JP4474853B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射された画像を表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を通過させる透過状態と光を散乱させる散乱状態とを電気的に切り替えられる液晶セルをスクリーンとして使用し、そのスクリーンに画像を投射することで、スクリーン上に画像を表示する技術が知られている。スクリーンに画像を投射するときには、スクリーンが有する液晶を散乱状態にすればよい。また、画像を投射しないときには液晶を透過状態にしておく。このようにスクリーンを駆動することで、スクリーンを透明状態にしておき、その後、突然液晶を散乱状態にして画像を表示する等の演出が可能となる。
【0003】
透過状態と散乱状態とに切り替えられる液晶を散乱状態にすると、前方散乱は得られるが、後方散乱は弱い。そのため、このような液晶を有するスクリーンに画像を投射する画像表示装置は、図20に示すように、画像投射装置202を観察者204とは反対側に配置する。図20において、制御部203は、画像投射装置202に画像を投射させる際、スクリーン201の液晶を散乱状態に変化させる。すると、スクリーン201は、観察者204とは反対方向から画像投射され、前方散乱を生じさせることによって観察者204に画像を表示する。
【0004】
このように画像投射装置202は、スクリーン201の背面に配置される。例えば、特許文献1に記載の画像表示装置等においても、画像投射装置はスクリーンの背面に設置される。
【0005】
また、特許文献2には、表示したい画像の輪郭に合わせて、1枚のスクリーンの一部を散乱状態にし、他の領域を透過状態にする表示装置が記載されている。特許文献2に記載の表示装置では、散乱状態にした箇所に表示画像が表示される。観察者は、透過状態の領域を介してスクリーンの後ろにある物も観察することができる。さらに、表示画像をそれらの物より手前にあるものとして観察することができる。
【0006】
また、選択反射を呈する液晶が液晶表示装置に用いられる場合がある。このような選択反射を呈する液晶としてカイラルネマチック液晶やコレステリック液晶がある。以下、カイラルネマチック液晶を例に、選択反射を呈する液晶について説明する。なお、このような選択反射を呈する液晶は、例えば、特許文献3にも記載されている。
【0007】
一対の平行基板間に挟持されたカイラルネマチック液晶は、その液晶ディレクタが一定周期でねじれた「ねじれ構造」を有する。そのねじれ中心軸(以下、ヘリカル軸という。)の基板に対する向きによって、光の反射態様が異なる。図21は、カイラルネマチック液晶の各種状態を示す模式図であり、鼓型で表した液晶ドメインの配列状態を示す。
【0008】
複数の液晶ドメインの各ヘリカル軸の平均的な方向が基板面に対してほぼ垂直となる状態をプレナー状態という。図21(a)は、このプレナー状態を示している。プレナー状態では、入射光のうちの、液晶層のねじれの向きに対応した円偏光を選択反射する。選択反射される波長λは、液晶組成物の平均屈折率nAVGと液晶組成物のピッチpの積にほぼ等しい(λ=nAVG・p)。
【0009】
ピッチpは、カイラル剤等の光学活性物質の添加量cと光学活性物質の定数HTP(Helical Twisting Power)から、p=1/(c・HTP)によって決まる。したがって、選択反射波長は、光学活性物質の種類と添加量によって調整できる。
【0010】
また、図21(a)に示すように、複数の液晶ドメインのヘリカル軸が平均的にはほぼ基板に対して垂直な方向を向いているものの、向きが僅かずつ異なっていると、その液晶ドメイン間にて入射光の散乱現象が発生する。すなわち、図21(a)に示すプレナー状態は、散乱を伴う反射状態(散乱反射状態)となる。なお、カイラルネマチック液晶は、各ヘリカル軸が揃った完全プレナー状態になる場合もある。完全プレナー状態となったカイラルネマチック液晶は、散乱を伴わずに光を選択反射する。以下、プレナー状態は散乱を伴って光を選択反射する状態を指し、完全プレナー状態は含まないものとして説明する。
【0011】
図21(a)に示すプレナー状態は、高電圧を印加することによりカイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態にし、その後電圧印加を停止することにより得られる。ホメオトロピック状態とは、図21(c)に示すように、各液晶分子が基板にほぼ垂直に配向した状態である。ホメオトロピック状態は、カイラルネマチック液晶に所定値以上の高電圧を印加することにより得られる。また、ホメオトロピック状態の場合、液晶は光を通過させる。従って、ホメオトロピック状態の液晶は、透明状態を呈する。
【0012】
また、カイラルネマチック液晶は、複数の液晶ドメインのヘリカル軸が基板面に対してランダム方向または非垂直方向に配列したフォーカルコニック状態をとることもできる。図21(b)は、フォーカルコニック状態を示している。一般的に、フォーカルコニック状態の液晶層は全体として散乱状態を示す。選択反射時のように特定の波長の光を反射することはない。従って、フォーカルコニック状態の液晶は、光を散乱させながら通過させる。
【0013】
フォーカルコニック状態およびプレナー状態は、無電界時でも安定に存在する。
【0014】
次に、液晶表示装置の駆動法について説明する。駆動電圧の振幅の大きさによって、プレナー状態をフォーカルコニック状態に、またフォーカルコニック状態をプレナー状態にそれぞれ変化させることができる。後者の場合、ホメオトロピック状態を経由させるので、前者よりも高い電圧を印加する。
【0015】
カイラルネマチック液晶では、一連の印加電圧波形の実効値が直接電圧消去後の状態を決定するのではなく、電圧消去後の表示は、直前に印加された電圧パルスの印加時間および振幅値に依存する。
【0016】
カイラルネマチック液晶をプレナー状態からフォーカルコニック状態に転移させる電圧をVとし、フォーカルコニック状態からプレナー状態に転移させる下限電圧をVとし、電圧を印加しても表示状態が変わらない上限電圧をVとする。線順次駆動の場合を例に説明すると、選択行の走査電極の電位をVに設定し、それに同期して各信号電極の電位をVまたは−Vに設定する。選択行においてプレナー状態にすべき画素には(V+V)の電圧が印加され、その画素はホメオトロピック状態になる。また、フォーカルコニック状態にすべき画素には(V−V)の電圧が印加され、その画素はフォーカルコニック状態になる。選択行が切り替わると、それまで選択されていた行の画素への印加電圧の大きさはVに下がり、ホメオトロピック状態だった液晶はプレナー状態に変化し、プレナー状態を維持する。フォーカルコニック状態に変化した液晶は、その状態を維持する。ただし、各電極に設定する電位V,Vの条件は、以下の通りである。
【0017】
+V>V、V−V=V、V>V
【0018】
また、写真や絵画等に示される画像を元に、3次元データを作成する方法が提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。さらに、テレビジョン映像をリアルタイムに立体映像にすることができる技術が非特許文献1などに紹介されている。特許文献1や特許文献6には、3次元画像を表示する3次元画像表示装置が記載されている。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−139700号公報(第1図)
【0020】
【特許文献2】
特開平5−191726号公報(段落0010−0016、第1図−第5図)
【0021】
【特許文献3】
特開2003−98507号公報(段落0002−段落0015)
【0022】
【特許文献4】
特開平9−185712号公報(第3頁−第6頁、第1図−第25図)
【0023】
【特許文献5】
特開平10−307926号公報(第1頁−第13頁、第1図−第50図)
【0024】
【特許文献6】
特開平8−280044号公報(段落0009−0025、第1図−第7図)
【0025】
【非特許文献1】
”テレビ映像をリアルタイムで立体映像に”、[online]、[平成15年4月29日検索]、インターネット<URL:http://www.zdnet.co.jp/mobile/0211/14/n_mercury.html>
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
透過状態および散乱状態を電気的に切り替えられる液晶を用いたスクリーンに画像を投射する場合、図20に示すように、スクリーン201の背面に画像投射装置202を配置することになる。しかし、スクリーン201の背面の奥行きを狭くしてスクリーン201の設置領域をコンパクトにしたい等の要求がある。スクリーンに画像を投射する従来の画像表示装置は、スクリーンの背面に画像投射装置を配置するため、このような要求に応じることが困難であった。
【0027】
また、鏡として機能する状態または画像を表示する状態に切り替えられるスクリーンにおいても、スクリーンの前面側(観察者側)から画像を投射できるようにすることが好ましい。
【0028】
そこで、本発明は、透過状態または散乱状態に切り替えられるスクリーンを用い、スクリーンの前面側(観察者側)から画像を投射して、画像を表示することができる画像表示装置を提供することを目的とする
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、特定波長域の光または特定の光偏光状態の光を散乱させつつ反射する反射状態と光を通過させる透過状態とを電気的に制御可能な電気光学層が一対の電極付き基板間に挟持されてなる電気光学素子であって、スクリーンとして用いられる電気光学素子と、電気光学素子に画像を投射する画像投射装置と、画像投射装置に画像の投射および画像投射の停止を指示し、電気光学素子が備える電気光学層の状態を制御する制御部とを備え、電気光学素子が備える電気光学層は、少なくとも、光を通過させるホメオトロピック状態と、複数の液晶ドメインのヘリカル軸の方向が僅かずつ異なって電極付き基板に対してほぼ垂直となることにより特定波長域の光を散乱させつつ選択反射するプレナー状態とを呈するカイラルネマチック液晶であり、制御部は、画像投射装置に画像の投射を指示する場合、前記カイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させることによって電気光学素子に画像を表示させ、画像投射装置に画像投射の停止を指示する場合、前記カイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に変化させることを特徴とする画像表示装置を提供する。
