JP2022094362A - スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム - Google Patents

スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2022094362A
JP2022094362A JP2020206990A JP2020206990A JP2022094362A JP 2022094362 A JP2022094362 A JP 2022094362A JP 2020206990 A JP2020206990 A JP 2020206990A JP 2020206990 A JP2020206990 A JP 2020206990A JP 2022094362 A JP2022094362 A JP 2022094362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen
image
transmissive
light
transmissive screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020206990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022094362A5 (ja
Inventor
将也 石川
Masaya Ishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2020206990A priority Critical patent/JP2022094362A/ja
Priority to PCT/JP2021/037854 priority patent/WO2022130757A1/ja
Publication of JP2022094362A publication Critical patent/JP2022094362A/ja
Publication of JP2022094362A5 publication Critical patent/JP2022094362A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B30/00Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images
    • G02B30/50Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images the image being built up from image elements distributed over a 3D volume, e.g. voxels
    • G02B30/52Optical systems or apparatus for producing three-dimensional [3D] effects, e.g. stereoscopic images the image being built up from image elements distributed over a 3D volume, e.g. voxels the 3D volume being constructed from a stack or sequence of 2D planes, e.g. depth sampling systems
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B21/00Projectors or projection-type viewers; Accessories therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B21/00Projectors or projection-type viewers; Accessories therefor
    • G03B21/54Accessories
    • G03B21/56Projection screens
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/363Image reproducers using image projection screens
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/388Volumetric displays, i.e. systems where the image is built up from picture elements distributed through a volume
    • H04N13/395Volumetric displays, i.e. systems where the image is built up from picture elements distributed through a volume with depth sampling, i.e. the volume being constructed from a stack or sequence of 2D image planes
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N5/00Details of television systems
    • H04N5/74Projection arrangements for image reproduction, e.g. using eidophor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

【課題】より簡易な構成で、立体的な映像を表示することができるスクリーン及び表示システムを提供する。【解決手段】本発明は、スクリーン装置20と投影装置10と入力画像に基づく映像信号を前記投影装置に供給する映像信号供給源30とを備える表示システム1に関する。そして、本発明のスクリーン装置は、1又は複数の透過型21,22スクリーンと、非透明色の材料で形成された非透過型スクリーン23とを備え、透過型スクリーンは、投影装置から投射される映像光の一部の対象成分に反応して前記映像光が投射された部分にスクリーン映像を出現させると共に、前記対象成分より波長の長い光を透過する光学的特性を備え、投影装置から見て非透過型スクリーンは透過型スクリーンよりも後方に配置されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月15日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1272509054540111872?s=20)にて公開 令和2年6月16日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1272608805277192192?s=20)にて公開 令和2年6月16日にウェブサイト(https://www.instagram.com/p/CBd6jHPDlqz/)にて公開 令和2年6月16日にウェブサイト(https://www.facebook.com/756939441/videos/10157894738109442/)にて公開 令和2年6月21日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1274382535426887680?s=20)にて公開 令和2年6月21日にウェブサイト(https://www.instagram.com/p/CBqqZN1j50r/)にて公開 令和2年6月21日にウェブサイト(https://www.facebook.com/756939441/videos/10157908383794442/)にて公開 令和2年6月24日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1275451911982903299)にて公開 令和2年7月1日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1278037815637315584?s=20、https://twitter.com/kamone/status/1278039796577824768?s=20)にて公開 令和2年7月1日にウェブサイト(https://www.instagram.com/p/CCEfS1ujPAj/、https://www.instagram.com/p/CCEfWS5Bc_0/)にて公開 令和2年7月1日にウェブサイト(https://www.facebook.com/ishikawamasaya/posts/10157939055619442/)にて公開
特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月11日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1281885355088556032?s=20、https://twitter.com/kamone/status/1281886490813845504?s=20)にて公開 令和2年8月9日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1292454409289441281?s=20)にて公開 令和2年8月10日にウェブサイト(https://twitter.com/kamone/status/1292501773882540033)にて公開 令和2年8月10日にウェブサイト(https://www.instagram.com/p/CDr-uXpDlWI/、https://www.instagram.com/p/CDr-0_Lj1D5/)にて公開 令和2年11月27日にウェブサイト(http://creators.j-mediaarts.jp/project/layers-of-light、http://creators.j-mediaarts.jp/news/2129)にて公開
本発明は、スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラムに関し、例えば、立体的な映像をスクリーンに表示させることができる表示システムに適用し得る。
従来、立体的な映像を表示する表示システムとして、例えば、特許文献1に記載されたシステムが存在する。
特許文献1に記載された表示システムでは、投影される光の一部を前方に反射すると共に背面からの光の一部を透過する反射スクリーンを、間隔をあけて複数枚重ねて配置し、それぞれの反射スクリーンに映像光を投影する構成となっている。
特開2020-42112号公報
しかしながら、特許文献1に記載された表示システムでは、それぞれの反射スクリーンに映像光を投影する必要があるため、高コストかつ大型化する傾向にある。
