JP6279845B2 - 遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品 - Google Patents

遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品 Download PDF

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Description

本発明は、遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品に関する。
従来、夏場の炎天下において照射される太陽光などを遮蔽するため、艶消し剤を含有する繊維を用いたり、また、布帛の織編密度を大きくして布帛の組織間空隙を小さくすることが提案されている。
しかしながら、布帛の組織間空隙を小さくすると遮熱性は向上するものの、外気温の上昇や運動等により着用者の体温が上昇した際、布帛の放熱性が低いため熱がこもり着用者が蒸し暑さを感じるという問題があった。逆に、布帛の放熱性を向上させるため布帛の組織間空隙を大きくすると、遮熱性が低下するという問題があった。
このように遮熱性と放熱性とは相反する性質であり、遮熱性および放熱性に優れた布帛はこれまであまり提案されていない。
特開2012−21245号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、2層以上の多層構造を有する織編物において、いずれかの層に偏平断面繊維を配し、かつ他の層に仮撚捲縮加工糸を配すことにより両繊維の相乗作用により、遮熱性および放熱性に優れた布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討することにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「2層以上の多層構造を有する織編物であって、いずれか1層に偏平断面繊維を含み、他の層に仮撚捲縮加工糸を含み、かつ織編物の放熱量が98W/m以上であり、かつ波長700〜1400nmの平均赤外線反射率が62%以上であり、かつ織編物の通気度が100cc/cm・sec以上であり、かつ前記偏平断面繊維が、艶消し剤を1.0重量%以上含み、かつ前記偏平断面繊維において、単繊維の断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面偏平度2〜6の偏平断面であり、かつ前記偏平断面繊維が、総繊度33〜167dtex、かつフィラメント数12本以上のマルチフィラメントであり、かつ前記偏平断面繊維がポリエステルからなり、かつ前記仮撚捲縮加工糸において、捲縮率が10〜50%であり、かつ前記仮撚捲縮加工糸が、総繊度33〜167dtex、かつフィラメント数12本以上のマルチフィラメントであり、かつ織編物の目付けが50〜200g/m の範囲内であり、かつ織編物のUPF(紫外線保護係数)が10以上であり、かつ織編物の接触冷感Q−maxが0.2J/cm ・sec以上であり、かつ織編物に0.6ccの水を滴下時に、拡散性残留水分率5%以下に達する時間が100分以下であることを特徴とする遮熱性および放熱性に優れた織編物。」が提供される。
その際、前記仮撚捲縮加工糸が、2種以上の仮撚捲縮加工糸で構成され、かつ30T/m以下のトルクを有する複合糸として織編物に含まれることが好ましい。また、前記仮撚捲縮加工糸がポリエステルからなることが好ましい。また、織編物のどちらか一方の表面において、前記偏平断面繊維のみが露出していることが好ましい。
た、本発明によれば、前記の織編物を用いてなる、衣料、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートからなる群より選ばれるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品が得られる。
本発明において、単繊維の断面形状として採用することのできる、くびれ部を有する扁平断面形状を模式的に例示したものである。 実施例1で用いた編組織(片側結接(裏使い)組織)図である。 実施例2で用いた編組織(リバーシブル天竺組織)図である。 実施例3で用いた編組織(シングルニットミス組織)図である。 比較例1で用いた編組織(天竺組織)図である。
