JP2016008486A - 車両用通信システム、車載機、携帯機及びコンピュータプログラム - Google Patents

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芳博 濱田
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晴彦 高岡
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Abstract

【課題】携帯機の車室内外判定を高精度化すると共に携帯機の省電力化を実現することができる車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムにて、車載機が送信する要求信号への応答信号の受信の有無を判定する第1判定部と、前記車載機が送信する測定用信号の受信信号強度を携帯機にて測定した結果に基づき前記携帯機の車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれかを選択する選択部とを備える。
【選択図】図7

Description

本願は車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムに関する。
メカニカルキーを用いずに車両ドアの施錠及び開錠を行う車両用通信システムが実用化されている。具体的には、使用者が所持する携帯機からの遠隔操作により車両ドアの施錠又は開錠を行うキーレスエントリシステム、携帯機を所持した使用者が車両に近づき、又はドアハンドルに触れるのみで車両ドアの開錠を行うスマートエントリー(登録商標)システム等が実用化されている。
また、メカニカルキー(イグニッションキー)を用いることなしに、車両のエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させることを可能とする車両用通信システムも実用化されている。具体的には、携帯機を所持した使用者がスタートボタンを押すだけで、エンジン又は駆動用バッテリシステムが始動するプッシュスタートシステム等と呼ばれるシステムが実用化されている。プッシュスタートシステムでは、車両用通信システムを構成する車載機が、車両に対応する正規の携帯機が車室内に存在するか否かを判定する車室内外判定処理を実行し、正規の携帯機が車室内に存在すると判定された場合にのみエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させることで、利便性及び安全性を高めるようにしてある。
車室内外判定処理には、車載機及び携帯機間の無線信号の送受信による位置推定技術が利用される。無線信号の送受信による位置推定技術は、レンジベース方式とレンジフリー方式とに大別される。レンジベース方式は、車室内外判定処理においては、異なる位置に設けられた複数の車載アンテナと携帯機との間で送受信される無線信号に係る特殊の情報、例えば無線信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication )、到来時刻(TOA:Time Of Arrival )、到来時間差(TDOA:Time Difference Of Arrival)、到来方向(AOA:Angle Of Arrival)等を車載機又は携帯機にて測定し、測定結果の差異に基づいて携帯機の位置を推定する方法である。これに対しレンジフリー方式は、車室内外判定処理においては、位置が分かっている車載アンテナ及び携帯機間での検出信号に対する応答信号の有無により、車載機又は携帯機にて相対位置(存在の有無)を推定する方法である。
特許文献1には、正規の携帯機が車室内に存在するか否かを照合する車室内照合装置に関する発明が開示されている。特許文献1には、スタートボタンに対応するエンジン操作スイッチが押下された場合に車載機側である車室内照合装置によってレンジフリー方式による車室内照合処理が行なわれることが開示されている。特に特許文献1には、正規の携帯機が存在すると判定された履歴がメモリに記憶されている場合に、車室内照合装置が照合処理を省略することが開示されている。なお特許文献1の車室内照合装置では、正規の携帯機が存在すると判定されてから所定時間が経過した場合、又は前記携帯機の車室外への持ち出しが推定された場合、前記装置は履歴を消去し、改めて照合処理を行なうようにしてある。
特許文献2には、車両に設けられた複数のアンテナから送信される信号を携帯機が受信し、携帯機が受信した各信号の受信信号強度から携帯機の位置を判定するキーレスエントリー装置が開示されている。つまり特許文献2に開示されている装置では、レンジベース方式による位置推定技術が、携帯機の車室内外判定に利用されている。
特許第3760740号公報 特許第4673251号公報
車室内外判定処理は、安全性を向上させるために高精度化が求められる一方で、利便性を向上させるために処理の簡素化が求められる。車室内外判定に係る車載機及び携帯機間の無線信号の送受信は常時、定期的に試行されるため、車載機及び携帯機双方の電力を消耗させる。特に携帯機は電池式で動作するものであるから、電力の消耗が著しい場合には携帯機が停止して結局メカニカルキーが必要となり、又は頻繁な電池交換が必要となるので、使用者の利便性を低下させる。従って、特に携帯機における省電力化が望まれる。
上述の車室内外判定処理におけるレンジフリー方式では応答信号の有無を判定するのみで済み、レンジベース方式よりも処理負荷を軽減させることができるが、所定の境界面内外の判定などの高精度な車室内外判定を行なうことは困難である。逆に、レンジベース方式では高精度な車室内外判定が可能であるが、電力消費がレンジフリー方式よりも多い。
また上述したように、車載機側よりも携帯機側における省電力化の方が、使用者の利便性の面で必要である。特許文献1及び特許文献2には、携帯機側の省電力化については考慮されていない。
本願の目的は、携帯機の車室内外判定を高精度化すると共に携帯機の省電力化を実現することができる車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る車両用通信システムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、前記車載機は、前記車載機が前記複数のアンテナの一又は複数から前記携帯機に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記車載機が前記複数のアンテナから前記携帯機側での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記携帯機にて測定された受信信号強度に基づき、前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本発明の一態様に係る車載機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本発明の一態様に係る携帯機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用信号を受信する受信部と、該受信部による前記要求信号の受信の有無により、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記受信部により前記測定用信号を受信した場合、受信信号強度を測定する測定部と、該測定部が測定した前記受信信号強度に基づき、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信するコンピュータに、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第1判定部、前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第2判定部、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部として機能させる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、及び受信信号強度を測定する測定部を備えるコンピュータに、該コンピュータの位置が、前記他の機器が設けられている車両の車室内外のいずれかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用の信号を前記送受信部により受信させ、前記コンピュータを、前記要求信号の受信の有無により、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第1判定部、前記測定用の信号を受信した場合、前記測定部により測定した前記受信信号強度に基づき、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第2判定部、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部として機能させる。
なお本願は、このような特徴的な処理部を備える車両用通信システム、車載機及び携帯機として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする車両通信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、車両用通信システム、車載機及び携帯機の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、車両用通信システム、車載機及び携帯機を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、携帯機の車室内外判定を高精度化すると共に携帯機の省電力化を実現することができる車両用通信システム、該車両用通信システムを構成する車載機及び携帯機、並びにコンピュータプログラムを提供することが可能となる。
実施形態1に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。 実施形態1の車載機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態1の携帯機の内部構成を示すブロック図である。 車室内空間を概念的に示す模式図である。 複数の領域を夫々概念的に示す平面図である。 標本抽出箇所の一例を示す概念図である。 実施形態1の車載機における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態1の携帯機における処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1の方式による車室内外判定処理における過程を示すシーケンス図である。 第2の方式による車室内外判定処理における過程を示すシーケンス図である。 実施形態2の車載機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態2の携帯機の内部構成を示すブロック図である。 実施形態2の車載機における処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態2の携帯機における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態2における第2の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る車両用通信システムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、前記車載機は、前記車載機が前記複数のアンテナの一又は複数から前記携帯機に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記車載機が前記複数のアンテナから前記携帯機側での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記携帯機にて測定された受信信号強度に基づき、前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本願にあっては、携帯機が車両における車室内外のいずれに存在するか否かの車室内外判定が、車載機側から送信される信号に対する携帯機からの応答信号の有無により判定される第1の方式と、車載機側から送信される測定用信号の受信信号強度を携帯機にて測定した結果により判定される第2の方式との内のいずれかが選択されて実行される。
