JP7127503B2 - 送信制御装置、携帯機、車両システム、送信制御方法、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents
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Description
本開示は、アンテナから送信させる搬送波によって2つ以上の空間領域を識別可能とするために、複数のアンテナを駆動させる送信制御装置、携帯機、車両システム、送信制御方法、制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
従来、車両と携帯機との間で無線通信によって送受信されるデータを用いたコード照合が成立したことに基づいて、車両の制御を許可する認証システムが知られている。このような認証システムでは、車両の複数箇所に配置された、それぞれ通信範囲が異なる複数のアンテナを独立して駆動することで、車両に対する携帯機の位置を検知し、位置に応じた制御を行うことが知られている。
しかしながら、このような技術では、駆動されるアンテナのクロストークによる携帯機の位置の誤検知が生じる可能性が考えられる。例えば、車室内のアンテナ駆動時に、クロストークによって車室外のアンテナにもアンテナ駆動電流が重畳し、車室外のアンテナの極近傍にコード照合用のデータが送信されることが考えられる。この場合、車室外に携帯機がある場合であっても、車室内のアンテナ駆動時に携帯機との間でのコード照合が成立し、車室内に携帯機が位置すると誤検知してしまう可能性がある。
この問題を解決する手段として、例えば、特許文献1には、駆動されるアンテナのクロストークによる携帯機の位置の誤検知を防止することを試みた技術が開示されている。特許文献1に開示の技術では、携帯機を呼び出す呼出信号とともに第1バーストを第1アンテナから送信する一方、第1バーストに続けて、第2バーストを第2アンテナから送信する。そして、携帯機で第1バースト及び第2バーストの受信信号強度を計測し、計測した各受信信号強度のいずれが所定の閾値よりも大きいかによって、携帯機の位置の検知を行う。
特許文献1に開示の技術では、駆動されるアンテナのクロストークによる携帯機の位置の誤検知を防止することを試みているが、複数のアンテナの駆動を制御する電子制御装置である送信制御装置からの放射ノイズは考慮していない。送信制御装置からの放射ノイズは、送信制御装置の極近傍に限られる。しかしながら、送信制御装置の極近傍に携帯機が位置する場合には、車室外のアンテナ駆動時に、送信制御装置からの放射ノイズが車室内に位置するこの携帯機で受信されるため、車室外に携帯機が位置すると誤検知されてしまう。また、車両からより遠い距離で携帯機を検知可能とするためにアンテナ電流を増加させる場合、送信制御装置からの放射ノイズも増加する傾向にあるため、この問題がより顕著となる。
この開示のひとつの目的は、車両に配置されるアンテナから送信させる搬送波によって車両に対する携帯機の位置を検知する場合に、このアンテナを駆動する送信制御装置からの放射ノイズによる携帯機の位置の誤検知を抑制することを可能にする送信制御装置、携帯機、車両システム、送信制御方法、制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の送信制御装置は、車両で用いられて、車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して車両に対する携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナを駆動させる送信制御装置であって、アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)とを備える。
上記目的を達成するために、本開示の送信制御方法は、車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して車両に対する携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナを車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動させる送信制御方法であって、アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させ、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる。
上記目的を達成するために、本開示の第1の制御プログラムは、コンピュータを、車両で用いられて、車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して車両に対する携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナを駆動させる送信制御装置(30,300)として機能させる制御プログラムであって、アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)として機能させる。
以上の構成によれば、正規送信アンテナの送信範囲内に正規コードとそれに続くノイズ判別用バースト信号が送信される。また、他アンテナ群のそれぞれの送信範囲には、正規送信アンテナからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。ここで、他アンテナ群は、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである。よって、正規送信アンテナの送信範囲内で携帯機が正規コードを受信する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを受信することはできない。一方、送信制御装置は正規送信アンテナも他アンテナ群も駆動するので、正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信する際に送信制御装置から発せられる放射ノイズを受信する位置に携帯機が存在する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを放射ノイズとして受信できてしまう。また、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全ての送信タイミングをずらしているので、携帯機でこれらの全てを受信できているか否かを容易に判定可能となる。
このように、送信制御装置から発せられる放射ノイズを携帯機が受信している場合には、受信できるノイズ判別用バースト信号のパターンが切り替わるように正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信させることが可能になる。よって、携帯機では、正規コードに続いて受信するノイズ判別用バースト信号のパターンが放射ノイズを携帯機が受信している場合のパターンである場合に、車両に対する携帯機の位置を検知可能とするための情報を送信させないようにすることが可能になる。従って、正規送信アンテナを駆動する送信制御装置からの放射ノイズによる携帯機の位置の誤検知を抑制することが可能になる。その結果、車両に配置されるアンテナから送信させる搬送波によって車両に対する携帯機の位置を検知する場合に、このアンテナを駆動する制御装置からの放射ノイズによる携帯機の位置の誤検知を抑制することが可能になる。
上記目的を達成するために、本開示の携帯機は、ユーザに携帯されて、車両で用いられる送信制御装置によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナから、搬送波にのって無線通信によって送信されてくる信号を、その送信範囲内において受信する携帯側受信部(22)と、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを携帯側受信部で受信することをもとに、車両に対する携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる携帯側送信制御部(202)とを備える携帯機であって、アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくるノイズ判別用バースト信号との全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)を備え、携帯側送信制御部は、携帯側判定部で全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを携帯側受信部で受信していたことをもとに応答信号を送信させる一方、携帯側判定部で全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを携帯側受信部で受信していた場合であっても応答信号を送信させない。
上記目的を達成するために、本開示の制御方法は、ユーザに携帯される携帯機(2)の制御方法であって、車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくるノイズ判別用バースト信号との全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定し、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを受信していたことをもとに、車両に対する携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる一方、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを携帯機で受信していた場合であっても応答信号を送信させない。
上記目的を達成するために、本開示の第2の制御プログラムは、コンピュータを、車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機(2)を起動させるための正規のコードである正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくるノイズ判別用バースト信号との全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)と、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを受信していたことをもとに、車両に対する携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる一方、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを携帯機で受信していた場合であっても応答信号を送信させない携帯側送信制御部(202)として機能させる。
