JP2004027064A - 放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料及び塗装金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性に優れると共に電磁波の吸収性に優れた塗料と該塗料を用いた塗装金属板を提供する。
【解決手段】塗料中の固形分の質量%で、フェライト粉末:20〜80%、カーボンブラック粉末:3〜60%を含有し、かつ、塗料中のフェライト粉末とカーボンブラック粉末の含有量が、
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
である塗料及びこれを塗装した金属板である。
【選択図】 なし
【解決手段】塗料中の固形分の質量%で、フェライト粉末:20〜80%、カーボンブラック粉末:3〜60%を含有し、かつ、塗料中のフェライト粉末とカーボンブラック粉末の含有量が、
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
である塗料及びこれを塗装した金属板である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料とそれを塗装した塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家電製品の進歩に伴い、発熱と電磁波ノイズが問題となっている。発熱が特に問題となっているのは、パーソナルコンピュータの分野である。パーソナルコンピュータでは、高性能化に伴いCPUからの発熱温度が高くなっている。これの対策としては、空冷ファンを取り付ける方法が一般に適用されている。しかし、空冷ファンを取り付けるスペースが必要となることから、パーソナルコンピュータのさらなる小型化を困難にしており、可能であれば空冷ファンを小型のものにし、さらには取り付けなくても冷却効果を有する筐体が望まれていた。
【0003】
一方、電磁波ノイズは、家電製品のみならず自動車や電車等ほぼ全ての文明機器から放出されていると言っても過言ではなく、その影響を受けているものとしては、例えば、テレビの画面のゆがみ(ゴースト現象)、ラジオのノイズ、ペースメーカー等の医療機器の誤作動が挙げられる。これらの対策としては、屋外からの電磁波を遮断する目的で、例えば、外壁のサイジング材の内側に建材用のフェライト焼結体を設置する方法が採られたり、家電製品からの電磁波を遮断する目的で、例えば、フェライト金属を練り込んだゴムフェライト系電磁波吸収体を充填する方法が採られている。
【0004】
電磁波に関しては、家電製品はその影響を受けるだけではなく、自らが電磁波を放出して電磁波障害の原因ともなりうるものである。したがって、家電製品にとって、外界からの電磁波の影響を受けないことと、電磁波を放出しないことの両面からの対策が必要であった。
【0005】
さて、先に放熱対策として空冷ファンが広く使用されていることを述べた。空冷ファンは筐体内に外気を取り入れ、その外気によりCPU等の熱を奪い、筐体外へ放出する役割を持つものである。したがって、筐体に空気の通り道としての孔をあけることが必要であった。筐体として金属板を使用すると、金属板は電磁波を吸収せずに反射する性質をもつため、筐体内部で発生した電磁波はほとんど減衰せずに反射を繰り返して、最終的には開口部(例えば、空冷ファンの孔や接合部の隙間)から筐体の外へ出てしまう可能性があった。また、外部からの電磁波も開口部から筐体の内部へ進入する可能性があった。
【0006】
つまり、筐体用の材料として必要な要素は以下の点である。
【0007】
1. 放熱性に優れていて空冷ファンの開口部をなるべく小さくできること
2. もし空冷ファンや接合部などの開口部が生じてもそこから外部へ漏れ出る電磁波を少なくすることができること
3. 外部からの電磁波の進入を防ぐことができること
放熱性に優れる金属板としては、例えば、特開平10−237228号公報に、放熱シート及び放熱板として開示された技術がある。これは、シリコーン樹脂に無機フィラーを添加することにより放熱性を改善したものである。確かにこの技術による放熱性は向上するものの、電磁波吸収性はなんら改善されない。一方、電磁波吸収性に関する技術としては、例えば、特開平9−51190号公報に広帯域電磁波吸収材として開示された技術がある。これは、導電性材料(例えば金属板)の上に金属磁性体粉末を含有する塗膜を付与するものである。確かにこの技術により電磁波吸収性は向上するものの放熱性はなんら改善されない。
【0008】
このように既存技術では放熱性と電磁波吸収性の両方を満足することは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するものであり、放熱性に優れると共に電磁波の吸収性に優れる塗料と該塗料を用いた塗装金属板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、筐体を構成する塗装金属板の塗膜の放熱性と電磁波吸収性を詳細に検討した。その結果、塗膜中にフェライト粉末とカーボンブラック粉末を含有させることにより、塗装金属板からの放熱性と電磁波吸収性の両方を満足できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明の趣旨とするところは以下のとおりである。
(1) 固形分の質量%で、
フェライト粉末:20〜80%、
カーボンブラック粉末:3〜60%
を含有し、残部が樹脂であり、かつ、塗料中のフェライト粉末とカーボンブラック粉末が、
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
であることを特徴とする放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。
(2) 前記フェライト粉末が、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Znフェライト、Ni−Fe系フェライト、マグネタイトから選ばれる1種又は2種以上のフェライト粉末である(1)記載の放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。
(3) 金属板の少なくとも片面に、(1)又は(2)に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板、