第1の方式による車室内外判定は応答信号の有無のみを判定するので、車載機及び携帯機における処理負荷は比較的軽く、電力の消耗を低減することができる。
第2の方式による車室内外判定は携帯機にて受信信号強度を測定することで判定するので、処理負荷は第1の方式よりも重く電力を消耗するが、携帯機の位置の車室内外の判定を高精度化することが可能である。
例えば、1つの条件を満たした場合は第1の方式を選択し、他の条件を満たした場合は第2の方式を選択するなど、車両の状況に対応する条件を設けて条件によって選択を行なうとよい。この場合、処理負荷が軽い第1の方式と高精度な車室内外判定が可能な第2の方式とを状況に応じて適宜選択することが可能となる。
(2)前記選択部は、前記第2判定部を選択して判定を行って前記携帯機が前記車両の車室内に存在すると判定した場合、以後前記第1判定部により判定することを選択する。
本願にあっては、第2の方式によって携帯機の車室内外判定を高精度に実行し、車室内に存在すると判定された後は、第1の方式による車室内外判定が選択され、以後、車載機及び携帯機における処理負荷が軽減されるため、電力の消耗を低減することが可能となる。
(3)前記選択部は車室内に存在すると判定した場合、更に所定の第1条件を満たすときに、以後前記第1判定部により判定することを選択する。
本願にあっては、第2の方式によって携帯機が車室内に存在すると判定され、且つ所定の第1条件を満たす場合には、以後、第1の方式による車室内外判定が選択されるので、処理負荷が軽減され、電力の消耗を低減することが可能となる。
(4)前記所定の第1条件は前記車両のドアが閉扉状態であることである。
第1の方式による車室内外判定を選択する基準として、車室内に存在するとの判定結果のみならず、車両のドアが閉扉状態であることが加味されてもよい。車両のドアが開けられている場合、携帯機が車室内に存在する場合であっても携帯機が車室内外を移動する可能性が高いため、第2の方式による高精度な判定が必要なときがある。車両のドアが閉扉状態となって初めて第1の方式による判定を選択することにより、携帯機の位置の高精度な車室内外判定と携帯機の省電力とを適切に両立させることが可能となる。
なお、携帯機が車室内外を移動する可能性が高い事象としては他に、車両の窓の開閉、又は退座などがあり、所定の第1条件としては窓の閉状態、着座状態等であってもよい。
(5)前記選択部は、所定の第2条件と満たす場合に以後前記第2判定部により判定することを選択する。
本願にあっては、第1の方式による車室内外判定が選択されて判定がなされていたときであっても、所定の第2条件が満たされている場合は、以後第2の方式の車室内外判定が選択され、必要な場合に高精度な判定が可能となる。
(6)前記車室内外判定部による車室内外判定を断続的に行うようにしてあり、前記選択部は、所定の第2条件を満たすまで第1判定部による判定を選択する。
本願にあっては、車室内外判定が継続的に、所定の第2の条件が満たされるまでは例えば間欠的に第1の方式による車室内外判定が選択される。継続的に判定を行う場合には簡易的な第1の方式による判定を行うことで、携帯機の省電力を効果的に実現することができる。
(7)前記所定の第2条件は前記車両のドアが閉扉状態から開扉されたことである。
第2の方式による車室内外判定を選択する基準として、例えば車両のドアが開扉されたことが使用される。車両のドアが開けられた場合には携帯機が車室内外を移動する可能性が高いため、自動的に第2の方式による車室内外判定が選択されて携帯機の位置が精度よく推定される。
なお、携帯機が車室内外を移動する可能性が高い事象としては他に、車両の窓の開閉、又は退座などがあり、所定の第2条件としては、車両のドアの開扉に代替して窓が開けられたこと又は退座であってもよい。
また、所定の第2条件としては他に、未登録の携帯機(例えばサブキーに対応)が認証された場合などであってもよい。この場合1つの車両に複数のFOB型の携帯機が用いられる場合など、高精度な判定が必要なときに適切に第2の方式に切り替えられる。
(8)前記携帯機を識別する携帯機識別子が記憶される記憶部を更に備え、前記選択部は、前記記憶部に前記携帯機識別子が記憶されている場合、前記第1判定部により判定することを選択し、前記所定の第2条件を満たす場合に前記携帯機識別子を前記記憶部から消去し、前記記憶部に前記携帯機識別子が記憶されていない場合、前記第2判定部により判定することを選択し、前記第2判定部により車室内に存在すると判定した場合、前記携帯機識別子を記憶する。
第1判定部による判定と第2判定部による判定との何れを選択するかの制御を、記憶部に携帯機識別子を記憶しているか否かによって切り替えるという簡易な構成で達成できる。なお他の情報に代替させてもよい。また、記憶部に情報が記憶されていない場合に第1判定部による判定を行う構成に代替させてもよい。
(9)前記第2判定部は、前記携帯機にて測定された受信信号強度の測定結果と、共通の車室内空間を包含する相異なる複数の領域夫々の内外で予め測定した受信信号強度の統計値との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が領域の内側にあるか否かを領域毎に判定する領域判定部と、前記携帯機が全領域の内側にあるか否かを判定する判定部とを備える。
本願にあっては、第2の方式による車室内外判定では、測定した受信信号強度と、予め車室内外で測定された受信信号強度の統計値との統計距離の遠近に基づき判定される。車室内空間を共通に包含する相異なる複数の領域毎に予め測定した内外における受信信号強度の統計値を記憶しておき、領域毎に内外を判定することにより、統計値の作成に要する工数を効果的に抑え、統計距離の演算を簡易化することができる。これにより、高精度な第2の方式による車室内外判定でも、演算の簡易化によって省電力化を図ることが可能である。
(10)本発明の一態様に係る車載機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本願にあっては、車室内外判定を車載機側で実行するに際し、上述の態様(1)同様に、第1の方式による車室内外判定と第2の方式による車室内外判定とが適宜選択される。
外部機器(携帯機)では通信メッセージの送受信と車両に設けられた複数のアンテナから放射される位置検出用の信号の受信信号強度の測定が必要な第2の方式による高精度な車室内外判定は、必要な場合のみ選択される。第2の方式による判定が必要な場合以外に選択される第1の方式では、外部機器が車室内外のいずれに存在するかの確認が車室内外のアンテナから送信される応答メッセージの送受信に係る処理で済み、受信信号強度の測定に係る処理を省略できるため、外部機器に対応する携帯機における省電力化に効果を奏する。
(11)本発明の一態様に係る携帯機は、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用信号を受信する受信部と、該受信部による前記要求信号の受信の有無により、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、前記受信部により前記測定用信号を受信した場合、受信信号強度を測定する測定部と、該測定部が測定した前記受信信号強度に基づき、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部とを備える。
本願にあっては、車室内外判定を携帯機側で実行するに際し、上述の態様(1)同様に、第1の方式による車室内外判定と第2の方式による車室内外判定とが適宜選択される。
携帯機において車室内外判定を行う場合であっても、第2の方式による判定は、携帯機自身が車室内外を移動する可能性が高いときなど、高精度な車室内外判定が必要なときのみ選択される。第2の方式による判定が必要な場合以外に選択される第1の方式では、携帯機自身が車室内外のいずれに存在するかの確認が、外部機器との信号の送受信の可否の判定のみで済み、受信信号強度の測定に係る処理を省略できるため、対応する携帯機における省電力化に効果を奏する。
(12)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信するコンピュータに、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第1判定部、前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第2判定部、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部として機能させる。
コンピュータは、他の機器である携帯機が車両の車室外のいずれに存在するか否かの車室内外判定を、該コンピュータから送信する信号に対する携帯機からの応答信号の有無により判定する第1の方式と、コンピュータ側から送信する測定用信号の受信信号強度を携帯機にて測定した結果により判定する第2の方式との内のいずれかを選択して実行する。
第2の方式による車室内外判定は携帯機にて受信信号強度を測定することで判定するので、処理負荷は第1の方式よりも重く電力を消耗するが、携帯機の位置の車室内外の判定を高精度化することが可能である。
第1の方式と第2の方式とで車室内外判定の方式を適宜選択可能であり、例えば第2の方式による判定は、他の機器が車室内外を移動する可能性が高い場合など、高精度な車室内外判定が必要な場合のみ選択される。第2の方式による判定が必要な場合以外に選択される第1の方式では、他の機器が車室内外のいずれに存在するかの確認が、他の機器との信号の送受信の可否の判定のみで済み、受信信号強度の測定に係る処理を省略できるため、高精度な車室内外判定を行いつつ携帯機の省電力化を図ることができる。
(13)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、及び受信信号強度を測定する測定部を備えるコンピュータに、該コンピュータの位置が、前記他の機器が設けられている車両の車室内外のいずれかを判定させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用の信号を前記送受信部により受信させ、前記コンピュータを、前記要求信号の受信の有無により、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第1判定部、前記測定用の信号を受信した場合、前記測定部により測定した前記受信信号強度に基づき、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第2判定部、前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部として機能させる。
コンピュータは、他の機器が設けられている車両の車室内に存在するか否かの車室内外判定を、他の機器側から送信される信号の受信の有無により判定する第1の方式と、他の機器側から送信される測定用信号の受信信号強度を該コンピュータで測定した結果により判定する第2の方式とのいずれかを選択して実行する。
第2の方式による車室内外判定はコンピュータ側で受信信号強度を測定することで判定するので、処理負荷は第1の方式よりも重く電力を消耗するが、コンピュータの位置の車室内外の判定を高精度化することが可能である。
第1の方式と第2の方式とで車室内外判定の方式を適宜選択可能であり、例えば第2の方式による判定は、コンピュータ自身が車室内外を移動する可能性が高い場合など、高精度な車室内外判定が必要な場合のみ選択される。第2の方式による判定が必要な場合以外に選択される第1の方式では、コンピュータ自身が車室内外のいずれに存在するかの確認がアンテナからの信号の受信可否に係る判定のみで済み、受信信号強度の測定に係る処理を省略できるため、高精度な車室内外判定を行いつつ、携帯機に対応するコンピュータの省電力化を図ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る車両用通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。実施形態1に係る車両用通信システムは、車両Cに搭載される車載機1と、車両Cの使用者が携帯所持する携帯機2と、車両Cに設けられた複数の送信アンテナ31,32,33,34及び受信アンテナ4とを備える。
