JP6274031B2 - 車両用通信システム、車載機、携帯機及びコンピュータプログラム - Google Patents

車両用通信システム、車載機、携帯機及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本願は車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムに関する。
メカニカルキーを用いずに車両ドアの施錠及び開錠を行う車両用通信システムが実用化されている。具体的には、使用者が所持する携帯機からの遠隔操作により車両ドアの施錠又は開錠を行うキーレスエントリシステム、携帯機を所持した使用者が車両に近づき、又はドアハンドルに触れるのみで車両ドアの開錠を行うスマートエントリー(登録商標)システム等が実用化されている。
また、メカニカルキー(イグニッションキー)を用いることなしに、車両のエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させることを可能とする車両用通信システムも実用化されている。具体的には、携帯機を所持した使用者がスタートボタンを押すだけで、エンジン又は駆動用バッテリシステムが始動するプッシュスタートシステム等と呼ばれるシステムが実用化されている。プッシュスタートシステムでは、車両用通信システムを構成する車載機が、車両に対応する正規の携帯機が車室内に存在するか否かを判定する車室内外判定処理を実行し、正規の携帯機が車室内に存在すると判定された場合にのみエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させることで、利便性及び安全性を高めるようにしてある。
車室内外判定処理には、車載機及び携帯機間の無線信号の送受信による位置推定技術が利用される(特許文献1〜3等)。無線信号の送受信による位置推定技術は、レンジベース方式とレンジフリー方式とに大別される。レンジベース方式は、車室内外判定処理においては、車両の異なる位置に設けられた複数の車載アンテナと携帯機との間で送受信される無線信号に係る特殊な情報、例えば無線信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication )、到来時刻(TOA:Time Of Arrival )、到来時間差(TDOA:Time Difference Of Arrival)、到来方向(AOA:Angle Of Arrival)等を車載機又は携帯機にて測定し、測定結果の差異に基づいて携帯機の位置を推定する方法である。これに対しレンジフリー方式は、車室内外判定処理においては、位置が分かっている車載アンテナ及び携帯機間での検出信号に対する応答信号の有無により、車載機又は携帯機にて相対位置(存在の有無)を推定する方法である。
特許文献1には、車室内外に設けられたアンテナから夫々へ信号を送信し、携帯機がいずれのアンテナからの信号に対して応答したか否かにより携帯機の位置の車室内外を判定するキーレスエントリー装置が開示されている。つまり特許文献1に開示されている車室内外の判定は、車載機側から送信される信号に対する携帯機からの応答の有無のみで判定するレンジフリー方式が採用されている。
特許文献2には、携帯機の車室内外又はドアから所定の距離内外等の境界面内外判定を行うキーレスエントリー装置に関する発明が開示されている。特許文献2には、車載アンテナから送信される信号の受信信号強度を携帯機側で測定し、内外判定を行うレンジベース方式による境界面内外判定の方法が開示されている。特に特許文献2では、車載アンテナがドアミラー、シート又はハンドルなどの可動体に取り付けられる構成であっても、境界面内外の判定が精度よく行われることが開示されている。具体的には、予め取得してある境界面内外で異なる電波強度及び車載アンテナの識別符号を関連付けたデータ群及びパラメータとの類似度をマハラノビス距離の算出によって求めるようにしてあり、更に、類似の際に比較対象とするデータ群及びパラメータを、可動体の動きの前後の状態に応じて切り替えることが開示されている。
特許文献3には、特許文献2に開示されている発明に関連するキーレスエントリー装置に関する発明が開示されている。特許文献3では特に、車載アンテナに故障が生じた場合であっても、携帯機の位置判定の精度をできるだけ維持するため、予め取得してある境界面内外で異なる電波強度と測定した電波強度との類似度を、マハラノビス距離を算出して求めるに際し、故障した車載アンテナからの電波強度はゼロとして演算を行うことが開示されている。
特許第4483236号公報 特許第4673230号公報 特許第5165618号公報
特許文献1に開示されているようなレンジフリー方式による携帯機の車室内外の判定では、高精度な判定が困難である。特許文献2では、受信信号強度に基づくレンジベース方式による高精度な判定が可能であるが、一部の車載アンテナが故障した場合の受信信号強度の変化が考慮されていない。
特許文献3に開示されている発明により、車載アンテナに故障が発生した場合には故障した車載アンテナを使用しないようにして判定精度を維持することができる。しかしながら、車両に設けられる複数のアンテナの位置は、全てを利用することを想定して前後左右を適切に設計してあるため、故障したアンテナを除く残りのアンテナ全てからの信号の受信信号強度を用いるのでは、判定精度が低下する可能性がある。
本願の目的は、車両に設けられた複数の車載アンテナの一部が故障した場合に、精度よく携帯機の車室内外判定を行うことができる車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る車両用通信システムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、前記車載機は、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部と、選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、該読出部が読み出した統計値と、前記残りのアンテナから送信される信号の前記携帯機にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本発明の一態様に係る車載機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部と、選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記他の機器から受信する受信信号強度の測定結果との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本発明の一態様に係る携帯機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナから送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、前記複数のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの使用アンテナの通知を受ける通知受付部と、該通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る車室内外別の統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を測定する測定部と、前記読出部が読み出した統計値と、前記測定部が測定した受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する送受信部、及び、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を有するコンピュータに、前記他の機器が車室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部、選択したアンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、該読出部が読み出した統計値と、前記残りのアンテナから送信される信号の前記他の機器にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部として機能させる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両に設けられた他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、受信信号強度を測定する測定部、及び、前記車両に設けられた複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を備えるコンピュータに、該コンピュータが、前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの内の使用アンテナの通知を受ける故障通知受付部、該故障通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を前記測定部により測定して得られる測定値との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部として機能させる。
なお本願は、このような特徴的な処理部を備える車両用通信システム、車載機及び携帯機として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする車両通信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、車両用通信システム、車載機及び携帯機の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、車両用通信システム、車載機及び携帯機を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、車両に設けられた複数の車載アンテナの一部が故障した場合であっても携帯機の位置の高精度な車室内外判定を行うことができる車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムを提供することが可能となる。
