JP6271088B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、電機子および回転子を備えた回転電機に関するものである。
従来の回転電機では、電機子の渦電流損による発熱を抑制するために、薄板状の鋼板を積層した積層鉄心を用いて、電機子鉄心が形成される。また、電機子の生産作業性を向上させるために、分割鉄心を用いて、電機子鉄心が形成されるケースも多い。このような場合、積層鉄心の鋼板どうしの連結、および分割鉄心どうしの連結をするための一般的な手法として、溶接が用いられる(例えば、特許文献1、2参照)。
ここで、溶接は、簡易な作業であり、高い連結強度を容易かつ確実に得ることができる手法である。しかしながら、溶接による電機子鉄心への入熱によって、電機子鉄心に歪みが発生するという問題がある。
また、回転電機では、電機子の磁極ティースと回転子の磁石との対向距離(以下、ギャップ距離と称す)が全体で均一であるほど、動作振動が抑制されるなど良好な動作特性が得られる。このギャップ距離を均一とするためには、電機子および回転子が真円形状であることが求められるので、電機子鉄心に歪みが発生しないようにする必要がある。換言すると、溶接によって発生する電機子鉄心の歪みは、回転電機の動作特性が悪化する要因となる。
そこで、特許文献1に記載の従来技術では、積層鉄心の鋼板どうしの連結をするために施される溶接の位置を千鳥状に配置し、入熱位置を分散させることで、電機子鉄心の歪みを抑制している。
また、特許文献2に記載の従来技術では、電機子のスロット数と回転子の磁極数との関係から求められる数だけの溶接の位置を、電機子の外周面に等間隔で分散させることで、電機子鉄心の歪みの影響を小さくしている。
特開平9−219941号公報 特開2013−219947号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1に記載の従来技術では、積層鉄心の溶接は、積層された全ての鋼板について、隣接する鋼板どうしを連結する必要があるので、千鳥状ではなく直線状に溶接を施す場合と比べて溶接面積がほぼ同じとなる。
すなわち、千鳥状に溶接を施す場合と、直線状に溶接を施す場合とを比べると、溶接による電機子鉄心への入熱量が同じである。したがって、千鳥状に溶接を施した場合であっても、電機子鉄心の歪みを抑制することができないというケースが多くある。
また、特許文献2に記載の従来技術では、溶接によって電機子鉄心の歪みが発生するので、電機子の真円形状が少なからず損なわれる。また、溶接を施すにあたって電機子鉄心の形状のみを考慮する一方で、電機子上で発生する磁界に対して溶接がどのように影響するかは考慮されていない。したがって、スロット数および磁極数の関係によっては、回転電機の動作特性が大きく悪化する可能性がある。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の鉄心ピースを連結して電機子鉄心を形成した場合であっても、従来と比べて、電機子鉄心の歪みの発生による動作特性の悪化を抑制することのできる回転電機を得ることを目的とする。
本発明における回転電機は、円環形状のコアバックと、コアバックの内周面から径方向内方に延在して周方向に配列されている複数の磁極ティースと、周方向に隣り合う磁極ティースの間に設けられている複数のスロットとを有し、複数の鉄心ピースを連結して形成される電機子鉄心と、分布巻きまたは集中巻きの形態で複数のスロットの各スロットに配置される複数のコイルと、を有する電機子と、外周面に複数の磁石が周方向に配列されている回転子と、を備えた回転電機であって、複数のスロットの個数をQとし、複数の磁石の個数をPとし、QおよびPの最大公約数をgcd(Q,P)とし、相数をmとし、電機子鉄心の周方向に沿って、角度[360/{gcd(Q,P)×m}]°ピッチで離れたm個の位置の集合を1個の位置群としたとき、電機子鉄心の周方向に沿って等ピッチで形成されたgcd(Q,P)個の位置群のうちの任意に選んだ1個以上の位群に含まれる全ての位置を連結位置とし、選ばなかった残りの位置群に含まれる全ての位置をいずれも連結位置としないようにして、連結位置で複数の鉄心ピースが連結されているものである。
本発明によれば、電機子の各磁極ティースに巻回されている各コイルによって発生する各起磁力を考慮して、電機子鉄心を形成する際に複数の鉄心ピースを連結する位置を決定する。これにより、複数の鉄心ピースを連結して電機子鉄心を形成した場合であっても、従来と比べて、電機子鉄心の歪みの発生による動作特性の悪化を抑制することのできる回転電機を得ることができる。
本発明の実施の形態1における回転電機を示す平面図である。 図1に対して、連結位置と溶接によって発生する電機子鉄心の歪みとを図示していない回転電機を示す平面図である。 図1のIII部を示す拡大斜視図である。 図1の電機子の直線展開図である。 図2の電機子の直線展開図である。 本発明の実施の形態1において、各磁極ティースに巻回されているコイルによって発生するある時刻の起磁力の様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における回転電機の別例を示す平面図である。 本発明の実施の形態2における回転電機を示す平面図である。 本実施の形態3における回転電機を示す平面図である。 本発明の実施の形態4における回転電機の平面図である。 図10の電機子の直線展開図である。 本発明の実施の形態4において、各磁極ティースに巻回されているコイルによって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。 本発明の実施の形態4において、最大電気角位相差β°を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態4における回転電機の別例を示す平面図である。 本発明の実施の形態5における回転電機を示す平面図である。 図15に対して、連結位置と溶接によって発生する電機子鉄心の歪みとを図示していない回転電機を示す平面図である。 図16の電機子の直線展開図である。 本発明の実施の形態5において、各磁極ティースに巻回されているコイルによって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。 本発明の実施の形態6における回転電機を示す平面図である。 図19に対して、連結位置と溶接によって発生する電機子鉄心の歪みとを図示していない回転電機を示す平面図である。 図20の電機子の直線展開図である。 本発明の実施の形態6において、各磁極ティースに巻回されているコイルによって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。 本発明の実施の形態7における回転電機を示す平面図である。 図23に対して、連結位置と溶接によって発生する電機子鉄心の歪みとを図示していない回転電機を示す平面図である。 図24の電機子の直線展開図である。 本発明の実施の形態7における回転電機の別例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1〜7における回転電機とは異なる別の形態の回転電機を示す平面図である。
