JP6275532B2 - 不燃断熱性弾性伸縮保護材 - Google Patents

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Description

本発明は、伸縮遊間内に敷設される伸縮性止水材や伸縮性防音材等の遊間機能材類の表層に挿入敷設し、路上火災や発炎筒等の高熱火炎による類焼や高熱の作用による発火及び熱損傷から遊間機能材を保護し、かつ、自身が着火延焼しない不燃断熱性弾性伸縮保護材に関する。
道路橋や高架橋は、その敷設環境温度により橋桁が伸縮をするが、この伸縮変位を吸収し、かつ、道路橋や高架橋の振動変位を吸収するための伸縮遊間を具備する伸縮装置が、橋長の一定間隔で配設されている。
ところで、道路橋や高架橋の伸縮遊間からは、路面の土砂や雨水等が落下し、また、路面の車両走行騒音が路下に漏洩するため、これらを阻止するための伸縮性遊間止水材や伸縮性防音材等の遊間機能材が遊間内に敷設される。
そして、これらの伸縮性各遊間機能材は、すべて、弾性伸縮性の柔軟な弾性フォーム材等の有機高分子材料で構成されているため、伸縮装置表層での火災や、道路補修工事等の車両走行規制時に使用する発炎筒等のような1,300℃にも及ぶ高熱火炎が作用すると、容易に類焼延焼し、時には伸縮装置遊間が煙道となり、瞬く間に伸縮装置が全橋幅に亘って延焼して車両走行車線にまで達し、走行車両事故を招くことがある。
また、伸縮装置の補修時には溶接作業や溶断作業を行うこともあるが、その溶接又は溶断時においても高温溶融金属等が遊間機能材表層に飛散し作用する。
これらの高温溶融融解熱は遊間機能材表層に接触作用し、発火燃焼や高熱により遊間機能材を損傷することとなる。
これらの問題に対処するため、従来は、図1に示すように、伸縮装置Jの遊間に、難燃性弾性スポンジ材からなる約30〜50mm厚のシートを、保護層イとして表層に挿入し、燃焼遅延させ、遊間機能材ロを保護する方法が提案されているが、高温の火炎や高熱が長時間作用すると、着火延焼し、また、高熱を伝達して遊間機能材ロを損傷することとなる。
また、他の方法として、伸縮性弾性難燃スポンジ材で形成する厚みの大きな保護層イを表層に挿入配備し、着火延焼時間を遅延させるとともに、表層の高熱を厚みで遮蔽する方法が提案されているが、伸縮装置Jの遊間を構成する伸縮装置遊間ウエーブプレートPの高さは、伸縮装置Jの構造上限界があり、充分機能を果たす大きな厚みの保護層イを挿入すると遊間機能材ロの挿入配設スペースが不足する。
本発明は、上記従来の伸縮装置の表層に設けられる保護層の有する問題点に鑑み、伸縮装置の表層に保護層として挿入し、表層で高熱燃焼火炎や高熱が作用しても、それ自身が類焼延焼や高熱発火することなく、また、その表層の高温を遮断して、伸縮装置遊間に挿入した止水材や防音材等の遊間機能材を保護する厚みの薄い、大きな伸縮性を有する保護層を形成することができる不燃断熱性弾性伸縮保護材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材は、道路橋や高架橋において伸縮遊間を具備する伸縮装置の遊間内に敷設される弾性伸縮性を有する有機高分子材料で構成された遊間機能材の表層に保護層として設けられる柔軟弾性ゴム連続気泡スポンジ材からなる基材シートの表層に不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートを積層してなる不燃断熱性伸縮層を備えてなる不燃断熱性弾性伸縮保護材であって、前記不燃断熱性伸縮層が、低燃焼熱で溶融する無機化合物からなるフリット釉を添加した不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートからなる不燃断熱性伸縮層を表層部に、フリット釉を添加しない不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートからなる不燃断熱性伸縮層を内央部に用いてなることを特徴とする。
この場合において、前記フリット釉を添加しない不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜に用いる不燃化剤、低燃焼熱で溶融し、熱分解して不燃性ガスである炭酸ガスを生成する化合物が添加されてなる不燃化剤を用いることができる。
また、前記不燃断熱性伸縮層が、前記不燃化剤含有被膜形成シートを、水平方向又は垂直方向にして積層されるようにすることができる。
また、前記不燃断熱性伸縮層の最下面に、熱線を反射する反射鏡面を形成した熱線反射層を接着一体化することができる。
本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材を用いることにより、伸縮装置の表層に保護層として挿入し、表層で高熱燃焼火炎や高熱が作用しても、それ自身が類焼延焼や高熱発火することなく、また、その表層の高温を遮断して、伸縮装置遊間に挿入した止水材や防音材等の遊間機能材を保護する厚みの薄い、大きな伸縮性を有する保護層を形成することができる。