(4) 金属板の片面に、(1)又は(2)に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装し、もう一方の面にカーボンブラック粉末を固形分中に3〜60質量%含む塗料組成物を10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板。
(5) (3)又は(4)に記載の塗装金属板を加工してなる筐体。
(6) 前記筐体の内面側に(1)又は(2)に記載の塗料組成物が塗装してなる(5)記載の筐体。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
【0013】
本発明の塗料組成物には、フェライト粉末とカーボンブラック粉末の両方を添加する。電磁波の吸収は、電磁波のエネルギーを熱エネルギーに変えることで行うことができる。この現象が可能な代表的な材料として知られているのが、カーボンブラックとフェライトである。カーボンブラックは優れた導電損失材料であり、フェライトは優れた磁性損失材料である。両者を比較すると、カーボンブラックは400MHz〜1GHzのような高周波数領域では好適な材料であり、フェライトはそれより低い周波数の50〜300MHzで好適な材料である。本発明では、両者を混合することで、広い周波数領域での電磁波吸収を可能なものとした。
【0014】
一方、放熱性は、熱線である赤外線と遠赤外線の吸収と放出に関係する。この赤外線の吸収と放出を良好に行うことができるのは、カーボンブラックである。フェライトにも同様な性質があるが、カーボンブラックには及ばない。以上の点を考慮して、本発明の放熱特性は、主にカーボンブラックの特性により、フェライト粉末は電磁波吸収性を付与するために添加する。
【0015】
本発明の塗料に添加するフェライト粉末の添加量は、塗料中の固形分の質量%で、20〜80%、特に40〜80%とすることが好ましい。フェライト粉末の添加量を20〜80質量%に限定した理由は、20質量%未満では電磁波吸収性の面で添加した効果が得られず、80質量%を超えると電磁波吸収性は良好になるが、成膜が困難になり、成形時に塗膜の剥離と添加したフェライト粉末の脱落が生ずるからである。
【0016】
本発明の塗料組成物に添加するカーボンブラック粉末の添加量は、塗料中の固形分の質量%で3〜60%、特に15〜60%とすることが好ましい。カーボンブラック粉末の添加量を3〜60質量%に限定した理由は、3質量%未満では放熱性と電磁波吸収性の両面で添加した効果が得られず、60質量%を超えると電磁波吸収性と放熱性とも良好になるが、成膜が困難になるため、成形時に塗膜の剥離と添加したカーボンブラック粉末の脱落が生ずるからである。
【0017】
本発明の塗料に添加するフェライト粉末とカーボンブラック粉末の量の和は
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
を満たすものとする。より好ましい添加量範囲は60〜90%である。
【0018】
フェライト粉末とカーボンブラック粉末の添加量の和を30質量%以上に限定した理由は、30質量%未満では放熱性は十分であるものの、電磁波吸収性能が劣るからである。一方、上限を90質量%以下とした理由は、90質量%超では成膜が困難になり、成形時に塗膜の剥離と、カーボンブラック粉末とフェライト粉末の脱落が生ずるからである。
【0019】
本発明の塗料組成物に添加するフェライト粉末としては、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Zn系フェライト、Ni−Fe系フェライト、マグネタイトから選ばれる1種又は2種以上のフェライト粉末が好適である。より好ましくはMn−Zn系フェライトである。これらのスピネルフェライトの比誘電率は12〜20と比較的大きく、また、マイクロ波周波数になっても比透磁率の虚数部が若干残っており、塗装金属板に適用した場合に優れた電磁波吸収性を発揮する。
【0020】
これらフェライト粉末の平均粒径は、特に規定するものではないが、1〜50μmが好ましい。粒径を小さくした方が電磁波吸収性はやや良好となるが、1μm未満の粉末を作製して分級することは経済的ではない。50μm超になると十分な電磁波吸収性能を示さなくなる。より好ましくは1〜30μmである。フェライト粉末は必要に応じてシランカップリング剤、チタンカップリング剤により表面修飾されていてもよい。
【0021】
本発明の塗料組成物に添加するカーボンブラック粉末は特に限定するものではなく、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラックなどが適用できる。より好ましくはチャネルブラックとファーネスブラックである。これらカーボンブラック粉末の平均粒径は、特に規定するものではないが、5〜300nmが好ましい。粒径を小さくした方が塗膜中に均一に分散されるため、放熱性と電磁波吸収性はともにやや良好となるが、5nm未満の粉末を作製して分級することは経済的ではない。より好ましくは10〜100nmである。
【0022】
本発明の塗料組成物は、金属板の少なくとも片面に塗装する。本発明の塗料を両面に塗装することで、内部部品から発生した熱の放出、内部部品から発生した電磁波と外界からの電磁波の吸収を効率的に行うことができる。
【0023】
しかし、外界からの電磁波は筐体に金属材料を使用することで反射することが可能であるので、外界からの電磁波の吸収を必要としない場合には、本発明の塗料組成物を筐体の内面側に塗装することで十分である。その時、外面側には放熱性のみを考慮して、カーボンブラック粉末を塗料固形分中に3〜60質量%以上含有する塗料組成物を10μm以上の厚さで塗装する。特に好ましくは15〜60質量%である。カーボンブラック粉末の添加量を3〜60質量%に限定した理由は、3質量%未満では放熱性の効果が得られず、60質量%を超えると放熱性は良好になるが、成膜が困難になるため、成形時に塗膜の剥離と、カーボンブラック粉末の脱落が生ずるからである。
【0024】
