JP2007169415A - 難燃性、耐火性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物および低圧耐火電線・ケーブル - Google Patents

難燃性、耐火性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物および低圧耐火電線・ケーブル Download PDF

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【課題】特に火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがない耐火性、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れ、シリコーン系樹脂を用いた樹脂組成物と比較して低価格の難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加された、難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物とすることによって、解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気絶縁特性および機械的特性に優れた、難燃性、耐火性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物、およびその架橋物を絶縁被覆層とした難燃性、耐火性電線・ケーブル、特に前記架橋物を耐火絶縁層とした低圧用の耐火ケーブルに関するものである。
耐火性を有する樹脂組成物としてはシリコーン樹脂系の樹脂組成物が使用されているが、この樹脂組成物は高価であるため製品コストが上昇するため、比較的低コストの耐火性を有する樹脂組成物が望まれている。例えば、前記樹脂組成物は難燃性絶縁電線や耐火ケーブル等に使用される。特に低圧耐火ケーブルは、600V以下の消防用の非常設備用の配線として使用されるもので、火災時にも所定時間その機能を維持することが消防庁の低圧耐火ケーブル認定試験基準(JMCA試第1010号)で規定されている。このためケーブルの絶縁層として、軟化開始温度が500℃以下で、結晶化開始温度が840℃以下のガラスフリットを添加したシリコーン樹脂組成物を、耐火絶縁層として被覆することが特許文献1に記載されている。この低圧耐火ケーブルは、前記消防庁の認定試験基準の耐火性を満足するものであるが、絶縁抵抗が急激に低下することがある。これは前記ガラスフリット中のアルカリ金属イオンが、耐火絶縁層中を移動することによって生じるものと考えられ、このような現象を抑えるための提案がある。例えば特許文献2に見られるように、軟化開始温度が500℃以下で結晶化開始温度が840℃以下のガラスフリット、並びに金属酸化物を添加したシリコーン樹脂組成物を、導体上に被覆・架橋して耐火絶縁層とするものであるが、この低圧耐火ケーブルは前記認定試験基準に合格し、絶縁抵抗の急激な低下もかなり抑えることができるがそれでも時として絶縁抵抗が低下する場合があり、今だ十分満足できるものではなかった。さらに、耐火性としての延焼の問題も完全には満足できるものではなかった。しかもシリコーン樹脂ベースのこの種樹脂組成物は、前述のように高価なため製品コストが高くなる問題がある。また、屋内外の絶縁電線、電子機器類に使用される被覆材料やゴムモールド品等としては、電気的特性、機械的特性や価格等の点からエチレン・プロピレン・ジエン共重合体が使用されている。そして、このエチレン・プロピレン・ジエン共重合体には、難燃性を確保するために無機充填剤が比較的多量に添加される。このため、電気的特性上からの問題点が指摘されている。例えば特許文献3に記載されるように、耐電圧特性を向上させるために充填剤として端末に二重結合を持つシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤で表面処理されたタルクや炭酸カルシウムを添加することによって、改善されるとしている。しかしながら、このような端末に二重結合を持つシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤で表面処理されたタルクや炭酸カルシウムを特に多量に添加した場合、有機過酸化物等による架橋に際して前記端末に二重結合を持つ前記カップリング剤の二重結合が有機過酸化物と反応して不活性化して、架橋度が上がらないために電気的特性を維持したまま機械的特性等が十分に向上しない問題があった。また、耐火性に関しては不十分であった。
特開2002−270047号公報 特開2003−12926号公報 特開平8−45342号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、特に火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがない耐火性、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れた、難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物(以下、EPDM組成物)を提供すること。そして、前記難燃性や耐火性を有するEPDM組成物は、シリコーン系樹脂を用いた樹脂組成物と比較して低価格のものを提供することにある。また、前記EPDM組成物の架橋物を絶縁被覆層として用いた、前記特性を有する難燃性、耐火性の電線・ケーブルを提供することにある。特に、前記EPDM組成物の架橋物を耐火絶縁層として用いた、前記の特性を有する低圧用の耐火ケーブルを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(以下、EPDM)100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加された難燃性や耐火性を有するEPDM組成物とすることによって、解決される。