実施形態1に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。 実施形態1の車載機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態1の携帯機の内部構成を示すブロック図である。 車室内空間を概念的に示す模式図である。 第1領域を示す概念図である。 図5に示した第1領域に係る標本値抽出箇所を示す概念図である。 第2領域を示す概念図である。 図7に示した第2領域に係る標本値抽出箇所を示す概念図である。 第3領域及び第4領域を示す概念図である。 第1領域〜第4領域を示す概念図である。 記憶部に記憶してある送信アンテナの組み合わせを示す概念図である。 実施形態1の車載機における車室内外判定処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態1の携帯機側における処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態2における記憶部に記憶されている優先度の情報を示す説明図である。 実施形態3における記憶部に記憶されている優先度の情報を示す説明図である。 実施形態3の車載機における車室内外判定処理手順の一例を示すフローチャートである。 1番目の送信アンテナが故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。 2番目の送信アンテナが故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。 3番目の送信アンテナが故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。 4番目の送信アンテナが故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。 実施形態4の車載機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態4の携帯機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態4の車載機における処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態4の携帯機における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態4の携帯機における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る車両用通信システムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、前記車載機は、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部と、選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、該読出部が読み出した統計値と、前記残りのアンテナから送信される信号の前記携帯機にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本願にあっては、車載機側から携帯機へ向けて信号を送信するために用いる複数のアンテナの内の一部に故障が発生していることが検知された場合、故障アンテナを除く残りのアンテナの内、使用するアンテナが選択され、更に、車室内外を判定するために予め測定して記憶してある受信信号強度の統計値から、選択されたアンテナに対応する統計値が読み出され、読み出された統計値と選択されたアンテナから送信される信号の受信信号強度との間の統計距離が車室内外別に算出され、統計距離の遠近に基づいて車室内外判定がなされる。
故障アンテナを除く残りのアンテナから、使用するアンテナが適宜選択されるため、正常なアンテナの内、精度よく車室内外を判定することが可能なアンテナからの受信信号強度を使用することが可能となる。また、複数のアンテナから各送信される信号の受信信号強度の統計値が、後に送信元のアンテナを特定して読み出すことができるように記憶してあるため、複数設けられたアンテナの内、故障アンテナがいずれの場合であっても、残りのアンテナから適宜選択されたアンテナにより送信される信号の受信信号強度を用いて統計距離の算出等の演算が可能である。
(2)前記記憶部は、前記車両の車室内空間を共通に包含する相異なる複数の領域毎に、前記複数のアンテナから送信される信号の受信信号強度を前記複数の領域の内外で測定して得られる内外別の統計値を、異なるアンテナの組別に記憶しておき、前記読出部は、前記選択部が選択したアンテナに対応する組の統計値を、前記複数の領域毎に、前記記憶部に記憶されている組別の統計値から読み出し、前記判定部は、前記複数の領域毎に、前記読出部が読み出した統計値と、前記選択部が選択したアンテナから送信される信号の前記携帯機にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が前記領域の内外のいずれに存在するかを判定する領域判定部を備え、該領域判定部が全領域の内側にあると判定した場合に、前記携帯機が前記車両の車室内に存在すると判定する。
本願にあっては、予め記憶してある内外判定に係る統計値は、車両に設けられている複数のアンテナの内の一部を組み合わせた複数の異なる組毎の統計値として求めてある。更に統計値は、車両内外に係る車室内空間を共通に包含する相異なる複数の領域毎に、各領域の内外で測定して得られた統計値が用いられる。車室内空間を包含する領域毎に、対応する組の統計値を用いて内外を判定することにより、1つの車室内空間の内外で測定された内外別の統計値との比較を行う場合よりも、統計値の作成に要する工数を効果的に抑え、統計距離の演算の簡易化を図りつつ高精度な判定を行うことができる。
(3)前記記憶部には、前記複数の組に夫々、優先度が対応付けられて記憶してあり、前記読出部は、前記記憶部に高い優先度が対応付けられて記憶されている組の統計値を読み出す。
本願では、故障アンテナを除く残りのアンテナを選択するに際し、残り全てを使用する必要はなく寧ろ、残りのアンテナの内の一部を用いない方が、判定精度が高まる場合がある。したがって、故障アンテナが存在する場合に、高精度な判定を実現するために優先して選択されるべきアンテナの組に高い優先度が対応付けられて記憶されていることにより、いずれのアンテナを選択し、いずれの統計値を読み出すべきかが明確となる。これにより、故障アンテナが存在する場合であっても、高精度な判定を実行することができる。
(4)前記記憶部には、前記複数の領域別に異なる優先度が前記複数の組に記憶してある。
故障アンテナを除く残りのアンテナを選択するに際し、判定対象の領域毎に判定精度を良好にする使用アンテナの組み合わせが異なる。本願にあっては、複数の領域毎に異なる優先度が対応付けられることによって、複数の領域毎に使用するアンテナの組及び対応する統計値を異ならしめることが可能となり、故障アンテナが存在する場合であっても、高精度な判定を実行することができる。
(5)本発明の一態様に係る車載機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部と、選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記他の機器から受信する受信信号強度の測定結果との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本願にあっては、車室内外判定を車載機側で実行するに際し、上述の態様(1)同様に、故障アンテナを除く残りのアンテナから選択されたアンテナに対応する統計値が読み出され、選択されたアンテナから送信された信号に対して測定された受信信号強度との統計距離の車室内外別の比較がされる。
複数設けられたアンテナの内、故障したアンテナがいずれの場合であっても、適宜選択されたアンテナにより送信される信号の受信信号強度を用いて統計距離の算出等の演算が可能であり、高精度な車室内外判定を実行することができる。
(6)本発明の一態様に係る携帯機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナから送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、前記複数のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、前記複数のアンテナの使用アンテナの通知を受ける通知受付部と、該通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る車室内外別の統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を測定する測定部と、前記読出部が読み出した統計値と、前記測定部が測定した受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部とを備える。
本願にあっては、車室内外判定を携帯機側で実行するに際し、車室内外判定に係る統計値が複数種類携帯機に記憶されており、故障アンテナを除く使用アンテナを特定する情報が車載機側から通知されることによって、携帯機側で故障アンテナを除く残りのアンテナから適宜選択されたアンテナに対応する統計値の読み出しが可能である。携帯機においても上述の態様(1)同様に、適宜選択されたアンテナから送信された信号に対して測定された受信信号強度と、読み出した統計値との統計距離が車室内外別に算出され、比較される。
複数設けられたアンテナの内、一部が故障した場合であっても、残りのアンテナから適宜選択されたアンテナにより送信される信号の受信信号強度を用いて、携帯機における統計距離の算出に基づく高精度な車室内外判定を実行することができる。
(7)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する送受信部、及び、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を有するコンピュータに、前記他の機器が車室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部、該故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナから使用するアンテナを選択する選択部、選択したアンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、該読出部が読み出した統計値と、前記残りのアンテナから送信される信号の前記他の機器にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部として機能させる。
コンピュータは、車載機側から携帯機へ向けて信号を送信するために用いる複数のアンテナの内の一部に故障が発生していることが検知された場合、故障アンテナを除く残りのアンテナの内、使用するアンテナが選択され、更に、車室内外を判定するために予め測定して記憶してある受信信号強度に係る統計値から、対応する統計値を読み出し、読み出した統計値と選択されたアンテナから送信される信号の受信信号強度との間の統計距離を車室内外別に算出し、統計距離の遠近に基づいて車室内外判定を行う。
故障アンテナを除く残りのアンテナから、使用するアンテナが適宜選択されるため、正常なアンテナの内、精度よく車室内外を判定することが可能なアンテナからの受信信号強度を使用することが可能となる。また、複数のアンテナから各送信される信号の受信信号強度の統計値が、後に送信元のアンテナを特定して読み出すことができるように記憶してあるため、複数設けられたアンテナの内、故障アンテナがいずれの場合であっても、残りのアンテナから適宜選択されたアンテナにより送信される信号の受信信号強度を用いて統計距離の算出等の演算が可能である。従って複数設けられたアンテナの内、一部が故障した場合であっても、統計距離の算出に基づく高精度な車室内外判定を実行することができる。
(8)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両に設けられた他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、受信信号強度を測定する測定部、及び、前記車両に設けられた複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を備えるコンピュータに、該コンピュータが、前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの内の使用アンテナの通知を受ける故障通知受付部、該故障通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を前記測定部により測定して得られる測定値との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部として機能させる。