本発明の塗料組成物には、通常、塗料に添加されている添加剤であれば問題なく添加することができる。例えば、顔料としては、無機系、有機系、両者の複合系に関わらず、公知のものを使用することができ、チタン白、亜鉛黄、アルミナ白、シアニンブルー等のシアニン系顔料、ピラゾロンオレンジ、アゾ系顔料、紺青、縮合多環系顔料、等が例示できる。この他に、金属片・粉末、パール顔料、マイカ顔料等の光輝性顔料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、ニトロ染料、アクリジン染料等の染料、等が挙げられる。顔料濃度は特に限定されず、必要な色や隠蔽力によって決定すればよい。さらに、着色顔料以外にも塗料に通常添加されているものであれば問題なく添加できる。例えば、炭酸カルシウム、タルク、石膏、クレー等の体質顔料、その他の有機架橋微粒子及び/又は無機微粒子等である。また、必要に応じて、表面平滑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、粘度調整剤、硬化触媒、顔料分散剤、顔料沈降防止剤、色別れ防止剤等を用いることができる。
【0025】
フェライトを含まずカーボンブラックのみを含有する塗料組成物にも、本発明の塗料組成物に添加することが可能な上記の各種添加剤を添加してもよい。
【0026】
本発明の塗料に使用する樹脂としては、耐候性、耐変色性、光沢保持性、耐水性に優れたものが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコンポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの混合物や共重合物も使用できる。また、これらにイソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等を補助成分として併用することもできる。
【0027】
厳しい加工が施される用途では、ポリエステル樹脂をメラミンで架橋する樹脂系、ポリエステル樹脂をイソシアネートで架橋する樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フッ素樹脂系(溶剤可溶型、アクリル樹脂との分散混合型)が望ましい。塗料組成物としての形態は特に限定するものではなく、有機溶剤系塗料、水系塗料、コロイド分散系塗料、粉体塗料、等が挙げられる。本発明の塗料組成物は、液体状態や溶融状態で金属板へ塗装することもできるし、本発明のフェライト粉末とカーボンブラック粉末を含有するフィルムを作製し、フィルム状態で金属板へラミネート塗装することも可能である。ラミネートに適した樹脂としてはフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、等が挙げられ、一般に使用されている接着剤やコロナ放電処理を併用してもよい。
【0028】
本発明の塗装金属板の塗膜厚さは、乾燥膜厚で10μm以上である。10μm未満では放熱性と電磁波吸収性の何れも不十分である。通常の塗装金属板として用いられる膜厚では、電磁波吸収性能も放熱性能もほぼ膜厚の増大に対応して増大する。したがって、膜厚の上限は、特に限定するものではないが、プレコート塗装として適用する場合は、製造上の制約から50μm以下であり、ラミネート塗装として使用する場合は、コストパフォーマンスの観点から3mm以下である。
【0029】
本発明の塗料組成物は、その形態により、はけ塗り、ロールコータ、カーテンフローコータ、ローラーカーテンコータ、ブレードコータ、ダイコータ、ラミネーター、静電粉体塗装装置、摩擦耐電型粉体塗装装置、等を用いて塗布、焼き付け硬化乾燥または加熱加圧接着させる。塗料組成物を焼き付けるには熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、遠赤外線炉、エネルギー線硬化炉を用いて加熱すればよい。これらの併用でもよい。
【0030】
本発明の下地金属板は、特に限定するものではないが、ステンレス鋼板、めっき鋼板及びアルミニウム合金板が適している。ステンレス鋼板としては、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板等が挙げられる。めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、亜鉛−クロム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板、アルミ−シリコン合金めっき鋼板、亜鉛めっきステンレス鋼板、アルミめっきステンレス鋼板等が挙げられる。アルミニウム合金板としては、JIS1000番系(純Al系)、JIS2000番系(Al−Cu系)、JIS3000番系(Al−Mn系)、JIS4000番系(Al−Si系)、JIS5000番系(Al−Mg系)、JIS6000番系(Al−Mg−Si系)、JIS7000番系(Al−Zn系)等が挙げられる。
【0031】
金属板の塗装前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨等があり、必要に応じてこれらを単独もしくは組み合わせて行うとよい。塗装前処理の条件は適宜選択すればよい。
【0032】
金属板の上には必要に応じて化成処理を施してもよい。化成処理は、塗装と下地金属板の密着性をより強固なものとするためと、耐食性の向上を目的として処理される。化成処理としては公知の技術が使用でき、例えば、リン酸亜鉛処理、クロメート処理、シランカップリング処理、複合酸化被膜処理、タンニン酸処理、チタニア系処理、ジルコニア系処理、これらの混合処理等が挙げられる。
【0033】
耐食性を向上させる目的で、化成処理層と本発明の塗装の間に防錆顔料を有する下塗り塗装を設けてもよい。防錆顔料としては公知の防錆顔料を適用でき、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、等のリン酸系防錆顔料、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム、等のモリブデン酸系防錆顔料、酸化バナジウム等のバナジウム系防錆顔料、カルシウムシリケート等のシリケート系防錆顔料、ストロンチウムクロメート、ジンククロメート、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリウムクロメート等のクロメート系防錆顔料、水分散性シリカ、ヒュームドシリカ等の微粒シリカ、フェロシリコン等のフェロアロイ、等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。下塗り塗装にもフェライト系粉末とカーボンブラック粉末を添加してもよい。
