JP6264986B2 - シート製造装置 - Google Patents
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Description
本実施形態のシート製造装置100は、解繊部20を有する。解繊部20は、被解繊物を解繊処理する。解繊部20は、被解繊物を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた解繊物を生成する。また解繊部20は、被解繊物に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の粒子状の物質を、繊維から分離させる機能も有する。
本明細書において、被解繊物とは、シート製造装置100の原材料を含む物品のことを指し、例えば、パルプシート、紙、古紙、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット、段ボールなどの、繊維が絡み合い又は結着されたものを指す。また、本明細書において、被解繊物は、シート製造装置100によって製造されたシート若しくは使用後の該シート(古シート)であってもよい。また、被解繊物には、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス、金属からなる繊維等(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)が含まれていてもよい。また、本実施形態のシート製造装置100において、後述する分級部30が備えられる場合には、被解繊物として、特に古紙、古シート等を有効に利用することができる。
本実施形態のシート製造装置100において、解繊物は、製造されるシートの材料の一部として使用される。解繊物は、上述の被解繊物を解繊処理して得られる繊維を含み、係る繊維として、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられる。解繊物に含まれる繊維として、更に詳しくは、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等に由来する繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製などを行った再生繊維として用いてもよい。解繊物は、製造されるシートの材料となるが、これらの繊維の少なくとも1種を含んでいればよい。また、解繊物(繊維)は、乾燥されていてもよいし、水、有機溶剤等の液体が含有又は含浸されていてもよい。さらに解繊物(繊維)は、各種の表面処理が施されていてもよい。
本実施形態のシート製造装置100は、結着部77を備える。結着部77は、円筒部52及び供給部54を備えた構成(例えば、後述の選別部40及び/又はほぐし部60)を通過した解繊物及び添加物の混合物を加熱して、解繊物中の複数の繊維を、混合物中の樹脂を介して互いに結着させた状態を形成する。混合物は、結着部77に至る前に、所定の形状(例えばウェブ状)に成形されていてもよい。また、結着部77が、混合物を所定の形状に成形する機能を有してもよい。
供給部54から供給される添加物は、樹脂を含む。係る樹脂の種類としては、天然樹脂、合成樹脂のいずれでもよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。本実施形態のシート製造装置100においては、樹脂は、常温で固体である方が好ましく、結着部77における熱によって繊維を結着することに鑑みれば熱可塑性樹脂がより好ましい。また、本実施形態のシート製造装置100によって製造されたシートSを被解繊物として、当該シートから繊維を得て、係る繊維と樹脂とを含むシート(当該シートも本実施形態のシートSであってもよい)を製造する場合、すなわち再生シートを製造する場合には、結着力の再利用が難しいため、熱硬化性樹脂でないほうが好ましい。樹脂によって繊維間の結着を行う場合には、熱硬化性樹脂では、再生シート中で結着力を再度発揮させることが困難であるからである。樹脂として熱硬化性樹脂を採用する場合には、軟化点以上の温度に加熱してもよいし、硬化温度(硬化反応を生じる温度)以上に加熱しても繊維と樹脂とを結着することができる。
添加物は、解繊物中の繊維を結着させる樹脂の他、解繊物中の繊維同士の凝集や添加物同士の凝集を抑制するための凝集抑制剤を含んでもよい。また、添加物に凝集抑制剤を含ませる場合には、樹脂と凝集抑制剤とは一体化させることが好ましい。すなわち、添加物に凝集抑制剤を含ませる場合には、添加物は、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体であることが好ましい。
添加物は、解繊物の繊維を結着させる樹脂の他、着色材を含んでもよい。また、添加物に着色材を含ませる場合には、樹脂と着色材とは一体化されることが好ましい。すなわち、添加物は、樹脂と着色材とを一体に有する複合体であることが好ましい。また、複合体が上述の凝集抑制剤を含む場合においても、樹脂と着色材と凝集抑制剤とを一体に有する複合体とすることができる。すなわち、添加物は、樹脂と凝集抑制剤と着色材とを一体に有する複合体を含んでもよい。
本実施形態のシート製造装置100は、選別部40及びほぐし部60の少なくとも一方を有する。選別部40及びほぐし部60の少なくとも一方は、解繊部20によって解繊された繊維を含む解繊物と添加物とを混合する機能を有する。図1に示す例では、選別部40及びほぐし部60の両者が設けられているが、いずれか一方でもよいし、それぞれが複数設けられてもよい。選別部40及びほぐし部60の少なくとも一方には、円筒部52及び供給部54の組が設けられ、係る組が設けられた選別部40及びほぐし部60の少なくとも一方において、解繊物(解繊物及び添加物の混合物であってもよい)と添加物とが混合される。また、選別部40及びほぐし部60の両方に係る組が設けられた場合には、それぞれ添加される添加物が互いに同じでも異なっていてもよい。
選別部40は、解繊物から長い繊維(長繊維)や十分に解繊されなかった未解繊片を空気中で選別する。選別部40は、解繊処理された解繊物を、選別部40を通過する「通過物」と、通過しない「残留物」とに空気中で選別する。本実施形態のシート製造装置100に選別部40を採用する場合には、以下に説明する類の篩(ふるい)を用いる。選別部40は、篩によって、解繊処理された解繊物から一定の長さより短い繊維(通過物)を選別することができる。