コンピュータは、受信信号強度を測定するに際し、信号の送信元として使用されるアンテナを特定する情報を得ることが可能であり、車室内外を判定するために予め測定して記憶してある受信信号強度に係る統計値から、適宜選択されたアンテナに対応する統計値を記憶部から読み出し、読み出した統計値と、測定した受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出し、統計距離の遠近に基づいて車室内外判定を行う。
複数設けられたアンテナの内、一部が故障した場合であっても、使用されるアンテナを特定する情報を得て対応する適切な統計値を読み出すことができるので、残りのアンテナから適宜選択されたアンテナにより送信される信号の受信信号強度を用いて、統計距離の算出に基づく高精度な車室内外判定を実行することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る車両用通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。実施形態1に係る車両用通信システムは、車両Cに搭載される車載機1と、車両Cの使用者が携帯所持する携帯機2と、車両Cに設けられた複数の送信アンテナ31,32,33,34及び受信アンテナ4とを備える。
車載機1は、車両Cに搭載される複数のECU(Electronic Controller Unit)の内の1つである。車載機1は携帯機2の位置を推定し、推定位置に応じて制御を行う装置である。また車載機1は、車両ドアの開閉制御、各車両ドアの施錠/開錠制御、ウィンドウの開閉制御、ヘッドライト及びテールライトの点灯/消灯制御、ルームランプの点灯/消灯制御等、ボディ系の装置に関する制御を行う。勿論、車載機1の構成は一例であるから、車載機1は後述する車室内外判定処理のみを行うECUであって、各アクチュエータの制御は他のECUが実行するようにしてもよい。
携帯機2は、車両Cの使用者が所持する電子キーである。携帯機2は、車両ドアの開錠/施錠、及び、車両Cのエンジン又は駆動用バッテリシステムの始動を可能とするための無線信号を送受信する機能を有する。
複数の送信アンテナ31,32,33,34及び受信アンテナ4は、車載機1が携帯機2との間で無線信号を送受信するためのアンテナである。送信アンテナ31,32,33,34は夫々、車両Cの異なる位置に設けられている。例えば図1に示すように、送信アンテナ31は運転席側側面のピラーに、送信アンテナ32は助手席側側面のピラーに、送信アンテナ33はバックドアに、送信アンテナ34は車両Cの前部インストルメントパネル内に設けられている。なお、図1においては車両Cの進行方向右側が運転席側、進行方向左側が助手席側である。受信アンテナ4は例えば車両Cのルーフの内張り内に設けられている。
実施形態1に係る車両用通信システムでは、携帯機2が車両Cの近傍に近づき所定の範囲内に入ったか否かを車載機1が検知して車両ドアの開錠を行ったり、携帯機2が車室内に存在し、使用者によってスタートボタンをオンにする操作が行われた場合にエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させたりする制御を行う。実施形態1に係る車両用通信システムでは、車載機1は、携帯機2が車室内に存在するか否かを、携帯機2で測定される送信アンテナ31〜34からの各信号の信号受信強度に基づき、車室内空間として定義される空間に沿った複数の境界面に対して内外を判定する。特に実施形態1における車載機1は、送信アンテナ31〜34の内のいずれかが故障した場合にこれを検知し、故障していない残りの送信アンテナ31〜34の内適宜使用するアンテナを選択し、選択されたアンテナからの信号を携帯機2で受信した場合の受信信号強度に基づき判定を行う。
以下、このような制御を実現する各構成について詳細を説明する。
図2は、実施形態1の車載機1の内部構成を示すブロック図である。車載機1は、制御部11、車載受信部12、車載送信部13、及び記憶部14を備える。
制御部11は、例えば一若しくは複数のCPU(Central Processing Unit )又はマルチコアCPUを用い、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース、タイマ等を有するマイクロコントローラである。制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して車載受信部12、車載送信部13、及び記憶部14に接続されている。制御部11は、記憶部14に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することによって各構成部の動作を制御し、特に、後述のコンピュータプログラム1Pを実行することにより、携帯機2の車室内外判定、及び車室内外判定に係る判定方式の選択機能を発揮する。
記憶部14は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部14は、制御部11が車載機1の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させるコンピュータプログラム1Pを記憶している。また記憶部14には、車両C自身の車両識別子と、車両Cに対する正規な携帯機2であるか否かを区別するための携帯機識別子とが記憶してある。更に記憶部14には携帯機2の車室内外判定のための統計値が予め記憶されている。統計値の詳細は説明する。なお、図2では制御部11及び記憶部14を夫々別体の構成部として図示しているが、制御部11の内部に記憶部14を備える構成としてもよい。
記憶部14に記憶されているコンピュータプログラム1Pは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体10に記録されている態様でもよい。記憶部14は、図示しない読出装置によって記録媒体10から読み出されたコンピュータプログラム1Pを記憶する。記録媒体10はCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray (登録商標) Disc )等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから本実施形態1に係るコンピュータプログラム1Pをダウンロードし、記憶部14に記憶させてもよい。
車載受信部12は、受信アンテナ4と有線で接続している。車載受信部12は、携帯機2から無線により送信される信号を、受信アンテナ4を通じて受信する。車載受信部12は、受信した信号から搬送波の成分を除去して受信信号を抽出し、抽出した受信信号を制御部11へ出力する回路である。実施形態1では、携帯機2から受信アンテナ4への無線信号の搬送波の周波数帯として300MHz〜3GHzのUltra High Frequency帯(UHF帯)を使用する例を示す。しかしながら、受信アンテナ4で使用する周波数帯はUHF帯に限定されない。
車載送信部13は、内部に切替器13aを有し、該切替器13aを介して選択的に複数の送信アンテナ31〜34と接続されている。車載送信部13は、制御部11から出力される信号を、搬送波を用いて無線信号に変調し、変調後の無線信号を制御部11と切替器13aにより選択された一の送信アンテナ31〜34から携帯機2へ送信する回路である。実施形態1では、送信アンテナ31〜34から携帯機2への信号の搬送波の周波数帯として、受信アンテナ4で用いられる周波数帯とは異なる30kHz〜300MHzのLow Frequency 帯(LF帯)又は3kHz〜30kHzのVery Low Frequency帯(VLF帯)を使用する例を示す。しかしながら、送信アンテナ31〜34で使用する周波数帯はLF帯又はVLF帯に限定されない。
また車載送信部13は、内部に故障検知部13bを有し、送信アンテナ31〜34の故障を、故障アンテナを特定して検知する。故障検知部13bは例えば、送信アンテナ31〜34の開放、短絡を検出する回路である。詳細には、故障検知部13aは当該部に設けられている抵抗における抵抗値を測定して抵抗値が既定の範囲内に収まるか否かを判断し、開放、短絡を検出する。故障検知部13aは、開放、短絡を検出した場合、検出結果を制御部11へ通知するようにしてある。制御部11は、故障検知部13bから通知される検出結果に基づき、送信アンテナ31〜34をそれぞれ特定して故障を検知することができる。なお故障検知部13bは抵抗値を測定して開放、短絡を検出する構成に限られず、制御部11から各送信アンテナ31〜34への制御信号の送信タイミングに電流値又は電圧値を測定し、測定した値が既定の範囲内に収まるか否かによって故障を検知する構成としてもよい。
また制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して、複数のリクエストスイッチ15と接続されている。複数のリクエストスイッチ15の内の1つは例えば、運転席側又は助手席側の車両ドアを施錠又は開錠するためのドアロックスイッチであり、車両ドア外側のドアハンドルに設けられている。ドアロックスイッチは、押ボタンを用いてもよいし、使用者の手の接触を検出する接触センサを用いてもよい。複数のリクエストスイッチ15の内の他の1つは例えば、エンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させるためのスタートボタンの操作状態を通知するスタートスイッチであり、インストルメントパネルの運転席側に設けられている。スタートボタンは押ボタンを用いてもよいし、使用者の手の接触を検出する接触センサを用いてもよい。またリクエストスイッチ15の内の他の1つはカーテシスイッチであり、車両ドアの開閉を検知するスイッチであってもよい。
なお実施形態1では、複数のリクエストスイッチ15が直接的に制御部11に接続されている構成とするがこれに限らず、他のECUから信号線又は車内ネットワークを介してスイッチの情報を取得するようにしてもよい。
車載機1は、制御部11が複数のリクエストスイッチ15から各スイッチの操作状態を認識する。制御部11は、認識した操作状態と、後述する車室内外判定処理による判定結果とに基づき、車両ドアの開錠/施錠、エンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可否の出力、及び必要に応じて使用者への警告出力処理等を行う。例えば制御部11は、使用者により車両ドアの開錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cから所定の距離内に存在するか否か(車室外で可)を判定し、存在する場合に車両ドアの開錠指令信号を各車両ドアの錠装置へ出力する。また制御部11は逆に、使用者により車両ドアの施錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合はキー閉じ込めと判断して施錠せず、ホーンへ警告指令を出力したり、ヘッドライトの点灯指令を出力したりする。また制御部11は、使用者がスタートボタンをオンにする操作を行ったことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合のみエンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可を示す信号を、エンジン制御又は駆動用バッテリ制御システムへ出力する。このように車載機1は、携帯機2の車室内外判定結果に基づいて各制御を行う。
次に、使用者が所持する携帯機2について説明する。図3は、実施形態1の携帯機2の内部構成を示すブロック図である。携帯機2は、制御部21、送信部22、受信部23、信号強度測定部23b、及び記憶部24を備える。