【0034】
本発明の金属板への下塗り塗装の塗料に用いられる樹脂としては、用途に応じて一般に公知の樹脂を適用することができる。すなわち、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコンポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等である。これらの混合物や共重合物も使用できる。また、これらにイソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等を補助成分として併用することができる。
【0035】
本発明の金属板を加工することにより、放熱性と電磁は吸収性に優れた筐体を得ることができる。特に、本発明の塗料を内面側に塗装した筐体では、筐体内部の電子部品からの電磁波を効率良く吸収でき、好適である。この筐体を電磁波を放出しやすい電子部品や外部からの電磁波の影響を受けやすい電子部品を収納する筐体として用いることにより、電磁波による装置の誤作動を防止すると共に、効率良く放熱を促進するため、筐体内の装置の安定動作に寄与する。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0037】
金属板としては、電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/m2)、ステンレス鋼板(SUS304)、アルミニウム合金板(JIS A3005(Al−Mn系))を使用した。何れも板厚は0.8mmである。これら金属板試料に対してアルカリ脱脂処理とクロメート処理を施した後、塗料組成物を塗布し、熱風加熱炉で、焼き付け温度(PMT)230℃の条件で加熱硬化させた。
【0038】
塗料組成物としては、高分子ポリエステル樹脂塗料(NSC100、日本ペイント(株)製)から高分子ポリエステル樹脂とメラミン硬化剤以外の成分を除いたものを基本塗料組成物として、この基本塗料組成物にフェライトとカーボンブラックを添加することにより、本発明の各種塗料組成物と比較の各種塗料組成物を作製した。基準の塗料組成物としては、フェライトもカーボンブラックも添加せず、チタン白を50質量%添加して白色に着色したものを使用した。作製した塗料組成物の水準を表1〜3に示す。なお、耐食性を考慮して、本発明の塗料の下にCr系防錆顔料を含有する下塗り塗料を5μm塗装したものも作製した。
【0039】
外界からの電磁波の吸収が不要な場合を考慮して、内面側に本発明の塗料組成物を塗装し、外面側にカーボンブラックを含有する塗料組成物を塗装したものも作製した(表4〜6)。
これら塗装金属板の特性評価には、下記の評価方法を用いた。
1. 放熱性の評価方法
放熱性の評価は、フーリエ変換型赤外分光光度計を使用して、赤外発光を測定することにより、行った。具体的には、100℃に加熱したステージを用意し、その上に表1〜6の各種塗装金属板を載せて加熱し、波長4.5〜15.4μmの赤外発光スペクトルを測定した。なお、表4〜6の塗装金属板においては、カーボンブラックのみの塗膜である表面が赤外分光光度計に対向するように設置した。
【0040】
基準として同じ金属板に黒体塗料を20μmの厚さで塗装したものを、同様に加熱して赤外発光スペクトルを測定し、表1〜6の各種塗装金属板の発光強度と基準の黒体の発光強度の比を放熱性の指標とした。この値が1に近いほど良好な放熱性を有することを意味し、本検討では、同じ金属板を使用した条件で、チタン白を塗装した場合の放熱性より10%以上高い結果が得られるものを合格とした。
2. 電磁波吸収性の評価方法
塗装金属板の前面に電磁波発信機と電磁波受信機を設置し、発信器から1〜10GHzの電磁波を発生させ、塗装金属板に照射し、反射してきた電磁波を受信機で測定して反射吸収率を測定した。測定した電磁波は280MHz、1.0GHz、5.4GHzの周波数のものである。本検討では、同一の金属に基準であるチタン白を塗装した場合より反射吸収率が10%以上大きいものを合格とした。片面のみに本発明の塗料を塗装した例(表4〜6)では、本発明の塗装面(裏面)を評価面として電磁波の反射吸収量を測定した。
【0041】
なお、反射吸収量は次式により算出した。
【0042】
反射吸収率(%) = (1−H1/H2)×100
ここで、H1は反射波の強度、H2は入射波の強度である。
3. 塗膜の健全性の評価方法
塗膜の健全性の評価は、JIS K5400に記載されているデュポン式衝撃試験により、行った。おもりの質量は500g、おもりを落とす高さを50cmとした。おもりを塗装金属板の表面に落とした後、セロテープ(登録商標)を貼り付け、その上から消しゴムで擦って強く密着させたのち、垂直方向に瞬間的に引きはがした。セロテープ(登録商標)に付着した塗膜の面積が、おもりの落下で変形した面積の10%未満であれば合格、10%以上であれば不合格とした。片面のみに本発明の塗料を塗装した例(表4〜6)では、本発明の塗装面(裏面)を評価面として塗膜の健全性を評価した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
表1〜3から、本発明の範囲のカーボンブラック粉末とフェライト粉末を使用した塗料組成物を適用することにより、良好な放熱性と電磁波吸収性が付与できることがわかる。また、表4〜6に示したように、外界からの電磁波の吸収が不要な場合は、本発明の塗料組成物を内面側に塗装して、外面側にはカーボンブラックを含有する塗料組成物を塗装することで、内面側では電磁波吸収性と吸熱性が、外面側では放熱性が付与されることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、低周波数の電磁波吸収性に優れたフェライト粉末と、放熱性と電磁波吸収性に優れたカーボンブラック粉末を含有するので、優れた放熱性と広範囲な周波数帯域において良好な電磁波吸収性を有する。また、本発明の塗装金属板及びこれを加工した筐体は、前記特性を有する塗料を塗装してあるので、放熱性や電磁波吸収性が問題となるコンピュータ、テレビ、ビデオ等の家電製品や自動車の電装品等の筐体として好適に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料とそれを塗装した塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家電製品の進歩に伴い、発熱と電磁波ノイズが問題となっている。発熱が特に問題となっているのは、パーソナルコンピュータの分野である。パーソナルコンピュータでは、高性能化に伴いCPUからの発熱温度が高くなっている。これの対策としては、空冷ファンを取り付ける方法が一般に適用されている。しかし、空冷ファンを取り付けるスペースが必要となることから、パーソナルコンピュータのさらなる小型化を困難にしており、可能であれば空冷ファンを小型のものにし、さらには取り付けなくても冷却効果を有する筐体が望まれていた。