車載機1は、車両Cに搭載される複数のECU(Electronic Controller Unit)の内の1つである。車載機1は携帯機2の位置を推定し、推定位置に応じて制御を行う装置である。また車載機1は、車両ドアの開閉制御、各車両ドアの施錠/開錠制御、ウィンドウの開閉制御、ヘッドライト及びテールライトの点灯/消灯制御、ルームランプの点灯/消灯制御等、ボディ系の装置に関する制御を行う。勿論、車載機1の構成は一例であるから、車載機1は後述する車室内外判定処理のみを行うECUであって、各アクチュエータの制御は他のECUが実行するようにしてもよい。
携帯機2は、車両Cの使用者が所持する電子キーである。携帯機2は、車両ドアの開錠/施錠、及び、車両Cのエンジン又は駆動用バッテリシステムの始動を可能とするための無線信号を送受信する機能を有する。
複数の送信アンテナ31,32,33,34及び受信アンテナ4は、車載機1が携帯機2との間で無線信号を送受信するためのアンテナである。送信アンテナ31,32,33,34は夫々、車両Cの異なる位置に設けられている。例えば図1に示すように、送信アンテナ31は運転席側側面のピラーに、送信アンテナ32は助手席側側面のピラーに、送信アンテナ33はバックドアに、送信アンテナ34は車両Cの前部インストルメントパネル内に設けられている。なお、図1においては車両Cの進行方向右側が運転席側、進行方向左側が助手席側である。受信アンテナ4は例えば車両Cのルーフの内張り内に設けられている。
実施形態1に係る車両用通信システムでは、携帯機2が車両Cの近傍に近づき所定の範囲内に入ったか否かを車載機1が検知して車両ドアの開錠を行い、携帯機2が車室内に存在し、使用者によってスタートボタンをオンにする操作が行われた場合にエンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させる制御を行う。特に実施形態1に係る車両用通信システムでは、車載機1は、携帯機2が車室内に存在するか否かを、車載機1と携帯機2との間の信号の送受信の可否のみで判定する簡易的な判定方法と、車室内空間として定義される空間に沿った境界面に対して内側にあるか否かにより判定する高精度な判定方法とのいずれかを選択して判定を行う。
以下、このような制御を実現する各構成について詳細を説明する。
図2は、実施形態1の車載機1の内部構成を示すブロック図である。車載機1は、制御部11、車載受信部12、車載送信部13、及び記憶部14を備える。
制御部11は、例えば一若しくは複数のCPU(Central Processing Unit )又はマルチコアCPUを用い、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース、タイマ等を有するマイクロコントローラである。制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して車載受信部12、車載送信部13、及び記憶部14に接続されている。制御部11は、記憶部14に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することによって各構成部の動作を制御し、特に、後述のコンピュータプログラム1Pを実行することにより、携帯機2の車室内外判定、及び車室内外判定に係る判定方式の選択機能を発揮する。
記憶部14は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部14は、制御部11が車載機1の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させるコンピュータプログラム1Pを記憶している。また記憶部14には、車両C自身の車両識別子と、車両Cに対する正規な携帯機2であるか否かを区別するための携帯機識別子とが記憶してある。更に記憶部14には携帯機2の車室内外判定のための統計値が予め記憶されている。統計値の詳細は説明する。なお、図2では制御部11及び記憶部14を夫々別体の構成部として図示しているが、制御部11の内部に記憶部14を備える構成としてもよい。
記憶部14に記憶されているコンピュータプログラム1Pは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体10に記録されている態様でもよい。記憶部14は、図示しない読出装置によって記録媒体10から読み出されたコンピュータプログラム1Pを記憶する。記録媒体10はCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray (登録商標) Disc )等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから本実施形態1に係るコンピュータプログラム1Pをダウンロードし、記憶部14に記憶させてもよい。
車載受信部12は、受信アンテナ4と有線で接続している。車載受信部12は、携帯機2から無線により送信される信号を、受信アンテナ4を通じて受信する。車載受信部12は、受信した信号から搬送波の成分を除去して受信信号を抽出し、抽出した受信信号を制御部11へ出力する回路である。実施形態1では、携帯機2から受信アンテナ4への無線信号の搬送波の周波数帯として300MHz〜3GHzのUltra High Frequency帯(UHF帯)を使用する例を示す。しかしながら、受信アンテナ4で使用する周波数帯はUHF帯に限定されない。
車載送信部13は、内部に切替器13aを有し、該切替器13aを介して選択的に複数の送信アンテナ31〜34と接続されている。車載送信部13は、制御部11から出力される信号を、搬送波を用いて無線信号に変調し、変調後の無線信号を制御部11と切替器13aにより選択された一の送信アンテナ31〜34から携帯機2へ送信する回路である。実施形態1では、送信アンテナ31〜34から携帯機2への信号の搬送波の周波数帯として、受信アンテナ4で用いられる周波数帯とは異なる30kHz〜300MHzのLow Frequency 帯(LF帯)又は3kHz〜30kHzのVery Low Frequency帯(VLF帯)を使用する例を示す。しかしながら、送信アンテナ31〜34で使用する周波数帯はLF帯又はVLF帯に限定されない。
また制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して、複数のリクエストスイッチ15及びカーテシスイッチ16と接続されている。
複数のリクエストスイッチ15の内の1つは例えば、運転席側又は助手席側の車両ドアを施錠又は開錠するためのドアロックスイッチであり、車両ドア外側のドアハンドルに設けられている。ドアロックスイッチは、押ボタンを用いてもよいし、使用者の手の接触を検出する接触センサを用いてもよい。複数のリクエストスイッチ15の内の他の1つは例えば、エンジン又は駆動用バッテリシステムを始動させるためのスタートボタンの操作状態を通知するスタートスイッチであり、インストルメントパネルの運転席側に設けられている。スタートボタンは押ボタンを用いてもよいし、使用者の手の接触を検出する接触センサを用いてもよい。
カーテシスイッチ16は、車両ドアの開閉を検知するスイッチである。カーテシスイッチ16は、運転席ドア、助手席ドア、後部座席ドア、後部ドア等の車両Cが有する車両ドアの開閉をドア毎に区別して検知する。
なお実施形態1では、複数のリクエストスイッチ15及びカーテシスイッチ16が直接的に制御部11に接続されている構成としたがこれに限らず、他のECUから信号線又は車内ネットワークを介してスイッチの情報を取得するようにしてもよい。
車載機1は、制御部11が複数のリクエストスイッチ15から各スイッチの操作状態を認識し、また、カーテシスイッチ16によって車両ドアの開閉状態を認識する。制御部11は、認識した操作状態及び開閉状態と、後述する車室内外判定処理による判定結果とに基づき、車両ドアの開錠/施錠、エンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可否の出力、及び必要に応じて使用者への警告出力処理等を行う。例えば制御部11は、使用者により車両ドアの開錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cから所定の距離内に存在するか否か(車室外で可)を判定し、存在する場合に車両ドアの開錠指令信号を各車両ドアの錠装置へ出力する。また制御部11は逆に、使用者により車両ドアの施錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合はキー閉じ込めと判断して施錠せず、ホーンへ警告指令を出力したり、ヘッドライトの点灯指令を出力したりする。また制御部11は、使用者がスタートボタンをオンにする操作を行ったことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合のみエンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可を示す信号を、エンジン制御又は駆動用バッテリ制御システムへ出力する。このように車載機1は、携帯機2の車室内外判定結果に基づいて各制御を行う。
次に、使用者が所持する携帯機2について説明する。図3は、実施形態1の携帯機2の内部構成を示すブロック図である。携帯機2は、制御部21、送信部22、受信部23、信号強度測定部23b、及び記憶部24を備える。
制御部21は、例えば一若しくは複数のCPU又はマルチコアCPUを用い、ROM、RAM、入出力インタフェース、タイマ等を有するマイクロコントローラである。制御部21のCPUは入出力インタフェースを介して送信部22、受信部23、及び記憶部24に接続されている。制御部21は記憶部24に記憶されている制御プログラムを実行することにより、各構成部の動作を制御する。
記憶部24は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部24は、制御部21が携帯機2の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させる制御プログラムを記憶している。制御プログラムによって制御部21は、車室内外判定に必要な情報を含む応答信号等を車載機1へ送信する処理を実行する。また、記憶部24は、携帯機2自身を識別するための携帯機識別子、対応する車両Cの車両識別子、及び、認証用の固有鍵を記憶している。なお、図3では制御部21及び記憶部24を夫々別体の構成部として図示しているが、制御部21の内部に記憶部24を備える構成としてもよい。
受信部23は、制御部21の制御に従って、切替器23cにより3軸アンテナ23aにて受信された3つの無線信号から1つの無線信号を選択し、選択した無線信号から搬送波の成分を除去して受信信号を抽出し、抽出した受信信号を制御部21へ出力する回路である。3軸アンテナ23aは、3つのコイルを互いに直交する方向に向けて配置したアンテナである。実施形態1では、3軸アンテナ23aが受信する無線信号の搬送波の周波数帯としてLF帯又はVLF帯を使用する。しかしながら、3軸アンテナ23aで使用する周波数帯は、車載機1側の送信アンテナ31〜34と対応するのであればこの周波数帯に限定されない。
