JP6280821B2 - 放熱性アルミニウム塗装材 - Google Patents
放熱性アルミニウム塗装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6280821B2 JP6280821B2 JP2014119772A JP2014119772A JP6280821B2 JP 6280821 B2 JP6280821 B2 JP 6280821B2 JP 2014119772 A JP2014119772 A JP 2014119772A JP 2014119772 A JP2014119772 A JP 2014119772A JP 6280821 B2 JP6280821 B2 JP 6280821B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- coating
- polyester resin
- parts
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
本発明に係る第一の実施態様の放熱性アルミニウム塗装材は、アルミニウム基材と、当該アルミニウム基材の少なくとも一方の表面に形成した化成皮膜と、当該化成皮膜上に形成した塗膜とを含み、この塗膜は、10000〜20000の数平均分子量と40〜70℃のガラス転移温度を有する第一のポリエステル樹脂100重量部に対して、メラミン樹脂1〜50重量部を配合して架橋され、更に、前記第一のポリエステル樹脂100重量部に対して、平均粒子径が0.001〜0.070μmのアルミナ10〜80重量部を配合して形成されており、5〜25μmの塗膜厚と0.83以上の赤外線積分放射率を有する。
本発明で用いるアルミニウム基材は、純アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材である。以下において、純アルミニウムからなる基材及びアルミニウム合金からなる基材を、単に「アルミニウム基材」と記す。
本発明で用いる化成皮膜は、塗布型であっても反応型であってもよいが、アルミニウム基材及び塗膜への密着性の観点から、反応型が好ましい。具体的には、りん酸クロメート、クロム酸クロメート、りん酸ジルコニウム、りん酸チタニウム等の化成処理液によって形成される化成皮膜である。性能と経済性の観点から、りん酸クロメートの処理液によって形成されるもの(以下、「りん酸クロメート化成皮膜」と記す)がより好ましい。りん酸クロメート化成皮膜の付着量は、金属Cr元素換算で5〜50mg/m2であるのが好ましい。付着量がCr元素換算で5mg/m2未満では、耐食性が劣る場合がある。また、付着量がCr元素換算で50mg/m2を超えると、化成皮膜が凝集破壊し易く、加工密着性が劣る場合がある。より好ましい付着量は、Cr元素換算で10〜40mg/m2である。
D−1.塗膜の構成
D−1−1.ポリエステル樹脂
第一及び第二のポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物を骨格としたものである。多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、フマル酸、マレイン酸等の1種又は2種以上が用いられる。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等の1種又は2種以上が用いられる。合成方法としては、これらのモノマーを適宜配合し、常圧又は加圧下で直接エステル化して重合する方法や、エステル交換してから重合する方法や、少量のキシレンを添加して常圧で脱水反応を行う方法等が用いられる。
本発明に用いられるメラミン樹脂は、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール又はイソブタノールなどの一価アルコールを、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂と反応させる常法により調製される、一価アルコールでエーテル化されたメラミン樹脂である。このようなメラミン樹脂は、単量体又は重合体のいずれの状態でも用いることができる。メラミン樹脂は自己縮合して塗膜の表層において濃化する性質を有し、更に、ポリエステル樹脂と比較して硬質な為に、塗膜表面における耐傷付き性を向上させる。
アルミナは酸化アルミニウムであり、またアルミニウムの両性酸化物である。アルミナは、常温では白色の固体である。アルミナは、天然には、コランダム、ルビー、サファイアとして産出する。一方、アルミナは合成により製造することも可能であり、硝酸アルミニウムや硫酸アルミニウム等の塩を1200〜1300℃で直接熱分解する方法、塩化アルミニウム蒸気を、1000℃以上の温度で酸素又は水蒸気と反応させる方法、アルミニウム塩からアルミニウムドーソナイトを合成して、これを焼成する方法等が知られている。
本発明における塗膜には、必要に応じて、レベリング剤、防錆剤、はじき防止剤、わき防止剤、ワックス、艶消し剤、着色顔料等を適量含有させてもよい。
塗膜の膜厚を5〜25μmとすることにより、加工後の歪による内部応力の発生が抑制され、塗膜密着性の低下を防止することができる。膜厚が5μm未満では、成形加工時において樹脂部分が破断し易くなり、絞り成形性が損なわれる。また、耐傷付き性が劣る。更に、赤外線放射率も劣る。膜厚が25μmを超えると、加工後の塗膜の内部応力が大きくなり、絞り成形性が損なわれる。また、曲げ加工性が劣る。なお、好ましい膜厚は8〜20μmである。膜厚は、後述するロールコート方式では、ピックアップロールとアプリケーターロール間のニップ圧や塗料粘度を適宜調整することにより制御される。