【0003】
一方、電磁波ノイズは、家電製品のみならず自動車や電車等ほぼ全ての文明機器から放出されていると言っても過言ではなく、その影響を受けているものとしては、例えば、テレビの画面のゆがみ(ゴースト現象)、ラジオのノイズ、ペースメーカー等の医療機器の誤作動が挙げられる。これらの対策としては、屋外からの電磁波を遮断する目的で、例えば、外壁のサイジング材の内側に建材用のフェライト焼結体を設置する方法が採られたり、家電製品からの電磁波を遮断する目的で、例えば、フェライト金属を練り込んだゴムフェライト系電磁波吸収体を充填する方法が採られている。
【0004】
電磁波に関しては、家電製品はその影響を受けるだけではなく、自らが電磁波を放出して電磁波障害の原因ともなりうるものである。したがって、家電製品にとって、外界からの電磁波の影響を受けないことと、電磁波を放出しないことの両面からの対策が必要であった。
【0005】
さて、先に放熱対策として空冷ファンが広く使用されていることを述べた。空冷ファンは筐体内に外気を取り入れ、その外気によりCPU等の熱を奪い、筐体外へ放出する役割を持つものである。したがって、筐体に空気の通り道としての孔をあけることが必要であった。筐体として金属板を使用すると、金属板は電磁波を吸収せずに反射する性質をもつため、筐体内部で発生した電磁波はほとんど減衰せずに反射を繰り返して、最終的には開口部(例えば、空冷ファンの孔や接合部の隙間)から筐体の外へ出てしまう可能性があった。また、外部からの電磁波も開口部から筐体の内部へ進入する可能性があった。
【0006】
つまり、筐体用の材料として必要な要素は以下の点である。
【0007】
1. 放熱性に優れていて空冷ファンの開口部をなるべく小さくできること
2. もし空冷ファンや接合部などの開口部が生じてもそこから外部へ漏れ出る電磁波を少なくすることができること
3. 外部からの電磁波の進入を防ぐことができること
放熱性に優れる金属板としては、例えば、特開平10−237228号公報に、放熱シート及び放熱板として開示された技術がある。これは、シリコーン樹脂に無機フィラーを添加することにより放熱性を改善したものである。確かにこの技術による放熱性は向上するものの、電磁波吸収性はなんら改善されない。一方、電磁波吸収性に関する技術としては、例えば、特開平9−51190号公報に広帯域電磁波吸収材として開示された技術がある。これは、導電性材料(例えば金属板)の上に金属磁性体粉末を含有する塗膜を付与するものである。確かにこの技術により電磁波吸収性は向上するものの放熱性はなんら改善されない。
【0008】
このように既存技術では放熱性と電磁波吸収性の両方を満足することは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するものであり、放熱性に優れると共に電磁波の吸収性に優れる塗料と該塗料を用いた塗装金属板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、筐体を構成する塗装金属板の塗膜の放熱性と電磁波吸収性を詳細に検討した。その結果、塗膜中にフェライト粉末とカーボンブラック粉末を含有させることにより、塗装金属板からの放熱性と電磁波吸収性の両方を満足できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明の趣旨とするところは以下のとおりである。
(1) 固形分の質量%で、
フェライト粉末:20〜80%、
カーボンブラック粉末:3〜60%
を含有し、残部が樹脂であり、かつ、塗料中のフェライト粉末とカーボンブラック粉末が、
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
であることを特徴とする放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。
(2) 前記フェライト粉末が、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Znフェライト、Ni−Fe系フェライト、マグネタイトから選ばれる1種又は2種以上のフェライト粉末である(1)記載の放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。
(3) 金属板の少なくとも片面に、(1)又は(2)に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板、
(4) 金属板の片面に、(1)又は(2)に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装し、もう一方の面にカーボンブラック粉末を固形分中に3〜60質量%含む塗料組成物を10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板。
(5) (3)又は(4)に記載の塗装金属板を加工してなる筐体。
(6) 前記筐体の内面側に(1)又は(2)に記載の塗料組成物が塗装してなる(5)記載の筐体。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
【0013】
本発明の塗料組成物には、フェライト粉末とカーボンブラック粉末の両方を添加する。電磁波の吸収は、電磁波のエネルギーを熱エネルギーに変えることで行うことができる。この現象が可能な代表的な材料として知られているのが、カーボンブラックとフェライトである。カーボンブラックは優れた導電損失材料であり、フェライトは優れた磁性損失材料である。両者を比較すると、カーボンブラックは400MHz〜1GHzのような高周波数領域では好適な材料であり、フェライトはそれより低い周波数の50〜300MHzで好適な材料である。本発明では、両者を混合することで、広い周波数領域での電磁波吸収を可能なものとした。