信号強度測定部23bは、3軸アンテナ23aを通じて受信される各無線信号の内、切替器23cにより選択された無線信号の受信信号強度を測定し、測定した受信信号強度を制御部21へ出力する。制御部21は、3軸アンテナ23aからの3つの無線信号を夫々選択し、選択した無線信号の受信信号強度を信号強度測定部23bによって測定し、直交する3つの方向における各測定結果からベクトル演算を行って受信信号強度を算出する。従って、制御部21は、車両Cに対する携帯機2の向き又は姿勢によらずに、車両Cに設けられた送信アンテナ31〜34からの受信信号強度を得ることが可能である。以下では特に断らない限り、ベクトル演算によって算出された受信信号強度を受信信号強度と呼んで用いる。なお、実施形態1では制御部21が受信信号強度を算出する構成としたが、携帯機2がベクトル演算前の前記3つの無線信号の受信信号強度を車載機1へ各送信し、車載機1の制御部11にて受信信号強度を算出するようにしてもよい。
送信部22は、制御部21により入力される信号を、搬送波を用いて変調し、送信アンテナ22aを通じて無線信号を送信する回路である。実施形態1では、送信アンテナ22aから送信する信号の搬送波の周波数帯としてUHF帯を使用する。しかしながら送信アンテナ22aで使用する周波数帯は、車載機1の車載受信部12と対応するのであればこの周波数帯に限定されない。
このように構成される車載機1及び携帯機2の間で送受信される無線信号に基づき、車載機1で携帯機2の位置の車室内外判定を行う方法について詳細に説明する。実施形態1では、2つの方式の車室内外判定の方法を用いる。第1の方式による車室内外判定は、車載機1にて送信アンテナ31〜34のいずれかから送信する信号を携帯機2にて受信し、車載機1にて応答信号を受信できたか否かで判定する方法である。第2の方式による車室内外判定は、車両Cの異なる位置に設けられた複数(4つ)の送信アンテナ31〜34から各々送信する測定用信号の受信信号強度を携帯機2にて測定する。そして車載機1にて、測定された複数(4つ)の受信信号強度を成分として有する受信信号強度ベクトルを求め、予め判定対象の領域内外で測定してある受信信号強度ベクトルに係る統計値との比較に基づいて内外を判定する。
第2の方式による車室内外判定についてより詳細に説明する。車載機1は、携帯機2にて測定されて得られた受信信号強度ベクトル(測定値)を、予め車室内で測定された受信信号強度から求められた受信信号強度ベクトル(内側の標本値)、及び、車室外で測定された受信信号強度から求められた受信信号強度ベクトル(外側の標本値)の両者と比較し、測定値が内側の標本値及び外側の標本値のいずれと類似しているかを判断して内外を判定する。但し、測定値は、標本値が測定された場所と全く同じ場所で測定できることはなく、更に、受信信号強度は周囲の環境に影響されるものであって測定値が標本値と一致することはないため、比較対象として複数箇所で予め測定した標本値の平均値を含む統計値を用いる。更に詳細には、第2の方式による車室内外判定処理では、測定値が判定対象の領域内側の標本値及び領域外側の標本値のいずれと類似しているかを判断するべくマハラノビス距離を利用するために、予め測定した受信信号強度ベクトルの平均ベクトルと、その逆分散共分散行列を統計値として用いる。
ここで、上述の平均ベクトル(標本値の平均)は下記式(1)及び(2)により算出され、逆分散共分散行列は下記式(3)及び(4)により算出される。
Figure 2016008486
第2の方式による車室内外判定では、このように得られる標本値に基づく統計値を判定対象の領域内外別に算出しておき、車室内外判定時に測定して得られる下記式(5)に示す受信信号強度ベクトルが、領域内側の統計値及び領域外側の統計値のいずれに類似するかを、式(6)のようにマハラノビス距離を算出して判断することによって車室内外が判定される。なお、領域内側の統計値を第1統計値、領域内側の統計値を第2統計値という。
Figure 2016008486
車室内外判定における内外の判定対象とする車室内空間とは例えば、車両Cに乗り込んだ使用者が所持する又は所持していたことにより携帯機2が存在することが可能な空間である。図4は、車室内空間を概念的に示す模式図である。図4Aは、車室内空間の上面図を示し、図4Bは車室内空間の立面図を示している。図4A,B中、ハッチングを付した部分が車室内空間である。実施形態1の4つの送信アンテナ31〜34を用いる構成では、車室内空間1つを判定対象の領域とし、内外を高精度に判定することは困難である。
そこで第2の方式による車室内外判定では、車室内空間を共通の空間として包含し、車室内空間の境界面の内のいずれかを境界面として持つ相異なる複数の領域(3次元空間)毎に内外を判定し、いずれの領域に対しても内側に存在すると判定した場合のみ、携帯機2は車室内に存在すると判定する。このため、実施形態1の車両用通信システムでは、内外を判定するための測定値の比較対象である第1統計値及び第2統計値を複数の領域毎に算出しておくものとする。
複数の領域の具体例を示す。実施形態1における車室内外判定では、第1領域61〜第4領域64の4つの領域が判定対象として用いられる。図5は、複数の領域を夫々概念的に示す平面図である。図5中、符号61が第1領域、符号62が第2領域、符号63が第4領域、符号64が第4領域を示す。なお各領域は3次元の空間であり、車両Cを高さ方向に包含する。図5中、ハッチングを付した部分が図4に示した前記車室内空間に対応する。図5に示すように第1領域61〜第4領域64は夫々相異なる空間であるが、第1領域61〜第4領域64の境界面は夫々、車室の右側面、左側面、後面及び前面に倣い、第1領域61〜第4領域64の全ての内側にある空間は車室内空間と略一致する。
図5に示すように、例えば第1領域61の境界面と、車室の内側の面とは完全には一致していないため、第1領域61のみに対し携帯機2の内外判定を行ったとしても、携帯機2の車室内外判定を正確に行うことはできない。しかしながら第1領域61の境界面の一部は、車室の右側面の内側と略一致するように定義されているため、携帯機2が車両Cの右側壁近傍にある場合に限れば、携帯機2の車室内外判定を高精度に行うことができる。同様にして第2領域62においては携帯機2が車両Cの左側壁近傍にある場合に、携帯機2の車室内外判定を高精度に行うことができ、第3領域63においては携帯機2が車両Cの後部にある場合に、携帯機2の車室内外判定を高精度に行うことができ、第4領域64においては携帯機2が車両Cの前部にある場合に、携帯機2の車室内外判定を高精度に行うことができる。各領域に対して内外判定を行い、携帯機2が全領域の全ての内側にあると判定された場合に、携帯機2が車室内に存在すると高精度に判定することができる。
次に、各領域に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値に係る標本値の抽出箇所の具体例を示す。図6は、標本抽出箇所の一例を示す概念図である。図6Aは、第1領域61内側の標本値の抽出箇所を示し、図6Bは、第1領域61外側の標本値の抽出箇所を示している。第1領域61に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値は夫々、上述したように、予め判定対象の領域内外で測定された標本値の平均を各成分に有する平均ベクトル及び逆分散共分散行列である。図6A,B中の破線の楕円により第1領域61の第1統計値及び第2統計値を算出する元になる標本値を得るための測定位置を示し、黒丸により第1統計値及び第2統計値夫々に含まれる平均ベクトルに対応する概念的な位置を示している。
第1領域61の第1統計値及び第2統計値は、次のようにして得られる。車両Cに車両用通信システムを構築する製造工程にて、携帯機2又はモデル測定機器により、図6中の破線の楕円内の複数の抽出箇所にて、予め送信アンテナ31〜34からの測定用信号の受信信号強度を測定する。複数の抽出箇所にて測定された受信信号強度を、第1領域61の内外別に、式(1)〜(4)により平均ベクトル及び逆分散共分散行列を算出して夫々第1領域61の第1統計値、第1領域61の第2統計値とする。
第1領域61に対する内外を判定するための第1統計値及び第2統計値は、上述したように、携帯機2が車両Cの右側壁近傍にある場合に、右側壁に倣う境界面の内外を精度よく判定するための値である。従って、図6Bに示すように、第1領域61の外側を規定する第2統計値を算出するために車室の右側壁の車室外側に沿う複数箇所で標本値が収集されるのに対し、第1領域61の内側を規定する第1統計値を算出するために、第1領域61内の標本値の平均が右側面側で測定される受信信号強度の標本値に偏重しないように、図6Aに示すように車両の左側面車室外を含む箇所で標本値が収集される。
第2領域62〜第4領域64についても、第1領域61に対する図6に示したような範囲同様に、対応する範囲が測定箇所とされる。
記憶部14には、第1領域61〜第4領域64において夫々、製造工程にて、図6に示したような範囲内の測定箇所にて標本値を携帯機2又はモデル測定機器によって測定して得られた第1統計値及び第2統計値が第1領域61〜第4領域64別に記憶してある。車載機1は、記憶部14に記憶してあるこれらの統計値に基づき、第2の方式による車室内外判定を行う。
上述のように構成される車載機1及び携帯機2を含む車両用通信システムにおいて行なわれる処理について説明する。車載機1は、制御部11の処理により、複数のリクエストスイッチ15又はカーテシスイッチ16から認識可能な車両の状況に応じて、車両ドアの開錠/施錠等を含む各種制御を行う。
具体的には、制御部11が複数のリクエストスイッチ15から各スイッチの操作状態を認識し、また、カーテシスイッチ16によって車両ドアの開閉状態を認識する。制御部11は、認識した操作状況又は開閉状態と、後述する車室内外判定処理による判定結果とに基づき、車両ドアの開錠/施錠、エンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可否の出力、又は必要に応じて使用者への警告出力処理等を行う。
例えば制御部11は、使用者により車両ドアの開錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車室内に存在するか否かを判定し、車室外(所定の距離内)に存在する場合に車両ドアの開錠指令信号を各車両ドアの錠装置へ出力する。制御部11は、車両ドアが開錠され、車両ドアの開扉が検知された後は間欠的に、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定する。制御部11は逆に、エンジン又は駆動用バッテリシステムが停止している状態で使用者により車両ドアの施錠操作が行われたことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合はキー閉じ込めと判断して施錠せず、ホーンへ警告指令を出力し、ヘッドライトの点灯指令を出力する。更に制御部11は、使用者がスタートボタンをオンにする操作を行ったことがリクエストスイッチ15から認識された場合、携帯機2が車両Cの車室内に存在しているか否かを判定し、存在する場合のみエンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可を示す信号を、エンジン制御又は駆動用バッテリ制御システムへ出力する。
このように車載機1は、携帯機2の車室内外判定結果に基づいて各制御を行う。このとき制御部11は、操作内容によって予め規定されている携帯機2の車室内外の期待値と、車室内外判定結果とが整合しているか否かにより、制御を実行するか否かを判断する。例えば、車両ドアの開錠操作が行われた場合、携帯機2の車室内外の期待値は0(車室外)であり、スタートボタンをオンにする操作が行われた場合、携帯機2の車室内外の期待値は1(車室内)である。制御部11は、期待値と車室内外判定結果とが整合している場合に制御を実行し、整合していない場合、必要なときには警告音を発する等の処理を行う。
実施形態1における車載機1は、上述のような各種制御の基とする車室内外判定を行うに際し、異なる方式による判定が可能であり、車両Cにおける状況に合わせて選択的に車室内外判定を行うようにしてある。図7は、実施形態1の車載機1における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理手順は、間欠的に、又は、上述の各種制御のために車室内外判定が必要な場合に制御部11により実行される。
車載機1の制御部11は、携帯機2の携帯機識別子を内蔵RAMに記憶しているか否かを判断する(ステップS1)。制御部11は、携帯機識別子を記憶していると判断した場合(S1:YES)、第1の方式による車室内外判定処理を実行する(ステップS2)。