伸縮装置の遊間に設けられる機能材とその保護材の敷設図である。 本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材の概略構成図である。 不燃断熱性弾性伸縮保護材の不燃断熱性伸縮層を構成する不燃化剤含有皮膜形成シートの構成図である。 同不燃化剤含有被膜形成シートの積層図で、(a)は水平積層した状態を示す説明図、(b)は垂直積層した状態を示す説明図である。 熱線反射層の概略構成図である。 本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材における複合不燃断熱性伸縮層の構成概略図で、(a)は水平積層して形成した複合不燃断熱性伸縮層の概略構成図、(b)は垂直積層して形成した複合不燃断熱性伸縮層の概略構成図である。 本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材の一実施例のモデル図である。 本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材の一実施例の燃焼試験の説明図である。 JIS K6400−6に準じた難燃試験の説明図である。
以下、高熱燃焼火炎や高熱が作用しても、それ自身が類焼延焼や高熱発火することがなく、また、表層高熱を遮断することができる厚みの薄い、大きな伸縮性を有する保護層を提供する本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主要構成構造は、図2に示すように、構成主体を占める不燃断熱性伸縮層Aからなり、必要に応じて、その最下面に熱線反射層Bを敷設して構成される。
そして、この伸縮性を有する不燃断熱性伸縮層Aは、耐熱、耐老化性の柔軟伸縮性弾性ゴム連続気泡スポンジ材を、一定厚みtに分割スライスした基材シート1とし、その表面に、図3に示すように、耐熱、耐老化性のポリエラストマーをマトリックスとして無機化合物不燃化剤を高濃度に含有する弾性不燃化剤被膜2を基材シート1の表面にコーティングして不燃化剤含有被膜形成シート3を形成し、さらに、この不燃化剤含有被膜形成シート3を、図4(a)に示すように所定の厚みTになるまで複数枚積層一体化して構成される。
さらに、不燃断熱性伸縮層Aの最下面には、図5に示すような、耐熱、耐老化性の柔軟弾性ゴム連続気泡スポンジ材を一定厚みtにスライス分割した基材シート1の表層に熱線である赤外線を反射する反射鏡面4を形成した熱線反射層Bを、図2に示すように、接着一体化して不燃断熱性弾性伸縮保護材Fとしている。
この不燃断熱性弾性伸縮保護材Fにおいて、主要構成部材である不燃断熱性伸縮層Aを構成する、図3に示す、不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティング形成された弾性不燃化剤被膜2に含有する無機化合物不燃化剤成分は、低燃焼熱で溶融し、熱分解して水を生成する金属水酸化化合物及びそれらに結晶水が結合した無機水酸化物結晶体や、さらに、また、低燃焼熱で溶融し、熱分解して不燃性ガスである炭酸ガスを生成する金属炭酸化合物や炭酸化合物とそれらの水酸化化合物及び結晶水が結晶結合した塩基性炭酸化合物である。そしてこれらの不燃化剤は、単独又はその混合物として弾性不燃化剤被膜2に添加されていることを特徴とする。
また、不燃断熱性伸縮層Aを構成する、図3に示す、不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティングされた弾性不燃化剤被膜2において、その弾性不燃化剤被膜2を構成する弾性マトリックスの耐熱、耐老化性のポリエラストマーを、有機珪素化合物とし、含有する無機化合物不燃化剤成分と併用することができる。
また、図3に示す、弾性不燃化剤被膜2の構成素材として、弾性不燃化剤被膜2に含有する無機化合物不燃化剤に対して、低温で容易に溶融する低融点無機化合物の混合融合フリット釉を添加混合併用することができる。
また、不燃断熱性伸縮層Aを成形するに当たり、不燃断熱性伸縮層Aを構成する不燃化剤含有被膜形成シート3の積層方向は、図4(a)に示す不燃化剤含有被膜形成シート3を水平方向にして積層する水平積層に限定されず、図4(b)に示す不燃化剤含有被膜形成シート3を垂直方向にして積層する垂直積層とすることもできる。
また、図3に示す不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティング形成する弾性不燃化剤被膜2において、含有する不燃化剤の成分を異にした弾性不燃化剤被膜2a及び弾性不燃化剤被膜2bとし、これを基材シート1の表面に各々コーティングして、不燃化剤含有被膜形成シート3a及び不燃化剤含有被膜形成3bを形成し、さらにこれを種別毎に複数枚積層して、各々の厚みTa、Tbとし、不燃断熱性伸縮層Aa及び不燃断熱性伸縮層Abを構成し、さらにこれを図6(a)及び図6(b)に示すように、順次積層して複合不燃断熱性伸縮層Aとすることができる。