以下、本発明による回転電機を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施の形態では、回転電機の一例として、三相交流回転電機に対して本願発明を適用した場合について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における回転電機1を示す平面図である。図2は、図1に対して、連結位置11と溶接によって発生する電機子鉄心6の歪みとを図示していない回転電機1を示す平面図である。図3は、図1のIII部を示す拡大斜視図である。
なお、本実施の形態1では、電機子2のスロット5の個数(以下、スロット数Qと称す)が48であり、回転子8の磁石10の個数(以下、磁極数Pと称す)が20である場合を例示している。また、図1および図2において、各スロット5に配置されるコイル7のコイル辺どうしをつなぐコイルエンド部を点線で表している。また、図3においては、図1のコイル7の図示を省略している。
回転電機1は、電機子2および回転子8を備える。電機子2は、円環形状のコアバック3と磁極ティース4とスロット5とを有する電機子鉄心6と、スロット5に配置されるコイル7とを有する。本実施の形態1におけるコイル7は、分布巻きであって2層重ね巻きの形態で電機子鉄心6に組み立てて構成されている。
すなわち、コイル7を構成する導線が複数の磁極ティース4に跨って巻回されるとともに、各スロット5には、二相分のコイル7が配置されている。なお、コイル7を構成する導線の束について、線種およびターン数が全て同じである。
電機子鉄心6と、コイル7との間には、絶縁体(図示せず)が介在している。なお、絶縁体としては、例えば、絶縁紙または樹脂部品などを用いればよい。
複数の磁極ティース4は、それぞれコアバック3の内周面から径方向内方に延在して、周方向に配列されている。スロット5は、周方向に隣り合う磁極ティース4の間に設けられている。なお、一般的には、複数の磁極ティース4は、互いにほぼ等間隔で、コアバック3の内周面に設けられる。
ここで、電機子鉄心6は、複数の鉄心ピースに相当する複数の薄板状の鋼板から形成されている。すなわち、電機子鉄心6は、複数の薄板状の鋼板を積層することで形成される積層鉄心である。また、複数の鋼板が積層された後、これらの鋼板を互いに連結するために、記号▼で示される連結位置11において、溶接が施される。その結果、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成される。なお、溶接が施される連結位置11の詳細については、後述する。
回転子8は、回転軸9に固定され、電機子2に対して回転可能な構成を有する。回転子8の外周面には、磁石10が周方向に複数配列されている。一般的には、複数の磁石10は、互いにほぼ等間隔で、回転子8の外周面に設けられる。
ここで、以下、説明の便宜上、各スロット5を区別することが必要な場合には、基準となるスロット5(以下、基準スロットと称す)を、スロット#1と表記し、スロット#1から反時計回りに順にスロット#2、#3、・・・と表記する。また、各磁極ティース4も同様に、スロット#1およびスロット#2に挟まれた磁極ティース4を、磁極ティース#1と表記し、磁極ティース#1から反時計回りに順に磁極ティース#2、#3、・・・と表記する。
次に、各スロット5へのコイル7の具体的な配置例について説明する。図4は、図1の電機子2の直線展開図である。図5は、図2の電機子2の直線展開図である。
なお、図4および図5では、回転電機1の各スロット5に配置されているコイル7を説明するために、電機子2を仮想的に直線状に展開している。また、各コイル7のコイル辺に流れる電流の相をU、VおよびWで表記している。さらに、各コイル7のコイル辺に流れる電流の向きを区別するために、U、VおよびWの大文字と、u、vおよびwの小文字で表記し、大文字の場合には、紙面手前側の向きに電流が流れ、小文字の場合には、紙面奥側の向きに電流が流れることを示す。また、コイル辺どうしをつなぐコイルエンド部を点線で表している。
ここで、例えば、磁極ティース#2および磁極ティース#3に跨って巻回されて、スロット#2およびスロット#4に配置されたコイル7について着目する。スロット#2およびスロット#4に配置されたコイル7には、U相電流が流れる。また、スロット#2のコイル辺には、紙面手前側に電流が流れ、スロット#4のコイル辺には、紙面奥側に電流が流れる。
また、コイル7が2層重ね巻きの形態でスロット5に配置される場合、各コイル7に対応する電流の相(すなわち、U相、V相およびW相)と、スロット5へのコイル7の配置と、コイル7の巻回方向を適切に選択することで、正弦波状の誘起電圧を発生させることができる。このように構成することで、良好なトルク特性、低トルクリップル性および高周波振動が小さいなどといった良好な動作特性を有する回転電機1が得られることが一般的に知られている。
なお、回転電機1において、良好な動作特性を得るためには、U相、V相およびW相の各コイル7によって発生する誘起電圧の合成ベクトルが、大きさが同じであって、電気角位相差120°毎に分布している状態が理想である。したがって、この理想状態またはこの理想状態に近い状態となるように、スロット5へのコイル7の配置と、コイル7の巻回方向とが選択される。また、コイル7が2層重ね巻きの形態だけでなく、同心巻きなど他の形態でスロット5に配置される場合も、同様のことがいえる。
次に、複数の鋼板を互いに連結するために溶接が施される連結位置11の詳細について説明する。図6は、本発明の実施の形態1において、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生するある時刻の起磁力の様子を示す説明図である。なお、説明を分かりやすくするため、図6においては、各コイル7の巻き数を1ターンとし、各コイル7に流れる電流の大きさを1Aとしたときの計算結果として、各磁極ティース4で発生する起磁力の理論値を示す。
ここで、スロット数Q=48および磁極数P=20の場合、毎極毎相スロット数qは、以下の式(1)のとおりとなる。なお、毎極毎相スロット数qは、回転電機の相数をmとするとき、スロット数Qおよび磁極数Pの関係を表す係数の1つとして一般的に用いられる。ここでは、回転電機1が三相交流回転電機であるので、m=3である。また、スロット数Qおよび磁極数Pの最大公約数をgcd(Q,P)とするとき、P/gcd(Q,P)は、3の倍数でないとする。
Figure 0006271088
また、回転電機1において、Q=48、P=20であるので、隣接する磁極ティース4間の電気角度差は、以下の式(2)のとおり、75°となる。
Figure 0006271088
ここで、仮に、磁極ティース#1〜#48において、任意の磁極ティース4を基準として選ぶ。なお、このように基準として選んだ磁極ティース4を基準磁極ティースと称す。各実施の形態では、磁極ティース#1を基準として選ぶ場合を例示する。
この場合、基準磁極ティースである磁極ティース#1の電気角を0°とすると、磁極ティース#1から[Q/{gcd(Q,P)×m}]個離れた位置に存在する磁極ティース4の電気角は、以下の式(3)のとおりとなる。
Figure 0006271088
ここで、前述のとおり、P/gcd(Q,P)が3の倍数ではないことから、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]がとりうる電気角は、以下のケース1からケース4のいずれかのようになる。