制御部11は、ステップS2の車室内外判定処理により携帯機2が車室内に存在すると判定されているか否かを判断する(ステップS3)。携帯機2が車室内に存在すると判定されている場合(S3:YES)、制御部11はカーテシスイッチ16により車両Cのドアのいずれかが開状態であるか否かを判断する(ステップS4)。制御部11は、閉状態であると判断した場合(S4:NO)、処理をそのまま終了する。
制御部11は、ステップS3にて携帯機2が車室外に存在すると判定されている場合(S3:NO)、又はステップS4にて車両ドアが開状態であると判断した場合(S4:YES)、内蔵RAMに記憶されている携帯機識別子を消去し(ステップS5)、処理を終了する。なおこの場合、制御部11は以後間欠的に、ステップS1から車室内外判定を実行する。
制御部11は、携帯機2の携帯機識別子を内蔵RAMに記憶していないと判断した場合(S1:NO)、第2の方式により車室内外判定処理を実行する(ステップS6)。
制御部11は、ステップS6の車室内外判定処理により携帯機2が車室内に存在すると判定されているか否かを判断する(ステップS7)。携帯機2が車室内に存在すると判定されている場合(S7:YES)、制御部11は、カーテシスイッチ16により車両ドアが開状態であるか否かを判断する(ステップS8)。制御部11は、車両ドアが閉であると判断した場合(S8:NO)、後述するようにステップS6にて得られる携帯機2の携帯機識別子を内蔵RAMに記憶し(ステップS9)、処理を終了する。なおこの場合、制御部11は以後、間欠的にステップS1から車室内外判定を実行する。
制御部11は、ステップS7にて携帯機2が車室外に存在すると判定されている場合(S7:NO)、又は携帯機2が車室内に存在すると判定されていても車両ドアが開状態である場合(S8:YES)、処理をそのまま終了する。
図7のフローチャートに示したように、一旦第2の方式により車室内に存在すると判定された後、携帯機識別子が記憶されることによって車室内に存在した状態が認識され、車両ドアが開扉されるなど再び携帯機2が車室外へ移動する可能性が発生するまで、第1の方式により車室内外判定が行われる。このようにして、携帯機識別子を記憶しているか否かによって第1の方式と第2の方式を切り替えることを簡易な構成で達成できる。なおステップS9においては、携帯機識別子が記憶されることに代替して、他の情報であってもよい。例えば車室内に存在するか否かをオン/オフにより示すフラグを記憶し、ステップS1においてフラグがオンであるか否かを判断する構成としてもよい。また、存在する場合に情報を記憶する構成を逆に、存在しない場合に情報を記憶する構成としても同様の処理を実行できる。また、携帯機識別子の消去処理(S5)(又は上述のフラグのオフへの変更)は、車室内外判定処理とは独立に、制御部11が車両ドアの開扉をカーテシスイッチ16により検知したときに行うようにしてもよい。
図8は、第1の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理手順は、図7のフローチャートに示したステップS2の処理の詳細に対応する。第1方式による車室内外判定方法は、車載機1の制御により車両Cの送信アンテナ31〜34のいずれかから送信された信号が、携帯機2にて受信できるか否かによって判定する方法である。
車載機1の制御部11は、送信アンテナ31〜34の内の1つ、例えば送信アンテナ34(又は全部)から、記憶部14に記憶してある車両識別子の情報を含むウェイクアップ信号(起動信号)を送信し(ステップS21)、送信したウェイクアップ信号に応じたレスポンス信号(応答信号)を受信アンテナ4により受信したか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22において制御部11は、レスポンス信号を受信する所定の猶予時間を設け、猶予時間が経過するまでにレスポンス信号を受信できた場合、レスポンス信号を受信したと判断し、猶予時間が経過した場合には受信しなかったと判断する。以下、携帯機2との間で信号の送受信をする場合も同様に、猶予時間を設けて受信の可否を判断すればよい。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S22:YES)、レスポンス信号に含まれている携帯機識別子の情報を抽出し、記憶部14に記憶してある携帯機識別子と合致するか否かを判断する(ステップS23)。制御部11は、合致すると判断した場合(S23:YES)、携帯機2が車両Cの車室内に存在すると判定し(ステップS24)、車室内外判定処理を終了して処理を図7のフローチャートのステップS3へ戻す。
制御部11は、ステップS22にてレスポンス信号を受信しなかったと判断した場合(S22:NO)、又は、ステップS23にて合致しなかったと判断した場合(S23:NO)、携帯機2は車両Cの車室外に存在すると判定し(ステップS25)、車室内外判定処理を終了し、処理を図7のフローチャートのステップS3へ戻す。
図9は、第2の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理手順は、図7のフローチャートに示したステップS6の処理の詳細に対応する。第2方式による車室内外判定方法は、車載機1の制御により車両Cの送信アンテナ31〜34から送信された信号の受信信号強度を携帯機2にて測定することによって高精度に判定する方法である。
車載機1の制御部11は、送信アンテナ31〜34の内の1つ、例えば送信アンテナ34(又は全部)から、記憶部14に記憶してある自身の車両識別子の情報を含むウェイクアップ信号を送信し(ステップS601)、送信したウェイクアップ信号に応じたレスポンス信号を受信アンテナ4により受信したか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602において制御部11は、レスポンス信号を受信する所定の猶予時間を設け、猶予時間が経過するまでにレスポンス信号を受信できた場合、レスポンス信号を受信したと判断し、猶予時間が経過した場合には受信しなかったと判断する。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S602:YES)、レスポンス信号に含まれている携帯機識別子の情報を抽出し、記憶部14に記憶してある携帯機識別子と合致するか否かを判断する(ステップS603)。
制御部11は、ステップS603で合致すると判断した場合(S603:YES)、チャレンジ・レスポンス認証用のデータを作成して、作成したデータを含むチャレンジ信号を送信アンテナ31〜34の内の一部又は全部から送信し(ステップS604)、チャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信したか否かを判断する(ステップS605)。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S605:YES)、受信したレスポンス信号からレスポンスデータを抽出し、抽出したレスポンスデータに基づき、携帯機2の認証に成功したか否かを判断する(ステップS606)。制御部11は、認証に成功したと判断した場合(S606:YES)、携帯機2における受信信号強度の測定を指示するべく、測定コマンド信号を送信し(ステップS607)、コマンド信号の送信後から所定時間が経過するまでの間に、送信アンテナ31〜34を順次、切替器13aにより選択し、順次選択したアンテナから夫々、測定用信号を送信する(ステップS608)。つまり制御部11は、測定用信号を4回送信する。制御部11は、測定用信号の送信後に、測定結果を含む測定結果信号を受信アンテナ4により受信する(ステップS609)。
制御部11は、受信した測定結果信号から測定結果を抽出する(ステップS610)。具体的には、抽出される測定結果は、制御部11が4回送信した測定用信号に応じて4つの受信信号強度を含む。
制御部11は、判定対象となる複数の領域別に、記憶部14に記憶してある統計値を読み出し(ステップS611)、受信した測定結果の受信信号強度と、読み出した統計値とに基づき、内外における統計距離を算出する(ステップS612)。
ステップS611、S612において詳細には、第1領域61〜第4領域64別に、制御部11は、測定された受信信号強度からなる受信信号強度ベクトルと、記憶部14に記憶してある第1統計値及び第2統計値との統計距離を各算出する演算を行う。例えば制御部11は、第1領域61を判定対象とする場合、受信信号強度ベクトルと第1領域61の内側に係る第1統計値(平均ベクトル及び逆分散共分散行列)とのマハラノビス距離、及び、受信信号強度ベクトルと第1領域61の外側に係る第2統計値とのマハラノビス距離を夫々算出する。マハラノビス距離は、上述の式(6)により求まる。なお、統計距離はマハラノビス距離に限定されない。
制御部11は、判定対象の領域について、携帯機2は領域内に存在するか否かを判定する(ステップS613)。ステップS613にて詳細には、制御部11は、第1統計値とのマハラノビス距離と第2統計値とのマハラノビス距離とを比較し、第1統計値とのマハラノビス距離が第2統計値とのマハラノビス距離よりも統計距離が近いと判断される場合、携帯機2は判定対象の領域の内側に存在すると判定する。
制御部11は、ステップS613にて領域内に存在すると判定した場合(S613:YES)、複数の領域、即ち第1領域61〜第4領域64の全領域について判定を終了したか否かを判断する(ステップS614)。制御部11は、全領域について判定を終了していないと判断した場合(S614:NO)、ステップS611へ処理を戻す。制御部11は、全領域について判定を終了したと判断した場合(S614:YES)、全領域について携帯機2が内側にあると判定されていると判定されているので、携帯機2が車両Cの車室内に存在すると判定し(ステップS615)、第2の方式による車室内外判定処理を終了し、処理を図7のフローチャートのステップS7へ戻す。
制御部11は、ステップS613にて複数の領域のいずれか1つでも領域外に存在すると判定した場合(S613:NO)、携帯機2が車両Cの車室外に存在すると判定し(ステップS616)、第2の方式による車室内外判定処理を終了し、処理を図7のフローチャートのステップS7へ戻す。
また制御部11は、ステップS602にて、レスポンス信号を受信しないと判断した場合(S602:NO)、ステップS603にて合致しないと判断した場合(S603:NO)、ステップS605にてチャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信しないと判断した場合(S605:NO)、又はステップS606にて認証が失敗したと判断した場合(S606:NO)はいずれも、携帯機2は車室外(車両Cから所定の距離外)に存在すると判定する(ステップS617)。制御部11は第2の方式による車室内外判定処理を終了し、処理を図7のフローチャートのステップS7へ戻す。
図10は、実施形態1の携帯機2における処理手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す処理手順は、図7〜図9のフローチャートに示した車載機1側による処理手順と対応する。
携帯機2は初期的にはスリープ状態にあり、制御部21は定期的に以下の処理を実行する。
制御部21は、3軸アンテナ23aによりウェイクアップ信号を受信したか否かを判断する(ステップS301)。制御部21は、ウェイクアップ信号を受信したと判断した場合(S301:YES)、ウェイクアップ信号に含まれている車両識別子の情報と、記憶部24に記憶してある対応する車両識別子とを照合することにより、車載機1の正当性を判断する(ステップS302)。
制御部21は、ステップS302にて正当であると判断した場合(S302:YES)、記憶部24に記憶してある携帯機識別子のデータを含めたレスポンス信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS303)、スリープ状態から起動し(ステップS304)、所定時間の間にチャレンジ信号を受信したか否かを判断する(ステップS305)。制御部21は、ステップS306でチャレンジ信号を受信しないと判断した場合(S305:NO)、スリープ状態へ戻り(ステップS306)、処理を終了する。
