JP5309699B2 - 表面処理金属板、金属製筐体、金属製カバー及び電気電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理金属板、金属製筐体、金属製カバー及び電気電子機器に関する。
家電分野、機械分野、自動車分野等で、内部に発熱源を有する機器の筐体に表面の熱放射率や熱吸収率を高めた金属板を用いることで、内部に発生した熱を効率的に筐体外部に放出する技術が、特許文献1〜4に公開されている。当該技術は、特に家電分野の電子回路を発熱源とする機器や分品の筐体に使用されており、当該金属板を用いることで、塗膜で電子回路の発熱量を抑制することができるため、近年、広がりつつある。
特開2004−256871号公報 特開2006−175804号公報 特開2004−74145号公報 特開2004−74412号公報
しかしながら、各種機器の機能向上、性能向上にともない、各種機器の発熱量が増加し、更なる熱対策に対する要望が高まってきている。例えば、家電分野においては、各種家電製品のデジタル化に伴い、家電製品に搭載する電子回路数が増大、もしくは、搭載する電子回路の性能が向上し、集積回路から発生する発熱量が増加している。電子部品は熱に弱いため、発熱量が増加すると、例えば、電子回路の演算効率が低下する。そのため、機器筐体内部の温度をより低下させたいとの要望が高まってきている。しかし、上述の従来技術に開示された発明の放熱性能では、こうした要望への対応には不足であり、更なる熱放射率や熱吸収率の向上が望まれていた。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた熱伝導性、熱吸収性を有し、熱放射率および熱吸収率を向上させることが可能な表面処理金属板、及びこれを用いた金属製筐体、金属製カバー、電気電子機器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために完成されたものであって、本発明がその要旨とするところは、以下の通りである。
1)金属板の両面に100℃で80W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性物質を含有し、且つ、赤外線放射率0.7以上である熱伝導性と熱吸収性とを有する皮膜を被覆し、且つ、一方の面が導電性を有し、他方の面が導電性を有していないことを特徴とする、表面処理金属板。
2)前記金属板が、100℃で200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする、前記1)に記載の表面処理金属板。
3)前記金属板がめっきされた金属板であり、且つ、前記めっきされた金属板のめっき層が100℃で200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする、前記1)に記載の表面処理金属板。
4)前記表面処理金属板の前記熱吸収性皮膜中に含有する熱伝導性物質の熱伝導率が100℃で200W/m・K以上であることを特徴とする、前記1)〜3)のいずれかに記載の表面処理金属板。
5)前記表面処理金属板の前記熱吸収性皮膜中に含有される前記熱伝導性物質の添加量が、前記熱吸収性皮膜中の体積濃度で10vol%以上であることを特徴とする、前記1)〜4)のいずれかに記載の表面処理金属板。
6)前記表面処理金属板の前記熱伝導性物質を含む前記熱吸収性皮膜が導電性顔料を含み、導電性を有することを特徴とする、前記1)〜5)のいずれかに記載の表面処理金属板。
7)前記他方の面に被覆された皮膜には、導電性を有しない顔料として、窒化アルミニウムが含まれていることを特徴とする、前記1)〜6)のいずれかに記載の表面処理金属板。
8)前記1)〜7)のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜の膜厚をtとしたとき、前記皮膜中に添加する熱伝導性物質の粒径が0.8t≦D≦1.2tであり、且つ、前記皮膜の膜厚方向の中心t/2の位置より表層側の上層に熱吸収性物質が濃化していることを特徴とする、表面処理金属板。
9)前記1)〜8)のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜が予め被覆された表面処理金属板を成形加工して得られる、内部に熱源を有する金属製筐体
10)前記1)〜8)のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜が予め被覆された表面処理金属板を成形加工して得られる、内部に熱源を有する金属製カバー。
11)前記9)に記載の金属性筐体または前記10)金属製カバーの少なくとも一方を有し、且つ、筐体もしくはカバー内部の熱源が電気電子回路であることを特徴とする、電気電子機器。
本発明により、熱放射率および熱吸収率が向上し、内部に発熱源を有する機器筐体の内部温度を効率的に低下させ、機器の発熱問題を低減することが可能となる。また、熱源が電気・電子回路である電気・電子機器、特にデジタル家電の筐体に本発明技術を用いると、電気機器筐体内部の温度が低減するため、電気・電子機器が効率的に作動し、電気・電子機器の作動効率化や省エネルギー化に寄与することができる。従って、本発明は産業上、極めて価値の高い発明であると言える。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明は、内部に発熱源を有する機器の筐体に用いる表面処理金属板に関するものであり、特に、例えば、家電用、機械用、自動車用の部品もしくは本体を覆う筐体に用いる熱伝導性と熱吸収性を有する表面処理金属板とこれを用いた電気電子機器用筐体に関する。
本願発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討したところ、以下に示すような知見に想到した。すなわち、従来の熱放射率や熱吸収率を高めた金属板は、金属板の表面に熱放射率や熱吸収率を高めた皮膜を被覆したものであるが、皮膜自身の熱伝導性が充分ではなく、これが金属板としての熱放射や熱吸収性能にも影響していることを知見した。
更に、発明者らは、熱吸収性や熱放射性に優れる皮膜自身の熱伝導率を高めることで、金属板の片方の面で吸収した熱をより早く他方の面に伝え、他方の面から効率よく熱を放射することができることを見出した。即ち、前記の熱吸収率と熱放射率を高め、且つ、熱伝導率の高い皮膜を被覆した金属板を用いて作成された金属筐体は、筐体内部で発生する熱を筐体内面で効率よく吸収し、これを効率よく筐体外面に伝え、筐体外部から効率よく放射することができるため、従来の金属板を用いた筐体より筐体内部の温度を低くする事ができることを見出した。
