JP2005271572A - 電磁波吸収性及び加工性に優れた電子機器部材用樹脂塗装金属板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属板の裏面または表裏面(ここで、裏面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板の内側を意味し、表面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板から見て外気側を意味する)に、20〜60%(質量%の意味、以下、同じ)の磁性粉末を含有する磁性塗膜が、厚さ:3〜50μmで被覆されたものである電子機器部材用樹脂塗装金属板である。
【選択図】 図1
Description
これは、金属板の裏面または表裏面(ここで、裏面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板の内側を意味し、表面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板から見て外気側を意味する)に、20〜60%(質量%の意味、以下、特に明記しない限り、「%」とは「質量%」を意味する)の磁性粉末を含有する磁性塗膜が、鋼板表面に厚さ:3〜50μmで被覆された塗装板である。
これは、上記第一の塗装体において、下記(II-1)または(II-2)を満足しており、且つ、下記(II-3)を満足する塗装板である。
(II-1-i)該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、カーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面には、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有するか;或いは、
(II-1-ii)該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面には、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有している。
(II-2-i)該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも一方には、カーボンブラック(好ましい平均粒径は5〜100nmである)を1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面には、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有するか、或いは、
(II-2-ii) 該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも一方には、酸化チタンを30%以上含有しており、酸化チタンを含有しない面には、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有している。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
これは、上記第一の塗装体において、下記(III-1)または(III-2)を満足しており、且つ、下記(III-3)を満足する塗装板である。
該表面の放熱塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しており、
該裏面の磁性塗膜は、更に放熱性添加剤を1%以上含有しても良いか;または
(III-2)金属板の両面に前記磁性塗膜が被覆されており、
該表面の磁性塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しており、
該裏面の磁性塗膜は、更に放熱性添加剤を1%以上含有しても良い。
b≦0.9(a−0.05) … 式(2)
(a−0.05)×(b−0.05)≧0.08… 式(3)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
これは、上記第一の塗装体において、下記(IV-1)または(IV-2)を満足しており、且つ、下記(IV-3)及び(IV-4)を満足する塗装板である。
該金属板の表面には、黒色添加剤を含有する黒色塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
このうち少なくとも表面の磁性塗膜は、黒色添加剤を含有する黒色磁性塗膜であり、
該表面の黒色磁性塗膜には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、
該裏面には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良い。
これは、上記第一の塗装体において、下記(V-1)または(V-2)を満足しており、且つ、下記(V-3)〜(V-5)を満足する塗装板である。
該金属板の表面に、1μm超の放熱塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、
(V-1-i)該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、少なくともカーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面は、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有しているか;或いは
