレージングが、少なくとも1つの反射防止コーティングをさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の投影又は逆投影方法。
  4. 前記グレージングが、前記プロジェクタとは反対側の、空気と前記グレージングの主要外面を形成する層の構成材料との間の界面に、前記少なくとも1つの反射防止コーティングを備えることを特徴とする、請求項に記載の投影又は逆投影方法。
  5. 前記可変光散乱系が電気的に制御可能であり且つ2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備えており、前記電極が前記機能性フィルムと直接接触していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  6. 前記透明層状素子が前記可変光散乱系の電極担持支持体の1つを構成し、下側の前記外層が支持体の役割を果たし、前記中心層及び上側の前記外層から構成されるアセンブリが電極の役割を果たすことを特徴とする、請求項5に記載の投影又は逆投影方法。
  7. 前記可変光散乱系が、前記グレージングの主要外面(10、20)の一部だけに面して形成されることを特徴とする、請求項〜6のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  8. 前記層状素子が、前記グレージングの主要外面(10、20)の一部だけに面して形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  9. 前記層状素子が可撓性フィルムであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  10. 前記グレージングが、前記層状素子の上又は下に位置決めされた少なくとも1つの追加層をさらに備えことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  11. 前記グレージングが、前記可変光散乱系の上又は下に位置決めされた少なくとも1つの追加層をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  12. 前記追加層が、
    ポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
    成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成されるインサート、
    から選択されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の投影又は逆投影方法。
  13. 前記グレージングが、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
    板ガラスから形成される透明基板、
    を備え、
    前記層状素子の前記2つの外層のうちの一方は粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側の外層であり、他方は成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料から選択される上側の外層である、
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  14. 前記中心層が薄層を備えており、前記上側の外層がゾル−ゲル層である、請求項13に記載の投影又は逆投影方法。
  15. 前記グレージングが、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成される第1のインサートと、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成される第2のインサートと、
    板ガラスから形成される透明基板、
    とを備えることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一項に記載の投影又は逆投影方法。
  16. 前記透明基板が前記少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、請求項13又は15に記載の投影又は逆投影方法。
  17. 前記グレージングが反射で動作する投影スクリーンとして使用され、すなわち前記見物人及び前記プロジェクタが投影スクリーンとして使用されるグレージングと同じ側に位置することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の投影方法。
  18. 2つの主要外面(10、20)を備えるグレージングであって、
    2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する少なくとも1つの透明層状素子(1)と、
    透明状態と散乱状態との間で切り替え可能な機能性フィルムを備える少なくとも1つの可変散乱系とを備え、
    前記透明層状素子(1)が、
    おのおのが前記層状素子の2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を形成し且つ透明材料から構成される、実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
    (a)前記2つの外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、若しくは金属層である単層によって、又は(b)少なくとも1つの、前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する透明層、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、前記2つの外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
    一方が透明で屈折率(n1、n2、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)がテクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n1、n2、n3、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行である、
    ことを特徴とするグレージング。
  19. 前記2つの外層が誘電体から構成され、前記中心層を形成する透明層が誘電体層であり、前記少なくとも1つの可変散乱系が電気的に制御可能である、請求項18に記載のグレージング。
  20. 層状素子と、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
    2つの電極担持支持体に囲まれた機能性フィルムを備える可変光散乱系であって、前記電極が前記機能性フィルムと直接接触している、可変光散乱系と、
    熱可塑性若しくは熱硬化性ポリマー又は感圧プラスチックから形成されるインサートと、
    板ガラスから形成される透明基板、
    とを備えることを特徴とする、請求項18又は19に記載のグレージング。
  21. 前記透明基板が少なくとも1つの反射防止コーティングを備える、請求項20に記載のグレージング。
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