JP2018127739A - 食品フィルター用ポリフェニレンサルファイド繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
またポリフェニレンサルファイド樹脂の重合方法としては、二塩化芳香族化合物と硫化物を極性有機溶媒中で重合反応させる下記化学反応式のマッコラム法があり、その基本工程が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
1.繊維中に含まれるNMP含有量が100ppm以下、引張強度が3.0cN/dtex以上であることを特徴とする、ポリフェニレンサルファイド繊維。
2.単糸繊度が0.0001〜5.0dtexであることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
3.食品フィルター用であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
4.溶融重合法で製造したポリフェニレンサルファイド樹脂を用い溶融紡糸法によりポリフェニレンサルファイド繊維を製造することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
5.溶融したポリフェニレンサルファイド樹脂を紡糸口金から紡出し未延伸糸を採取する際に、紡糸口金の吐出孔の周辺を300℃以上に加熱することを特徴とする、請求項4に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
6.溶融したポリフェニレンサルファイド樹脂を紡糸口金から紡出し未延伸糸を採取し、次いで得られた未延伸糸を3.5〜6.0倍で延伸することを特徴とする、請求項4〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は耐薬品性、耐熱性の高い樹脂であり、メタフェニレン基、またはパラフェニレン基を硫黄原子で結合させた線状の熱可塑性樹脂である。上記の化学反応式で示したように、パラジクロロベンゼンと硫化ナトリウム等の硫化物をジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有機溶媒中で反応させる溶液重合法や、ジヨードベンゼンと固体硫黄を無溶媒で直接加熱する溶融重合法により製造することができる。本発明のポリフェニレンサルファイド繊維を構成するポリフェニレンサルファイド樹脂においては、樹脂中に含まれるNMPを初めとする下記の重合で用いる各種の有機溶媒の含有量を下記のように100ppm以下に設定することができるのであれば溶液重合法で得られたポリフェニレンサルファイド樹脂など、その製造方法は問わない。但し、NMP含有量を所定量以下に設定しやすいと言う観点からは溶融重合法により得られたポリフェニレンサルファイド樹脂を用いることが好ましい。
引取速度が速いと断糸が多発し、安定した溶融紡糸ができないことがあり好ましくない場合がある。引取速度が遅いと口金細孔から吐出し、紡出される溶融ポリフェニレンサルファイド樹脂の速度とのバランスを崩し、同様に安定した溶融紡糸ができないことがあり好ましくない場合がある。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、溶融したポリフェニレンサルファイド樹脂を紡糸口金から紡出し未延伸糸を採取し、次いで得られた未延伸糸を3.5〜6.0倍で延伸することが好ましく採用することができる。前記巻取機に巻き取られた繊維パッケージ10が延伸装置の未延伸糸11の位置に設置される。予熱ロール12の温度は80〜110℃好ましくは85〜95℃とすることが好ましい。予熱ロール12の温度が80℃未満の場合には、第一段延伸前の糸条予熱が不十分なため不均一延伸となり毛羽品位、延伸性が不良となる。一方、予熱温度が110℃を超える場合には、延伸時の張力低下のため、ポリマーの配向が低下し、引張強度が低下する。次いで未延伸糸を全延伸工程において合計で3.4〜6.0倍、好ましくは4.0〜5.0倍で熱延伸することが好ましい。必要である。熱延伸の倍率が3.5倍未満の場合、引張強度が低下する。また6倍を超える場合には困難である。熱延伸工程においては、2〜6段の多段延伸を行うことが好ましい。多段延伸を行うには、図2に示したように、予熱ロール12と第1延伸ロール13の回転数、第1延伸ロール13と第2延伸ロール14の回転数、第2延伸ロール14と第3延伸ロール15の回転数を徐々に上げることによって、好ましく実施することができる。
(1)繊維中のNMP含有量:
繊維中のNMP含有量については熱分解GC/MS測定によって定量した。繊維サンプルをヘリウム雰囲気下300℃で瞬間加熱し、繊維から発生したガスを分離検出した。分離検出定量には株式会社島津製作所社製GC/MS測定器GCMS−QP2020(商品名)を用いて行った。
(2)総繊度:
JIS L 1013(1999) 8.3.1 A法に従い、所定荷重0.045cN/dtexで正量繊度を測定して総繊度とした。
(3)単糸数:
JIS L 1013(1999) 8.4.の方法で算出した。
(4)単糸繊度:
上記総繊度を上記単糸数で除することで算出した。
(5)引張強度:
JIS L 1013(1999) 8.5.1に従い、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/min、N=10で測定した。