制御部21は、例えば一若しくは複数のCPU又はマルチコアCPUを用い、ROM、RAM、入出力インタフェース、タイマ等を有するマイクロコントローラである。制御部21のCPUは入出力インタフェースを介して送信部22、受信部23、及び記憶部24に接続されている。制御部21は記憶部24に記憶されている制御プログラムを実行することにより、各構成部の動作を制御する。
記憶部24は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部24は、制御部21が携帯機2の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させる制御プログラムを記憶している。制御プログラムによって制御部21は、車室内外判定に必要な情報を含む応答信号等を車載機1へ送信する処理を実行する。また、記憶部24は、携帯機2自身を識別するための携帯機識別子、対応する車両Cの車両識別子、及び、認証用の固有鍵を記憶している。なお、図3では制御部21及び記憶部24を夫々別体の構成部として図示しているが、制御部21の内部に記憶部24を備える構成としてもよい。
受信部23は、制御部21の制御に従って、切替器23cにより3軸アンテナ23aにて受信された3つの無線信号から1つの無線信号を選択し、選択した無線信号から搬送波の成分を除去して受信信号を抽出し、抽出した受信信号を制御部21へ出力する回路である。3軸アンテナ23aは、3つのコイルを互いに直交する方向に向けて配置したアンテナである。実施形態1では、3軸アンテナ23aが受信する無線信号の搬送波の周波数帯としてLF帯又はVLF帯を使用する。しかしながら、3軸アンテナ23aで使用する周波数帯は、車載機1側の送信アンテナ31〜34と対応するのであればこの周波数帯に限定されない。
信号強度測定部23bは、3軸アンテナ23aを通じて受信される各無線信号の内、切替器23cにより選択された無線信号の受信信号強度を測定し、測定した受信信号強度を制御部21へ出力する。制御部21は、3軸アンテナ23aからの3つの無線信号を夫々選択し、選択した無線信号の受信信号強度を信号強度測定部23bによって測定し、直交する3つの方向における各測定結果からベクトル演算を行って受信信号強度を算出する。従って、制御部21は、車両Cに対する携帯機2の向き又は姿勢によらずに、車両Cに設けられた送信アンテナ31〜34からの受信信号強度を得ることが可能である。以下では特に断らない限り、ベクトル演算によって算出された受信信号強度を受信信号強度と呼んで用いる。なお、実施形態1では制御部21が受信信号強度を算出する構成としたが、携帯機2がベクトル演算前の前記3つの無線信号の受信信号強度を車載機1へ各送信し、車載機1の制御部11にて受信信号強度を算出するようにしてもよい。
送信部22は、制御部21により入力される信号を、搬送波を用いて変調し、送信アンテナ22aを通じて無線信号を送信する回路である。実施形態1では、送信アンテナ22aから送信する信号の搬送波の周波数帯としてUHF帯を使用する。しかしながら送信アンテナ22aで使用する周波数帯は、車載機1の車載受信部12と対応するのであればこの周波数帯に限定されない。
このように構成される車載機1及び携帯機2の間で送受信される無線信号に基づき、車載機1で携帯機2の車室内外判定を行う方法について詳細に説明する。実施形態1では、車両Cの異なる位置に設けられた複数(4つ)の送信アンテナ31〜34から各々送信する測定用信号の受信信号強度を携帯機2にて測定する。そして車載機1にて、測定された複数(4つ)の受信信号強度を成分として有する受信信号強度ベクトルを求め、予め判定対象の領域内外で測定してある受信信号強度ベクトルに係る統計値との比較に基づいて内外を判定する。より具体的には、車載機1は、測定されて得られた受信信号強度ベクトル(測定値)を、予め車室内で測定された受信信号強度から求められた受信信号強度ベクトル(内側の標本値)、及び、予め車室外で測定された受信信号強度から求められた受信信号強度ベクトル(外側の標本値)の両者と比較し、測定値が内側の標本値及び外側の標本値のいずれと類似しているかを判断して内外を判定する。但し、測定値は、標本値が測定された場所と全く同じ場所で測定できることはなく、更に、受信信号強度は周囲の環境に影響されるものであって測定値が標本値と一致することはないため、比較対象として複数箇所で予め測定した標本値の平均値を含む統計値を用いる。更に詳細には、実施形態1における車室内外判定処理には、測定値が判定対象の領域内側の標本値及び領域外側の標本値のいずれと類似しているかを判断するべくマハラノビス距離を利用するために、予め測定した受信信号強度ベクトルの平均ベクトルと、その逆分散共分散行列を統計値として用いる。
ここで、上述の平均ベクトル(標本値の平均)は下記式(1)及び(2)により算出され、逆分散共分散行列は下記式(3)及び(4)により算出される。
Figure 0006274031
実施形態1における車室内外判定では、このように得られる標本値に基づく統計値を判定対象の領域内外別に算出しておき、車室内外判定時に測定して得られる下記式(5)に示す受信信号強度ベクトルが、領域内側の統計値及び領域外側の統計値のいずれに類似するかを、式(6)のようにマハラノビス距離を算出して判断することによって車室内外が判定される。なお、領域内側の統計値を第1統計値、領域内側の統計値を第2統計値という。
Figure 0006274031
車室内外判定における内外の判定対象とする車室内空間とは例えば、車両Cの車室内に居る使用者が所持する又は所持していたことにより携帯機2が存在することが可能な空間である。図4は、車室内空間を概念的に示す模式図である。図4Aは、車室内空間の上面図を示し、図4Bは車室内空間の立面図を示している。図4A,B中、ハッチングを付した部分が車室内空間である。実施形態1の4つの送信アンテナ31〜34を用いる構成では、車室内空間1つを判定対象の領域として内外を高精度に判定することは困難である。
そこで実施形態1では、車室内空間を共通の空間として包含し、車室内空間の境界面の内のいずれかを境界面として持つ相異なる複数の領域(3次元空間)毎に内外を判定し、いずれの領域に対しても内側に存在すると判定した場合のみ、携帯機2は車室内に存在すると判定する。このため、実施形態1の車両用通信システムでは、内外を判定するための測定値の比較対象である第1統計値及び第2統計値を複数の領域毎に算出しておくものとする。
複数の領域の具体例を示す。実施形態1における車室内外判定では、第1領域61〜第4領域64の4つの領域が判定対象として用いられる。図5は、第1領域61を示す概念図である。図5Aは第1領域61の平面図であり、図5Bは第1領域61の立面図である。第1領域61は、図5に示すように車室の右側面に倣う境界面を有し、ハッチングで示す共通の車室内空間を包含する形状である。また第1領域61は、車室を構成する左側壁、後壁及びフロントガラス部分も包含する。第1領域61の境界面の一部は、車室の右側面と略一致しているため、携帯機2が車両Cの右側壁近傍にある場合、第1領域61の内外の判定により、携帯機2の車室内外を精度よく判定することができる。
次に、各領域に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値に係る標本値の抽出箇所の具体例を示す。図6は、図5に示した第1領域61に係る標本値抽出箇所を示す概念図である。図6は、図5の平面図(図5A)に対応する。図6Aは、第1領域61内側の標本値の抽出箇所を示し、図6Bは、第1領域61外側の標本値の抽出箇所を示している。第1領域61に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値は夫々、上述したように、予め判定対象の領域内外で測定された標本値の平均を各成分に有する平均ベクトル及び逆分散共分散行列である。図6A,B中の破線の楕円により第1領域61の第1統計値及び第2統計値を算出する元になる標本値を得るための測定位置を示し、黒丸により第1統計値及び第2統計値夫々に含まれる平均ベクトルに対応する概念的な位置を示している。
第1領域61の第1統計値及び第2統計値は、次のようにして得られる。車両Cに車両用通信システムを構築する製造工程にて、携帯機2又はモデル測定機器により、図6中の破線の楕円内の複数の抽出箇所にて、予め送信アンテナ31〜34からの測定用信号の受信信号強度を測定する。複数の抽出箇所にて測定された受信信号強度を、第1領域61の内外別に、(1)〜(4)により平均ベクトル及び逆分散共分散行列を算出して夫々第1領域61の第1統計値、第1領域61の第2統計値とする。
第1領域61に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値は、上述したように、携帯機2が車両Cの右側壁近傍にある場合に、右側壁に倣う境界面の内外を精度よく判定するための値である。従って、図6Bに示すように、第1領域61の外側を規定する第2統計値を算出するために車室の右側壁の車室外側に沿う複数箇所で標本値が収集されるのに対し、第1領域61の内側を規定する第1統計値を算出するために、第1領域61内の標本値の平均が右側面側で測定される受信信号強度の標本値に偏重しないように、図6Aに示すように車両の左側面車室外を含む箇所で標本値が収集される。
図7は、第2領域62を示す概念図である。図7Aは第2領域62の平面図であり、図7Bは第2領域62の立面図である。第2領域62は、図7に示すように車室の左内側面に倣う境界面を有し、ハッチングで示す共通の車室内空間を包含する形状である。また第2領域62は、車室を構成する右側壁、後壁及びフロントガラス部分も包含する。第2領域62の境界面の一部は、車室の左側面と略一致しているため、携帯機2が車両Cの左側壁近傍にある場合、第2領域62の内外の判定により、携帯機2の車室内外を精度よく判定することができる。
図8は、図7に示した第2領域62に係る標本値抽出箇所を示す概念図である。図8は、図7の平面図(図7A)に対応する。図8Aは、第2領域62内側の標本値の抽出箇所を示し、図8Bは、第2領域62外側の標本値の抽出箇所を示している。図8A,B中の破線の楕円により第2領域62の第1統計値及び第2統計値を算出する元になる標本値を得るための測定位置を示し、黒丸により第2領域62の第1統計値及び第2統計値夫々に含まれる平均ベクトルに対応する概念的な位置を示している。第2領域62の第1統計値及び第2統計値も、第1領域61の第1統計値及び第2統計値と同様にして得られる。
図9は、第3領域63及び第4領域64を示す概念図である。図9Aは第3領域63を示し、図9Bは第4領域64を示す。図9Aに示すように第3領域63は車室の後側の内面に倣う境界面を有し、共通の車室内空間を包含する形状である。図9Bに示すように第4領域64は車室の前側の内面に倣う境界面を有し、共通の車室内空間を包含する形状である。
図10は、第1領域61〜第4領域64を示す概念図である。図10中、ハッチングで示す領域が車室内空間に対応する領域である。図10に示すように、第1領域61〜第4領域64は相異なる空間であるが、車室内空間を共通に包含している。また、第1領域61〜第4領域64は夫々、車室の右側面、左側面、後面及び前面に倣っているため、第1領域61〜第4領域64の全ての内側にある空間は車室内空間と略一致する。
記憶部14には、上述の通り、各領域についての製造工程にて標本値を携帯機2又はモデル測定機器によって測定して得られた第1統計値及び第2統計値が第1領域61〜第4領域64別に記憶してある。車載機1は、記憶部14に記憶してあるこれらの統計値に基づき、車室内外判定を行う。