以上の構成によれば、正規送信アンテナの送信範囲内には、正規コードとそれに続くノイズ判別用バースト信号が送信されてくる。また、他アンテナ群のそれぞれの送信範囲には、正規送信アンテナからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信されてくる。ここで、他アンテナ群は、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである。よって、正規送信アンテナの送信範囲内で携帯機が正規コードを受信する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを受信することはできない。一方、送信制御装置は正規送信アンテナも他アンテナ群も駆動するので、正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信する際に送信制御装置から発せられる放射ノイズを受信する位置に携帯機が存在する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを放射ノイズとして受信できてしまう。また、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全ての送信タイミングがずれているので、携帯機は、これらの全てを受信できているか否かを容易に判定できる。
このように、送信制御装置から発せられる放射ノイズを携帯機が受信している場合には、受信できるノイズ判別用バースト信号のパターンが切り替わる。携帯機は、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを受信していたことをもとに応答信号を送信させるので、正規送信アンテナの送信範囲内で正規コードを受信する場合に、応答信号を送信して携帯機の位置の検知を可能にする。一方、携帯機は、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを受信していた場合でも応答信号を送信させないので、放射ノイズを受信する場合に、応答信号を送信せずに携帯機の位置の誤検知を抑制する。その結果、車両に配置されるアンテナから送信させる搬送波によって車両に対する携帯機の位置を検知する場合に、このアンテナを駆動する制御装置からの放射ノイズによる携帯機の位置の誤検知を抑制することが可能になる。
上記目的を達成するために、本開示の車両システムは、ユーザに携帯される携帯機(2)と、車両で用いられて、車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機との間での無線通信を利用して車両に対する携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナを駆動させる送信制御装置(30,300)とを含む車両システムであって、送信制御装置は、アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)とを備え、携帯機は、複数のアンテナから、搬送波にのって無線通信によって送信されてくる信号を、その送信範囲内において受信する携帯側受信部(22)と、正規コードを携帯側受信部で受信することをもとに、車両に対する携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる携帯側送信制御部(202)と、正規送信アンテナから、正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズ判別用バースト信号と、他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくるノイズ判別用バースト信号との全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)とを備え、携帯側送信制御部は、携帯側判定部で全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを携帯側受信部で受信していたことをもとに応答信号を送信させる一方、携帯側判定部で全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを携帯側受信部で受信していた場合であっても応答信号を送信させない。
以上の構成によれば、正規送信アンテナの送信範囲内に正規コードとそれに続くノイズ判別用バースト信号が送信される。また、他アンテナ群のそれぞれの送信範囲には、正規送信アンテナからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。ここで、他アンテナ群は、正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のアンテナのうちの、正規送信アンテナを除く全てのアンテナである。よって、正規送信アンテナの送信範囲内で携帯機が正規コードを受信する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを受信することはできない。一方、送信制御装置は正規送信アンテナも他アンテナ群も駆動するので、正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信する際に送信制御装置から発せられる放射ノイズを受信する位置に携帯機が存在する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを放射ノイズとして受信できてしまう。また、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全ての送信タイミングをずらしているので、携帯機でこれらの全てを受信できているか否かを容易に判定可能となる。
このように、送信制御装置から発せられる放射ノイズを携帯機が受信している場合には、受信できるノイズ判別用バースト信号のパターンが切り替わるように正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信させることが可能になる。これに対して、携帯機は、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを受信していたことをもとに応答信号を送信させるので、正規送信アンテナの送信範囲内で正規コードを受信する場合に、応答信号を送信して携帯機の位置の検知を可能にする。一方、携帯機は、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを受信していた場合でも応答信号を送信させないので、放射ノイズを受信する場合に、応答信号を送信せずに携帯機の位置の誤検知を抑制する。その結果、車両に配置されるアンテナから送信させる搬送波によって車両に対する携帯機の位置を検知する場合に、このアンテナを駆動する制御装置からの放射ノイズによる携帯機の位置の誤検知を抑制することが可能になる。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<車両システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示す車両システム1は、ユーザに携帯される携帯機2、及び車両で用いられる車両側ユニット3を含んでいる。
<車両システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示す車両システム1は、ユーザに携帯される携帯機2、及び車両で用いられる車両側ユニット3を含んでいる。
車両システム1は、いわゆるスマート機能を有している。スマート機能とは、携帯機2と車両側ユニット3との間で無線通信を介した照合によって認証を行い、認証が成立した場合に、認証対象としての車両の制御を可能にする機能を指している。認証によって可能となる車両の制御の一例としては、ドアの施解錠,走行駆動源の始動,ウェルカムライト点灯等の便利機能の作動等が挙げられる。ここで言うところの便利機能とは、車両へ乗車するユーザの利便性を向上させたり満足感を向上させたりする機能を示す。便利機能としては、例えば車両のスモールライトを点灯させるウェルカムライト点灯,自動での空調作動等がある。
<車両側ユニット3の概略構成>
次に、図2を用いて、車両側ユニット3の概略的な構成の一例について説明を行う。図2に示すように、車両側ユニット3は、BCM(Body Control Module)30、LFアンテナ31、RFレシーバ32、D席ドアハンドルスイッチ(以下、SW)33、P席ドアハンドルSW34、リアバンパSW35、及びプッシュSW36を含んでいる。
次に、図2を用いて、車両側ユニット3の概略的な構成の一例について説明を行う。図2に示すように、車両側ユニット3は、BCM(Body Control Module)30、LFアンテナ31、RFレシーバ32、D席ドアハンドルスイッチ(以下、SW)33、P席ドアハンドルSW34、リアバンパSW35、及びプッシュSW36を含んでいる。
LFアンテナ31は、LF(Low Frequency)帯の電波(つまり、搬送波)にて信号を送信する送信アンテナである。LF帯とは、例えば30kHz~300kHzの低周波の周波数帯である。LFアンテナ31から送信する信号としては、携帯機2に対して応答を要求するリクエスト信号がある。リクエスト信号としては、スリープ状態にある携帯機2をウェイクアップ状態に移行させるためのコードであるWakeupIDを含む信号がある。WakeupIDは、携帯機2を起動させるためのコードと言い換えることもできる。このWakeupIDが正規コードに相当する。また、リクエスト信号としては、乱数コードを含む信号がある。乱数コードを含む信号は、照合のためのコードの送信を要求する、暗号通信のための信号である。なお、リクエスト信号としては、WakeupIDを含む信号と乱数コードを含む信号とを別個に用いる構成としてもよいし、WakeupIDと乱数コードとを含む信号を用いる構成としてもよい。
LFアンテナ31は、車両に複数設けられる構成とすればよい。例えば、LFアンテナ31は、車室外に設けられる車室外アンテナと、車室内に設けられる車室内アンテナとがある。一例として、車室外アンテナとしては、運転席(つまり、D席)のドア付近のD席アンテナ31D,助手席(つまり、P席)のドア付近のP席アンテナ31P,リアバンパ付近のリアバンパアンテナ31Rが車両に配置されるものとする。また、車室内アンテナとしては、インスツルメントパネル付近のインパネアンテナ31I,センターコンソール付近のセンターコンソールアンテナ31C,トランクルーム内のトランクアンテナ31Tが車両に配置されるものとする。以降では、これらを個々に区別しない場合には、まとめてLFアンテナ31と呼ぶ。
