JP2015178686A - シート製造装置及びシート製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気流で被解繊物を解繊部へ送りつつ、解繊部への気流の影響を低減するシート製造装置及びシート製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るシート製造装置100は、被解繊物を空気中で解繊する解繊部20と、解繊部20へ被解繊物を搬送する搬送部110と、解繊部20で解繊された解繊物を用いてシートSを形成する形成部70と、を備えるシート製造装置100である。搬送部110は、気流で搬送された被解繊物と前記気流とを、気流と被解繊物とに分離し、被解繊物を解繊部20へ搬送する分離部114を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、シート製造装置及びシート製造方法に関する。
従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料を水に投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。
そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊し、サイクロンにおいて繊維の脱墨を行い、脱墨された繊維を、フォーミングドラム表面の小孔スクリーンを通過させて、メッシュベルト上に堆積させ、裁断機で裁断して紙を成形することが記載されている。
このように、フォーミングドラムを通過しなかった解繊物や裁断機で裁断された際の端材を紙再生装置で再利用することが望まれている。その場合、解繊物や端材は、フォーミングドラムを通過させるために乾式解繊機まで戻して再度解繊する必要がある。フォーミングドラムや裁断機などの各処理部と乾式解繊機とは距離があるため、端材は気流で乾式解繊機へ送られることになる。
特開2012−144819号公報
しかし、特許文献1に記載された紙再生装置では、解繊物や端材を気流とともにそのまま乾式解繊機に送ってしまうと、その気流が乾式解繊機内に影響を及ぼし、解繊物や端材が解繊部内を速く通過しすぎてしまい、解繊が不十分になる。
そこで、本発明は、気流で被解繊物を解繊部へ送りつつ、解繊部への気流の影響を低減するシート製造装置及びシート製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
(1)本発明に係るシート製造装置の一態様は、
被解繊物を空気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部へ被解繊物を搬送する搬送部と、
前記解繊部で解繊された解繊物を用いてシートを形成する形成部と、を備えるシート製造装置であって、
前記搬送部は、気流で搬送された被解繊物と前記気流とを、前記気流と前記被解繊物とに分離し、前記被解繊物を前記解繊部へ搬送する分離部を有することを特徴とする。
このようなシート製造装置によれば、気流と被解繊物を分離して、被解繊物を解繊部へ搬送するので、解繊部に対する気流の影響を低減できる。
(2)本発明に係るシート製造装置において、
前記分離部は、前記気流で搬送された前記被解繊物が衝突する衝突部を有し、
前記衝突部により、前記気流が流れる方向と前記被解繊物が前記解繊部へ搬送される方向を異ならせてもよい。
このようなシート製造装置によれば、衝突部により被解繊物が搬送される方向とは異なる方向へ気流を誘導することで、解繊部への気流の影響を低減できる。
(3)本発明に係るシート製造装置において、
前記衝突部が移動し、前記被解繊物が自重落下可能としてもよい。
このようなシート製造装置によれば、気流とともに搬送された被解繊物は、衝突部に衝突するが、衝突部が移動することで、被解繊物は気流により衝突部に押し付けられる力が弱まり自重で落下することができる。一方、気流は衝突部により、落下する被解繊物とは異なる方向へ誘導されるので、解繊部への気流の影響を低減できる。
(4)本発明に係るシート製造装置において、
前記衝突部は、回転してもよい。
このようなシート製造装置によれば、回転することで容易に衝突部を移動できる。
(5)本発明に係るシート製造装置において、
前記衝突部は、直線状に移動してもよい。
このようなシート製造装置によれば、直線移動することで容易に衝突部を移動できる。
(6)本発明に係るシート製造装置において、
前記衝突部は、複数の開口を有し、
前記開口の大きさは前記被解繊物の大きさよりも小さくてもよい。
このようなシート製造装置によれば、被解繊物は開口を通過しないで衝突部に衝突して落下することができ、気流は開口を通過して解繊部への気流の影響を低減できる。
(7)本発明に係るシート製造装置において、
前記衝突部は、開口を有しない平面であり、
前記平面は前記被解繊物が搬送される方向と前記気流が流れる方向とを異ならせるように傾斜してもよい。
このようなシート製造装置によれば、衝突部は傾斜しているので、被解繊物と気流とを分離でき、解繊部への気流の影響を低減できる。
(8)本発明に係るシート製造方法の一態様は、
被解繊物を空気中で解繊し、
解繊部へ被解繊物を搬送し、
前記解繊部で解繊された解繊物を用いてシートを形成する、シート製造方法であって、
気流で搬送された被解繊物と前記気流とを、前記気流と前記被解繊物とに分離し、前記被解繊物を前記解繊部へ搬送することを特徴とする。
このようなシート製造方法によれば、気流と被解繊物を分離して、被解繊物を解繊部へ搬送するので、解繊部に対する気流の影響を低減できる。
本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。 解繊物を模式的に示す図。 解繊物を模式的に示す図。 未解繊片を模式的に示す図。 本実施形態に係るシート製造装置の分離部を模式的に示す側面図。 本実施形態に係るシート製造装置の分離部を模式的に示す正面図。 本実施形態に係るシート製造装置の分離部の衝突部を部分的に拡大した平面図。 本実施形態に係るシート製造装置の分離部の第1の変形例を模式的に示す側面図。 本実施形態に係るシート製造装置の分離部の第2の変形例を模式的に示す平面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.シート製造装置