【0032】
本発明の態様は、態様1において、反射状態における反射光の波長域または光偏光状態が互いに異なる2個以上の電気光学素子を備え、各電気光学素子が、重ねて配置される画像表示装置を提供する。そのような構成によれば、複数の色の画像を表示したり、明るい色で画像を表示したりすることができる。
【0033】
本発明の態様は、態様1または態様2において、制御部が、電気光学素子が備えるカイラルネマチック液晶プレナー状態に変化させる場合に、電気光学素子に投射される画像内の要素の輪郭の内部領域のみをプレナー状態に変化させる画像表示装置を提供する。そのような構成によれば、電気光学素子の背面にある物を背景として、画像が手前にあるように表示することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0040】
[実施の形態1]図1は、本実施の形態における画像表示装置の構成例を示す説明図である。本実施の形態における画像表示装置は、図1に示すように、電気光学素子1と、画像投射装置2と、制御部3とを備える。
【0041】
電気光学素子1は、透明基板間にカイラルネマチック液晶を挟持した液晶セルである。電気光学素子1は、投射された画像を表示するスクリーンとしての役割を果たすので、以下、この電気光学素子をスクリーンと記す。画像投射装置2は、スクリーン1に画像を投射する。画像投射装置2は、画像を観察する観察者側に配置される。
【0042】
制御部3は、画像投射装置2に画像の投射および画像投射の停止を指示する。また、制御部3は、スクリーン1が備えるカイラルネマチック液晶の状態を制御する。具体的には、制御部3は、画像投射装置2に画像を投射させる場合には、スクリーン1が備えるカイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させる。また、制御部3は、画像投射装置2に画像投射を停止させる場合には、スクリーン1が備えるカイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に変化させる。
【0043】
制御部3は、画像投射装置2に画像を投射させる場合には、カイラルネマチック液晶をプレナー状態にする。このとき、画像投射装置2からスクリーン1に投射された光のうち選択反射波長の光は、スクリーン1において散乱を伴って反射する。この結果、観察者4は、画像を観察することができる。従って、制御部3は、スクリーン1のカイラルネマチック液晶をプレナー状態にすることで、スクリーン1に画像を表示させることになる。また、制御部3は、画像投射装置2に画像投射を停止させる場合には、カイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態にする。このとき、カイラルネマチック液晶は、光を通過させるので透過状態になる。この結果、スクリーン1は透明となり、観察者4は、スクリーン1の背面側の状態を観察することになる。
【0044】
図2は、スクリーン1の構成例を示す模式的断面図である。スクリーン1は、一対の透明基板101,108を備える。透明基板101,108として、例えば、ガラス基板を用いればよい。第1の透明基板101には透明電極102が設けられ、透明電極102上に樹脂膜103が設けられる。同様に、第2の透明基板108にも透明電極107が設けられ、透明電極107上に樹脂膜106が設けられる。樹脂膜103は、例えば、平行配向膜である。
【0045】
なお、スクリーン1の駆動形態は、スクリーン内に部分的にホメオトロピック状態とプレナー状態とを共存させることを考慮すると、スタティック駆動が好ましい。ここでは、第1の透明基板101上の透明電極102をセグメント電極とし、第2の透明基板108上の透明電極107をコモン電極として、スタティック駆動によりスクリーン1を駆動する場合を例に説明する。以下、透明電極102をセグメント電極102と記し、透明電極107をコモン電極107と記す。
【0046】
第1の透明基板101および第2の透明基板108は、透明電極同士が対向するように配置され、対向面の間にカイラルネマチック液晶104を挟持する。樹脂膜103,106が形成された領域の周囲にはシール材105が配置される。シール材105は、透明基板同士を接着させ、また、基板間にカイラルネマチック液晶104を封止する。
【0047】
制御部3は、コモン電極107およびセグメント電極102の電位を設定して、カイラルネマチック液晶104への印加電圧を制御する。カイラルネマチック液晶104の状態は印加電圧の大きさや電圧印加時間によって定まるので、制御部3は、印加電圧を制御することによって、カイラルネマチック液晶104の状態を制御することができる。なお、一般的には、透明電極の電位を設定するためにコモン電極ドライバやセグメント電極ドライバなどを備えるが、ここでは、セグメント電極102の数が少なく(例えば1個ないし数個程度)、制御部3が直接コモン電極107およびセグメント電極102の電位を設定するものとして説明する。セグメント電極の数を増やす場合には、コモン電極ドライバやセグメント電極ドライバを設けて、各ドライバによって透明電極の電位を設定すればよい。なお、スクリーン1の駆動電圧は、図示しないバッテリによって供給される。
【0048】
図3は、制御部3による駆動波形の例を示す説明図である。制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を停止させている間、コモン電極107の電位をVcomに設定し、セグメント電極102の電位を−Vsegに設定する。ただし、Vcom+Vsegは、カイラルネマチック液晶104をホメオトロピック状態にする電圧である。このように各電極の電位を設定することにより、カイラルネマチック液晶104はホメオトロピック状態(透過状態)になる。従って、スクリーン1は透明となり、観察者はスクリーン1の背面の様子を観察することになる。
【0049】
制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示するタイミングで、カイラルネマチック液晶104への電圧印加を停止するようにコモン電極107およびセグメント電極102の電位を設定する。例えば、コモン電極107およびセグメント電極102の電位をいずれも0Vに設定する。すると、カイラルネマチック液晶104は、ホメオトロピック状態からプレナー状態に変化する。このとき、スクリーン1は画像投射装置2からの光を選択反射するので、観察者4は、画像投射装置2が投射した画像を観察することができる。
【0050】
続いて、スクリーン1を複数枚備え、各スクリーンが重ねて配置される態様について説明する。プレナー状態のカイラルネマチック液晶104は、特定波長域の光のみを選択反射する。従って、スクリーン1を1枚だけ用いた場合には、スクリーン1に表示される画像は選択反射波長域の色のみによって表示される。例えば、選択反射光が緑色の波長域の光である場合、スクリーン1にフルカラーの画像を投射したとしても、スクリーン1上には濃淡のある緑色によって表された画像が表示されることになる。複数の色によって表される画像を表示する場合、プレナー状態における選択反射波長が互いに異なる液晶を2個以上のスクリーン1にそれぞれ別々に注入する。そして、そのスクリーン1を重ねて配置すればよい。各スクリーンは、観察者の方向から見て、画像投射装置2から画像が投射される面が重なるように配置される。
【0051】
例えば、スクリーン1となる空セルを3つ用意する。そして、第1の空セルには、プレナー時に赤色を呈するカイラルネマチック液晶(選択反射波長のピーク波長が600〜700nmの範囲内になるようなカイラルネマチック液晶)を注入する。第2の空セルには、プレナー時に緑色を呈するカイラルネマチック液晶(選択反射波長のピーク波長が500〜600nmの範囲内になるようなカイラルネマチック液晶)を注入する。第3の空セルには、プレナー時に青色を呈するカイラルネマチック液晶(選択反射波長のピーク波長が400〜500nmの範囲内になるようなカイラルネマチック液晶)を注入する。この3つのスクリーンを積層し、各層のカイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させると、白色のスクリーンとなる。この状態で、画像投射装置2から画像を投射すると、その画像の色がそのまま積層したスクリーン上に表示される。従って、画像投射装置2がフルカラーの画像を投射すれば、積層されたスクリーンは、その画像をそのまま表示する。
【0052】
なお、ここでは、3枚のスクリーンを積層してフルカラーの画像を表示する場合を例に説明したが、選択反射波長が互いに異なる液晶を2個以上のスクリーンにそれぞれ別々に注入し、そのスクリーンを積層すれば、複数の色で画像を表示することができる。
【0053】
また、2枚のスクリーンを一組とし、選択反射波長(λとする。)が同一であり、液晶のらせんの向き(液晶ドメインのねじれの向き)が互いに逆向きになる2種類のカイラルネマチック液晶を2枚のスクリーンに別々に配置してもよい。一方のスクリーンは、波長λの光のうち、液晶のらせんの向きに応じた光のみ(右回りの円偏光と左回りの円偏光のいずれか一方のみ)を反射させる。他方のスクリーンでは、液晶のらせんの向きが逆向きであるので、一方のスクリーンを通過した波長λの光を反射する。すなわち、2枚のスクリーンの一方と、他方とで、異なる光偏光状態であって波長が同一の光を反射する。従って、スクリーンを1枚だけ用いる場合よりも、選択反射波長に応じた色を明るくすることができる。この場合も、スクリーンは、観察者の方向から見て、画像投射装置2から画像が投射される面が重なるように配置される。