例えば、特許文献1に記載された表示システムでは、それぞれの反射スクリーンに映像光を投影する必要があるため、少なくとも反射スクリーンの間隔を投影装置(映像源)の焦点距離以上としなければならない。また、例えば、特許文献1に記載された表示システムでは、それぞれの反射スクリーンに投影する映像を変化させようとすると、反射スクリーンと同数の投影装置(映像源)と、映像データが必要となる。
以上のような問題に鑑みて、より簡易な構成で、立体的な映像を表示することができるスクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラムが望まれている。
第1の本発明のスクリーン装置は、(1)透明色の材料で形成された1又は複数の透過型スクリーンと、非透明色の材料で形成された非透過型スクリーンとを備えるスクリーン装置において、(2)前記透過型スクリーンは、投影装置から投射される映像光の一部の対象成分に反応して前記映像光が投射された部分にスクリーン映像を出現させると共に、前記対象成分より波長の長い光を透過する光学的特性を備え、(3)前記投影装置から見て、前記非透過型スクリーンは前記透過型スクリーンよりも後方に配置されていることを特徴とする。
第2の本発明は、透明色の材料で形成された1又は複数の透過型スクリーンを備えるスクリーンユニットであって、前記透過型スクリーンは、投影装置から投射される映像光の一部の対象成分に反応して前記映像光が投射された部分にスクリーン映像を出現させると共に、前記対象成分より波長の長い光を透過する光学的特性を備えることを特徴とする。
第3の本発明の表示システムは、スクリーン装置と、映像信号が供給されると前記映像信号に基づく映像光を前記スクリーン装置に投射する投影装置と、入力画像に基づく映像信号を前記投影装置に供給する映像信号供給源とを備える表示システムにおいて、前記スクリーン装置として第1の本発明のスクリーン装置を適用したことを特徴とする。
第4の本発明は、第3の本発明の表示システムを制御してスクリーン映像を表示させる表示方法において、前記映像信号供給源が、入力画像生成手段を有し、前記入力画像生成手段は、前記入力画像を生成するものであって、前記入力画像上に表示させるオブジェクトの色を制御することにより、前記スクリーン装置上で前記オブジェクトを表示させるスクリーンを制御する処理を行うことが可能であることを特徴とする。
第5の本発明の表示プログラムは、第3の本発明のを構成する前記映像信号供給源に搭載されたコンピュータが、前記入力画像を生成するものであって、前記入力画像上に表示させるオブジェクトの色を制御することにより、前記スクリーン装置上で前記オブジェクトを表示させるスクリーンを制御する処理を行うことが可能な入力画像生成手段として機能することを特徴とする。
本発明によれば、より簡易な構成で、立体的な映像を表示することができるスクリーン及び表示システムを提供することができる。
第1の実施形態に係る表示システムの全体構成について示した斜視図である。 第1の実施形態に係る投影装置とスクリーン装置を横方向から見た場合の図である。 第1の実施形態に係る投影装置の基本的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係るスクリーン装置を構成する各スクリーンの光学的特性について示した図である。 第1の実施形態に係る制御コンピュータのハードウェア構成の例について示している。 第1の本実験においてカラーメータで実験用光源(照明用光源)の光を直接受光させた場合のスペクトラムについて示したグラフである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして2mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして2mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして3mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして3mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして5mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第1の本実験において、照明用光源のフィルタとして5mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験においてカラーメータで実験用光源の光(投影装置による白色映像の映像光)を直接受光させた場合のスペクトラムについて示したグラフである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして2mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして2mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして3mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして3mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして5mm厚蛍光グリーンアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の本実験において、投影装置のフィルタとして5mm厚蛍光オレンジアクリル板を適用した場合におけるスペクトラムである。 第3の本実験の内容及び結果について示した図である。 第4の本実験において、照明用光源のフィルタとして0.2mm厚の蛍光グリーンフィルム(1枚)を適用した場合におけるスペクトラムである。 第4の本実験において、照明用光源のフィルタとして0.2mm厚の蛍光グリーンフィルム(2枚)を適用した場合におけるスペクトラムである。 第4の本実験において、投影装置のフィルタとして0.2mm厚の蛍光グリーンフィルム(1枚)を適用した場合におけるスペクトラムである。 第4の本実験において、投影装置のフィルタとして0.2mm厚の蛍光グリーンフィルム(2枚)を適用した場合におけるスペクトラムである。 第2の実施形態に係る表示システムの全体構成について示した斜視図である。 第2の実施形態に係る投影装置とスクリーン装置を横方向から見た場合の図である。 第5の本実験の内容及び結果について示した図である。 第2の実施形態に係るスクリーン装置にスクリーン映像が出現した状態で示した牝斜視図である。 第1の実施形態の変形実施例において、入力映像上に、グラデーションオブジェクトを配置した状態について示している。 第1の実施形態の変形実施例において、入力映像上に、グラデーションオブジェクトを配置した場合におけるスクリーン装置の表示状態(スクリーン装置の斜視図)について示した図である。 第1の実施形態の第1の変形実施例において、スクリーン装置を立設させた状態について示した図(斜視図)である。 第1の実施形態の第2の変形実施例における表示システムを構成する投影装置とスクリーン装置を横方向から見た場合の図である。 第1の実施形態の第3の変形実施例における表示システムを構成する投影装置とスクリーン装置を横方向から見た場合の図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるスクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A-1)第1の実施形態の構成及び動作
図1は、第1の実施形態に係る表示システム1の全体構成について示した斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係る投影装置10とスクリーン装置20を横方向(側面)から見た場合の図である。
図1、図2に示すようにこの実施形態に係る表示システム1は、投影装置10と、投影装置10から発射された映像光を投射するためのスクリーン装置20と、投影装置10に映像信号を供給する映像信号供給源としての制御コンピュータ30とを有している。
以下では、投影装置10の光軸LCと並行となる方向を前後方向と呼ぶものとする。また、以下では、前後方向において、スクリーン装置20から投影装置10へ向かう方向を前側と呼び、投影装置10からスクリーン装置20へ向かう方向を後側と呼ぶものとする。さらに、以下では、光軸LCと直交する方向を「横方向」と呼ぶものとする。
まず、投影装置10の構成について説明する。
この実施形態では、投影装置10として、レーザ走査式のプロジェクタを適用するものとして説明する。
レーザ走査式のプロジェクタは、レーザ光源から発射されたレーザ光を、走査手段により二次元に走査させ、スクリーンに映像(画像)として投影する装置である。レーザ走査式のプロジェクタは、液晶パネル等を用いるプロジェクタと異なり投影レンズが不要であるため小型化を図ることができる等の利点がある。
すなわち、レーザ走査式のプロジェクタでは、投影レンズを用いる必要がなく、スクリーンとの間の距離に拘わらずピント合わせが不要(いわゆる「フォーカスフリー」)な構造とすることができる。出願人は、このフォーカスフリーの構造に着目して、レーザ走査式のプロジェクタをこの実施形態の投影装置10に適用した。なお、投影装置10としては、フォーカスフリーの構造であればレーザ操作式以外のプロジェクタを適用することが望ましい。
なお、フォーカスフリー構造を持たないプロジェクタを投影装置10に適用した場合でも、フォーカスのあったスクリーン映像とフォーカスのあっていないスクリーン映像が重なった立体的な表示を得ることができる。例えば、投影装置10において、第1の透過型スクリーン21にフォーカスを合わせた場合、第1の透過型スクリーン21についてはフォーカスの合ったスクリーン映像が出現し、その他のスクリーンについてはややフォーカスの合わないスクリーン映像が出現することになる。
図2では、投影装置10の光軸LCを点線で図示している。
図3は、投影装置10の基本的な構造について示したブロック図である。
図3に示すように、投影装置10は、赤色のレーザ光(以下、「赤色レーザ光」と呼ぶ)を発する赤色レーザ光源11、緑色のレーザ光(以下、「緑色レーザ光」と呼ぶ)を発する緑色レーザ光源12、青色のレーザ光(以下、「青色レーザ光」と呼ぶ)を発する青色レーザ光源13、及び各レーザ光源から発射されたレーザ光を二次元で走査させる走査手段14を有している。なお、投影装置10において、レーザ光源の数や種類については、上記の組合せに限定されないものである。
この実施形態では、赤色レーザ光源11は、赤色レーザ光として、概ね波長630~640nmの光を発射するものとする。また、この実施形態では、緑色レーザ光源12は、緑色レーザ光として概ね波長515~530nmの光を発射するものとする。さらに、この実施形態では、青色レーザ光源13は、青色レーザ光として概ね波長440~460nmの光を発射するものとする。また、この実施形態では、赤色レーザ光源11、緑色レーザ光源12、及び青色レーザ光源13のプロジェクタ全体としての明るさは20lm±10%であるものとして説明する。