(V-1-ii)該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、少なくとも酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面は、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有している。
(V-2-i)該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも片面は、カーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面は、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有しており、
少なくとも表面の放熱性磁性塗膜に、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されているか;或いは
(V-2-ii)該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも片面は、酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面は、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有しており、
少なくとも表面の放熱性磁性塗膜に、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
(V-4)該樹脂塗膜の膜厚は0.5〜10μmであり、且つ、該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量は、合計で1〜25%である。
これは、上記第一の塗装体において、下記(VI-1)または(VI-2)を満足しており、且つ、下記(VI-3)〜(VI-5)を満足する塗装板である。
該金属板の表面には、黒色添加剤を1%以上含有する1μm超の黒色放熱塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されているか;または
(VI-2)金属板の両面に前記磁性塗膜が被覆されており、
該表面の磁性塗膜は、黒色添加剤を1%以上含有する1μm超の黒色放熱性磁性塗膜であり、
裏面の磁性塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しても良く、
このうち少なくとも表面の黒色放熱性磁性塗膜は、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
b≦0.9(a−0.05) … 式(2)
(a−0.05)×(b−0.05)≧0.08… 式(3)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
(I)電磁波吸収性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板(第一の塗装体)
(II)上記(I)の塗装体において、更に放熱性に優れた樹脂塗装金属板
(第二の塗装体)
(III)上記(I)の塗装体において、更に放熱性及び自己冷却性に優れた塗装体
(第三の塗装体)
(IV)上記(I)の塗装体において、更に耐疵付き性及び耐指紋性に優れた塗装体
(第四の塗装体)
(V)上記(I)の塗装体において、放熱性、耐疵付き性及び耐指紋性に優れた
樹脂塗装金属板(第五の塗装体)
(VI)上記(I)の塗装体において、放熱性、自己冷却性、耐疵付き性、及び
耐指紋性に優れた樹脂塗装金属板(第六の塗装体)
まず、上記(I)について説明する。
本発明の第一の塗装体は、金属板の裏面または表裏面(ここで、裏面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板の内側を意味し、表面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板から見て外気側を意味する)に、20〜60%の磁性粉末を含有する磁性塗膜が、厚さ:3〜50μmで被覆されたものであるところに特徴がある。
本発明で用いる磁性粉末(電磁波吸収添加剤)は特に限定されず、代表的には軟磁性フェライト粉末や磁性金属粉末等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても構わない。
更に本発明では、上記磁性塗膜の膜厚を3〜50μmとする。上記膜厚が3μm未満、及び50μm超では曲げ加工性、皮膜密着性および耐食性が低下してしまう。好ましい膜厚は、使用する磁性粉末の種類や添加量等によっても変化し得るが、概ね、4μm以上、40μm以下;より好ましくは5μm以上、30μm以下である。
上記第二の塗装体は、前述した基本思想をベースとしてなされたものであり、前述した第一の塗装体において、上記(II-1)または(II-2)を満足しており、且つ、上記(II-3)を満足することにより放熱性が高められたところに特徴がある。
この場合、裏面には3〜50μmの磁性塗膜が形成されている。従って、所望の放熱特性を得る為にはまず、反対側の表面に、1μm超の放熱塗膜を被覆することが必要であり(これにより、表裏面に塗膜が形成されることになる)、且つ、表裏面を放熱塗膜とする為に、各塗膜には、放熱性を有する添加剤(放熱性添加剤)を添加することが必要である[図9(a)を参照]。尚、図9中、21は磁性粉末、22は金属板、23は放熱性添加剤である。
