JP6283352B2 - ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントおよびその製造方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性等に優れた特性を持ち、優れた成型加工性や機械的強度を有していることから、金属代替材料や極限環境下に耐えうる材料として広く使用されている。繊維やモノフィラメントにおいても、その素材の特徴を生かし、気体フィルター、液体フィルター、電気絶縁部材などに用途が拡大されつつあり、これらの繊維を高い生産性で製造する方法についても種々の技術が提案されているが、現在の技術では汎用重合体であるポリエステル繊維やポリアミド繊維等と比べると生産性や品位の面で劣るのが現状である。
特許文献1には、溶融紡糸時に、水系エマルション油剤を付与した後、非水系油剤を付与するポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法が記載され、水系エマルションの成分として平滑剤、活性剤、乳化剤などを主成分としたものが開示されている。
特開2009−185438号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水系エマルションを用いてポリフェニレンスルフィドモノフィラメントを製造すると物性が安定しにくいという問題がある。
したがって、本発明では上記のような問題を解決し、物性が安定したポリフェニレンスルフィドモノフィラメントおよびその製造方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は、従来用いられてきた、平滑剤、活性剤、乳化剤等が複数混合された油剤を付与するのではなく、実質的に特定の成分のみの油分が含まれた油剤を付与することにより、ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの物性が安定することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、第1に、繊維表面に付着している油分が実質的にポリエーテル成分のみであり、前記繊維表面に付着している油分量が0.4質量%〜1.5質量%であることを特徴とするポリフェニレンスルフィドモノフィラメントである。
本発明は、第に、ポリエーテル成分が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールまたは、それらの2種以上を共重合した共重合ポリエーテルである、上記1記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントである。
本発明は、第に、ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの繊度が、5dtex以上50dtex以下である上記1または2記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントである。
本発明は、第に、ポリフェニレンスルフィドを溶融紡糸し、付着油分として、実質的にポリエーテル成分のみが0.4質量%〜1.5質量%付着するように、油分として実質的にポリエーテル成分のみを含む水系エマルションを糸条に付与した後、延伸するポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの製造方法である。
本発明は、第に、水系エマルションの濃度が1〜10質量%であることを特徴とする上記記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの製造方法である。
本発明によれば、物性が安定したポリフェニレンスルフィドモノフィラメントを提供することができる。このようなポリフェニレンスルフィドモノフィラメントはフィルターやフィルター補強剤などの繊維製品として使用され、特に有機溶剤や強酸、強塩基などの化学薬品、あるいは高温などに曝される化学、電子・電気、自動車、食品、精密機器、医薬・医療などの製造現場で使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリフェニレンスルフィドとは主たる繰り返し単位としてフェニレンスルフィド単位を有する高分子(ポリマー)を意味する。フェニレンスルフィド単位としては、p−フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド単位などが挙げられる。ポリフェニレンスルフィドは、p−フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド単位等からなるホモポリマーであってもよいし、これらを有する共重合体であってもよいが、耐熱性、加工性、経済的観点から言ってもp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位が最も好ましい。
ポリフェニレンスルフィドのポリマータイプには、架橋タイプ、半架橋タイプ、線状(リニアー型)があるが、紡糸、延伸性においてリニアー型が最も優れているためリニアー型を用いるのが好ましい。
また本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカなどの無機物や、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の各種添加剤をポリフェニレンスルフィドに少量含有しても良い。