一般に有機高分子の柔軟弾性ゴムを不燃及び難燃化するとき、そのポリマーに多量の不燃化剤を混入する必要があるが、そのことにより柔軟性や物理特性が損なわれ、また、耐老化性を低下させる。さらに、不燃化剤を多量混入して柔軟な発泡スポンジ材とすることは不可能であり、目的とする機能を有する素材で不燃断熱性弾性伸縮保護材を製作することは困難である。
一方、本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fはそれを可能としたものである。
すなわち、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主要構成構造は、図2に示すように、構成主体を占める不燃断熱性伸縮層Aと、その最下面に敷設した熱線反射層Bとで構成されており、また、この伸縮性を有する不燃断熱性伸縮層Aは、耐熱、耐老化性の柔軟伸縮性弾性ゴム連続気泡スポンジ材を、一定厚みtに分割スライスして基材シート1とし、その表面に図3に示すように、耐熱、耐老化性のポリエラストマーをマトリックスとした無機化合物不燃化剤を高濃度に含有する弾性不燃化剤被膜2を基材シート1の表面にコーティングして不燃化剤含有被膜形成シート3を形成し、さらに、この不燃化剤含有被膜形成シート3を、図4(a)に示すように、所定の厚みTになるまで複数枚積層一体化して構成される。
すなわち、この不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの構成主体である不燃断熱性伸縮層Aは、主体構成材が耐熱、耐老化性の柔軟伸縮性弾性ゴム連続気泡スポンジ材を一定厚みtに分割スライスした基材シート1の積層集合体として形成されており、また、基材シート1の表面にコーティングされた高濃度の不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜2は弾性ポリマーをマトリックスとし、薄い被膜とすることで柔軟な被膜となり、基材シート1の自由伸縮性を阻害することなく、伸縮装置遊間の伸縮変位に追随でき、自由伸縮性を有する不燃断熱性伸縮層Aとすることができる。
さらに、この不燃断熱性伸縮層Aの最下面には、図5に示すように、耐熱、耐老化性の柔軟弾性ゴム連続気泡スポンジ材を一定厚みtにスライス分割した基材シート1の表層に熱線である赤外線を反射する反射鏡面4を形成した熱線反射層Bを作成し、これを、図2に示すように、接着一体化して不燃断熱性弾性伸縮保護材Fとしている。
すなわち、不燃断熱性伸縮層Aの最下面に、図2に示すように、熱線である赤外線を反射する反射鏡面4を形成した熱線反射層Bを配備することで、不燃断熱性伸縮層Aの表層に作用する高熱や燃焼熱の伝達熱線赤外線を反射し、厚みの薄い不燃断熱性弾性伸縮保護材Fで遊間機能材ロに高熱が作用することを阻止できる。
また、この不燃断熱性弾性伸縮保護材Fにおいて、主要構成部材である不燃断熱性伸縮層Aを構成する、図3に示す、不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティング形成された弾性不燃化剤被膜2に含有する無機化合物不燃化剤成分は、低燃焼熱で溶融し、熱分解して水を生成する金属水酸化化合物及びそれらに結晶水が結合した無機水酸化物結晶体や、さらに、また、低燃焼熱で溶融し、熱分解して不燃性ガスの炭酸ガスを生成する金属炭酸化合物、及び炭酸化合物とそれらの水酸化化合物及び結晶水が結晶結合した塩基性炭酸化合物である。そしてこれらの不燃化剤は単独又はその混合物として弾性不燃化剤被膜2に添加されている。
すなわち、可燃性有機高分子のゴムやプラスチックの連鎖延焼炎上反応は、それらの可燃性有機高分子が、高熱燃焼熱等の高熱に曝されることで、分子切断分解による低分子量の可燃性ガス化が進行し、分解可燃ガスは高温状態で酸素との接触頻度を高め、活性ラジカル(・OH、・O)を生成する。この活性ラジカル(・OH、・O)は反応エネルギが高く、分解可燃ガスに作用して水を生成するとともに、さらに、活性ラジカル(・OH、・O)を生成し、この高温燃焼連鎖反応が燃焼延焼反応を助長し高熱燃焼炎上する。そして、また、この反応高熱がポリマーの分解低分子量可燃ガス化を促進し、高温燃焼延焼反応が連鎖する。これが可燃性有機高分子の燃焼延焼炎上反応の基本的なメカニズムである。
しかし、可燃性有機高分子が高熱燃焼熱等の影響を受ける際に、その高熱燃焼熱を冷却し、また、反応環境酸素濃度を低下することができれば、燃焼温度は低くなり、酸素濃度が低いことで、さらに、反応熱は低下し、高分子の分解低分子可燃ガス化は抑制できる。
すなわち、低温低酸素濃度での高分子の酸化反応は、高分子の切断低分子量ガス化反応が抑制され、高分子からの水素離脱分解反応となり、その脱離水素の酸化による水(HO)の生成反応と水素が離脱した高分子の炭素化反応となる。この炭素は不燃性であり、また、低温燃焼生成水は、反応熱を冷却し、燃焼反応をさらに抑制して消火する。