実施形態1では更に、送信アンテナ31〜34のいずれかが故障した場合に備えて、故障したアンテナを除いた残りの送信アンテナ31〜34の内、いずれのアンテナからの信号の受信信号強度を用いるかを示す情報と、各情報に対応する統計値とが記憶されている。具体的には、故障時に用いる送信アンテナ31〜34の異なる組み合わせを示す情報と、各組み合わせに対応する統計値とが記憶されている。
図11は、記憶部14に記憶してある送信アンテナ31〜34の組み合わせを示す概念図である。図11中のハッチングで示す領域は、車室内空間を示している。図11Aは、1番目の送信アンテナ31と2番目の送信アンテナ32を用いるタイプ1、図11Bは2〜4番目の送信アンテナ32〜34を用いるタイプ2、図11Cは1,3〜4番目の送信アンテナ31,33〜34を用いるタイプ3、図11Dは3,4番目の送信アンテナ33,34を用いるタイプ4、図11Eは1〜3番目の送信アンテナ31〜33を用いるタイプ5、図11Fは1〜2,4番目の送信アンテナ31〜32,34を用いるタイプ6を示している。記憶部14には例えば、タイプ1〜6を識別する識別情報(タイプ)毎に、各識別情報で識別されるタイプ1〜6で用いられる送信アンテナ31〜34の識別情報(第n番目)が、タイプ1=(1,2)、タイプ2=(2,3,4)、…のように記憶されている。なお、全送信アンテナ31〜34の組み合わせはタイプ0(ゼロ)として記憶されていてもよい。
また記憶部14には、領域毎の第1統計値及び第2統計値が、各タイプについて予め算出されて記憶されている。例えば第1領域61におけるタイプ1の第1統計値は、図6Aで示した範囲内の複数箇所での1番目の送信アンテナ31からの信号の受信信号強度の平均値と、同範囲内の複数箇所での2番目の送信アンテナ32からの信号の受信信号強度の平均値とを各成分とする2次元の平均ベクトル及び逆分散共分散行列である。第1領域61におけるタイプ1の第2統計値は、図6Bで示した範囲内の複数箇所での1番目の送信アンテナ31からの信号の受信信号強度の平均値と、同範囲内の複数箇所での2番目の送信アンテナ32からの信号の受信信号強度の平均値とを各成分とする2次元平均ベクトル及び逆分散共分散行列である。第1領域61におけるタイプ2の第1統計値は、図6Aで示した範囲内の複数箇所での2番目の送信アンテナ32からの信号の受信信号強度の平均値と、同範囲内の複数箇所での3番目の送信アンテナ33からの信号の受信信号強度の平均値と、同範囲内の複数箇所での4番目の送信アンテナ34からの信号の受信信号強度の平均値とを各成分とする3次元平均ベクトル及び逆分散共分散行列である。第1領域61における他のタイプ3〜6、第2領域62〜第3領域63についても同様である。
なお、携帯機2の移動は開扉されたドアなどの開口部からなされる。したがって、携帯機2が移動するに際して通過し得ない境界面に関しては、内外判定対象としての優先度が低い。したがって、車両Cがドアを有していない前面を境界面として有する第4領域64に関しては、送信アンテナ31〜34の一部が故障した場合は内外の判定対象から省略する。そのため、第4領域64のタイプ1〜6についての統計値(第1統計値及び第2統計値)は記憶部14に記憶されていなくともよい。
上述のように構成される車載機1及び携帯機2を含む車両用通信システムにおいて行なわれる処理について説明する。
図12は、実施形態1の車載機1における車室内外判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
車載機1の制御部11は、故障検知部13bにより故障アンテナを特定する(ステップS101)。制御部11は、送信アンテナ31〜34の内、故障していない送信アンテナ31〜34の内の一部又は全部(例えば送信アンテナ34のみ)から、記憶部14に記憶してある自身の車両識別子の情報を含むウェイクアップ信号を送信し(ステップS102)、送信したウェイクアップ信号に応じたレスポンス信号を受信アンテナ4により受信したか否かを判断する(ステップS103)。ステップS103において制御部11は、レスポンス信号を受信する所定の猶予時間を設け、猶予時間が経過するまでにレスポンス信号を受信できた場合、レスポンス信号を受信したと判断し、猶予時間が経過した場合には受信しなかったと判断する。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S103:YES)、レスポンス信号に含まれている携帯機識別子の情報を抽出し、記憶部14に記憶してある携帯機識別子と合致するか否かにより、携帯機2が正当であるか否かを判断する(ステップS104)。
制御部11は、ステップS104で正当であると判断した場合(S104:YES)、チャレンジ・レスポンス認証用のデータを作成して、作成したデータを含むチャレンジ信号を送信アンテナ31〜34の内の故障していない送信アンテナ31〜34から送信し(ステップS105)、チャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信したか否かを判断する(ステップS106)。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S106:YES)、受信したレスポンス信号からレスポンスデータを抽出し、抽出したレスポンスデータに基づき、携帯機2の認証に成功したか否かを判断する(ステップS107)。
制御部11は、認証に成功したと判断した場合(S107:YES)、携帯機2における受信信号強度の測定を指示するべく、まず、送信アンテナ31〜34の内、故障アンテナを除く残りのアンテナを選択する(ステップS108)。ステップS108において制御部11は、図11に示した送信アンテナ31〜34の組を示すタイプを選択するとよい。また、ステップS108において制御部11は、ステップS101にて故障アンテナが特定されていない場合、全ての送信アンテナ31〜34を選択する。
次に制御部11は、選択したアンテナの内の一部又は全部(例えば送信アンテナ34のみ)から測定コマンド信号を送信する(ステップS109)。このとき制御部11は、用いる送信アンテナ31〜34を携帯機2に通知する情報(図11に示したタイプを識別する情報)を測定コマンド信号に含める。
制御部11は、コマンド信号の送信後から所定時間が経過するまでの間に、送信アンテナ31〜34の内、ステップS108で選択したアンテナを順次、切替器13aにより選択して選択したアンテナから測定用信号を送信する(ステップS110)。
次に制御部11は、測定用信号の送信後に、測定結果を含む測定結果信号を受信アンテナ4により受信する(ステップS111)。制御部11は、受信した測定結果信号から測定結果を抽出する(ステップS112)。具体的には、抽出される測定結果は、制御部11が選択したタイプの各送信アンテナ31〜34から送信した測定用信号夫々の受信信号強度を含む。
制御部11は、判定対象となる複数の領域別に、ステップS109で選択したタイプの統計値を記憶部14から読み出し(ステップS113)、受信した測定結果の受信信号強度と、読み出した統計値とに基づき、内外における統計距離を算出する(ステップS114)。制御部11は、判定対象の領域について、携帯機2は領域内に存在するか否かを判定する(ステップS115)。ステップS114にて詳細には、制御部11は、測定結果の受信信号強度ベクトルと、選択したタイプの第1統計値とのマハラノビス距離と、選択したタイプの第2統計値とのマハラノビス距離とを上述の式(5)及び(6)により各算出する。そしてステップS115において制御部11は、算出した結果を比較し、第1統計値とのマハラノビス距離が第2統計値とのマハラノビス距離よりも統計距離が近いと判断される場合、携帯機2は判定対象の領域の内側に存在すると判定する。
制御部11は、ステップS115にて領域内に存在すると判定した場合(S115:YES)、全領域について判定を終了したか否かを判断する(ステップS116)。なおステップS116において、ステップS101で故障アンテナが存在せず、特定していない場合には4つの領域全てが判定対象領域であるが、故障アンテナが存在し、ステップS101にて故障アンテナを特定している場合には第1領域61〜第3領域63の3つの領域が全ての判定対象領域である。制御部11は、ステップS116にて全領域について判定を終了していないと判断した場合(S116:NO)、ステップS113へ処理を戻す。
制御部11は、全領域について判定を終了したと判断した場合(S116:YES)、全領域について携帯機2が内側にあると判定されていると判定されているので、携帯機2が車両Cの車室内に存在すると判定し(ステップS117)、車室内外判定処理を終了する。
制御部11は、ステップS115にて複数の領域のいずれか1つでも領域外に存在すると判定した場合(S115:NO)、携帯機2が車両Cの車室外に存在すると判定し(ステップS118)、車室内外判定処理を終了する。
また制御部11は、ステップS103にて、レスポンス信号を受信しないと判断した場合(S103:NO)、ステップS104にて合致しないと判断した場合(S104:NO)、ステップS106にてチャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信しないと判断した場合(S106:NO)、又はステップS107にて認証が失敗したと判断した場合(S107:NO)はいずれも、携帯機2は車室外(車両Cから所定の距離外)に存在すると判定する(ステップS119)。この場合も制御部11は車室内外判定処理を終了する。
図13は、実施形態1の携帯機2側における処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す処理手順は、図12のフローチャートに示した車載機1側の処理手順に対応する。
携帯機2の制御部21は、3軸アンテナ23aによりウェイクアップ信号を受信したか否かを判断する(ステップS201)。制御部21は、ウェイクアップ信号を受信したと判断した場合(S201:YES)、ウェイクアップ信号に含まれている車両識別子の情報と、記憶部24に記憶してある対応する車両識別子とを照合することにより、車載機1の正当性を判断する(ステップS202)。
制御部21は、ステップS202にて正当であると判断した場合(S202:YES)、記憶部24に記憶してある携帯機識別子のデータを含めたレスポンス信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS203)、スリープ状態から起動する(ステップS204)。制御部21は、次いで車載機1側から送信されるチャレンジ信号を受信し(ステップS205)、チャレンジ信号に含まれるデータと記憶部24に記憶されている固有鍵を用いて所定の暗号化演算を行うことによりレスポンスデータを作成し、作成したレスポンスデータを含むレスポンス信号を返信する(ステップS206)。
次に制御部21は、返信したレスポンス信号による認証が成功し、車載機1から測定コマンド信号を受信するか否かを判断する(ステップS207)。制御部21は、測定コマンド信号を受信したと判断した場合(S207:YES)、測定コマンド信号に含まれる通知により使用アンテナを特定する(ステップS208)。
制御部21は、測定コマンド信号の受信後所定時間が経過するまでの間に、ステップS208で特定した使用アンテナから送信される測定用信号を3軸アンテナ23aにて受信し(ステップS209)、切替器23cにより3軸アンテナ23aからの3つの無線信号を順次選択して信号強度測定部23bにより夫々測定する(ステップS210)。つまり、1つの測定用信号に対し、3軸アンテナ23aの3軸方向夫々の成分に対応する受信信号強度を測定する。