ただし、ケース1〜4において、aは、0以上の整数とする。また、xは、基準磁極ティースとする磁極ティース4の番号である。ここでは、基準磁極ティースを磁極ティース#1としているので、x=1となる。さらに、bについて、b=0,1,2となる。すなわち、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]とは、磁極ティース#x、磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}]、および磁極ティース#[x+2Q/{gcd(Q,P)×m}]を意味する。
<ケース1>
P/gcd(Q,P)=6a+1のとき
このとき、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]のそれぞれの電気角は、0°、60°(240°)、120°となる。ただし、括弧内の数値(すなわち、240°)は、コイル7が逆巻きに配置されたときの電気角を示す。
<ケース2>
P/gcd(Q,P)=6a+2のとき
このとき、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]のそれぞれの電気角は、0°、120°、240°となる。
<ケース3>
P/gcd(Q,P)=6a+4のとき
このとき、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]のそれぞれの電気角は、0°、240°、120°となる。
<ケース4>
P/gcd(Q,P)=6a+5のとき
このとき、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]のそれぞれの電気角は、0°、300°(120°)、240°となる。ただし、括弧内の数値(すなわち、120°)は、コイル7が逆巻きに配置されたときの電気角を示す。
このように、ケース1〜4のいずれにおいても、3個の磁極ティース#[x+Q/{gcd(Q,P)×m}×b]の電気角は、0°、120°、240°の組み合わせであることが分かる。
例えば、基準磁極ティースである磁極ティース#1をU相に対応する磁極ティース4とする場合、磁極ティース#[1+Q/{gcd(Q,P)×m}]は、V相に対応する磁極ティース4であり、磁極ティース#[1+2Q/{gcd(Q,P)×m}]は、W相に対応する磁極ティース4である。
本実施の形態1では、具体例として、Q=48、P=20であるので、以下の式(4)のとおりとなる。
Figure 0006271088
図6から分かるように、3個の磁極ティース#1、#5および#9では、それぞれ、電気角が120°ずれた位相で起磁力が発生している。また、磁極ティース#2、#6および#10など、電機子鉄心6の周方向に磁極ティース4個ピッチで離れた3個の磁極ティース4では、それぞれ、電気角が120°ずれた位相で起磁力が発生している。
ここで、回転電機1において、各相の起磁力がバランス良く発生することで、回転電機1の動作特性が良好となる。例えば、三相の場合には、U相、V相およびW相の各相の起磁力がバランス良く発生することで、回転電機1の動作特性が良好となる。
また、一般的に、電機子鉄心6の外周面に溶接を施すことで、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成される場合、溶接熱によって電機子鉄心6が内径方向に歪みを生じる可能性がある。これにより、磁極ティース4と磁石10とのギャップ距離が縮まり、結果として、回転電機1の動作特性が変化する可能性がある。
そこで、本実施の形態1では、電機子鉄心6の周方向に沿って、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで離れたm個の位置の集合を1個の位置群G1とする。換言すると、電機子鉄心6の周方向に沿って、角度[360/{gcd(Q,P)×m}]°ピッチで離れたm個の位置の集合を1個の位置群G1とする。
また、位置群G1に含まれるm個の位置は、電機子鉄心6の外周面上または内周面上に存在する。また、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで形成されたgcd(Q,P)個の複数の位置群G1のうちの1個以上の位置群のそれぞれに含まれる位置を連結位置11としている。
例えば、磁極ティース4の位置を連結位置11とする場合、1個の位置群G1は、m個の磁極ティース4の位置の集合となる。また、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで形成されたgcd(Q,P)個の位置群G1のうちのそれぞれに含まれる磁極ティース4の位置を連結位置11としている。さらに、この連結位置11に溶接を施している。
このように、位置群G1に含まれる磁極ティース4の位置を連結位置11とすることで、電機子鉄心6の溶接歪みの影響が各相の起磁力に等しく影響を与えるようにしている。これにより、電機子鉄心6に溶接を施しても、回転電機1の特性が良好に保たれる。
具体的には、図1で例示する回転電機1では、4個ピッチで離れた3個の磁極ティース4のそれぞれの位置の集合である位置群G1が4個分形成されている。換言すると、角度30°ピッチで離れた3個の磁極ティース4のそれぞれの位置である位置群G1が4個分形成されている。このように、位置群G1は、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで4個現れることとなる。
また、4個の位置群G1のうちのそれぞれに含まれる磁極ティース4の位置を連結位置11としている。すなわち、1番目の位置群G1に含まれる磁極ティース#1、#5および#9の位置と、2番目の位置群G1に含まれる磁極ティース#13、#17および#21の位置と、3番目の位置群G1に含まれる磁極ティース#25、#29および#33の位置と、4番目の位置群G1に含まれる磁極ティース#37、#41および#45の位置とを、連結位置11としている。
このように位置群G1の位置を連結位置11として溶接を施すことで、従来のように機械強度だけが考慮された位置に溶接を施す場合に比べて、回転電機の動作特性に与える影響を小さくすることができる。すなわち、位置群G1の位置に溶接を施すことで、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成されるとともに、電機子鉄心6の剛性を向上させつつ、従来と比べて、電機子鉄心6の歪みの発生による回転電機1の動作特性の悪化を抑制することができる。
次に、本実施の形態1における回転電機1の別例について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の実施の形態1における回転電機1の別例を示す平面図である。
本実施の形態1では、図1に示すように、gcd(Q,P)個の位置群G1のうちのすべての位置群G1の位置に溶接を施す場合を例示した。しかしながら、図7に示すように、gcd(Q,P)個の位置群G1のうちのすべての位置群G1の位置に溶接を施す必要はなく、1個以上の位置群G1の位置を連結位置11としてもよい。この場合であっても、回転電機1において、各相の起磁力がバランス良く発生するので、回転電機1の動作特性が良好となる。なお、図7では、2個の位置群G1の位置を連結位置11とする場合を例示している。
以上、本実施の形態1によれば、コイルが分布巻きの形態で電機子鉄心に組み立てて構成されている場合、gcd(Q,P)個の位置群のうちの1個以上の位置群のそれぞれに含まれる位置を連結位置とし、連結位置で、複数の鉄心ピース(具体的には、薄板状の鋼板)が連結されて電機子鉄心が形成されている。