モノフィラメントの繊度は5dtex以上50dtex以下が好ましく、より好ましくは10dtex以上40dtex以下である。本発明の効果はこれらの範囲において特に有用である。
モノフィラメントの繊度が5dtex未満の場合、紡糸、延撚の作業性が悪くなり生産が困難になるおそれがある。
本発明のモノフィラメントの表面に付着している油分は実質的にポリエーテル成分のみである。通常の合成繊維の紡糸時に付与される油剤には乳化剤、平滑剤、活性剤等が複数混合され、ポリエーテル成分以外のものも実質的に油分として含むものが一般的に用いられるが、このような油剤では本発明の効果が得られない。
本発明において、油分が実質的にポリエーテル成分のみとは、油分がポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールのような単成分ポリエーテルまたは、これらのポリエーテルのうち2種以上を共重合した共重合ポリエーテルのみからなることをいう。これらの油分のうち、共重合ポリエーテルが好ましく、例えばアルキルPO/EOなどが挙げられる。なお平滑成分であるポリエーテル成分は繊維表面に油膜を形成するが、共重合ポリエーテルを用いることで油膜はより強固になり、巻取り中に生じる巻き締りによるパッケージ内層の繊維へのダメージを軽減することで物性バラつきが抑えられる他に、強固な油膜のため各種ガイドでの擦過で油膜が剥がれにくくなり、繊維の摩擦係数が小さくなり高次工程通過性が良好になると考えられる。
ポリエーテル系の油分を含む油剤としては、エーテル成分にエステル成分を含むポリエーテルエステルを用いることもあるが、本発明の効果を得るためには、エステル等の成分が含まれておらず実質的にポリエーテル成分のみで構成される油分であることが好ましい。
上記ポリエーテル成分の平均分子量は2000〜13000が好ましく、より好ましくは3000〜10000である。平均分子量2000以上で繊維表面に強固な油膜を形成することが出来、平均分子量が13000以下であれば、油剤の粘度は、油分であるポリエーテル成分の平均分子量が増加することにより高くなり、繊維表面の摩擦係数は高くなるが、高次工程通過性には影響を及ぼさない傾向があるためである。
本発明でいう、平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定される数平均分子量である。
本発明において、実質的にポリエーテル成分を繊維表面に付着させる方法としては、付着させる際に、ポリエーテル成分からなる油分を全量に対して1質量%〜10質量%水に分散させた水系エマルションとして用いることが好ましく、1質量%〜8質量%の水系エマルションが更に好ましい。このエマルション濃度が10質量%を超える高濃度の水系エマルションを用いると所定の油分を付着させたときに物性が安定しなくなることがあるためにこのような低濃度の水系エマルションが好ましい。
本発明のモノフィラメントの表面に付着している油分量は、0.4質量%〜1.5質量%が好ましい。すなわち、油分による強固な油膜を繊維表面上に十分に形成させるには0.4質量%以上が好ましい。また付着している油分量が多いと、モノフィラメント表面に付着しきれない油分が紡糸時の各ローラーに付着し、安定製造の妨げとなる傾向がある点からは、上記油分量は1.5質量%以下が好ましい。より好ましくは0.6質量%〜1.3質量%である。
なお、ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの物性に水がどのような影響を与えているかは定かではないが、モノフィラメントのように単糸繊度が太い繊維が口金孔から吐出され、空気にて冷却されるとき、繊維長手方向に対して繊維径斑が発生しないような冷却条件では繊維の中心部まで十分に冷却できずにパッケージに巻かれている可能性がある。そのため、巻き取られたパッケージ内で熱がこもり物性バラつきの要因になっていると考える。しかし、油分付与時に低濃度水系エマルションを用いて油分とともに水を多く付着させることにより、空気よりも熱伝導率の高い水が繊維中心部に残っている熱を冷却し、巻き取られたパッケージ内に熱がこもりにくくなっていると考えられる。そのため、繊維の冷却時に空気ではなく霧状、あるいはスチーム状といった方法で水を供給することによって本発明のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントが得られる可能性があるが、水系エマルションを用いる方が経済的である。
本発明のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの好適な製造方法の例について、以下に記載する。
本発明のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントは、繰り返し単位としてp−フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド単位等のフェニレンスルフィド単位を有する市販されているペレット状のポリフェニレンスルフィドを溶融紡糸して製造される。
ポリフェニレンスルフィドのペレットは、溶融紡糸前に100℃〜180℃で4〜24時間程度乾燥してから用いることが好ましい。その理由は、主に購入時にペレット表面に付着している水分を除去し、また適度に結晶化させることによって紡糸機にてスムーズに溶融させるためである。