また、本願発明の熱伝導性を有する皮膜で被覆された金属板においては、平面方向への熱伝導性が向上するため、この金属板を用いた筐体内部の熱源が不均一に分布しているような場合、熱吸収が筐体内面の一部に集中しても吸収された熱が速やかに他の部分へ伝熱されるため、熱吸収効率が低下せず、また、放熱もより広い面積で行われるため、筐体としての熱吸収性能、熱放射性能の更なる向上も期待できる。
以下に、上記知見を基に完成された本願発明について、詳細に説明する。
本発明は、金属板の片面または両面に赤外線放射率0.7以上の熱吸収性皮膜を有し、且つ、熱吸収性皮膜中に100℃で80W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性物質を含む金属板によって達成される。
本発明の赤外線放射率が0.7未満であると、熱吸収機能が低下してしまい、筐体内部の温度が充分に低下しないため、不適である。ここで、本発明における赤外線放射率とは、80℃以上のいずれかの温度で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率である。波数600cm−1未満、または、3000cm−1超の波数領域の放射線は、熱に与える影響が非常に小さいため、これらの波数領域の放射線を含めた放射率の評価では意味がない。本発明の金属板表面の赤外線放射率を0.7以上にするためには、バインダー樹脂と熱吸収性物質とを含有する熱吸収性皮膜で金属板を被覆することで達することができる。赤外線放射率の上限値は特に定めないが、理論的に1.0が上限値であり、これが実質的な上限値となる。
本発明に用いる熱吸収性物質は、一般に公知の赤外線吸収性の高い材料、例えば、カーボン、グラファイトなどを用いることができる。これら熱吸収性物質は、粒径の小さいものほうが皮膜中により均一に広く分散するため、好ましい。粒径は、例えば、1μm以下のものであると、より均一に広く分散するため、より好ましい。特にカーボンブラックは、一次粒径が50nm程度でバインダー樹脂などとも混合しやすく、より好ましい。
熱吸収性物質の添加量は、熱吸収材の種類によっても異なるため、必要に応じて適宜選定することができる。カーボンブラックを熱吸収性顔料として添加する場合は、樹脂100質量部に対して、カーボンブラック添加量が例えば5〜50質量部であると好ましい。5質量部未満であると皮膜の熱吸収性が低くなり放射率が0.7未満となるおそれがあり、50質量部超では皮膜が脆くなり、耐傷つき性や皮膜密着性が低下する恐れがある。
また、カーボン、グラファイト以外の熱吸収性物質としては、バインダー樹脂に赤外線を吸収し易いモノマーで構成されたもの、または、そのようなモノマーで構成された樹脂を使用することが出来、これらを添加するなどで熱放射性を高めても良い。
本発明の熱吸収性皮膜中に含まれる熱伝導物質は、一般に公知の物質のうち100℃で80W/m・K以上の熱伝導率を有するものを選定して用いる事ができる。100℃で200W/m・K以上であると、皮膜の熱伝導性がより高まり、より好ましい。100℃で80W/m・K以上の熱伝導率を有するものとしては、例えば、マグネシウム、ニッケルなどを用いる事ができ、100℃で200W/m・K以上の熱伝導性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、窒化アルミニウム、銀、金などを用いる事ができる。熱伝導率の上限値は特に定めないが、既知の熱伝導物質のなかで最も高い熱伝導率を有するグラファイトシートの熱伝導率が700〜1600W/m・K(例えば、松下電器産業社製の「GPSグラファイトシート」など)であることから、実質的な上限値は、例えば1600W/m・Kとなる。
これら熱伝導性物質は、粉末状のものをバインダー樹脂に添加すると熱吸収性皮膜中に容易に分散することができ、好ましい。熱伝導性物質は、粒子であり、且つ、その平均粒子径Dが熱吸収性皮膜の膜厚tに対し0.8t≦D≦1.2tであると、皮膜最表層で吸収した熱を熱伝導性の高い材料を介して皮膜下の金属板表層までより効率的に伝えやすくなるため、好ましい。D<0.8tの場合は、皮膜最表層で吸収した熱を母材に伝達する熱伝導性機能が低下する恐れがある。D>1.2tの場合は、皮膜厚より熱伝導性物質の粒径が非常に大きくなるため、塗布乾燥硬化する際や、その後の取り扱いや加工時に熱伝導性物質が皮膜から脱離しやすく、そのため、伝熱機能の低下や、脱離した熱伝導性物質による皮膜へのキズ入りなどの問題が発生する恐れがある。
また、熱伝導性物質の添加量が熱吸収皮膜中の体積濃度で10vol%以上であると、皮膜の熱伝導性の向上効果が大きく、より好ましい。10vol%未満であると、熱吸収性皮膜全体の熱伝導率が低下するため、熱を吸収した金属板が他方の面に熱を伝えて金属板外部に熱を放出する効率が充分でない場合がある。熱伝導性物質の添加量は、添加量が多いほど皮膜の熱伝導性が向上するため好ましく、添加量の上限は特に規定するものではない。しかし、添加量が多すぎると皮膜が脆くなり成膜しない、塗液の塗工性が低下する、塗液へ分散できないなどの問題が生じる恐れがある。そのため、熱伝導性物質の添加量は、例えば、80vol%未満、好ましくは50vol%未満、より好ましくは30vol%未満が好ましい。
本願発明の熱伝導性を有する熱吸収性皮膜の膜厚は、特に規定するもではないが、例えば2〜50μmが好ましい。膜厚が厚い方が熱伝導性や熱吸収性は良くなるため、熱伝導性を高めるためには膜厚が厚い方が良く、2μm未満では、熱伝導性や熱吸収性の効果を発揮しない恐れがある。また、50μm超では同皮膜を塗装して焼き付ける工程でワキなどの問題が発生する恐れがある。熱吸収性皮膜に導電性を付与する場合は、例えば2〜10μmがより好ましい。50μm超では導電性が低下する恐れがある。
更に、本願発明の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜の膜厚をtとしたとき、皮膜中に添加する熱伝導性物質の粒径が0.8t≦D≦1.2tであり、且つ、前記皮膜の膜厚方向の中心t/2の位置より上層(表層側)に熱吸収性物質が濃化しているとより好ましい。熱吸収性物質が膜厚方向の中心線より下層(金属板側)に存在すると、下層側に存在する熱吸収性物質は皮膜表面から見た場合に熱伝導性物質の影にかくれてしまい、熱吸収機能を発揮しにくくなる。そのため、熱吸収性物質は、上層(表層側)に濃化している方が皮膜の熱吸収性機能が高まるため、より好ましい。熱吸収性物質を表膜の上層に濃化させるための手法としては、バインダー樹脂に熱伝導性物質を含む塗液を下層に、バインダー樹脂に熱吸収性物質を含む塗液をその上層に未乾燥の状態で重ね合わせて塗布し、前記2層の塗膜を同時に乾燥硬化させる(一般的にウェットオンウェット塗装、多層同時塗布とも呼ばれる)方法にて成膜させることで達成することができる。前記方法では、未乾燥状態で重ね合わせた際に上下層皮膜が未乾燥のウェット状態で重なり合うため、上層皮膜の熱吸収性物質が下層皮膜に拡散し、上層が高濃度で、下層に向かって濃度が低くなる濃度傾斜層を形成する。