これにより、複数の鉄心ピースを連結して電機子鉄心を形成した場合であっても、従来と比べて、電機子鉄心の歪みの発生による動作特性の悪化を抑制することのできる回転電機を得ることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、先の実施の形態1とは異なり、複数の鋼板を積層することで形成される複数の分割鉄心6a〜6cを、互いに連結することで一円の電機子鉄心6が形成される。図8は、本発明の実施の形態2における回転電機1Aを示す平面図である。
なお、回転電機1Aは、電機子鉄心6が3個の分割鉄心6a〜6cによって構成されていることを除いて、先の実施の形態1における回転電機1と同様である。したがって、図8において、各スロット5へのコイル7の配置は、先の実施の形態1と同様である。また、図8において、3個の分割鉄心6a〜6cによって構成される電機子鉄心6の外周側には、記号▼で示した連結位置11が等ピッチで設けられているが、この連結位置11も先の実施の形態1と同様である。さらに、図8に示す位置群G2も先の実施の形態1で説明した位置群G1と同様の概念である。
ここで、本実施の形態2では、連結位置11で、3個の分割鉄心6a〜6cを互いに連結されている。すなわち、分割鉄心6a〜6cのそれぞれの分割面12の位置を、連結位置11に一致させている。このような連結位置11に溶接を施すことで、3個の分割鉄心6a〜6cが互いに連結し、一円の連結体である電機子鉄心6が形成される。
なお、図8では、1番目の位置群G2に含まれる磁極ティース#1の位置と、3番目の位置群G3に含まれる磁極ティース#25および#33の位置とに、分割面12の位置を一致させる場合を例示している。
以上、本実施の形態2によれば、gcd(Q,P)個の位置群のうちの1個以上の位置群のそれぞれに含まれる位置を連結位置とし、連結位置のうちのいくつかを分割面の位置に一致させた上で、連結位置で、複数の鉄心ピース(具体的には、分割鉄心)が連結されて電機子鉄心が形成されている。
これにより、先の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、一円の電機子鉄心よりも小さく製作することのできる分割鉄心によって電機子鉄心を構成しているので、回転電機の生産作業性を向上させることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、先の実施の形態1、2とは異なり、磁極ティース4の位置ではなくスロット5の位置を連結位置11としている。図9は、本実施の形態3における回転電機1Bを示す平面図である。
なお、回転電機1Bは、磁極ティース4の位置ではなくスロット5の位置を、連結位置11としている点を除いて、先の実施の形態1における回転電機1と同様である。したがって、図9において、各スロット5へのコイル7の配置は、先の実施の形態1と同様である。
ここで、本実施の形態3では、1個の位置群G3は、m個のスロット5の位置の集合となる。また、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで形成されたgcd(Q,P)個の位置群G3のうちのそれぞれに含まれるスロット5の位置を連結位置11としている。
具体的には、図9で図示している回転電機1Bでは、4個ピッチで離れた3個のスロット5のそれぞれの位置の集合である位置群G3が4個分形成されている。換言すると、位置群G3は、先の実施の形態1と同様に、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで4個現れることとなる。
また、スロット#2を基準として、4個の位置群G3のうちのそれぞれに含まれるスロット5の位置を連結位置11としている。すなわち、1番目の位置群G3に含まれるスロット#2、#6および#10の位置と、2番目の位置群G3に含まれるスロット#14、#18および#22の位置と、3番目の位置群G3に含まれるスロット#26、#30および#34の位置と、4番目の位置群G3に含まれるスロット#38、#42および#46の位置とを、連結位置11としている。
このように、位置群G3の位置を連結位置11として溶接を施した場合であっても、回転電機1Bにおいて、各相の起磁力がバランス良く発生するので、回転電機1Bの動作特性が良好となる。
なお、先の実施の形態1と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G3のうちのすべての位置群G3の位置に溶接を施す必要はなく、1個以上の位置群G3の位置を連結位置11としてもよい。また、電機子鉄心6を複数個の分割鉄心から構成した場合、先の実施の形態2と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G3のうちの1個以上の位置群G3のそれぞれに含まれる位置を連結位置11とし、連結位置11のうちのいくつかを分割面12の位置に一致させるようにしてもよい。
以上、本実施の形態3によれば、磁極ティース4の位置ではなくスロット5の位置を連結位置11として、複数の鉄心ピースが連結されて電機子鉄心が形成されている場合であっても、先の実施の形態1、2と同様の効果が得られる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、先の実施の形態1〜3とは異なり、複数の磁極ティース4のうちの特定磁極ティースの位置を連結位置11としている。図10は、本発明の実施の形態4における回転電機1Cの平面図である。図11は、図10の電機子2の直線展開図である。なお、図11では、回転電機1Cの各スロット5に配置されているコイル7を説明するために、電機子2を仮想的に直線状に展開している。
なお、回転電機1Cは、連結位置11の位置関係を除いて、先の実施の形態1における回転電機1と同様である。したがって、図10において、各スロット5へのコイル7の配置は、先の実施の形態1と同様である。
ここで、回転電機1Cにおいて、スロット数Q=48および磁極数P=20であることから、毎極毎相スロット数qについて、式(1)を用いると、回転電機1と同様に、q=4/5となる。
図12は、本発明の実施の形態4において、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。なお、説明を分かりやすくするため、図12においては、各コイル7の巻き数を1ターンとし、各コイル7に流れる電流の大きさを1Aとしたときの計算結果として、各磁極ティース4で発生する起磁力の理論値を示す。
図12から、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅が一様ではないことが分かる。例えば、磁極ティース#3に着目すると、周辺の磁極ティース4と比べて、磁極ティース#3で発生する起磁力の振幅が小さいことが分かる。また、磁極ティース#3、#7、#11、・・・、#47に着目すると、4個毎に、起磁力の振幅が小さい磁極ティース4が現れることが分かる。以下、説明の便宜上、周辺と比べて起磁力の振幅が小さい磁極ティース4を、特定磁極ティースと称す。
続いて、各磁極ティース4で発生する合成起磁力について考える。磁極ティース4で発生する合成起磁力は、その磁極ティース4に巻回されている各コイル7によって発生する起磁力が合算されたものである。例えば、磁極ティース#3に着目すると、スロット#2およびスロット#4に配置されたコイル7(すなわち、U相コイル)によって発生する起磁力と、スロット#3およびスロット#5に配置されたコイル7(すなわち、V相コイル)によって発生する起磁力とを合算したものが、合成起磁力となる。