制御部21は、ウェイクアップ信号を受信しなかったと判断した場合(S301:NO)、又はステップS302にて正当でないと判断した場合(S302:NO)、処理を終了する。この場合、携帯機2はスリープ状態のままである。
制御部21はステップS305にてチャレンジ信号を受信したと判断した場合(S305:YES)、チャレンジ信号に含まれるデータと記憶部24に記憶されている固有鍵を用いて所定の暗号化演算を行うことによりレスポンスデータを作成し、作成したレスポンスデータを含むレスポンス信号を返信する(ステップS307)。
次に制御部21は、車載機1から送信される測定コマンド信号を受信し(ステップS308)、受信後所定時間が経過するまでの間に、各送信アンテナ31〜34から送信される測定用信号を3軸アンテナ23aにて受信し(ステップS309)、切替器23cにより3軸アンテナ23aからの3つの無線信号を順次選択して信号強度測定部23bにより夫々測定する(ステップS310)。つまり、1つの測定用信号に対し、3軸アンテナ23aの3軸方向夫々の成分に対応する受信信号強度を測定する。
制御部21は、全ての測定用信号について測定を完了したか否かを判断し(ステップS311)、未完であると判断した場合(S311:NO)、処理をステップS309へ戻して車載機1側の送信アンテナ31〜34から送信される複数(4回)の測定用信号を順次受信し測定する(S309、S310)。
制御部21は、測定を完了したと判断した場合(S311:YES)、各測定用信号に対し、測定した3つの無線信号の受信信号強度成分に基づき受信信号強度をベクトル演算により算出する(ステップS312)。制御部21は、求めた受信信号強度を測定結果として含む測定結果信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS313)、スリープ状態へ戻り(S306)、処理を終了する。
図7〜図10に示した各処理手順に対応する車載機1及び携帯機2間の信号送受信の過程を、シーケンス図を参照して説明する。図11は、第1の方式による車室内外判定処理における過程を示すシーケンス図であり、図12は、第2の方式による車室内外判定処理における過程を示すシーケンス図である。
第1の方式による場合、図11に示すように、車載機1と携帯機2との間のやり取りは、車載機1側からのウェイクアップ信号の送信(S21、S301)に対する携帯機2側からのレスポンス信号の送信(S402)で完了する。一方で第2の方式による場合、図12に示すように、車載機1と携帯機2との間のやり取りは、図11に示したものと同一のやり取りに加えて、チャレンジ・レスポンス認証に係る車載機1からのチャレンジ信号の送信(S305)に対する携帯機2からのレスポンス信号の送信(S409)、更に、車載機1からの測定コマンドの送信(S310)に対する測定結果の送信(S415)といったやり取りがなされる。
このように第1の方式による車室内外判定の場合には、信号の送受信処理のみに注目したとしても、やり取りの回数が第2の方式による車室内外判定を行う場合よりも削減されるから、電力消費を軽減させることができる。更に携帯機2では、第1の方式による車室内外判定を行う場合には、測定処理及び受信信号強度演算に係る処理が省略されるので、少なくとも省略される処理の分の電力消費を抑制することができ、大幅に電力消費を軽減させることができる。第1の方式による車室内外判定と第2の方式による車室内外判定とを適宜選択することが可能な構成としたことにより、携帯機2の車室内外判定を高精度化すると共に携帯機2の省電力化を実現することができる。
図7〜図12に示した処理手順により、上述の第1の方式による車室内外判定と第2の方式による車室内外判定との間で適宜選択されることについて、具体例を挙げて説明する。
例えば、使用者がエンジンを停止して停車している車両Cに搭乗するために、携帯機2を所持して車両ドアの開錠操作を行った場合についての処理を説明する。車載機1の制御部11は、リクエストスイッチ15により車両ドアの開錠操作を認識し、図7のフローチャートに示した車室内外判定処理を実行する。このとき、制御部11は内蔵RAMに携帯機識別子を記憶していないので(S1:NO)、図9のフローチャートに示した第2の方式による車室内外判定処理を行ない(S6)、高精度に車室内外を判定する。このとき、車両ドアは開錠されておらず使用者は車室外に存在するため、携帯機2は車室外に存在すると判定され(S7:NO)、車室内外判定処理は終了する。車両ドアの外側から開錠操作が行われた場合の制御に係る携帯機2の車室内外の期待値は0(車室外)であって、期待値と車室内外判定結果とが整合するから、車載機1はドアを開錠する。これにより使用者は、ドアを開けて車室内に入り込み、運転席に着座する。
続いて使用者がスタートボタンをオンにする操作を行った場合についての処理を説明する。車載機1の制御部11は、リクエストスイッチ15によりスタートボタンをオンにする操作を認識し、図7のフローチャートに示した車室内外判定処理を実行する。このとき制御部11は未だ内蔵RAMに携帯機識別子を記憶していないので(S1:NO)、図9のフローチャートに示した第2の方式による車室内外判定処理を行い(S6)、高精度に車室内外を判定する。このとき、使用者が携帯機2を所持している状態で着座したままである場合、携帯機2は車室内に存在すると判定される。スタートボタンをオンにする操作が行われた場合の制御に係る携帯機2の車室内外の期待値は1(車室内)であって、期待値と車室内外判定結果とが整合するから、制御部11はエンジンの始動可を示す信号を、エンジン制御システムへ出力する。なおこの場合、車両ドアが開けられたままであるときには(S8:YES)、携帯機2が車室外へ持ち出される可能性が高いため、内蔵RAMには携帯機識別子が記憶されない。制御部11はエンジンが動作している間は携帯機2が車室内に存在するか否かを間欠的に判定する。使用者が運転席に着座した状態で車両ドアが閉められるまでは、車載機1は図9のフローチャートに示した第2の方式による車室内外判定処理を行ない(S6)、高精度に車室内外を判定する。そして、車両ドアが閉じられたことが検知されて初めて(S8:NO)、制御部11は内蔵RAMに携帯機識別子を記憶する(S9)。制御部11は、エンジンが動作している間、携帯機2が車室内に存在するか否かを間欠的に判定するが、内蔵RAMに携帯機識別子が記憶されているため(S1:YES)、以後は図8のフローチャートに示した第1の方式による車室内外判定処理を行う(S2)。これにより、携帯機2が車室外に持ち出される可能性がない間は、車室内外判定に係る処理負荷が軽減される。
その後使用者が車両Cを停車させ、エンジンを停止させて降車する場合の処理を説明する。車載機1の制御部11は、図7のフローチャートに示した携帯機2が車室内に存在するか否かの車室内外判定処理を間欠的に行なうが、携帯機識別子を内蔵RAMに記憶した状態であるため(S1:YES)、図8のフローチャートに示した第1の方式による車室内外判定処理を行う(S2)。そして制御部11は、車室内に存在すると判定した場合であっても(S3:YES)、カーテシスイッチ16により車両ドアの開状態を検知した場合は(S4:YES)、携帯機2が車室外へ移動する可能性があるために、内蔵RAMに記憶していた携帯機識別子の情報を消去する(S5)。使用者が降車して車両ドアの施錠操作を行った場合、制御部11は、リクエストスイッチ15により施錠操作を認識して図に示す携帯機2が車室内に存在するか否かの車室内外判定処理を行なうが、携帯機識別子が内蔵RAMから消去されているため(S1:NO)、図9に示した第2の方式による車室内外判定を行い(S6)、高精度に車室内外を判定する。制御部11は、外側から車両ドアの施錠操作が行われた場合の制御に係る携帯機2の車室内外の期待値は0(車室外)であるから、携帯機2が車室内に存在すると判定されている場合(S7:YES)、キー閉じ込めと判断した施錠せず、ホーンへ警告指令を出力し、ヘッドライトの点灯指令を出力する。このとき、警告を受けて使用者が車両ドアを再度開けて携帯機2を車室外へ持ち出し、再度施錠操作を行った場合、制御部11は車室内外判定処理において図9に示した第2の方式による車室内外判定を再度行い(S6)、高精度に車室内外を判定する。制御部11は、車室外と判定した場合(S7:NO)、施錠指令信号を各車両ドアの錠装置へ出力する。
以後車載機1は、携帯機2が車両Cから所定の距離内に存在するか否かを判定すべく、図7のフローチャートに示す処理手順を間欠的に実行するようにしてもよい。この場合、制御部11は、携帯機識別子が内蔵RAMに記憶されていないため(S1:NO)、図9に示した第2の方式による車室内外判定を行う(S6)。使用者が携帯機2を所持して車両Cから所定の距離以上離れた場合、第2の方式による車室内外判定を行うとしても、携帯機2にてウェイクアップ信号受信できず(S301:NO)、従って車載機1はレスポンス信号を受信できず(S602:NO)、携帯機2及び車載機1はそのまま車室内外判定を終了するため、処理負荷は加重されない。
このように、使用者が携帯機2を車室内外に移動させる可能性が高い動作を行ったか否かに応じて、特に実施形態1では車両ドアの開扉に応じて、車室内外判定処理の方式が適宜選択される。携帯機2が車室内から車室外へ移動する可能性が低い状態では、車載機1と携帯機2との間での送受信の可否の判定のみで済み、受信信号強度の測定に係る処理を省略して消費電力を軽減することが可能な第1の方式による簡易的な車室内外判定が選択される。また、携帯機2が移動する可能性が高く、高精度な判定が必要な場合には携帯機2で測定される受信信号強度に基づく第2の方式による詳細な車室内外判定が選択される。これにより、必要な場合には高精度な判定を行いつつも、特に携帯機2における省電力化を実現することができる。
なお、実施形態1では、車載機1は第2の方式による車室内外判定として、測定した受信信号強度と、異なる第1領域61〜第4領域64の内側及び外側を特徴づける第1統計値及び第2統計値との統計距離を各算出し、比較する構成とした。マハラノビス距離の算出、マハラノビス距離の比較といった簡単な演算によって携帯機2の車室内外判定を精度よく行うことができる。
また、実施形態1において車載機1側の送信アンテナ31〜34及び携帯機2側の受信用3軸アンテナ23aはLF帯又はVLF帯に対応し、車載機1側の受信アンテナ4及び携帯機2側の送信アンテナ22aはUHFに対応する構成としたが、これらの周波数帯に限定するものではない。また送信アンテナ31〜34の数は4つとは限られないことは勿論である。送信アンテナ31〜34及び受信アンテナ4の位置も上述したような位置には限られないことは勿論である。
また実施形態1において車載機1の制御部11は、図7のフローチャートに示した通り、カーテシスイッチ16により検知される車両ドアの開閉に応じて第1の方式による車室内外判定及び第2の方式による車室内外判定を選択する構成としたが、車両ドアの開閉検知は携帯機2が車室内から車室外へ移動する可能性が高い事象の一例に過ぎない。制御部11は、リクエストスイッチ15に含まれる窓の開閉スイッチ、又は着座センサ等に基づいて第1の方式による車室内外判定及び第2の方式による車室内外判定を選択する構成としてもよい。また携帯機2が車室外へ移動する可能性が高い事象の発生のみならず、例えば未登録の携帯機(例えばサブキーに対応)が認証されたことを契機に、第2の方式による車室内外判定を選択する構成としてよい。1つの車両に複数のFOB型の携帯機が用いられる場合など、高精度な判定が必要な状況下では第2の方式へ切り替えるようにする。このように、車両Cの種々の状況に対応する諸条件を設定しておき、第1の方式と第2の方式とを適宜切り替えるようにするとよい。
実施形態1では、第2の方式による車室内外判定方法として複数の送信アンテナ31〜34から各々送信する測定用信号の受信信号強度を携帯機2にて測定して受信信号強度ベクトルを求め、予め求めて記憶しておいた統計値との統計距離の基づき内外判定を行う方法を用いた。しかしながら、第2の方式による車室内外判定方法は、公知のレンジベース方式による内外判定の方法を利用してもよい。