本実施形態のシート製造装置100では、選別部40の下流にほぐし部60が設けられている。ほぐし部60は、絡み合った繊維をほぐして、混合物を降らせ、後述するシート成形部70に、混合物を均一に堆積させる作用を有する。つまり、「ほぐす」という言葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、ほぐし部60は、絡み合った繊維等が無ければ均一に堆積させる効果を奏する。
図5は、供給部54の変形例を示す模式図である。上述の例では、供給部54から供給される添加物は、円筒部52内に位置する供給口42,62から供給されている。しかし、供給部54は、図5に示すように、導入口41,61に接続する管83,87に合流する管85,88を含んで構成されてもよい。
本実施形態のシート製造装置100は、上述の構成の他に、例えば、粗砕部、分級部、シート成形部、加圧部、切断部等の構成を有することができる。
本実施形態のシート製造装置100は、粗砕部10を有してもよい。粗砕部10は、例えばシュレッダーである。粗砕部10は、本実施形態のシート製造装置100の原料を、解繊部20に導入する前に空気中で裁断する。細片の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。
本実施形態のシート製造装置100は、解繊された解繊物から不純物(トナーや紙力増強剤)や解繊によって短くなった繊維(短繊維)を空気中で分級する分級部30を有してもよい。
シート製造装置100は、シート成形部70を有してもよい。ほぐし部60を通過した繊維及び添加物の混合物は、シート成形部70に堆積される。図1に示すように、シート成形部70は、メッシュベルト72、張架ローラー74、サクション機構76を有する。シート成形部70は、図示せぬテンションローラー、巻き取りローラー等を含んで構成されてもよい。
本実施形態のシート製造装置100は、図示しない加圧部を有してもよい。加圧部は、ほぐし部60の下流側であって、結着部77の上流側に配置されることができる。また、加圧部や結着部77は、メッシュベルト72からウェブWを分離した後に設けられてもよい。加圧部は、ほぐし部60、シート成形部70を経て、シート状に形成されたウェブWを加熱せずに加圧するものであってもよい。従って、加圧部は、ヒーター等の加熱手段を有していない。すなわち、加圧部は、カレンダー処理を行う構成である。
シート製造装置100は切断部90を含んでもよい。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置100は、結着部77よりも下流側に、ウェブW(シートS)の搬送方向と交差する方向に紙を切断する切断部90としての第1切断部90a及び第2切断部90bが配置されている。切断部90は、必要に応じて設けられることができる。第1切断部90aは、カッターを備え、連続状のシートを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。また、第1切断部90aよりシートSの搬送方向の下流側には、シートの搬送方向に沿ってシートSを切断する第2切断部90bが配置されている。第2切断部90bは、カッターを備え、シートSの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズのシートSが形成される。そして、切断されたシートSはスタッカー95等に積載される。
以上説明したシート製造装置100によれば、繊維を含む解繊物が導入されて回転している円筒部52内に、添加物を供給することができる。これにより、繊維と添加物との混合を良好に行うことができる。そのため、このようなシート製造装置100によれば、繊維や添加物の偏在が抑制された均一性の高いシートSを製造することができる。
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
Claims (8)
- 繊維を含む被解繊物を解繊する解繊部と、
前記解繊部で解繊処理され導入口を介して導入された解繊物を、回転することで円筒面にある複数の孔を通過させる円筒部と、
前記円筒部内に複数の前記繊維を結着する添加物を供給する供給口を、前記導入口とは別に備える供給部と、
前記繊維と前記添加物とを結着してシートを形成する結着部と、
を備えることを特徴とする、シート製造装置。 - 前記供給部において前記添加物を供給する供給口は、前記円筒部の回転軸から上方に離間して配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
- 前記供給口は、前記導入口から上方に離間して配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のシート製造装置。
- 前記供給口と前記導入口との、前記円筒部の回転軸の延設方向における距離は、前記円筒部内の前記回転軸の長さの1/4以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシート製造装置。
- 前記円筒部は、前記円筒部の回転軸の延設方向において、前記円筒面に複数の孔を有する開口領域と、前記円筒面に孔を有しない筒状領域とを有し、
前記供給口は、前記回転軸の延設方向における前記筒状領域の範囲内に位置することを特徴とする、請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のシート製造装置。 - 前記円筒部は、前記円筒面に交差し、前記円筒部の回転軸の延設方向に離間し、回転しない2つの側面部を有し、
前記供給部は前記側面部に配置されることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシート製造装置。 - 前記解繊部と前記円筒部との間に、前記解繊物を分級する分級部を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のシート製造装置。
- 繊維を含む被解繊物を解繊する解繊部と、
前記解繊部で解繊処理された解繊物を、回転することで円筒面にある複数の孔を通過させる円筒部と、
前記解繊物を、前記円筒部へ導く管と、
前記管内に、複数の前記繊維を結着する添加物を供給する供給部と、
前記繊維と前記添加物とを結着してシートを形成する結着部と、
を備えることを特徴とする、シート製造装置。
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