【0014】
一方、放熱性は、熱線である赤外線と遠赤外線の吸収と放出に関係する。この赤外線の吸収と放出を良好に行うことができるのは、カーボンブラックである。フェライトにも同様な性質があるが、カーボンブラックには及ばない。以上の点を考慮して、本発明の放熱特性は、主にカーボンブラックの特性により、フェライト粉末は電磁波吸収性を付与するために添加する。
【0015】
本発明の塗料に添加するフェライト粉末の添加量は、塗料中の固形分の質量%で、20〜80%、特に40〜80%とすることが好ましい。フェライト粉末の添加量を20〜80質量%に限定した理由は、20質量%未満では電磁波吸収性の面で添加した効果が得られず、80質量%を超えると電磁波吸収性は良好になるが、成膜が困難になり、成形時に塗膜の剥離と添加したフェライト粉末の脱落が生ずるからである。
【0016】
本発明の塗料組成物に添加するカーボンブラック粉末の添加量は、塗料中の固形分の質量%で3〜60%、特に15〜60%とすることが好ましい。カーボンブラック粉末の添加量を3〜60質量%に限定した理由は、3質量%未満では放熱性と電磁波吸収性の両面で添加した効果が得られず、60質量%を超えると電磁波吸収性と放熱性とも良好になるが、成膜が困難になるため、成形時に塗膜の剥離と添加したカーボンブラック粉末の脱落が生ずるからである。
【0017】
本発明の塗料に添加するフェライト粉末とカーボンブラック粉末の量の和は
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
を満たすものとする。より好ましい添加量範囲は60〜90%である。
【0018】
フェライト粉末とカーボンブラック粉末の添加量の和を30質量%以上に限定した理由は、30質量%未満では放熱性は十分であるものの、電磁波吸収性能が劣るからである。一方、上限を90質量%以下とした理由は、90質量%超では成膜が困難になり、成形時に塗膜の剥離と、カーボンブラック粉末とフェライト粉末の脱落が生ずるからである。
【0019】
本発明の塗料組成物に添加するフェライト粉末としては、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Zn系フェライト、Ni−Fe系フェライト、マグネタイトから選ばれる1種又は2種以上のフェライト粉末が好適である。より好ましくはMn−Zn系フェライトである。これらのスピネルフェライトの比誘電率は12〜20と比較的大きく、また、マイクロ波周波数になっても比透磁率の虚数部が若干残っており、塗装金属板に適用した場合に優れた電磁波吸収性を発揮する。
【0020】
これらフェライト粉末の平均粒径は、特に規定するものではないが、1〜50μmが好ましい。粒径を小さくした方が電磁波吸収性はやや良好となるが、1μm未満の粉末を作製して分級することは経済的ではない。50μm超になると十分な電磁波吸収性能を示さなくなる。より好ましくは1〜30μmである。フェライト粉末は必要に応じてシランカップリング剤、チタンカップリング剤により表面修飾されていてもよい。
【0021】
本発明の塗料組成物に添加するカーボンブラック粉末は特に限定するものではなく、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラックなどが適用できる。より好ましくはチャネルブラックとファーネスブラックである。これらカーボンブラック粉末の平均粒径は、特に規定するものではないが、5〜300nmが好ましい。粒径を小さくした方が塗膜中に均一に分散されるため、放熱性と電磁波吸収性はともにやや良好となるが、5nm未満の粉末を作製して分級することは経済的ではない。より好ましくは10〜100nmである。
【0022】
本発明の塗料組成物は、金属板の少なくとも片面に塗装する。本発明の塗料を両面に塗装することで、内部部品から発生した熱の放出、内部部品から発生した電磁波と外界からの電磁波の吸収を効率的に行うことができる。
【0023】
しかし、外界からの電磁波は筐体に金属材料を使用することで反射することが可能であるので、外界からの電磁波の吸収を必要としない場合には、本発明の塗料組成物を筐体の内面側に塗装することで十分である。その時、外面側には放熱性のみを考慮して、カーボンブラック粉末を塗料固形分中に3〜60質量%以上含有する塗料組成物を10μm以上の厚さで塗装する。特に好ましくは15〜60質量%である。カーボンブラック粉末の添加量を3〜60質量%に限定した理由は、3質量%未満では放熱性の効果が得られず、60質量%を超えると放熱性は良好になるが、成膜が困難になるため、成形時に塗膜の剥離と、カーボンブラック粉末の脱落が生ずるからである。
【0024】
本発明の塗料組成物には、通常、塗料に添加されている添加剤であれば問題なく添加することができる。例えば、顔料としては、無機系、有機系、両者の複合系に関わらず、公知のものを使用することができ、チタン白、亜鉛黄、アルミナ白、シアニンブルー等のシアニン系顔料、ピラゾロンオレンジ、アゾ系顔料、紺青、縮合多環系顔料、等が例示できる。この他に、金属片・粉末、パール顔料、マイカ顔料等の光輝性顔料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、ニトロ染料、アクリジン染料等の染料、等が挙げられる。顔料濃度は特に限定されず、必要な色や隠蔽力によって決定すればよい。さらに、着色顔料以外にも塗料に通常添加されているものであれば問題なく添加できる。例えば、炭酸カルシウム、タルク、石膏、クレー等の体質顔料、その他の有機架橋微粒子及び/又は無機微粒子等である。また、必要に応じて、表面平滑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、粘度調整剤、硬化触媒、顔料分散剤、顔料沈降防止剤、色別れ防止剤等を用いることができる。
【0025】
フェライトを含まずカーボンブラックのみを含有する塗料組成物にも、本発明の塗料組成物に添加することが可能な上記の各種添加剤を添加してもよい。
【0026】
本発明の塗料に使用する樹脂としては、耐候性、耐変色性、光沢保持性、耐水性に優れたものが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコンポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの混合物や共重合物も使用できる。また、これらにイソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等を補助成分として併用することもできる。