ここで、本発明で定義する膜厚tとは、熱伝導性と熱吸収性との両者を有する皮膜のトータル膜厚のことをいう。従って、熱伝導性物質を含む皮膜層と熱吸収性物質を含む皮膜層とを2層で積層した場合には、これら2層の合計膜厚を意味する。2層に分けて塗布する場合の各層の膜厚は特に規定するものではないが、[上層の熱吸収性物質を含む皮膜層の膜厚]<[下層の熱伝導性物質を含む皮膜層の膜厚]であることが好ましい。上層の膜厚が下層より厚いと、上層の熱吸収性物質が全皮膜厚の中心(t/2)より下層部分にまで拡散してしまい、熱吸収性が低下する恐れがある。上層の熱吸収性物質の下層への拡散度合いは、各層の膜厚、熱吸収性物質の種類、各層のバインダー種、塗液の粘度、塗液の表面張力によって異なるため、これらを必要に応じて調整することで熱吸収性物質が全皮膜厚の中心(t/2)より上層にくるように制御する必要がある。
また、熱伝導性物質を含む皮膜を塗布し乾燥硬化させた後に、更にその上に熱吸収性物質を含む皮膜を塗布し乾燥硬化させることで表層に濃化させることもできるが、両皮膜間の界面密着性が劣る欠点や、下層塗膜を塗装し乾燥硬化させた後に上層皮膜を塗布するまでのあいだに、下層皮膜中から下層皮膜厚より粒径の大きい熱伝導性物質が脱離するなどの不具合が発生する恐れがあるため、好ましくない。また、この様に各層毎に塗布と乾燥を繰り返す方式で塗布した場合、上層皮膜に含まれる熱吸収性物質の下層皮膜へ拡散しないため、上層皮膜の熱吸収性物質の含有率が高く皮膜が脆くなり、密着性や加工性が劣る恐れがある。
未乾燥の塗膜を積層するためには、スライドホッパータイプの多層同時塗布型カーテンコーターやスロットダイタイプの多層同時塗布装置などで塗布することができる。
本発明に用いる熱吸収性皮膜に用いるバインダー樹脂は、一般に公知のコーティング用バインダー樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。架橋材を用いた熱硬化型バインダー樹脂であると、より効果的である。特に、数平均分子量5000〜25000、ガラス転移温度10〜35℃であるポリエステル樹脂をアミノプラスト樹脂またはイソシアネートで架橋したものであると、カーボンブラックなどの熱吸収性物質を添加し、且つ、熱伝導性物質を10vol%以上添加したときに、皮膜が脆くならず、皮膜の加工性にも優れるため、より効果的である。樹脂の数平均分子量が5000未満の場合、または、ガラス転移温度が35℃超の場合は、皮膜が脆くなり、これを加工してする際に皮膜が破壊され亀裂や剥離する恐れがある。また、樹脂の数平均分子量が25000超の場合、または、ガラス転移温度が10℃未満の場合は、これを加工する際に皮膜に傷が入ったり、加工のプレス金型によって皮膜が削り取られる現象(一般に皮膜カジリと呼ばれる。)が起こったりする恐れがある。
本発明の熱吸収性皮膜中にフッ素系ワックスが添加されていると、熱吸収性皮膜を予め塗装した金属板をプレス加工する際に、加工時のプレス金型による皮膜カジリが起こりにくく、より好ましい。皮膜中にワックスを添加して皮膜カジリを抑制する技術は一般的に知られているが、通常のワックス、例えばカルナバワックスやポリエチレンワックスは、これらを添加した皮膜を焼き付けて硬化させる際に、熱溶融して皮膜の表層に濃化したり、熱伝導性物質の周りに吸着したりして、熱伝導性や導電性の機能発揮を阻害することが課題であった。本願発明者らは鋭意検討し、熱伝導性の高い導電材とフッ素系ワックスとを併用して用いることで、高い熱伝導性と高い導電性とを担保しながら、高い摺動性を得ることができることを見出した。これは、フッ素系ワックスは、皮膜を焼付け硬化する時の熱では溶融しにくく、樹脂自身の比重も高いため、塗膜表層に濃化しにくく、また、熱伝導性の高い導電材表面に吸着しにくいためである。
本願発明で用いる金属板母材は、一般に公知の金属板、例えば、アルミニウム板、銅板、鋼板、電気めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛―ニッケル合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板などを使用することができるが、200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属、例えば、銅板やアルミニウム板であると、熱を吸収した金属板が他方の面に熱を伝えて金属板外部に熱を放出する効率が向上するため、より好ましい。また、本発明の金属板の母材に200W/m・K未満の熱伝導率を有する金属板を用いる場合でも、200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属、例えば、銅やアルミニウムなどのめっきを施すと、熱を吸収した金属板が他方の面に熱を伝えて金属板外部に熱を放出する効率が向上するため、より好ましい。金属板母材や金属板めっき層に200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属を用いることは、金属板の熱吸収面から熱放出面へ熱を伝えやすくするのみならず、金属板内の平面方向に熱を拡散する作用が増す。そのため、金属板のある特定の箇所で吸収した熱を金属板内で平面的にも拡散させることで、より熱吸収効率を高める効果も有しており、より好ましい。なお、金属板めっき層に200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属を用いる場合は、めっき層の厚みが例えば50μm以上であると、厚み効果で熱伝導性がより向上するため、より好ましい。
本発明の金属板の熱吸収性皮膜が導電性を有していると、電気・電子機器から発生する電気や電磁波漏洩を防ぐためのアースや電磁波シールド特性が付与できるため、より好ましい。導電性を有する面は、片面でも両面でも良い。また、電気電子回路のカバーなどに本発明の金属板を適用した場合、当該金属板を搭載する電気・電子機器の特性や回路カバー周辺の各種部品の特性上から、カバーの片面はアースや電磁波シールドの観点から導電性が必要だが、他方の面は絶縁性が必要なケースもある。このような場合は、片面が導電性を有している熱吸収性皮膜で、且つ、他方の面が導電性を有していない、つまり電気的に絶縁されている熱吸収性皮膜で構成された金属板であると、より好ましい。熱吸収性皮膜に導電性を付与するためには、熱吸収性皮膜中に金属粒子やグラファイトなどの導電性材を添加することができる。熱吸収性皮膜に添加する熱伝導性物質が金属微粒子の場合は、導電性材も兼ねるため、あえて熱導電材を添加する必要がない。熱吸収性皮膜中に添加する熱伝導性物質が非導電材の場合は、熱伝導性物質に加えて金属微粒子などの導電材を添加しても良い。一方、熱吸収性皮膜を絶縁体にする為には、窒化アルミニウムなど、一般に公知の熱伝導率が高い絶縁材を添加すると好ましい。