また請求項2に記載されるように、請求項1に記載の難燃性や耐火性を有するEPDM組成物の架橋物が、導体上に絶縁被覆層として設けられた難燃性、耐火性電線・ケーブルとすることによって、解決される。特に、請求項3に記載されるように、請求項1に記載の難燃性や耐火性を有するEPDM樹脂組成物の架橋物が、導体上に耐火絶縁層として設けられた低圧耐火ケーブルとすることによって、解決される。
以上の本発明は、EPDM100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加された、難燃性や耐火性を有するEPDM組成物としたので、火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがなく、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れると共に、難燃性や耐火性を有する樹脂組成物となる。また、このEPDM組成物は、従来のシリコーン樹脂をベースポリマーとする樹脂組成物と比較して低価格のものとすることができる。
また、前記難燃性や耐火性を有するEPDM組成物の架橋物が、導体上に絶縁被覆層として設けられた難燃性、耐火性電線・ケーブルとすることによって、火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがなく、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れると共に、難燃性や耐火性を有する難燃性、耐火性の電線・ケーブルが得られる。また、得られた前記電線・ケーブルは、従来のシリコーン樹脂組成物を用いた場合に比較して、製品コストを低減することができる。
さらに、前記難燃性や耐火性を有するEPDM組成物の架橋物が、導体上に耐火絶縁層として設けられた低圧耐火ケーブルとすることによって、火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがなく、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れると共に、消防庁の低圧耐火ケーブル認定試験基準(JMCA試第1010号)に合格する低圧用の耐火電線・ケーブルとして有用である。また、得られた低圧耐火電線・ケーブルは、従来のシリコーン樹脂組成物を用いた場合に比較して、製品コストを低減したものである。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、EPDM100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加された、難燃性や耐火性を有するEPDM組成物である。
まずベースポリマーとなるEPDMについて説明する。特に制限されるものではないが、ジエン成分の含有量が20質量%以上の比較的高ジエンのEPDMである。これは、ジエン成分の含有量を20質量%以上のEPDMを用いることによって、EPDM組成物の硬度や破断強度を向上させることができるためである。このようなEPDMとしては、エチレン・プロピレンと1,4ヘキサジエン、ヘキサシクロジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン成分との三元共重合のものが使用される。また前記EPDMには、各種ポリエチレンやポリプロピレンを混合することができる。混合量は、EPDM100質量部に対して50質量部まで、好ましくは20質量部までである。このような混合物とすることによって、耐熱性が向上し好ましい。以上のようなEPDMの具体例としては、三井化学社のEPT4021、DSM社のKELTAN2470B、デュポン・ダウエラストマー社のNordel1145、エクソンモービル社のVistalon2727等が挙げられる。そして、このEPDM100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリット、無機充填剤および架橋剤が必要量添加されることにより、火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがない難燃性や耐火性、また電気絶縁特性並びに機械的特性に優れた特性を有すると共に、架橋可能なEPDM組成物とすることができる。そして、得られたEPDM組成物は、シリコーン系樹脂をベースとする従来のこの種の樹脂組成物に比較して低価格のものである。