【0027】
厳しい加工が施される用途では、ポリエステル樹脂をメラミンで架橋する樹脂系、ポリエステル樹脂をイソシアネートで架橋する樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フッ素樹脂系(溶剤可溶型、アクリル樹脂との分散混合型)が望ましい。塗料組成物としての形態は特に限定するものではなく、有機溶剤系塗料、水系塗料、コロイド分散系塗料、粉体塗料、等が挙げられる。本発明の塗料組成物は、液体状態や溶融状態で金属板へ塗装することもできるし、本発明のフェライト粉末とカーボンブラック粉末を含有するフィルムを作製し、フィルム状態で金属板へラミネート塗装することも可能である。ラミネートに適した樹脂としてはフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、等が挙げられ、一般に使用されている接着剤やコロナ放電処理を併用してもよい。
【0028】
本発明の塗装金属板の塗膜厚さは、乾燥膜厚で10μm以上である。10μm未満では放熱性と電磁波吸収性の何れも不十分である。通常の塗装金属板として用いられる膜厚では、電磁波吸収性能も放熱性能もほぼ膜厚の増大に対応して増大する。したがって、膜厚の上限は、特に限定するものではないが、プレコート塗装として適用する場合は、製造上の制約から50μm以下であり、ラミネート塗装として使用する場合は、コストパフォーマンスの観点から3mm以下である。
【0029】
本発明の塗料組成物は、その形態により、はけ塗り、ロールコータ、カーテンフローコータ、ローラーカーテンコータ、ブレードコータ、ダイコータ、ラミネーター、静電粉体塗装装置、摩擦耐電型粉体塗装装置、等を用いて塗布、焼き付け硬化乾燥または加熱加圧接着させる。塗料組成物を焼き付けるには熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、遠赤外線炉、エネルギー線硬化炉を用いて加熱すればよい。これらの併用でもよい。
【0030】
本発明の下地金属板は、特に限定するものではないが、ステンレス鋼板、めっき鋼板及びアルミニウム合金板が適している。ステンレス鋼板としては、フェライト系ステンレス鋼板、マルテンサイト系ステンレス鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板等が挙げられる。めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、亜鉛−クロム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板、アルミ−シリコン合金めっき鋼板、亜鉛めっきステンレス鋼板、アルミめっきステンレス鋼板等が挙げられる。アルミニウム合金板としては、JIS1000番系(純Al系)、JIS2000番系(Al−Cu系)、JIS3000番系(Al−Mn系)、JIS4000番系(Al−Si系)、JIS5000番系(Al−Mg系)、JIS6000番系(Al−Mg−Si系)、JIS7000番系(Al−Zn系)等が挙げられる。
【0031】
金属板の塗装前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨等があり、必要に応じてこれらを単独もしくは組み合わせて行うとよい。塗装前処理の条件は適宜選択すればよい。
【0032】
金属板の上には必要に応じて化成処理を施してもよい。化成処理は、塗装と下地金属板の密着性をより強固なものとするためと、耐食性の向上を目的として処理される。化成処理としては公知の技術が使用でき、例えば、リン酸亜鉛処理、クロメート処理、シランカップリング処理、複合酸化被膜処理、タンニン酸処理、チタニア系処理、ジルコニア系処理、これらの混合処理等が挙げられる。
【0033】
耐食性を向上させる目的で、化成処理層と本発明の塗装の間に防錆顔料を有する下塗り塗装を設けてもよい。防錆顔料としては公知の防錆顔料を適用でき、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、等のリン酸系防錆顔料、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム、等のモリブデン酸系防錆顔料、酸化バナジウム等のバナジウム系防錆顔料、カルシウムシリケート等のシリケート系防錆顔料、ストロンチウムクロメート、ジンククロメート、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリウムクロメート等のクロメート系防錆顔料、水分散性シリカ、ヒュームドシリカ等の微粒シリカ、フェロシリコン等のフェロアロイ、等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。下塗り塗装にもフェライト系粉末とカーボンブラック粉末を添加してもよい。
【0034】
本発明の金属板への下塗り塗装の塗料に用いられる樹脂としては、用途に応じて一般に公知の樹脂を適用することができる。すなわち、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコンポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等である。これらの混合物や共重合物も使用できる。また、これらにイソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等を補助成分として併用することができる。
【0035】
本発明の金属板を加工することにより、放熱性と電磁は吸収性に優れた筐体を得ることができる。特に、本発明の塗料を内面側に塗装した筐体では、筐体内部の電子部品からの電磁波を効率良く吸収でき、好適である。この筐体を電磁波を放出しやすい電子部品や外部からの電磁波の影響を受けやすい電子部品を収納する筐体として用いることにより、電磁波による装置の誤作動を防止すると共に、効率良く放熱を促進するため、筐体内の装置の安定動作に寄与する。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0037】