本発明の不燃断熱性伸縮層Aの主体構成素材である可燃性の基材シート1において、その不燃化機構は、基材シート1の表層を高濃度の不燃化剤を含有する薄い弾性不燃化剤被膜2でコーティングして不燃化剤含有被膜形成シート3を形成し、その不燃化剤含有被膜形成シート3をさらに積層集合一体化して図4(a)及び図4(b)に示すように不燃断熱性伸縮層Aが構成されている。
すなわち、基材シート1は弾性不燃化剤被膜2で包囲されることとなり、この不燃断熱性伸縮層Aの表面に高熱火炎や高熱が作用すると、表層にコーティング形成した弾性不燃化剤被膜2に含有する無機化合物不燃化剤が直ちに低温溶融し無機溶融被膜を形成して酸素を遮断し高温燃焼を阻止するとともに、無機化合物不燃化剤の水酸化化合物は、その結晶水を離脱し水蒸気を発生し、また、分子分解で水を生成することで燃焼系の冷却と燃焼環境の酸素濃度希釈を行い、燃焼反応の抑制をしてさらに燃焼熱を低下させる。
一方、無機化合物不燃化剤の炭酸化合物及び塩基性炭酸化合物は同様に、その結晶水を離脱し水を生成し、燃焼系の反応熱冷却作用をするとともに、分子分解で不活性ガスの炭酸ガスを生成し、燃焼環境の酸素濃度が希釈され、燃焼反応の抑制をしてさらに燃焼熱を低下させる。
これらの不燃化剤の作用により、表層に高熱延焼炎や高熱が作用しても、不燃断熱性伸縮層Aは低温、低酸素燃焼反応となり、構成する可燃性高分子が低分子の可燃性ガスに分解することなく、活性ラジカル(・OH、・O)が増殖しないために連鎖延焼反応は停止し、不燃化消火することとなる。
さらに、分解生成炭酸ガスは、熱の伝導を下げ、遮熱性を高くする。
因みに、本発明で使用する無機化合物不燃化剤成分の金属水酸化物及びその結晶物質は低温(約350℃)で溶融し無機溶融物質となるとともに、熱分解により結合結晶水が水となり、さらに、金属水酸化化合物は金属酸化物と水に分解する。さらに、他の金属炭酸化合物及びその塩基性炭酸化合物結晶物質は、低温(約350℃)で溶融し無機溶融物質となるとともに、熱分解により結合結晶水が水となり、さらに、塩基性炭酸化合物に内包する金属水酸化化合物は金属酸化物と水に分解し、また、金属炭酸化合物は熱分解して金属酸化物と不活性の炭酸ガスになる。
また、不燃断熱性伸縮層Aを構成する、図3に示す、不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティングされた弾性不燃化剤被膜2において、その弾性不燃化剤被膜2を構成する弾性マトリックスのポリエラストマーを、有機珪素化合物とすることで含有する無機化合物不燃化剤成分との併用効果が発揮され、無機不燃化剤分解酸化物の低温溶融化が促進され、酸素遮断効果や断熱効果が助長される。
すなわち、この有機珪素化合物マトリックスは、熱分解で珪素(Si)を生成し、珪素(Si)と無機不燃化剤分解酸化物が共融合体を形成し、低温融解釉となり無機溶融皮膜を形成して酸素遮断し、高温燃焼を阻止する。
また、図3に示す、弾性不燃化剤被膜2の構成素材として、無機化合物不燃化剤と共に低温で容易に溶融する低融点無機化合物の混合融合フリット釉を添加し併用することで、添加した低融点無機化合物融合フリット釉が低温燃焼熱で溶融し、無機化合物不燃化剤熱分解生成物質の金属酸化物を吸着し、新たな混合低温融解釉化して作用し、酸素遮断無機被膜をさらに増大して酸素遮断性を高め、低酸素、低温燃焼により有機高分子の脱水素反応、炭化反応が進行し、不燃断熱性伸縮層Aは難燃不燃性となる。特に、この低融点無機化合物融合フリット釉がリン酸系ガラスであれば、さらに有機高分子の脱水素反応、炭化反応が早期に行われ、効果が高くなる。
また、不燃断熱性伸縮層Aを成形するに当たり、不燃断熱性伸縮層Aを構成する不燃化剤含有被膜形成シート3の積層構造を、図4(a)に示す水平方向積層に限定せず、図4(b)に示すように垂直積層で構成することもできる。
すなわち、不燃断熱性伸縮層Aを形成する不燃化剤含有被膜形成シート3の伸縮変位性は基材シート1の幅方向より厚み方向の方が容易で、伸縮歪座屈変形を抑制する。不燃断熱性弾性伸縮保護材Fを敷設する遊間の伸縮方向によって、不燃化剤含有被膜形成シート3の積層方向を決定することで不燃断熱性伸縮層Aの伸縮特性をさらに向上させることができる。
また、図3に示す、不燃化剤含有被膜形成シート3の表層にコーティング形成する弾性不燃化剤被膜2において、含有する不燃化剤の成分を異にして、弾性不燃化剤被膜2a及び弾性不燃化剤被膜2bとし、これらを基材シート1の表面に各々コーティングして不燃化剤含有被膜形成シート3a及び不燃化剤含有被膜形成シート3bを形成し、これを種別毎に複数枚積層して、各々厚みTa、Tbの不燃断熱性伸縮層Aa及び不燃断熱性伸縮層Abを形成し、さらにこれを、図6(a)及び図6(b)に示すように、積層構成して複合不燃断熱性伸縮層Aとすることができる。
すなわち、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの表層で火災や高熱の作用を受けた場合、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの表層部と内央部では、熱の作用や燃焼環境条件が異なり、各部位でそれに適合した不燃化機構や要求保護機能特性が必要である。