車両の車体が金属である場合、LF帯の電波は車体に遮られるので、LFアンテナ31のうちの車室外アンテナからのLF帯の電波の送信範囲は、車室内にまでは及びにくい。一方、LFアンテナ31のうちの車室内アンテナからのLF帯の電波の送信範囲は、車室外にまでは及びにくい。ここで、図3を用いて、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tの送信範囲の一例について説明を行う。ここでは、運転席が右側の場合の例を示す。運転席が左側の場合は、D席アンテナ31Dが車両の左側に配置され、P席アンテナ31Pが車両の右側に配置されることになり、左右の説明が逆になる。
図3に示すように、D席アンテナ31Dの送信範囲Dは、車両の車室外における、運転席ドアの右側方に広がる。P席アンテナ31Pの送信範囲Pは、車両の車室外における、運転席ドアの左側方に広がる。リアバンパアンテナ31Rの送信範囲Rは、車両の車室外における、リアバンパ後方に広がる。送信範囲D,P,Rはお互いが重ならないように設定されている。一例として、LFアンテナ31の送信出力を調整することで、送信範囲D,P,Rがお互いに重ならないように設定されている。
また、図3に示すように、インパネアンテナ31Iの送信範囲Iは、車両の車室内における、車室内前方寄りに広がる。センターコンソールアンテナ31Cの送信範囲Cは、車両の車室内における、車室内中央寄りに広がる。トランクアンテナ31Tの送信範囲Iは、車両の車室内における、車室内後方寄りに広がる。送信範囲Iと送信範囲C,送信範囲Cと送信範囲Tとはお互いが重なりあっている。一方、車室内アンテナの送信範囲である送信範囲I,C,Tと、車室外アンテナの送信範囲である送信範囲D,P,Rとは、お互いが重ならないように設定されている。一例として、LFアンテナ31の配置を車室内外に分けることでお互いの送信範囲が重ならないようにする他、LFアンテナ31の送信出力を調整することでお互いの送信範囲が重ならないように設定されている。以上のように、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tは、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域がないものとする。
RFレシーバ32は、RF帯の電波にて携帯機2側から送信されてくる応答信号を受信する。RF帯とは、例えば300Hz~3THzの周波数帯である。本実施形態では、RF帯のうちのUHF(Ultra High Frequency)帯の電波にのせて応答信号を送信するものとして以降の説明を行う。UHF帯とは、例えば300MHz~3GHzの極超短波の周波数帯である。
応答信号には、例えば閾値判定情報が含まれるものとする。閾値判定情報とは、LFアンテナ31から送信させる、リレーアタックの対策に用いるための受信信号強度(以下、RSSI)の測定用のバースト信号(以下、測定用バースト信号)について、携帯機2で測定するRSSIが閾値範囲内か否かを携帯機2で判定した結果の情報である。閾値は、リレーアタックによる信号のRSSIと正規の信号とを区別するための値であって、リレーアタックによる信号が閾値範囲外となるように設定される。リレーアタックとは、中継器を用いて携帯機2とBCM30との通信を間接的に実現させることでコード照合を成立させる手法である。また、LFアンテナ31から乱数コードを含むリクエスト信号を送信したことに対する応答信号には、この乱数コードを、携帯機2において共通鍵暗号方式で用いる秘密鍵及び暗号化アルゴリズムで暗号化した暗号化コードが含まれるものとする。一方、LFアンテナ31から乱数コードを含まないリクエスト信号を送信したことに対する応答信号は、この暗号化コードを含まない応答信号とする。
D席ドアハンドルSW33は、車両のD席のアウタードアハンドルに設けられたスイッチである。P席ドアハンドルSW34は、車両のP席のアウタードアハンドルに設けられたスイッチである。リアバンパSW35は、車両のリアバンパに設けられたスイッチである。プッシュSW36は、D席前方に設けられた、車両の走行駆動源の始動を要求するためのスイッチである。
BCM30は、プロセッサ、IC、メモリ、I/O、これらを接続するバス等を備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで車両での認証に関する処理,LFアンテナ31からの信号の送信制御に関する処理(以下、送信制御関連処理)等の各種の処理を実行する。また、プロセッサが送信制御関連処理の制御プログラムを実行することは、この制御プログラムに対応する送信制御方法が実行されることに相当する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non- transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
<BCM30の概略構成>
次に、図2を用いて、BCM30の概略的な構成の一例について説明を行う。図2に示すように、BCM30は、LFドライバIC300、DCDC回路310、LINドライバ320、CAN(登録商標)ドライバ330、SW入力回路340、及びマイコン350を備えている。
次に、図2を用いて、BCM30の概略的な構成の一例について説明を行う。図2に示すように、BCM30は、LFドライバIC300、DCDC回路310、LINドライバ320、CAN(登録商標)ドライバ330、SW入力回路340、及びマイコン350を備えている。
BCM30は、通信プロトコルとしてCANを用いて通信を行う伝送路であるCANバスと、通信プロトコルとしてLINを用いて通信を行う伝送路であるLINバスとにそれぞれ接続されるものとする。以下では、BCM30が、車両の走行駆動源を制御するパワーユニットECU等の他の電子制御装置との情報のやり取りに用いる伝送路をCANバスとする。また、BCM30が、ドアロックモータ等のアクチュエータ,車両のライト,RFレシーバ32等と情報のやり取りを行う伝送路をLINバスとする。
DCDC回路310は、LFドライバIC300に直流電圧を入力する回路である。LINドライバ320は、LINバスに情報を出力したり、LINバスに出力された情報を取得したりするものであり、RFレシーバ32で取得した応答信号に含まれるコードをRFレシーバ32から取得する。LINドライバ320は、取得した情報をマイコン350に出力する。他にも、LINドライバ320は、マイコン350から出力される、車両のドアの施解錠を制御するための駆動信号をドアロックモータに出力したりする。
CANドライバ330は、CANバスに情報を出力したり、CANバスに出力された情報を取得したりするものである。CANドライバ330は、マイコン350から出力される始動許可信号をパワーユニットECUに出力したり、他のECUから出力された車速等の車両状態に関するセンシング結果を取得してマイコン350に出力したりする。
SW入力回路340は、D席ドアハンドルSW33,P席ドアハンドルSW34,リアバンパSW35,プッシュSW36からの信号が入力される回路であって、入力された信号をマイコン350に出力する。なお、SW入力回路340は、ドア開閉を検知するためのドアカーテシスイッチ等の信号も入力されるものとする。
マイコン350は、図2に示すように、LINインターフェース(以下、IF)351、CANIF352、マイコン側通信IF353、SW入力IF354、車両状態判定部355、通信データ生成部356、要求部357、ノイズ対策制御部358、登録部359、及び照合部360を、機能ブロックとして備える。
LINIF351は、LINドライバ320とマイコン350との間での通信のためのIFである。CANIF352は、CANドライバ330とマイコン350との間での通信のためのIFである。マイコン側通信IF353は、マイコン350とLFドライバIC300との間でのシリアル通信のためのIFである。SW入力IF354は、SW入力回路340とマイコン350との間での通信のためのIFである。
車両状態判定部355は、CANIF352を介してCANドライバ330から取得する、車両状態に関するセンシング結果をもとに、車両の状態を判定する。例えば、車速センサで検出する車速,シフトポジションセンサで検出するシフトポジション,パーキングブレーキスイッチの信号等をもとに、車両が駐車中か否かを判定する。
通信データ生成部356は、SW入力回路340を介して取得する信号,車両状態判定部355で判定する車両状態,車両ドアの施解錠状態に応じて、LFアンテナ31から送信させる信号のデータを生成する。例えば、通信データ生成部356は、車両状態判定部355で車両が駐車中と判定しており、車両ドアの開閉後に車両ドアが施錠状態となっており、D席ドアハンドルSW33、P席ドアハンドルSW34、リアバンパSW35、及びプッシュSW36といった車室外のスイッチ(以下、車室外SW)が操作されたことを示す信号が入力されていない場合(以下、ウェルカムシーン)に、WakeupIDを含むが乱数コードを含まないリクエスト信号のデータを生成する。
また、通信データ生成部356は、車両状態判定部355で車両が駐車中と判定しており、車両ドアが施錠状態であり、車室外SWのいずれかが操作されたことを示す信号が入力される場合(以下、開錠シーン)には、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。さらに、通信データ生成部356は、車両状態判定部355で車両が駐車中と判定しており、車両ドアの開閉後に車両ドアが施錠状態となっており、車室外SWのいずれかが操作されたことを示す信号が入力される場合(以下、施錠シーン)にも、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。他にも、通信データ生成部356は、車両状態判定部355で車両が駐車中と判定しており、プッシュSW36が操作されたことを示す信号が入力される場合(以下、発車シーン)にも、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。
要求部357は、リクエスト信号及びそれに続くバースト信号の送信を要求する。本実施形態では、バースト信号として、前述の測定用バースト信号の送信を要求する。また、ノイズ対策制御部358の指示に従って、携帯機2でのBCM30からの放射ノイズか否かの判別用のバースト信号(以下、ノイズ判別用バースト信号)の送信を要求する。また、測定用バースト信号とは、ノイズ判別用バースト信号と区別するための便宜上の呼称である。