溶融紡糸において、ポリフェニレンスルフィドの溶融押出は公知の手法を用いることができるが、エクストルーダー型の押出機を用いることが好ましい。溶融押出されたポリフェニレンスルフィドは配管を経由しギヤポンプなどの公知の計量装置に計量され、公知のスピンパックに移送し、スピンパックに組み込まれたモノフィラメント用紡糸口金へと導かれる。
口金孔から吐出した糸条は、気体により冷却することが好ましい。気体は、空気や、窒素や酸素、水蒸気などの混合気体など、任意の気体を用いることができるが、取り扱い性の点より空気が好ましい。冷却気体の温度は、冷却効率と冷却風速のバランスで決定すればよいが、糸条を均一に冷却するために40℃以下が好ましい。また、冷却気体は糸条に対してほぼ垂直方向に流すことが好ましい。
冷却固化された糸条に油剤をローラー方式またはガイド方式にて付与し、一定速度で回転するローラー(ゴデットローラー)により引取られ、ボビンワインダーで巻き取り未延伸糸が得られる。引取り速度は400m/分〜1800m/分が好ましいが、生産性、操業性の点よりさらに好ましい範囲は800m/分〜1600m/分である。
油剤を付与するローラーもしくはガイドの設置は公知の通り、ゴデットローラーに引取られる前が好ましい。
このようにして得られた未延伸糸は、一旦巻き取った後、延撚機で延伸処理を実施する。例えば、延伸処理は加熱した第1ローラーと非加熱の第2ローラー間で行い、この時第1ローラーと第2ローラーの周速度の比に従って延伸される。
これらのローラーにはセパレートローラーを付属させ、ローラーを周回させつつ繊維を加熱および速度固定させてもよい。この場合、加熱温度の安定と周速度固定のために、各ローラーへの繊維の周回数は3回〜10回であることが好ましい。
上記第1ローラーの加熱温度は85℃〜100℃が好ましい。
延伸倍率は最終ローラー速度の第1ローラー速度に対する比であり、目標伸度に合わせて適宜設定すればよいが、高次工程での作業性を考慮すると伸度は30%〜45%であることが好ましい。したがって延伸倍率は2.3倍〜4.0倍が好ましい。
延伸操作は、1段であっても多段であってもよい。
さらに、モノフィラメントの熱寸法安定性を向上させるために加熱体を用いて熱セットすることが好ましい。加熱体はホットローラー、オーブン、熱板など公知の加熱体を用いてよい。熱セットは第1ローラーと第2ローラーの間に加熱体を設置して延伸と同時に熱セットをしても良いが、延伸後に熱セットをする方が好ましい。熱セット温度は120℃以上、200℃以下が好ましい。120℃以上にすることで沸騰水収縮率を8.0%以下の寸法安定性に優れたモノフィラメントを得ることが容易となる。また、200℃を超えると溶断による糸切れが発生しやすい。更に好ましくは130℃以上、180℃以下である。熱セット温度を高くすると溶断による糸切れがしやすいため、熱セット時に0.5%〜5%程度の弛緩処理を行うことで熱セット温度を高くしなくても高い熱寸法安定性を得ることができる。
また、上記では未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸する方法を記載したが、未延伸糸を一旦巻き取ることなく延伸する直接紡糸延伸法を採用してもよい。
このように、ポリフェニレンスルフィドを溶融紡糸し、付着油分が実質的にポリエーテル成分のみからなる油剤を付与し、延伸してワインダーにて巻き取ることにより、ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの繊維パッケージを得ることができる。繊維パッケージとしては、ボビン形状、コップ形状等、種々の形状のものが挙げられる。
そして、このようにして得られた本発明の繊維パッケージは、物性のバラつきが少ないポリフェニレンスルフィドモノフィラメントとなる。
本発明では一旦巻き取った未延伸糸から複数回延伸を実施した際に得られる延伸糸の繊維パッケージはそれぞれの物性バラつきが均一であることが好ましい。
またこのようにして得られた本発明におけるポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの強伸度は高次工程での取り扱い性を考慮すると、強度は3.0cN/dtex以上、伸度は30%以上が好ましい。
以下、本発明の実施例を比較例と共にあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。各評価項目は、以下の方法に従った。
(1)繊度
JIS L1013(2010)8.3.1 A法に記載の方法に準じて、測定した。
(2)強度、伸度
JIS L1013(2010)8.5.1に記載の方法に準じて、試料長200mm、引張速度200mm/分の条件で、島津製作所(株)製、AGS 1KNGオートグラフ引張試験機を用い延伸糸の1パッケージあたり10回の測定を行い、引張強さ、伸び率を求め、それぞれ、強度(cN/dtex)、伸度(%)とした。
(3)付着油分量
約2.0gの試料(W)を精評し、抽出器に入れた後、メタノール10mlにて試料を洗浄する。シャーレの質量(W1)を秤量し、抽出器にて洗浄したメタノールをシャーレに入れてメタノールを揮発させる。メタノール揮発後のシャーレの質量(W2)を秤量し、以下の式を用いて付着油分量とした。
付着油分量=(W2−W1)/W×100
(4)物性バラつき評価
物性バラつきは測定した伸度の平均値を下記基準に従って判定した。
◎:10回の測定値が、全て平均値に対して±3%以内に入るもの。
