JP2020051970A - 車載装置及び車両システム - Google Patents

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Tomokazu Miyashita
智和 宮下
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Abstract

【課題】車両側のアンテナと携帯機との距離が長くなる場合であっても、車両側のアンテナと携帯機との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機の位置の判定の精度をより向上させることを可能にする。【解決手段】車両に配置されるRF送信アンテナ31R,31Lから電波にのせて信号を送信させる送信処理部302と、ユーザに携帯される携帯機2から、車両に配置されるRF受信アンテナ32で受信する応答信号を取得する応答取得部303と、応答信号のRSSIを特定する信号強度特定部304と、特定するRSSIを用いて携帯機2の位置を判定する位置判定部307と、RF受信アンテナ32の指向性を制御する指向性制御部309とを備え、指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。【選択図】図5

Description

本開示は、車両に設けられるアンテナで携帯機から受信する電波の強度を用いて携帯機の位置を判定する車載装置及びこの車載装置を含む車両システムに関するものである。
従来、車両側のアンテナと携帯機との間で送受信する電波の強度を利用して、携帯機の位置を判定する技術が知られている。例えば特許文献1には、車両の複数箇所に配置されたアンテナからLF帯の電波で1〜2m程度のエリア内に送信されたリクエスト信号のRSSIに基づいて携帯機の位置を判定する技術が開示されている。
特開2016−124477号公報
特許文献1の技術では、LF帯の電波で送信されるリクエスト信号は1〜2m程度しか届かないので、携帯機の位置を判定した結果をもとに車両の制御を行わせる場合、携帯機が車両から1〜2m程度の距離にまで接近しなければ、車両の制御を行わせることはできない。よって、より遠方から車両の制御を行わせたい場合に、その要求に応えることができない。
これに対して、携帯機の位置の判定に用いる信号を送信する電波として、LF帯よりも通信範囲の広い電波を用いることで、より遠方から車両の制御を行わせることが考えられる。しかしながら、携帯機の位置の判定に用いる信号を送信する電波として、LF帯よりも通信範囲の広い電波を用いる場合、電波の送受信時の携帯機と車両側のアンテナとの距離が長くなり、電波が大地に反射されることによるマルチパスの影響を受け易くなる。詳しくは、マルチパスの影響を受ける場合には、携帯機の位置の判定に用いる信号のRSSI(つまり、受信電波強度)がばらつくことで、携帯機の位置の判定精度が低下してしまう。
この開示のひとつの目的は、車両側のアンテナと携帯機との距離が長くなる場合であっても、車両側のアンテナと携帯機との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機の位置の判定の精度をより向上させることを可能にする車載装置及び車両システムを提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の車載装置は、車両で用いられ、車両に配置される送信アンテナ(31)から電波にのせて信号を送信させる送信処理部(302)と、送信アンテナから送信される信号を受信したことをもとに応答信号を送信する、ユーザに携帯される携帯機から、車両に配置されて指向性を制御可能な受信アンテナ(32)で受信するその応答信号を取得する応答取得部(303)と、受信アンテナで受信する応答信号の受信信号強度を特定する信号強度特定部(304)と、信号強度特定部で特定する受信信号強度を用いて携帯機の位置を判定する位置判定部(307)と、受信アンテナの指向性を制御する指向性制御部(309,309a)とを備え、指向性制御部は、受信アンテナの垂直方向の指向性を、応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。
また、上記目的を達成するために、本開示の車両システムは、車両で用いられ、車両に配置される送信アンテナ(31)と、車両に配置されて指向性を制御可能な受信アンテナ(32)と、車載装置(30,30a)とを含み、車載装置は、送信アンテナから電波にのせて信号を送信させる送信処理部(302)と、送信アンテナから送信される信号を受信したことをもとに応答信号を送信する、ユーザに携帯される携帯機から、受信アンテナで受信するその応答信号を取得する応答取得部(303)と、受信アンテナで受信する応答信号の受信信号強度を特定する信号強度特定部(304)と、信号強度特定部で特定する受信信号強度を用いて携帯機の位置を判定する位置判定部(307)と、受信アンテナの指向性を制御する指向性制御部(309,309a)とを備え、指向性制御部は、受信アンテナの垂直方向の指向性を、応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。
これらによれば、携帯機からの応答信号を受信する受信アンテナの垂直方向の指向性を、指向性制御部が、その応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせることになる。よって、車両に配置される受信アンテナと携帯機との距離が長くなる場合であっても、信号強度特定部で特定する応答信号の受信信号強度がこのマルチパスによってばらつくのを防ぐことが可能になる。従って、この受信信号強度を用いる位置判定部での携帯機の位置の判定精度が低下するのを防ぐことが可能になる。