カーボンブラックは、優れた放熱性を有する黒色添加剤であり、本発明では所望の放熱特性を得る為に、磁性塗膜または放熱塗膜のうち少なくとも片面が、カーボンブラックを含有していることが推奨される。
上記第二の塗装体では、カーボンブラックの代わりに酸化チタンを使用しても良い。酸化チタンは、カーボンブラックに次いで放射率の高い放熱性添加剤だからである。
上記(II-1-i)及び(II-1-ii)のいずれにおいても、表面の放熱塗膜の膜厚は、1μm超とすることが必要である。この下限は、所望の放熱特性を確保する為に定められたものであり、上記膜厚が1μm未満では、放熱性添加剤を多く添加しても所望の放熱特性が得られない。好ましい下限は順に、3μm、5μm、7μm、10μmである。
この場合、表裏面には3〜50μmの磁性塗膜が形成されている。所望の放熱特性を得る為には、上記磁性塗膜を放熱塗膜とすることが必要であり、その為には、各塗膜に放熱性添加剤を添加することが必要である[図9(b)を参照]。
式中、a及びbは、金属板の表裏面に塗膜が被覆された塗装体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率において、表面の赤外線積分放射率a、裏面の赤外線積分放射率bを夫々、意味する。
装置:日本電子(株)製「JIR−5500型フーリエ変換赤外分光
光度計」及び放射測定ユニット「IRR−200」
測定波長範囲:4.5〜15.4μm
測定温度:試料の加熱温度を100℃に設定する
積算回数:200回
分解能 :16cm-1
ε(λ) :波長λにおける試料の分光放射率(%)
E(T) :温度T(℃)における試料の積分放射率(%)
M(λ,T) :波長λ、温度T(℃)における試料の分光放射強度
(実測値)
A(λ) :装置関数
KFB(λ) :波長λにおける固定バックグラウンド(試料によって
変化しないバックグラウンド)の分光放射強度
KTB(λ,TTB):波長λ、温度TTB(℃)におけるトラップ黒体の
分光放射強度
KB(λ,T) :波長λ、温度T(℃)における黒体の分光放射強度
(ブランクの理論式からの計算値)
λ1,λ2 :積分する波長の範囲
を夫々、意味する。
M160℃(λ,160℃):
波長λにおける160℃の黒体炉の分光放射強度(実測値)
M80℃(λ,80℃):
波長λにおける80℃の黒体炉の分光放射強度(実測値)
K160℃(λ,160℃):
波長λにおける160℃の黒体炉の分光放射強度
(ブランクの理論式からの計算値)
K80℃(λ,80℃):
波長λにおける80℃の黒体炉の分光放射強度
(ブランクの理論式からの計算値)
を夫々、意味する。
KTB(λ,TTB)=0.96×KB(λ,TTB)
式中、KB(λ,TTB)は、波長λ、温度TTB(℃)における黒体の
分光放射強度を意味する。
上記第三の塗装体は、前述した基本思想をベースとしてなされたものであり、上記第一の塗装体において、上記(III-1)または(III-2)を満足しており、且つ、上記(III-3)を満足することにより放熱性及び自己冷却性が高められたところに特徴がある。
この場合、裏面には3〜50μmの磁性塗膜が形成されている。従って、所望の放熱特性及び自己冷却性を得る為にはまず、反対側の表面に、1μm超の放熱塗膜を被覆することが必要であり(これにより、表裏面に塗膜が形成されることになる)、且つ、少なくとも表面を放熱塗膜とする為に、当該塗膜には放熱性添加剤を含有することが必要である。また、所望の自己冷却性を確保する為には、表面の赤外線放射率は裏面に比べ、高くして上式(2)を満足することが必要であり、且つ、放熱特性は、少なくとも上式(3)を満足することが必要である。
b≦0.9(a−0.05) … 式(2)
(a−0.05)×(b−0.05)≧0.08… 式(3)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
上式(2)は、裏面の赤外線放射率に比べ、表面の赤外線放射率を高くし、塗装体に吸収された熱を外気側へ移動させる放熱効果を示す指標として定めたものであり、塗装体自体の温度上昇を抑制する「自己冷却性」の指標として有用である。上式は、「金属板の裏面(電子機器内部側)に比べ、金属板の表面(外気側)の赤外線放射率を高くした塗膜を施すことにより、塗装体自体の温度上昇を抑制しよう」という思想のもと、所望の自己冷却性(後記するΔT2で0.5℃以上)を確保できる表面・裏面の赤外線放射率の関係式を特定したものである。
上式(3)は、第三の塗装体における放熱特性の指標を、表裏面の赤外線積分放射率の積によって特定したもので、左辺[(a−0.05)×(b−0.05)]の計算値R値が大きい程、放熱特性に優れていることを示す。
上記第四の塗装体は、上記第一の塗装体において、上記(IV-1)または(IV-2)を満足しており、且つ、上記(IV-3)〜(IV-4)を満足することにより、耐疵付き性及び耐指紋性が高められたところに特徴がある。
この場合、表面は、黒色添加剤を含有する黒色塗膜と、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜の二層構成とする[図10(a)]。この様な二層塗膜とすることにより、所望の耐疵付き性及び耐指紋性が発揮される。尚、図10中、24は白色顔料/光輝顔料である。