更に実施形態1において車載機1は、記憶部14に異なる4つの第1領域61〜第4領域64の内外を夫々特徴づける統計値を記憶している構成とした。しかしながら、領域の数は4つに限られないことは勿論である。例えば第1領域61及び第2領域62の2つであっても、運転席側ドアの境界面又は助手席側ドアの境界面に対する内外の判定を精度よく実施することができる。
また実施形態1において車載機1の記憶部14に、統計値として携帯機2又はモデル測定機器にて領域別に実測した受信信号強度の平均ベクトル及び逆分散共分散行列を記憶する構成とした。しかしながら統計値に限らず、各領域に対して内外を判別するための判別式を記憶しておく構成としてもよい。判別式は例えば、予め測定される第1領域61の内側を特徴付ける標本群と、第1領域61の外側を特徴付ける標本群とのマハラノビス距離が等しくなる受信信号強度の集合を表す曲線の近似式である。近似式に、測定した受信信号強度の内、一の受信信号強度を当てはめて得られる関数値と、他の受信信号強度とを夫々比較することにより、内外判定を行うことができる。
(実施形態2)
実施形態1では、車載機1にて車室内外判定を行う構成とした。実施形態2では受信信号強度を測定し演算する携帯機2側で車室内外判定を行う。実施形態2における車両用通信システムのハードウェア構成は、実施形態1の構成と同様である。従って、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図13は、実施形態2の車載機1の内部構成を示すブロック図である。実施形態1と比較して、実施形態2における車載機1は、記憶部14に車室内外判定に係るコンピュータプログラム1P、及び車室内外判定のための統計値を記憶していない。記憶部14には、車両C自身の車両識別子と、車両Cに対する正規な携帯機2であるか否かを区別するための携帯機識別子とが記憶してある。
実施形態2における車載機1は、制御部11が複数のリクエストスイッチ15から各スイッチの操作状態を認識し、また、カーテシスイッチ16によって車両ドアの開閉状態を認識する。制御部11は、認識した操作状況及び開閉状態と、後述するように携帯機2から受信する車室内外判定結果とに基づき、車両ドアの開錠/施錠、エンジン又は駆動用バッテリシステムの始動可否の出力、及び必要に応じて使用者への警告出力処理等を行う。
図14は、実施形態2の携帯機2の内部構成を示すブロック図である。実施形態2と比較して、実施形態2における携帯機2は、記憶部24に、制御部21が携帯機2の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の車室内外判定、及び、車室内外判定に係る判定方式の選択機能を実現させるコンピュータプログラム2Pを記憶している。また、記憶部24には、車室内外判定のための統計値が記憶されている。統計値の詳細は実施形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、記憶部24に記憶されているコンピュータプログラム2Pは、CD−ROM、DVD−ROM、BD等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体20から図示しない他の外部コンピュータにより読み出されて記憶されたもの、又は、通信網を介してダウンロードされて外部コンピュータにより記憶されたものであってよい。
実施形態2の携帯機2の制御部21は、信号強度測定部23bにより測定した各無線信号の受信信号強度に基づき、3軸方向のベクトル演算によって受信信号強度を算出し、算出した受信信号強度に基づき車室内外判定をも行う。
実施形態2における車載機1は、間欠的に、又は各種制御のために車室内外判定が必要な場合、以下に示す車室内外判定結果を携帯機2から取得する処理を実行する。図15は、実施形態2の車載機1における処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部11は、送信アンテナ31〜34の内の1つ、例えば送信アンテナ34(又は全部)から、記憶部14に記憶してある車両識別子の情報を含むウェイクアップ信号を送信し(ステップS101)、送信したウェイクアップ信号に応じたレスポンス信号を受信アンテナ4により受信したか否かを判断する(ステップS102)。ステップS102において制御部11は、レスポンス信号を受信する所定の猶予時間を設け、猶予時間が経過するまでにレスポンス信号を受信できた場合、レスポンス信号を受信したと判断し、猶予時間が経過した場合には受信しなかったと判断する。以下、携帯機2との間で信号の送受信をする場合も同様に、猶予時間を設けて受信の可否を判断すればよい。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S102:YES)、レスポンス信号に含まれている携帯機識別子の情報を抽出し、記憶部14に記憶してある携帯機識別子と合致するか否かにより、携帯機2が正当であるか否かを判断する(ステップS103)。制御部11は、正当であると判断した場合(S103:YES)、受信したレスポンス信号に判定結果が含まれているか否かを判断する(ステップS104)。制御部11は、受信したレスポンス信号に判定結果が含まれていると判断した場合(S104:YES)、判定結果を抽出し(ステップS105)、処理を終了する。この場合、図11に示したような携帯機2とウェイクアップ信号及びレスポンス信号のやり取りによって車室内外判定が完了する。
制御部11は、ステップS104にて判定結果が含まれていないと判断した場合(S104:NO)、チャレンジ・レスポンス認証用のデータを作成して、作成したデータを含むチャレンジ信号を送信アンテナ31〜34の内の一部又は全部から送信し(ステップS106)、チャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信したか否かを判断する(ステップS107)。
制御部11は、レスポンス信号を受信したと判断した場合(S107:YES)、受信したレスポンス信号からレスポンスデータを抽出し、抽出したレスポンスデータに基づき、携帯機2の認証に成功したか否かを判断する(ステップS108)。制御部11は、認証に成功したと判断した場合(S108:YES)、携帯機2における受信信号強度の測定をしじする測定コマンド信号を送信し(ステップS109)、コマンド信号の送信後から所定時間が経過するまでの間に、送信アンテナ31〜34を順次、切替器13aにより選択し、順次選択したアンテナから夫々、測定用信号を送信する(ステップS110)。つまり制御部11は、測定用信号を4回送信する。制御部11は、測定用信号の送信後に、測定結果に基づく判定結果を含む測定結果信号を受信アンテナ4により受信し(ステップS111)、判定結果を抽出して(S105)、処理を終了する。この場合、図12に示したような携帯機2と複数回のやり取りによって車室内外判定が完了する。
制御部11は、ステップS102においてレスポンス信号を受信しなかったと判断した場合(S102:NO)、ステップS103において正当でないと判断した場合(S103:NO)、ステップS107においてチャレンジ信号に対するレスポンス信号を受信しなかったと判断した場合(S107:NO)、又はステップS108にて認証に失敗したと判断した場合(S108:NO)はいずれも、携帯機2は車室外(車両Cから所定の距離外)に存在すると判定する(ステップS112)。制御部11は処理を終了し、判定結果に応じた制御を実行する。
図16は、実施形態2の携帯機2における車室内外判定に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示す処理手順は、図15のフローチャートに示した車載機1側による処理手順と対応する。なお、実施形態1の図10に示した処理手順と共通する手順には同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
携帯機2の制御部21は、ウェイクアップ信号を受信して(S301)、ウェイクアップ信号に含まれる車両識別子により車載機1の正当性を判断し(S302)、正当でないと判断した場合(S302:NO)、携帯機2は車両Cの車室外(車両Cから所定の距離外)に存在すると判定する(ステップS321)。制御部21は、内蔵RAMに記憶してある車両Cの車両識別子を消去し(ステップS322)、処理を終了する。ステップS322において、車両識別子が記憶されていない場合、制御部21は処理を省略する。
制御部21は、ステップS302において正当であると判断した場合(S302:YES)、内蔵RAMに車両Cの車両識別子を記憶しているかを判断する(ステップS323)。
制御部21は、車両識別子を記憶していると判断した場合(S323:YES)、対応する車両Cからのウェイクアップ信号を受信できたので携帯機2は車両Cの車室内に存在すると判定する(ステップS324)。ステップS324の判定は、車載機1の制御により車両Cの送信アンテナ31〜34のいずれかから送信された信号が、携帯機2にて受信できるか否かによって判定する第1方式による車室内外判定方法に対応する。制御部21は、車室内に存在するという判定結果と、記憶部24に記憶してある携帯機識別子のデータを含めたレスポンス信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS325)、処理を終了する。
制御部21は、車両識別子を記憶していないと判断した場合(S323:NO)、判定結果を含めない携帯機識別子のデータを含めたレスポンス信号を送信アンテナ22aにより送信する(ステップS326)。制御部21は、スリープ状態から起動し(ステップS327)、チャレンジ・レスポンス認証に係るチャレンジ信号を受信し(ステップS328)、チャレンジ信号に含まれるデータと記憶部24に記憶されている固有鍵を用いて所定の暗号化演算を行うことによりレスポンスデータを作成し、作成したレスポンスデータを含むレスポンス信号を返信する(ステップS329)。
次に制御部21は、第2の方式による車室内外判定処理を実行する(ステップS330)。ステップS330の処理の詳細は後述する。制御部21は、ステップS330にて第2の方式による車室内外判定処理の結果、車室内に存在すると判定されたか否かを判断する(ステップS331)。制御部21は、車室内に存在すると判定されたと判断した場合(S331:YES)、車両Cの車両識別子を内蔵RAMに記憶する(ステップS332)。制御部21は、判定結果を含む測定結果信号を送信アンテナ22aにより送信し(ステップS333)、スリープ状態へ戻って(ステップS334)、処理を終了する。
ステップS331において制御部21は、車室外に存在すると判定されたと判断した場合(S331:NO)、車両識別子を内蔵RAMに記憶することなく測定結果信号を送信し(S333)、スリープ状態へ戻って(S334)、処理を終了する。
図17は、実施形態2における第2の方式による車室内外判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートに示す処理手順は、図16のフローチャートに示したステップS330の処理の詳細に対応する。第2方式による車室内外判定方法は、車載機1の制御により車両Cの送信アンテナ31〜34から送信された信号の受信信号強度を携帯機2にて測定することによって高精度に判定する方法である。
制御部21は、測定コマンド信号を受信し(ステップS401)、受信後所定時間が経過するまでの間に、各送信アンテナ31〜34から送信される測定用信号を3軸アンテナ23aにて受信し(ステップS402)、切替器23cにより3軸アンテナ23aからの3つの無線信号を順次選択して信号強度測定部23bにより夫々測定する(ステップS403)。つまり、1つの測定用信号に対し、3軸アンテナ23aの3軸方向夫々の成分に対応する受信信号強度を測定する。
制御部21は、全ての測定用信号について測定を完了したか否かを判断し(ステップS404)、未完であると判断した場合(S404:NO)、処理をステップS402へ戻して車載機1側の送信アンテナ31〜34から送信される複数(4回)の測定用信号を順次受信し測定する(S402、S403)。