本発明に係る放熱性アルミニウム塗装材の赤外線積分放射率は、0.83以上である。物体の放射率εは、黒体と物体の放射発散度(平面状の放射源から半球空間に放射された放射源の単位面積当たりの放射束)をそれぞれM、M‘として、ε=M‘/Mで定義される。ここで、黒体とは、全ての温度と全ての波長に対して理想的な、或いは、完全な放射又は吸収を行うものを指す。
本発明における塗膜は、化成皮膜表面に塗膜形成用の液状の塗料組成物を塗装(塗布)し、それを焼付けることによって形成される。
このようにして作製される放熱塗装材は、プレス成形加工用のプレス油を塗布してから深絞り加工、曲げ加工等の成形加工を施すことにより、放射パネルや筐体等の成形品が作製される。
上記試料を用いて、塗膜面が外側になるように円筒成形品に絞り加工した。加工条件は、パンチ径φ3.2mm、ダイス径φ33.68mm、ブランク径68.5mmとした。側壁部の外観を目視観察することにより、下記の基準に従って絞り加工性を評価した。
○:塗膜の割れは認められなかった。
△:部分的に塗膜の割れが認められた。
×:著しい塗膜の割れが認められた。
○と△を合格とし、×を不合格とした。
上記試料を用いて、塗膜面を外側にして180度2T曲げを行なった。塗膜の割れの有無を目視観察することにより、下記の基準に従って曲げ加工性を評価した。
○:塗膜の割れ無し
△:小さな塗膜の割れがあるが使用可能
×:大きな塗膜の割れがあり使用不可
○と△を合格とし、×を不合格とした。
赤外線放射率は、赤外放射測定ユニットを付帯したフーリエ変換赤外分光光度計を用いて測定した。測定条件は、温度100℃で、波長4μm〜14μmとした。
上記試料を用いて、バウデン式摩擦試験により、塗膜上に5Nの重りを載せて鋼球を10回摺動させた傷痕を観察することによって、耐傷付き性を下記の基準で評価した。
○:傷痕が僅かに認められる。
△:傷痕が認められるが、素地まで達していない。
×:素地まで達する傷が認められた。
○と△を合格とし、×を不合格とした。
上記試料の塗膜側の色合いを目視で観察した。
○:白色
×:黒色又は灰色
○を合格とし、×を不合格とした。
Claims (2)
- アルミニウム基材と、当該アルミニウム基材の少なくとも一方の表面に形成した化成皮膜と、当該化成皮膜上に形成した塗膜とを含む放熱性アルミニウム塗装材であって、前記塗膜は、10000〜20000の数平均分子量と40〜70℃のガラス転移温度を有する第一のポリエステル樹脂100重量部に対して、メラミン樹脂1〜50重量部を配合して架橋され、更に、前記第一のポリエステル樹脂100重量部に対して、平均粒子径が0.001〜0.070μmのアルミナ10〜80重量部を配合して形成されており、5〜25μmの塗膜厚と0.83以上の赤外線積分放射率を有することを特徴とする放熱性アルミニウム塗装材。
- アルミニウム基材と、当該アルミニウム基材の少なくとも一方の表面に形成した化成皮膜と、当該化成皮膜上に形成した塗膜とを含む放熱性アルミニウム塗装材であって、前記塗膜は、10000〜20000の数平均分子量と40〜70℃のガラス転移温度を有する第一のポリエステル樹脂と10000〜20000の数平均分子量と−20〜20℃のガラス転移温度を有する第二のポリエステル樹脂との合計100重量部に対して、メラミン樹脂1〜50重量部を配合して架橋され、更に、前記第一及び第二のポリエステル樹脂の100重量部に対して、平均粒子径が0.001〜0.070μmのアルミナ10〜80重量部を配合して形成されており、前記第一のポリエステル樹脂:第二のポリエステル樹脂の重量割合が、20:80〜70:30であり、前記塗膜が5〜25μmの塗膜厚と0.83以上の赤外線積分放射率を有することを特徴とする放熱性アルミニウム塗装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014119772A JP6280821B2 (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 放熱性アルミニウム塗装材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014119772A JP6280821B2 (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 放熱性アルミニウム塗装材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015231712A JP2015231712A (ja) | 2015-12-24 |
JP6280821B2 true JP6280821B2 (ja) | 2018-02-14 |
Family