まず、本発明で用いる偏平断面繊維において、単繊維の断面形状は、外接円の直径が内接円の直径よりも大であればよい。なかでも、図1に模式的に示すような、2箇所以上のくびれ部を有する断面偏平度2〜6の偏平断面を採用すると、編物とした場合の組織間空隙を小さくすることができ、遮熱性が向上し好ましい。なお、断面偏平度とは、図1に示す、長辺の長さ(B)と短辺の長さ(C1)との比(B/C1)である。また、くびれ部とは図1に模式的に示すように、短辺の長さが短くなっている部分のことである。かかるくびれ部において、凹部の深さとしては、短辺の長さの最大値と最小値の比(C1/C2)で、1.05以上(好ましくは1.1〜2.0)となる深さであることが好ましい。なお、図1は、くびれ部が3個所の場合を例示するものである。
前記偏平断面繊維を形成するポリマーとしては、ポリエステル系ポリマーやポリアミド系ポリマーやポリオレフィン系ポリマーなどの通常の繊維形成性ポリマーでよいが、耐候性や繊維強度の点でポリエステル系ポリマーが好ましい。
かかるポリエステル系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−091694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
該ポリマー中には、艶消し剤(二酸化チタン)がポリマー重量対比1.0重量%以上(より好ましくは1.0〜5.0重量%)含まれていると、該艶消し剤により近赤外線が反射され、遮熱性が向上し好ましい。艶消し剤の含有量が1.0重量%よりも小さいと、十分な遮熱性が得られないおそれがある。また、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記偏平断面繊維において、繊維形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし、短繊維でもよい。なかでも、織編物の組織間空隙を小さくして優れた遮熱効果が得る上で、紡績糸のように繊維が凝集しているよりも長繊維(マルチフィラメント)のように嵩高であるほうが好ましい。その際、かかるマルチフィラメントにおいて、優れた遮熱効果を得る上でフィラメント数は多いほどよく12本以上(より好ましくは20〜10000本、特に好ましくは29〜72本)であることが好ましい。また、総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、33〜167dtexの範囲内であることが好ましい。該総繊度が33dtexよりも小さいと遮熱性が損なわれるおそれがある。逆に、該総繊度が167dtexよりも大きいと放熱性が損なわれるおそれがある。
前記偏平断面繊維の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、偏平断面に穿孔された口金を使用し、例えば、固有粘度0.55〜0.80の前記ポリエステルに、必要に応じて艶消し剤をポリエステル重量に対して1.0重量%以上ブレンドしたチップを、常法により紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸するか、または、巻き取る前に延伸してマルチフィラメントを得る。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)としてもよい。さらには、仮撚捲縮加工や空気加工や撚糸などを施してもよい。
一方、本発明で用いる仮撚捲縮加工糸としては特に限定はないが、捲縮率が5%以上(より好ましくは10〜50%)であると優れた遮熱性が得られ好ましい。
仮撚捲縮加工糸は、通常、長繊維(マルチフィラメント)であり、前記仮撚捲縮加工糸において、優れた遮熱効果を得る上でフィラメント数は多いほどよく12本以上(より好ましくは12〜10000本、特に好ましくは48〜300本)であることが好ましい。また、仮撚捲縮加工糸の総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、33〜167dtexの範囲内であることが好ましい。該総繊度が33dtexよりも小さいと遮熱性が損なわれるおそれがある。逆に、該総繊度が167dtexよりも大きいと放熱性が損なわれるおそれがある。
かかる仮撚捲縮加工糸を形成するポリマーとしては、前記のようなポリエステル系ポリマーが好ましい。
また、優れた遮熱性を得る上で、前記仮撚捲縮加工糸が、2種以上の仮撚捲縮加工糸で構成され、かつ30T/m以下のトルクを有する複合糸として織編物に含まれることが好ましい。かかる複合糸は例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、糸条を第1ローラ、セット温度が90〜220℃(より好ましくは100〜190℃)の熱処理ヒータを経由して撚り掛け装置によって施撚することによりone heater仮撚捲縮加工糸を得てもよいし、必要に応じてさらに第2ヒーター域に導入して弛緩熱処理することによりsecond heater仮撚捲縮加工糸を得てもよい。仮撚加工時の延伸倍率は、0.8〜1.5の範囲が好ましく、仮撚数は、仮撚数(T/m)=(32500/(Dtex)1/2)×αの式においてα=0.5〜1.5が好ましく、通常は0.8〜1.2位とするのがよい。ただし、Dtexとは糸条の総繊度である。用いる撚り掛け装置としては、デイスク式あるいはベルト式の摩擦式撚り掛け装置が糸掛けしやすく、糸切れも少なくて好ましいが、ピン方式の撚り掛け装置であってもよい。また、施撚の方向により、仮撚捲縮加工糸が有するトルクをS方向かZ方向か選択することができる。次いで、2種以上の仮撚捲縮加工糸を合糸することにより前記複合糸が得られる。