制御部21は、全ての測定用信号について測定を完了したか否かを判断し(ステップS211)、未完であると判断した場合(S211:NO)、処理をステップS209へ戻して使用アンテナから送信される複数(2〜4回)の測定用信号を順次受信し測定する(S209、S210)。
制御部21は、測定を完了したと判断した場合(S211:YES)、各測定用信号に対し、測定した3つの無線信号の受信信号強度成分に基づき受信信号強度をベクトル演算により算出する(ステップS212)。制御部21は、求めた受信信号強度を測定結果として含む測定結果信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS213)、スリープ状態へ戻り(ステップS214)、処理を終了する。
制御部21は、ステップS207で測定コマンド信号を受信しなかったと判断した場合(S207:NO)、認証に失敗したのでそのままスリープ状態へ戻り(S214)、処理を終了する。
制御部21は、ステップS201でウェイクアップ信号を受信しなかったと判断した場合(S201:NO)、又はステップS202にて正当でないと判断した場合(S202:NO)、そのまま処理を終了する。
図12及び図13のフローチャートに示した処理手順により、故障アンテナが存在する場合であっても精度よい判定が行われることについて、具体例を挙げて説明する。
例えば、使用者がエンジンを停止して停車している車両Cに搭乗するために、携帯機2を所持して車両ドアの開錠操作を行った際に、送信アンテナ31〜34の内、車両Cの右側に設けられている送信アンテナ31が故障していた場合の処理について説明する。車載機11は、リクエストスイッチ15により車両ドアの開錠操作を認識し、図12のフローチャートに示した車室内外判定処理を実行する。このとき、制御部11は、ステップS101にて車載アンテナ31の故障を特定する(S101)。制御部11は、使用者が所持する携帯機2との信号のやり取りに基づいて認証に成功した場合(S107:YES)、ステップS108にて、1番目の送信アンテナ31を含まないタイプ2=(2,3,4)(図11)を選択する。制御部11は、選択したタイプ2の送信アンテナ32〜34を特定する通知を含む測定コマンド信号を送信する(S109)。携帯機2側では、測定コマンド信号に含まれる通知により、2番目〜4番目の送信アンテナ32〜34が用いられることを特定し(S208)、例えばχ=(0,χ2 ,χ3 ,χ4 )のように1番目の送信アンテナ31からの受信信号強度の測定結果をゼロに設定した受信信号強度ベクトルの形式で測定結果信号を送信する(S213)。車載機1の制御部11は、第1領域61から順に、選択したタイプ2に対応する第1統計値及び第2統計値を読み出し(S113)、統計距離を算出し(S114)、第1統計値との統計距離及び第2統計値との統計距離を比較することにより、領域内外を判定する(S115)。
この場合、車両ドアは開錠されておらず使用者は車室外に存在するため、携帯機2は第1領域61の領域外に存在すると判定され(S115:NO)、車室内外判定処理は終了する。車両ドアの外側から開錠操作が行われた場合の制御に係る携帯機2の車室内外の期待値は0(車室外)であって、期待値と車室内外判定結果とが整合するから、車載機1はドアを開錠する。これにより使用者は、ドアを開けて車室内に入り込み、運転席に着座できる。
上述のように、送信アンテナ31〜34のいずれかに故障が発生した場合であっても、車載機1にてこれを検知し、残りのアンテナから適切なアンテナを選択して高精度の車室内外判定を継続することができる。
また実施形態1で示したように、アンテナ故障が発生した場合に選択するアンテナの組(タイプ)毎に、予め平均ベクトル及び逆分散共分散行列である統計値を演算により求めて記憶してあるため、車室内外判定処理時に統計値を求める必要がなく、演算の工数を削減することができる。
なお実施形態1では、車載機1側の送信アンテナ31〜34及び携帯機2側の受信用3軸アンテナ23aはLF帯又はVLF帯に対応し、車載機1側の受信アンテナ4及び携帯機2側の送信アンテナ22aはUHFに対応する構成としたが、これらの周波数帯に限定するものではない。また送信アンテナ31,32,33,34の数は4つとは限られないことは勿論である。送信アンテナ31〜34及び受信アンテナ4の位置も上述したような位置には限られないことは勿論である。
実施形態1において車載機1は、記憶部14に異なる4つの第1領域61〜第4領域64の内外を夫々特徴づける統計値を記憶している構成とした。しかしながら、領域の数は4つに限られないことは勿論である。例えば第1領域61及び第2領域62の2つであっても、運転席側ドアの境界面又は助手席側ドアの境界面に対する内外の判定を精度よく実施することができる。
また実施の形態1において車載機1の記憶部14に、統計値として携帯機2又はモデル測定機器にて領域別に実測した受信信号強度の平均ベクトル及び逆分散共分散行列を記憶する構成とした。しかしながら統計値に限らず、各領域に対して内外を判別するための判別式を記憶しておく構成としてもよい。判別式は例えば、予め測定される第1領域61の内側を特徴付ける標本群と、第1領域61の外側を特徴付ける標本群とのマハラノビス距離が等しくなる受信信号強度の集合を表す曲線の近似式である。近似式に、測定した受信信号強度の内、一の受信信号強度を当てはめて得られる関数値と、他の受信信号強度とを夫々比較することにより、内外判定を行うことができる。
(実施形態2)
実施形態2における記憶部14には更に、故障時にいずれのタイプの送信アンテナ31〜34の組み合わせを優先的に用いるかの優先度の情報が記憶されている。実施形態2における車両用通信システムのハードウェア構成は、実施形態1の構成と同様である。従って、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図14は、実施形態2における記憶部14に記憶されている優先度の情報の例を示す説明図である。記憶部14には、図14に示すようにアンテナの組の識別番号(識別情報)毎に、組に含まれるアンテナの番号、各組の優先度が記憶されている。優先度は例えば、図14に示すように、タイプ2、タイプ3、タイプ1、タイプ4、タイプ5、タイプ6の順に高く設定されている。
図14に示す優先度によってどのようにアンテナが選択されるかについて説明する。なお実施形態2においては、車載機1は実施形態1で示した図12のフローチャートの処理手順と同様の処理を実行するが、ステップS108におけるアンテナの選択処理の詳細が実施形態1と異なるので、詳細な処理内容について以下に説明する。
車載機1の制御部11は、携帯機2の認証に成功した場合(S107:YES)、記憶部14に記憶してある送信アンテナ31〜34の組の内、故障アンテナを含まず最も優先度が高い組のアンテナを選択する(S108)。
図14に示した優先度の具体例に基づき説明する。例えば1番目の送信アンテナ31が故障している場合、制御部11は、ステップS108において、故障アンテナとして特定される送信アンテナ31を含まないタイプ2及びタイプ4の内、優先度がより高いタイプ2の送信アンテナ32〜34を選択する。2番目の送信アンテナ32が故障している場合、制御部11は、故障アンテナとして特定される送信アンテナ32を含まないタイプ3及びタイプ4の内、優先度がより高いタイプ3の送信アンテナ31,33〜34を選択する。同様に、3番目の送信アンテナ33が故障している場合、制御部11は、故障アンテナとして特定される送信アンテナ33を含まないタイプ1及びタイプ6の内、優先度がより高いタイプ1の送信アンテナ31,32を選択する。4番目の送信アンテナ34が故障している場合、制御部11は、故障アンテナとして特定される送信アンテナ34を含まないタイプ1及びタイプ5の内、優先度がより高いタイプ1の送信アンテナ31,32を選択する。
このように、送信アンテナ31〜34の組に優先度を対応付けて記憶しておくことにより、故障アンテナが存在する場合に、でき得る限り高精度に判定するための残りのアンテナを選択する際の基準とすることができる。
(実施形態3)
実施形態3における記憶部14には、故障時に判定対象とする第1領域61〜第3領域63毎に、故障時に送信アンテナ31〜34の組み合わせの内のいずれを優先的に用いるかの優先度の情報が記憶されている。判定対象の領域毎に、何番目の送信アンテナ31〜34からの信号の受信信号強度を用いるか否かによって、判定精度への影響が異なるからである。
図15は、実施形態3における記憶部14に記憶されている優先度の情報を示す説明図である。記憶部14には、図15に示すように、判定対象の境界面毎に、優先して用いるべき送信アンテナ31〜34の組の情報が記憶されてある。例えば、車両Cの右側面の境界面を判定対象とする第1領域61の内外を精度よく判定するためには、受信信号強度の差異が大きくなる複数のアンテナ、即ち、左側に異なる距離で設けられているよりアンテナをより多く用いることが望ましい。したがって、第1領域61の内外を判定するためのアンテナの組み合わせとしては、送信アンテナ32〜34を用いるタイプ2が最も優先度が高く、次いでタイプ1,5,6に同一の優先度が設定され、次いでタイプ3、タイプ4の順に優先度が設定されている。同様にして、車両Cの左側面の境界面を判定対象とする第2領域62の内外を精度よく判定するためには、右側に異なる距離で設けられているアンテナをより多く含むタイプ3が最も優先度が高く、次いでタイプ1,5,6に同一の優先度が設定され、次いでタイプ2、タイプ4の順に優先度が設定されている。車両Cの後面の境界面を判定対象とする第3領域63の内外を精度よく判定するためには、車両Cの後部に設けられたアンテナ33を含むタイプ5が最も優先度が高く、次いでタイプ4の優先度が高く、続いてタイプ2,3,6に同一の優先度が設定され、最後にタイプ1の順となるように優先度が設定されている。
図15に示す優先度に基づいてどのように車室内外判定がなされるかを説明する。図16は、実施形態3における車載機1における車室内外判定処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図16のフローチャートに示す処理手順の内、実施形態1の図12のフローチャートに示した処理手順と共通する処理については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
車載機1の制御部11は、ステップS108において、故障アンテナとして特定されるアンテナ以外の残りのアンテナを全て選択する(S108)。後述するように、実施形態3では、判定対象領域毎に、使用する受信信号強度に係る送信元の送信アンテナ31〜34の組が変わりうるので、残りのアンテナ全てで受信信号強度を測定するためである。制御部11は、選択したアンテナを示す通知を含む測定コマンド信号を送信する(S109)。制御部11は、残りのアンテナから測定用信号を順次送信し(S110)、携帯機2にて得られる測定結果を受信した測定結果信号から抽出する(S111,S112)。
次に制御部11は、判定対象領域毎に、優先度が高いタイプのアンテナの組の内、故障アンテナとして特定されるアンテナを含まない組に対応する判定パラメータを記憶部14から読み出す(ステップS121)。記憶部14には、実施形態1にて説明したように、第1領域61〜第4領域64毎に、各タイプについて使用するアンテナに対応する成分からなる第1統計値及び第2統計値、又は、各タイプについて各領域に対し内外を判別するための判別式が算出されて判定パラメータとして記憶してある。
制御部11は、測定結果信号から抽出した測定結果から判定対象領域に対応する受信信号強度を用い、読み出した判定パラメータに基づく統計的な演算を実行し(ステップS122)、演算結果に基づいて領域内外を判定する(S115)。