本発明における「黒色塗膜」とは、黒色添加剤を含有する塗膜を意味する。上記黒色添加剤としては、要するに黒色に着色し得るものであれば特に限定されず、種々の黒色添加剤が挙げられる。前述した通り、上記第四の塗装体では、黒色金属板における耐疵付き性等を改善する為に、当該黒色金属板における黒色側表面の一方または両方に、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する所定の樹脂塗膜を被覆したところに特徴があり、黒色塗膜自体については限定する趣旨はないからである。本発明に用いられる黒色添加剤としては、代表的にはカーボンブラックが挙げられるが、その他、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mo,Ag,Sn等の酸化物、硫化物、カーバイドや黒色の金属微粉等を使用することもできる。
この場合は、少なくとも表面の磁性塗膜を、黒色添加剤を含有する黒色磁性塗膜とし、当該表面の黒色磁性塗膜には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、該裏面には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良い。
本発明では、上記樹脂塗膜の膜厚を0.5〜10μm、当該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量を、合計で1〜25%とする。これらの範囲を外れたものは、所望の耐疵付き性及び耐指紋性が得られないことを、後記する実施例により確認している。
本発明の樹脂塗装金属板は、上述した構成からなるものであり、当該樹脂塗装金属板の色調は、日本電色株式会社製色差計(SZS−Σ90)で測定したL値が44.0〜60.0を満足するものである。ここでL値は、小さい程白色度が大きい(黒い)ことを意味している。
上記第五の塗装体は、上記第一の塗装体において、上記(V-1)または(V-2)を満足しており、且つ、前述した(V-3)[前記(II-3)と同じ]を満足することにより放熱性が高められており;前述した(V-4)及び(V-5)[前記(IV-3)及び(IV-4)と同じ]を満足することにより、耐疵付き性及び耐指紋性が高められたところに特徴がある。
この様に上記第五の塗装体は、電磁波吸収性向上の為に要求される要件と、放熱性向上の為に要求される要件と、耐疵付き性及び耐指紋性の向上の為に要求される要件を勘案して定められたものである。
上記第六の塗装体は、前述した第一の塗装体において、上記(VI-1)または(VI-2)を満足しており、且つ、上記(VI-3)及び(VI-4)[前述した(III-3)及び(III-4)と同じ]を満足することにより、放熱性及び自己冷却性が高められており;上記(IV-5)及び(IV-6[前述した)(IV-3)及び(IV-4)]を満足することにより、耐疵付き性及び耐指紋性が高められたところに特徴がある。
この様に上記第六の塗装体は、電磁波吸収性向上の為に要求される要件と、放熱性及び自己冷却性向上の為に要求される要件と、耐疵付き性及び耐指紋性の向上の為に要求される要件を勘案して定められたものであり、その結果、前述した要件を定めた次第である。その詳細は前述した通りである。
本実施例では、金属板の表裏面に、表1及び2に示す種々の磁性粉末、導電性付与材剤(Ni)及び黒色添加剤(カーボンブラック)を添加したときにおける電磁波吸収性、加工性、放熱性、導電性、及び加工性を調べた。
そのI[電磁波吸収性(A)]
図2は、塗装金属板における電磁波吸収性能を評価する方法を説明する為の図である。直方体形状の筐体1内に、高周波ループアンテナ5を設置し、磁界結合させるように構成されている。この高周波ループアンテナ5は、コネクタ(図示せず)を介して同軸ケーブル6の一端に接続され、同軸ケーブル6の他端はネットワークアナライザ7に接続されている。ネットワークアナライザ7では、周波数を掃引しながら電磁波を発生し、同軸ケーブル6、高周波ループアンテナ5を経由して筐体1内に入力(高周波入力波:矢印B)するようにされている。筐体1の共振周波数では、入力された電磁波が蓄積されるために、反射量が少なくなる特性が観察される(図3参照)。そして、この高周波反射波は、観察値としてネットワークアナライザ7に入力(高周波反射波:矢印C)される。
Q値=fr/Δf ‥‥(1)
Hz=H011・cos(ky・y)・sin(kz・z)
Hy=(−kz・ky/kc 2)・H011・sin(ky・y)・cos(kz・z)
Ex=(−jωμky/kc 2)・H011・sin(ky・y)・sin(kz・z)
ここで、ky=π/b、kz=π/c、kc=kyである。b、cは図4の直方体(筐体1)のy、z方向の長さ、jは虚数、ωは各周波数、μは空気の透磁率を夫々示す。
上述したQ値測定方法(そのI)では、測定装置の内面の全表面積に対して、サンプル鋼板の占める面積割合が約30%程度であり、サンプル鋼板による電磁波吸収効果が小さくなって、その効果が分かり難いことがあった。そこで、サンプル鋼板の内面に占める割合を100%近くまで(即ち、筐体内面の全面まで)高めることのできる筐体を作製した。
サンプル鋼板の電磁波吸収性(dB)=10×log10([EG]/[A])
但し、[EG]:基板となる電気亜鉛めっき鋼板のQ値
[A] :サンプル鋼板のQ値:
導電性測定装置として三菱化学社製「ロレスタEP」、プローブは三菱化学社製4探針プローブ(ESPプローブ:MCP−TPO8P)を使用し、サンプルの抵抗率を測定した。本発明では、下記評価基準に基づいた結果が◎または○のものを「本発明例」として評価する。
[評価基準]
◎:0.1mΩ未満
○:0.1〜1Ω未満
△:1〜106Ω未満
×:106Ω以上