本発明の導電性と熱伝導性とを有する皮膜が予め被覆された表面処理金属板を成形加工して作製した金属性筐体は、内部に熱源を有する機器の筐体カバーとして用いると、従来の金属板を用いた筐体と比べ、筐体内部の温度が低下するため、放熱性を必要とする筐体に適している。また、筐体内部の熱源が電子電気回路である電気電子機器の筐体としても、本発明の金属板で作製した筐体は優れた放熱性能を示す。本発明の熱源が電子電気回路である電気電子機器の筐体は、一般に公知の電子電気回路を搭載した電機電子機器、例えば、DVDプレーヤー、DVDレコーダー、オーディオ機器、薄型テレビなどのオーディオビジュアル機器、パソコン、その他デジタル家電製品などの外板パネルや、これら機器内部の電気電子回路基板のカバー、例えば、電源Boxカバー、チューナー回路基板カバー、電子制御基板カバー、その他各種制御基板カバーなどに適用する事ができる。
本発明の金属板表面には、熱吸収性皮膜との密着性を高めるために、化成処理を施しても良い。化成処理は、一般に公知のもの、例えば、クロメート処理、シランカップリング剤系の処理、樹脂系の処理、シリカ系の処理を使用することができる。これらの処理を組み合わせた、または、混合した複合処理を用いても良い。市販の化成処理を施しても良い。これらの化成処理は、市販のもの、例えば、日本パーカライジング社製のクロメート処理「ZM−1300AN」、日本パーカライジング社製のクロメートフリー化成処理「CT−E300N」、日本ペイント社製の3価クロム系化成処理「サーフコート(登録商標) NRC1000」等を使用することもできる。ただし、環境負荷物質低減の観点から、6価クロムを含まない化成処理を用いるとより好ましい。
参考例1]
以下、参考例1の実験について詳細を説明する。
まず、参考例1の実験に用いたトップ塗料について、詳細を説明する。
東洋紡社製の非晶性ポリエステル樹脂である「バイロン(登録商標)GK140」(Tg:20℃、数平均分子量:13000、以降、ポリエステルと称する。)に、架橋剤と触媒を添加して、クリヤー塗料を作製した。ポリエステル樹脂は、ペレット状態の樹脂を溶剤に溶解して用いた。溶剤は、シクロヘキサノンとソルベッソ150を質量比で[シクロヘキサンノン]:[ソルベッソ150]=1:1で種混合したものを用いた。架橋剤は、アミノプラスト樹脂である三井サイテック社製の完全アルキル型メチル化メラミン樹脂「サイメル(登録商標)303」を用い、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して、アミノプラスト樹脂固形分が20質量部となる様に添加した。触媒は、三井サイテック社製の揮発性塩基性物質で中和したタイプである「キャタリスト602」を用い、ポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂の合計固形分を100質量部に対して、0.5質量部添加した。
次に、作製したクリヤー塗料に、熱吸収材として東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック(登録商標)#7350/F」を、熱伝導性物質として熱伝導率が398W/m・Kである銅粉を平均粒径が3.0μmとなるように更に粉砕、分級したものを添加した。熱吸収材の添加量は、ポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して15質量部添加した。熱伝導性物質については、ポリエステル100質量部に対して、89質量部添加したもの、134質量部添加したもの、178質量部添加した塗液を作成した(以降、これら熱伝導性物質を添加したサンプルを「熱伝導性物質含添加サンプル」と称する。)。
なお、ポリエステル樹脂の比重を1.25(カタログ値)、アミノプラスト樹脂の比重を1.2(カタログ値)、カーボンブラックの比重を1.85(文献値)、Ni粒の比重を8.9(文献値)として体積濃度を計算すると、ポリエステル100質量部に対して89質量部添加した導電材の体積濃度は8.4vol%、134質量部添加したものは12.5vol%、178質量部添加したもの16vol%となる。
また、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対してカーボンブラックを3質量、5質量部、50質量部、80質量部添加し、更にこれらに対して、カーボンブラックと樹脂とを含む固形分に対して熱伝導性物質を比重による計算値が16vol%となるように添加したサンプルも作製した。
更に、熱吸収材の添加量は、前記サンプルと同じポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して15質量部添加とし、これに熱伝導性物質としてニッケル粉、鉄粉を添加した熱伝導性物質添加サンプルも作成した。熱吸収材の添加量は、前記サンプルと同じとし、熱伝導性物質を一切添加しない塗液も作成した(以降、「熱伝導性物質未添加サンプル」と称する)。なお、ニッケル粉、鉄粉は、それぞれ比重を7.13,7.87として計算し、皮膜中の体積濃度として16vol%となるように添加した。
更に、作成した塗液には、フッ素系ワックスとして、ダイキン工業社製のPTFE系ワックス「ルブロン(登録商標)L−5」をポリエステル樹脂固形分に対して2質量部添加した。
以下、参考例1の実験に用いた金属板について、詳細を説明する。
板厚0.6mmでアルミめっき付着量が200g/m(アルミ比重換算でめっき厚み74μmに相当)のアルミめっき鋼板(Al鋼板74と称する。)と、板厚0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板(EGと称する。)とを、原板として準備した。次に、準備した原板を日本パーカライジング社製のアルカリ脱脂液「FC−4336」の3質量%濃度、50℃水溶液にてスプレー脱脂し、水洗後、乾燥した後に、日本パーカライジング社製のクロメートフリー化成処理である「CT−E300N」をロールコーターにて塗布し、熱風オーブンにて乾燥させた。熱風オーブンでの乾燥条件は、金属板の到達板温で60℃とした。クロメートフリー処理の付着量は、全固形分で200mg/m付着するように塗装した。
次に、化成処理を施した金属板の両方の面に、作製した塗液をロールコーターにてそれぞれ塗装し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で乾燥硬化した。そして、乾燥硬化後に、塗装された金属板へ水をスプレーにて拭きかけ、水冷することでサンプル金属板を作成した。