一例として、ウェルカムシーンにおいては、要求部357は、通信データ生成部356で生成した、WakeupIDを含むが乱数コードを含まないリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を周期的に繰り返し送信させる要求を行う。この場合、例えば予め定められた送信順に、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31Rから、リクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求すればよい。一方、ノイズ対策制御部358は、リクエスト信号を送信させるLFアンテナ31(以下、正規送信アンテナ)以外の全てのLFアンテナ31(以下、他アンテナ群)から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる要求を行うよう要求部357に指示を行う。
開錠シーンにおいては、要求部357は、通信データ生成部356で生成した、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、例えば単発で送信させる要求を行う。この場合、車室外SWのうちの操作されたスイッチに応じた車室外アンテナから、リクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求すればよい。一方、ノイズ対策制御部358は、他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる要求を行うよう要求部357に指示を行う。
施錠シーンにおいては、要求部357は、通信データ生成部356で生成した、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、送信させる要求を行う。この場合、車室外SWのうちの操作されたスイッチに応じた車室外アンテナから、リクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求すればよい。また、リクエスト信号を送信させた後、予め定められた送信順に、車室内アンテナからタイミングをずらして測定用バースト信号を送信させるよう要求すればよい。一方、ノイズ対策制御部358は、他アンテナ群から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる要求を行うよう要求部357に指示を行う。
発車シーンにおいては、要求部357は、通信データ生成部356で生成した、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、例えば単発で送信させる要求を行う。この場合、プッシュSW36に応じた例えばインパネアンテナ31Iから、リクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求すればよい。一方、ノイズ対策制御部358は、正規送信アンテナであるインパネアンテナ31I以外の他アンテナ群から、インパネアンテナ31Iから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる要求を行うよう要求部357に指示を行う。
登録部359は、例えば電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであって、認証のための情報が記憶されている。認証のための情報は、例えば共通鍵暗号方式で用いる秘密鍵である。
照合部360は、LINIF351を介して取得する、RFレシーバ32で取得した応答信号に応じた処理を行う。例えば、照合部360は、ウェルカムシーンにおいては、車室外アンテナからリクエスト信号を送信したのに応じて暗号化コードが含まれていない応答信号をRFレシーバ32で受信し、且つ、この応答信号に含まれる閾値判定情報が適正な範囲内であることを示す場合に、ウェルカムライト点灯等の便利機能を作動させる。一例として、ライトを点灯するための駆動信号を、LINIF351及びLINドライバ320を介してスモールランプ,車内灯等の各照明に出力し、これらの照明を自動で点灯させる。
また、照合部360は、施錠シーン及び開錠シーンにおいては、LINIF351を介して取得した、RFレシーバ32で取得した応答信号に含まれる暗号化コードと、登録部359に記憶されている認証のための情報とを用いて、コード照合を行う。詳しくは、車室外アンテナからリクエスト信号を送信したのに応じてRFレシーバ32で取得した応答信号に含まれる暗号化コードと、LFアンテナ31から送信したチャレンジ信号の乱数コードを登録部359に記憶されている秘密鍵で暗号化して得られる暗号化コードとを照合する。そして、照合部360は、コード照合が成立し、且つ、この応答信号に含まれる閾値判定情報が適正な範囲内であることを示すことをもとに、車両のドアの施開錠を制御するための駆動信号を、LINIF351及びLINドライバ320を介してドアロックモータに出力し、車両のドアの施開錠を行わせる。
さらに、照合部360は、発車シーンにおいても、LINIF351を介して取得した、RFレシーバ32で取得した応答信号に含まれる暗号化コードと、登録部359に記憶されている認証のための情報とを用いて、コード照合を行う。詳しくは、例えばインパネアンテナ31Iといった車室内アンテナからリクエスト信号を送信したのに応じてRFレシーバ32で取得した応答信号に含まれる暗号化コードと、LFアンテナ31から送信したチャレンジ信号の乱数コードを登録部359に記憶されている秘密鍵で暗号化して得られる暗号化コードとを照合する。そして、照合部360は、コード照合が成立し、且つ、この応答信号に含まれる閾値判定情報が適正な範囲内であることを示すことをもとに、始動許可信号をCANIF352及びCANドライバ330を介してパワーユニットECUに出力し、車両の走行駆動源を始動させる。
LFドライバIC300は、LFアンテナ31から信号を送信させるICである。このLFドライバIC300、及びこのLFドライバIC300を備えるBCM30が送信制御装置に相当する。LFドライバIC300は、マイコン350からの要求に従って、リクエスト信号をLFアンテナ31から送信させる。図2に示すように、LFドライバIC300は、DCDCコンバータ301、IC側通信IF302、LFドライバ303、及びLF制御部304を、機能ブロックとして備えている。
DCDCコンバータ301は、DCDC回路310から入力される直流電圧を、LFドライバIC300での動作に必要な電源電圧に変換する。IC側通信IF302は、LFドライバIC300とマイコン350との間でのシリアル通信のためのIFである。LFドライバ303は、LF制御部304による制御に従って、LFアンテナ31に、信号を送信するための駆動電流を出力する。
LF制御部304は、LFドライバ303を制御して、信号を送信するための駆動電流をLFアンテナ31に出力させることで、LFアンテナ31から信号を送信させる。LF制御部304は、複数のLFドライバ303をそれぞれ独立制御する。LF制御部304は、IC側通信IF302を介して、マイコン350から信号の送信の要求を受けた場合に、信号を送信するための駆動電流をLFアンテナ31に出力させることで、LFアンテナ31から信号を送信させる。LF制御部304は、第1送信制御部341及び第2送信制御部342を機能ブロックとして有している。第1送信制御部341及び第2送信制御部342は、それぞれ異なる制御回路であってもよいし、同じ制御回路であってもよい。
第1送信制御部341は、マイコン350からの要求に従って、リクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号をLFアンテナ31から送信させる。一方、第2送信制御部342は、マイコン350aからの要求に従って、リクエスト信号を送信させるLFアンテナ31を除く全てのLFアンテナ31から、第1送信制御部341でノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させる。
一例として、ウェルカムシーンにおいては、第1送信制御部341は、WakeupIDを含むが乱数コードを含まないリクエスト信号,そのリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31Rから周期的に繰り返し送信させるポーリングを行う。一方、第2送信制御部342は、第1送信制御部341でノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、ノイズ判別用バースト信号を、リクエスト信号を送信させるLFアンテナ31以外の全てのLFアンテナ31からそれぞれ異なるタイミングで送信させる。なお、測定用バースト信号の送信期間とノイズ判別用バースト信号の送信期間とは分けられているものとする。以降についても同様とする。
開錠シーンにおいては、第1送信制御部341は、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,そのリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、車室外SWのうちの操作されたスイッチに応じた車室外アンテナから送信させる。一方、第2送信制御部342は、第1送信制御部341でノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、ノイズ判別用バースト信号を、リクエスト信号を送信させるLFアンテナ31以外の全てのLFアンテナ31からそれぞれ異なるタイミングで送信させる。
施錠シーンにおいては、第1送信制御部341は、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,そのリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、車室外SWのうちの操作されたスイッチに応じた車室外アンテナから送信させる。また、第1送信制御部341は、リクエスト信号に続く測定用バースト信号の送信とタイミングをずらして、車室内アンテナから測定用バースト信号を順次送信させる。一方、第2送信制御部342は、第1送信制御部341でノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、ノイズ判別用バースト信号を、リクエスト信号を送信させるLFアンテナ31以外の全てのLFアンテナ31からそれぞれ異なるタイミングで送信させる。
ここで、図4を用いて、施錠シーンにおける信号の送信の態様の一例を示す。図4では、D席ドアハンドルSW33が操作されてD席アンテナ31Dからリクエスト信号を送信する場合を例に挙げて説明を行う。