また、車両に配置される送信アンテナから送信される信号を携帯機で受信する際の受信信号強度を、携帯機の位置を判定するのに用いる構成の場合には、大地反射によるマルチパスを抑えるためには、携帯機側でこのマルチパスを抑える工夫が必要となる。しかしながら、携帯機がユーザに携帯される際の向きが一定と限らないため、携帯機で信号を受信する指向性を狭めても、指向性の方向が一定に定まらず、大地反射によるマルチパスを抑えることは難しい。これに対して、携帯機からの応答信号を車両に配置される受信アンテナで受信する際の受信信号強度を、携帯機の位置を判定するのに用いる構成の場合には、受信アンテナが車両に配置されるものであるので、指向性の方向を一定に定めさせることが可能になる。よって、応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせることで、大地反射によるマルチパスを抑えることが可能になる。
その結果、車両側のアンテナと携帯機との距離が長くなる場合であっても、車両側のアンテナと携帯機との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機の位置の判定の精度をより向上させることが可能になる。
認証システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 携帯機2の概略的な構成の一例を示す図である。 車両側ユニット3の概略的な構成の一例を示す図である。 RF送信アンテナ31R,31Lの水平方向の通信範囲の一例を示す図である。 BCM30の概略的な構成の一例を示す図である。 RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を狭めることで携帯機2からの応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えることを説明するための模式図である。 携帯機2からの応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えるのに効果的な一例を説明するための模式図である。 BCM30での車両制御許可関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 RF送信アンテナ31F,31Bの水平方向の通信範囲の一例を示す図である。 BCM30aの概略的な構成の一例を示す図である。 指向性制御部309aでのRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性制御の一例を示す図である。 BCM30aでの車両制御許可関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<認証システム1の概略構成>
図1に示すように、認証システム1は、ユーザに携帯される携帯機2と、車両で用いられる車両側ユニット3とを含む。携帯機2と車両側ユニット3とは、それぞれが無線通信によって、電波にのせて信号を送受信可能となっている。また、携帯機2と車両側ユニット3とは、お互いの通信範囲内に存在する場合、無線通信によって一方が送信した信号をもう一方が受信する。認証システム1は、携帯機2と車両側ユニット3との間で無線通信を介したコード照合をもとに認証を行い、認証が成立した場合に、認証対象としての車両の制御を許可する機能を有している。認証によって許可される車両の制御の一例としては、ドアの開錠等が挙げられる。
<携帯機2の概略構成>
次に、図2を用いて携帯機2についての説明を行う。図2に示すように、携帯機2は、制御装置20、RF受信アンテナ21、RF受信部22、RF送信部23、及びRF送信アンテナ24を備えている。携帯機2は、電子キーの機能を有するものであって、所謂Fobであってもよいし、電子キーの機能を有する多機能携帯電話機等であってもよい。
RF受信アンテナ21は、後述するRF送信アンテナ31からRF(Radio Frequency)帯の電波にのせて送信されてくるリクエスト信号を受信する。RF受信アンテナ21が受信するリクエスト信号としては、例えばコード照合のためのコードの送信を要求するチャレンジ信号等がある。チャレンジ信号は、暗号通信のための信号であって、乱数からなるコードの信号である。RF帯とは、例えば300Hz〜3THzの周波数帯である。本実施形態では、RF帯のうちのUHF(Ultra High Frequency)帯の電波にのせて送信されてくる信号を受信するものとして以降の説明を行う。UHF帯とは、例えば300MHz〜3GHzの極超短波の周波数帯である。RF受信部22は、RF受信アンテナ21で受信した信号を電気的に処理しつつ受信信号を生成し、生成した受信信号を制御装置20に出力する。
RF送信部23は、制御装置20から入力される原信号を電気的に処理しつつ、RF受信アンテナ21で受信した信号に対する応答信号を生成し、この応答信号をRF送信アンテナ24から送信する。RF送信アンテナ24は、RF帯の電波にのせて応答信号を送信する。本実施形態では、RF帯のうちのUHF帯の電波にのせて応答信号を送信するものとして以降の説明を行う。
制御装置20は、IC若しくはマイクロコンピュータ等であって、RF受信部22からリクエスト信号の受信信号が入力された場合に、このリクエスト信号に応じた応答信号の原信号を生成し、この原信号をRF送信部23に出力する。制御装置20は、チャレンジ信号のコードを、共通鍵暗号方式で用いる秘密鍵及び暗号化アルゴリズムで暗号化した暗号化コードを生成する。この暗号化コードが照合情報に相当する。また、制御装置20は、応答信号に、受信信号強度(以下、RSSI)測定用のバースト信号も含ませる。これにより、RF送信部23によってバースト信号を含む応答信号が送信されることになる。
<車両側ユニット3の概略構成>
続いて、図3を用いて、車両側ユニット3の概略的な構成について説明を行う。図3に示すように車両側ユニット3は、BCM(Body Control Module)30、RF送信アンテナ31R,RF送信アンテナ31L、及びRF受信アンテナ32を備えている。
RF送信アンテナ31R,31Lは、RF帯の電波にて信号を送信する送信アンテナであって、車両に配置される。なお、RF送信アンテナ31R,31Lの個々を区別せずに説明を行う場合、以降ではRF送信アンテナ31と呼ぶ。このRF送信アンテナ31が送信アンテナに相当する。本実施形態では、RF送信アンテナ31R,31Lは、RF帯のうちのUHF帯の電波にのせて信号を送信するものとして以降の説明を行う。RF送信アンテナ31R,31Lは、LF(Low Frequency)帯の電波にて信号(つまり、LF信号)を送信するアンテナ(以下、LFアンテナ)に比べて、用いる電波の周波数が高く波長が短いため、LFアンテナよりも小型であるものとする。これにより、LFアンテナを用いる場合に比べて、アンテナの車両への搭載スペースを小さくすることが可能になる。LF帯とは、例えば30kHz〜300kHzの長波の周波数帯である。