また、磁極ティース4で発生する合成起磁力の電気角位相と、その磁極ティース4に巻回されている各コイル7によって発生する起磁力の電気角位相のそれぞれとの位相差のうち、最大となる位相差を最大電気角位相差β°とする。この場合、最大電気角位相差β°が大きいほど、磁極ティース4で発生する合成起磁力が小さくなる。
ここで、最大電気角位相差β°について、図13を参照しながらさらに説明する。図13は、本発明の実施の形態4において、最大電気角位相差β°を説明するための説明図である。
なお、図13では、最大電気角位相差β°の説明を分かりやすくするために、コイルが分布巻きの形態で各スロットに配置されている一般的な電機子の一例として、電機子2と比べてコイルの巻きつけ方が異なる電機子2’を考える。また、各コイル7’の巻き数を1ターンとし、各コイル7’に流れる電流の大きさを1Aとする。
電機子2’では、電機子鉄心6’に対してコイル7’が2層重ね巻きの状態で巻きつけられており、各コイル7’では、コイルエンドが3個の磁極ティース4’を跨いでいる状態となっている。また、磁極ティース#αには3個のコイルA〜Cが巻きついていることから、磁極ティース#αで起磁力が発生している。
図13のベクトル図では、ある時刻におけるコイルA〜Cのそれぞれが発生させる起磁力と、それらの起磁力を合成した合成起磁力とが図示されている。
一例として、コイルA〜Cのそれぞれの巻き数が同じであり、さらにコイルA〜Cのそれぞれに流れる電流の大きさも同じであることから、各コイルA〜Cの起磁力ベクトルの大きさは、同じである。また、コイルA〜Cが作る起磁力の電気角位相をそれぞれ0°、30°、105°とすると、合成起磁力の位相が45°となる。この場合、合成起磁力とコイルA〜Cのそれぞれが作る起磁力との位相差が、それぞれ45°、15°、60°となり、合成起磁力とコイルCが作る起磁力との位相差が最も大きい。
したがって、磁極ティース#αで発生する合成起磁力の電気角位相と、その磁極ティース#αに巻回されている各コイルA〜Cによって発生する起磁力の電気角位相のそれぞれとの位相差において、最大電気角位相差β°が60°となる。また、合成起磁力は、コイルA〜Cの起磁力ベクトルのそれぞれの位相差が大きい程小さくなる。換言すると、最大電気角位相差β°が大きいほど、磁極ティース#αで発生する合成起磁力が小さくなる。
図10の説明に戻り、回転電機1Cの1周当たりの電気角は、磁極数Pによって決められる。この磁極に相対して、スロット5にコイル7を配置していくので、各磁極ティース4で発生する合成起磁力は、磁極数Pおよびスロット数Qに依存して決められることとなる。
以上の考察を踏まえて、本発明者は、コイル7が分布巻きの形態でスロット5に配置される場合、特定磁極ティースが、スロット数Qおよび磁極数Pに依存した、以下の規則(1)に従って現れることを見出した。
・規則(1)
コイル7が分布巻きの形態でスロット5に配置されている回転電機1の毎極毎相スロット数qの分子数をqcとすると、電機子2の周方向に対してqc個毎に、特定磁極ティースが規則的に現れる。
換言すると、各磁極ティース4の最大電気角位相差β°について、最大電気角位相差β°が最も大きくなる磁極ティース4が特定磁極ティースとして、qc個毎に規則的に現れる。
ここで、本実施の形態1では、回転電機1の毎極毎相スロット数qが4/5となる場合を例示しているので、毎極毎相スロット数qの分子数qcが4となる。図12に示したとおり、電機子2の周方向に対して4個毎に特定磁極ティースが現れるので、規則(1)を満たす。
また、毎極毎相スロット数qの分子数qcは、以下の式(5)のように表すことができる。
Figure 0006271088
また、電機子2において、特定磁極ティースが等間隔で現れるので、規則(1)は、機械角度を用いて、以下の規則(1’)のように言い換えることができる。
・規則(1’)
電機子2の周方向に沿って、特定磁極ティースは、以下の式(6)の角度ピッチで等間隔に現れる。
Figure 0006271088
式(6)に対して、スロット数Q=48、磁極数P=20および相数m=3を代入すると、以下の式(7)のとおりとなる。
Figure 0006271088
また、スロット数Qが48の電機子2において、図12に示したとおり、電機子2の周方向に対して4個毎に特定磁極ティースが現れるので、30°の角度ピッチで特定磁極ティースが現れていることとなる。したがって、規則(1’)を満たす。
このように、規則(1)および規則(1’)に従って現れる特定磁極ティースは、特定磁極ティース以外の他の磁極ティース4と比較すると、起磁力の振幅が小さい。
また、先の実施の形態1〜3と同様に、1個の位置群G4は、m個の特定磁極ティースの位置の集合となり、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチでgcd(Q,P)個の位置群G4が形成される。さらに、式(7)より、3個の特定磁極ティースの位置の集合である位置群G4は、電機子鉄心6の周方向に沿って等ピッチで4個現れる。
すなわち、4個の位置群G4のそれぞれに含まれる、隣接する3個の特定磁極ティースは、それぞれU相、V相およびW相の各相に対応する起磁力を発生させる磁極ティース4である。したがって、特定磁極ティースは、他の磁極ティース4と比べて、ティース形状の歪み、および磁石10とのギャップ距離の変化に対して、回転電機1の動作特性に与える影響が小さいといえる。
そこで、本実施の形態4では、回転電機1Cの動作特性に与える影響が他の磁極ティース4に比べて小さい特定磁極ティースの位置で形成されたgcd(Q,P)個の位置群G4のそれぞれに含まれる特定磁極ティースの位置を連結位置11としている。具体的には、図10に示すように、磁極ティース#3、#7、・・・、#47の各特定磁極ティースが設けられているコアバック3の部分の外周面の位置を連結位置11として、この連結位置11に溶接を直線状に施している。
このような連結位置11に溶接を施すことで、特定磁極ティース以外の他の磁極ティース4の位置に溶接を施す場合に比べて、回転電機の動作特性に与える影響をより小さくすることができる。すなわち、特定磁極ティースの位置に溶接を施すことで、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成されるとともに、電機子鉄心6の剛性を向上させつつ、従来と比べて、電機子鉄心6の歪みの発生による回転電機1の動作特性の悪化をより抑制することができる。
なお、本実施の形態4における回転電機1Cの別例について、図14に示すように、回転電機1Cを構成してもよい。図14は、本発明の実施の形態4における回転電機1Cの別例を示す平面図である。
すなわち、図14に示すように、先の実施の形態1と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G4のうちのすべての位置群G4の位置に溶接を施す必要はなく、1個以上の位置群G4の位置を連結位置11としてもよい。
また、電機子鉄心6を複数個の分割鉄心から構成した場合、先の実施の形態2と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G4のうちの1個以上の位置群G4のそれぞれに含まれる位置を連結位置11とし、連結位置11のうちのいくつかを分割面12の位置に一致させるようにしてもよい。