また、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットは、EPDM組成物が燃焼した時に無機質の殻の強度を向上させるバインダー的な役目をするもので、釉薬を溶融し冷却した後粉砕することによって通常、粒子径が50μm以下とした微粒子である。これは50μmを超えるような微粒子であると、EPDMとの混練が十分に行われないためである。このような低融点ガラスフリットは、SiO、Al、B、P、NaO、KO、LiO、CaO、As、TiO、ZrO、ZnO等の金属酸化物を成分とするガラス組成物である。そして、本発明においては、軟化開始温度を低くするために通常添加されるNaO、KO、LiO等のアルカリ金属酸化物等を含まないものである。このようなアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットとしては、旭硝子社のASF−1260等を挙げることができる。また、これらのアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットは、ベース樹脂との分散性や相溶性を向上させるために、シランカップリング剤等によって表面処理を施すのが好ましい。
その添加量は、EPDM100重量部に対して1〜30質量部とするのが好ましい。これは前記低融点ガラスフリットの添加量が1重量部未満であると、燃焼時に生成する殻の強度を十分なものとすることができず、また30重量部を超えて添加すると、EPDM樹脂組成物の機械的強度が低下したり、押出し成形性が悪くなるので前記配合割合とするのがよい。なおアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットの特性として、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下とするのは、前記低融点ガラスフリットが500℃以下で溶融しないと、EPDMが燃焼時に生成する無機質の殻が膨張して、崩壊することが確認されたためである。軟化開始温度が500℃以下のガラスフリットは、EPDMが燃焼して生成する無機質の殻に、溶融したガラスフリットが絡まってその膨張を抑え、緻密で高強度の耐火性の層を形成させることができる。また、結晶化開始温度を840℃以下としたのは、EPDMが燃焼時して生成する無機質の殻が流動化することを抑えるためである。
そして、無機充填剤の添加量を100〜200質量部とするのは、100質量部未満では十分な耐火性能が得られず、また200質量部を超えて添加すると、EPDM組成物の引張強度や引張伸び等の機械的強度が低下するためである。具体的な無機充填剤としては、タルク、焼成クレイ、炭酸カルシウム等の微粉末である。タルクの具体例としては、日本ミストロン社のミストロンベーパータルク、焼成クレイとしては白石カルシウム社のバーゲスKE、炭酸カルシウムとしては白石工業社のビゴット−15等がある。
また、前記EPDM組成物は、通常耐熱性を向上させると共に応力がかかった場合の変形防止のために、架橋して使用される。このための架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド(以下、DCP)、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が用いられ架橋可能なEPDM組成物とされる。通常EPDM100重量部に対して、0.5〜5重量部配合される。5重量部を超えて配合すると、押出し成形時にスコーチが生じることがあるためである。さらに前記EPDM組成物には、必要に応じて架橋助剤、他の難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、安定剤等を必要量添加することができる。
以上の難燃性や耐火性を有するEPDM組成物は、難燃性や耐火性を要求される各種の電線・ケーブルの絶縁被覆材料として使用される。すなわち、請求項2に記載されるように、前記難燃性や耐火性を有するEPDM組成物の架橋物が、導体上に絶縁被覆層として設けられた難燃性、耐火性電線・ケーブルである。例えば、屋内外の絶縁電線、電子機器類に使用される被覆材料等の内、EPDMがベース樹脂として使用されるものに適用できる。このような難燃性や耐火性を要求される電線・ケーブルとしては、断面積が1.2〜600mm程度の導体上に、前記EPDM組成物を1.1〜3.5mm程度の厚さに押出し被覆され、有機過酸化物架橋されることによって得られるものである。具体的には、計装耐火電線・ケーブル等の電線・ケーブルである。
つぎに、最も好ましい応用例である低圧耐火ケーブルについて説明する。すなわち、請求項3に記載されるように、前記難燃性や耐火性を有するEPDM組成物の架橋物が、導体上に耐火絶縁層として設けられた低圧耐火ケーブルである。耐火性、電気絶縁特性や機械的特性に優れた低圧用の耐火ケーブルとして有用である。図1によって説明すると、無酸素銅等からなる導体1上に、EPDM組成物を押出し被覆した後に、架橋装置で100〜200℃程度に加熱して架橋処理を施し、耐火絶縁層2を形成して耐火絶縁芯線3とする。この耐火絶縁芯線3を規定本数(この例では3本)撚り合せ、さらにその上にポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム等のシース4およびシールド5が設けられて低圧耐火ケーブル6が構成される。導体1は断面積が1.2〜600mm程度、耐火絶縁層2の厚さは1.1〜3.5mm程度、シース4の厚さが1.5〜2.3mm程度のものである。このようにして得られた低圧耐火ケーブル6は、絶縁抵抗、絶縁耐力並びに燃焼性に優れ、また引張強度や引張伸び等の機械的特性に優れると共に、十分に消防庁の低圧耐火ケーブル認定試験基準(JMCA試第1010号)に合格するものとなる。これは、EPDM組成物中を移動すると考えられるガラスフリットのアルカリ金属イオンを完全に抑制しているために、ケーブル燃焼時の絶縁抵抗の急激な低下をほぼ防止できるためと思われる。