作製したサンプル金属板の熱吸収性皮膜の膜厚は、3μmとした。なお、各膜厚はKET社製の電磁膜厚計「LE−200J」にて測定した。
以下、作成した筐体金属板の評価試験について、詳細を説明する。
1)表面処理金属板の赤外線放射率測定
日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「VALOR−III」を用いて、表面処理金属板の板温度を80℃にしたときの波数600〜3000cm−1の領域における赤外発光スペクトルを測定し、これを標準黒体の発光スペクトルと比較することで、表面処理金属板の全赤外線放射率を測定した。なお、標準黒体は、鉄板にタコスジャパン社販売(オキツモ社製造)の「THI−1B黒体スプレー」を30±2μmの膜厚でスプレー塗装したものを用いた。なお、放射率は金属板両面について測定した。
2)筐体熱特性測定試験
図1に示す測定箱(筐体)を作成して、試験を行った。測定箱1は、未処理の板厚0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板で作成された、上面の解放された(金属板の無い)箱状のものである。この測定箱の解放された面を、熱吸収性金属板2(すなわち、サンプル金属板)で覆い、この状態で、熱源であるヒーター3に温度コントローラー4にて10Wの投入電力を入れ、測定箱1内に設置した熱電対5の温度を、デジタル温度計6で測定した。
以下、測定した温度の評価基準を説明する。
[{(熱伝導性物質添加サンプルの温度)−(熱伝導性物質未添加サンプルの温度)}≧3℃]のとき:◎
[{(熱伝導性物質添加サンプルの温度)−(熱伝導性物質未添加サンプルの温度)}≧2℃]のとき:○
[{(熱伝導性物質添加サンプルの温度)−(熱伝導性物質未添加サンプルの温度)}≧1℃]のとき:△
[{(熱伝導性物質添加サンプルの温度)−(熱伝導性物質未添加サンプルの温度)}<1℃]のとき:×
3)皮膜加工性評価
プレス加工により凹凸を設けた金属板の凹凸加工部を目視と10倍ルーペにて観察し、凹凸加工部に皮膜の亀裂の発生有無を評価した。
以下、皮膜加工部の評価基準を説明する
10倍ルーペで観察しても皮膜に亀裂が認められないとき:○
10倍ルーペで観察すると皮膜に亀裂が認められるが、目視では認められないとき:△
目視でも皮膜の亀裂が認められるとき:×
4)ドロービード試験
プレコート金属板をプレス成形したときに、プレス金型でプレコート金属板の塗膜がかじることによって発生する塗膜の剥離を再現する試験方法である「ドロービード試験」を実施した。まず、図2に示す要領で、作成したプレコート金属板(すなわち、サンプル金属板)を30mm(幅)×300mm(長さ)の試験片に切り出し、この試験片を半径4mmRの凸ビードを設けた金型と半径5mmRの凹ビードを設けた金型とで挟み込む。さらに1tの荷重を加えて金型のビード部をプレコート金属板の評価面に押し付けた。この状態で、プレコート金属板を200mm/minの速度で引き抜き、ビードにて擦られたプレコート金属板の評価面の塗膜剥離状態を目視にて観察し、評価した。評価は、塗膜が全く剥離していない場合を○、局部分的に剥離している場合を△、全面剥離している場合を×とした。
5)導電性試験
作成した表面処理金属板について、熱伝導性物質を含む塗料を塗装した面の導電性を測定した。測定方法は、三井化学社製の抵抗率計「Loresta−EP/MCP−T360」の四端子法にて、表面処理金属板の表面の抵抗を測定し、以下の基準で評価した。
抵抗率が0.1×10−2Ω未満の場合:○
抵抗率が0.1×10−2以上1.0×10−1Ω未満の場合:△
抵抗率が1.0×10−1Ω以上の場合:×
以下評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
表1に参考例1の評価結果を示す。本発明の金属筐体(参考例−1〜3)は、熱吸収性皮膜中に100℃での熱伝導率が80W/m・K以上の熱伝導性物質を添加することで、熱伝導性物質が未添加のもの(比較例−10)と比べて向上した。また、100℃での熱伝導率が200W/m・K以上の熱伝導性物質を添加したものは、熱伝導率80W/m・K以上200W/m・K未満のものより筐体熱特性に優れるため、より好適であった(参考例−1と参考例−4と比較)。また、皮膜中の熱伝導性物質の添加量が10vol%以上のもの(参考例−1,2)は、10vol%未満のもの(参考例−3)より筐体熱特性に優れより好適であった。
また、熱吸収性顔料の添加量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、5〜50質量部のもの(参考例−7,8)が好適であった。5質量部未満のもの(比較例−9)は、赤外線放射率が7.0未満となり、筐体熱特性が劣るため、不適であった。また、50質量部超のもの(参考例−6)は、加工性や密着性が若干劣っていた。また、参考例1に例示した参考例の表面処理金属板は、両面に導電性を有しているため、金属板の両面でアースを取る事ができ、アースを必要とする電気電子機器の筐体として好適である。
参考例2]
以下、参考例2の実験について詳細を説明する。
まず、参考例2の実験に用いたサンプルの詳細を説明する。
参考例1の参考例−1に用いた塗液(カーボンブラックを添加した熱吸収性皮膜中に銅粉を16vol%添加)を用いて、板厚0.6mmのアルミニウム板(Alと称する。)、板厚0.6mmでアルミめっき付着量が60g/m(アルミ比重換算でめっき厚み22μmに相当)のアルミめっき鋼板(Al鋼板22と称する。)、板厚0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板(EGと称する。)に参考例1と同じ方法及び条件で塗装してサンプルを得た。熱吸収性皮膜は、参考例1の塗装方法と同じで金属板の両面に同じ種類の塗液を塗布し、膜厚も同じとした。なお、アルミニウム板は母材が熱伝導率200W/m・K以上の金属板として用いた。アルミめっき鋼板は母材である金属板の熱伝導率は200W/m・K未満であるが、めっき層の熱伝導率が200W/m・K以上である金属板として用いた。電気亜鉛めっき鋼板は母材である金属板及びめっき層の熱伝導率がいずれも200W/m・K未満の金属板として用いた。
以下、参考例2で作成した筐体金属板の評価試験について詳細を説明する。
参考例1で実施した1)〜5)と同じ評価試験を実施した。ただし、2)筐体熱特性測定試験については、基準となる熱伝導性物質未添加サンプルには、参考例1で作成した比較例−5のサンプルを用いた。
以下、評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