【0054】
例えば、プレナー時に赤色を呈するカイラルネマチック液晶であって反射光の円偏光の向きが互いに異なる液晶を、それぞれ異なるスクリーンに注入し、そのスクリーンを積層すれば、赤色を明るく表示することができる。同様に、プレナー時に緑色や青色を呈するカイラルネマチック液晶についても、反射光の円偏光の向きが互いに異なる液晶をそれぞれ異なるスクリーンに注入し、そのスクリーンを積層すれば、色を明るくすることができる。また、フルカラーの画像を明るく表示するには、赤色、緑色および青色それぞれについて、右回りの円偏光を反射する層と左回りの円偏光を反射する層とを設ければよい。この場合、6枚のスクリーンを積層することになる。
【0055】
また、ここでは、組をなす2枚のスクリーンにおいて、選択反射波長が共通する場合について説明した。2枚の前面パネルの選択波長が異なっていても、選択反射波長の波長域に重なる領域があれば、液晶ドメインのねじれの向きが互いに逆向きになるようなカイラルネマチック液晶を2枚のスクリーン内に配置することで、重なる波長域における光の反射量を増やして、その波長域の色を明るくすることができる。
【0056】
以上のように、選択反射波長の波長域が異なるカイラルネマチック液晶を2枚以上のスクリーンにそれぞれ別々に注入して積層すれば、複数の色を表示することができる。また、選択反射光の円偏光の向きが互いに異なるカイラルネマチック液晶を2枚以上のスクリーンにそれぞれ別々に注入して積層すれば、明るい色で画像を表示することができる。
【0057】
また、以上の説明では、画像投射を開始するときに、透明電極102,107に挟持されるカイラルネマチック液晶104全体をプレナー状態にする場合について説明した。画像投射を開始するときに、一部の領域のカイラルネマチック液晶104をプレナー状態に変化させ、他の領域のカイラルネマチック液晶についてはホメオトロピック状態のまま維持するように駆動してもよい。このように駆動するには、例えば、スクリーンの表示領域を複数の領域に分割し、その領域毎にセグメント電極を配置すればよい。そして、各セグメント電極に配線すれば、セグメント電極ごとに電位を設定することができ、その結果、一部の領域の液晶をプレナー状態にし、他の領域の液晶をホメオトロピック状態にすることができる。また、制御部3は、画像内に表される要素がスクリーンに投射されたときにおけるその要素の輪郭の内部領域の液晶を、画像投射開始時にプレナー状態に変化させればよい。この輪郭の外部領域のカイラルネマチック液晶については、画像投射開始後もホメオトロピック状態のまま維持する。なお、要素とは、画像中に描かれている対象のことである。例えば、画像中に自動車が描かれていれば、その画像における要素は自動車である。
【0058】
このように表示すれば、要素の輪郭にあわせてスクリーンにその要素が表示され、スクリーンの他の領域は透過状態のままになる。従って、スクリーン1の背面に存在する物を背景として、要素のみをスクリーン1に表示することができる。具体例としては、要素である人物の輪郭にあわせて、その輪郭の内部領域のカイラルネマチック液晶をプレナー状態にし、他の領域をホメオトロピック状態のまま維持する。この状態でスクリーン1にその人物の画像が投射されると、スクリーン1の背面に存在する物を背景として、手前に人物がいるように表示される。
【0059】
また、投射する画像が変化すれば、スクリーンに投射される要素の輪郭も変化する。この場合、制御部3は、輪郭の変化にあわせて、輪郭の内部領域がプレナー状態となり、他の領域がホメオトロピック状態になるようにスクリーン1を駆動すればよい。
【0060】
また、以上の説明では、画像を投射する際に、制御部3がスクリーン1のカイラルネマチック液晶をプレナー状態にする場合について説明した。画像を投射する際に、カイラルネマチック液晶の状態を、プレナー状態とフォーカルコニック状態との中間状態にしてもよい。以下、カイラルネマチック液晶を中間状態にする態様について説明する。
【0061】
カイラルネマチック液晶をフォーカルコニック状態に変化させる電圧をVとする。カイラルネマチック液晶に電圧Vを印加すると、その液晶はフォーカルコニック状態に変化していく。ただし、電圧Vを印加した時点で直ちに液晶全体がフォーカルコニック状態になるのではなく、電圧Vを印加している期間中、徐々にフォーカルコニック状態に変化していく。従って、フォーカルコニック状態にするための十分な期間だけ電圧Vを印加すれば、液晶全体がフォーカルコニック状態に変化する。しかし、電圧Vの印加時間が短ければ、フォーカルコニック状態とプレナー状態とが混在する中間状態となる。また、電圧Vの印加時間が長いほど、液晶全体がフォーカルコニック状態となる状態に近づく。
【0062】
カイラルネマチック液晶が中間状態になると、画像投射装置2から投射された光の一部はスクリーン1で反射し、他の光はスクリーン1を通過する。この場合、反射する光も通過する光もいずれも散乱する。従って、カイラルネマチック液晶を中間状態にすることによって、図4に示すように、スクリーン1を基準にして画像投射装置2と同じ側にいる観察者4だけでなく、スクリーン1を基準にして画像投射装置2とは反対側にいる観察者14も画像を観察することができるようになる。
【0063】
図5は、カイラルネマチック液晶を中間状態にする場合の駆動波形の例を示す説明図である。制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を停止させている間、コモン電極107の電位をVcomに設定し、セグメント電極102の電位を−Vsegに設定する。すると、カイラルネマチック液晶104はホメオトロピック状態になる。従って、スクリーン1は透明となり、観察者はスクリーン1の背面に存在する物を観察することになる。
【0064】
制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示する場合、まず、セグメント電極102の電位をVに設定し、コモン電極107の電位はVcomのまま維持する。ただし、Vcom−Vは、カイラルネマチック液晶をフォーカルコニック状態に変化させる電圧Vである。すると、カイラルネマチック液晶104にはVcom−V(=V)の電圧が印加され、フォーカルコニック状態に変化していく。制御部3は、液晶全体がフォーカルコニック状態に変化する前に、カイラルネマチック液晶への電圧印加を停止する(例えば、コモン電極107およびセグメント電極102の電位を0Vに切り替える)。すると、カイラルネマチック液晶104はフォーカルコニック状態への変化を停止し、中間状態を維持する。また、制御部3は、カイラルネマチック液晶への電圧印加を停止するタイミングで、画像投射装置2に画像の投射を指示する。カイラルネマチック液晶104が中間状態であるので、スクリーン1は、スクリーン1を基準にして画像投射装置2が存在する側およびその反対側それぞれの方向に、画像投射装置2から投射された光を散乱させる。この結果、スクリーン1のどちら側からも画像を観察することができる(図4参照)。
【0065】
本発明は、図1に示すように、スクリーン1に対して、画像投射装置2を観察者4と同じ側に配置できるようにすることを目的とするものであるが、図4に示すように、スクリーン1を基準として画像投射装置2とは反対側に位置する観察者14にも画像を表示することができる。また、スクリーン1を基準として画像投射装置2と同じ側の観察者4と、画像投射装置2とは反対側の観察者14のどちらがより画像をはっきりと見られるようにするかという重み付けをすることもできる。スクリーン1を基準として画像投射装置2と同じ側の観察者4が、画像投射装置2とは反対側の観察者14よりもはっきりと画像を観察できるようにする場合、電圧Vの印加時間を短くすればよい。逆に、スクリーン1を基準として画像投射装置2とは反対側の観察者14が、画像投射装置2側の観察者4よりもはっきりと画像を観察できるようにする場合、電圧Vの印加時間を長くすればよい。従って、スクリーンの片側における画像の見やすさを、もう一方の方向から見た場合に比べてどの程度見やすくするかという設定は、電圧Vの印加時間を調整することによって、任意に定めることができる。
【0066】
また、本発明による画像表示装置は、3次元画像を表示することもできる。図6は、3次元画像を表示する場合の構成例を示す説明図である。図1と同様の構成部については、図1と同一の符合で示す。
【0067】
スクリーン群11は、複数のフルカラー表示スクリーン12を備えている。個々のフルカラー表示スクリーン12は、スクリーンとなる液晶セルを3枚積層した構成である。その3枚の液晶セルのうち1枚は、プレナー時に赤色を呈するカイラルネマチック液晶を基板間に挟持する。もう1枚は、プレナー時に緑色を呈するカイラルネマチック液晶を基板間に挟持する。残りの1枚は、プレナー時に青色を呈するカイラルネマチック液晶を基板間に挟持する。一つのフルカラー表示スクリーン12が有する3枚のスクリーンにおいて、透過状態と反射状態とを呈する表示領域は、複数の分割領域を有している(すなわち、複数の分割領域に分割されている)。そして、個々の分割領域に対応する透明電極を用いてカイラルネマチック液晶に電圧を印加することにより、個々の分割領域毎にカイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態にしたり、プレナー状態にしたりすることができる。
【0068】
本実施の形態において、3種類のカイラルネマチック液晶がそれぞれホメオトロピック状態になったときのフルカラー表示スクリーン12の透過率は、50%以上であることが好ましく、特に80%以上であることが好ましい。
【0069】
また、一つのフルカラー表示スクリーン12が有する3枚のスクリーンの表示領域はそれぞれ同様に分割されていて、対応する分割領域が重なり合うように積層される。同様に、各フルカラー表示スクリーン12の表示領域も、それぞれ同様に分割されていて、対応する分割領域が重なり合うように積層される。
【0070】