そして、表層においては、燃焼火炎や高熱に曝され、また大気に直接接していることから酸素供給が容易であり、基材シート1の素材であるゴムポリマーは高温類焼延焼する。
これを阻止するためには、直ちに燃焼熱を冷却して表層燃焼温度を下げ、また、表面の燃焼環境での酸素濃度の低減や酸素からの遮断が必要であり、また、早期脱水素反応によるゴムポリマーの炭素化が必要となる。
また、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの内央部においては、表層同様の不燃化機能も必要であるが、特に表層から伝達される高熱の冷却と伝導熱の緩和や遮蔽をする機能が要求され、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの下部に敷設する遊間機能材ロを高熱から保護する必要がある。
この不燃断熱性弾性伸縮保護材Fは、この各部位の要求機能特性に適応した不燃剤層を形成配備することで、厚みが薄い、大きな伸縮性を有する保護層イとすることができる。
以下、本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fを、より具体的に説明する。
本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの基本構造概要は、図2に示すように、その構成主要部である不燃断熱性伸縮層Aとその下面に配備する熱線赤外線を反射して伝導高熱を抑制する熱線反射層Bの2部材で形成している。
そして、その各部を構成する主要部材は、両者とも耐熱、耐老化性の柔軟伸縮性弾性ゴム連続気泡スポンジ材を母材とし、それを一定厚みtに分割スライスした基材シート1からなり、主体構成部材の不燃断熱性伸縮層Aは、図3に示すような基材シート1の表層に弾性不燃化剤被膜2をコーティング形成した不燃化剤含有被膜形成シート3を、さらに、図4に示すように、積層して形成される。
また、基材シート1の表層にコーティングして不燃化剤含有被膜形成シート3を形成する弾性不燃化剤被膜2は、耐熱、耐老化性のポリエラストマーをマトリックスとして無機化合物不燃化剤を高濃度に含有させた弾性不燃化剤被膜2である。
また、熱線反射層Bは、図5に示すように、基材シート1の表層に反射鏡面4を形成する材料を塗布して形成される。
以下、一実施例として、図7に示すような不燃断熱性伸縮層Aを異なった不燃剤を含有する弾性不燃化剤被膜2a、2bをそれぞれコーティングして形成した不燃化剤含有被膜形成シート3a、3bを各々縦に積層して形成した不燃断熱性伸縮層Aa、Abで構成する複合不燃断熱性伸縮層Aとし、最下層に基材シート1の表層に反射鏡面4を形成する材料を塗布して形成した熱線反射層Bを配設した不燃断熱性弾性伸縮保護材Fについて説明する。
図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)やポリクロロプレン(ネオプレンゴム)等の軟質連続気泡ゴムスポンジ(約5〜10倍発泡)を基材シート1の母材とする。
そして、複合不燃断熱性伸縮層Aの表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaは、燃焼火炎や高熱に直接曝され、また、大気に直接接していて酸素供給が容易なため、高温類焼延焼する環境にある。
これを阻止するための添加無機不燃化剤として、燃焼熱で直ちに低温溶融し、かつ、低温分解して水を生成する無機水酸化化合物を適用し燃焼高熱冷却を計り、また、さらに、低温溶融し、無機水酸化化合物の分解生成する金属酸化物を吸着し、新たな混合低温融解釉として作用する無機溶融フリット釉を併用し、酸素遮断溶融被膜形成能を高くすることで表層の酸素遮断効果を高める。
この両者の併用効果で、低温、低酸素燃焼によるゴムポリマーの低温脱水素化とそれによるポリマーの炭化を促進し不燃断熱性伸縮層Aaの不燃化を実現する。
一方、複合不燃断熱性伸縮層Aの内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abは、表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaと同様に、燃焼熱の冷却不燃化機能も必要であり、無機水酸化化合物を適用するとともに、さらに低温分解し不活性ガスである炭酸ガスを生成する無機炭酸化合物や塩基性炭酸化合物を添加し、表層から伝達する高熱を、生成内包する炭酸ガスの遮熱特性で遮蔽緩和する。
この両者を併用することで、冷却と断熱性の高い不燃断熱性伸縮層Abを形成することができる。
このように、図7に示すように不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主要構成部である不燃断熱性伸縮層Aを前記の複合不燃断熱性伸縮層とすることで、厚みを薄くした不燃断熱性伸縮層Aを実現できる。