かかる複合糸には、インターレース加工により交絡が付与されていることが好ましい。交絡(インターレース)の個数は、ソフトな風合いやストレッチ性を損なわないために30〜90個/mの範囲内であることが好ましい。該個数が90個/mよりも大きいとソフトな風合いやストレッチ性が損なわれるおそれがある。逆に、該個数が30個/mよりも小さいと複合糸の集束性が不十分となり、製編織性が損なわれるおそれがある。なお、交絡処理(インターレース加工)は通常のインターレースノズルを用いて処理したものでよい。
トルクは小さいほど好ましくノントルク(0T/m)が最も好ましい。このようなノントルクとするには、S方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸とZ方向の仮撚捲縮加工糸とを合糸する際、トルクの方向が異なること以外は同じトルクを有する2種の仮撚捲縮加工糸を使用するとよい。
本発明の織編物は、2層以上(より好ましくは2層または3層、特に好ましくは2層)の多層構造を有する織編物であり、いずれか1層に偏平断面繊維を含み、他の層(すなわち、偏平断面繊維を含む前記の層以外の層)に仮撚捲縮加工糸を含む。
ここで、織編物の組織としては特に限定されず、よこ編(丸編)組織であってもよいし、たて編組織であってもよいし、織物組織であってもよい。例えば、よこ編組織としては、ダブルニットの両面編、タック編等やシングルニットの添え糸編やニットミス組織などが好ましく例示される。また、たて編組織としては、2枚以上の筬を使用したハーフトリコット編やサテントリコット編が例示される。ジャガード編等でもよい。また、織物組織としては、緯2重織物、経2重織物、完全2重織物、ジャガード織物が例示される。
なかでも、織編物のどちらか一方の表面において前記偏平断面繊維のみが露出していることが好ましい。その際、他方の表面において前記仮撚捲縮加工糸のみが露出していることが好ましい。織編物のどちらか一方の表面において、前記偏平断面繊維のみが露出していると、かかる表面を肌側に用いると、肌側表面から外気側表面に汗が速やかに移行し、また、肌の熱が効果的に放熱され、肌接触時の接触冷感が大きくなり好ましい。 本発明の織編物において、目付けとしては50〜200g/m(より好ましくは70〜180g/m)の範囲内であることが好ましい。該目付けが200g/mよりも大きいと、布帛の放熱性や軽量性が損なわれるおそれがある。逆に、該目付けが50g/mよりも小さいと、布帛の遮熱性が損なわれるおそれがある。
また、織編物の厚さとしては、0.1〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。該厚さが1.0mmよりも大きいと、布帛の放熱性や軽量性が損なわれるおそれがある。逆に、該厚さが0.1mmよりも小さいと、布帛の遮熱性が損なわれるおそれがある。
また、織編物の通気度としては100cc/cm・sec以上(より好ましくは100〜500cc/cm・sec)であることが好ましい。該通気度が100cc/cm・secよりも小さいと、織編物の放熱性が低下するおそれがある。
本発明の織編物を製造する方法としては、前記の偏平断面繊維および仮撚捲縮加工糸を用い、必要に応じてさらに他の繊維をも用いて、通常の編機(トリコット機、ラッセル機、丸編機など)や織機(ウオータージェットルーム、レピアルーム、エアージェットルームなど)を使用し常法により製編織する方法が例示される。
かかる織編物には、本発明の目的が損なわれない範囲内であれば、常法の染色仕上げ加工、吸水加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた織編物において、前記偏平断面繊維による組織間空隙の低減効果および前記仮撚捲縮加工糸の嵩高効果により優れた遮熱性を奏する。また同時に、前記偏平断面繊維を含む層が肌側に位置するよう用いると、肌側表面から織編物外気側表面への汗の移行性に優れ、肌接触時の接触冷感も大きくなることにより、肌からの熱が効果的に放熱し優れた放熱性を奏する。