画像投射装置2は、スクリーン群11に画像(2次元画像)を投射する。画像投射装置2は、図6に示すように、スクリーン群11を基準として、画像を観察する観察者4と同じ側に配置される。画像を投射する効率を考慮すると、画像投射装置2を各フルカラー表示スクリーン12の中心から延びる法線方向に配置することが最も効率的である。
【0071】
画像投射装置2は、カラーの2次元画像を投射することが好ましい。その画像が、プレナー状態の分割領域に投射されることによって、2次元画像の色がそのまま分割領域において表示される。従って、複数の色を用いて描かれている2次元画像を投射すれば、各色がそのままスクリーン上に表示される。
【0072】
また、画像投射装置2が投射する2次元画像を構成する画素の数は、一つのフルカラー表示スクリーン12に設けられる分割領域の数よりも多い。例えば、図6では、一つのフルカラー表示スクリーン12に9個の分割領域を設けた場合を示している。これに対し、画像投射装置2は、例えば1600個(400個×400個)の画素によって構成される2次元画像を投射する。従って、フルカラー表示スクリーン12上に投射されたときの画素の大きさは、分割領域よりも小さい。
【0073】
制御部3は、画像投射装置2に2次元画像のデータを出力する。この2次元画像の画素に対しては、画像中に表される要素の奥行きを示す奥行き情報が決定される。
【0074】
また、2次元画像のうち、共通の分割領域に投射される画素が存在する領域を画像領域と記す。図7は、画像領域の概念を表す説明図である。図7に示すように、フルカラー表示スクリーン12が9個の分割領域を有しているのであれば、2次元画像には9個の画像領域が定められる。各画像領域は、各フルカラー表示スクリーン12の分割領域に対応し、1個の画像領域は、対応する分割領域に投射される。例えば、図7に示す画像領域300(図中に示すA点から見て上段右側の画像領域)は、A点から見て上段右側の分割領域301に対応し、この画像領域300の画像は、分割領域301に向かって投射される。
【0075】
また、前述のように、各フルカラー表示スクリーン12は、対応する分割領域が重なり合うように積層される。ここで、「対応する分割領域」とは、スクリーンは異なっているが各スクリーンにおいて同じ位置に配置されている分割領域のことである。例えば、図6に示す分割領域5,5,5は、フルカラー表示スクリーンは異なっているが、いずれも観察者4からみて下段左側に配置されている。従って、分割領域5,5,5は、互いに対応する分割領域である。また、「対応する分割領域が重なり合う」とは、画像投射装置2から照射された共通の光が、互いに対応する各分割領域を通過するように配置された状態を指す。
【0076】
図8(a)に示すように、画像投射装置2から照射された光は広がるので、「対応する分割領域が重なり合う」ようにする場合、画像投射装置2から遠いフルカラー表示スクリーンほど、個々の分割領域のサイズを大きくする。具体的には、各分割領域のサイズが、画像投射装置2と各フルカラー表示スクリーンとの距離に比例して大きくなるように定める。また、対応する分割領域は、同一の画像領域が投射されるように配置される。図8(a)に示す例では、画像投射装置2に近い方のフルカラー表示スクリーン12の分割領域5ともう一方のフルカラー表示スクリーン12の分割領域5が対応するが、画像投射装置2からの距離に比例して、分割領域5のサイズを分割領域5のサイズよりも大きくする。この結果、分割領域5を通過した光は、分割領域5に対応する分割領域5を通過する。同様に、分割領域5と分割領域5とが対応するが、画像投射装置2からの距離に比例して、分割領域5のサイズを分割領域5のサイズよりも大きくする。この結果、分割領域5を通過した光は、分割領域5に対応する分割領域5を通過する。
【0077】
また、個々のフルカラー表示スクリーン12内には、それぞれ3個のスクリーンが存在する。1個のフルカラー表示スクリーン12内の各スクリーンについても、各分割領域のサイズが、画像投射装置2と各スクリーンとの距離に比例して大きくなるように定める。また、対応する分割領域は、同一の画像領域が投射されるように各スクリーンを配置する。ただし、画像投射装置2と各スクリーンとの距離に比例して各スクリーン(同一のフルカラー表示スクリーン内の各スクリーン)の分割領域のサイズを定めた場合、そのサイズの差異がわずかであれば、同一のフルカラー表示スクリーン内の各スクリーンの分割領域を同一のサイズにしてもよい。
【0078】
また、図8(b)に示すように、画像投射装置2を各フルカラー表示スクリーン12から遠ざけた場合、画像投射装置2と各フルカラー表示スクリーンとの距離に比例して各分割領域のサイズを定めると、分割領域のサイズの差異はわずかになる。この場合、各フルカラー表示スクリーンの分割領域のサイズを同一にしてもよい。なお、各フルカラー表示スクリーンの分割領域のサイズを同一にすると、図8(b)に例示する分割領域5を通過した光の一部は、分割領域5に対応していない分割領域5を通過するが、その光はわずかであり、無視できる。従って、画像投射装置2と各フルカラー表示スクリーンとの距離に比例して定めた分割領域のサイズの差異がわずかであるために各フルカラー表示スクリーンの分割領域のサイズを同一にした場合も、「対応する分割領域が重なり合う」状態に含まれる。同様に、画像投射装置2と各スクリーン(同一のフルカラー表示スクリーン内の各スクリーン)との距離に比例して定めた分割領域のサイズの差異がわずかであるために同一のフルカラー表示スクリーン内の各スクリーンの分割領域のサイズを同一にした場合も、「対応する分割領域が重なり合う」状態に含まれる。
【0079】
制御部3は、2次元画像内の各画像領域をスクリーン群11内で表示する場合、画像領域における奥行き情報に基づいて、画像領域を表示するフルカラー表示スクリーンの分割領域を決定する。制御部3は、その分割領域の液晶をプレナー状態にする。制御部3は、2次元画像内の他の画像領域についても、画像領域を表示するフルカラー表示スクリーンの分割領域を決定し、その分割領域の液晶をプレナー状態にする。従って、2次元画像は、画像領域毎に異なるフルカラー表示スクリーンに表示されることになる。この結果、スクリーン群11に表示された画像は3次元画像になる。
【0080】
ただし、制御部3は、画像投射装置2に画像投射の停止を指示している期間中は、全てのフルカラー表示スクリーン12の各層のカイラルネマチック液晶を全てホメオトロピック状態にしておく。そして、画像投射装置2に画像の投射を指示するときに、画素を表示すべき分割領域の液晶をプレナー状態に変化させる。
【0081】
制御部3は、2次元画像内の画像領域をフルカラー表示スクリーン12上に表示する場合、例えば、その画像領域が投射される場所に重なるように配置された各分割領域のうち、一つのフルカラー表示スクリーンの分割領域をプレナー状態にする。ただし、制御部3は、画像領域に要素が含まれていない場合、その画像領域が投射される場所に重なるように配置された各分割領域を全てホメオトロピック状態にしてもよい。その場合、その分割領域は透明な状態として観察される。例えば、制御部3が、互いに対応する分割領域5,5,5(図6参照。)を全てホメオトロピック状態にした場合、観察者4は、その分割領域を透明状態として認識する。制御部3は、2次元画像に応じて、各フルカラー表示スクリーンの各分割領域をプレナー状態またはホメオトロピック状態にすることで、3次元スクリーンを形成し、画像投射装置2からこの3次元スクリーンに2次元画像を投射して3次元画像を表示させる。
【0082】
なお、一つのフルカラー表示スクリーン12は、3つのスクリーンが積層された構成である。従って、制御部3は、一つのフルカラー表示スクリーン12の分割領域をプレナー状態にする場合には、積層された3枚のスクリーンの分割領域をそれぞれプレナー状態にする。同様に、制御部3は、一つのフルカラー表示スクリーン12の分割領域をホメオトロピック状態にする場合には、積層された3枚のスクリーンの分割領域をそれぞれホメオトロピック状態にする。
【0083】
図6には3個のフルカラー表示スクリーンを配置した場合を示しているが、フルカラー表示スクリーンの数は3個に限定されない。フルカラー表示スクリーンの数は、2個以上であればよい。より解像度を上げた立体感を出すためにはフルカラー表示スクリーン12を10個以上重ねて配置することが好ましく、さらに好ましくは30個以上重ねる。
【0084】
図6には1個のフルカラー表示スクリーンが3×3の9個の分割領域を備えている場合を例示しているが、1個のフルカラー表示スクリーンが備える分割領域の数は9個に限定されない。解像度の高い表示を実現するためには1個のフルカラー表示スクリーン12に100個以上の分割領域を設けることが好ましい。
【0085】
分割領域を形成する場合には、例えば、図2に示す透明電極107をコモン電極とし、透明電極102として所望の分割領域と同形状のセグメント電極を配置すればよい。そして、スタティック駆動を行うことによって、各分割領域のカイラルネマチック液晶をそれぞれ別々にホメオトロピック状態またはプレナー状態にすることができる。
【0086】
図9は、フルカラー表示スクリーン12の配置を示す説明図である。2個のフルカラー表示スクリーン12において、プレナー状態で赤色光を反射する液晶層の中心間の距離をd(mm)とする。同様に、プレナー状態で緑色光を反射する液晶層の中心間の距離と、プレナー状態で青色光を反射する液晶層の中心間の距離もd(mm)とする。また、各フルカラー表示スクリーン12に正方形領域として設けられた分割領域の一辺の長さをs(mm)とする。このとき、dとsとは、以下の関係を満足していることが好ましい。
【0087】
0.01×s<d<10×s 式1
【0088】
特に、d<sを満足していることが好ましい。
【0089】
また、図9では、隣接するフルカラー表示スクリーン12同士が直接接していて、また、1個のフルカラー表示スクリーンを構成する3枚のスクリーンも直接接している場合を示した。隣接するスクリーン同士は直接接していなくても、光学的に接着されていればよい。ここで「光学的に接着されている」とは、スクリーン同士が直接接していること、または、スクリーン間に、屈折率が基板101,108の屈折率とほぼ等しい物質が充填されていることを指す。ここでは、「屈折率がほぼ等しい」とは、具体的には屈折率の差が0.2以下であることをいうものとする。スクリーン間に物質を配置する場合、その物質の屈折率と、基板101,108の屈折率との差は0.2以下であることが好ましいが、0.1以下であることが特に好ましい。スクリーン同士を光学的に接着する具体的な方法として、基板101,108の屈折率との差が0.2以下の屈折率を有する樹脂や液体を挟むように各スクリーンを配置する方法がある。