また、不燃断熱性伸縮層Aの最下面に、図2に示すように配備する反射鏡面4を形成した熱線反射層Bは、基材シート1(厚み:5mm)の表面に耐熱鏡面化塗料を塗布して熱線赤外線の反射面を形成し、不燃断熱性伸縮層Aの表層に作用する高熱や燃焼熱の熱線赤外線を反射することで、厚みの薄い不燃断熱性弾性伸縮保護材Fで遊間機能材ロに高熱が作用することなく保護することができる。
図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの寸法は、例えば、その厚みを35mmとし、遊間挿入最大幅Wを300mm、長さ方向は300mm(又は300mm以上)とする。
また、複合不燃断熱性伸縮層Aの表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaの厚みTaは7mm、内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abの厚みTbは23mmとし、複合不燃断熱性伸縮層Aの厚みTを30mmとする。
そして、この複合不燃断熱性伸縮層Aの最下面に、図2に示す基材シート1に反射鏡面4を形成した熱線反射層B(厚み:5mm)を接着一体化し、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fを構成する。
図7に示す、上記寸法の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fを製作する場合において、その主構成部材である不燃断熱性伸縮層Aは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)の軟質連続気泡ゴムスポンジ(約8倍発泡、見掛け密度:0.13、引張強さ:95kPa、伸び:350%、圧縮硬さ:5.6kPa/50%)を構成母材とし、これを一定厚み(約5mm)に分割スライスし、寸法300×300mmにカットして、実施例の基材シート1(平均55.7g/枚)を120枚作成した。
また、不燃断熱性伸縮層Aを構成する積層素材の図3に示す不燃化剤含有被膜形成シート3において、基材シート1の表面にコーティングすることにより含浸させて形成する弾性不燃化剤被膜2の弾性マトリックスとして、オキシム硬化反応型のシクロテトラシロキサン溶液(成分濃度:63%)を採用した。
また、図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主構成部材である不燃断熱性伸縮層Aの表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaにおいて、不燃断熱性伸縮層Aaを構成する不燃化剤含有被膜形成シート3aに配備する表面にコーティングすることにより含浸させて形成する弾性不燃化剤被膜2aの添加無機化合物不燃化剤成分は、水酸化アルミニウム(融点:300℃)と低融点無機化合物融合フリット釉(リン酸系ガラス釉、融点:360℃)の併用とし、その構成比は6:1とした。
この併用無機化合物不燃化剤を基材シート1の表面にコーティングして形成する弾性不燃化剤被膜2aの塗布不燃化剤液は、前記シロキサン溶液(固形分:63%)100gに対し、表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaに適応する併用無機化合物不燃化剤の153.4gを投入して均一に混合した溶液(無機不燃化剤率:60.35%)である。
この塗布不燃化剤液を、5mm×300mm×300mmの基材シート1(平均重量:55.7g/枚)の表面に平均91.2g(0.101g/cm)塗布し、60枚の不燃化剤含有被膜形成シート3aを製作し、さらにこれを積層して、厚みTaを約300mm以上とし、30〜45℃で24時間硬化養生する。
そして、この不燃化剤含有被膜形成シート3aの積層ブロックを基材シート1の水平面に対して直交する方向に、幅7mmで切断し、図7に示す不燃断熱性伸縮層Aaを製作する。
このときの基材シート1の表面(300×300mm)に付着する不燃化剤量(弾性シロキサンマトリックスを含む。)は、平均77.9g/枚(純無機不燃化剤量は55.2g/枚、0.061g/cm)であった。
すなわち、可燃性のゴム高分子量(55.7g/枚)に対して、それに対応付着させる純無機不燃化剤量は(55.2g/枚)、約同重量(1:2〜2:1の範囲に設定することができる。)である。
また、図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主構成部材である不燃断熱性伸縮層Aの内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abにおいて、不燃断熱性伸縮層Abを構成する不燃化剤含有被膜形成シート3bの表面にコーティングすることにより含浸させて形成する弾性不燃化剤被膜2bに添加する無機化合物不燃化剤成分は、水酸化アルミニウム(融点:300℃)と炭酸マグネシウム結晶粉末(融点:350℃)の併用とし、その構成比は6.5:1とした。