○:10回の測定値が、全て平均値に対して±5%以内に入るもの(但し、◎を除く)。
△:10回の測定値が、全て平均値に対して±10%以内に入るもの(但し、◎、○を除く)。
×:10回の測定値が、平均値に対して±10%を超えるものがあるもの。
(5)沸騰水収縮率 JIS L1013(2010)8.18.1 B法に記載の方法に準じて、処理温度100℃の沸騰水で、処理時間15分で測定した。
実施例1
ポリフェニレンスルフィドのペレットを準備し、紡糸温度328℃で溶融紡糸した。溶融したポリフェニレンスルフィドを、孔を2個有する紡糸用口金を用い、延伸後の繊度が33dtexとなる吐出量で吐出した。
吐出したポリフェニレンスルフィドは、ユニフロー型冷却装置にて冷却し、油剤A(エマルション濃度は5質量%)を、付着している油分量0.5質量%となるように付与し、引取り速度1000m/分にて引取り、ボビンワインダーを用いて未延伸糸を巻き取った。
一旦巻き取った未延伸糸をゴムローラーが付属するフィードローラーにて引取り、第1ローラーとの間で未延伸糸に緊張を与えた後、92℃に加熱した第1ローラーと加熱していない第2ローラーにそれぞれ5周回させて加熱延伸を施した。さらに第3ローラーを用いて、第2ローラーと第3ローラー間に140℃に加熱した熱板を設置し、第2ローラーと第3ローラー間で4%の弛緩処理と熱セットを施した。トータル延伸倍率は3.27倍であり、第3ローラーでの繊維は800m/分でパーンワインダーにより巻き取った。
得られた繊維の物性、物性バラつき評価を表1に示す。
実施例2〜3
表1に示したように付着している油分量を変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸物性、物性バラつき評価をあわせて表1に示す。
実施例4〜5
表1に示したように、エマルション濃度と付着している油分量を変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸物性、物性バラつき評価をあわせて表1に示す。
実施例6
表1に示したように、吐出量を変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸物性、物性バラつき評価をあわせて表1に示す。
比較例1
油剤B(エマルション濃度20質量%)を用い、付着している油分量が0.5質量%となるように変更する以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。
製糸性は良好であるが物性バラつきが大きく、経糸に使用した際の糸切れが多く、安定して製織できなかった。
比較例2
比較例1のエマルション濃度を5質量%に変更した以外は、比較例1と同様にして紡糸、延伸を行った。
製糸性は良好であるが物性バラつきが大きく、経糸に使用した際の糸切れが多く、安定して製織できなかった。
比較例3
比較例2の吐出量を変更した以外は、比較例2と同様にして紡糸、延伸を行った。
製糸性は良好であるが物性バラつきが大きく、経糸に使用した際の糸切れが多く、安定して製織できなかった。
なお、実施例及び比較例に用いた油剤A及び油剤Bは、油剤に含まれる油分が下記に示す化合物または混合物をあらわすものである。油剤AはアルキルPO/EOポリエーテル(平均分子量6000)、油剤Bはラウリルオレエート66質量部、POEオレイルエーテル10質量部、アルキルホスフェートアミン塩5質量部、オレイン酸アミン塩12質量部、アルキルスルホネートNa塩5質量部、アルキレングリコールエーテル2.0質量部の混合物である。
Figure 0006283352
以上のように実施例により得られたモノフィラメントは物性バラつきが小さく、物性が安定したものであり、安定して製織できた。また、比較例により得られたモノフィラメントは物性バラつきが大きく安定して製織できなかった。

Claims (5)

  1. 繊維表面に付着している油分が実質的にポリエーテル成分のみであり、前記繊維表面に付着している油分量が0.4質量%〜1.5質量%であることを特徴とするポリフェニレンスルフィドモノフィラメント。
  2. 前記ポリエーテル成分が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールまたは、それらの2種以上を共重合した共重合ポリエーテルである、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメント。
  3. 前記ポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの繊度が、5dtex以上50dtex以下である、請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメント。
  4. ポリフェニレンスルフィドを溶融紡糸し、付着油分として、実質的にポリエーテル成分のみが0.4質量%〜1.5質量%付着するように、油分として実質的にポリエーテル成分のみを含む水系エマルションを糸条に付与した後、延伸するポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの製造方法。
  5. 水系エマルションの濃度が1〜10質量%である、請求項4記載のポリフェニレンスルフィドモノフィラメントの製造方法。
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