【0090】
スクリーン間に光学的界面が存在するとそこで反射が生じ、光の利用効率が低下したり、画像がぼやけたりする。しかし、隣接するスクリーン同士を光学的に接着すると、光学的界面が存在しないので、そのような問題の発生を防ぐことができる。
【0091】
図10は、画像表示装置が3次元画像を表示する状態の具体例を示す説明図である。なお、ここでは、一つの画像領域に一つの要素のみが表されている場合を例に説明する。画像投射装置2は、スクリーン群11に対して図10(c)に例示する2次元画像を投射するものとする。図10(c)に示す画像には、太陽、樹木、自動車が描かれている。また、この各要素(太陽、樹木、自動車)を構成する画素には、奥行き方向の座標(以下、奥行き座標)が奥行き情報として定められている。要素である太陽を構成する各画素には、観察者側から離れた位置を表す奥行き座標が対応付けられているとする。また、要素である樹木を構成する画素、要素である自動車を構成する画素には、それぞれ観察者から少し離れた位置を表す奥行き座標、観察者の近くの位置を表す奥行き座標が対応付けられているとする。
【0092】
制御部3(図10において図示せず。)は、図10(c)に例示する画像の投射を画像投射装置2に指示する以前には、各フルカラー表示スクリーンの各分割領域のカイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に維持する。制御部3は、この画像の投射を画像投射装置2に指示する場合、以下のように動作する。
【0093】
制御部3は、太陽を構成する各画素の奥行き座標に基づいて、観察者側から見て奥に配置されたフルカラー表示スクリーン12を決定する。また、太陽が表されている画像領域が投射される分割領域は、観察者側から見て右上段の分割領域である。従って、制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示するときに、太陽の画素から決定したフルカラー表示スクリーン12の右上段の分割領域21を、太陽を表示する分割領域として決定し、その分割領域21をプレナー状態にする(図10(a)参照。)。また、制御部3は、フルカラー表示スクリーン12の他の分割領域をホメオトロピック状態のまま維持する。
【0094】
同様に、制御部3は、樹木を構成する各画素の奥行き座標に基づいて、観察者側から見て中央に配置されたフルカラー表示スクリーン12を決定する。また、樹木が表されている画像領域が投射される分割領域は、観察者側から見て左上段および左中段の分割領域である。従って、制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示するときに、樹木の画素から決定したフルカラー表示スクリーン12の左上段および左中段の分割領域22,23を、樹木を表示する分割領域として決定し、その分割領域22,23をプレナー状態にする(図10(a)参照。)。また、制御部3は、フルカラー表示スクリーン12の他の分割領域をホメオトロピック状態のまま維持する。
【0095】
同様に、制御部3は、自動車を構成する各画素の奥行き座標に基づいて、観察者側から見て手前に配置されたフルカラー表示スクリーン12を決定する。また、自動車が表されている画像領域が投射される分割領域は、観察者側から見て下段の分割領域である。従って、制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示するときに、自動車の画素から決定したフルカラー表示スクリーン12の下段の分割領域24〜26を、自動車を表示する分割領域として決定し、その分割領域24〜26をプレナー状態にする(図10(a)参照。)。また、制御部3は、フルカラー表示スクリーン12の他の分割領域をホメオトロピック状態にする。
【0096】
図10(a)に示すように、各フルカラー表示スクリーン12〜12の各分割領域の状態を設定し、スクリーン群11に向けて図10(c)に示す2次元画像を照射すると、太陽、樹木および自動車を表す3次元画像として表示される。すなわち、太陽は奥のフルカラー表示スクリーン12上に表示され、樹木は中央のフルカラー表示スクリーン12上に表示され、また自動車は手前のフルカラー表示スクリーン12上に表示される(図10(b)参照。)。観察者4は、近くに自動車があり、少し離れた位置に樹木があり、さらに遠くに太陽があると認識することができる。観察者4は、奥行きのある画像を見ることができ、高い臨場感のある映像を楽しむことができる。
【0097】
また、画像投射装置2が、複数の色を用いて描かれているカラーの2次元画像を投射すれば、各色がそのままスクリーン上に表示される。よって、観察者4は、カラー表示を楽しむことができる。
【0098】
制御部3は、画像投射装置2に投射させる2次元画像を切り替える場合、2次元画像の画素に対して決定される奥行き情報の変化にあわせて、各スクリーンの各分割領域の状態を更新すればよい。
【0099】
また、同じ要素を構成する画素であっても、奥行き座標が同一であるとは限らない。例えば、要素が自動車である場合、自動車を表している複数の画素の奥行き座標が全て同一であるとは限らない。また、二つの要素が互いに近くに表されていて、その二つの要素を構成する各画素の奥行き座標が同一でない場合もある。例えば、同一の画像領域内で太陽および鳥という二つの要素が近くに表されているとする。このとき、太陽を表している画素とおよび鳥を表している画素の奥行き座標が全て同一であるとは限らない。個々の画素の奥行き座標に一対一に対応するようにフルカラー表示スクリーンを設けるとすると、スクリーンの数が増加して生産コストが上昇してしまう。このような場合、互いに近傍に位置する各画素の奥行き座標を一つの値に揃えるように減縮すればよい。スクリーン上に投射されたときの画素の大きさは、分割領域よりも小さいので、一つの分割領域に投射される各画素の奥行き座標を一つの値に揃えるように減縮することができる。この結果、その領域の各画素の奥行き座標が多少異なっていたとしても、その各画素を一つのフルカラー表示スクリーン上に投射することができる。従って、スクリーンの数を少なくして生産コストを抑えることができる。
【0100】
以下、奥行き座標を一つの値に揃えるように減縮する例について説明する。画像領域および画像領域に表される要素の位置関係は、図11(a)〜図11(d)に示す態様に分類される。図11では、要素が星である場合を例示している。そして、要素を構成する複数の画素の奥行き座標は同一の値に揃えられていないものとする。
【0101】
要素が表されていない領域は、背景となる領域である。背景となる領域の画素には、奥行き座標として、背景であることを示す特別な値が決定される。以下に説明する図11(a)〜図11(d)に示す態様では、背景となる領域の奥行き座標は用いられない。
【0102】
図11(a)は、一つの要素51が一つの画像領域61内で表される態様である。この態様では、制御部3は、要素51を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出し、各画素に決定されている奥行き座標を、算出した平均値に置換すればよい。すると、要素を構成する各画素に対して決定された奥行き座標は、一つの値(平均値)に揃えられる。制御部3は、算出した平均値から、要素51を含む画像領域61が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。
【0103】
図11(b)は、一つの要素52が複数の画像領域(図11(b)に示す例では二つの画像領域61,62)に跨って表され、その複数の画像領域には、他の要素が表されていない態様を示す。この態様では、制御部3は、要素52を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出し、要素52の各画素に決定されている奥行き座標を、算出した平均値に置換する。制御部3は、置換後の奥行き座標から、要素52を含む画像領域61,62が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。このように奥行き座標を置換すると、要素52の各部分52,52を構成する各画素の奥行き座標は、いずれも同一の値に置換される。従って、部分52を表示するフルカラー表示スクリーンと部分52を表示するフルカラー表示スクリーンは同一である。
【0104】
また、制御部3は、以下のように要素52の各画素の奥行き座標を置換してもよい。すなわち、制御部3は、各画像領域61,62に表される要素52の各部分52,52のうち、面積が大きい方の部分(本例では部分52)を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出する。そして、要素52の各画素の奥行き座標を、部分52における奥行き座標の平均値で置換してもよい。
【0105】
図11(c)は、複数の要素(図11(c)に示す例では、第一要素55および第二要素56)が一つの画像領域61内に表される態様を示す。この態様では、制御部3は、第一要素55を構成する各画素の奥行き座標および第二要素56を構成する各画素の奥行き座標全体の平均値を算出する。そして、第一要素55の各画素に対して決定されている奥行き座標および第二要素56の各画素に対して決定されている奥行き座標を、算出した平均値で置換する。制御部3は、算出した平均値から、第一要素55および第二要素56を含む画像が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。なお、この場合、第一要素55および第二要素56は同一のフルカラー表示スクリーン上に表示される。しかし、全ての要素が同一フルカラー表示スクリーンに表示されるわけではないので、観察者は画像全体を3次元画像として観察することができる。