本実施形態では、RF送信アンテナ31R,31Lは、車両の車室外に配置されるものとする。具体例としては、RF送信アンテナ31Rが車両右側のドアのアウタードアハンドルに設けられ、RF送信アンテナ31Lが車両左側のドアのアウタードアハンドルに設けられるものとする。RF送信アンテナ31から送信される信号の到達距離は、例えば数10m程度とする。また、RF送信アンテナ31Rの水平及び垂直方向の通信範囲は、RF送信アンテナ31Rを基点とした、車両の右側の略半球状の範囲とする。一方、RF送信アンテナ31Lの水平及び垂直方向の通信範囲は、RF送信アンテナ31Lを基点とした、車両の左側の略半球状の範囲とする。
RF受信アンテナ32は、UHF帯の電波にて携帯機2側から送信されてくる応答信号を受信する。RF受信アンテナ32は、指向性を制御可能なアンテナであって、車両に配置される。このRF受信アンテナ32が受信アンテナに相当する。本実施形態では、RF受信アンテナ32は、BCM30によって指向性を制御可能なアレイアンテナであるものとして以降の説明を行う。
RF受信アンテナ32は、車両の側面に配置すればよい。RF受信アンテナ32を車両の側面に配置する場合には、携帯機2を検知したい方向に応じて複数のRF受信アンテナ32を各側面に配置すればよい。携帯機2を検知したい方向が車両の左右のいずれか一方のみの場合は、携帯機2を検知したい方向の側面にRF受信アンテナ32を配置すればよく、RF送信アンテナ31もその側面に1つ配置する構成とすればよい。また、車両の車体が樹脂の場合には、RF受信アンテナ32を車両の中央に配置する構成としてもよい。
本実施形態では、車両の右側と左側とにそれぞれRF送信アンテナ31R,31Lを配置する。よって、車両の右側から携帯機2を携帯するユーザが接近する場合であっても、車両の左側から携帯機2を携帯するユーザが接近する場合であっても、RF送信アンテナ31から送信する信号を携帯機2が受信できるようになっている(図4参照)。図4のRがRF送信アンテナ31Rの水平方向の通信範囲を示しており、LがRF送信アンテナ31Lの水平方向の通信範囲を示している。また、RF送信アンテナ31R,31Lのいずれから信号を送信した場合に、携帯機2からの応答信号をRF受信アンテナ32で受信したかによって、携帯機2が車両の左右いずれに位置するか判別可能となっている。
BCM30は、プロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、RF受信アンテナ32の指向性を制御する処理,携帯機2の位置の判定に関する処理,車両での認証に関する処理等の各種の処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。このBCM30が車載装置に相当し、車両側ユニット3が車両システムに相当する。
<BCM30の概略構成>
次に、図5を用いて、BCM30の概略的な構成の一例について説明を行う。図5に示すように、BCM30は、車両状態判定部301、送信処理部302、応答取得部303、信号強度特定部304、記憶部305、照合部306、位置判定部307、車両制御許可部308、及び指向性制御部309を、機能ブロックとして備える。BCM30は、車両ドアのアウタードアハンドルに設けられたドアハンドルスイッチ,ドアロックモータ等のアクチュエータ等と接続されるものとする。なお、BCM30が実行する機能の一部または全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、BCM30が備える機能ブロックの一部又は全部を、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材との組み合わせによって実現してもよい。
車両状態判定部301は、車両の状態を判定する。例えば、車速センサで検出する車速,シフトポジションセンサで検出するシフトポジション,パーキングブレーキスイッチの信号等をもとに、車両が駐車中か否か判定する。また、アウタードアハンドルに設けられたドアハンドルスイッチの信号をもとに、車両への乗り込みを判定する。
送信処理部302は、車両状態判定部301で自車が駐車していると判定している場合に、RF送信アンテナ31からリクエスト信号を周期的に送信させるポーリングを行う。一例としては、RF送信アンテナ31R,31Lからリクエスト信号を交互に送信させればよい。また、送信処理部302は、携帯機2からの応答信号をRF受信アンテナ32で受信するまでは、リクエスト信号としてチャレンジ信号を送信させず、携帯機2をスリープ状態からウェイク状態に移行させるためのウェイク信号を送信させる構成とすればよい。そして、携帯機2からの応答信号をRF受信アンテナ32で受信した場合に、チャレンジ信号の送信を開始させる構成とすればよい。なお、ウェイク信号とチャレンジ信号とをまとめた信号を送信させる構成としてもよい。また、送信処理部302は、周期的なリクエスト信号の送信を、例えば車両のドアが開錠された場合に終了したり、車両の走行駆動源が始動した場合に終了したりする構成等とすればよい。
応答取得部303は、RF受信アンテナ32で携帯機2から受信する応答信号を取得する。応答取得部303は、応答信号に暗号化コードが含まれている場合には、この暗号化コードを照合部306に出力する。
信号強度特定部304は、RF受信アンテナ32で受信する信号のRSSIを特定する。一例として、RF受信アンテナ32で携帯機2から受信する応答信号に含まれるバースト信号のRSSIを、RSSI測定回路で測定することで、応答信号のRSSIを特定すればよい。なお、RSSI測定回路は、RF受信アンテナ32側に備えられている構成としてもよい。信号強度特定部304は、特定するRSSIを位置判定部307に出力する。
記憶部305は、コード照合のための情報として、例えば共通鍵暗号方式で用いる秘密鍵を記憶している。照合部306は、応答取得部303で取得した応答信号に含まれる暗号化コードと、RF送信アンテナ31から送信したチャレンジ信号のコードを記憶部305に記憶されている秘密鍵で暗号化して得られる暗号化コードとのコード照合を行う。そして、照合の結果を車両制御許可部308に出力する。
位置判定部307は、信号強度特定部304で特定するRSSIが閾値以上の場合に、RF送信アンテナ31R,31LのうちのどのRF送信アンテナ31の送信タイミングに応じた応答信号のRSSIであるかによって、携帯機2が車両の右側と左側とのいずれに位置するかを判定する。ここで言うところの閾値とは、ノイズと応答信号とを区分する閾値であって、任意に設定可能とする。例えば、送信処理部302は、携帯機2が車両の右側に位置する場合には、リクエスト信号を送信するRF送信アンテナ31をRF送信アンテナ31Rに絞る一方、携帯機2が車両の左側に位置する場合には、リクエスト信号を送信するRF送信アンテナ31をRF送信アンテナ31Lに絞る等すればよい。
位置判定部307は、信号強度特定部304で特定するRSSIが前述の閾値以上の場合に、このRSSIの大きさとRSSIの距離減衰特性とから、車両と携帯機2との距離を算出する。そして、算出する車両と携帯機2との距離から、車両に対する携帯機2の位置を判定する。例えば、携帯機2が車両の右側と左側とのいずれに位置するかの判定結果と組み合わせて、携帯機2が車両の右側と左側とのいずれに、車両から何mの距離に位置するかを判定したりする。また、携帯機2が車両から何mの距離に位置するかを判定するだけであってもよい。
車両制御許可部308は、照合部306でのコード照合の結果及び位置判定部307で判定する携帯機2の位置を用いて、車両の制御を許可する。一例として、照合部306でコード照合が不成立の場合には、車両の制御を許可しない。
また、車両制御許可部308は、コード照合が成立の場合であって、携帯機2の位置がウェルカムライト点灯等の便利機能の作動条件範囲内の場合には、ウェルカムライト点灯等の便利機能の作動を許可する。ここで言うところの便利機能とは、車両へ乗車するユーザの利便性を向上させたり満足感を向上させたりする機能を示す。便利機能としては、例えば車両のスモールライトを点灯させるウェルカムライト点灯,自動での空調作動等がある。ここで言うところの作動条件範囲とは、電子キーシステムで用いられるLF信号の到達距離である1〜2m以内の範囲よりも広い範囲であって、任意に設定可能である。例えば、車両から10m以上の遠方の範囲とすればよい。
一方、車両制御許可部308は、コード照合が成立の場合であっても、携帯機2の位置が便利機能の作動条件範囲内でない場合には、ドアの開錠,走行駆動源の始動といった車両の制御を許可しない構成とすればよい。これによれば、携帯機2を携帯するユーザが車両から離れている間に、第3者が中継器を用いて携帯機2と車両側ユニット3との通信を間接的に実現させることでコード照合を不正に成立させるリレーアタックが行われた場合でも、車両の持ち出しを防ぐことが可能になる。
また、車両制御許可部308は、コード照合が成立の場合であって、携帯機2の位置が便利機能の作動条件範囲内であって、且つ、ドアハンドルスイッチのオンを検出する場合といった開錠条件を充足する場合には、ドアの開錠を許可し、ドアを開錠させる。なお、開錠条件として、携帯機2の位置が便利機能の作動条件範囲内であることを用いる代わりに、携帯機2の位置がこの作動条件範囲よりも狭い所定範囲内であることを用いる構成としてもよい。例えば、所定範囲は、車両から1〜2m程度といった、車両近傍と言える程度の範囲とすればよい。他にも、コード照合が成立することをドアの開錠を許可する条件とし、ドアハンドルスイッチのオンを検出する場合に開錠条件を充足したものとして、ドアを開錠させる構成としてもよい。なお、ドアの開錠を許可する条件に、前述したような携帯機2の位置が所定範囲内であることを加えてもよい。
指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の指向性を制御する。指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、その応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、無指向性の場合よりも狭めさせればよい。より詳しくは、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、携帯機2から送信される応答信号の直接波のRSSIが前述の閾値以上となると推定される車両と携帯機2との最大距離において、携帯機2から送信される応答信号の電波が水平と仮定される大地に反射されて入射すると推定される角度を除く範囲に狭めればよい。この範囲については、例えばシミュレーション等で予め求めておく構成とすればよい。
これにより、図6に模式的に示したように、大地反射によるマルチパスを抑えることが可能になる。図6の実線の矢印が携帯機2から送信される応答信号の直接波を示しており、点線の矢印が大地反射によるマルチパスを示しており、DiがRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を示している。
また、RF受信アンテナ32は、車両のうちの、携帯機2がユーザに携帯される際の下限の高さと推定される高さよりも低い位置に配置され、指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性の中心を水平方向若しくは水平よりも上方の方向に向かせることが好ましい。一例として、携帯機2がユーザに携帯される際の下限の高さは、ユーザがポケット,バッグ等に携帯機2を携帯している場合を想定して推定すればよい。また、この下限の高さと推定される高さよりも低い位置は、例えば、路面から30cmの位置としてもよいし、車両の床面の位置としてもよいし、車両のアウタードアハンドルの位置としてもよいし、車両のサイドスカートの位置としてもよい。
これは、図7に示すように、車両のうちの、携帯機2がユーザに携帯される際の下限の高さと推定される高さよりも低い位置にRF受信アンテナ32が配置されると、携帯機2が車両から遠方であっても、携帯機2からの直接波が必ずRF受信アンテナ32の上方から入射することになり、携帯機2からの直接波と大地反射によるマルチパスとを切り分け易くなるためである。図7の実線の矢印が携帯機2から送信される応答信号の直接波を示しており、点線の矢印が大地反射によるマルチパスを示しており、DiがRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を示している。また、特に、指向性制御部309は、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性の中心を水平よりも上方の方向に向かせることがより好ましい。これは、図7に示すように、RF受信アンテナ32の上方から入射する携帯機2からの直接波を受信しやすくなる一方、RF受信アンテナ32の下方からの大地反射によるマルチパスを抑えやすくなるためである。
また、指向性制御部309は、位置判定部307での携帯機2が車両の右側と左側とのいずれに位置するかの判定結果に応じて、RF受信アンテナ32の水平方向の指向性を狭める構成としてもよい。例えば、RF受信アンテナ32の水平方向の指向性が全周の場合には、携帯機2が位置する側に水平方向の指向性を狭める構成とすればよい。また、RF受信アンテナ32が車両の左右の側面にそれぞれ配置されている場合には、携帯機2が位置する側のRF受信アンテナ32のみを駆動させることで、携帯機2が位置する側に水平方向の指向性を狭める構成とすればよい。
<BCM30での車両制御許可関連処理>
続いて、BCM30での車両の駐車時におけるドア開錠までの処理(以下、車両制御許可関連処理)について、図8のフローチャートを用いて説明を行う。図8のフローチャートは、例えばポーリングを開始する場合に開始される構成とすればよい。
まず、ステップS1では、指向性制御部309が、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、その応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。
ステップS2では、送信処理部302が、RF送信アンテナ31からリクエスト信号を送信させる。送信処理部302は、RF送信アンテナ31が複数の場合には、各RF送信アンテナ31から順番にリクエスト信号を送信させる構成とすればよい。ここでは、RF送信アンテナ31からリクエスト信号を送信させるよりも前に、指向性制御部309が指向性の制御を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、RF受信アンテナ32で応答信号を受信する前であれば、リクエスト信号を送信させた後に指向性制御部309が指向性の制御を行う構成としてもよい。
ステップS3では、S2で送信させたリクエスト信号を受信した携帯機2から送信されてくる応答信号をRF受信アンテナ32で受信する場合(S3でYES)には、ステップS4に移る。一方、応答信号をRF受信アンテナ32で受信できなかった場合(S3でNO)には、S2に戻り、ポーリングの周期に従ってリクエスト信号を再度送信させ、処理を繰り返す。応答信号をRF受信アンテナ32で受信したことは、応答取得部303で応答信号を取得したことから判別すればよい。また、応答信号をRF受信アンテナ32で受信できなかったことは、リクエスト信号を送信させた後の一定時間内に応答信号を取得できなかったことから判別すればよい。
ステップS4では、信号強度特定部304が、RF受信アンテナ32で受信した応答信号のRSSIを特定する。なお、S3の処理において、RF受信アンテナ32で受信した信号のRSSIも特定し、特定したRSSIがノイズと応答信号とを区分する閾値以上か否かによって、応答信号を受信したか否かを判別する構成としてもよい。
ステップS5では、照合部306が、応答取得部303で取得した応答信号に含まれる暗号化コードを用いてコード照合を行う。そして、ステップS6では、コード照合が成立する場合(S6でYES)には、ステップS7に移る。一方、コード照合が成立しない場合(S6でNO)には、S2に戻り、ポーリングの周期に従ってリクエスト信号を再度送信させ、処理を繰り返す。
ステップS7では、位置判定部307が、信号強度特定部304で特定するRSSIの大きさとRSSIの距離減衰特性とから、車両と携帯機2との距離を算出し、車両に対する携帯機2の位置を判定する。なお、S5〜S6の処理とS7の処理とは並行して行う構成としてもよいし、順序を入れ替える構成としてもよい。
ステップS8では、S7で判定する携帯機2の位置が、前述した便利機能の作動条件範囲内の場合(S8でYES)には、ステップS9に移る。一方、便利機能の作動条件範囲内でない場合(S8でNO)には、S2に戻り、ポーリングの周期に従ってリクエスト信号を再度送信させ、処理を繰り返す。ステップS9では、車両制御許可部308が、ウェルカムライト点灯等の便利機能の作動を許可し、便利機能を作動させる。なお、図8のフローチャートを繰り返してS9の処理が初回でない場合には、便利機能の作動を継続させることになる。
ステップS10では、前述した開錠条件を充足する場合(S10でYES)には、ステップS11に移る。一方、開錠条件を充足しない場合(S10でNO)には、S2に戻り、ポーリングの周期に従ってリクエスト信号を再度送信させ、処理を繰り返す。ステップS11では、車両制御許可部308が、車両ドアの開錠を許可し、ドアロックモータを駆動させて車両ドアを開錠させ、車両制御許可関連処理を終了する。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、携帯機2からの応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる。よって、RF受信アンテナ32と携帯機2との距離が長くなる場合であっても、信号強度特定部304で特定する応答信号のRSSIがこのマルチパスによってばらつくのを防ぐことが可能になる。従って、この受信信号強度を用いる位置判定部307での携帯機の位置の判定精度が低下するのを防ぐことが可能になる。他にも、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、応答信号を受信する前から、その応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせるので、応答信号を受信してから初めて指向性を狭めさせる構成に比べ、位置判定部307での携帯機の位置の判定精度が低下するのをより確実に防ぐことが可能になる。
また、RF送信アンテナ31から送信される信号を携帯機2で受信する際の受信信号強度を、携帯機2の位置を判定するのに用いる構成の場合には、大地反射によるマルチパスを抑えるためには、携帯機2側でこのマルチパスを抑える工夫が必要となる。しかしながら、携帯機2がユーザに携帯される際の向きが一定と限らないため、携帯機2で信号を受信する指向性を狭めても、指向性の方向が一定に定まらず、大地反射によるマルチパスを抑えることは難しい。これに対して、実施形態1の構成によれば、RF受信アンテナ32の指向性の方向を一定に定めさせることが可能であるので、応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせることで、大地反射によるマルチパスを抑えることが可能になる。
その結果、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との距離が長くなる場合であっても、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機2の位置の判定の精度をより向上させることが可能になる。
なお、実施形態1では、車両の右側と左側とにそれぞれRF送信アンテナ31R,31Lを配置する場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両の前側と後側とにそれぞれRF送信アンテナ31を配置する構成としてもよい。この場合、車両の前側から携帯機2を携帯するユーザが接近する場合であっても、車両の後側から携帯機2を携帯するユーザが接近する場合であっても、RF送信アンテナ31から送信する信号を携帯機2が受信できるようになっている(図9参照)。
以下では、車両の前側のRF送信アンテナ31をRF送信アンテナ31F,車両の後側のRF送信アンテナ31をRF送信アンテナ31Bと呼ぶ。図9のFがRF送信アンテナ31Fの水平方向の通信範囲を示しており、BがRF送信アンテナ31Bの水平方向の通信範囲を示している。また、RF送信アンテナ31F,31Bのいずれから信号を送信した場合に、携帯機2からの応答信号をRF受信アンテナ32で受信したかによって、携帯機2が車両の前後いずれに位置するか判別可能となっている。なお、車両の前後左右に、RF送信アンテナ31F,31B,31L,31Rを配置する構成としてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、RF受信アンテナ32での応答信号の受信後にはRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を狭めさせない構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、RF受信アンテナ32での応答信号の受信後にRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を狭めさせる構成(以下、実施形態2)としてもよい。以下、実施形態2の構成について説明する。実施形態2の認証システム1は、車両側ユニット3にBCM30の代わりにBCM30aを含む点を除けば、実施形態1の認証システム1と同様である。
ここで、図10を用いてBCM30aについての説明を行う。図10に示すように、BCM30aは、車両状態判定部301、送信処理部302、応答取得部303、信号強度特定部304、記憶部305、照合部306、位置判定部307、車両制御許可部308a、及び指向性制御部309aを、機能ブロックとして備える。BCM30aは、車両制御許可部308及び指向性制御部309の代わりに車両制御許可部308a及び指向性制御部309aを備えている点を除けば、実施形態1のBCM30と同様である。
実施形態2でも、実施形態1で述べたのと同様に、送信処理部302でリクエスト信号を逐次送信させるものとする。送信処理部302でリクエスト信号を逐次送信させる場合であって、携帯機2からこのリクエスト信号に対する応答信号が逐次送信されてくる場合には、RF受信アンテナ32でこの応答信号を逐次受信することになる。また、信号強度特定部304は、RF受信アンテナ32で逐次受信する応答信号のRSSIを逐次特定することになる。
指向性制御部309aは、RF受信アンテナ32での応答信号の受信後にもRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を制御する点を除けば、実施形態1の指向性制御部309と同様である。
指向性制御部309aは、RF受信アンテナ32で応答信号を受信する場合に、図11に示すように、信号強度特定部304で特定するRSSIが大きくなるのに応じて、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせる。一例として、複数段階のRSSIの閾値を予め設定しておき、閾値を超えるごとにRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせる構成とすればよい。図11の実線の矢印が携帯機2から送信される応答信号の直接波を示しており、DiがRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を示している。また、図11のAよりもBの状況の方が、携帯機2とRF受信アンテナ32との距離が接近し、信号強度特定部304で特定するRSSIが大きくなっているものとする。
また、指向性制御部309aは、図11に示すように、より大きいRSSIが特定される方向に、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を向けさせる。一例としては、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性の中心を、最も大きいRSSIが特定された電波の到来方向へ向けさせる構成とすればよい。
つまり、指向性制御部309aは、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、より大きいRSSIが信号強度特定部304で特定される方向に向けさせつつ、信号強度特定部304で逐次特定するRSSIが大きくなるのに応じて、段階的にさらに狭めさせていく。なお、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性は、実施形態1と同様に応答信号を受信する前から狭めさせておくことが好ましいが、応答信号を受信してからはじめて狭めさせる構成としてもよい。
車両制御許可部308aは、車両のドアの開錠を許可する条件が異なる点を除けば、実施形態1の車両制御許可部308と同様である。車両制御許可部308aは、コード照合が成立することに加え、指向性制御部309aでRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせたことを、車両のドアの開錠を許可する条件とする。つまり、開錠条件に、指向性制御部309aでRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせたことを追加する。この車両制御許可部308aが許可部に相当する。
これによれば、携帯機2を携帯するユーザが車両に乗車しようとRF受信アンテナ32に接近してきている場合には、携帯機2のRF受信アンテナ32への接近に応じて、指向性制御部309aがRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせるので、車両のドアの開錠を許可する条件が満たされ、ユーザは車両へ乗り込むことができる。一方、前述したリレーアタックが行われた場合、携帯機2を携帯するユーザが車両に乗車しようとRF受信アンテナ32に接近してきていないので、指向性制御部309aはRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせることがない。よって、リレーアタックが行われた場合であっても、車両のドアの開錠を許可する条件が満たさず、悪意の第三者は車両へ乗り込むことができない。
続いて、BCM30aでの車両の駐車時におけるドア開錠までの車両制御許可関連処理について、図12のフローチャートを用いて説明を行う。図12のフローチャートは、例えばポーリングを開始する場合に開始される構成とすればよい。
ステップS21〜ステップS24までの処理は、実施形態1のS1〜S4までの処理と同様である。ステップS25では、指向性制御部309aが、S24で特定するRSSIに応じたRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性制御を行う。詳しくは、指向性制御部309aは、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、より大きいRSSIが信号強度特定部304で特定される方向に向けさせつつ、逐次特定するRSSIが大きくなるのに応じて、段階的に狭めさせていく。
ステップS26〜ステップS30までの処理は、実施形態1のS5〜S9までの処理と同様である。ステップS31では、指向性制御部309aでRF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に狭めさせたことが追加された開錠条件を充足する場合(S31でYES)には、ステップS32に移る。一方、この開錠条件を充足しない場合(S31でNO)には、S22に戻り、ポーリングの周期に従ってリクエスト信号を再度送信させ、処理を繰り返す。ステップS32の処理は、実施形態1のS11の処理と同様である。
実施形態2の構成によれば、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を、より大きいRSSIが信号強度特定部304で特定される方向に向けさせつつ、逐次特定するRSSIが大きくなるのに応じて、段階的に狭めさせていくので、携帯機2からの応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせることが可能になる。よって、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との距離が長くなる場合であっても、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機2の位置の判定の精度をより向上させることが可能になる。
また、実施形態2の構成によれば、RF受信アンテナ32の垂直方向の指向性を段階的に絞り込むので、携帯機2からの直接波の到来方向に向けつつ、大地反射によるマルチパスをより確実に抑えるように垂直方向の指向性をより狭く絞ることが可能になる。
(実施形態3)
前述の実施形態では、車両側ユニット3,3aから携帯機2へはRF送信アンテナ31によってRF帯の電波にのせて信号を送信する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両側ユニット3,3aから携帯機2へLFアンテナによってLF帯の電波にのせて信号を送信する構成としてもよい。この場合、携帯機2は、車両側ユニット3,3aから送信されてくるLF信号を受信するアンテナとして、LFアンテナを用いる構成とすればよい。
車両側ユニット3,3aから携帯機2へLF帯の電波にのせて信号を送信する構成とした場合であっても、携帯機2でキーレスエントリー機能を利用する場合には、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との距離が長くなる。キーレスエントリー機能では、車両側ユニット3,3aからの信号を受信することをトリガとするのではなく、携帯機2の操作入力部で操作を受け付けることをトリガとして携帯機2から信号が送信される。このような、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との距離が長くなる場合であっても、車両側のRF受信アンテナ32と携帯機2との間で送受信する電波の強度を用いる携帯機2の位置の判定の精度をより向上させることが可能になる。
本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
1 認証システム、2 携帯機、3 車両側ユニット(車両システム)、30,30a BCM(車載装置)、31,31R,31L,31F,31B RF送信アンテナ(送信アンテナ)、32 RF受信アンテナ(受信アンテナ)、302 送信処理部、303 応答取得部、304 信号強度特定部、307 位置判定部、308 車両制御許可部、308a 車両制御許可部(許可部)、309,309a 指向性制御部

Claims (9)

  1. 車両で用いられ、
    前記車両に配置される送信アンテナ(31)から電波にのせて信号を送信させる送信処理部(302)と、
    前記送信アンテナから送信される信号を受信したことをもとに応答信号を送信する、ユーザに携帯される携帯機から、前記車両に配置されて指向性を制御可能な受信アンテナ(32)で受信するその応答信号を取得する応答取得部(303)と、
    前記受信アンテナで受信する前記応答信号の受信信号強度を特定する信号強度特定部(304)と、
    前記信号強度特定部で特定する前記受信信号強度を用いて前記携帯機の位置を判定する位置判定部(307)と、
    前記受信アンテナの指向性を制御する指向性制御部(309,309a)とを備え、
    前記指向性制御部は、前記受信アンテナの垂直方向の指向性を、前記応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる車載装置。
  2. 前記指向性制御部は、前記受信アンテナで前記応答信号を受信する前から、前記受信アンテナの垂直方向の指向性を、その応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせておく請求項1に記載の車載装置。
  3. 前記携帯機は、前記応答信号を逐次送信するものであって、
    前記信号強度特定部は、前記受信アンテナで逐次受信する前記応答信号の受信信号強度を逐次特定し、
    前記指向性制御部は、前記受信アンテナの垂直方向の指向性を、より大きい前記受信信号強度が前記信号強度特定部で特定される方向に向けさせつつ、前記信号強度特定部で逐次特定する前記受信信号強度が大きくなるのに応じて、段階的にさらに狭めさせていく請求項1又は2に記載の車載装置。
  4. 前記携帯機は、コード照合のための照合情報を含む前記応答信号を送信するものであって、
    前記応答取得部で取得する前記応答信号に含まれる前記照合情報を用いる前記コード照合が成立することをもとに、前記車両のドアの開錠を許可する許可部(308a)を備え、
    前記許可部は、前記コード照合が成立することに加え、前記指向性制御部で前記受信アンテナの垂直方向の指向性を段階的に狭めさせたことを、前記車両のドアの開錠を許可する条件とする請求項3に記載の車載装置。
  5. 前記送信処理部は、前記送信アンテナからLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて信号を送信させるものであり、
    前記応答取得部は、前記送信アンテナからLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて送信される前記信号を受信したことをもとにLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて応答信号を送信する前記携帯機から、受信アンテナで受信するその応答信号を取得する請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載装置。
  6. 車両で用いられ、
    前記車両に配置される送信アンテナ(31)と、
    前記車両に配置されて指向性を制御可能な受信アンテナ(32)と、
    車載装置(30,30a)とを含み、
    前記車載装置は、
    前記送信アンテナから電波にのせて信号を送信させる送信処理部(302)と、
    前記送信アンテナから送信される信号を受信したことをもとに応答信号を送信する、ユーザに携帯される携帯機から、前記受信アンテナで受信するその応答信号を取得する応答取得部(303)と、
    前記受信アンテナで受信する前記応答信号の受信信号強度を特定する信号強度特定部(304)と、
    前記信号強度特定部で特定する前記受信信号強度を用いて前記携帯機の位置を判定する位置判定部(307)と、
    前記受信アンテナの指向性を制御する指向性制御部(309,309a)とを備え、
    前記指向性制御部は、前記受信アンテナの垂直方向の指向性を、前記応答信号についての大地反射によるマルチパスを抑えると推定される指向性に狭めさせる車両システム。
  7. 前記受信アンテナは、前記車両のうちの、前記携帯機が前記ユーザに携帯される際の下限の高さと推定される高さよりも低い位置に配置され、
    前記指向性制御部は、前記受信アンテナの垂直方向の指向性の中心を水平方向若しくは水平よりも上方の方向に向かせる請求項6に記載の車両システム。
  8. 前記指向性制御部は、前記受信アンテナの垂直方向の指向性の中心を水平よりも上方の方向に向かせる請求項7に記載の車両システム。
  9. 前記送信アンテナは、LF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて信号を送信するものであって、
    前記送信処理部は、前記送信アンテナからLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて信号を送信させるものであり、
    前記受信アンテナは、前記送信アンテナからLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて送信される前記信号を受信したことをもとにLF帯よりも周波数の高い帯域の電波にのせて前記携帯機から送信される前記応答信号を受信する請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102310A1 (ja) * 2020-11-10 2022-05-19 本田技研工業株式会社 車載通信システム、鞍乗型車両、およびプログラム

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