JIS K 5400に準拠した耐屈曲性試験(180°密着曲げ試験)を行ない、試験後の皮膜の割れ(クラック)およびテーピング後の皮膜の剥離程度を目視にて観察し、下記の基準で評価した。本発明では、下記評価基準に基づいた結果が◎、○または△のものを「本発明例」として評価する。
[評価基準]
◎:異常なし
○:僅かにクラック、剥離あり
△:クラック、剥離あり
×:クラック、剥離全面発生
表面・裏面の放熱特性を調べる目的で、前述した方法に基づいて表面・裏面の赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率を測定すると共に、下記方法により、ΔT1で示される放熱性を評価した。
ΔT1は、金属板(黒色塗膜が被覆されていない/黒色下地処理されていない裸ままの原板)を用いた場合に比べ、本発明塗装体を用いた場合には、如何に電子機器の内部温度を低減できるかという指標を定めたものであり、本発明では、ΔT1を測定する装置として、特に、図4に示す独自の放熱性評価装置を用いた。図4の装置は、電子機器等の用途で想定される雰囲気温度(電子機器部材の種類等によって雰囲気温度は異なるが、概ね50〜70℃、最高で100℃程度)の放熱特性を評価し得る装置として極めて有用であり、これにより、電子機器用途を模擬した実用レベルでの放熱効果を正しく評価することが可能となる。
◎:3.5≦ΔT1
●:2.7≦ΔT1<3.5
○:1.5≦ΔT1<2.7
△:1.0≦ΔT1<1.5
×:ΔT<1.0
これらの結果を、磁性塗膜構成と共に下記表1、及び2に示す。
本実施例では、金属板の裏面または両面に、表3に示す種々の磁性粉末(A〜E)及び放熱性添加剤(H〜J)、必要に応じて導電性付与材剤[Ni(平均粒径15〜20μm)]を添加した塗膜を形成したときにおける電磁波吸収性、加工性、放熱性、及び導電性を調べた。このときの電磁波吸収性は、実際に電子機器に適用される場合の状態に合わせるため、裏面を評価した。
[磁性粉末]
A:Ni−Zn系軟磁性フェライト
[戸田工業(株)製BSN−125、平均粒径13.0μm]
B:Mn−Zn系軟磁性フェライト
[戸田工業(株)製KNS−415、平均粒径9.9μm]
C:パーマロイ(78%Ni)
[日本アトマイズ加工(株)製SFR−PC78、平均粒径5.7μm]
D:パーマロイ(45%Ni)
[日本アトマイズ加工(株)製SFR−PB45、平均粒径5.8μm]
E:センダスト
[日本アトマイズ加工(株)製SFR−FeSiAl(84.5-10-5.5)、
平均粒径6.9μm]
[放熱性添加剤]
H:カーボンブラック
[三菱化学製「三菱カーボンブラック」、平均粒径25nm]
I:酸化チタン [テイカ(株)製JR301、平均粒径0.3μm]
J:Alフレーク
[昭和アルミパウダー(株)製LB584、平均粒径25μm]
ΔT2(=T2B−T2A)は、金属板(塗膜が被覆されていない裸ままの原板)を用いた場合に比べ、本発明塗装体を用いた場合には、電子機器稼動時における塗装体自体の温度上昇を如何に抑えられるかという指標(自己冷却性)を定めたものであり、図7に示す独自の放熱性評価装置を用いて算出した。
◎:1.5≦ΔT2
○:0.5≦ΔT2<1.5
×:ΔT2<0.5
本実施例では、金属板の裏面または両面に、表5に示す種々の磁性粉末(実施例2のA、C、E)及び放熱性添加剤(実施例2のH)、必要に応じて導電性付与材剤(実施例2のNi)を含有する磁性塗膜;並びに光輝顔料としてパール顔料(メルクジャパン製Iriodin111WII、平均粒径15μm以下)、必要に応じて導電性付与材剤(実施例2のNi)を含有する樹脂皮膜を形成したときにおける電磁波吸収性、加工性、放熱性、自己冷却性、導電性、耐疵付き性、及び耐指紋性を調べた。
図11に、本実施例で行なった耐疵付き性試験の概略図を示す。まず、上記供試材を50×100mmにカットし、その表面(樹脂塗膜が施されている側)における耐疵付き性試験を調べる目的で、サンドペーパー(#2400、20×20mm)に500gのおもり(直径50mmの円柱)をかけた状態にて、供試材の長さ方向(100mm)にわたって合計50往復摺動した後、摺動部の外観変化(疵)を下記基準で目視評価した。本発明の第一の塗装体では、◎、●及び○の供試材を「本発明例」と評価している。
◎:疵が殆ど目立たない
●:疵が目立ち難い
○:疵がやや目立つ
×:疵が目立つ
ワセリンを手に十分なじませてから各供試材に指紋を付け、指紋の目立ち易さを下記基準にて目視評価した。本発明の第一の塗装体では、◎、●及び○の供試材を「本発明例」と評価している。
◎:指紋が殆ど目立たない
●:指紋が僅かに目立つ
○:指紋が若干目立つ
×:指紋が目立つ
本実施例では、金属板の裏面または両面に、表7に示す種々の磁性粉末(実施例2のA、C、及びD)及び黒色添加剤(実施例2のカーボンブラック)、必要に応じて導電性付与材剤(実施例2のNi)を含有する磁性塗膜;並びに表7に示す種々の白色顔料/光輝顔料、必要に応じて導電性付与材剤(実施例2のNi)を含有する樹脂皮膜を形成したときにおける電磁波吸収性、加工性、導電性、耐疵付き性、及び耐指紋性を調べた。
X:パール顔料 (メルクジャパン製Iriodin111WII、平均粒径15μm以下)
Y:酸化チタン [テイカ(株)製JR301、平均粒径0.3μm]
Z:Alフレーク[昭和アルミパウダー製LB584、平均粒径25μm]
この様にして得られた各塗装金属板における電磁波吸収性、導電性、耐疵付き性、及び耐指紋性について、実施例3と同様にして評価した。このときの電磁波吸収性は、実際に電子機器に適用される場合の状態に合わせるため、裏面を評価した。