この併用無機化合物不燃化剤を基材シート1の表面にコーティングして形成する弾性不燃化剤被膜2bの塗布不燃化剤液は、前記シロキサン溶液(固形分:63%)100gに対し、内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abに適応する併用無機化合物不燃化剤を151.8gを投入して均一に混合した溶液(無機不燃化剤率:60.28%)である。
この塗布不燃化剤液を、5mm×300mm×300mmの基材シート1(平均重量:55.7g/枚)の表面に平均90.3g(0.10033g/cm)を塗布し、60枚の不燃化剤含有被膜形成シート3bを製作し、さらにこれを積層して、厚みTbを約300mm以上とし、30〜45℃で24時間硬化養生する。
そして、この不燃化剤含有被膜形成シート3bの積層ブロックを基材シート1の水平面に対して直交する方向に、幅23mmで切断し、図7に示す不燃断熱性伸縮層Abを製作する。
このときの基材シート1(300×300mm)に付着する不燃化剤量(弾性シロキサンマトリックスを含む。)は平均77.0g/枚(純無機不燃化剤量は54.4g/枚:0.060g/cm)であった。
すなわち、可燃性のゴム高分子量(55.7g/枚)に対して、それに対応付着させる純無機不燃化剤量は(54.4g/枚)、約同重量(1:2〜2:1の範囲に設定することができる。)である。
以上の方法で製作した表層部を構成する厚み7mmの不燃断熱性伸縮層Aaと内央部を構成する厚み23mmの不燃断熱性伸縮層Abとを、図7に示すようにさらに積層接着して、図7に示す層厚み30mmの複合不燃断熱性伸縮層Aを形成する。
また、図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの最下層に配備する熱線反射層Bにおいて、その基材シート1(300×300mm)の表面に、耐熱亜鉛シルバー塗料(成分:亜鉛、アルミニウム、固形分:55%)を、約9.0g/枚(0.01g/cm)塗布し、常温自然乾燥後、前記厚み30mmの複合不燃断熱性伸縮層Aの下面に接着配備した。
このようにして製作した厚み35mm、300mm×300mmの不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの燃焼断熱性能試験を、図8に示す燃焼断熱性能試験装置を用いて行った。
遊間機能材ロとして、厚み150mm、425mm×425mmのポリエチレンフォーム(密度:0.03g/cm、引張力:0.08MPa、伸び:170%、50%圧縮硬さ:0.0035MPa)を適用する。
また、試験体試料の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fは、厚み35mm、300mm×300mmの複合不燃断熱性伸縮層Aとし、表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aaは厚み7mm、300mm×300mmの縦方向積層体とする。また、内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abは、厚み23mm、300mm×300mmの縦方向積層体とする。
温度測定センサーは、佐藤慶器製作所社製の針型(φ3)のセンサーSWP−01(測定範囲:−40℃〜240℃、精度:±0.5℃)を使用し、デジタル温度計SK−250WPで計測する。
実験セットは、図8に示すように、遊間機能材ロの中央に針型のセンサーSWP−01を刺し、センサーの先端を約2mm突き出す。その上面に、厚み35mm、300mm×300mmの不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの中央を合致させ、90度交差させて重ねる。すなわち、遊間機能材ロの中央面に突き出る温度測定センサーの先端は不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの中央下面に接触する。
燃焼試験熱源は、日本カーリット社製の道路作業信号炎管ロードフレヤー15AR(φ30×250L、燃焼時間:15分間、燃焼温度:約1,300℃)を不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの上面の対角線に沿って中央より約100mm離した位置に噴炎口を付け、不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの表面に対して、対角線上で15度傾斜させて噴炎して燃焼試験を行った。
その結果は、表1に示すとおりであった。
Figure 0006275532
また、本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材Fは、単一素材で形成するものではなく、各複数の素材で構成されており、各々の素材が持つ機能の相乗効果で性能を発揮する形態であるため、JIS K6400−6に準じる難燃試験法とその評価基準を適用して判断することは困難であるが、部分資材の性能評価の目安とすることは可能であり、JIS K6400−6に準じた難燃試験を以下の方法で実施した。