ID=54933528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014119772A Expired - Fee Related JP6280821B2 (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 放熱性アルミニウム塗装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6280821B2 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009196126A (ja) * | 2008-02-19 | 2009-09-03 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 加工性、導電性及び放熱性に優れた樹脂塗装アルミニウム材 |
JP5309699B2 (ja) * | 2008-06-02 | 2013-10-09 | 新日鐵住金株式会社 | 表面処理金属板、金属製筐体、金属製カバー及び電気電子機器 |
JP5401196B2 (ja) * | 2009-07-30 | 2014-01-29 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器用フィン材 |
JP5646875B2 (ja) * | 2010-05-12 | 2014-12-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 絞り加工用プレコートアルミニウム板および容器形状成形品 |
JP4787372B1 (ja) * | 2010-08-05 | 2011-10-05 | 住友軽金属工業株式会社 | 樹脂被覆アルミニウム合金板 |
JP5890169B2 (ja) * | 2010-12-22 | 2016-03-22 | 株式会社Nbcメッシュテック | 吸熱性部材 |
JP5497102B2 (ja) * | 2011-06-08 | 2014-05-21 | 株式会社Uacj | 放熱部材用プレコートアルミニウム合金板及びこれを用いた放熱部材 |
JP5462318B2 (ja) * | 2012-05-31 | 2014-04-02 | 東洋製罐株式会社 | 塗料組成物及びこの塗料組成物を塗布して成る塗装金属板、金属容器及び金属蓋 |
-
2014
- 2014-06-10 JP JP2014119772A patent/JP6280821B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015231712A (ja) | 2015-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI388637B (zh) | 優良散熱性黑樹脂組成物,使用該組成物處理經鋅塗覆之薄鋼片的方法以及經此方法處理之薄鋼片 | |
JP5194465B2 (ja) | 塗装鋼板、加工品および薄型テレビ用パネルならびに塗装鋼板の製造方法 | |
JP6014005B2 (ja) | 黒色塗装金属板 | |
JP2002228085A (ja) | 熱放射性表面処理材 | |
TW201038768A (en) | Pre-coated aluminum sheet | |
JP6280821B2 (ja) | 放熱性アルミニウム塗装材 | |
JP3563731B2 (ja) | 放熱性及び導電性に優れた電子機器部材用塗装体 | |
JP2004306367A (ja) | 防熱性に優れた表面処理金属板及びこれを用いた筐体 | |
JP2011213020A (ja) | 成形用プレコートアルミニウム板および容器形状成形品 | |
JP2011235457A (ja) | 金属塗装材 | |
KR20140012495A (ko) | 가공성이 우수한 수지코팅 강판 및 이에 사용되는 수지조성물 | |
JP2017170882A (ja) | 樹脂塗装亜鉛めっき鋼板 | |
JP2011230311A (ja) | 樹脂被覆アルミニウム合金板 | |
JP2016193580A (ja) | 半導体基板用塗装金属板 | |
JP4201904B2 (ja) | 成形加工性に優れた1コートプレコート鋼板及びその製造方法 | |
JP5646875B2 (ja) | 絞り加工用プレコートアルミニウム板および容器形状成形品 | |
JP2005262841A (ja) | 加工性と放熱性に優れた樹脂被覆アルミニウム材 | |
KR101306495B1 (ko) | 성형용 프리코트 알루미늄판 및 용기 형상 성형품 | |
JP6412532B2 (ja) | 塗装金属板の製造方法 | |
JP5880800B1 (ja) | 塗装鋼板 | |
US20240034889A1 (en) | Resin-coated aluminum alloy sheet and resin composition for resin-coated aluminum alloy sheet | |
JP6343505B2 (ja) | 建築用外装材 | |
WO2022210554A1 (ja) | 樹脂被覆アルミニウム合金板 | |
JP2014113735A (ja) | アルミニウム樹脂被覆材 | |
JP2013018233A (ja) | 樹脂被覆アルミニウム基材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170329 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6280821 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |