JP6269418B2 - 機器用コネクタ - Google Patents
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Description
しかしながら、導出部の外面全体を筒状の部分で全周亘って覆うと、筒状の部分と導出部との間に水などが浸入した場合、シールド体の内側に水が溜まってしまい、機器用コネクタをケースの取付孔から外す際に、シールド体の内側に溜まった水が、機器用コネクタを伝うなどして取付孔からケース内に浸入してしまう虞がある。
このような機器用コネクタによると、電線導入部が収容される側の開口などから筒状部内に水が浸入したとしても、筒状部内の水を水抜き孔から排出することができるから、ケースの取付孔から機器用コネクタを取り外す際に、水がケース内に浸入することを防ぐことができる。
前記電線導入部と共に前記筒状部を貫通させて、前記ケースに締め込むことにより、前記ハウジングを前記取付孔に嵌合させる嵌合ボルトと、前記筒状部の外面に装着され、同記筒状部の前記電線導入部が収容される一側開口とは反対側の他側開口の縁部に接続されるシールド導体を覆う防水カバーとを備え、前記シール部材は、前記嵌合ボルトの位置よりも前記他側開口側に配されている構成としてもよい。
このような構成によると、シールド導体を防水しつつ、筒状部に嵌合ボルトを貫通させることで、筒状部内に浸入した水が筒状部内に溜まり易くなるから、水抜き孔を設けることは、非常に有効である。
このような構成によると、電線導入部と筒状部との何れの場所に水が浸入した場合でも、それぞれの水抜き孔から筒状部内の水を排出することができる。
このような構成によると、筒状部内に電線導入部を収容する際に、水抜き孔の開口縁にシール部材が接触してシール部材が損傷することを防ぐことができる。
このような構成によると、シール部材によって拡径部の底部上に堰き止められる水を水抜き孔から下方に速やかに排出できる。また、筒状部が水抜き孔を通して露出した状態になっていないから、筒状部におけるシールド性能の低下を抑制することができる。
このような構成によると、シール部材によって拡径部の底部上に堰き止められた水を水抜き孔から速やかに側方に排出することができる。
実施形態1について図1および図2を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載される機器のケースCに設けられた取付孔C1に装着される機器用コネクタ10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向を基準とする。また、前後方向とは、図1における図示左方を前方とし、図示右方を後方として説明する。
雄端子20の後端部は、外周面にねじ山が形成された雄ねじ部22とされており、この雄ねじ部22を後述するハウジング30に埋設されたナットNに締め込むことにより、雄端子20がハウジング30内に固定されるようになっている。
嵌合部31は、横方向にやや幅広な略円筒状に形成されており、前方に開口した形態をなしている。嵌合部31の外周面には嵌合部用シールリング37が嵌着されている。この嵌合部用シールリング37は、嵌合部31をケースCの取付孔C1に嵌合させた際に、取付孔C1の内周面と嵌合部31の外周面とに全周に亘って密着し、取付孔C1からケースC内への水などの浸入を防いでいる。
電線導入部32は、横方向にやや幅広で上下に長い形態をなしており、下方に開口した形態をなしている。電線導入部32の下端部内には、ゴム栓押さえ35によって抜け止めされたゴム栓36が装着されている。このゴム栓36は、電線導入部32の内周面と電線導入部32内に導入された電線Wの外周面とに密着することで電線導入部32の下端開口から電線導入部32内への水などの浸入を防いでいる。
また、電線導入部32の上端部には、前後に貫通する嵌合ボルト挿通孔32Aが設けられており、この嵌合ボルト挿通孔32Aには、ケースCに締め込むことで嵌合部31を取付孔C1に嵌合させる嵌合ボルトBが挿通可能とされている。
中継端子50は、導電性に優れた金属板材をプレス加工などによって形成されており、上下に長い形態とされている。また、中継端子50は、平板状の端子締結部51の下方に電線接続部52が連設された形態をなしており、電線Wの端末において露出された芯線W1に電線接続部52が圧着されることで、電線Wの端末である電線Wの上端部に中継端子50が接続されている。
アッパシェル61は、前方および下方に開口した箱形状に形成されており、連結部33における上面、後面、幅方向の両側面の4面を完全に覆う形態をなしている。アッパシェル61の前端開口縁における上端部61Aは、アッパシェル61をハウジング30に組み付けた際に、嵌合部31の上端後面31Aに接触するようになっている。また、アッパシェル61の上端部61Aには、上方に延出された後、前方に延出された固定片64が設けられており、アッパシェル61の後面65における下端部には、板厚方向に貫通する挿通孔65Aが前後に開口して設けられている。
ロアシェル62の上下方向略中央部は、アッパシェル嵌合部66よりも小径で、かつシールド接続部67よりも僅かに拡径されたカバー装着部68とされている。アッパシェル嵌合部66の側壁66Cとカバー装着部68との間には、カバー装着部68の上端部から径方向に張り出してアッパシェル嵌合部66の下端部に連結される段差部(「壁部」の一例)69が全周に亘って設けられており、この段差部69がアッパシェル嵌合部66の底部を構成している。また、段差部69とカバー装着部68の境界部分における内面は、丸みを帯びた滑らかな曲面70とされている。
装着凹部74は、電線導入部32の外周面から径方向に全周に亘って張り出した2本のリブ74Aと2本のリブ74A間における電線導入部32の外周面とによって構成されており、装着凹部74内にシールリング72が装着されると、シールリング72の内周面に周設された複数条(本実施形態では2条)の内周リップ75が電線導入部32の外周面に密着するようになっている。