ここで、織編物の放熱量としては98W/m以上(より好ましくは98〜200W/m)であることが好ましい。また、織編物のUPF(紫外線保護係数)が10以上であることが好ましい。また、波長700〜1400nmの平均赤外線反射率が62%以上(より好ましくは62〜90%)であることが好ましい。また、織編物の接触冷感Q−maxが0.2J/cm・sec以上(より好ましくは0.24〜0.35J/cm・sec)であることが好ましい。また、織編物に0.6ccの水を滴下時に拡散性残留水分率5%以下に達する時間が100分以下であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は、前記の織編物を用いてなる、衣料、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートからなる群より選ばれるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の織編物を用いているので、遮熱性および放熱性に優れる。
ここで、前記衣料には、サッカーシャツ、ゴルフシャツ、テニスシャツ、バスケットシャツ、卓球シャツ、バドミントンシャツ、ランニングシャツ、サッカーパンツ、テニスパンツ、バスケットパンツ、卓球パンツ、バドミントンパンツ、ランニングパンツ、ゴルフパンツ、各種スポーツ 用アンダーシャツ、各種スポーツ 用インナーウエア等、セーター、Tシャツ、ジャージ、トレーナー、ウインドブレーカー、紳士服、婦人服、制服、作業服、下着などが含まれる。繊維製品が衣料である場合、特に優れた遮熱性および放熱性を得る上で、前記偏平断面繊維を含む層が肌側に位置するよう用いることが好ましい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)捲縮率
糸サンプルに0.044cN/dtexの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約3300dtexのカセを作成した。該カセの一端に0.0177cN/dtexおよび0.177cN/dtexの2個の荷重を負荷し、1分間経過後の長さS0(cm)を測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去した状態で100℃の沸水中にて20分間処理した。沸水処理後0.0177cN/dtexの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥し、再び0.0177cN/dtexおよび0.177cN/dtexの荷重を負荷し、1分間経過後の長さをS1(cm)測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去し、1分間経過後の長さを測定してS2(cm)を求めし、次の数式で捲縮率を算出した。なお、本実施例および比較例では10回の測定値の平均値で表した。
捲縮率(%)=((S1−S2)/S0)×100
(2)トルク
試料(捲縮糸)約70cmを横に張り、中央部に0.18mN×表示テックス(2mg/de)の初荷重を吊るした後、両端を引揃えた。
糸は残留トルクにより回転しはじめるが初荷重が静止するまでそのままの状態で持ち、撚糸を得た。こうして得た撚糸を17.64mN×表示テックス(0.2g/de)の荷重下で25cm長の撚数を検撚器で測定する。得られた撚数(T/25cm)を4倍にトルク(T/m)を算出した。
(3)艶消し剤の含有率
下記式により算出した。
艶消し剤の含有率(%)=添加する艶消し剤質量(gr)/艶消し剤添加前のポリマー質量(gr)×100
(4)目付け
JIS L1018 6.4により目付け(g/m)を測定した。
(5)通気度
JIS L1018 6.34により通気度(cm/cm・s)を測定した。
(6)放熱量
カトーテック製サーモラボIIで環境温度20℃、熱板温度30℃の条件にて、裏面側を熱源側に配して放熱量(保温性)を測定した。裏面とは、布帛を繊維製品とした際に人体側に位置する布帛表面(裏面)である。
(7)接触冷感(Q−max)
裏面側についてカトーテック製サーモラボIIで環境温度20℃、熱板温度40℃の条件にて、接触冷感Q−max値を測定した。裏面とは、布帛を繊維製品とした際に人体側に位置する布帛表面(裏面)である。
(8)UPF(紫外線保護係数)
AS/NZS 4399:1996 (ただし、バンドパスフィルターを積分球と検出器の間に設置)により測定した。
(9)近赤外線反射率
島津製作所製「UV3100S MPC−3100」で、波長700〜1400nmの範囲の近赤外線に対する平均反射率を測定した。反射率が62%以上であれば遮熱性において良好とする。
(10)厚さ