本発明の表面処理金属板で金属板母材に100℃で測定した時の熱伝導率が200W/m・K以上の金属板を用いたもの(参考例−12)、めっき層が熱伝導率200W/m・K以上の金属である金属板を用いたもの(表1の参考例−1)は、金属板母材とめっき層のいずれも200W/m・K未満の金属板を母材に用いたもの(参考例−14)と比べて筐体熱特性に優れる。また、めっき層が熱伝導率200W/m・K以上の金属である金属板を用いたものでも、めっき厚みが50μm以上のもの(表1の参考例−1)は、50μm未満のもの(参考例−13)よりも筐体熱特性に優れるため、好適である。
実施例1
以下、実施例1の実験について詳細を説明する。
まず、実施例1の実験に用いたサンプルの詳細を説明する。
参考例1で作成したクリヤー塗液に熱吸収材として東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック(登録商標)#7350/F」をポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して15質量部添加して熱吸収性皮膜塗液を作成した。次に、前記熱吸収性皮膜塗液中に熱伝導性物質として熱伝導率が398W/m・Kである銅粉を平均粒径が3.0μmとなるように更に粉砕、分級したものを添加した導電性を有する熱吸収性皮膜塗液を作成した。また、カーボンブラックのみを添加した熱吸収性皮膜塗液中に、熱伝導性物質として熱伝導率が200W/m・K以上有する(カタログ値)物質である東洋アルミニウム社製の窒化アルミニウム粉を平均粒径が3.0μmとなるように更に粉砕、分級したものを添加した導電性をもたない熱吸収性皮膜塗液を作成した。なお、導電性を持たない熱吸収性皮膜は当該窒化アルミニウムを皮膜中の体積固形分比率で8vol%添加したものと12vol%添加したものと16vol%添加したものを作製した。以降、窒化アルミニウムを8vol%添加したものを導電性無し(8vol%)、12vol%添加したものを導電性無し(12vol%)、16vol%添加したものを導電性無し(16vol%)と称する。
次に板厚0.6mmでアルミめっき付着量が200g/m(アルミ比重換算でめっき厚み74μmに相当)のアルミめっき鋼板(Al鋼板74と称する。)に参考例1と同じ方法で塗装してサンプルを得た。熱吸収性皮膜は片面に導電性を有する熱吸収性皮膜塗液と他方の面に導電性をもたない熱吸収性皮膜塗液を塗装したものと両面に熱吸収性を持たない熱吸収性皮膜塗液を塗布したものを作成した。
次に、実施例1の評価試験方法の詳細を説明する。
参考例1で実施した1)〜5)と同じ評価試験を実施した。ただし、2)筐体熱特性測定試験については、基準となる熱伝導性物質未添加サンプルには、参考例1で作成した比較例−5のサンプルを用いた。また、片面に導電性を有する皮膜、他方の面に導電性をもたない皮膜を塗布したサンプルについては、両方の面について評価を行なった。
以下、評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
本発明の表面処理金属板は、片面の熱吸収性皮膜が導電性を有して他方の面の皮膜が導電性を有していないもの(本発明例−15)でも、両面の皮膜が導電性を有していないもの(参考例−16〜18)でもいずれも筐体熱特性に優れ好適である。しかし、前者は、筐体カバー片面でアースをとり、他方の面では絶縁しなければならない電気電子機器の筐体カバーに用いることができるため、より好適である。
参考例3
以下、参考例3の実験について詳細を説明する。
まず、参考例3の実験に用いたトップ塗料について詳細を説明する。
参考例3では、バインダー樹脂として東洋紡績社製の「バイロン(登録商標)650(Tg:10℃、数平均分子量:23000、比重:1.21)」、「バイロン(登録商標)GK130(Tg:15℃、数平均分子量:7000、比重:1.25)」、「バイロン(登録商標)BX1001(Tg:−18℃、数平均分子量:28000、比重:1.19)」、「バイロン(登録商標)600(Tg:47℃、数平均分子量:7000、比重:1.25)」を用いた。更に、架橋剤として、アミノプラスト樹脂「サイメル(登録商標)303」と住化バイエルウレタン社製のイソシアネート「デスモジュール(登録商標)BL4265SN(比重:1.03)」を用いた。アミノプラスト樹脂を使用する場合は、参考例1で用いた触媒を用いた、触媒やアミノプラスト樹脂の添加量も参考例1と同じにした。イソシアネートを硬化剤に使用する場合は、ポリエステル樹脂のOH基当量とイソシアネートのNCO基当量が同じとなるように添加した。その他、クリヤー塗料の作製方法は、参考例1と同じにした。
次に、作製したクリヤー塗料に、参考例1の参考例−1と同じ熱吸収材と熱伝導性物質及びフッ素系ワックスを添加して熱吸収性皮膜塗液を作成した。熱吸収材や熱導電性物質の種類及び添加量も同じとした。参考例3では必要に応じてフッ素系ワックスを添加しないもの、ポリエチレン系ワックスを添加したものも作成した。ポリエチレンワックスの添加量はフッ素系ワックスを添加したときと同じ量とした。
以下、参考例3の実験に用いた表面処理金属板について詳細を説明する。
参考例1で使用した原板を用いて、参考例1と同じ方法、同じ条件で表面処理金属板サンプルを作成した。
以下、参考例3で作成した表面処理金属板の評価試験について詳細を説明する。
参考例1で実施した1)〜5)と同じ評価試験を実施した。
以下参考例3の評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
本発明の金属筐体に被服する熱吸収性皮膜のバインダー樹脂においては、一般に公知のバインダー樹脂を用いても良いが、数平均分子量5000〜25000、ガラス転移温度10〜35℃であるポリエステル樹脂をアミノプラスト樹脂もしくはイソシアネートで架橋したもの(参考例−19〜23)であると加工性や密着性に優れ好適である。ガラス転移温度が10℃未満で数平均分子量が25000超の樹脂を用いたもの(参考例−24)は皮膜密着性に劣り、ガラス転移温度が35℃超で数平均分子量が5000未満のもの(参考例−25)や数平均分子量は5000〜25000であるがガラス転移温度が35℃超のもの(参考例−26)は加工性に劣る傾向がある。更に、熱吸収性皮膜中にフッ素系ワックスを添加しなかったもの(参考例−22)やポリエチレン系ワックスを添加したもの(参考例−23)はプレス加工時の塗膜密着性(塗膜カジリ性)が低下する傾向である。
参考例4
以下、参考例4の実験について詳細を説明する。
まず、参考例4の実験に用いたサンプルの詳細を説明する。