【0106】
また、制御部3は、以下のように第一要素55および第二要素56の各画素の奥行き座標を置換してもよい。すなわち、制御部3は、画像領域61に表示される第一要素55および第二要素56のうち、面積が大きい方の要素(本例では第一要素55)を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出する。そして、第一要素55および第二要素56の各画素の奥行き座標を、第一要素55における奥行き座標の平均値で置換してもよい。
【0107】
図11(d)は、一つの要素(図11(d)に示す例では第一要素57)が複数の画像領域(図11(d)に示す例では二つの画像領域61,62)に跨って表され、その複数の画像領域の中に他の要素(図11(d)に示す例では第二要素58)が表示される態様を示す。制御部3は、第一要素57が跨る各画像領域61,62毎に、奥行き座標を揃える。図11(d)に示す例では、画像領域61には、第一要素57の部分57と第二要素58が含まれる。制御部3は、部分57を構成する各画素の奥行き座標および第二要素58を構成する各画素の奥行き座標全体の平均値を算出する。そして、部分57の各画素に対して決定されている奥行き座標および第二要素58の各画素に対して決定されている奥行き座標を、算出した平均値で置換する。制御部3は、算出した平均値から、部分57および第二要素58を含む画像領域61が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。また、制御部3は、画像領域61に表される部分57および第二要素58のうち、面積が大きい方(本例では第二要素58)を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出し、部分57および第二要素58の各画素の奥行き座標を、算出した平均値で置換してもよい。
【0108】
制御部3は、他の画像領域62においても同様に奥行き座標を揃える。図11(d)に示す例では、画像領域62には第一要素57の部分57しか表されていない。この場合、制御部3は、部分57を構成する各画素の奥行き座標全体の平均値を算出する。そして、部分57の各画素に対して決定されている奥行き座標を、算出した平均値で置換する。制御部3は、算出した平均値から、部分57を含む画像領域62が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。
【0109】
なお、この態様では、部分57,57は、同一のフルカラー表示スクリーンに表示されない場合がある。
【0110】
なお、奥行き座標の平均値を算出する場合、一つの要素(または部分)を構成する全ての画素の奥行き座標を用いなくてもよい。すなわち、一つの要素(または部分)を構成する画素のうちの一部の画素の奥行き座標を抽出し、その奥行き座標から平均値を算出してもよい。
【0111】
図12は、ロケットの移動を表すように切り替えられる画面における画像領域の例を示す。図12(a)に示すように2次元画像の左下に表されるロケット71が、図12(b)に示すように右上方向に移動するものとする。図12(a)に示す2次元画像を表示する場合、ロケット71は、一つの画像領域61に表されている。従って、画像領域61内のロケット71を構成する各画素の奥行き座標の平均値は、図11(a)に示した場合と同様に、算出すればよい。
【0112】
また、ロケット71が移動した状況を示す図12(b)の2次元画像を表示する場合、ロケット71は複数の画像領域61〜64に跨って表される。従って、この場合、図11(b)に示した場合と同様に、奥行き座標の平均値を算出すればよい。制御部3は、ロケット71を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出し、ロケット71の各画素に決定されている奥行き座標を、算出した平均値に置換する。制御部3は、置換後の奥行き座標から、画像領域61〜64が表示されるフルカラー表示スクリーンを決定する。
【0113】
また、各画像領域61〜64に表されるロケット71の各部分71から71のうち、最も面積が大きい部分71を構成する各画素の奥行き座標の平均値を算出してもよい。そして、ロケット71の各画素の奥行き座標を、部分71おける奥行き座標の平均値で置換してもよい。
【0114】
図13は、スクリーンに設ける分割領域の数を多くし、かつフルカラー表示スクリーン12の枚数を多くした場合の3次元画像の例を示す。画像投射装置2が人間の顔を表す2次元画像を投射する場合、制御部3は、各画像領域における画素の奥行き座標から画素を表示するスクリーンを決定し、そのスクリーン上で画素を表示する分割領域をプレナー状態にする。従って、図13(a)に示す画像を表示するスクリーン群11の断面は、図13(b)に示すようになる。図13(b)において、太く示した箇所がプレナー状態の箇所である。
【0115】
スクリーン群11は、プレナー状態にした分割領域の集合によって、人間の顔の形状の選択反射面を形成している。この場合、白色光下では、観察者は、白い顔の形状のみを認識する。このスクリーン群11に対して画像投射装置2が人間の顔を表す2次元画像を投射すると、画像は選択反射面で散乱され、観察者は、人間の顔の3次元画像を認識することができる。画像投射装置2がフルカラーの画像を投射すれば、観察者は、色の付いた現実感のある画像を認識することができる。
【0116】
次に、制御部3が奥行き情報を生成する態様と、制御部3に奥行き情報が入力される態様とをそれぞれ説明する。制御部3に2次元画像が入力され、その2次元画像に基づいて制御部3が奥行き情報を作成してもよい。また、制御部3が、2次元画像の入力および予め2次元画像の画素に対して決定された奥行き情報の入力を受け付けてもよい。
【0117】
図14は、制御部3が2次元画像に基づいて奥行き情報を作成する場合の制御部の構成例を示すブロック図である。2次元画像入力部41には2次元画像が入力され、2次元画像入力部41はその2次元画像を画像投射装置2に出力する。画像投射装置2は、2次元画像入力部41が出力した2次元画像をスクリーン群11に投射する。
【0118】
また、2次元画像入力部41は、入力された2次元画像を位置算出部42にも出力する。位置算出部42は、2次元画像に基づいて、2次元画像の画素の奥行き情報を決定する。位置算出部42は、各画素に対して決定された奥行き情報をスクリーン振り分け部43に出力する。スクリーン振り分け部43は、画素に対して決定された奥行き情報に基づいて、各画像領域を表示する各フルカラー表示スクリーンの分割領域を決定する。スクリーン振り分け部43は、この処理を画像領域毎に行う。そして、各画像領域について、画像領域を表示するフルカラー表示スクリーンおよび画像領域が投射される分割領域を決定したならば、画像領域を表示することになる各分割領域をプレナー状態にするように各フルカラー表示スクリーン12を駆動する。
【0119】
位置算出部42は、例えば、プログラムに従って動作するCPUによって実現される。
【0120】
図15は、位置算出部42が奥行き情報を作成する際の処理経過の例を示す流れ図である。位置算出部42は、2次元画像に含まれる各要素を抽出する(ステップS1)。例えば、2次元画像入力部41から図10(c)に例示する画像を入力されたならば、太陽、樹木、自動車などの各要素を構成する画素群を抽出する。続いて、位置算出部42は、2次元画像の平面におけるX,Y座標に垂直なZ座標(奥行き座標)を、抽出した画素群の各画素に付与することにより、画素の奥行き方向の位置を決定する(ステップS2)。
【0121】
特許文献4,5に、2次元画像の輪郭を特定し、その輪郭が示す画像を3次元データにする方法が記載されている。位置算出部42は、これらの方法と同様に、3次元データを作成し、3次元データ作成時に算出するZ座標を奥行き情報とすればよい。なお、特許文献4,5に記載されている方法では、オペレータが2次元座標内の画像の輪郭を指定する。従って、特許文献4,5に記載の方法で3次元データを作成する場合には、オペレータが画像の輪郭を指定するためのディスプレイ装置(図示せず。)を各フルカラー表示スクリーン12とは別に設けておけばよい。位置算出部42は、このディスプレイ装置に2次元画像を表示して、太陽、樹木、自動車などの輪郭の指定をオペレータに促し、指定された輪郭に基づいて太陽、樹木、自動車などの奥行き座標(3次元データのZ座標)を算出すればよい。
【0122】
また、非特許文献1に紹介されている技術(動画をリアルタイムに立体映像にする技術)を位置算出部42に適用して、画像を立体化するときに得られるZ座標を奥行き座標としてもよい。オペレータの操作なしに奥行き情報を生成することができるので、非特許文献1に紹介されている技術を位置算出部42に適用して奥行き情報を算出することが好ましい。
【0123】
ただし、奥行き情報を生成する方法は、特定の方法に限定されない。位置情報算出部42は、他の方法によって2次元画像から奥行き情報を生成してもよい。
【0124】
図16は、制御部3に2次元画像および奥行き座標がそれぞれ入力される場合の制御部の構成例を示すブロック図である。2次元画像入力部41に、2次元画像が入力され、その2次元画像を画像投射装置2に出力する。奥行き情報入力部44には、予め2次元画像の画素に対して決定された奥行き情報が入力される。スクリーン振り分け部43の動作は、図14に示す構成の場合と同様である。
【0125】
[実施の形態2]本実施の形態における画像表示装置は、第1の実施の形態と同様に、図1に示すような構成となる。以下、電気光学素子、画像投射装置および制御部については、図1と同一の符号を付して説明する。ただし、この電気光学素子の構成は、第1の実施の形態と異なる。
【0126】