以上、本実施の形態4によれば、コイルが分布巻きの形態で電機子鉄心に組み立てて構成されている場合、電機子の1個の磁極ティースに巻回されている各コイルによって発生する各起磁力を合算した合成起磁力の電気角位相と、各起磁力の電気角位相のそれぞれとの位相差のうち、最大となる位相差を最大電気角位相差とすると、複数の磁極ティースのうち、最大電気角位相差が最大となる磁極ティースである複数の特定磁極ティースの位置で、複数の鉄心ピース(具体的には、薄板状の鋼板)が連結されて電機子鉄心が形成されている。
これにより、複数の鉄心ピースを連結して電機子鉄心を形成した場合であっても、従来と比べて、電機子鉄心の歪みの発生による動作特性の悪化を抑制することのできる回転電機を得ることができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、先の実施の形態4に対して、回転電機1Dの構造が異なる。図15は、本発明の実施の形態5における回転電機1Dを示す平面図である。図16は、図15に対して、連結位置11と溶接によって発生する電機子鉄心6の歪みとを図示していない回転電機1Dを示す平面図である。
なお、本実施の形態5では、スロット数Qが36であり、磁極数Pが14である場合を例示している。また、本実施の形態5では、先の実施の形態4と同様に、コイル7が2層重ね巻きの形態でスロット5に配置されているが、コイル7が配置されるスロット5の箇所が先の実施の形態4とは異なる。
次に、各スロット5へのコイル7の具体的な配置例について説明する。図17は、図16の電機子2の直線展開図である。
なお、図17では、先の図4および図5と同様に、回転電機1Dの各スロット5に配置されているコイル7を説明するために、電機子2を仮想的に直線状に展開している。また、図17中の各記号の意味は、先の図4および図5と同様である。
ここで、例えば、磁極ティース#2、磁極ティース#3および磁極ティース#4に跨って巻回されて、スロット#2およびスロット#5に配置されたコイル7について着目する。スロット#2およびスロット#5に配置されたコイル7には、W相電流が流れる。また、スロット#2のコイル辺には、紙面奥側の向きに電流が流れ、スロット#5のコイル辺には、紙面手前側に電流が流れる。
次に、複数の鋼板を互いに連結するために溶接が施される連結位置11の詳細について説明する。図18は、本発明の実施の形態5において、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。なお、説明を分かりやすくするため、図18においては、各コイル7の巻き数を1ターンとし、各コイル7に流れる電流の大きさを1Aとしたときの計算結果として、各磁極ティース4で発生する起磁力の理論値を示す。
ここで、スロット数Q=36および磁極数P=14の場合、毎極毎相スロット数qについて、式(1)を用いれば、q=6/7となる。
図18から、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅が一様ではないことが分かる。例えば、磁極ティース#5および磁極ティース#6に着目すると、周辺の磁極ティース4と比べて、磁極ティース#5および磁極ティース#6で発生する起磁力の振幅が小さいことが分かる。また、磁極ティース#5および#6、#11および#12、・・・、#35および#36に着目すると、6個毎に、起磁力の振幅が小さい磁極ティース4が特定磁極ティースとして現れることが分かる。
ここで、本実施の形態5では、回転電機1Cの毎極毎相スロット数qが6/7となる場合を例示しているので、毎極毎相スロット数qの分子数qcが6となり、式(5)を満たす。また、図18に示したとおり、電機子2の周方向に対して6個毎に特定磁極ティースが現れるので、規則(1)を満たす。
続いて、式(6)に対して、スロット数Q=36、磁極数P=14および相数m=3を代入すると、以下の式(8)のとおりとなる。
Figure 0006271088
また、スロット数Qが36の電機子2において、図18に示したとおり、電機子2の周方向に対して6個毎に特定磁極ティースが現れるので、60°の角度ピッチで特定磁極ティースが現れていることとなる。したがって、規則(1’)を満たす。
このように、先の実施の形態4と同様に、規則(1)および規則(1’)に従って、特定磁極ティースが現れる。
そこで、本実施の形態5では、特定磁極ティースが隣り合っている場合、1組の隣り合う特定磁極ティースの間に設けられたスロット5の位置で位置群G5を形成する。すなわち、1個の位置群G5は、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで隣り合うm個のスロット5の位置の集合である。そして、隣り合う特定磁極ティースの間に設けられたスロット5の位置で形成されたgcd(Q,P)個の位置群G5のそれぞれに含まれるスロット5の位置を連結位置11としている。具体的には、図15に示すように、スロット#6、#12、・・・、#36の各スロット5に対向するコアバック3の部分の外周面の位置を連結位置11として、この連結位置11に溶接を直線状に施している。
なお、本実施の形態5では、図15に示すように、隣り合う特定磁極ティースの間に設けられたスロット5の位置を連結位置11としたが、隣り合う特定磁極ティースのいずれか一方、または両方の位置を、連結位置11としてもよい。また、2個以上隣り合う特定磁極ティースが現れる場合には、これらの特定磁極ティースが存在する範囲内を連結位置11としてもよい。このように、隣り合う特定磁極ティースが存在する場合には、隣り合う特定磁極ティースが存在する範囲内の位置を連結位置11として、この連結位置11で、複数の鉄心ピースを連結することができる。
このような連結位置11に溶接を施すことで、先の実施の形態4と同様に、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成されるとともに、電機子鉄心6の剛性を向上させつつ、従来と比べて、電機子鉄心6の歪みの発生による回転電機1の動作特性の悪化を抑制することができる。
なお、先の実施の形態1と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G5のうちのすべての位置群G5の位置に溶接を施す必要はなく、1個以上の位置群G5の位置を連結位置11としてもよい。
また、電機子鉄心6を複数個の分割鉄心から構成した場合、先の実施の形態2と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G5のうちの1個以上の位置群G5のそれぞれに含まれる位置を連結位置11とし、連結位置11のうちのいくつかを分割面12の位置に一致させるようにしてもよい。
以上、本実施の形態5によれば、先の実施の形態4に対して、特定磁極ティースが隣り合っている場合、特定磁極ティースの位置の代わりに、隣り合う特定磁極ティースが存在する範囲内の位置で、複数の鉄心ピースが連結されている。これにより、先の実施の形態4と同様の効果が得られる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6では、先の実施の形態1〜5に対して、回転電機1Eの構造が異なる。図19は、本発明の実施の形態6における回転電機1Eを示す平面図である。図20は、図19に対して、連結位置11と溶接によって発生する電機子鉄心6の歪みとを図示していない回転電機1Eを示す平面図である。
なお、本実施の形態6では、スロット数Qが36であり、磁極数Pが14である場合を例示している。また、本実施の形態6では、先の実施の形態1〜5とは異なり、コイル7が同心巻きの形態でスロット5に配置されている。