この実施形態の例では、投影装置10として上記の仕様を満たすプロジェクタを適用するものとして説明するが、本発明において適用可能なプロジェクタの仕様を上記の仕様に限定するものではない。以下では、投影装置10として、上記の仕様を満たすUltimems社製のHD301D1(HDピコレーザプロジェクタ)を適用した例について説明する。
図3は、投影装置10の基本的な構造について示した図である。
図3では、投影装置10の基本的な構造(レーザ走査式のプロジェクタの基本的な構造)について図示しており、投影装置10については種々のレーザ走査式のプロジェクタを適用することができる。例えば、投影装置10として、参考文献1(特開2010-8545号公報)に記載の装置を適用するようにしてもよい。
制御コンピュータ30は、投影装置10に映像信号を供給するコンピュータ(映像信号の供給源)である。制御コンピュータ30としては、投影装置10をディスプレイとして接続することが可能な種々のコンピュータ(例えば、PC、スマートホン、マイクロコンピュータ等)を適用することができる。
次に、スクリーン装置20の構成について説明する。
スクリーン装置20は、2枚の透過型スクリーン21、22、及び非透過型スクリーン23の3層のスクリーンが一定間隔で重ねて(積層して)配置されている。この実施形態において、スクリーン装置20を構成する各スクリーンは板形状であり、板面が投影装置10の光軸LCと直交するように配置されているものとする。以下では、透過型スクリーン21、22を、それぞれ「第1の透過型スクリーン」、「第2の透過型スクリーン」とも呼ぶものとする。
この実施形態において、スクリーン装置20には、各スクリーン間を所定間隔(例えば、1cm程度)とするためのスペーサ40が配置されている。この実施形態では、図1、図2に示すように中間の第2の透過型スクリーン22の両面の四隅のそれぞれに四角柱形状のスペーサ40が配置されている。各スクリーンとスペーサ40との当接部分は接着剤等で固定されていてもよい。
図2では、投影装置10から非透過型スクリーン23までの距離をL0、第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22との間の間隔をL1、第2の透過型スクリーン22と非透過型スクリーン23との間の間隔をL2と図示している。L0、L1、L2については任意の寸法を適用することができる。この実施形態では、L0=50cm、L1=1cm、L2=1cmであるものとして説明する。なお、L1とL2は均等である必要はない。すなわち、スクリーン装置20(スクリーンユニット201)を構成する各スクリーンは、それぞれ前後方向において任意の位置に設定することが可能である。スクリーン装置20を構成する各スクリーンの板面の形状(外形)についても限定されないものである。
この実施形態において、透過型スクリーン21、22として、それぞれ異なる光学的特性を備える透明色の材料(例えば、アクリル等の樹脂)を適用することができる。この実施形態の例では、透過型スクリーン21、22としては、それぞれ異なる色の蛍光材料(蛍光染料)で着色された(練りこまれた)アクリル板を適用するものとして説明する。
この実施形態において、非透過型スクリーン23は、投影装置10の映像光(レーザ光)を反射することができるスクリーンであるものとする。非透過型スクリーン23としては、プロジェクタのスクリーンとして機能する種々の物を適用することができる。具体的には、例えば、非透過型スクリーン23としては、白色の用紙(例えば、コピー用紙)、布、床、壁等を適用することができる。この実施形態では、非透過型スクリーン23としては、白色の用紙を適用するものとして説明する。
なお、図1では、透過型スクリーン21、22とスペーサ40を含む構成をスクリーンユニット201として図示している。第1の実施形態において、非透過型スクリーン23が用紙であるとすれば、スクリーン装置20を提供するメーカは、スクリーンユニット201(透過型スクリーン21、22とスペーサ40を含む構成)のみを製造してユーザに提供し、ユーザは自ら用意した用紙(非透過型スクリーン23)の上にスクリーンユニット201を載置することでスクリーン装置20を完成させることができる。また、非透過型スクリーン23は、スクリーンとして機能する物であればどのような物でも適用することができる。例えば、スクリーンユニット201を設置する机や床自体を非透過型スクリーン23として用いるようにしてもよい。なお、スクリーンユニット201において、各スペーサ40と透過型スクリーン21、22との接触面は全て接着剤等により固定されていてもよい。
この実施形態では、透過型スクリーン21、22は矩形の板形状であるものとして説明するが、透過型スクリーン21、22の形状は板形状に限定されず種々の形状とするようにしてもよい。例えば、透過型スクリーン21、22の外面は、直方体(立方体)形状、球(楕円球)形状等種々の形状とするようにしてもよい。すなわち、透過型スクリーン21、22は、一部又は全部の面に曲面が形成されていてもよいし、板形状でなくてもよい(任意の立体的形状としてもよい)。
次に、この実施形態において、透過型スクリーン21、22に求められる光学的特性について図4を用いて説明する。
図4は、スクリーン装置20を構成する各スクリーンの光学的特性について示した図である。
図4は、スクリーン装置20を側面から見た場合において、スクリーン装置20に各レーザ光が入射された場合の状態について図示している。
また、図4では、スクリーン装置20の観者(ユーザ)の視点をスクリーン装置20の前側の任意の位置P1とし、観者の視線を矢印Xとしている。矢印Xは位置P1を起点とする矢印である。なお、観者の視点P1については図4の位置に限定されるものではなく任意の位置とするようにしてもよいが、図4のようにスクリーン装置20より前側であることが好ましい。
第1の透過型スクリーン21は、青色レーザ光の成分を遮断しつつ、青色より波長の長い光(概ね波長480nm以上の光;赤色及び緑色を含む光)の成分を透過させる光学的特性を備えているものとする。その結果、第2の透過型スクリーン22には、前側から赤色レーザ光と緑色レーザ光のみが入射されることになる。また、第1の透過型スクリーン21は、青色レーザ光が入射した部分において、青色レーザ光を吸収した蛍光材料が励起して蛍光(以下、「第1の蛍光」と呼ぶ)を放出する光学的特性を備えているものとする。さらに、第1の透過型スクリーン21は、青色レーザ光が入射した部分において、青色レーザ光の一部を反射(以下、この反射光を「第1の反射光」と呼ぶものとする)する光学的特性を備えるようにしてもよい。したがって、第1の透過型スクリーン21では、前側の面において、青色レーザ光による第1の蛍光と第1の反射光の成分による画像(以下、「第1のスクリーン映像」と呼ぶ)が出現することになる。
第2の透過型スクリーン22は、緑色レーザ光の成分を遮断しつつ、緑色よりも波長の長い光(概ね波長530nm以上の光;オレンジ色及び赤色を含む光)の成分を透過させる光学的特性を備えているものとする。その結果、非透過型スクリーン23には、前側から赤色レーザ光のみが投射されることになる。また、第2の透過型スクリーン22は、緑色レーザ光が入射した部分において、緑色レーザ光を吸収した蛍光材料が励起して蛍光(以下、「第2の蛍光」と呼ぶ)を放出する光学的特性を備えているものとする。このとき、第2の蛍光は、必然的に緑色レーザ光よりも波長の長い色の光(例えば、黄色やオレンジ色)となる。さらに、第2の透過型スクリーン22は、緑色レーザ光が入射した部分において、緑色レーザ光の一部を反射(以下、この反射光を「第2の反射光」と呼ぶものとする)する光学的特性を備えるようにしてもよい。すなわち、第2の透過型スクリーン22では、前側の面において、緑色レーザ光による第2の蛍光と第2の反射光の成分による画像(以下、「第2のスクリーン映像」と呼ぶ)が出現することになる。
非透過型スクリーン23には、赤色レーザ光の成分が投射され、反射(以下、この反射光を「第3の反射光」と呼ぶものとする)することになる。すなわち、非透過型スクリーン23には、赤色レーザ光の反射(第3の反射光)による画像(以下、「第3のスクリーン映像」と呼ぶ)が出現することになる。
以上のように、第1の透過型スクリーン21、第2の透過型スクリーン22、及び非透過型スクリーン23の前側の面には、それぞれ第1のスクリーン映像、第2のスクリーン映像、及び第3のスクリーン映像が出現することになる。
そして、第2の透過型スクリーン22では、上記の要件を満たすことで、非透過型スクリーン23に出現する第3のスクリーン映像の光(第3の反射光(赤色))も透過(後側から前側へ透過)する光学的特性を備えることになる。また、この実施形態において、第1の透過型スクリーン21透過では、上記の要件を満たすことで、第3のスクリーン映像の光(第3の反射光(赤色))及び第2のスクリーン映像の光(第2の蛍光及び第2の反射光)を透過(後側から前側へ透過)する光学的特性を備えることになる。
すなわち、スクリーン装置20では、観者(ユーザ)側に、第1~第3のスクリーン映像の光(第1の蛍光、第1の反射光、第2の蛍光、第2の反射光及び第3の反射光)を放出することになる。その結果、スクリーン装置20では、観者(観者が視点P1からスクリーン装置20を見たユーザ)に対して、第1の透過型スクリーン21前側の面に現れる第1のスクリーン映像と、第2の透過型スクリーン22の前側の面に現れる第2のスクリーン映像と、非透過型スクリーン23の前側の面に現れる第3のスクリーン映像を見せることが可能となる。
なお、上述の通り、この実施形態において、投影装置10は投影レンズが用いられないフォーカスフリーの構成であるため、前後方向において、各スクリーン(第1の透過型スクリーン21、第2の透過型スクリーン22及び非透過型スクリーン23)の位置が異なる状態でも、各スクリーンの面(前側の面)に対して鮮明なスクリーン映像を結像させることができる。そのため、この実施形態において、投影装置10にはフォーカスフリーの構造であることが求められる。
まとめると、この実施形態において、第1の透過型スクリーン21には、青色より波長の長い光(概ね波長480nm以上の光)を透過し、さらに、青色レーザ光が入射された部分で第1のスクリーン映像(第1の蛍光及び第1の反射光の成分を含む光)を出現させるという光学的特性を備えていることが求められる。そして、この実施形態において、第2の透過型スクリーン22には、緑色よりも波長の長い光(概ね波長530nm以上の光)を透過し、さらに、緑色レーザ光が入射された部分で第2のスクリーン映像(第2の蛍光及び第2の反射光の成分を含む光)を出現させるという光学的特性を備えることが求められる。さらに、第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22では、鮮明なスクリーン映像(第1のスクリーン映像と第2のスクリーン映像)を出現させる光学的特性を備えることが望ましい。
以上のように、第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22について上記の条件を全て備えたものを適用することで、初めて観者に第1~第3のスクリーン映像を見せることができる。
次に、第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22の具体的な構成の例について説明する。