ステップS122においては例えばマハラノビス距離の比較を行う場合、携帯機2からχ=(0,χ2 ,χ3,χ4 )のように使用しないアンテナ(例えば送信アンテナ31)からの受信信号強度の測定結果をゼロに設定した受信信号強度ベクトルの形式で測定結果信号を受信しているので、制御部11は、優先度が高いタイプのアンテナの組に対応する成分からなる受信信号強度ベクトルを算出する。例えば仮に、送信アンテナ31が故障しており、送信アンテナ33,34を用いるタイプ4の組が選択される場合、ステップS122にて制御部11は、携帯機2からのχ=(0,χ2 ,χ3,χ4 )の受信信号強度ベクトルからχ=(0,0,χ3,χ4 )又はχ=(χ3,χ4 )を算出してこれを用いるなどする。
またステップ122において、判別式を用いる場合には、携帯機2からのχ=(0,χ2 ,χ3,χ4 )のような受信信号強度ベクトルの形式の各成分の内、優先度が高いタイプのアンテナの組に対応する受信信号強度を選択し、これを用いた判別式による関数値を演算によって求めるなどする。
図15に示した優先度の例に基づき図16のフローチャートに示した処理を、具体例を挙げて説明する。1番目の送信アンテナ31が故障している場合、制御部11は、ステップS108において、故障アンテナとして特定される送信アンテナ31を含まない残りの送信アンテナ32〜34を選択する。そして制御部11は、ステップS121において、第1領域61を判定対象領域とする場合、第1領域61に対して記憶部14に記憶してある図15に示した優先度を参照する。制御部11は、優先度が高い順にタイプを参照し、最も優先度が高いタイプ2には故障アンテナである送信アンテナ31を含まないので、タイプ2に対応付けて記憶してある判定パラメータ(例えば第1統計値及び第2統計値)を読み出す。第1領域61内と判定した場合は(S115:YES)、次に第2領域62に対し優先度が高い順にタイプを参照する。制御部11は、最も優先度が高いタイプ3は、故障アンテナである送信アンテナ31を含むので次に優先度が高いタイプ1,5,6を参照するが、いずれも故障アンテナである送信アンテナ31を含むので、次に優先度が高く(5番目)送信アンテナ31を含まないタイプ2に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。同様に、第3領域63に対しては、最も優先度が高いタイプ5は、故障アンテナである送信アンテナ31を含むので次に優先度が高いタイプ4を参照する。制御部11は、タイプ4には送信アンテナ31を含まないのでタイプ4に対応付けてある判定パラメータを読み出し(S121)、領域内外を判定する。図17は、1番目の送信アンテナ31が故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。図17に示すように1番目の送信アンテナ31が故障している場合には第1領域61及び第2領域62に対してはタイプ2に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされ、第3領域63に対してはタイプ4に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされる。
2番目の送信アンテナ32が故障している場合も同様である。図18は、2番目の送信アンテナ32が故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。ステップS121において制御部11は、第1領域61に対しては、故障している送信アンテナ32を含まず優先度が高い(5番目の)タイプ3に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第2領域62に対して制御部11は、故障している送信アンテナ32を含まず最も優先度が高い(1番目の)タイプ3に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第3領域63に対して制御部11は、故障している送信アンテナ32を含まず最も優先度が高い(2番目の)タイプ4に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。図18に示すように、2番目の送信アンテナ32が故障している場合には第1領域61及び第2領域62に対してはタイプ3に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされ、第3領域63に対してはタイプ4に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされる。
3番目の送信アンテナ33が故障している場合も同様である。図19は、3番目の送信アンテナ33が故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。ステップS121において制御部11は、第1領域61に対しては、故障している送信アンテナ33を含まず優先度が高い(2番目の)タイプ1,6の内、識別情報の番号がより小さいタイプ1に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第2領域62に対して制御部11は、故障している送信アンテナ33を含まず優先度が高い(2番目の)タイプ1,6の内、識別情報の番号がより小さいタイプ1に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第3領域63に対して制御部11は、故障している送信アンテナ33を含まず優先度が高い(3番目の)タイプ6に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。図19に示すように、3番目の送信アンテナ33が故障している場合には第1領域61及び第2領域62に対してはタイプ1に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされ、第3領域63に対しては、タイプ6に対応付けてある判定パラメータに基づく判定がなされる。
4番目の送信アンテナ34が故障している場合も同様である。図20は、3番目の送信アンテナ33が故障している場合に領域毎に選択されるタイプを示す説明図である。ステップS121において制御部11は、第1領域61に対しては、故障している送信アンテナ34を含まず優先度が高い(2番目の)タイプ1,5の内、識別情報の番号がより小さいタイプ1に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第2領域62に対して制御部11は、故障している送信アンテナ34を含まず優先度が高い(2番目の)タイプ1,5の内、識別情報の番号がより小さいタイプ1に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。第3領域63に対して制御部11は、故障している送信アンテナ34を含まず優先度が高い(1番目の)タイプ5に対応付けてある判定パラメータを読み出す(S121)。図20に示すように、4番目の送信アンテナ34が故障している場合には第1領域61及び第2領域62に対してはタイプ1に対応付けてある統計値に基づく判定がなされ、第3領域63に対してはタイプ5に対応付けてある統計値に基づく判定がなされる。
このように、実施形態3では、使用するアンテナの複数の組に対し、判定対象とする複数の領域毎に異なる優先度が対応付けられていることにより、故障アンテナ以外の残りのアンテナからの受信信号強度の内、領域毎に異なる受信信号強度を選択して高精度に判定することが可能となる。
なお、故障アンテナが存在しない場合であっても、実施形態3の図16のフローチャートに示した処理を実行し、判定領域対象の領域毎に、優先度に基づいて用いる受信信号強度の情報を選択して判定するようにしてもよい。
(実施形態4)
実施形態1〜3では、車室内外判定を車載機1側で判定する構成とした。これに対し実施形態4では受信信号強度を測定し演算する携帯機2側で車室内外判定を行う。実施形態4における車両用通信システムのハードウェア構成は、実施形態1の構成と同様である。従って、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図21は、実施形態4の車載機1の内部構成を示すブロック図である。実施形態1と比較して、実施形態2における車載機1は、記憶部14に車室内外判定に係るコンピュータプログラム1P、及び車室内外判定のための統計値を記憶していない。記憶部14には、車両C自身の車両識別子と、車両Cに対する正規な携帯機2であるか否かを区別するための携帯機識別子とが記憶してある。
実施形態4における車載機1は、制御部11が複数のリクエストスイッチ15から各スイッチの操作状態を認識し、また、カーテシスイッチによって車両ドアの開閉状態を認識する。制御部11は、認識した操作状況及び開閉状態と、後述するように携帯機2から受信する車室内外判定結果とに基づき、車両ドアの開錠/施錠、エンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可否の出力、及び必要に応じて使用者への警告出力処理等を行う。
図22は、実施形態4の携帯機2の内部構成を示すブロック図である。実施形態2と比較して、実施形態4における携帯機2は、記憶部24に、制御部21が携帯機2の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させるコンピュータプログラム2Pを記憶している。また、記憶部24には、車室内外判定のための領域毎及び使用アンテナの組み合わせのタイプ毎に統計値が記憶されている。統計値の詳細は実施形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、記憶部24に記憶されているコンピュータプログラム2Pは、CD−ROM、DVD−ROM、BD等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体20から図示しない他の外部コンピュータにより読み出されて記憶されたもの、又は、通信網を介してダウンロードされて外部コンピュータにより記憶されたものであってよい。
実施形態4の携帯機2の制御部21は、信号強度測定部23bにより測定した各無線信号の受信信号強度に基づき、3軸方向のベクトル演算によって受信信号強度を算出し、算出した受信信号強度に基づき車室内外判定をも行う。
実施形態4における車載機1は、間欠的に、又は各種制御のために車室内外判定が必要な場合、以下に示す車室内外判定結果を携帯機2から取得する処理を実行する。図23は、実施形態4の車載機1における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す図23のフローチャートに示す処理手順の内、実施形態1の図12のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
実施形態4における車載機1の制御部11は、送信アンテナ31〜34の内、ステップS108で選択したアンテナを順次、切替器13aにより選択して選択したアンテナから測定用信号を送信し(S110)、携帯機2にて判定した結果を含む測定結果信号を受信アンテナ4により受信する(S111)。制御部11は、受信した測定結果信号に含まれる判定結果を抽出し(ステップS131)、車室内外判定処理を終了する。
図24及び図25は、実施形態4の携帯機2における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。図24及び図25のフローチャートに示す処理手順は、図23のフローチャートに示した車載機1側による処理手順と対応する。なお、以下に示す図24及び図25のフローチャートに示す処理手順の内、実施形態1の図13のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