2 電磁波発信源
3 空気穴
4 筐体隙間
5 高周波ループアンテナ
6 同軸ケーブル
7 ネットワークアナライザ
11 供試材(被験体)
12 断熱材
13 発熱体
14 防護部材(カバー)
15 測温装置
21 磁性粉末
22 金属板
23 放熱性添加剤
24 白色顔料/光輝顔料
Claims (21)
- 金属板の裏面または表裏面(ここで、裏面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板の内側を意味し、表面とは電子機器部材用樹脂塗装金属板から見て外気側を意味する)に、20〜60%(質量%の意味、以下、同じ)の磁性粉末を含有する磁性塗膜が、厚さ:3〜50μmで被覆されたものであることを特徴とする電磁波吸収性及び加工性に優れた電子機器部材用樹脂塗装金属板。
- 前記磁性粉末が軟磁性フェライト粉末である請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記磁性粉末が磁性金属粉末である請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記磁性塗膜を構成する樹脂は、ポリエステル系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂塗装金属板。
- 前記磁性塗膜の少なくとも一方には、更に導電性付与剤が20〜40%含まれると共に、該導電性付与剤を含有する磁性塗膜の厚さが3〜15μmである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂塗装金属板。
- 前記導電性付与剤と磁性粉末の含有量が合計で30〜60%である請求項5に記載の樹脂塗装金属板。
- 更に放熱性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂塗装金属板であって、下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)を満足することにより放熱性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面には、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆され、金属板の表面には1μm超の放熱塗膜が被覆されており、
該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、カーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面には、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有しているか;または
(2)金属板の両面に前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、
該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも一方には、カーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面には、カーボンブラック以外の放熱性添加剤を10%以上含有している。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が下式(1)を満足する。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率 - 前記カーボンブラックの平均粒径は5〜100nmである請求項7に記載の樹脂塗装金属板。
- 更に放熱性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂塗装金属板であって、下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)を満足することにより放熱性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面には、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆され、金属板の表面には1μm超の放熱塗膜が被覆されており、
該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面には、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有しているか;または
(2)金属板の両面に前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、
該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも一方には、酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面には、酸化チタン以外の放熱性添加剤を1%以上含有している。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が下式(1)を満足する。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率 - 更に、放熱性及び自己冷却性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂塗装金属板であって、下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)を満足することにより、放熱性及び自己冷却性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面には前記磁性塗膜が、金属板の表面には1μm超の放熱塗膜が被覆されており、