まず、本実施形態に係るシート製造装置100について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。なお、便宜上、図1では、選別部40及びほぐし部60を簡略化して図示している。
シート製造装置100は、図1に示すように、繊維を含む原料を空気中で解繊する解繊部20と、解繊部20で被解繊物を搬送する搬送部110と、解繊部20で解繊された解繊物を用いてシートSを形成する形成部70と、を備える。なお、図1に示す本実施形態では、さらに、粗砕部10と、分級部30と、選別部40と、樹脂供給部50と、ほぐし部60と、を含んだ例を用いて説明する。
1.1.粗砕部
粗砕部10は、パルプシートや投入されたシート(例えばA4サイズの古紙)などの原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部9が設けられていてもよい。
粗砕部10によって裁断された細片は、ホッパー5で受けてから第1管部81を介して、解繊部20へ搬送される。第1管部81は、解繊部20の導入口21と連通している。第1管部81及び後述する第2〜第6管部82〜86の形状は、例えば管状である。
1.2.解繊部
解繊部20は、細片(被解繊物)を解繊処理する。解繊部20は、細片を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた繊維2を生成する。ここで、図2及び図3は、解きほぐされた繊維2を模式的に示す図である。
ここで、「解繊処理」とは、複数の繊維が結着されてなる細片を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた繊維2の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を含んでいる場合もある。この後の記載において、「解繊物」は解繊部20を通過したものの少なくとも一部であり、解繊部20を通過した後に添加されたものが混ざっていてもよい。解繊部20により解繊処理されたもののうち、後述する選別部40に供給されるものを「解繊処理された解繊物」という。解きほぐされた繊維2の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。しかし、解きほぐされた繊維2は、図2に示すように、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在するが、図3に示すように、他の解きほぐされた繊維2と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在する場合もある。解きほぐされた繊維2の長さ(解きほぐされた繊維2の長手方向の長さ、以下、「繊維長」ともいう)は、例えば、50μm以上10mm以下である。なお、「繊維長」とは、独立した1本の繊維の両端を必要に応じて破断しないように引張り、その状態でほぼ直線状の状態に置いたときの両端間の距離である。解きほぐされた繊維2の断面形状は、特に限定されず、多角形であってもよいし、円形や楕円形であってもよい。以下では、「繊維」の記載は、解きほぐされた繊維のことを主に指すこととする。
また、「解繊物」には「未解繊片」を含む場合がある。「未解繊片」とは、図4に模式的に示すように、繊維状に解繊されておらずに、解繊部20に導入された細片が千切れた破片である。すなわち、未解繊片4は、解繊部20における解繊処理をされたけど解繊されていない細片のことである。未解繊片4の形状は、特に限定されず、未解繊片4の大きさは、例えば、ふるい分け法によって測定した試験用ふるいの目開きで表すと、1mm以上10mm以下である。なお、「解繊処理」とは、駆動している解繊部20に、被解繊物(細片)を導入して排出することを意味し、上記のように、解繊されていない未解繊片4を生成する場合も含む。
解繊部20は、細片に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を繊維から分離させる。樹脂粒及びインク粒は、解繊物とともに、排出口22から排出される。
解繊部20は、回転刃によって、導入口21から導入された細片を、解繊処理する。解繊部20は、空気中において乾式で解繊を行う。
解繊部20の回転数は、3000rpm以上10000rpm以下である。回転数が3000rpmより小さい場合は、未解繊片4の割合が大きくなる場合がある。回転数が10000rpmより大きい場合は、比較的短い繊維の割合が大きくなる場合があり、製造されるシートの強度を低下させる原因となる。
解繊部20は、気流を発生させる機構を有していることが好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、細片を気流とともに吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。排出口22から排出された解繊物は、図1に示すように、第2管部82を介して、分級部30に導入される。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、細片を導入口21に導く気流を発生する機構を、外付けで設けてもよい。
1.3.分級部
分級部30は、解繊物から、樹脂粒、インク粒を分離して除去する。分級部30としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズと密度によって分離するものであり、気流の速度及び遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。以下では、分級部30として、サイクロンを用いた場合について説明する。
分級部30は、導入口31と、導入口31が接続された円筒部32と、円筒部32の下方に位置し円筒部32と連続している逆円錐部33と、逆円錐部33の下部中央に設けられている下部排出口34と、円筒部32上部中央に設けられている上部排出口35と、を有している。