参考例1で作成したクリヤー塗液に熱吸収材として東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック(登録商標)#7350/F」をポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して15質量部添加して熱吸収性皮膜塗液を作成した。次に、熱伝導率が398W/m・Kである銅粉を粉砕、分級して平均粒径2μm、3μm、4μmとした銅粉微粒子を前記熱吸収性皮膜塗液中に熱伝導性物質として添加した。添加量は何れも熱吸収性皮膜中に体積濃度で16vol%とした。
次に板厚0.6mmでアルミめっき付着量が200g/m(アルミ比重換算でめっき厚み74μmに相当)のアルミめっき鋼板(Al鋼板74と称する。)に参考例1と同じ方法で塗装してサンプルを得た。参考例4では必要に応じて熱吸収性皮膜の膜厚を変化させた。
次に、参考例4の評価試験方法の詳細を説明する。
参考例1で実施した1)〜5)と同じ評価試験を実施した。
以下参考例4の評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
本発明の熱吸収性皮膜に添加する熱導電性物質は、平均粒径Dが熱吸収性皮膜の膜厚tに対して0.8t≦D≦1.2tの範囲を満たすもの(参考例−27,28,31)は、0.8t≦D≦1.2tの範囲を満たさないもの(参考例−29,30,32,33)と比べて筐体の熱特性に優れる傾向であるため、より好適である。
参考例5
以下、参考例5の実験について詳細を説明する。
まず、参考例5の実験に用いたトップ塗料について詳細を説明する。
東洋紡社製の非晶性ポリエステル樹脂である「バイロン(登録商標)GK140」(Tg:20℃、数平均分子量:13000、以降、ポリエステルと称する。)に、架橋剤と触媒を添加してクリヤー塗料を作製した。ポリエステル樹脂は、ペレット状態の樹脂を溶剤に溶解して用いた。溶剤は、シクロヘキサノンとソルベッソ150を質量比で[シクロヘキサンノン]:[ソルベッソ150]=1:1で種混合したものを用いた。架橋剤は、アミノプラスト樹脂である三井サイテック社製の完全アルキル型メチル化メラミン樹脂「サイメル(登録商標)303」を用い、ポリエステル樹脂固形分100質量部に対して、アミノプラスト樹脂固形分が20質量部となる様にてんかした。触媒は、三井サイテック社製の揮発性塩基性物質で中和したタイプである「キャタリスト602」を用い、ポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂の合計固形分を100質量部に対して、0.5質量部添加した。
次に、作製したクリヤー塗料に、熱吸収性物質として東海カーボン社製のカーボンブラック「トーカブラック(登録商標)#7350/F」を添加して熱吸収性塗料を作製した。熱吸収性物質の添加量はポリエステル樹脂の固形分比率で100質量部に対して60質量部添加した。更に、作製した熱吸収性塗料にはBYK−Chemi社製のレベリング剤「BYK(登録商標)325」を塗料に対して0.3mass%添加したものとレベリング剤を一切添加しないものとを作製した。以降、作製した塗料のうち、レベリング剤を添加したものを「吸熱塗料レベリング剤あり」、レベリング剤を添加しなかったものを「吸熱塗料レベリング剤なし」と称する。
次に作製したクリヤー塗料に熱伝導性物質として熱伝導率が398W/m・Kである銅粉を平均粒径が5μm、10μm、15μmとなるように更に粉砕、分級したものを添加して熱伝導性塗料を作製した。熱伝導性物質についてはポリエステル100質量部に対して178質量部添加した。なお、ポリエステル樹脂の比重を1.25(カタログ値)、アミノプラスト樹脂の比重を1.2(カタログ値)、カーボンブラックの比重を1.85(文献値)、Ni粒の比重を8.9(文献値)として熱伝導性塗料中の熱伝導性物質の体積濃度を計算すると、16vol%となる。なお、作製した熱伝導性塗料にはレンベリング剤は添加しなかった。以降、作製した塗料のうち、添加した熱伝導性物質の粒径が5μmのもの、10μmのもの、15μmのものをそれぞれ「伝熱塗料5μm」、「伝熱塗料10μm」、「伝熱塗料15μm」と称する。
以下、参考例5の実験に用いた金属板について詳細を説明する。
板厚0.6mmでアルミめっき付着量が60g/m(アルミ比重換算でめっき厚み22μmに相当)のアルミめっき鋼板(Al鋼板22と称する。)を原板として準備した。次に、準備した原板を日本パーカライジング社製のアルカリ脱脂液「FC−4336」の3質量%濃度、50℃水溶液にてスプレー脱脂し、水洗後、乾燥した後に、日本パーカライジング社製のクロメートフリー化成処理である「CT−E300N」をロールコーターにて塗布し、熱風オーブンにて乾燥させた。熱風オーブンでの乾燥条件は、金属板の到達板温で60℃とした。クロメートフリー処理の付着量は、全固形分で200mg/m付着するように塗装した。
次に、化成処理を施した金属板の両方の面に、作製した塗液をスライドホッパータイプ多層同時塗布型カーテンコーターを用いて、下層に熱伝導性塗料、上層に熱吸収性塗料が積層されるように多層同時塗装した。塗装時の塗料粘度はフォードカップにて測定して約100秒となるように各塗料の溶剤量を調整した。膜厚は、スライドホッパー型カーテンコーターからの塗料の塗出流量と板のカーテン通過速度、及び塗料の固形分濃度から計算して、乾燥後の膜厚が下層の熱伝導性皮膜が8μm、上層の熱吸収性皮膜が2μm、合計で10μmとなるように塗装した。塗装後は積層した塗膜を熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で乾燥硬化した。そして、乾燥硬化後に、塗装された金属板へ水をスプレーにて拭きかけ、水冷することでサンプル金属板を作成した。以降、本方法を「2C1B」と称する。
また、比較として、金属板の両面にロールコーターにて下層として熱伝導性塗料を塗装し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で乾燥硬化した後に、更にその上に上層として熱吸収性塗料を塗布し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉にて金属板の到達板温が230℃となる条件で乾燥硬化した。そして、乾燥硬化後に、塗装された金属板へ水をスプレーにて拭きかけ、水冷することでサンプル金属板を作成した。以降、本方法を「2C2B」と称する。作製したサンプル金属板の下層の熱伝導性皮膜の膜厚は8μm、上層の熱収性皮膜の膜厚は2μmとした。なお、各膜厚はKET社製の電磁膜厚計「LE−200J」にて測定した。
以下参考例5の評価結果の詳細について述べる。
作製したサンプル金属板の塗膜層の断面を光学顕微鏡にて観察することで、皮膜中の断面方向の熱吸収性物質の存在状態(濃化度合)を確認した。そして、積層した皮膜の膜厚方向の中心t/2の位置より表層側の上層に熱吸収性物質が濃化し、且つ、中心t/2の位置より表層側の上層に広く熱吸収性物質が存在している場合を○、積層した皮膜の膜厚方向の中心t/2の位置より表層側の上層に熱吸収性物質が濃化しているが、最表層付近にのみ熱吸収性物質が存在している場合を△、金属との界面付近まで熱吸収性物質が存在し、積層皮膜のほぼ全体に熱吸収性物質が均一分布している場合を×と評価した。