本願発明者は、スクリーン装置20において、第1の透過型スクリーン21に蛍光グリーン色に着色されたアクリル板(以下、「蛍光グリーンアクリル板」と呼ぶ)を適用し、第2の透過型スクリーン22に蛍光オレンジ色に着色されたアクリル板(以下、「蛍光オレンジアクリル板」と呼ぶ)を適用する組み合わせを採用することで、上記の条件を全て満たし、鮮明な第1~第3のスクリーン映像を観者に見せることが可能であることを発見した。本願の発明は、本願発明者による上記の発見に基づき構成されたものである。
蛍光グリーンアクリル板は、青色より波長の長い光(概ね480nm以上の波長の光;緑色、オレンジ色、及び赤色を含む)を透過させつつ、青色レーザ光が入射された部分が励起して緑色の蛍光(第1の蛍光)を放出する特性を備える。第1の透過型スクリーン21に適用可能なアクリル板としては、例えば、カナセ株式会社製のカナセライト1305(蛍光グリーン)が存在する。なお、第1の透過型スクリーン21としては、上記以外のメーカの蛍光グリーンアクリル板を適用するようにしてもよい。
蛍光オレンジアクリル板は、緑色より波長の長い光(概ね540nm以上の波長の光;黄色、オレンジ色、及び赤色を含む)を透過させつつ、緑色レーザ光が入射された部分が励起してオレンジ色の蛍光(第2の蛍光)を放出する。第2の透過型スクリーン22に適用可能なアクリル板としては、例えば、カナセ株式会社製のカナセライト9989(ウルトラオレンジ(蛍光色))が存在する。なお、第2の透過型スクリーン22としては、上記以外のメーカの蛍光オレンジアクリル板を適用するようにしてもよい。
次に、発明者は、グリーン蛍光アクリル板(カナセライト1305)とオレンジ蛍光アクリル板(カナセライト9989)の光学的特性を確認する実験を行ったのでその結果について説明する。本実験では、実験用の光源として白色LEDにより発光する写真撮影用の照明光源(図示せず;以下、「照明用光源」と呼ぶ)を用いた場合の実験(以下、「第1の本実験」と呼ぶ)と、実験用の光源としてUltimems社製のHD301D1を用いた場合の実験(以下、「第2の本実験」と呼ぶ)を行った。
[第1の本実験]
まず、第1の本実験の内容及び結果について説明する。
第1の本実験では、白色LEDにより発光する照明用光源と、受光した光のスペクトラム(波長ごとの受光強度)を測定可能な測定装置(以下、「カラーメータ」と呼ぶ)とを用いて、グリーン蛍光アクリル板(カナセライト1305)とオレンジ蛍光アクリル板(カナセライト9989)の光学的特性を確認した。第1の本実験では、カラーメータとして、SEKONIC社製のカラーメータ(C-800)を用いた。
図6は、第1の本実験においてカラーメータで照明用光源の光を直接受光させた場合のスペクトラムについて示したグラフである。
図7~図12は、第1の本実験においてカラーメータと照明用光源の間のフィルタとして、それぞれ、2mm厚蛍光グリーンアクリル板、2mm厚蛍光オレンジアクリル板、3mm厚蛍光グリーンアクリル板、3mm厚蛍光オレンジアクリル板、5mm厚蛍光グリーンアクリル板、5mm厚蛍光オレンジアクリル板を配置した場合にカラーメータで取得されるスペクトラムについて示したグラフである。例えば、図7は、カラーメータと照明用光源の間に2mm厚の蛍光グリーンアクリル板だけを配置した場合において、カラーメータで取得されるスペクトラムについて示したグラフである。
図6~図12のグラフでは、横軸を受光した光の波長、縦軸を受光した光のパワー(受信強度)としている。図6~図12のグラフでは、縦軸のパワーを最大値1で正規化して表示され、1(最大値)の場合の照度(単位は[lx])を左上部分に付記している。なお、本明細書において、スペクトラムを示すグラフについては図6~図12と同様の形式で図示している。
図6に示すように照明用光源は、可視光の帯域(概ね波長400nm~800nmの範囲)では波長420nm以上の帯域(可視光のほぼ全帯域)の成分を含む光となっている。
図7、図9、図11に示すように、照明用光源の光を蛍光グリーンアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、概ね波長420nm~480nmの帯域(主として青色の帯域;青色レーザ光を含む帯域)の成分については遮断され、青色よりも波長が長い帯域(概ね480nmより波長の長い帯域)の成分については透過することが分かる。
図8、図10、図12に示すように、照明用光源の光を蛍光オレンジアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、概ね波長480nm~540nmの帯域(主として緑色の帯域;緑色レーザ光を含む帯域)の成分については大部分が遮断され、緑色よりも波長が長い帯域(概ね540nmより波長の長い帯域)の成分については透過することが分かる。ただし、図8、図10、図12に示すように、照明用光源の光を蛍光オレンジアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、若干であるが、蛍光オレンジアクリル板の板厚が薄くなるほど、透過してしまう緑色の成分のパワー(吸収しきれなかった緑色の成分のパワー)が大きくなる傾向にあることが分かる。
さらに、図8、図10、図12に示すように、照明用光源の光を蛍光オレンジアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、青色の成分(420nm~480nm)については約80%程度減衰させられており、若干であるが板厚が厚くなるほど減衰するパワーが増加する傾向にあることがわかる。
[第2の本実験]
次に、第2の本実験の内容及び結果について説明する。
第2の本実験では、実験用の光源として、Ultimems社製のHD301D1(以下、「実験用投影装置」と呼ぶ)を用いたこと以外は第1の本実験と同様の作業を行った。第1の本実験では、制御コンピュータ30から実験用投影装置に、画面内の全画素白色(RGB全ての値が最大値の色)の映像(以下、「白色映像」と呼ぶ)の映像信号を供給して映像光を出力させた。
図14~図19は、それぞれ第2の本実験においてカラーメータと実験用光源の間のフィルタとして、それぞれ、2mm厚蛍光グリーンアクリル板、2mm厚蛍光オレンジアクリル板、3mm厚蛍光グリーンアクリル板、3mm厚蛍光オレンジアクリル板、5mm厚蛍光グリーンアクリル板、5mm厚蛍光オレンジアクリル板を配置した場合にカラーメータで取得されるスペクトラムについて示したグラフである。
図13に示すように、白色映像の映像光は、青色レーザ光(概ね波長440~460nm)、緑色レーザ光(概ね波長515~530nm)、及び赤色レーザ光(概ね波長630~640)の3つの成分で構成されていることが分かる。
図14、図16、図18に示すように、白色映像の映像光を蛍光グリーンアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、青色レーザ光の成分については遮断され、青色よりも波長が長いレーザ光(緑色レーザ光と赤色レーザ光)の成分については透過する。
図15、図17、図19に示すように、白色映像の映像光を蛍光オレンジアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、緑色レーザ光の成分については遮断され、緑色よりも波長が長い帯域の赤色レーザ光の成分については透過する。
なお、図15、図17、図19では、青色レーザ光(概ね波長440~460nm)の成分について多少(最大値の20%~35%程度)透過しているが、この実施形態において、第2の透過型スクリーン22には、青色レーザ光の成分を遮断する性能は求められないため問題とならない。
さらにまた、図14、図16、図18に示すように、白色映像の映像光を用いた実験結果においては、第1の透過型スクリーン21の厚さを2mm、3mm、5mmと変更しても、青色レーザ光の遮断性能と、その他のレーザ光(緑色レーザ光と赤色レーザ光)の透過性能において顕著な差異は認められなかった。
また、図15、図17、図19に示すように、白色映像の映像光を用いた実験結果においては、第2の透過型スクリーン22の厚さを2mm、3mm、5mmと変更しても、緑色レーザ光の遮断性能と、赤色レーザ光の透過性能において顕著な差異は認められなかった。
[第3の本実験]
次に、投影装置10としてUltimems社製のHD301D1を適用し、さらに、第1の透過型スクリーン21、第2の透過型スクリーン22として、それぞれカナセライト1305、カナセライト9989を適用した場合におけるスクリーン装置20の光学的特性の実験(以下、この実験を「第3の本実験」と呼ぶ)を行ったのでその結果について
説明する。以下では、表示システム1を用いた表示方法(表示プログラムの動作)についても併せて説明する。
図20は、第3の本実験の内容及び結果について示した図である。
図20(a)は、第3の本実験において、制御コンピュータ30から投影装置10に供給した実験用の画像(以下、「第1の実験用画像」と呼ぶ)について図示している。
図20(a)では、白色(カラーコード#FFFFFF)の線を実線で図示し、青色(カラーコード#0000FF)の線を破線で図示し、緑色(カラーコード#00FF00)の線を一点鎖線で図示し、赤色(カラーコード#FF0000)の線を二点鎖線で図示している。
つまり、図20(a)に示す第1の実験用画像には、白色の長方形(縦長の正方形)のオブジェクト(画像)と、青色の三角形のオブジェクトと、緑色の円形のオブジェクトと、赤色の正方形のオブジェクトが描かれている。
図20(b-1)は、第1の実験用画像に基づく映像信号が投影装置10に供給された場合に、青色レーザ光源13でのみ描かれる画像(例えば、青色レーザ光源13のみで非透過型スクリーン23に直接投影した場合に現れる画像)を示している。そして、図20(b-2)は緑色レーザ光源12でのみ描かれる画像を示しており、図Z(b-3)は赤色レーザ光源11でのみ描かれる画像を示している。
図20(c-1)~図20(c-3)は、それぞれ第3の本実験において、第1の透過型スクリーン21の前面に出現した第1のスクリーン映像、第2の透過型スクリーン22の前面に出現した第2のスクリーン映像、及び非透過型スクリーン23の前面に出願した第3のスクリーン映像を図示している。
第1の実験用画像(入力画像)において、青色で描画された三角形のオブジェクトは、RGBのうちBの成分のみで構成されているため、図20(c-1)に示すように第1のスクリーン映像(第1の透過型スクリーン21)にのみ表れた。
また、第1の実験用画像(入力画像)において、緑色で描画された円形のオブジェクトは、RGBのうちGの成分のみで構成されているため、図20(c-2)に示すように第2のスクリーン映像(第2の透過型スクリーン22)にのみ表れた。
さらに、第1の実験用画像(入力画像)において、赤色で描画された正方形のオブジェクトは、RGBのうちRの成分のみで構成されているため、図20(c-3)に示すように第3のスクリーン映像(非透過型スクリーン23)にのみ表れた。
さらにまた、第1の実験用画像(入力画像)において、白色で描画された長方形のオブジェクトは、RGBの全ての成分を含むため、図20(c-1)~図20(c-3)に示すように全てのスクリーン映像に表れた。
第3の本実験において、各スクリーン(第1の透過型スクリーン21、第2の透過型スクリーン22、及び非透過型スクリーン23)を目視したところ、それぞれに鮮明なスクリーン映像(第1~第3のスクリーン映像)が出現したことが確認できた。
また、第3の本実験では、図4に示す視点P1からスクリーン装置20を目視したところ、第1~第3のスクリーン映像についていずれも鮮明に見ることができた。つまり、第3の本実験では、第1の透過型スクリーン21が第2及び第3のスクリーン映像の光を前方側に透過し、第2の透過型スクリーン22が第3のスクリーン映像の光を前方側に透過することが確認できた。
なお、第3の本実験では、第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22に適用するアクリル板の厚さを2mm、3mm、5mmと変更して同様の確認を行ったが、いずれの場合も同様の結果(良好な実験結果)が確認された。
以上のように、表示システム1では、制御コンピュータ30から投影装置10に供給する入力映像において、オブジェクトごとに描画する色を変更することにより、表示させるスクリーン(前後方向の位置)を制御することができる。
この実施形態では説明を簡易とするため、投影装置10に供給する入力映像を静止画としたが、動画像(アニメーション画像)としても良い。
例えば、スクリーン映像に表示されたあるオブジェクトを横方向に移動させたい場合、入力画像上で当該オブジェクトの位置を移動させて出力する処理を制御コンピュータ30に実行させれば良い。また、例えば、スクリーン映像に表示されたあるオブジェクトを前後方向に移動させたい場合、入力画像上で当該オブジェクトの色を変更(変更先のスクリーンに対応する色に変更)させて出力する処理を制御コンピュータ30に実行させれば良い。また、例えば、図20の例において、三角形のオブジェクトを第1の透過型スクリーン21(第1のスクリーン映像)から1段後方(第2の透過型スクリーン22)に移動させたい場合、制御コンピュータ30上で、当該三角形のオブジェクトの色を青から緑(カラーコード#00FF00)に変更させればよい。
さらに、例えば、図20の例において、三角形のオブジェクトを第1の透過型スクリーン21(第1のスクリーン映像)と第2の透過型スクリーン22(第2のスクリーン映像)に表示させたい場合、制御コンピュータ30上で、当該三角形のオブジェクトの色を青から黄色(カラーコード#FFFF00)に変更させればよい。当該三角形のオブジェクトの色を青からピンク(カラーコード#FF00FF)に変更すると当該三角形のオブジェクトは、第1の透過型スクリーン21(第1のスクリーン映像)と非透過型スクリーン23(第3のスクリーン映像)に表示され、当該三角形のオブジェクトの色を青からシアン(カラーコード#00FFFF)に変更すると当該三角形のオブジェクトは、第2の透過型スクリーン22(第2のスクリーン映像)と非透過型スクリーン23(第3のスクリーン映像)に表示されることになる。
制御コンピュータ30において、入力映像(静止画又は動画像)のデータを保持する方法は限定されないものである。例えば、予め外部で作成した入力映像のデータを制御コンピュータ30にコピーして保持しておくようにしてもよいし、制御コンピュータ30内でプログラムによりCGを生成して、入力映像として保持・出力するようにしてもよい。例えば、制御コンピュータ30に、オブジェクト毎の画像を描画して入力映像を生成・保持して出力(投影装置10に供給される入力映像を出力)するコンピュータプログラム(以下、「表示プログラム」とも呼ぶ)をインストールする構成としてもよい。このとき、上記の表示プログラムは、ユーザの操作に応じて、入力映像内の各オブジェクトの位置(入力映像内の位置)や色(表示する先のスクリーンに対応する色)を変化させるようにしてもよい。
次に、制御コンピュータ30において、上記の表示プログラムがインストールされる場合における具体的な構成について説明する。
制御コンピュータ30は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータにプログラム(実施形態の表示プログラムを含む)をインストールすることにより構成するようにしてもよい。
次に、図5を用いて、制御コンピュータ30のハードウェア構成について説明する。
図5では、制御コンピュータ30のハードウェア構成の例について示している。
図5に示す制御コンピュータ30は、プロセッサ301、一次記憶部302、二次記憶部303、入力部304、表示部305、及び映像インタフェース306を有している。
一次記憶部302は、プロセッサ301の作業用メモリ(ワークメモリ)として機能する記憶手段であり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の高速動作するメモリを適用することができる。二次記憶部303は、OS(Operating System)やプログラムデータ(実施形態に係る表示プログラムのデータを含む)等の種々のデータを記録する記憶手段であり、例えば、FLASH(登録商標)メモリやHDD等の不揮発性メモリを適用することができる。この実施形態の制御コンピュータ30では、プロセッサ301が起動する際、二次記憶部303に記録されたOSやプログラム(実施形態に係る表示プログラムを含む)を読み込み、一次記憶部302上に展開して実行する。
入力部304は、ユーザからの入力を受けるためのデバイスであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等を適用することができる。
表示部305は、ユーザへの表示(例えば、入力映像を表示)を行うためのデバイスであり、例えば、ディスプレイ等を適用することができる。
映像インタフェース306は、投影装置10に映像信号を供給するためのインタフェースである。映像インタフェース306としては、例えば、HDMI(登録商標)、VGA等の有線インタフェースだけでなくBluetooth(登録商標)等の無線インタフェース等を適用することができる。
なお、制御コンピュータ30の具体的な構成は図5の構成に限定されないものであり、種々の構成を適用することができる。例えば、一次記憶部302が不揮発メモリ(例えば、FLASHメモリ等)であれば、二次記憶部303については除外した構成としてもよい。
[第4の本実験]
次に、発明者は、0.22厚の蛍光グリーンの蛍光材料で着色された透明樹脂(ポリ塩化ビニル)フィルム(以下、「蛍光グリーンフィルム」と呼ぶ)の光学的特性を確認する実験(以下、「第4の本実験」と呼ぶ)を行ったのでその結果について説明する。第4の本実験では、蛍光グリーンフィルムとして、自動車のヘッドライト等に張り付けてヘッドライトの発光色を蛍光グリーンに調整するためのフィルム(いわゆる、「ヘッドライトフィルム」や「カーライトレンズフィルム」として市販されているフィルム)を用いた。第4の本実験では、実験用光源として、上記の照明用光源を用いたパターンと、上記の実験用投影装置(Ultimems社製のHD301D1)を用いたパターンについて光学的特性を確認した。また、第4の本実験では、実験用フィルタとして、0.2mm厚の蛍光グリーンフィルムを1枚だけ用いたパターンと、0.2mm厚の蛍光グリーンフィルムを2枚重ねたパターンについて光学的特性を確認した。第4の実験では、上記のいずれかの実験用光源の光を、上記のいずれかの実験用フィルタを通して、第1~第3の本実験と同様のカラーメータを用いて測定(フィルタを透過する光のスペクトラムを測定)した。
図21は、第4の本実験において、実験用光源として上記の照明用光源を用い、実験用フィルタとして1枚の蛍光グリーンフィルムを用いたパターンの測定結果を示している。
図22は、第4の本実験において、実験用光源として上記の実験用投影装置を用い、実験用フィルタとして2枚重ねの蛍光グリーンフィルムを用いたパターンの測定結果を示している。
図23は、第4の本実験において、実験用光源として上記の実験用投影装置を用い、実験用フィルタとして1枚の蛍光グリーンフィルムを用いたパターンの測定結果を示している。
図24は、第4の本実験において、実験用光源として上記の実験用投影装置を用い、実験用フィルタとして2枚重ねの蛍光グリーンフィルムを用いたパターンの測定結果を示している。
図21~図24に示す通り、蛍光グリーンフィルムについても、蛍光グリーンアクリル板と同様に、概ね波長420nm~480nmの帯域(主として青色の帯域;青色レーザ光を含む帯域)を遮断する能力があることがわかる。
図20、図22に示すように、1枚の蛍光グリーンフィルム(0.2mm厚)だけを用いた場合は、青色レーザ光を完全には遮断できない。一方で、図21、図23に示すように、2枚の蛍光グリーンフィルム(0.2mm厚)を2枚重ねた(1cmの間隔をあけて重ねた)ところ、スペクトルとしては青色レーザ光をほぼ遮断できた。この時、重ねた蛍光グリーンフィルムの両方に、青色レーザ光に基づく映像(上記の第3の本実験でグリーン蛍光アクリル板に現れたスクリーン映像と同様の映像)が出現することが観察できた。
言い換えると、図21~図24に示す通り、第4の本実験では青色の成分(420nm~480nm)について、1枚だけの蛍光グリーンフィルムを用いた場合には10%程度のパワーが透過しているが、2枚重ねの蛍光グリーンフィルムを用いた場合には1%程度のパワーが透過するに過ぎない。従って、第4の本実験では、1枚だけの蛍光グリーンフィルムを用いた場合よりも、2枚重ねの蛍光グリーンフィルムを用いた場合の方が、顕著に青色の成分(420nm~480nm)について遮断する能力(パワーを減衰させる能力)が高い(10倍程度高い)ことが分かる。
第4の本実験により、投影装置10としてUltimems社製のHD301D1を適用した場合においては、厚さが0.2mm~0.4mmの範囲に青色成分だけを完全に投射できる厚さが存在することが予測できる。
[第1~第4の本実験に基づく考察]
上記の通り、第2、第3の実験の方法では、蛍光グリーンアクリル板及び蛍光オレンジアクリル板の厚さにより、光の遮断性能に顕著な差異は確認できなかった。しかしながら、発明者は、板厚2mm、3mm、5mmの蛍光グリーンアクリル板のそれぞれに対して、強力な青色のレーザビーム(青色LEDに基づくレーザビームを発射可能なレーザポインター)を板面に入射させたところ、当該蛍光グリーンアクリル板は当該青色のレーザビームを受け止めきれず、後側に透過してしまう現象を目視確認した。
また、発明者は、当該蛍光グリーンアクリル板に当該レーザポインターのレーザ光を横方向から(側面から)入射させると、当該レーザ光の光は入射面(側面)から10cm程度のところで止まることを目視確認した。
さらに、第1の本実験の結果においては、上記の通り、照明用光源の光を蛍光オレンジアクリル板(2mm厚、3mm厚、5mm厚)に通すと、若干であるが、板厚が薄くなるほど、透過してしまう緑色及び青色の成分のパワーが大きくなる傾向が確認されている。
これらの現象をふまえると、蛍光材料を含有するアクリル板では、板厚が厚いほど、遮断対象の成分となっている光(例えば、蛍光グリーンのアクリル板では青色の成分であり、蛍光オレンジのアクリル板では緑色の成分)を遮断する能力(より大きなパワーの光を遮断する能力)が上昇する傾向にあると考えられる。