D席ドアハンドルSW33が操作される場合、図4に示すように、D席アンテナ31DからWakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,そのリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号が送信される。また、インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tといった車室内アンテナから、リクエスト信号に続く測定用バースト信号とタイミングをずらして、測定用バースト信号が順次送信される。図4の例では、インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tの順に、タイミングをずらして測定用バースト信号が送信される。測定用バースト信号を送信するタイミングをずらすのは、どのLFアンテナ31から送信された測定用バースト信号かを区別可能とするためである。
また、図4に示すように、D席アンテナ31D以外の全てのLFアンテナ31、つまり、P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tから、D席アンテナ31Dからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで、ノイズ判別用バースト信号が送信される。ノイズ判別用バースト信号を送信するタイミングをずらすのは、異なるLFアンテナ31から送信されたノイズ判別用バースト信号を区別可能とするためである。
発車シーンにおいては、第1送信制御部341は、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,そのリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、操作されたプッシュSW36に応じたインパネアンテナ31Iから送信させる。一方、第2送信制御部342は、第1送信制御部341でノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、ノイズ判別用バースト信号を、インパネアンテナ31I以外の全てのLFアンテナ31からそれぞれ異なるタイミングで送信させる。
BCM30がLFアンテナ31を駆動させて信号を送信させる場合に、LFアンテナ31からこの信号が送信されるだけでなく、BCM30のプリント版の配線,ワイヤハーネスからもこれらの信号の放射ノイズがBCM30の極近傍に出力される。
ここで、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tは、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域がないので、リクエスト信号を送信するLFアンテナ31の送信範囲内に携帯機2が存在する場合には、これらのLFアンテナ31の全てからノイズ判別用バースト信号を受信することはない。一方、BCM30の極近傍に携帯機2が存在する場合は、これらのLFアンテナ31を駆動する際に発せられる、全てのLFアンテナ31についての放射ノイズを受信できるので、放射ノイズとして全てのLFアンテナ31についてのノイズ判別用バースト信号を受信する。
<携帯機2の概略構成>
次に、図5を用いて携帯機2についての説明を行う。図2に示すように、携帯機2は、制御装置20、LF受信アンテナ21、LF受信部22、RF送信部23、及びRF送信アンテナ24を備えている。携帯機2は、電子キーの機能を有するものであって、所謂Fobであってもよいし、電子キーの機能を有する多機能携帯電話機等であってもよい。
次に、図5を用いて携帯機2についての説明を行う。図2に示すように、携帯機2は、制御装置20、LF受信アンテナ21、LF受信部22、RF送信部23、及びRF送信アンテナ24を備えている。携帯機2は、電子キーの機能を有するものであって、所謂Fobであってもよいし、電子キーの機能を有する多機能携帯電話機等であってもよい。
LF受信アンテナ21は、LF帯の電波にて車両側ユニット3側から送信されてくる信号を受信する。LF受信アンテナ21で受信する信号としては、前述したリクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号が挙げられる。
LF受信部22は、LF受信アンテナ21で受信したリクエスト信号を電気的に処理しつつ受信信号を生成し、生成した受信信号を制御装置20に出力する。このLF受信部22が携帯側受信部に相当する。LF受信部22は、例えばIC等を有し、リクエスト信号にWakeupIDが含まれている場合に、WakeupIDの妥当性を判定する。一例としては、LF受信部22の不揮発性メモリに予め登録している正規のコードのパターンと比較し、WakeupIDが正規のコードか否かを判定する。そして、このWAKEコードが正規の信号パターンである旨の判定をした場合には、スリープ状態にある制御装置20をウェイクアップ状態に移行させる。スリープ状態は、ウェイクアップ状態よりも大幅に電力消費が抑えられた状態である。一方、LF受信部22は、このWAKEコードが正規の信号パターンと一致せず、WAKEコードが正規の信号パターンでない旨の判定をした場合には、スリープ状態にある制御装置20をウェイクアップ状態に移行させない。
また、LF受信部22は、LF受信アンテナ21でリクエスト信号に続いて受信するバースト信号のRSSIを測定し、測定結果を制御装置20に出力する。LF受信部22は、例えばRSSI測定回路等によって、バースト信号のRSSIを測定する。LF受信部22は、測定用バースト信号のRSSIを測定する他、ノイズ判別用バースト信号のRSSIも測定する。
制御装置20は、IC若しくはマイクロコンピュータ等である。制御装置20は、図5に示すように、入力取得部201、送信制御部202、第1判定部203、及び第2判定部204を機能ブロックとして有する。制御装置20は、以下で述べるような各種処理を実行する。
入力取得部201は、LF受信部22からの入力を取得する。送信制御部202は、入力取得部201で取得するリクエスト信号の受信信号に応じた応答信号の原信号を生成し、この原信号をRF送信部23に出力する。例えば、リクエスト信号に乱数コードが含まれている場合には、この乱数コードを、共通鍵暗号方式で用いる秘密鍵及び暗号化アルゴリズムで暗号化し、暗号化コードを生成する。そして、この暗号化コードを含む応答信号の原信号をRF送信部23に出力する。一方、送信制御部202は、リクエスト信号に乱数コードが含まれていない場合には、暗号化コードを含まない、WakeupIDを受信したことを示す応答信号の原信号をRF送信部23に出力すればよい。
第1判定部203は、入力取得部201で取得する、測定用バースト信号のRSSIを測定した結果が、測定用バースト信号について設定されている閾値範囲内か否かの閾値判定を行う。そして、RSSIが閾値範囲内か否かを示す情報(つまり、閾値判定情報)を、送信制御部202で生成する応答信号に含ませる。設定されている閾値範囲は、前述した通りである。
第2判定部204は、入力取得部201で取得する、LF受信部22で測定する一連のノイズ判別用バースト信号のRSSIが、ノイズ判別用バースト信号について設定されている閾値(以下、ノイズ閾値)以上か否かの閾値判定を行う。ノイズ閾値は、放射ノイズに含まれるノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを区別するための閾値である。第2判定部204は、この閾値判定を行い、ノイズ閾値以上の場合には、ノイズ判別用バースト信号を受信できたものとする。第2判定部204が携帯側判定部に相当する。
送信制御部202は、受信できたと第2判定部204で判定した一連のノイズ判別用バースト信号の数が、全てのLFアンテナ31を合計した数に満たない場合には、応答信号をRF送信部23から送信させる。一方、受信できたと第2判定部204で判定した一連のノイズ判別用バースト信号の数が、全てのLFアンテナ31を合計した数である場合には、応答信号をRF送信部23から送信させない。つまり、全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かで、LFアンテナ31から受信した信号がBCM30の放射ノイズか否かを判別して、放射ノイズの場合には応答信号を送信させないようにする。この送信制御部202が携帯側送信制御部に相当する。
これらの処理の手順を実行することが携帯機2の制御方法を実行することに相当する。また、制御装置20が例えばマイクロコンピュータ等であって、メモリに記憶された制御プログラムを実行することでこれらの処理を実行する構成としてもよい。なお、LF受信アンテナ21で受信する信号が測定用バースト信号かノイズ判別用バースト信号かは、予め設定されている、リクエスト信号の送信タイミングに対する送信タイミングによって区別するものとすればよい。
RF送信部23は、制御装置20から入力される原信号を電気的に処理して応答信号を生成し、この応答信号をRF送信アンテナ24から送信する。RF送信アンテナ24は、UHF帯の電波にのせて応答信号を送信する。
<BCM30での送信制御関連処理>
ここで、図6のフローチャートを用いて、BCM30での送信制御関連処理の流れの一例について説明を行う。図6のフローチャートは、車両が駐車して車両ドアが開閉された場合に開始する構成とすればよい。車両が駐車したことは車両状態判定部355で判定すればよく、車両ドアが開閉したことはドアカーテシスイッチの信号から判定すればよい。
ここで、図6のフローチャートを用いて、BCM30での送信制御関連処理の流れの一例について説明を行う。図6のフローチャートは、車両が駐車して車両ドアが開閉された場合に開始する構成とすればよい。車両が駐車したことは車両状態判定部355で判定すればよく、車両ドアが開閉したことはドアカーテシスイッチの信号から判定すればよい。
まず、ステップS1では、車室外SWが操作された場合(S1でYES)には、ステップS2に移る。車室外SWが操作されたか否かは、通信データ生成部356が、SW入力回路340を介して取得する信号をもとに判断すればよい。一方、車室外SWが操作されていない場合(S1でNO)には、S1の処理を繰り返す。
ステップS2では、通信データ生成部356が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。そして、要求部357が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、S1で操作された車室外スイッチに応じた車室外アンテナから送信させるよう要求する。これにより、S1で操作された車室外スイッチに応じた車室外アンテナから、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号が送信される。
ステップS3では、要求部357が、S2でリクエスト信号を送信させるLFアンテナ31(つまり、正規送信アンテナ)以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求する。これにより、正規送信アンテナ以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。