表1に記載する実施例並びに比較例によって、本発明の効果を確認した。以下の試料を作製し、各種試験を行なった。EPDM(三井化学社のEPT4021)にアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットA(旭硝子社のASF1260、軟化開始温度480℃、結晶化開始温度650℃)またはアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットB(エア・ブラウン社のシープリーB200Utc、軟化開始温度350℃、結晶化開始温度650℃)、無機充填剤としてタルク(日本ミストロン社のミストロンベーパータルク)、架橋剤としてDCP(ジクミルパーオキサイド)、亜鉛華並びに老化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社のイルガノックス1010)を混練し、難燃性や耐火性を有するEPDM組成物を得た。
これをシート状に加工した後、160℃で40分間架橋し厚さ2.0mmの試験片とし、引張特性としてJIS K6251に準拠して、破断強度および破断伸びを測定した。破断強度は4.3MPa以上、また破断伸びは200%以上を合格として、〇印で記載した。不合格のものは×印で示した。また、前記と同様に厚さ1.0mmの試料片を作製し、体積抵抗率をJIS K6271に準拠して測定した。50℃の温水中に14日間浸漬した後の体積抵抗率が1×1013Ω−cm以上を合格とし〇印で、それ以外は不合格として×印で記載した。さらに、前記EPDM組成物を、断面積4mmの無酸素銅からなる導体上に、1.0mm厚さに押出し被覆し、200℃で架橋処理を行って耐火絶縁層を形成した耐火絶縁芯線とした。この耐火絶縁芯線を用い、IEC 331に準拠して耐火試験を行なった。燃焼時に、短絡や地絡の発生がないものを合格として〇印で記載した。それ以外は不合格として、×印で示した。結果を表1に示す。
Figure 2007169415
表1から明らかなとおり、EPDM100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加された、本発明の難燃性や耐火性を有するEPDM組成物は、電気絶縁特性並びに機械的特性に優れ、また、特に、これを耐火絶縁層とした低圧耐火ケーブルは、火災時に絶縁抵抗が急激に低下することがない耐火性を有するものである。さらに、従来のシリコーン樹脂組成物を用いた場合に比較して製品コストを低減できた。
詳細に説明する。実施例1〜4に記載されるように、アルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部添加したEPDM組成物は、破断強度、破断伸び、体積抵抗率並びに耐火性に合格するものであることが判る。また実施例5に記載されるように、無機充填剤の添加量が100質量部でも破断強度、破断伸び、体積抵抗率並びに耐火性に合格するものであり、無機充填剤の添加量は100〜200質量部の範囲で好ましいものであることが判る。
これに対して、比較例1のようにアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットの添加量が0.5質量部と少ないと、耐火性が不合格となり、また比較例2のようにアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットの添加量が35質量部と多くなると、破断伸びが不合格となる。さらに比較例3のように無機充填剤の添加量が90質量部と少ないと、耐火性並びに破断強度が不合格となり、比較例4のように無機充填剤の添加量が210質量部と多くなると、破断伸びが不合格となる。また比較例5および6のように、アルカリ金属を含有する低融点ガラスフリットを用いた場合には、その添加量が5質量部および20質量部のいずれも体積抵抗率が不合格となった。さらに、比較例7のように低融点ガラスフリットを添加しない場合には、耐火性が不合格となった。
本発明の難燃性や耐火性を有するEPDM組成物を用いた、難燃性、耐火性電線・ケーブルは、優れた難燃性や耐火性と電気絶縁特性、機械的特性を有するものであるから、種々の屋内外の絶縁電線、電子機器類に使用される電線・ケーブルや低圧耐火ケーブルとして実用的なものである。
低圧耐火ケーブルの概略断面図である。
符号の説明
1 導体
2 耐火絶縁層
3 耐火絶縁芯線
4 シース
5 シールド
6 低圧耐火ケーブル

Claims (3)

  1. エチレン−プロピレン−ジエン共重合体100重量部に対して、軟化開始温度が500℃以下でかつ結晶化開始温度が840℃以下のアルカリ金属を含有しない低融点ガラスフリットを1〜30質量部、無機充填剤100〜200質量部および架橋剤が添加されたことを特徴とする難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物の架橋物が、導体上に絶縁被覆層として設けられたことを特徴とする難燃性、耐火性電線・ケーブル。
  3. 請求項1に記載の難燃性や耐火性を有するエチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物の架橋物が、導体上に耐火絶縁層として設けられたことを特徴とする低圧耐火ケーブル。
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