JIS L1018 6.5により織編物の厚さ(mm)を測定した。
(11)表面または裏面に露出する繊維の比率
表面または裏面に露出している表糸(A糸)または裏糸(B糸)の糸混率により露出する繊維の比率を求めた。
(12)乾燥速度(拡散性残留水分率)
吊り下げた織編物に0.6ccの水を滴下して、水分率が10%以下になる時間を測定した。100分以下を吸汗速乾性において良好とする。
[実施例1]
丸編28Gダブル機を使用して、表糸(A糸)としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(捲縮率14%)、裏糸(B糸)として艶消し剤を2.1重量%含むポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントで単繊維の断面形状が3個のくびれ部を有する断面偏平度が3.2の偏平断面繊維84dtex/30filを用いて、図2に示す組織図の編地を得た。なお、表糸とは、布帛を繊維製品とした際に外気側に位置する布帛表面に多く位置する繊維であり、裏糸とは、布帛を繊維製品とした際に人体側に位置する布帛表面(裏面)に多く位置する繊維である。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地において、目付けが135g/m、厚さ0.53mm、放熱量102W/m、接触冷感(Q−max値)0.261、近赤外線反射率63%、通気度180cm/cm・s、UPF紫外線保護係数40、乾燥速度34分、裏面において偏平断面繊維(B糸)比率は100%、当該裏面とは反対側表面において仮撚捲縮加工糸(A糸)比率は100%であり、放熱量、吸水性に優れ、かつ接触冷感性、近赤外線反射率、UPF(紫外線保護係数)において非常に優れた布帛であった。測定結果を表1に示す。
次いで、前記編地を裏面が肌側面となるよう用いて衣料を得て着用したところ、遮熱性および放熱性に優れていた。
[実施例2]
丸編28Gシングル機を使用して、表糸(A糸)としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(捲縮率14%)、裏糸(B糸)として艶消し剤を2.1重量%含むポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントで単繊維の断面形状が3個のくびれ部を有する断面偏平度が3.2の偏平断面繊維84dtex/30filを用いて、図3に示す組織図の編地を得た。なお、表糸とは、布帛を繊維製品とした際に外気側に位置する布帛表面に多く位置する繊維であり、裏糸とは、布帛を繊維製品とした際に人体側に位置する布帛表面(裏面)に多く位置する繊維である。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地において、目付けが150g/m、厚さ0.45mm、放熱量99W/m、接触冷感(Q−max値)0.258、近赤外線反射率65%、通気度160cm/cm・s、UPF紫外線保護係数10、乾燥速度30分、裏面において偏平断面繊維(B糸)比率は100%、当該裏面とは反対側表面において仮撚捲縮加工糸(A糸)比率は100%であり、放熱量、吸水性に優れ、かつ接触冷感性、近赤外線反射率において非常に優れた布帛であった。測定結果を表1に示す。
[実施例3]
丸編28Gシングル機を使用して、表糸(A糸)としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(捲縮率14%)、裏糸(B糸)として艶消し剤を2.1重量%含むポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントで単繊維の断面形状が3個のくびれ部を有する断面偏平度が3.2の偏平断面繊維84dtex/30filを用いて、図4に示す組織図の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地において、目付けが120g/m、厚さ0.43mm、放熱量98W/m、接触冷感(Q−max値)0.249、近赤外線反射率62%、通気度220cm/cm・s、UPF紫外線保護係数15、乾燥速度35分、裏面において偏平断面繊維比率は50%、当該裏面とは反対側表面において仮撚捲縮加工糸比率は75%であり、放熱量、吸水性に優れ、かつ接触冷感性、近赤外線反射率において非常に優れた布帛であった。測定結果を表1に示す。
[実施例4]