制御部21は、測定を完了したと判断した場合(S404:YES)、各測定用信号に対し、測定した3つの無線信号の受信信号強度成分に基づき受信信号強度をベクトル演算により算出する(ステップS405)。複数回(4回)送信される測定用信号夫々についてステップS405にて算出された受信信号強度は、受信信号強度ベクトルの各成分として扱われる。
次に制御部21は、判定対象となる複数の領域別に、記憶部24に記憶してある統計値を読み出し(ステップS406)、ステップS405で算出した受信信号強度を各成分として持つ受信信号強度ベクトルと、読み出した統計値とに基づき、内外における統計距離を算出する(ステップS407)。制御部21は、算出した統計処理に基づき、判定対象の領域について携帯機2は領域内に存在するか否かを判定する(ステップS408)。
ステップS406〜S408の処理の詳細は、実施の形態1における車載機1の制御部11により実行されるステップS611〜S613の処理と同様であるので詳細な説明を省略する。
制御部21は、ステップS408にて領域内に存在すると判定した場合(S408:YES)、複数の領域、即ち第1領域61〜第4領域64の全領域について判定を終了したか否かを判断する(ステップS409)。制御部21は、全領域について判定を終了していないと判断した場合(S409:NO)、ステップS406へ処理を戻す。制御部21は、全領域について判定を終了したと判断した場合(S409:YES)、全領域について携帯機2が内側にあると判定されていると判定されているので、携帯機2が車両Cの車室内に存在すると判定し(ステップS410)、第2の方式による車室内外判定処理を終了し、処理を図16のフローチャートのステップS331へ戻す。
制御部21は、ステップS408にて複数の領域のいずれか1つでも領域外に存在すると判定した場合(S408:NO)、携帯機2が車両Cの車室外に存在すると判定し(ステップS411)、第2の方式による車室内外判定を終了し、処理を図16のフローチャートのステップS331へ戻す。
携帯機2にて車室内外判定を行う場合も、車載機1は判定結果を受信して抽出することにより、判定結果に基づく各種制御を実行する。図15〜図17に示した処理手順により、上述の第1の方式による車室内外判定と第2の方式による車室内外判定との間で適宜選択されることについては、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。
上述の通り、携帯機2にて車室内外判定を行う構成とした場合であっても、携帯機2が車室内外を移動する可能性が高い場合のみ、高精度な車室内外判定を行うべく第2の方式による車室内外判定処理が選択される。負荷が重い処理については必要な場合のみ行われ、それ以外は携帯機2自身が車室内外のいずれに存在するかを信号の送受信の可否を判定するのみで済ますことができ、受信信号強度の測定に係る処理を省略できる。従って高精度な判定を可能としつつも携帯機2における処理負荷を軽減し、省電力化を実現することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車載機
2 携帯機
31,32,33,34 送信アンテナ
4 受信アンテナ
10 記録媒体
11 制御部
12 車載受信部
13 車載送信部
13a 切替器
14 記憶部
15 リクエストスイッチ
16 カーテシスイッチ
1P コンピュータプログラム
2 携帯機
20 記録媒体
21 制御部
22 送信部
22a 送信アンテナ
23 受信部
23a 3軸アンテナ
23b 信号強度測定部
23c 切替器
24 記憶部
2P コンピュータプログラム
61 第1領域
62 第2領域
63 第3領域
64 第4領域
C 車両

Claims (13)

  1. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより信号を送受信する車載機と、前記複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機とを備える車両用通信システムであって、
    前記車載機は、
    前記車載機が前記複数のアンテナの一又は複数から前記携帯機に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、
    前記車載機が前記複数のアンテナから前記携帯機側での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記携帯機にて測定された受信信号強度に基づき、前記携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、
    前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、
    該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部と
    を備える車両用通信システム。
  2. 前記選択部は、前記第2判定部を選択して判定を行って前記携帯機が前記車両の車室内に存在すると判定した場合、以後前記第1判定部により判定することを選択する請求項1に記載の車両用通信システム。
  3. 前記選択部は車室内に存在すると判定した場合、更に所定の第1条件を満たすときに、以後前記第1判定部により判定することを選択する請求項2に記載の車両用通信システム。
  4. 前記所定の第1条件は前記車両のドアが閉扉状態であることである請求項3に記載の車両用通信システム。
  5. 前記選択部は、所定の第2条件と満たす場合に以後前記第2判定部により判定することを選択する請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の車両用通信システム。
  6. 前記車室内外判定部による車室内外判定を断続的に行うようにしてあり、
    前記選択部は、所定の第2条件を満たすまで第1判定部による判定を選択する請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の車両用通信システム。
  7. 前記所定の第2条件は前記車両のドアが閉扉状態から開扉されたことである請求項5又は請求項6に記載の車両用通信システム。
  8. 前記携帯機を識別する携帯機識別子が記憶される記憶部を更に備え、
    前記選択部は、
    前記記憶部に前記携帯機識別子が記憶されている場合、前記第1判定部により判定することを選択し、
    前記所定の第2条件を満たす場合に前記携帯機識別子を前記記憶部から消去し、
    前記記憶部に前記携帯機識別子が記憶されていない場合、前記第2判定部により判定することを選択し、
    前記第2判定部により車室内に存在すると判定した場合、前記携帯機識別子を記憶する請求項5〜請求項7のいずれか一つに記載の車両用通信システム。
  9. 前記第2判定部は、
    前記携帯機にて測定された受信信号強度の測定結果と、共通の車室内空間を包含する相異なる複数の領域夫々の内外で予め測定した受信信号強度の統計値との間の統計距離を内外別に算出して比較することにより、前記携帯機が領域の内側にあるか否かを領域毎に判定する領域判定部と、
    前記携帯機が全領域の内側にあるか否かを判定する判定部と
    を備える請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の車両用通信システム。
  10. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信する車載機であって、
    前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、
    前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、
    前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、
    該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部と
    を備える車載機。
  11. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナの内の一又は複数から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた信号を送信する携帯機であって、
    応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用信号を受信する受信部と、
    該受信部による前記要求信号の受信の有無により、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第1判定部と、
    前記受信部により前記測定用信号を受信した場合、受信信号強度を測定する測定部と、
    該測定部が測定した前記受信信号強度に基づき、該携帯機の位置の前記車両における車室内外を判定する第2判定部と、
    前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部と、
    該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該携帯機が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部と
    を備える携帯機。
  12. 車両の異なる位置に設けられた複数のアンテナにより他の機器と信号を送受信するコンピュータに、前記他の機器の位置の前記車両における車室内外を判定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記複数のアンテナの一又は複数から前記他の機器に対して応答を求める信号を送信し、該信号に対する応答信号の受信の有無により前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第1判定部、
    前記複数のアンテナから前記他の機器での受信信号強度の測定用信号を送信し、該測定用信号に応じて前記他の機器から送信される測定結果を含む信号に基づき、前記他の機器の位置の前記車室内外を判定する第2判定部、
    前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、
    該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、前記他の機器が前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部
    として機能させるためのコンピュータプログラム。
  13. 他の機器との間で無線信号を送受信する送受信部、及び受信信号強度を測定する測定部を備えるコンピュータに、該コンピュータの位置が、前記他の機器が設けられている車両の車室内外のいずれかを判定させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、応答を求める要求信号又は受信信号強度の測定用の信号を前記送受信部により受信させ、
    前記コンピュータを、
    前記要求信号の受信の有無により、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第1判定部、
    前記測定用の信号を受信した場合、前記測定部により測定した前記受信信号強度に基づき、該コンピュータの位置の前記車室内外を判定する第2判定部、
    前記第1判定部及び第2判定部のいずれにより判定するかを選択する選択部、及び、
    該選択部が選択した第1判定部又は第2判定部により、該コンピュータが前記車両の車室内外のいずれに存在するかを判定する車室内外判定部
    として機能させるためのコンピュータプログラム。
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