該表面の放熱塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しており、
該裏面の磁性塗膜は、更に放熱性添加剤を1%以上含有しても良いか;または
(2)金属板の両面に前記磁性塗膜が被覆されており、
該表面の磁性塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しており、
該裏面の磁性塗膜は、更に放熱性添加剤を1%以上含有しても良い。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が、下式(2)及び(3)を満足する。
b≦0.9(a−0.05) … 式(2)
(a−0.05)×(b−0.05)≧0.08… 式(3)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率 - 更に、耐疵付き性及び耐指紋性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂塗装金属板であって、
下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)及び(4)を満足することにより、耐疵付き性及び耐指紋性が高められたものである請求項7に記載の樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面には前記磁性塗膜が被覆されており、該磁性塗膜は黒色添加剤を含有しても良く、該黒色添加剤を含有する磁性塗膜は、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良く、
該金属板の表面には、黒色添加剤を含有する黒色塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されているか;または
(2)金属板の両面に前記磁性塗膜が被覆されており、
このうち少なくとも表面の磁性塗膜は、黒色添加剤を含有する黒色磁性塗膜であり、
該表面の黒色磁性塗膜には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、
該裏面には、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良い。
(3)該樹脂塗膜の膜厚は0.5〜10μmであり、且つ、該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量は、合計で1〜25%である。
(4)該樹脂塗装金属板の色調は、日本電色株式会社製色差計(SZS−Σ90)で測定したL値で44.0〜60.0を満足する。 - 前記白色顔料及び/又は光輝顔料は酸化物系顔料である請求項11に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記白色顔料及び/又は光輝顔料は、酸化チタンを含有するものである請求項11または12に記載の樹脂塗装金属板。
- 更に、放熱性、耐疵付き性、及び耐指紋性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器部材用樹脂塗装金属板であって、
下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)〜(5)を満足することにより、放熱性、耐疵付き性、及び耐指紋性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面に、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、該放熱性磁性塗膜が黒色添加剤を含有するときは、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良く、
該金属板の表面に、1μm超の放熱塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、
該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、少なくともカーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面は、放熱性添加剤を10%以上含有しているか;または
(2)金属板の両面に、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、
該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも片面は、カーボンブラックを1%以上含有しており、
カーボンブラックを含有しない面は、放熱性添加剤を10%以上含有しており、
少なくとも表面の放熱性磁性塗膜に、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が下式(1)を満足する。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