経編28Gトリコット機を使用して、表糸(A糸)としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(捲縮率14%)、裏糸(B糸)として艶消し剤を2.1重量%含むポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントで単繊維の断面形状が3個のくびれ部を有する断面偏平度が3.2の偏平断面繊維84dtex/30filを用いて、トリコットハーフ組織の編地を得た。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地において、目付けが180g/m、厚さ0.62mm、放熱量101W/m、接触冷感(Q−max値)0.259、近赤外線反射率62%、通気度150cm/cm・s、UPF紫外線保護係数30、裏面において偏平断面繊維比率は50%、当該裏面とは反対側表面において仮撚捲縮加工糸比率は75%であり、放熱量、吸水性に優れ、かつ接触冷感性、近赤外線反射率において非常に優れた布帛であった。測定結果を表1に示す。
[比較例1]
丸編28Gシングル機を使用し、綿100%、目付けが130g/m、厚さ0.67mmを使用して図5に示す編地を得た。
得られた編地において、目付けが130g/m、厚さ0.46mm、放熱量98W/m、接触冷感(Q−max値)0.215、近赤外線反射率55%、通気度120cm/cm・s、UPF紫外線保護係数5、乾燥速度110分となり、放熱性、近赤外線反射率、UPF紫外線保護係数で劣る編地であり乾燥速度も悪い結果となった。測定結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、裏糸(B糸)としてセミダルポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(捲縮率14%)を用いること以外は実施例1と同様にした。目付けが140g/m、厚さ0.53mm、放熱量94W/m、接触冷感(Q−max値)0.184、近赤外線反射率65%、通気度130cm/cm・s、UPF紫外線保護係数30、乾燥速度46分、裏面において(B糸)比率は100%、当該裏面とは反対側表面において仮撚捲縮加工糸(A糸)比率は100%であり、遮熱性は優れているものの、放熱量、接触冷感性のない布帛であった。測定結果を表1に示す。
Figure 0006279845
本発明によれば、遮熱性および放熱性に優れた織編物および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
B :偏平断面繊維の長辺の長さ
C1:偏平断面繊維の短辺の長さの最大値
C2:偏平断面繊維の短辺の長さの最小値

Claims (5)

  1. 2層以上の多層構造を有する織編物であって、いずれか1層に偏平断面繊維を含み、他の層に仮撚捲縮加工糸を含み、かつ織編物の放熱量が98W/m以上であり、かつ波長700〜1400nmの平均赤外線反射率が62%以上であり、かつ織編物の通気度が100cc/cm・sec以上であり、かつ前記偏平断面繊維が、艶消し剤を1.0重量%以上含み、かつ前記偏平断面繊維において、単繊維の断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面偏平度2〜6の偏平断面であり、かつ前記偏平断面繊維が、総繊度33〜167dtex、かつフィラメント数12本以上のマルチフィラメントであり、かつ前記偏平断面繊維がポリエステルからなり、かつ前記仮撚捲縮加工糸において、捲縮率が10〜50%であり、かつ前記仮撚捲縮加工糸が、総繊度33〜167dtex、かつフィラメント数12本以上のマルチフィラメントであり、かつ織編物の目付けが50〜200g/m の範囲内であり、かつ織編物のUPF(紫外線保護係数)が10以上であり、かつ織編物の接触冷感Q−maxが0.2J/cm ・sec以上であり、かつ織編物に0.6ccの水を滴下時に、拡散性残留水分率5%以下に達する時間が100分以下であることを特徴とする遮熱性および放熱性に優れた織編物。
  2. 前記仮撚捲縮加工糸が、2種以上の仮撚捲縮加工糸で構成され、かつ30T/m以下のトルクを有する複合糸として織編物に含まれる、請求項1に記載の遮熱性および放熱性に優れた織編物。
  3. 前記仮撚捲縮加工糸がポリエステルからなる、請求項1または請求項2に記載の遮熱性および放熱性に優れた織編物。
  4. 織編物のどちらか一方の表面において、前記偏平断面繊維のみが露出している、請求項1〜3のいずれかに記載の遮熱性および放熱性に優れた織編物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の織編物を用いてなる、衣料、人工皮革、履物、鞄、カーテン、テント、寝袋、防水シート、およびカーシートからなる群より選ばれるいずれかの繊維製品。
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