難燃試験試料は、図7に示す不燃断熱性弾性伸縮保護材Fの主構成部材である不燃断熱性伸縮層Aの表層部を構成する不燃断熱性伸縮層Aa及び内央部を構成する不燃断熱性伸縮層Abをそれぞれ構成する不燃化剤含有被膜形成シート3a及び不燃化剤含有被膜形成シート3bの積層ブロックから採取する。
各々の積層ブロックの製作は、前記と同様に、各不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜2a、2bを5mm×300mm×300mmの基材シート1(平均重量:55.7g/枚)にコーティングし、各々の不燃化剤含有被膜形成シート3a、3bを製作し、各々を10枚積層(厚み:50mm)する。
この各々の積層ブロック(厚み:50mm)を積層シート面に対して直交する方向で、10mm×150mmに裁断し、10t×50w×150Lの難燃試験片fとする。
この難燃試験片fを、図9に示すように、水平に金網上に配置し、その試料片の先端にJIS K6400−6に指示する燃焼試験バーナをセットし、指示燃焼炎で、60秒間接炎燃焼させ、その後の試料の消火時間及び燃焼状態を確認した。
その結果は、それぞれ表2及び表3に示すとおりであった。
Figure 0006275532
Figure 0006275532
以上、本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の不燃断熱性弾性伸縮保護材は、伸縮装置の表層に保護層として挿入し、表層で高熱燃焼火炎や高熱が作用しても、それ自身が類焼延焼や高熱発火することなく、また、その表層の高温を遮断して、伸縮装置遊間に挿入した止水材や防音材等の遊間機能材を保護する厚みの薄い、大きな伸縮性を有する保護層を形成することができる特性を有していることから、伸縮遊間内に敷設される伸縮性止水材や伸縮性防音材等の遊間機能材類の表層に挿入敷設し、路上火災や発炎筒等の高熱火炎による類焼や高熱の作用による発火及び熱損傷から遊間機能材を保護し、かつ、自身が着火延焼しない不燃断熱性弾性伸縮保護材の用途に好適に用いることができる。
A 不燃断熱性伸縮層
Aa 不燃断熱性弾性伸縮保護材の表層部を構成する不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜で形成した不燃化剤含有被膜形成シートを積層して形成した不燃断熱性伸縮層
Ab 不燃断熱性弾性伸縮保護材の内央部を構成する不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜で形成した不燃化剤含有被膜形成シートを積層して形成した不燃断熱性伸縮層
B 熱線反射層
F 不燃断熱性弾性伸縮保護材
J 伸縮装置
P 伸縮装置遊間ウエーブプレート
イ 保護層
ロ 遊間機能材
1 基材シート
2 弾性不燃化剤被膜
2a 弾性不燃化剤被膜
2b 弾性不燃化剤被膜
3 不燃化剤含有被膜形成シート
3a 不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シート
3b 不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シート
4 反射鏡面

Claims (4)

  1. 道路橋や高架橋において伸縮遊間を具備する伸縮装置の遊間内に敷設される弾性伸縮性を有する有機高分子材料で構成された遊間機能材の表層に保護層として設けられる柔軟弾性ゴム連続気泡スポンジ材からなる基材シートの表層に不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートを積層してなる不燃断熱性伸縮層を備えてなる不燃断熱性弾性伸縮保護材であって、前記不燃断熱性伸縮層が、低燃焼熱で溶融する無機化合物からなるフリット釉を添加した不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートからなる不燃断熱性伸縮層を表層部に、フリット釉を添加しない不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜を形成した不燃化剤含有被膜形成シートからなる不燃断熱性伸縮層を内央部に用いてなることを特徴とする不燃断熱性弾性伸縮保護材。
  2. 前記フリット釉を添加しない不燃化剤を含有する弾性不燃化剤被膜に用いる不燃化剤、低燃焼熱で溶融し、熱分解して不燃性ガスである炭酸ガスを生成する化合物が添加されてなることを特徴とする請求項1記載の不燃断熱性弾性伸縮保護材。
  3. 前記不燃断熱性伸縮層が、前記不燃化剤含有被膜形成シートを、水平方向又は垂直方向にして積層されてなることを特徴とする請求項又は記載の不燃断熱性弾性伸縮保護材。
  4. 前記不燃断熱性伸縮層の最下面に、熱線を反射する反射鏡面を形成した熱線反射層を接着一体化してなることを特徴とする請求項1、又は3記載の不燃断熱性弾性伸縮保護材。
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