蛍光材料を含有する透明樹脂においてこのような特性があることの裏付けをとるために、発明者は上記の第4の本実験を行った。上記の通り、第4の本実験では、蛍光グリーンアクリル板よりも相当程度薄い0.2mm厚の蛍光グリーンフィルムを用いているため、上記の蛍光がより顕著に表れている。したがって、上記の第4の本実験の結果をふまえると、蛍光材料を含有する透明樹脂(例えば、アクリル板等)では、厚いほど、遮断対象となっている成分の光を遮断する能力(より大きなパワーの光を遮断する能力)が上昇する傾向にあると考えられる。
スクリーン装置20では、前側のスクリーンのスクリーン映像が後ろ側に写ってしまうこと(以下、この現象を「裏写り」とも呼ぶ)は、映像品質を大きく劣化させるため避けるべきである。したがって、表示システム1において、投影装置10の映像光のパワーと、スクリーン装置20の各スクリーンに適用するアクリル板の板厚との関係は、スクリーン装置20の表示する映像の品質を十分に保てる値に調整されていることが望ましい。
すなわち、投影装置10のパワーは、スクリーン装置20の各スクリーンに適用するアクリル板で遮断対象となっている成分(例えば、蛍光グリーンのアクリル板では青色の成分であり、蛍光オレンジのアクリル板では緑色の成分)を遮断可能(映像品質に影響を与えない程度に遮断可能)な値に調整されていることが望ましい。言い換えると、スクリーン装置20の各スクリーンに適用するアクリル板の板厚は、投影装置10の映像光に含まれる遮断対象となっている成分を遮断可能(映像品質に影響を与えない程度に遮断可能)な値に調整されていることが望ましい。
以上の通り、投影装置10のパワーと、スクリーン装置20の各スクリーンに適用するアクリル板の板厚については、上記の考察を踏まえて、予め実験等を行って良好な品質のスクリーン映像が得られる値に設定しておくことが望ましい。ただし、少なくとも、第3の本実験の環境では、十分に良好なスクリーン映像が得られていることは確認されている。
(A-3)第1の実施形態の効果
以下、本発明によるスクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
第1の実施形態の表示システム1では、スクリーン装置20(スクリーンユニット201)を構成する各透過型スクリーンが図4に示すような光学的特性を備えることで、1つの投影装置10から1つの入力映像に基づく1つの映像光だけで、スクリーン装置20(スクリーンユニット201)を構成する各スクリーンにそれぞれ異なるスクリーン映像を出現させることが可能となる。
一般的には一つの映像光から複数の映像に分離して表示させることは容易ではないが、本発明では、蛍光という現象に着目することで、1つの映像光を複数の像に分離してそれぞれ異なる層に結像(現像)させることが可能となっている。特許文献1に記載されたシステムの構造でも立体的な映像表現を可能としているが、特許文献1に記載されたシステムでは、各層(各スクリーン)のプロジェクタに対して映像プログラムと投影装置が必要となる。一方、第1の実施形態の表示システム1では、一つの映像プログラムの中にRGBの色情報という形で各層に投影する情報を合算して記録する。そのため、第1の実施形態の表示システム1では、映像の投影装置10(映像プログラム)は一つというシンプルな構成のまま、立体を表現することを可能となる。特筆すべきは、一度合算したこの情報(入力映像)を、特定の波長の光に反応する蛍光材料の物性を用いて分離(各層のスクリーン映像として分離)することが可能であるという発見に基づき、スクリーン装置20に用いた点である。
また、第1の実施形態のスクリーン装置20を構成する各スクリーンは、市販のアクリル板や用紙だけで実現されている。したがって、スクリーン装置20自体は非常に低コストで製造することができる。
さらに、第1の実施形態のスクリーン装置20では、AR(Augmented Reality)等の
ような仮想的な表示や錯覚を利用した表示ではなく、現実に立体的な表示がされているため、どの角度からでも観者に対して違和感の少ない立体映像を見せることが可能となる。
さらにまた、第1の実施形態の表示システム1では、1チャンネルの入力映像内の各オブジェクトの位置(入力映像内の位置)や色(表示する先のスクリーンに対応する色)を変化させるだけで、スクリーン装置20内におけるオブジェクトの位置を立体的(三次元的)に制御することができる。言い換えると、第1の実施形態の表示システム1では、1つの入力映像内の各オブジェクトの位置や色を変化させるだけで、スクリーン装置20における立体的な映像を描画(表現)することができる。
第1の実施形態のスクリーン装置20では、層状になっているものや、層状の概念図を用いて説明が容易となる概念(例えば、地図や動物の体の構成(皮・骨・内蔵)等)を説明するのに適した表示(例えば、教育や交通案内などの情報提供用途の表示)が可能となる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明によるスクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(B-1)第2の実施形態の構成
図25は、第2の実施形態に係る表示システム1Aの全体構成について示した斜視図である。
図26は、第2の実施形態に係る投影装置10とスクリーン装置20Aを横方向から見た場合の図である。
以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を中心に説明する。
第2の実施形態では、スクリーン装置20がスクリーン装置20Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
第2の実施形態のスクリーン装置20Aは、1つの透過型スクリーン24で構成されたスクリーンユニット201Aと、透過型スクリーン24を有している。
第2の実施形態においてスクリーンユニット201A(透過型スクリーン24)は、透過型スクリーン24の前方側の面に設置(載置)されている。
第1の実施形態において、非透過型スクリーン21、22は、板面が投影装置10の光軸LCと直交するアクリル板のみで構成されていたが、透過型スクリーン24には、光軸LCと直交しない斜面が形成されている。
透過型スクリーン24に形成される斜面の角度(斜度)、高さ、分布の仕方等は限定されないものである。
透過型スクリーン24に適用するアクリル板は、蛍光グリーンアクリル板、又は、蛍光オレンジアクリル板のいずれを適用するようにしてもよい。この実施形態の例では、透過型スクリーン24に、2mm厚の蛍光オレンジアクリル板(カナセライト9989)が適用されるものとして以下の説明を行う。
図25、図26に示すように、透過型スクリーン24は、帯形状のアクリル板を複数個所で折り曲げ、一部に斜面が形成された形状(折り目は短手方向)となっている。
図25、図26に示すように、透過型スクリーン24は、帯形状のアクリル板が、4か所で折り曲げられているため、5つの面24a~24eが連結された形状となっている。透過型スクリーン24では、中央の面24cが前側に突出するように形成されているため、中央の面24cの両端側の面24b、24dがそれぞれ中央から端部に向かって後側に下がった斜面となっている。透過型スクリーン24の両端部の面24a、24eは、非透過型スクリーン23に載置されている。
(B-2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態における表示システム1の動作(実施形態に係る表示方法)を説明する。
第2の実施形態において、透過型スクリーン24が蛍光オレンジアクリル板で構成されている場合、投影装置10に、緑色レーザ光源12と青色レーザ光源13だけにより描画される映像(RGBのうちBの成分を含まない映像)の映像信号を供給することで、透過型スクリーン24の前側と、非透過型スクリーン23にスクリーン映像を出現させることができる。この実施形態では、緑色レーザ光に基づき透過型スクリーン24の前側に出現するスクリーン映像を「第4のスクリーン映像」と呼び、赤色レーザ光に基づき非透過型スクリーン23の前面に出現するスクリーン映像を「第5のスクリーン映像」と呼ぶものとする。
第4のスクリーン映像は、透過型スクリーン24で緑色レーザ光が反射した光(以下、「第4の反射光」と呼ぶ)と、透過型スクリーン24で緑色レーザ光を吸収して蛍光材料が励起し蛍光(オレンジ色)に発光した光(以下、「第3の蛍光」と呼ぶ)の成分を含む光で構成されることになる。第5のスクリーン映像は、非透過型スクリーン23で、赤色レーザ光を反射した光(以下、「第5の反射光」の成分を含む光で構成されることになる。
上記の通り、投影装置10はフォーカスフリーの構造であるため、透過型スクリーン24の前後方向の位置によらず鮮明な第4のスクリーン映像が出現する。したがって、この実施形態では、透過型スクリーン24の斜面上についても鮮明な第4のスクリーン映像を出現させることができる。
次に、投影装置10としてUltimems社製のHD301D1を適用し、さらに、非透過型スクリーン23として、カナセライト9989を適用した場合におけるスクリーン装置20Aの光学的特性の実験(以下、この実験を「第5の本実験」と呼ぶ)を行った
のでその結果について説明する。以下では、表示システム1Aを用いた表示方法(表示プログラムの動作)についても併せて説明する。
図27は、第5の本実験の内容及び結果について示した図である。
図27(a)は、第5の本実験において、制御コンピュータ30から投影装置10に供給した実験用の画像(以下、「第2の実験用画像」と呼ぶ)について図示している。
第2の実験用画像では、黄色(カラーコード#FFFF00)の線を実線で図示している。つまり、図27(a)に示す第2の実験用画像には、黄色で三角形のオブジェクトと長方形のオブジェクトが描かれている。
図27(b-1)は、第2の実験用画像に基づく映像信号が投影装置10に供給された場合に、緑色レーザ光源12でのみ描かれる画像を示している。また、図27(b-2)は、第2の実験用画像に基づく映像信号が投影装置10に供給された場合に、赤色レーザ光源11でのみ描かれる画像を示している。なお、第2の実験用画像には、RGBのうちBの成分が含まれていないため、青色レーザ光源13の発光は発生しない。
図27(c-1)、図27(c-2)は、それぞれ第5の本実験において、透過型スクリーン24の前面に出現した第4のスクリーン映像、非透過型スクリーン23の前面に出現した第5のスクリーン映像を図示している。図27(c-1)では、透過型スクリーン24を投影装置10(前側)から見た図(平面図)を示している。
第5の本実験において、各スクリーン(非透過型スクリーン23及び透過型スクリーン24)を目視したところ、それぞれに鮮明なスクリーン映像(第4、第5のスクリーン映像)が出現したことが確認できた。
また、第5の本実験では、透過型スクリーン24の前側からスクリーン装置20Aを目視したところ、第4、第5のスクリーン映像についていずれも鮮明に見ることができた。つまり、第5の本実験では、透過型スクリーン24が、第5のスクリーン映像の光を前方側に透過することが確認できた。