BCM30の極近傍に携帯機2が存在し、全てのLFアンテナ31についての放射ノイズを受信する場合、放射ノイズとして全てのLFアンテナ31についてのノイズ判別用バースト信号を受信する。よって、携帯機2から応答信号が送信されることがない。一方、携帯機2が、正規送信アンテナの送信範囲内に存在する場合には、全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を受信することはできないので、携帯機2から応答信号が送信される。そして、照合部360が、携帯機2から送信される応答信号に含まれる暗号化コードを用いて認証を行って、車両ドアの施錠を行う。
ステップS4では、照合部360で認証が成立して車両ドアの施錠が行われた場合(S4でYES)には、ステップS5に移る。一方、照合部360で認証が成立せず、車両ドアの施錠が行われない場合(S4でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。
ステップS5では、通信データ生成部356が、WakeupIDを含むが乱数コードを含まないリクエスト信号のデータを生成する。そして、要求部357が、WakeupIDを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、周期的に、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31Rといった車室外アンテナから順次送信させるよう要求する。これにより、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31Rから、WakeupIDを含むが乱数コードを含まないリクエスト信号が周期的に順次送信されるポーリングが行われる。
ステップS6では、要求部357は、S5でリクエスト信号を送信させる車室外アンテナ(つまり、正規送信アンテナ)以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求する。これにより、正規送信アンテナ以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が周期的に送信される。
携帯機2が、正規送信アンテナの送信範囲内に存在する場合には、全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を受信することはできないので、携帯機2から応答信号が送信される。乱数コードを含まないリクエスト信号に対する応答信号は、暗号化コードを含まないものとする。照合部360は、暗号化コードが含まれていない応答信号をRFレシーバ32で受信した場合に、ウェルカムライト点灯等の便利機能を作動させることになる。
ステップS7では、暗号化コードが含まれていない応答信号をRFレシーバ32で受信し、照合部360で便利機能の作動が行われた場合(S7でYES)には、ステップS4に移る。一方、暗号化コードが含まれていない応答信号をRFレシーバ32で受信しておらず、照合部360で便利機能の作動が行われていない場合(S7でNO)には、S5に戻って、周期的なリクエスト信号の送信を繰り返す。
ステップS8では、車室外SWが操作された場合(S8でYES)には、ステップS10に移る。一方、車室外SWが操作されていない場合(S8でNO)には、ステップS9に移る。ステップS9では、S7で便利機能を作動させてからの経過時間が規定時間を越えてタイムアウトとなった場合(S9でYES)には、S5に戻って、周期的なリクエスト信号の送信を繰り返す。一方、S7で便利機能を作動させてからの経過時間が規定時間を越えておらず、タイムアウトとなっていない場合(S9でNO)には、S8に戻って処理を繰り返す。ここで言うところの規定時間は任意に設定可能である。
ステップS10では、通信データ生成部356が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。そして、要求部357が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、S8で操作された車室外スイッチに応じた車室外アンテナから送信させるよう要求する。これにより、S8で操作された車室外スイッチに応じた車室外アンテナから、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号が送信される。
ステップS11では、要求部357が、S10でリクエスト信号を送信させるLFアンテナ31(つまり、正規送信アンテナ)以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求する。これにより、正規送信アンテナ以外の全てのLFアンテナ31から、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。
携帯機2が、正規送信アンテナの送信範囲内に存在する場合には、全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を受信することはできないので、携帯機2から応答信号が送信される。そして、照合部360が、携帯機2から送信される応答信号に含まれる暗号化コードを用いて認証を行って、車両ドアの開錠を行う。
ステップS12では、照合部360で認証が成立して車両ドアの開錠が行われた場合(S12でYES)には、ステップS13に移る。一方、照合部360で認証が成立せず、車両ドアの開錠が行われない場合(S12でNO)には、S8に戻って処理を繰り返す。
ステップS13では、プッシュSW36が操作された場合(S13でYES)には、ステップS15に移る。一方、プッシュSW36が操作されていない場合(S13でNO)には、ステップS14に移る。ステップS14では、車両にユーザが乗車している場合(S14でYES)には、S13に戻って処理を繰り返す。一方、車両にユーザが乗車していない場合(S14でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。車両にユーザが乗車しているか否かは、通信データ生成部356が、SW入力回路340を介して取得するドアカーテシスイッチの信号をもとに、車両ドアが開閉したか否かによって判断すればよい。他にも、車両の着座センサの信号等を用いて判断してもよい。
ステップS15では、通信データ生成部356が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号のデータを生成する。そして、要求部357が、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,このリクエスト信号に続く測定用バースト信号及びノイズ判別用バースト信号を、インパネアンテナ31Iから送信させるよう要求する。これにより、インパネアンテナ31Iから、WakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,測定用バースト信号,ノイズ判別用バースト信号が送信される。
ステップS16では、要求部357は、インパネアンテナ31I以外の全てのLFアンテナ31から、インパネアンテナ31Iから送信されるノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号を送信させるよう要求する。これにより、インパネアンテナ31I以外の全てのLFアンテナ31から、インパネアンテナ31Iから送信するノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。
携帯機2が、インパネアンテナ31Iの送信範囲内に存在する場合には、全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を受信することはできないので、携帯機2から応答信号が送信される。そして、照合部360が、携帯機2から送信される応答信号に含まれる暗号化コードを用いて認証を行って、車両の走行駆動源を始動させる。
ステップS17では、照合部360で認証が成立して車両の走行駆動源の始動が行われた場合(S17でYES)には、送信制御関連処理を終了する。一方、照合部360で認証が成立せず、車両の走行駆動源の始動が行われない場合(S17でNO)には、S13に戻って処理を繰り返す。
<携帯機での応答送信関連処理>
続いて、図7のフローチャートを用いて、携帯機2での応答信号の送信に関連する処理(以下、応答送信関連処理)の流れの一例について説明を行う。図7のフローチャートは、LF受信アンテナ21で受信するリクエスト信号に含まれるWakeupIDによってウェイクアップ状態に移行する場合に開始する構成とすればよい。
続いて、図7のフローチャートを用いて、携帯機2での応答信号の送信に関連する処理(以下、応答送信関連処理)の流れの一例について説明を行う。図7のフローチャートは、LF受信アンテナ21で受信するリクエスト信号に含まれるWakeupIDによってウェイクアップ状態に移行する場合に開始する構成とすればよい。
まず、ステップS21では、第2判定部204が、LF受信部22で測定した一連のノイズ判別用バースト信号のRSSIが、ノイズ閾値以上か否かの閾値判定を行う。そして、第2判定部204は、RSSIの閾値判定の結果がノイズ閾値以上のノイズ判別用バースト信号を受信できたものとする。ステップS22では、第2判定部204が、S21で受信できたものとした一連のノイズ判別用バースト信号の数(以下、受信数)を特定する。
ステップS23では、第2判定部204が、S22で特定した受信数がノイズ判別用バースト信号を送信するLFアンテナ31の全数(以下、全LFアンテナ数)と同じか否かを判定する。そして、全LFアンテナ数と同じである場合(S23でYES)には、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと第2判定部204が判定し、ステップS24に移る。一方、全LFアンテナ数に満たない場合(S23でNO)には、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと第2判定部204が判定し、ステップS25に移る。