次に、各スロット5へのコイル7の具体的な配置例について説明する。図21は、図20の電機子2の直線展開図である。
なお、図21では、先の図4および図5と同様に、回転電機1Eの各スロット5に配置されているコイル7を説明するために、電機子2を仮想的に直線状に展開している。また、図21中の各記号の意味は、先の図4および図5と同様である。また、各コイルが同心円弧状に巻回されるとともに、各スロット5には、一相分のコイル7が配置されている。
ここで、例えば、磁極ティース#2、磁極ティース#3および磁極ティース#4に跨って巻回されて、スロット#2およびスロット#5に配置されたコイル7について着目する。スロット#2およびスロット#5に配置されたコイル7には、W相電流が流れる。また、スロット#2のコイル辺には、紙面手前側の向きに電流が流れ、スロット#5のコイル辺には、紙面奥側に電流が流れる。
次に、複数の鋼板を互いに連結するために溶接が施される連結位置11の詳細について説明する。図22は、本発明の実施の形態6において、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅を示す説明図である。なお、説明を分かりやすくするため、図22においては、各コイル7の巻き数を1ターンとし、各コイル7に流れる電流の大きさを1Aとしたときの計算結果として、各磁極ティース4で発生する起磁力の理論値を示す。
ここで、スロット数Q=36および磁極数P=14の場合、毎極毎相スロット数qについて、式(1)を用いれば、q=6/7となる。
図22から、各磁極ティース4に巻回されているコイル7によって発生する起磁力の振幅が一様ではないことが分かる。例えば、磁極ティース#6に着目すると、磁極ティース#6で発生する起磁力がゼロ、すなわち、磁極ティース#6で起磁力が発生しないことが分かる。また、磁極ティース#6、#12、・・・、#36に着目すると、6個毎に、起磁力が発生しない磁極ティース4が特定磁極ティースとして現れることが分かる。
ここで、本実施の形態6では、回転電機1Eの毎極毎相スロット数qが6/7となる場合を例示しているので、毎極毎相スロット数qの分子数qcが6となり、式(5)を満たす。また、図22に示したとおり、電機子2の周方向に対して6個毎に特定磁極ティースが現れるので、規則(1)を満たす。また、特定磁極ティースは、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで現れるので、先の実施の形態4と同様に、特定磁極ティースの位置で位置群G6が形成される。
続いて、式(6)に対して、スロット数Q=36、磁極数P=14および相数m=3を代入すると、以下の式(9)のとおりとなる。
Figure 0006271088
また、スロット数Qが36の電機子2において、図22に示したとおり、電機子2の周方向に対して6個毎に特定磁極ティースが現れるので、60°の角度ピッチで特定磁極ティースが現れていることとなる。したがって、規則(1’)を満たす。
このように、先の実施の形態4と同様に、規則(1)および規則(1’)に従って、特定磁極ティースが現れる。
そこで、本実施の形態6では、特定磁極ティースの位置で位置群G6を形成する。すなわち、1個の位置群G6は、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで隣り合うm個の特定磁極ティースの位置の集合である。そして、特定磁極ティースの位置で形成されたgcd(Q,P)個の位置群G6のそれぞれに含まれる特定磁極ティースの位置を連結位置11としている。具体的には、図19に示すように、磁極ティース#6、#12、・・・、#36の各特定磁極ティースが設けられているコアバック3の部分の外周面の位置を連結位置11として、この連結位置11に溶接を直線状に施している。
このような連結位置11に溶接を施すことで、先の実施の形態4と同様に、複数の鋼板が互いに連結され、電機子鉄心6が形成されるとともに、電機子鉄心6の剛性を向上させつつ、従来と比べて、電機子鉄心6の歪みの発生による回転電機1Eの動作特性の悪化を抑制することができる。
このように、コイル7が同心巻きの形態でスロット5に配置されている回転電機1Eに対して、先の実施の形態4、5に係る発明が適用可能であることが分かるが、先の実施の形態1〜3に係る発明も適用可能である。
すなわち、電機子2の各磁極ティース4の電気角位相は、先の実施の形態1〜5で示した、コイル7が2層重ね巻き形態の回転電機と同様に式(2)、すなわち、スロット数Qおよび磁極数Pによって決まる。
ここで、仮に磁極ティース#1の電気角を0°とすると、磁極ティース#1から[Q/{gcd(Q,P)×m}]個離れた位置の磁極ティース4の電気角は、以下の式(10)のとおりとなる。
Figure 0006271088
式(10)は、式(3)と同じ式である。すなわち、本実施の形態6のように、コイル7が電機子鉄心6に対して同心巻きに組み立てられている回転電機1Eにおいても、コイル7が電機子鉄心6に対して2層重ね巻きの形態で組み立てられている回転電機と同様に、位置群G6を形成することができる。すなわち、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで離れたm個の磁極ティースのそれぞれの位置の集合である位置群G6がgcd(Q,P)個分形成される。
したがって、回転電機1Eに対して、先の実施の形態1〜3に係る発明も適用可能であり、先の実施の形態1〜3と同様に連結位置11を配置した場合、同様の効果を得ることができる。
以上、本実施の形態6によれば、先の実施の形態1〜5とは異なり、コイルが同心巻きの形態でスロットに配置されている場合であっても、先の実施の形態1〜5と同様の効果が得られる。このように、コイルが電機子鉄心に組み立てられる際の構成が、同心巻きの形態の場合であっても本願発明を適用可能であり、分布巻きであれば、2層重ね巻きなどの特定の形態によらず、本願発明を適用可能であることがいえる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7では、先の実施の形態1〜6に対して、回転電機1Fの構造が異なる。図23は、本発明の実施の形態7における回転電機1Fを示す平面図である。図24は、図23に対して、連結位置11と溶接によって発生する電機子鉄心6の歪みとを図示していない回転電機1Fを示す平面図である。
なお、本実施の形態7では、スロット数Qが36であり、磁極数Pが28である場合を例示している。また、本実施の形態7では、先の実施の形態1〜6とは異なり、コイル7が集中巻きの形態でスロット5に配置されている。
次に、各スロット5へのコイル7の具体的な配置例について説明する。図25は、図24の電機子2の直線展開図である。
なお、図25では、先の図4および図5と同様に、回転電機1Fの各スロット5に配置されているコイル7を説明するために、電機子2を仮想的に直線状に展開している。また、各コイルが磁極ティース4に集中的に巻回されるとともに、各スロット5には、二相分のコイル7が配置されている。
ここで、例えば、磁極ティース#2に集中的に巻回されて、スロット#2およびスロット#3に配置されたコイル7について着目する。スロット#2およびスロット#3に配置されたコイル7には、V相電流が流れる。また、スロット#2のコイル辺には、紙面手前側の向きに電流が流れ、スロット#3のコイル辺には、紙面奥側に電流が流れる。
次に、複数の鋼板を互いに連結するために溶接が施される連結位置11の詳細について説明する。