本実施の形態においても、電気光学素子1は投射された画像を表示するスクリーンとしての役割を果たすので、この電気光学素子をスクリーンと記す。スクリーン1は、光を通過させる透過状態と光を散乱させる散乱状態とを呈する液晶を透明基板間に挟持した液晶セルである。また、スクリーン1は、光を反射する層(ミラー層)を備える。このミラー層は、スクリーン1において、液晶層を基準として、画像投射装置2とは反対側に位置する。従って、スクリーン1に液晶層側から入射した光はミラー層で反射する。液晶が透過状態である場合、光は散乱することなく反射するので、スクリーン1自体が鏡として機能する。また、液晶が散乱状態である場合、スクリーン1に入射した光は、散乱しつつ反射する。従って、この状態のスクリーン1に液晶層側から画像を投射すると、画像が表示される。
【0127】
画像投射装置2は、スクリーン1に画像を投射する。画像投射装置2は、液晶層を挟んで、ミラー層とは反対側に配置される。
【0128】
制御部3は、画像投射装置2に画像の投射および画像投射の停止を指示する。また、制御部3は、スクリーン1が備える液晶の状態を制御する。具体的には、制御部3は、画像投射装置2に画像を投射させる場合には、スクリーン1が備える液晶を散乱状態に変化させる。また、制御部3は、画像投射装置2に画像投射を停止させる場合には、スクリーン1が備える液晶を透過状態に変化させる。
【0129】
制御部3は、画像投射装置2に画像を投射させる場合には、液晶を散乱状態にする。このとき、画像投射装置2からスクリーン1に投射された光は、スクリーン1において散乱を伴って反射する。この結果、観察者4は、画像を観察することができる。従って、制御部3は、スクリーン1の液晶を散乱状態にすることで、スクリーン1に画像を表示させることになる。また、制御部3は、画像投射装置2に画像投射を停止させる場合には、液晶を透過状態にする。この結果、スクリーン1は光を散乱させずに反射するので、観察者4は、スクリーン1を鏡として使用することができる。
【0130】
図17は、スクリーン1の構成例を示す模式的断面図である。スクリーン1は、一対の透明基板111,120を備える。透明基板111,120として、例えば、ガラス基板を用いればよい。第1の透明基板111には透明電極112が設けられ、透明電極112上に樹脂膜113が設けられる。また、第2の透明基板120には、ミラー層119が設けられ、ミラー層119の上層に絶縁層118が設けられる。さらに、絶縁層118の上層に透明電極117が設けられ、透明電極117上に樹脂膜116が設けられる。
【0131】
ミラー層119は、光を反射する金属の層を形成することによって実現できる。例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)を用いた金属の層をミラー層119とすればよい。金属の保護や色調整の目的のために、ミラー層119を多層膜構造としてもよい。
【0132】
樹脂膜113,116は、例えば、電圧印加されていない液晶分子を基板面に垂直に配向させる樹脂膜である。
【0133】
なお、スクリーン1の駆動形態は、スタティック駆動が好ましい。ここでは、第1の透明基板111上の透明電極112をセグメント電極とし、第2の透明基板120上の透明電極117をコモン電極として、スタティック駆動によりスクリーン1を駆動する場合を例に説明する。
【0134】
第1の透明基板111および第2の透明基板120は、透明電極同士が対向するように配置され、対向面の間に液晶114を挟持する。樹脂膜113,116が形成された領域の周囲にはシール材115が配置される。シール材115は、透明基板同士を接着させ、また、基板間に液晶114を封止する。液晶114は、透過状態と散乱状態を電気的に制御できる液晶であれば、特に限定されない。例えば、液晶とポリマーの複合体を液晶114として用いることができる。
【0135】
以下、印加電圧がオフレベルのときに液晶114が透過状態になり、印加電圧があるレベル(オンレベル)以上のときに液晶114が散乱状態になる場合を例に説明する。このような液晶の状態の変化は、液晶分子を基板面に垂直に配向させる樹脂膜を樹脂膜113,116として設けることで実現される。なお、オフレベルとは、液晶を透過状態にするための電圧である。オフレベルは0Vとは限らず、絶対値が0Vより大きい電圧を印加したときに液晶が透過状態になるようにしてもよい。
【0136】
制御部3は、コモン電極117およびセグメント電極112の電位を設定して、液晶114に印加される電圧を制御する。制御部3は、印加電圧の大きさを切り替えることによって、液晶114の状態を透過状態または散乱状態に変化させる。制御部3は、液晶114を透過状態にする場合、液晶114に電圧を印加しないようにする。そして、液晶114を散乱状態にする場合、液晶114を散乱状態にする電圧を印加する。なお、一般的には、透明電極の電位を設定するためにコモン電極ドライバやセグメント電極ドライバなどを備えるが、ここでは、セグメント電極112の数が少なく(例えば1個ないし数個程度)、制御部3が直接コモン電極117およびセグメント電極112の電位を設定するものとして説明する。セグメント電極の数を増やす場合には、コモン電極ドライバやセグメント電極ドライバを設けて、各ドライバによって透明電極の電位を設定すればよい。なお、スクリーン1の駆動電圧は、図示しないバッテリによって供給される。また、アクティブ素子と組み合わせてもよい。
【0137】
図18は、制御部3による駆動波形の例を示す説明図である。制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を停止させている間、液晶114に対する印加電圧をオフレベルにする。ここで、オフレベルとは、液晶114が透過状態になるような電圧である。図18では、コモン電極117およびセグメント電極112の電位をいずれも0Vに設定して、印加電圧を0Vにする場合を例示する。印加電圧をオフレベルにすることにより、液晶114は透過状態になる。従って、液晶114側からミラー層119側に入射した光は、散乱せず反射する。従って、画像投射装置2と同じ側にいる観察者4は、スクリーン1を鏡として使用することができる。
【0138】
制御部3は、画像投射装置2に画像の投射を指示するタイミングで、コモン電極117の電位をVcomに設定し、セグメント電極112の電位を−Vsegに設定する。ただし、Vcom+Vsegは、液晶114を散乱状態にする電圧である。この結果、液晶114は、透過状態から散乱状態に変化する。すると、画像投射装置2から投射される光は、液晶114を通過することによって散乱し、また、ミラー層119において反射する。従って、画像投射装置2と同じ側にいる観察者4は、画像投射装置2がスクリーン1に投射した画像を観察することができる。
【0139】
なお、スクリーン1が透明電極として行電極および列電極を備え、線順次駆動によりスクリーン1を駆動してもよい。この場合、制御部3は、画像を投射しないときに、各画素の印加電圧をオフレベルにすればよい。画像投射開始後には、制御部3は、行電極を選択しながら各行を走査し、液晶114を散乱状態にするための電圧を選択行の画素に印加すればよい。
【0140】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、画像投射装置2を観察者4側に配置することができるので、スクリーンの背面の奥行きを狭くしてスクリーンの設置場所を狭くできる。
【0141】
第2の実施の形態において、ミラー層119の代わりに、ハーフミラー層を形成してもよい。ハーフミラー層は、100nm以下の金属の薄膜を形成することにより実現できる。例えば、アルミニウムや銀の薄膜によって、ハーフミラー層を形成してもよい。金属の保護や色調整の目的のために、ハーフミラー層を多層膜構造としてもよい。また、TiOやSiOなどの無機物の多層膜を、ハーフミラー層として使用してもよい。
【0142】
また、ミラー層119の代わりに、スリットミラー層を形成してもよい。スリットミラー層は、ミラー層119に部分的に開口部を設けた構造である。スリットミラー層を形成した場合、開口部に入射した光は、反射することなくスリットミラー層を通過する。開口部以外に入射した光は、反射する。このように、スリットミラー層は、光を通過させる領域と光を反射する領域とに分けられる。また、開口部の面積を調整することで、透過率と反射率との比を調整することができる。よって、ハーフミラー層を形成する場合に比べて、透過率と反射率との比を容易に調整することができる。
【0143】
スクリーン1にミラー層119を設けた場合には、画像投射を停止している間、スクリーン1は鏡として機能する。これに対し、ミラー層119の代わりにハーフミラー層やスリットミラー層を設けた場合には、画像投射を停止している間、スクリーン1の背面側からスクリーン1に入射した光が観察者に到達する。従って、観察者は、スクリーン1の背面側の状態を観察することができる。
【0144】
また、スクリーン1にハーフミラー層あるいはスリットミラー層を形成し、画像投射時に、一部の領域の液晶114を散乱状態に変化させ、他の領域の液晶については透過状態のまま維持するように駆動してもよい。このように駆動するには、例えば、透明電極をパターニングすればよい。また、制御部3は、画像内に表される要素がスクリーンに投射されたときにおけるその要素の輪郭の内部領域の液晶を、画像投射開始時に散乱状態に変化させればよい。この輪郭の外部領域の液晶については、画像投射開始後も、透過状態のまま維持する。
【0145】
このように表示すれば、要素の輪郭にあわせてスクリーンにその要素が表示される。また、観察者4は、スクリーンの他の領域で、スクリーンの背面側の状態を観察することができる。従って、スクリーン1の背面に存在する物を背景として、要素のみをスクリーン1に表示することができる。
【0146】
また、投射する画像が変化すれば、スクリーンに投射される要素の輪郭も変化する。この場合、制御部3は、輪郭の変化にあわせて、輪郭の内部領域が散乱状態となり、他の領域が透過状態になるようにスクリーン1を駆動すればよい。
【0147】
スリットミラー層を設ける場合、スリットミラー層の開口部の液晶を常時透過状態に保ってもよい。すると、観察者4は、開口部の領域では、常にスクリーン1の背面側の状況を観察することができる。
【0148】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。実施例中、「部」は重量部を意味する。
【0149】
[例1]