ステップS24では、送信制御部202が、応答信号をRF送信部23から送信させず、応答送信関連処理を終了する。一方、ステップS25では、送信制御部202が、応答信号をRF送信部23から送信させ、応答送信関連処理を終了する。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、正規送信アンテナの送信範囲内に正規コードとそれに続くノイズ判別用バースト信号が送信される。また、正規送信アンテナ以外の全てのLFアンテナ31である他アンテナ群のそれぞれの送信範囲には、正規送信アンテナからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。全てのLFアンテナ31のそれぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域はないので、正規送信アンテナの送信範囲内で携帯機2が正規コードを受信する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを受信することはできない。
実施形態1の構成によれば、正規送信アンテナの送信範囲内に正規コードとそれに続くノイズ判別用バースト信号が送信される。また、正規送信アンテナ以外の全てのLFアンテナ31である他アンテナ群のそれぞれの送信範囲には、正規送信アンテナからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングでノイズ判別用バースト信号が送信される。全てのLFアンテナ31のそれぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域はないので、正規送信アンテナの送信範囲内で携帯機2が正規コードを受信する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを受信することはできない。
一方、BCM30は正規送信アンテナも他アンテナ群も駆動するので、正規送信アンテナ及び他アンテナ群からノイズ判別用バースト信号を送信する際に、BCM30から、これらのノイズ判別用バースト信号の放射ノイズが発せられる。BCM30の極近傍といった、これらの放射ノイズを受信する位置に携帯機2が存在する場合、正規送信アンテナから送信するノイズ判別用バースト信号と他アンテナ群のそれぞれから送信するノイズ判別用バースト信号との全てを放射ノイズとして受信できてしまう。このように、BCM30から発せられる放射ノイズを携帯機2が受信している場合には、受信できるノイズ判別用バースト信号のパターンが切り替わるようにしている。
これに対して、携帯機2は、全てのノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、正規コードを受信していたことをもとに応答信号を送信させるので、正規送信アンテナの送信範囲内で正規コードを受信する場合に、応答信号を送信して携帯機2の位置の検知を可能にする。一方、携帯機2は、全てのノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、正規コードを受信していた場合でも応答信号を送信させないので、放射ノイズを受信する場合に、応答信号を送信せずに携帯機2の位置の誤検知を抑制する。
(実施形態2)
実施形態1では、BCM30が、リクエスト信号に続いて測定用バースト信号を送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、BCM30が、リクエスト信号を送信させるが、このリクエスト信号に続いて測定用バースト信号を送信させない構成(以下、実施形態2)としてもよい。
実施形態1では、BCM30が、リクエスト信号に続いて測定用バースト信号を送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、BCM30が、リクエスト信号を送信させるが、このリクエスト信号に続いて測定用バースト信号を送信させない構成(以下、実施形態2)としてもよい。
ここで、図8を用いて、実施形態2での施錠シーンにおける信号の送信の態様の一例を示す。図8では、D席ドアハンドルSW33が操作されてD席アンテナ31Dからリクエスト信号を送信する場合を例に挙げて説明を行う。
D席ドアハンドルSW33が操作される場合、図8に示すように、D席アンテナ31DからWakeupID及び乱数コードを含むリクエスト信号,そのリクエスト信号に続くノイズ判別用バースト信号が送信される。また、図8に示すように、D席アンテナ31D以外の全てのLFアンテナ31、つまり、P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tから、D席アンテナ31Dからのノイズ判別用バースト信号の送信とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで、ノイズ判別用バースト信号が送信される。
また、実施形態2では、ノイズ判別用バースト信号を、実施形態1で述べた測定用バースト信号としても用いる構成としてもよい。これによれば、ノイズ判別用バースト信号と測定用バースト信号とをそれぞれ別個に送信せずに済む分だけ、BCM30の暗電流を抑制しつつ、リレーアタックの対策を行うことも可能になる。なお、実施形態1で述べた測定用バースト信号は、リレーアタックの対策以外にも、RSSIの距離減衰特性を利用した携帯機2の位置の検知の補強に用いる構成としてもよい。この場合には、ノイズ判別用バースト信号を、測定用バースト信号としても用いることで、BCM30の暗電流を抑制しつつ、携帯機2の位置の検知精度をより向上させることが可能になる。
(実施形態3)
前述の実施形態では、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作したことをトリガに、乱数コードを含むリクエスト信号を送信する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作する前から、乱数コードを含むリクエスト信号を周期的に送信する構成としてもよい。
前述の実施形態では、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作したことをトリガに、乱数コードを含むリクエスト信号を送信する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作する前から、乱数コードを含むリクエスト信号を周期的に送信する構成としてもよい。
(実施形態4)
前述の実施形態では、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作する前からリクエスト信号を周期的に送信する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作するまではリクエスト信号を送信しない構成としてもよい。
前述の実施形態では、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作する前からリクエスト信号を周期的に送信する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両の駐車時且つ施錠時において、車室外SWを操作するまではリクエスト信号を送信しない構成としてもよい。
(実施形態5)
前述の実施形態では、車両に配置される全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のLFアンテナ31であれば、車両に配置される全てのLFアンテナ31のうちの一部のLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を送信させる構成(以下、実施形態5)としてもよい。
前述の実施形態では、車両に配置される全てのLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数のLFアンテナ31であれば、車両に配置される全てのLFアンテナ31のうちの一部のLFアンテナ31からノイズ判別用バースト信号を送信させる構成(以下、実施形態5)としてもよい。
実施形態5でも、第2判定部204は、ノイズ判別用バースト信号の受信数が、ノイズ判別用バースト信号を送信するLFアンテナ31の全数と同じか否かを判定する構成とすればよい。そして、ノイズ判別用バースト信号を送信するLFアンテナ31の全数について、全てのノイズ判別用バースト信号まで受信できたか否かを判定すればよい。
なお、実施形態5では、第1送信制御部341及び第2送信制御部342が、ノイズ判別用バースト信号を送信させるLFアンテナ31を切り替える場合であっても、ノイズ判別用バースト信号を送信させるLFアンテナ31の数は変更しないことが好ましい。これによれば、携帯機2は、ノイズ判別用バースト信号を送信させるLFアンテナ31の切り替わりにかかわらず、ノイズ判別用バースト信号の受信数が、固定された数を満たすか否かによって、ノイズ判別用バースト信号を送信するLFアンテナ31の全数について、全てのノイズ判別用バースト信号まで受信できたか否かを判定することが可能になる。よって、ノイズ判別用バースト信号を送信するLFアンテナ31の全数について、全てのノイズ判別用バースト信号まで受信できたか否かの判定をより容易に行うことが可能になる。
(実施形態6)
前述の実施形態では、車両側ユニット3に、LFアンテナ31として、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tを含む構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、配置が異なったり、配置される数が異なったりしてもよい。
前述の実施形態では、車両側ユニット3に、LFアンテナ31として、D席アンテナ31D,P席アンテナ31P,リアバンパアンテナ31R,インパネアンテナ31I,センターコンソールアンテナ31C,トランクアンテナ31Tを含む構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、配置が異なったり、配置される数が異なったりしてもよい。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1 車両システム、2 携帯機、3 車両側ユニット、20 制御装置、22 LF受信部(携帯側受信部)、23 RF送信部、30 BCM(送信制御装置)、31 LFアンテナ(アンテナ,正規送信アンテナ,他アンテナ群)、32 RFレシーバ、33 D席ドアハンドルSW、34 P席ドアハンドルSW、35 リアバンパSW、36 プッシュSW、202 送信制御部(携帯側送信制御部)、204 第2判定部(携帯側判定部)、300 LFドライバIC(送信制御装置)、304 LF制御部、341 第1送信制御部、342 第2送信制御部、350 マイコン、356 通信データ生成部、357 要求部、358 ノイズ対策制御部
Claims (11)
- 車両で用いられて、前記車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数の前記アンテナを駆動させる送信制御装置であって、