図28は、透過型スクリーン24と非透過型スクリーン23に、図27(c-1)、図27(c-2)に示すようなスクリーン映像が出現した状態におけるスクリーン装置20A(スクリーンユニット201A)の斜視図である。
図28に示すように、透過型スクリーン24では、平面24aと斜面24bにまたがって長方形のオブジェクトが表示されている。長方形のオブジェクトは、平面24aと斜面24bにまたがって表示されるので、平面24aと斜面24bの境界で前方方向に折れ曲がった立体的形状として表示される。
一方で、透過型スクリーン24(平面24a、斜面24b)の真下の非透過型スクリーン23でも、同様に長方形のオブジェクトが表示されるため、透過型スクリーン24上に表示される長方形のオブジェクトとあいまって、長方形の板が途中(平面24aと斜面24bの境界)から前後(上下)に開くような立体的形状として表れることになる。例えば、制御コンピュータ30から投影装置10に対して、長方形のオブジェクトについて、右側から左側(図28の方から見て右側から左側)に移動するような動画像(アニメーション)の映像信号を供給することで、長方形のオブジェクトが透過型スクリーン24の領域を通過する際に、図28に示すような立体的形状が変形しながら表示されることになる。
また、図28に示すように、透過型スクリーン24では、前側に突出した面24cに三角形のオブジェクトが表れており、その真下の非透過型スクリーン23にも同様の三角形のオブジェクトが表れている。
(B-3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態のスクリーン装置20A(スクリーンユニット201A)では、非透過型スクリーン23自体を立体的形状に形成した状態であっても、1つの入力映像内の各オブジェクトの位置や色を変化させるだけで、スクリーン装置20Aにおける立体的な映像を描画(表現)することができる。特に、第2の実施形態では、非透過型スクリーン23自体を立体的形状に形成しているので、1つの入力映像内の各オブジェクトの位置を変化させるだけでも、スクリーン装置20A上で各オブジェクトについて立体的な映像を描画(表現)することができる。
第2の実施形態のスクリーン装置20A(スクリーンユニット201A)では、非透過型スクリーン23について、自由な立体的形状に形成しても鮮明なスクリーン映像を出現させることができる。これにより、第2の実施形態のスクリーン装置20A(スクリーンユニット201A)では、例えば、建物の形を模したスクリーンに投射するなど、この形態ならではの情報提供(例えば、教育や交通案内の用途における情報提供)が可能となる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C-1)第1の実施形態のスクリーン装置20(スクリーンユニット201)において、第1の透過型スクリーン21又は第2の透過型スクリーン22の一方を除外した構成(2層のスクリーンの構成)としてもよい。
(C-2)第2の実施形態においては、透過型スクリーン24の形状を立体的形状とする例について示したが、非透過型スクリーン23についても同様に立体的形状に形成し、その上に透過型スクリーン24を載置するようにしてもよい。
また、第2の実施形態においては、1層の透過型スクリーンのみを配置する例について説明したが、第1の実施形態と同様に2層の透過型スクリーン(蛍光グリーンアクリル板と蛍光オレンジアクリル板)の両方を配置して、一方又は両方の透過型スクリーンについて立体的形状に形成するようにしてもよい。
(C-3)第1の実施形態では、入力映像の各オブジェクトについて青色、緑色、赤色、白色と色を変化させることで当該オブジェクトを出現させるスクリーンを制御していたが、入力映像に領域ごとに徐々に色の成分(画素値)が変化するグラデーションの映像で構成されたオブジェクト(以下、「グラデーションオブジェクト」と呼ぶ)を表示させる
ようにしてもよい。
図29は、入力映像上に、グラデーションオブジェクトOB101を配置した状態について示している。
図29では、図示の都合上、点描の疎密で明度のみを図示しているが、実際には、左上から順に時計回りに青、シアン、緑、黄、赤、マゼンダと徐々に色(画素値;RGBの各成分の値)が変化するカラーチャートの円環となっている。
図30は、入力映像を図29のような内容とした場合におけるスクリーン装置20の表示状態(スクリーン装置20の斜視図)について示した図である。
図30に示すように、第1の透過型スクリーン21には、第1のスクリーン映像として、グラデーションオブジェクトOB101に含まれる青色の成分(RGBのうちのBの画素値)のみで表現されたグラデーション画像が出現することになる。また、同様に、第2の透過型スクリーン22には、第2のスクリーン映像として、グラデーションオブジェクトOB101に含まれる緑色の成分(RGBのうちのGの画素値)のみで表現されたグラデーション画像が出現することになる。さらに、同様に、非透過型スクリーン23には、第3のスクリーン映像として、グラデーションオブジェクトOB101に含まれる赤色の成分(RGBのうちのRの画素値)のみで表現されたグラデーション画像が出現することになる。
(C-4)第1の実施形態では、投影装置10の光軸LCを鉛直方向とし、スクリーン装置20を構成する各スクリーンの面が水平方向となるように設置しているが、光軸LCの向きや各スクリーンの面の向きは限定されないものである。例えば、図31に示すように、スクリーン装置20の各スクリーンの面を垂直(鉛直方向と並行)となるように立設し、投影装置10の光軸をスクリーン装置20の各スクリーンの面と直交するように水平としてもよい。
これにより、この実施形態の表示システム1では、スクリーン装置20を壁掛けディスプレイとして利用する等の表現の幅が広がることなる。
(C-5)上記の通り、第4の本実験において、2枚の蛍光グリーンフィルム(0.2mm厚)を2枚重ねた(1cmの間隔をあけて重ねた)ところ、両方の蛍光グリーンフィルムに、青色レーザ光に基づくスクリーン映像が出現する現象を観察できた。
そこで、この現象を利用し、例えば、第1の実施形態のスクリーン装置20において第1の透過型スクリーン21を2枚の蛍光グリーンフィルムに置き換えるようにしてもよい。このように、スクリーン装置20において、あえて薄いスクリーン(透過型スクリーン)を用いることで、複数の層のスクリーンに同じ色の同じスクリーン映像を出現させる構成としてもよい。
(C-6)図32は、第1の実施形態の変形実施例に係る表示システム1Bを構成する投影装置10とスクリーン装置20Bを横方向から見た図である。
表示システム1Bでは、観者・スクリーン装置20B・投影装置10の間の位置関係が第1の実施形態の表示システム1と異なっている。第1の実施形態の表示システム1では、観者とプロジェクタはスクリーンに対して同じ側に位置したのに対して、1Bではスクリーンを挟む形になる。また、表示スクリーンはプロジェクタから近い順に第1の透過型スクリーン、第2の透過型スクリーンの二層構成となる。非透過型スクリーン23は使用しない。これによって、観者はプロジェクタに視界を遮られることなく立体映像を鑑賞できる。
また、表示システム1Bでは、投影装置10から最も後方の層の第2の透過型スクリーン22が透過型であるため、第2の透過型スクリーン22よりも後ろ側に観者の視点がある場合でも当該観者にスクリーン映像を見せることが可能となる。そのため、図32では、第1の実施形態と同様に第1の透過型スクリーン21よりも前側の視点P1からの視線X(矢印X)と、第2の透過型スクリーン22よりも後側の視点P2からの視線Y(矢印Y)を図示している。
発明者は、後側の視点P2(視線Y)からスクリーン装置20Bを目視したところ、第1の透過型スクリーン21に第1のスクリーン映像が視認でき、第2の透過型スクリーン22に第2のスクリーン映像が視認できることを発見した。なおこのとき、後側の視点P2(視線Y)から見えるスクリーン映像は、前側から見えるスクリーン映像と色が異なり照度(明るさ)も低かった。このとき、第1の透過型スクリーン21には上記の蛍光グリーンアクリル板(2mm厚のカナセライト1305)を適用し、第2の透過型スクリーン22に上記の蛍光オレンジアクリル板(2mm厚のカナセライト9989)を適用している。これは、第1の透過型スクリーン21の蛍光材料が励起して発光する光(蛍光)の成分や、第1の透過型スクリーン21が反射する光の一部の成分(すなわち第1のスクリーン映像を構成する光の成分)に、第2の透過型スクリーン22を透過することが可能な帯域の光が含まれているということになる。つまり、この現象は、蛍光材料で着色された透過型スクリーンを複数重ねた場合、視点が前側でも後側でもスクリーン映像を観者に見せることが可能であることを示唆している。このとき、上記の発明者による目視確認結果からも分かるように、前側からの視点と後側からの視点で、見えるスクリーン映像の色や照度は異なる場合がある。
この実施形態では、第1の実施形態のスクリーン装置20と異なり、非透過型スクリーンを用いないため、表示できるスクリーン映像は二層(第1のスクリーン映像と第2のスクリーン映像)のみとなる。図32に示すように、2層でも立体的な映像表現は可能である。
また、図32に示す表示システム1Bでは、観者が赤色レーザ光を直視するのを避けるために、入力映像においては、RGBのうちRを使用しない映像(GとBの成分のみで構成された映像)とすることが望ましい。
表示システム1Bでは、第3の透過型スクリーン25よりも後側に観者の視点を確保するため、投影装置10をスクリーン装置20Bの下側に設置し、光軸LCを上方向に向けている。したがって、図32に示すスクリーン装置20Bでは、下側から順に、第1の透過型スクリーン21、第2の透過型スクリーン22が配置されている。第1の透過型スクリーン21と第2の透過型スクリーン22との間は第1の実施形態と同様にスペーサ40が配置されている。そして、スクリーン装置20Bでは、第1の透過型スクリーン21の下面が支柱50により支持されている。
図32に示すように、表示システム1Bでは、スクリーン装置20Bの下に投影装置10を配置することが可能になるため、観者からは空中に浮いているような立体映像の表現が可能となる。
ここで、図32の表示システム1Bのスクリーン装置20Bにおいて、特定の性質を持つスクリーンを後ろ側に追加すれば、図33に示すように第1の実施形態のように3層での立体映像表現(3つの層のスクリーン映像を用いた表現)が可能となる。
図33に示す表示システム1Cのスクリーン装置20Cでは、第2の透過型スクリーン22の後ろ側に第3の透過型スクリーン25が追加配置されている点で、図32のスクリーン装置20Bと異なっている。言い換えると、図33に示す表示システム1Cのスクリーン装置20Cでは、非透過型スクリーン23が第3の透過型スクリーン25に置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