(4)該樹脂塗膜の膜厚は0.5〜10μmであり、且つ、該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量は、合計で1〜25%である。
(5)該樹脂塗装金属板の色調は、日本電色株式会社製色差計(SZS−Σ90)で測定したL値で44.0〜60.0を満足する。 - 前記カーボンブラックの平均粒径は5〜100nmである請求項14に記載の樹脂塗装金属板。
- 更に、放熱性、耐疵付き性、及び耐指紋性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器部材用樹脂塗装金属板であって、
下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)〜(5)を満足することにより、放熱性、耐疵付き性、及び耐指紋性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面に、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、該放熱性磁性塗膜が黒色添加剤を含有するときは、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良く、
該金属板の表面に、1μm超の放熱塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されており、
該裏面の放熱性磁性塗膜、及び該表面の放熱塗膜のうち少なくとも一方は、少なくとも酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面は、放熱性添加剤を1%以上含有しているか;または
(2)金属板の両面に、前記磁性塗膜であって放熱性を有する放熱性磁性塗膜が被覆されており、
該放熱性磁性塗膜のうち少なくとも片面は、酸化チタンを30%以上含有しており、
酸化チタンを含有しない面は、放熱性添加剤を1%以上含有しており、
少なくとも表面の放熱性磁性塗膜に、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が下式(1)を満足する。
a×b≧0.42 … 式(1)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
(4)該樹脂塗膜の膜厚は0.5〜10μmであり、且つ、該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量は、合計で1〜25%である。
(5)該樹脂塗装金属板の色調は、日本電色株式会社製色差計(SZS−Σ90)で測定したL値で44.0〜60.0を満足する。 - 更に、放熱性、自己冷却性、耐疵付き性、及び耐指紋性に優れた請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂塗装金属板であって、
下記(1)または(2)を満足しており、且つ、下記(3)〜(5)を満足することにより、放熱性、自己冷却性、耐疵付き性、及び耐指紋性が高められたものである樹脂塗装金属板。
(1)金属板の裏面に前記磁性塗膜が被覆されており、該磁性塗膜は黒色添加剤を含有しても良く、該磁性塗膜が黒色添加剤を含有するときは、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されていても良く、
該金属板の表面には、黒色添加剤を1%以上含有する1μm超の黒色放熱塗膜、及び白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されているか;または
(2)金属板の両面に前記磁性塗膜が被覆されており、
該表面の磁性塗膜は、黒色添加剤を1%以上含有する1μm超の黒色放熱性磁性塗膜であり、
裏面の磁性塗膜は、放熱性添加剤を1%以上含有しても良く、
このうち少なくとも表面の黒色放熱性磁性塗膜は、白色顔料及び/又は光輝顔料を含有する樹脂塗膜が被覆されている。
(3)該樹脂塗装金属体を100℃に加熱したときの赤外線(波長:4.5〜15.4μm)の積分放射率が、下式(2)及び下式(3)を満足する。
b≦0.9(a−0.05) … 式(2)
(a−0.05)×(b−0.05)≧0.08… 式(3)
a:表面(樹脂塗装金属板から見て外気側)の赤外線積分放射率
b:裏面(樹脂塗装金属板の内側)の赤外線積分放射率
(4)該樹脂塗膜の膜厚は0.5〜10μmであり、且つ、該樹脂塗膜に含まれる白色顔料及び/又は光輝顔料の添加量は、合計で1〜25%である。
(5)該樹脂塗装金属板の色調は、日本電色株式会社製色差計(SZS−Σ90)で測定したL値で44.0〜60.0を満足する。 - 前記白色顔料及び/又は光輝顔料は酸化物系顔料である請求項16または17に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記白色顔料及び/又は光輝顔料は、酸化チタンを含有するものである請求項16〜18のいずれかに記載の樹脂塗装金属板。
- 電子機器部材の筺体として用いられるものである請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂塗装金属板。
- 閉じられた空間に発熱体を内蔵する電子機器部品であって、
該電子機器部品は、その外壁の全部または一部が請求項1〜20のいずれかに記載の樹脂塗装金属板で構成されていることを特徴とする電子機器部品。
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