金属板としては、電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/m2)、ステンレス鋼板(SUS304)、アルミニウム合金板(JIS A3005(Al−Mn系))を使用した。何れも板厚は0.8mmである。これら金属板試料に対してアルカリ脱脂処理とクロメート処理を施した後、塗料組成物を塗布し、熱風加熱炉で、焼き付け温度(PMT)230℃の条件で加熱硬化させた。
【0038】
塗料組成物としては、高分子ポリエステル樹脂塗料(NSC100、日本ペイント(株)製)から高分子ポリエステル樹脂とメラミン硬化剤以外の成分を除いたものを基本塗料組成物として、この基本塗料組成物にフェライトとカーボンブラックを添加することにより、本発明の各種塗料組成物と比較の各種塗料組成物を作製した。基準の塗料組成物としては、フェライトもカーボンブラックも添加せず、チタン白を50質量%添加して白色に着色したものを使用した。作製した塗料組成物の水準を表1〜3に示す。なお、耐食性を考慮して、本発明の塗料の下にCr系防錆顔料を含有する下塗り塗料を5μm塗装したものも作製した。
【0039】
外界からの電磁波の吸収が不要な場合を考慮して、内面側に本発明の塗料組成物を塗装し、外面側にカーボンブラックを含有する塗料組成物を塗装したものも作製した(表4〜6)。
これら塗装金属板の特性評価には、下記の評価方法を用いた。
1. 放熱性の評価方法
放熱性の評価は、フーリエ変換型赤外分光光度計を使用して、赤外発光を測定することにより、行った。具体的には、100℃に加熱したステージを用意し、その上に表1〜6の各種塗装金属板を載せて加熱し、波長4.5〜15.4μmの赤外発光スペクトルを測定した。なお、表4〜6の塗装金属板においては、カーボンブラックのみの塗膜である表面が赤外分光光度計に対向するように設置した。
【0040】
基準として同じ金属板に黒体塗料を20μmの厚さで塗装したものを、同様に加熱して赤外発光スペクトルを測定し、表1〜6の各種塗装金属板の発光強度と基準の黒体の発光強度の比を放熱性の指標とした。この値が1に近いほど良好な放熱性を有することを意味し、本検討では、同じ金属板を使用した条件で、チタン白を塗装した場合の放熱性より10%以上高い結果が得られるものを合格とした。
2. 電磁波吸収性の評価方法
塗装金属板の前面に電磁波発信機と電磁波受信機を設置し、発信器から1〜10GHzの電磁波を発生させ、塗装金属板に照射し、反射してきた電磁波を受信機で測定して反射吸収率を測定した。測定した電磁波は280MHz、1.0GHz、5.4GHzの周波数のものである。本検討では、同一の金属に基準であるチタン白を塗装した場合より反射吸収率が10%以上大きいものを合格とした。片面のみに本発明の塗料を塗装した例(表4〜6)では、本発明の塗装面(裏面)を評価面として電磁波の反射吸収量を測定した。
【0041】
なお、反射吸収量は次式により算出した。
【0042】
反射吸収率(%) = (1−H1/H2)×100
ここで、H1は反射波の強度、H2は入射波の強度である。
3. 塗膜の健全性の評価方法
塗膜の健全性の評価は、JIS K5400に記載されているデュポン式衝撃試験により、行った。おもりの質量は500g、おもりを落とす高さを50cmとした。おもりを塗装金属板の表面に落とした後、セロテープ(登録商標)を貼り付け、その上から消しゴムで擦って強く密着させたのち、垂直方向に瞬間的に引きはがした。セロテープ(登録商標)に付着した塗膜の面積が、おもりの落下で変形した面積の10%未満であれば合格、10%以上であれば不合格とした。片面のみに本発明の塗料を塗装した例(表4〜6)では、本発明の塗装面(裏面)を評価面として塗膜の健全性を評価した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
表1〜3から、本発明の範囲のカーボンブラック粉末とフェライト粉末を使用した塗料組成物を適用することにより、良好な放熱性と電磁波吸収性が付与できることがわかる。また、表4〜6に示したように、外界からの電磁波の吸収が不要な場合は、本発明の塗料組成物を内面側に塗装して、外面側にはカーボンブラックを含有する塗料組成物を塗装することで、内面側では電磁波吸収性と吸熱性が、外面側では放熱性が付与されることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、低周波数の電磁波吸収性に優れたフェライト粉末と、放熱性と電磁波吸収性に優れたカーボンブラック粉末を含有するので、優れた放熱性と広範囲な周波数帯域において良好な電磁波吸収性を有する。また、本発明の塗装金属板及びこれを加工した筐体は、前記特性を有する塗料を塗装してあるので、放熱性や電磁波吸収性が問題となるコンピュータ、テレビ、ビデオ等の家電製品や自動車の電装品等の筐体として好適に用いることができる。
Claims (6)
- 固形分の質量%で、
フェライト粉末:20〜80%、
カーボンブラック粉末:3〜60%
を含有し、残部が樹脂であり、かつ、塗料中のフェライト粉末とカーボンブラック粉末の含有量が、
30%≦フェライト粉末(%)+カーボンブラック粉末(%)≦90%
であることを特徴とする放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。 - 前記フェライト粉末が、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn−Mg−Zn系フェライト、Ni−Fe系フェライト、マグネタイトから選ばれる1種又は2種以上のフェライト粉末である請求項1記載の放熱性と電磁波吸収性に優れた塗料組成物。
- 金属板の少なくとも片面に、請求項1又は2に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板。
- 金属板の片面に、請求項1又は2に記載の塗料組成物を、乾燥膜厚で10μm以上の厚さで塗装し、もう一方の面にカーボンブラック粉末を固形分中に3〜60質量%含む塗料組成物を10μm以上の厚さで塗装してなる放熱性と電磁波吸収性に優れた塗装金属板。
- 請求項3又は4に記載の塗装金属板を加工してなる筐体。
- 前記該筐体の内面側に請求項1又は2に記載の塗料組成物が塗装してなる請求項5記載の筐体。
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