この第3の透過型スクリーン25としては、例えば、高速で回転するプロペラや、ハーフミラーや、赤外光以下の波長に反応する蛍光材料で着色されたアクリル等を適用することができる。なお、高速で回転するプロペラや、ハーフミラーは、一部の光を受け止めて反射する機能と、一部の光を透過する機能を備えているので、本明細書においてはこれらも「透過型スクリーン」の概念に含むものとする。なお、赤外光以下の波長に反応する蛍光材料で着色されたアクリルで着色されたアクリル板は一般に流通していないが、そのような光学的特性を備える蛍光材料(蛍光体)は存在するため、それらの蛍光材料をアクリルに含有させたアクリル板を用いることで第3の透過型スクリーン25を実現できる。
また、表示システム1Cでは、投影装置10から最も後方の層の第3の透過型スクリーン25が透過型であるため、第3の透過型スクリーン25よりも後ろ側に観者の視点がある場合でも当該観者にスクリーン映像を見せることが可能となる。そのため、図32では、第1の実施形態と同様に第1の透過型スクリーン21よりも前側の視点P1からの視線X(矢印X)と、第3の透過型スクリーン25よりも後側の視点P2からの視線Y(矢印Y)を図示している。
(C-7)上記の各実施形態では、最大でも5mm程度の厚さのアクリル板を用いてスクリーンを構成しているが、さらに厚い形状のアクリル(板ではなくブロック形状とする場合も含む)を適用することにより、投影装置10にハイパワー(高輝度)のプロジェクタを用いても裏写りを抑制することができる。すなわち、上記の実施形態において、さらに厚い形状のプロジェクタとハイパワーのプロジェクタを適用することにより、より大型のスクリーン装置20に高輝度のスクリーン映像を出現させることができるため、用途の幅が広がる(例えば、屋外に設置されるデジタルサイネージ等の用途にも適用できる)。
1…表示システム、10…投影装置、11…赤色レーザ光源、12…緑色レーザ光源、13…青色レーザ光源、20…スクリーン装置、201…スクリーンユニット、21…第1の透過型スクリーン、22…第2の透過型スクリーン、23…非透過型スクリーン、30…制御コンピュータ、…スペーサ40、LC…光軸。

Claims (8)

  1. 透明色の材料で形成された1又は複数の透過型スクリーンと、非透明色の材料で形成された非透過型スクリーンとを備えるスクリーン装置において、
    前記透過型スクリーンは、投影装置から投射される映像光の一部の対象成分に反応して前記映像光が投射された部分にスクリーン映像を出現させると共に、前記対象成分より波長の長い光を透過する光学的特性を備え、
    前記投影装置から見て、前記非透過型スクリーンは前記透過型スクリーンよりも後方に配置されている
    ことを特徴とするスクリーン装置。
  2. 第1の透過型スクリーンと第2の透過型スクリーンとを備え、
    前記第1の透過型スクリーンは、前記映像光のうち青色の成分に反応してスクリーン映像を出現させると共に、前記映像光のうち青色よりも波長の長い光を透過する光学的特性を備え、
    前記第2の透過型スクリーンは、前記第1の透過型スクリーンを介して投射される前記映像光のうち緑色の成分に反応してスクリーン映像を出現させると共に、前記第1の透過型スクリーンを介して投射される前記映像光のうち緑色よりも波長の長い光を透過させる光学的特性を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
  3. 1つの透過型スクリーンを備え、
    前記透過型スクリーンは、前記映像光のうち青色の成分に反応してスクリーン映像を出現させると共に、前記映像光のうち青色よりも波長の長い光を透過する第1の光学的特性、又は前記映像光のうち青色よりも波長の長い光を透過する第の2の光学的特性のいずれかを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
  4. 前記透過型スクリーンと前記非透過型スクリーンのうち、一部又は全部について立体的な形状に成型されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のスクリーン装置。
  5. 透明色の材料で形成された1又は複数の透過型スクリーンを備えるスクリーンユニットであって、
    前記透過型スクリーンは、投影装置から投射される映像光の一部の対象成分に反応して前記映像光が投射された部分にスクリーン映像を出現させると共に、前記対象成分より波長の長い光を透過する光学的特性を備える
    ことを特徴とするスクリーンユニット。
  6. スクリーン装置と、映像信号が供給されると前記映像信号に基づく映像光を前記スクリーン装置に投射する投影装置と、入力画像に基づく映像信号を前記投影装置に供給する映像信号供給源とを備える表示システムにおいて、前記スクリーン装置として請求項1~4のいずれかに記載のスクリーン装置を適用したことを特徴とする表示システム。
  7. 請求項6に記載の表示システムを制御してスクリーン映像を表示させる表示方法において、
    前記映像信号供給源が、入力画像生成手段を有し、
    前記入力画像生成手段は、前記入力画像を生成するものであって、前記入力画像上に表示させるオブジェクトの色を制御することにより、前記スクリーン装置上で前記オブジェクトを表示させるスクリーンを制御する処理を行うことが可能である
    ことを特徴とする表示方法。
  8. 請求項6に記載の表示システムを構成する前記映像信号供給源に搭載されたコンピュータが、
    前記入力画像を生成するものであって、前記入力画像上に表示させるオブジェクトの色を制御することにより、前記スクリーン装置上で前記オブジェクトを表示させるスクリーンを制御する処理を行うことが可能な入力画像生成手段
    として機能することを特徴とする表示プログラム。
JP2020206990A 2020-12-14 2020-12-14 スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム Pending JP2022094362A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206990A JP2022094362A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム
PCT/JP2021/037854 WO2022130757A1 (ja) 2020-12-14 2021-10-13 スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206990A JP2022094362A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022094362A true JP2022094362A (ja) 2022-06-27
JP2022094362A5 JP2022094362A5 (ja) 2023-10-18

Family

ID=82059420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020206990A Pending JP2022094362A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2022094362A (ja)
WO (1) WO2022130757A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH059745Y2 (ja) * 1989-09-18 1993-03-10
JPH1141548A (ja) * 1997-07-17 1999-02-12 Fuji Photo Film Co Ltd 投射型画像表示装置および蛍光スクリーン
JP4474853B2 (ja) * 2003-06-30 2010-06-09 旭硝子株式会社 画像表示装置
CN104423137B (zh) * 2013-09-04 2018-08-10 联想(北京)有限公司 三维显示装置、显示方法和电子设备
JP6947030B2 (ja) * 2015-07-17 2021-10-13 日本電気株式会社 表示装置および表示システム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022130757A1 (ja) 2022-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10823965B2 (en) Peripheral treatment for head-mounted displays
JP5658437B2 (ja) 2dと3dの映像転換が可能な映像表示装置およびその方法
US20110285968A1 (en) Display apparatus for displaying multiple view angle images
US9606369B2 (en) Display apparatus
CN101213487A (zh) 投影图像显示装置
TW201734572A (zh) 立體顯示裝置
WO2018180094A1 (ja) 画像表示装置、及び画像表示素子
JP2008076524A (ja) 映像表示装置
JP5185586B2 (ja) 電子黒板
JP5069360B2 (ja) 3次元表示装置
WO2022030538A1 (ja) 空間浮遊映像情報表示システムおよびそれに用いられる光源装置
WO2009119719A1 (ja) 投写型映像表示装置
JP4239107B2 (ja) 光源装置及びプロジェクタ
US20070242351A1 (en) Screen, rear projector, and image display apparatus
Koizumi et al. Optical system to display mid-air images on a glossy plane and remove ground images
JP2007304248A (ja) 3次元表示装置
JP2007192989A (ja) スクリーンおよびリアプロジェクタ
JP2003057595A (ja) 三次元表示装置
WO2022130757A1 (ja) スクリーン装置、スクリーンユニット、表示システム、表示方法、及び表示プログラム
KR20150018212A (ko) 디스플레이 장치, 3d 필름 및 그 제어 방법
CN110178071B (zh) 被配置为显示依赖于观看位置的图像的显示屏
TW202004287A (zh) 顯示裝置
JP2018025620A (ja) 透過型スクリーン、映像表示装置
US9762892B2 (en) Auto-multiscopic 3D display and camera system
JP2006337712A (ja) スクリーン及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20210112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230726

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231024

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240416