前記アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、前記携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、
前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)とを備える送信制御装置。 - 前記第1送信制御部は、前記正規送信アンテナから、前記正規コードに続いて、前記ノイズ判別用バースト信号と用途が異なる、前記携帯機での受信信号強度の測定用のバースト信号である測定用バースト信号を送信させる後、前記ノイズ判別用バースト信号を送信させ、
前記第2送信制御部は、前記正規送信アンテナから前記測定用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、前記他アンテナ群のそれぞれからお互いにタイミングをずらして前記測定用バースト信号を送信させる後、前記正規送信アンテナから前記ノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、前記他アンテナ群のそれぞれからお互いにタイミングをずらして前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる請求項1に記載の送信制御装置。 - 前記第1送信制御部は、前記正規送信アンテナから、前記携帯機でのノイズか否かの判別用以外の用途にも用いられる前記ノイズ判別用バースト信号を送信させ、
前記第2送信制御部は、前記正規送信アンテナから前記ノイズ判別用バースト信号を送信させるのとタイミングをずらして、前記他アンテナ群のそれぞれからお互いにタイミングをずらして、前記携帯機でのノイズか否かの判別用以外の用途にも用いられる前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる請求項1に記載の送信制御装置。 - 前記第1送信制御部は、前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる前記正規送信アンテナを切り替え可能であるとともに、
前記第2送信制御部は、前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる前記他アンテナ群を切り替え可能であって、
前記第1送信制御部及び前記第2送信制御部は、前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる前記アンテナを切り替える場合であっても、前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる前記アンテナの数は変更しない請求項1~3のいずれか1項に記載の送信制御装置。 - 前記第2送信制御部は、前記車両の複数箇所に配置される前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる請求項1~3のいずれか1項に記載の送信制御装置。
- ユーザに携帯されて、
車両で用いられる送信制御装置によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナから、搬送波にのって無線通信によって送信されてくる信号を、その送信範囲内において受信する携帯側受信部(22)と、
携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを前記携帯側受信部で受信することをもとに、前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる携帯側送信制御部(202)とを備える携帯機であって、
前記アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくる前記ノイズ判別用バースト信号との全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)を備え、
前記携帯側送信制御部は、前記携帯側判定部で全ての前記ノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯側受信部で受信していたことをもとに前記応答信号を送信させる一方、前記携帯側判定部で全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯側受信部で受信していた場合であっても前記応答信号を送信させない携帯機。 - ユーザに携帯される携帯機(2)と、
車両で用いられて、前記車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機との間での無線通信を利用して前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数の前記アンテナを駆動させる送信制御装置(30,300)とを含む車両システムであって、
前記送信制御装置は、
前記アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、前記携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、
前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)とを備え、
前記携帯機は、
複数の前記アンテナから、搬送波にのって無線通信によって送信されてくる信号を、その送信範囲内において受信する携帯側受信部(22)と、
前記正規コードを前記携帯側受信部で受信することをもとに、前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる携帯側送信制御部(202)と、
前記正規送信アンテナから、前記正規コードの送信に続いて送信されてくる、前記ノイズ判別用バースト信号と、前記他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくる前記ノイズ判別用バースト信号との全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)とを備え、
前記携帯側送信制御部は、前記携帯側判定部で全ての前記ノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯側受信部で受信していたことをもとに前記応答信号を送信させる一方、前記携帯側判定部で全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯側受信部で受信していた場合であっても前記応答信号を送信させない車両システム。 - 車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数の前記アンテナを車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動させる送信制御方法であって、
前記アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、前記携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させ、
前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる送信制御方法。 - ユーザに携帯される携帯機(2)の制御方法であって、
車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくる前記ノイズ判別用バースト信号との全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定し、
全ての前記ノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、前記正規コードを受信していたことをもとに、前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる一方、全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯機で受信していた場合であっても前記応答信号を送信させない制御方法。 - コンピュータを、
車両で用いられて、前記車両の複数箇所に配置されるアンテナとユーザに携帯される携帯機(2)との間での無線通信を利用して前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするために、それぞれ設定される送信範囲が異なる複数の前記アンテナを駆動させる送信制御装置(30,300)として機能させる制御プログラムであって、
前記アンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、前記携帯機を起動させるための正規のコードである正規コードを搬送波にのせて送信させるとともに、その正規コードの送信に続いて、前記携帯機でのノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号を送信させる第1送信制御部(341)と、
前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで前記ノイズ判別用バースト信号を送信させる第2送信制御部(342)として機能させる制御プログラム。 - コンピュータを、
車両で用いられる送信制御装置(30,300)によって駆動される、車両の複数箇所に配置されてそれぞれ設定される送信範囲が異なる複数のアンテナのうちの1つの正規送信アンテナから、携帯機(2)を起動させるための正規のコードである正規コードの送信に続いて送信されてくる、ノイズか否かの判別用であるノイズ判別用バースト信号と、前記正規送信アンテナを含む、それぞれに設定される送信範囲の全てに共通となる領域のない複数の前記アンテナのうちの、前記正規送信アンテナを除く全てのアンテナである他アンテナ群から、前記正規送信アンテナから送信される前記ノイズ判別用バースト信号とタイミングをずらして、それぞれ異なるタイミングで送信されてくる前記ノイズ判別用バースト信号との全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたか否かを判定する携帯側判定部(204)と、
全ての前記ノイズ判別用バースト信号までは受信できなかったと判定する場合には、前記正規コードを受信していたことをもとに、前記車両に対する前記携帯機の位置を検知可能とするための情報を含む応答信号を送信させる一方、全ての前記ノイズ判別用バースト信号を受信できたと判定する場合には、前記正規コードを前記携帯機で受信していた場合であっても前記応答信号を送信させない携帯側送信制御部(202)として機能させる制御プログラム。
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