図2に示すスクリーンを以下のように作成した。透明基板としてガラス基板を用いた。第1のガラス基板101上に透明電極102を形成し、その上層に樹脂膜103を形成した。同様に、第2のガラス基板108上に透明基板107を形成し、その上層に樹脂膜106を形成した。平行配向膜を樹脂膜103,106とした。このガラス基板101,108を、透明電極同士が対向するように配置し、シール材105によって接着した。シール材105は、樹脂膜を形成した領域の周囲に配置した。このようにして得られた空セルに、カイラルネマチック液晶を注入して、封止した。ただし、スクリーンは3枚作成し、それぞれのスクリーンの空セルにはそれぞれ選択反射波長が異なるカイラルネマチック液晶を注入した。3枚のスクリーンには、それぞれ、プレナー時に赤色、緑色、青色を呈するカイラルネマチック液晶を注入した。
【0150】
この3層のスクリーンを制御装置によって駆動した。各層のカイラルネマチック液晶をプレナー状態にしたとき、白色のスクリーンとして観察された。また、市販の画像投射装置を用いて、このスクリーンに画像を投射した。画像投射装置は、スクリーンに対して、観察者と同じ側に配置した。
【0151】
制御装置は、画像投射装置2をオフ(画像を投射しない状態)にしたときに、各層のカイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に維持させた。そして、画像投射装置2をオン(画像を投射する状態)にしたときに、各層のカイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させた。画像投射装置2がオフであるとき、スクリーンは透明であり、画像投射装置2をオンにしたときに、スクリーンに画像を表示することができた。
【0152】
[例2]
例1で作成した画像表示装置を、図5に示したような駆動波形で駆動した。この結果、画像投射装置2をオフにしたときには、スクリーンは透明であった。また、画像投射装置2をオン状態とするときに、カイラルネマチック液晶を中間状態にしたので、画像投射装置2が存在する側とその反対側の両方で画像を観察することができた。また、液晶をフォーカルコニック状態にするための電圧の印加時間を変化させることで、スクリーン1の両面における画像の見やすさの重み付け(一方が他方よりも見やすくなるようにすること)をすることができた。
【0153】
[例3]
図17に示す模式的断面図を持つスクリーン1を次のように作製した。まず、誘電率異方性が負であるネマチック液晶(チッソ社製AG−1016XX)を80部、図19で示される硬化性化合物を20部、ベンゾインイソプロピルエーテルを0.2部ブレンドし、混合組成物を調製した。
【0154】
図17に示す透明基板120として、縦200mm、横200mm、厚さ1.1mmのガラス基板を用いた。このガラス基板120の片側の面にミラー層119を形成し、さらにミラー層119上に絶縁層118を形成した。次いでその上層にパターニングされた透明電極117を形成した。さらに透明電極117の上層に、垂直配向用ポリイミド膜116(JSR社製JALS−682−R3)を形成した。
【0155】
図17に示すもう一方の透明基板111にも、縦200mm、横200mm、厚さ1.1mmのガラス基板を用いた。このガラス基板111上に、パターニングされた透明電極112を形成し、さらに垂直配向用ポリイミド膜113(JSR社製JALS−682−R3)を形成した。
【0156】
2つのガラス基板111,120をポリイミド薄膜が対向するようにして設置し、その間隙に直径6μmの樹脂ビーズを配置した。そして、ガラス基板の四辺に約1mm幅のエポキシ樹脂層(シール層115)を印刷によって設け、ガラス基板を貼り合わせてエポシキ樹脂層を硬化し、スクリーンの周辺部が樹脂層でシールされる状態にした。具体的には、以下のようにシール層115を形成して、液晶を注入した。シール層は、一部を開放するよう設けた。シール層を硬化後、開放部から空セル中に、上記の混合組成物を注入した。その後シール層の開放部を透明なエポキシ樹脂で封止し、そのエポキシ樹脂を硬化させた。
【0157】
ついで、垂直配向用ポリイミド膜の働きで液晶分子が基板面に垂直方向に配向性を示すように状態に保ったまま硬化性化合物を硬化させ、スクリーン1を完成させた。
【0158】
具体的には、混合組成物を注入された液晶セルを40℃に保持した状態で、主波長が約365nmのHg−Xeランプにより、上側より約2.5mW/cm2、下側より同じく約2.5mW/cm2の紫外線を10分間照射し、表示部外の周辺を透明の樹脂層でシールしたスクリーン1を得た。
【0159】
このスクリーン1に画像投射装置から画像を表示するようにした。画像投射装置は、スクリーンを基準として観察者側に配置した。制御装置は、画像投射装置2をオフにしたときに、混合組成物に電圧を印加しないようにし、画像投射装置2をオンにしたときに、混合組成物に電圧を印加して混合組成物が散乱状態を呈するように制御した。このようにスクリーンを駆動することによって、鏡として使用していた面に突然画像を表示させることができた。
【0160】
【発明の効果】
本発明によれば、特定波長域の光または特定の光偏光状態の光を散乱させつつ反射する反射状態と光を通過させる透過状態とを電気的に制御可能な電気光学層が一対の電極付き基板間に挟持されてなる電気光学素子であって、スクリーンとして用いられる電気光学素子と、電気光学素子に画像を投射する画像投射装置と、画像投射装置に画像の投射および画像投射の停止を指示し、電気光学素子が備える電気光学層の状態を制御する制御部とを備え、電気光学素子が備える電気光学層が、少なくとも、光を通過させるホメオトロピック状態と、複数の液晶ドメインのヘリカル軸の方向が僅かずつ異なって電極付き基板に対してほぼ垂直となることにより特定波長域の光を散乱させつつ選択反射するプレナー状態とを呈するカイラルネマチック液晶であり、制御部が、画像投射装置に画像の投射を指示する場合、カイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させることによって電気光学素子に画像を表示させ、画像投射装置に画像投射の停止を指示する場合、カイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に変化させる。従って、透過状態または散乱状態に切り替えられるスクリーンを用いて、観察者側に画像投射装置を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像表示装置の構成例を示す説明図。
【図2】 スクリーンの構成例を示す模式的断面図。
【図3】 駆動波形の例を示す説明図。
【図4】 画像を観察できる位置を示す説明図。
【図5】 カイラルネマチック液晶を中間状態にする場合の駆動波形の例を示す説明図。
【図6】 3次元画像を表示する場合の画像表示装置の構成例を示す説明図。
【図7】 画像領域の概念を表す説明図。
【図8】 分割領域のサイズの広がりを示す説明図。
【図9】 フルカラー表示スクリーンの配置を示す説明図。
【図10】 画像表示装置が3次元画像を表示する状態の具体例を示す説明図。
【図11】 画像領域および画像領域に表される要素の位置関係の各態様を示す説明図。
【図12】 要素の移動を表すように切り替えられる画面における画像領域の例を示す説明図。
【図13】 3次元画像の例を示す説明図。
【図14】 2次元画像に基づいて奥行き情報を作成する場合の制御部の構成例を示すブロック図。
【図15】 奥行き情報を作成する際の処理経過の例を示す流れ図。
【図16】 2次元画像および奥行き座標がそれぞれ入力される場合の制御部の構成例を示すブロック図。
【図17】 スクリーンの構成例を示す模式的断面図。
【図18】 駆動波形の例を示す説明図。
【図19】 硬化性化合物の例を示す説明図。
【図20】 従来の画像表示装置の構成を示す説明図。
【図21】 カイラルネマチック液晶の各種状態を示す模式図。
【符号の説明】
1 電気光学素子(スクリーン)
2 画像投射装置
3 制御部
101,108 透明基板
102,107 透明電極
103、106 樹脂膜
104 カイラルネマチック液晶
105 シール材

Claims (3)

  1. 特定波長域の光または特定の光偏光状態の光を散乱させつつ反射する反射状態と光を通過させる透過状態とを電気的に制御可能な電気光学層が一対の電極付き基板間に挟持されてなる電気光学素子であって、スクリーンとして用いられる電気光学素子と、
    電気光学素子に画像を投射する画像投射装置と、
    画像投射装置に画像の投射および画像投射の停止を指示し、電気光学素子が備える電気光学層の状態を制御する制御部とを備え、
    電気光学素子が備える電気光学層は、少なくとも、光を通過させるホメオトロピック状態と、複数の液晶ドメインのヘリカル軸の方向が僅かずつ異なって電極付き基板に対してほぼ垂直となることにより特定波長域の光を散乱させつつ選択反射するプレナー状態とを呈するカイラルネマチック液晶であり、
    制御部は、画像投射装置に画像の投射を指示する場合、前記カイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させることによって電気光学素子に画像を表示させ、画像投射装置に画像投射の停止を指示する場合、前記カイラルネマチック液晶をホメオトロピック状態に変化させる
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 反射状態における反射光の波長域または光偏光状態が互いに異なる2個以上の電気光学素子を備え、
    各電気光学素子は、重ねて配置される
    請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 制御部は、電気光学素子が備えるカイラルネマチック液晶をプレナー状態に変化させる場合に、電気光学素子に投射される画像内の要素の輪郭の内部領域のみをプレナー状態に変化させる請求項1または2に記載の画像表示装置。
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