次に、参考例1で実施した1)〜5)と同じ評価試験を実施した。
以下、参考例5で作成した表面処理金属板の評価試験について詳細を説明する。
表6に作製した金属板サンプルの詳細とこれらを評価した結果を記載する。
Figure 0005309699
本発明の皮膜中に添加した熱伝導性物質の粒径が0.8t≦D≦1.2tであるサンプル(参考例−34)は、粒径D<0.8tのサンプル(参考例−36)より熱特性や導電性に優れ、粒径D>1.2であるサンプル(参考例−37)より熱特性や加工性に優れる傾向であった。上層塗膜にレベリング剤を添加しなかったために上層塗膜の熱吸収性物質が塗膜の最下層部まで拡散してしまったもの(参考例−35)は、熱伝導性物質の下に熱吸収性物質が隠れてしまうため、参考例−34より放射率が低くなり、熱特性も低下する傾向であった。また、2C2Bで塗布したもの(参考例−38)は、皮膜の中心t/2の位置より表層側の上層に熱吸収性物質が濃化するものの、上層皮膜から下層皮膜への熱吸収性物質の拡散が起こらないため、上層皮膜部のみに熱吸収性物質が高い含有比率で存在するため、皮膜が脆くなり、参考例−34より加工性、密着性が低下する傾向であった。
参考例6
以下、参考例6の実験について詳細を説明する。
まず、参考例6の実験に用いたサンプルについて詳細を説明する。
参考例1で作成した参考例−1と比較例−5の表面処理金属板を用いて、これを市販の42インチの液晶テレビ/地上波デジタル対応型のバックカバーとほぼ同じ形状に成形加工したものをサンプルとして用いた。なお、42インチ液晶テレビのバックカバーは樹脂製であったため、これを取り外して、形状を測定して図面化した後に、プレス機にて表面処理金属板を用いて同じ形状のものを作成した。
以下、参考例6の評価方法の詳細を説明する。
参考例6では、先ず、市販の液晶テレビに付属の樹脂製バックカバーを取り外し、この代わりに作成した金属製バックカバーを取付けた。また、金属製バックカバーを取付ける際に液晶テレビ内の地上波デジタルチューナー回路上10mmの位置に熱電対を固定した。次に液晶テレビに内臓された地上波デジタル放送チューナーに地上波デジタル用UHFアンテナからの同軸ケーブルを接続し、更に電源を入れた後、地上波デジタルのハイビジョン放送を受信してハイビジョン画像を画面に映し出した。そして、電源投入して1時間後の熱電対の温度をデジタル温度計で測定し、以下の基準で評価した。
比較例−5の金属板を用いたバックカバーのときより温度が2℃以上低いとき:○
比較例−5の金属板を用いたバックカバーのときより温度が1〜2℃低いとき:△
比較例−5の金属板を用いたバックカバーのときとの温度差が1℃未満のとき:×
以下評価結果の詳細について述べる。
Figure 0005309699
本発明の金属板で作成したカバーを用いた内部に熱源を有する電気電子機器(参考例−39)は、熱吸収性皮膜に熱伝導性物質を含まないものを用いた電気電子機器(比較例−41)と比べて機器内部の温度が低くなり、好適である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
筐体の熱特性試験方法を説明するための説明図である。 ドロービード試験方法を説明するための説明図である。
符号の説明
1 試験筐体
2 熱吸収性金属板
3 ヒーター
4 温度コントローラー
5 熱電対
6 デジタル温度計

Claims (11)

  1. 金属板の両面に100℃で80W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性物質を含有し、且つ、赤外線放射率0.7以上である熱伝導性と熱吸収性とを有する皮膜を被覆し、
    且つ、一方の面が導電性を有し、他方の面が導電性を有していないことを特徴とする、表面処理金属板。
  2. 前記金属板が、100℃で200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. 前記金属板がめっきされた金属板であり、
    且つ、前記めっきされた金属板のめっき層が100℃で200W/m・K以上の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする、請求項1に記載の表面処理金属板。
  4. 前記表面処理金属板の前記熱吸収性皮膜中に含有する熱伝導性物質の熱伝導率が、200W/m・K以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理金属板。
  5. 前記表面処理金属板の前記熱吸収性皮膜中に含有される前記熱伝導性物質の添加量が、前記熱吸収性皮膜中の体積濃度で10vol%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理金属板。
  6. 前記表面処理金属板の前記熱伝導性物質を含む前記熱吸収性皮膜が導電性顔料を含み、導電性を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理金属板。
  7. 前記他方の面に被覆された皮膜には、導電性を有しない顔料として、窒化アルミニウムが含まれていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理金属板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性とを有する皮膜の膜厚をtとしたとき、
    前記皮膜中に添加する熱伝導性物質の粒径が0.8t≦D≦1.2tであり、
    且つ、前記皮膜の膜厚方向の中心t/2の位置より表層側の上層に、熱吸収性物質が濃化していることを特徴とする、表面処理金属板。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜が予め被覆された表面処理金属板を成形加工して得られる、内部に熱源を有する金属製筐体。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性と熱吸収性を有する皮膜が予め被覆された表面処理金属板を成形加工して得られる、内部に熱源を有する金属製カバー。
  11. 請求項9に記載の金属性筐体または請求項10に記載の金属製カバーの少なくとも一方を有し、
    且つ、筐体もしくはカバー内部の熱源が電気電子回路であることを特徴とする、電気電子機器。
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