溶融重合法で作製したポリフェニレンサルファイド樹脂(韓国Initz社のEcotran0504(商品名))を原料として用い、そのポリフェニレンサルファイド樹脂を320℃で溶融し、紡糸口金より紡出した。この時紡糸口金の吐出孔の周辺(紡糸口金の吐出孔から繊維糸条の進行方向に30cmまでの領域)の温度は320℃とし、一般的な水系エマルジョン油剤を付与し、引取速度500m/minで引き取り、未延伸糸を採取した。次いで、2段にて延伸した。予熱ロール温度90℃、速度57m/min、第1延伸ロール温度150℃、速度171m/min、第2延伸ロール温度200℃、200m/minで熱延伸し、全延伸倍率は3.5倍であった。その結果、糸中のNMP含有量は50ppmを下回り、上記測定方法では検出できなかった(検出限界以下)。また総繊度90dtex、単糸繊度2.5dtex、引張強度3.2cN/dexの繊維を得た。
上記実施例1において、予熱ロール速度を48m/minとする以外は実施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行った。その結果、糸条中のNMP含有量は50ppmを下回り、検出できなかった(検出限界以下)。また総繊度90dtex、単糸繊度2.5dtex、引張強度4.6cN/dexの繊維を得た。
溶液重合法で作製したポリフェニレンサルファイド樹脂(クレハ株式会社製フォートロンKPS(商品名))を原料として用いた。そのポリフェニレンサルファイド樹脂を320℃で溶融し、紡糸口金より紡出した。この時紡糸口金の吐出孔の周辺の温度は250℃とし、一般的な水系エマルジョン油剤を付与し、引取速度500m/minで引き取り、未延伸糸を採取した。次いで、2段にて延伸した。予熱ロール温度90℃、速度54m/min、第1延伸ロール温度150℃、速度171m/min、第2延伸ロール温度200℃、200m/minで熱延伸し、全延伸倍率は3.5倍であった。その結果、糸中のNMP含有量は50ppmを下回り、検出できなかった。また総繊度90dtex、単糸繊度2.5dtex、引張強度4.8cN/dexの繊維を得た。
上記実施例1において、紡糸口金の吐出孔の周辺の温度を250℃とし、予熱ロール速度を80m/minとする以外は実施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行った。その結果、糸中のNMP含有量は50ppmを下回り、検出できなかった(検出限界以下)。また総繊度90dtex、単糸繊度2.5dtex、引張強度2.7cN/dexの繊維を得た。
上記実施例1において、紡糸口金の吐出孔の周辺の温度を250℃とする以外は実施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行った。その結果、断糸が多発し、繊維サンプルを採取不可能であった。
各実施例・比較例において得られた繊維の紡糸条件、延伸条件、物性測定結果を表1に示した。
2:加熱筒
3:横吹き出し冷却チムニー
4:冷却風
5:糸条
6:ダクト
7:給油ロール
8:引取ロール
9:巻取機
10:繊維パッケージ(未延伸糸)
11:未延伸糸
12:予熱ロール
13:第1延伸ロール
14:第2延伸ロール
15:第3延伸ロール
16:巻取機
17:繊維パッケージ(延伸糸)
Claims (6)
- 繊維中に含まれるNMP含有量が100ppm以下、引張強度が3.0cN/dtex以上であることを特徴とする、ポリフェニレンサルファイド繊維。
- 単糸繊度が0.0001〜5.0dtexであることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
- 食品フィルター用であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
- 溶融重合法で製造したポリフェニレンサルファイド樹脂を用い溶融紡糸法によりポリフェニレンサルファイド繊維を製造することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
- 溶融したポリフェニレンサルファイド樹脂を紡糸口金から紡出し未延伸糸を採取する際に、紡糸口金の吐出孔の周辺を300℃以上に加熱することを特徴とする、請求項4に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
- 溶融したポリフェニレンサルファイド樹脂を紡糸口金から紡出し未延伸糸を採取し、次いで得られた未延伸糸を3.5〜6.0倍で延伸することを特徴とする、請求項4〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法。
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JP2020033680A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-05 | 帝人フロンティア株式会社 | 海島型複合繊維束、およびその極細繊維を含む医療用品、食品製造工程用フィルター |
CN112831854A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-05-25 | 华祥(中国)高纤有限公司 | 一种聚苯硫醚超细旦纤维生产设备 |
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JP2008202164A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド繊維 |
WO2016052295A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド繊維 |
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