電機子2の各磁極ティース4の電気角位相は、先の実施の形態1〜6で示した、コイル7が分布巻き形態の回転電機と同様に、以下の式(11)、すなわちスロット数Qと磁極数Pによって決まる。
Figure 0006271088
ここで、仮に磁極ティース#1の電気角を0°とすると、磁極ティース#1から[Q/{gcd(Q,P)×m}]個離れた位置の磁極ティース4の電気角は、以下の式(12)のとおりとなる。
Figure 0006271088
式(12)は、式(3)と同じ式である。すなわち、本実施の形態7のように、コイル7が電機子鉄心6に対して集中巻きに組み立てられている回転電機1Fにおいても、コイル7が電機子鉄心6に対して分布巻きで組み立てられている回転電機と同様に、位置群G7を形成することができる。すなわち、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで離れたm個の磁極ティース4のそれぞれの位置の集合である位置群G7がgcd(Q,P)個分形成される。
そこで、本実施の形態7では、先の実施の形態1と同様に、gcd(Q,P)個の位置群G7のそれぞれに含まれる磁極ティース4の位置を連結位置11としている。具体的には、図23に示すように、磁極ティース#1、#4、・・・、#34が設けられているコアバック3の部分の外周面の位置を連結位置11として、この連結位置11に溶接を直線状に施している。
なお、図26に示すように、先の実施の形態3と同様に回転電機1Fを構成してもよい。図26は、本発明の実施の形態7における回転電機1Fの別例を示す平面図である。
すなわち、[Q/{gcd(Q,P)×m}]個ピッチで離れたm個のスロット5のそれぞれの位置の集合である位置群G7がgcd(Q,P)個分形成された場合、gcd(Q,P)個の位置群G7のそれぞれに含まれるスロット5の位置を連結位置11とする。
具体的には、図26に示すように、スロット#2、#5、・・・、#35のコアバック3の部分の外周面の位置を連結位置11として、この連結位置11に溶接を直線状に施している。
このように、回転電機1Fに対して、先の実施の形態1〜3に係る発明も適用可能であり、先の実施の形態1〜3と同様に連結位置11を配置した場合、同様の効果を得ることができる。
以上、本実施の形態7によれば、コイルが集中巻きの形態でスロットに配置されている場合であっても、先の実施の形態1〜3と同様に連結位置を配置することで、同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態1〜7では、複数の鉄心ピースを連結するための手法の一例である溶接を連結位置11に施すことで、電機子鉄心6を形成する場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、連結位置11に溶接を施す代わりに、カシメ固定またはピン打ち固定などの他の手法を施すことで、複数の鉄心ピースを連結し、電機子鉄心6を形成してもよい。
また、本実施の形態1〜7において、gcd(Q,P)個の位置群のうちの1個以上の位置群に含まれる位置に、電機子鉄心6を固定し保持するハウジングケース14との圧入などをするための固定部13を、図27に示すように設けてもよい。図27は、本発明の実施の形態1〜7における回転電機1〜1Fとは異なる別の形態の回転電機1Gを示す平面図である。
固定部13は、圧入などの方法でハウジングケース14と連結されるので、固定部13を中心に電機子鉄心6が歪む場合がある。しかし、gcd(Q,P)個の位置群のうちの1個以上の位置群に含まれる位置に、固定部13を設けることで、先の実施の形態1〜7と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1〜7では、電機子鉄心6の外周側の位置を連結位置11とする場合を例示したが、電機子鉄心6の内周側の位置または電機子鉄心6の上下面の位置を連結位置11としても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態1〜7では、電機子鉄心6に薄板を積層した積層鉄心を用いているが、電機子鉄心は一体ブロック部品であってもよく、また、銅など、鉄以外の材料を使用してもよい。
また、本実施の形態1〜7では、電機子2が外周側に、回転子8が内周側に配置されたインナーローター型の回転電機を例示している。しかしながら、本願発明は、スロット数Qおよび磁極数Pのみに依存するので、アウターローター型、アキシャルギャップモーター型など、他の形態の回転電機に対しても適用可能である。

Claims (6)

  1. 円環形状のコアバックと、前記コアバックの内周面から径方向内方に延在して周方向に配列されている複数の磁極ティースと、周方向に隣り合う前記磁極ティースの間に設けられている複数のスロットとを有し、複数の鉄心ピースを連結して形成される電機子鉄心と、
    分布巻きまたは集中巻きの形態で前記複数のスロットの各スロットに配置される複数のコイルと、
    を有する電機子と、
    外周面に複数の磁石が周方向に配列されている回転子と、
    を備えた回転電機であって、
    前記複数のスロットの個数をQとし、前記複数の磁石の個数をPとし、QおよびPの最大公約数をgcd(Q,P)とし、相数をmとし、前記電機子鉄心の周方向に沿って、角度
    Figure 0006271088
    ピッチで離れたm個の位置の集合を1個の位置群としたとき、
    前記電機子鉄心の周方向に沿って等ピッチで形成されたgcd(Q,P)個の位置群のうちの任意に選んだ1個以上の位群に含まれる全ての前記位置を連結位置とし、選ばなかった残りの位置群に含まれる全ての前記位置をいずれも連結位置としないようにして、前記連結位置で前記複数の鉄心ピースが連結されている
    回転電機。
  2. 前記磁極ティースまたは前記スロットの位置が前記連結位置となっている
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記複数のコイルは、前記分布巻きの形態で前記各スロットに配置され、
    1個の前記磁極ティースに巻回されている前記複数のコイルの各コイルによって発生する各起磁力を合算した合成起磁力の電気角位相と、前記各起磁力の電気角位相のそれぞれとの位相差のうち、最大となる位相差を最大電気角位相差としたとき、
    前記複数の磁極ティースのうち、前記最大電気角位相差が最大となる前記磁極ティースである特定磁極ティースの位置が前記連結位置となっている
    請求項1に記載の回転電機。
  4. 複数の前記特定磁極ティースのうち、隣り合う前記特定磁極ティースが存在する場合、前記特定磁極ティースの位置の代わりに、隣り合う前記特定磁極ティースが存在する範囲内の位置が前記連結位置となっている
    請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記電機子鉄心の周方向に沿って、角度
    Figure 0006271088
    毎に、前記特定磁極ティースが現れる
    請求項3または4に記載の回転電機。
  6. 前記電機子鉄心は、前記複数の鉄心ピースとして、複数の分割鉄心を連結して形成される
    請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機。
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