機器のケースCに機器用コネクタ10を装着する際には、ケースCの取付孔C1に嵌合部31の前端部を浅く嵌合させる。そして、アッパシェル61の後方から、アッパシェル61の挿通孔65A、ロアシェル62の後側のボルト挿通孔71、電線導入部32の嵌合ボルト挿通孔32A、ロアシェル62の前側のボルト挿通孔71の順に挿通させた嵌合ボルトBをケースCに対して締め込む。
また、本実施形態によると、水抜き孔77が、ロアシェル62内に収容された電線導入部32を露出させないように電線導入部32の周りに複数設けられているから、ロアシェル62におけるシールド性能の低下を抑制しつつ、アッパシェル嵌合部66内の水を水抜き孔77から速やかに排出することができる。
次に、実施形態2について図3を参照して説明する。
実施形態2の機器用コネクタ110は、実施形態1におけるロアシェル62の水抜き孔77の位置を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
すなわち、本実施形態によると、シールリング72によって段差部69上に堰き止められた水を、水抜き孔177から側方に速やかに排出することができる。これにより、ケースCの取付孔C1から機器用コネクタ110を取り外す際に、水がケースC内に浸入することを防ぐことができる。また、本実施形態によると、機器用コネクタ110が僅かに傾いた際に、アッパシェル嵌合部66内の水を、傾いた側の水抜き孔177を通してアッパシェル嵌合部66の下端部から速やかに排出することができる。
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、ロアシェル62のアッパシェル嵌合部66に嵌合ボルトBが挿通されるボルト挿通孔71を設け、ボルト挿通孔71の下方にシールリングを配した構成とした。しかしながら、これに限らず、ロアシェルの上端開口縁部にシールリングを配することができず、ロアシェル内に水が浸入する機器用コネクタにも、本明細書で開示した技術を適用することができる。
(2)上記実施形態では、段差部69が径方向に張り出した構成とした。しかしながら、これに限らず、段差部が径方向外側に張り出すほど上方に傾斜する構成にしてもよい。
(3)上記実施形態1では、水抜き孔77を下方向に開口する構成とし、上記実施形態2では、水抜き孔177を側方に開口する構成とした。しかしながら、これに限らず、水抜き孔をアッパシェル嵌合部の側壁と段差部との境界部分において斜め方向に開口して構成してもよい。
30:ハウジング
32:電線導入部
50:中継端子(端子)
60:シールドシェル
62:ロアシェル(筒状部)
66:アッパシェル嵌合部(拡径部)
66C:側壁(壁部)
69:段差部(壁部)
72:シールリング(シール部材)
B:嵌合ボルト
C:ケース
C1:取付孔
G:ゴムブーツ(防水カバー)
H:編組線(シールド導体)
W:電線
Claims (6)
- 車両に搭載される機器のケースに設けられた取付孔に装着される機器用コネクタであって、
電線の端末に接続された端子と、
前記端子と共に前記電線が導入される電線導入部を有し、前記取付孔に嵌合可能に設けられた合成樹脂製のハウジングと、
前記電線導入部を内部に収容し、同電線導入部の外周面を全周に亘って覆う筒状の筒状部を有する金属製のシールドシェルと、
前記電線導入部の外面に嵌着され、前記筒状部と前記電線導入部との間をシールするシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記電線導入部に設けられた装着凹部に装着されており、
前記筒状部において、前記電線導入部が収容される側を一側、前記一側と反対側を他側とした場合、前記筒状部には、前記装着凹部の前記一側の端部の側方に同筒状部の壁部を貫通する水抜き孔が設けられている機器用コネクタ。 - 前記電線導入部と共に前記筒状部を貫通させて、前記ケースに締め込むことにより、前記ハウジングを前記取付孔に嵌合させる嵌合ボルトと、
前記筒状部の外面に装着され、同記筒状部の前記電線導入部が収容される一側開口とは反対側の他側開口の縁部に接続されるシールド導体を覆う防水カバーとを備え、
前記シール部材は、前記嵌合ボルトの位置よりも前記他側開口側に配されている請求項1に記載の機器用コネクタ。 - 前記水抜き孔は、前記電線導入部の外周に間隔を空けて複数形成されている請求項1または請求項2に記載の機器用コネクタ。
- 前記水抜き孔は、前記筒状部において前記シール部材が接触する部分よりも拡幅された部分に設けられることにより、前記筒状部内における前記シール部材の進入経路の外側に配されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の機器用コネクタ。
- 前記筒状部は、前記電線導入部が収容される一側開口を上方に開口させた状態で前記電線導入部に装着されるようになっており、
前記水抜き孔は、前記筒状部における前記シール部材が接触する部分の直上に拡径して設けられた拡径部の底部を上下方向に貫通して設けられている請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機器用コネクタ。 - 前記筒状部は、前記電線導入部が収容される一側開口を上方に開口させた状態で前記電線導入部に装着されるようになっており、
前記水抜き孔は、前記筒状部における前記シール部材が接触する部分の直上に拡径して設けられた拡径部の底部に沿って側方に開口して設けられている請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機器用コネクタ。
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