携帯機2の制御部21は、車載機1側から送信された測定用信号全てに対して測定を完了したと判断した場合(S211:YES)、各測定用信号に対し、測定した3つの無線信号の受信信号強度成分に基づき受信信号強度をベクトル演算により算出し(S212)、判定対象となる複数の領域別に、ステップS208で特定される使用アンテナの組み合わせのタイプの統計値を記憶部14から読み出す(ステップS221)。
制御部21は、測定して得られる受信信号強度と、読み出した統計値とに基づき、内外における統計距離を算出する(ステップS222)。制御部21は、判定対象の領域について、携帯機2は領域内に存在するか否かを判定する(ステップS223)。ステップS222にて詳細には、制御部21は、測定結果の受信信号強度ベクトルと、選択したタイプの第1統計値とのマハラノビス距離と、選択したタイプの第2統計値とのマハラノビス距離とを上述の式(5)及び(6)により各算出する。そしてステップS223において制御部21は、算出した結果を比較し、第1統計値とのマハラノビス距離が第2統計値とのマハラノビス距離よりも統計距離が近いと判断される場合、携帯機2は判定対象の領域の内側に存在すると判定する。
制御部21は、ステップS223にて領域内に存在すると判定した場合(S223:YES)、全領域について判定を終了したか否かを判断する(ステップS224)。なおステップS224において、ステップS208で特定される使用アンテナが全アンテナであって故障アンテナが存在しない場合には4つの領域全てが判定対象領域であるが、故障アンテナが存在し、ステップS208にて特定される使用アンテナが一部のアンテナである場合には第1領域61〜第3領域63の3つの領域が全ての判定対象領域である。制御部21は、ステップS224にて全領域について判定を終了していないと判断した場合(S224:NO)、ステップS221へ処理を戻す。
制御部21は、全領域について判定を終了したと判断した場合(S224:YES)、全領域について携帯機2が内側にあると判定されていると判定されているので、携帯機2が車両Cの車室内に存在すると判定する(ステップS225)。制御部21は、判定結果を含む測定結果信号を送信アンテナ22aから送信し(S213)、スリープ状態へ戻り(S214)、処理を終了する。
制御部21は、ステップS223にて複数の領域のいずれか1つでも領域外に存在すると判定した場合(S223:NO)、携帯機2が車両Cの車室外に存在すると判定し(ステップS226)、判定結果を含む測定結果信号を送信し(S213)、スリープ状態へ戻り(S214)、処理を終了する。
制御部21は、ステップS201にてウェイクアップ信号を受信しなかったと判断した場合(S201:NO)、又はステップS202で正当でないと判断した場合(S202:NO)、携帯機2は車室外(車両Cから所定の距離外)に存在すると判定し(ステップS227)、処理を終了する。
上述の通り、携帯機2にて車室内外判定を行う構成とした場合であっても、送信アンテナ31〜34に故障アンテナが存在するときに、車載機1にて検知した結果を携帯機2にてこれを認識することで、残りのアンテナを用いた高精度の車室内外判定を継続することができる。
実施形態4においても、実施形態2又は3で示したように、送信アンテナ31〜34を異なるパターンで組み合わせたタイプに優先順位を携帯機2の記憶部24に記憶しておき、携帯機2の制御部21が上述のステップS221において、優先順位の高い順に選択するようにするようにしてよい。これにより、携帯機2にて車室内外判定を行う構成とした場合であっても、できる限り高精度に判定するように受信信号強度を選択したり、領域毎に異なる受信信号強度を選択したりすることが可能となる
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車載機
2 携帯機
31,32,33,34 送信アンテナ
4 受信アンテナ
10 記録媒体
11 制御部
12 車載受信部
13 車載送信部
13a 切替器
13b 故障検知部
14 記憶部
15 リクエストスイッチ
1P コンピュータプログラム
2 携帯機
20 記録媒体
21 制御部
22 送信部
22a 送信アンテナ
23 受信部
23a 3軸アンテナ
23b 信号強度測定部
23c 切替器
24 記憶部
2P コンピュータプログラム
61 第1領域
62 第2領域
63 第3領域
64 第4領域
C 車両

Claims (5)

  1. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、
    前記車載機は、
    前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、
    前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、
    用いられるアンテナの異なる組み合わせと、該異なる組み合わせに対し、より精度よく判定可能な組に他よりも高く設定されてある優先度とを予め記憶しておき、該異なる組み合わせの内、前記故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナのいずれかを含み、且つ前記故障アンテナを含まない組み合わせのアンテナを前記優先度に基づき選択する選択部と、
    選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、
    該読出部が読み出した統計値と、前記選択したアンテナから送信される信号の前記携帯機にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部と
    を備える車両用通信システム。
  2. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、
    前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、
    前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部と、
    用いられるアンテナの異なる組み合わせと、該異なる組み合わせの内、より精度よく判定可能な組に対し他よりも高く設定されてある優先度とを予め記憶しておき、該異なる組み合わせの内、前記故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナのいずれかを含み、且つ前記故障アンテナを含まない組み合わせのアンテナを前記優先度に基づき選択する選択部と、
    選択したアンテナに対応する統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、
    該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記他の機器から受信する受信信号強度の測定結果との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部と
    を備える車載機。
  3. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナから送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、
    前記複数のアンテナから送信される信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に、送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶しておく記憶部と、
    用いられるアンテナの異なる組み合わせの内、故障アンテナを除く残りのアンテナのいずれかを含み、且つ前記故障アンテナを含まず、予め前記組み合わせの内、より精度よく判定可能な組に対し高く設定されてある優先度に基づき選択された組み合わせに対応する使用アンテナの通知を受ける通知受付部と、
    該通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る車室内外別の統計値を前記記憶部から読み出す読出部と、
    前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を測定する測定部と、
    前記読出部が読み出した統計値と、前記測定部が測定した受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する判定部と
    を備える携帯機。
  4. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する送受信部、及び、前記複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を有するコンピュータに、前記他の機器が車
    室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記複数のアンテナの内の故障アンテナを検知する故障検知部、
    用いられるアンテナの異なる組み合わせと、該異なる組み合わせに対し、より精度よく判定可能な組に他よりも高く設定されてある優先度とを予め記憶しておき、該異なる組み合わせの内、前記故障検知部が検知した故障アンテナを除く残りのアンテナのいずれかを含み、且つ前記故障アンテナを含まない組み合わせのアンテナを前記優先度に基づき選択する選択部、
    選択したアンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、
    該読出部が読み出した統計値と、前記残りのアンテナから送信される信号の前記他の機器にて測定される受信信号強度との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部
    として機能させるためのコンピュータプログラム。
  5. 車両に設けられた他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、受信信号強度を測定する測定部、及び、前記車両に設けられた複数のアンテナの内の一部のアンテナから送信する信号の受信信号強度を予め車室内外で測定して得られる統計値を、測定箇所の車室内外別に送信元のアンテナを識別する情報と対応付けて記憶する記憶部を備えるコンピュータに、該コンピュータが、前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    用いられるアンテナの異なる組み合わせの内、故障アンテナを除く残りのアンテナのいずれかを含み、且つ前記故障アンテナを含まず、予め前記組み合わせの内、より精度よく判定可能な組に対して高く設定されてある優先度に基づき選択された組み合わせに対応する使用アンテナの通知を受ける故障通知受付部、
    該故障通知受付部が受けた通知により特定される使用アンテナから送信される信号の受信信号強度に係る統計値を前記記憶部から読み出す読出部、及び、
    該読出部が読み出した車室内外別の統計値と、前記使用アンテナから送信される信号の受信信号強度を前記測定部により測定して得られる測定値との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれかに存在するかを判定する判定部
    として機能させるためのコンピュータプログラム。
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