分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、外径100mm以上300mm以下程度の円筒部32で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、第1分級物(繊維2及び未解繊片4)と、第1分級物より小さくて密度も低い第2分級物(樹脂粒、インク粒)と、に分離される。第1分級物は、下部排出口34から排出され、第3管部83を通って選別部40の導入口46に導入される。一方、第2分級物は、上部排出口35から第4管部84を通って分級部30の外部に排出される。このように、樹脂粒は、分級部30によって外部に排出されるため、後述する樹脂供給部50によって樹脂が供給されても、解繊物に対して樹脂が過剰になることを防ぐことができる。
なお、分級部30により第1分級物と第2分級物に分離すると記載したが、完全に分離できる訳ではない。第1分級物のうち比較的小さいものや密度の低いものは第2分級物とともに外部に排出される場合がある。第2分級物のうち比較的密度の高いものや第1分級物に絡まってしまったものは第1分級物とともに選別部40へ導入される場合もある。また、原料が古紙でなくパルプシートのような場合は第2分級物に相当するものが含まれていないため、シート製造装置100として分級部30が無くてもよい。そのため、選別部40へ導入されるものは、分級部30により分級されたものだけではない。そこで本願では、解繊部20を通過したものであって、選別部40へ導入されるものを「解繊処理された解繊物」と呼び、解きほぐされた繊維2や未解繊片4の他に少量の樹脂粒やインク粒などが入っている場合があるものとする。
1.4.選別部
本実施形態のシート製造装置100は、選別部40を有してもよい。選別部40は、解繊部20において解繊処理された解繊物を、繊維の長さによって選別することができる。なお、上記の分級部30では、微細な樹脂粉等が取除かれると述べたが、選別部40はそのような機能を有してもよい。したがって、選別部40は、解繊部20の下流で、ほぐし部60よりも上流に設けられる。
選別部40としては、篩(ふるい)を用いることができる。ここで、選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網を通過可能な大きさのものと、通過できない大きさのものとを選別する。選別部40は、導入口46と、排出口47と、を有している。選別部40は、後述するほぐし部60と同様に構成することができるが、ほぐし部60のように導入された材料の全てを通過させるのではなく、一部の成分を除去する機能を有する。選別部40の例としては、モーターによって回転することができる円筒の篩である。選別部40の網は、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
選別部40を設けることにより、解繊物又は混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維又は粒子と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマとを分けることができる。そして、選別された物質は、製造されるシートSに応じて選択して用いることがでる。選別部40の篩を通過した解繊物は、ホッパー6で受けてから第6管部86を介して、ほぐし部60の導入口66に搬送される。また、選別部40によって取除かれた物質は、図示しない排出口から粗砕部10に戻してもよい。
1.5.樹脂供給部
樹脂供給部50は、供給口51から第6管部86に空気中で樹脂を供給する。すなわち、樹脂供給部50は、選別部40の開口を通過した通過物が選別部40からほぐし部60に向かう経路に(選別部40とほぐし部60との間に)、樹脂を供給する。樹脂供給部50としては、第6管部86に樹脂を供給することができれば特に限定されないが、スクリューフィーダー、サークルフィーダーなどを用いる。
なお、解繊物と樹脂とを混合させる機構は、ターボブロワに限定されず、ジューサーミキサーのように高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
樹脂供給部50から供給される樹脂は、複数の繊維を結着させるための樹脂である。樹脂が第6管部86に供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、後述する形成部70を通過する際に硬化して、複数の繊維を結着させる。
樹脂供給部50から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。
樹脂供給部50から供給される樹脂は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。樹脂が繊維状である場合、樹脂の繊維長は、繊維2の繊維長以下であることが好ましい。具体的には、樹脂の繊維長は、3mm以下、より好ましくは2mm以下である。樹脂の繊維長が3mmより大きいと、ほぐし部60の開口を通過できない場合があり、また繊維2と均一性よく混合することが困難な場合がある。樹脂が粉末状である場合、樹脂の粒径は、1μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上20μm以下である。樹脂の粒径が1μmより小さいと、繊維2同士を結着させる結着力が低下する場合がある。樹脂の粒径が20μmより大きいと、繊維2と均一性よく混合することが困難な場合があり、また繊維2への付着力が低下して繊維2から離脱する場合がある。
樹脂供給部50から供給される樹脂の量は、製造されるシートの種類に応じて、適切に設定される。なお、繊維2を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維2を着色するための着色剤や、繊維2の凝集を防止するための凝集防止材を、供給してもよい。供給された樹脂は、第6管部86内に設けられた混合部(図示せず)によって、選別部40の開口を通過した通過物と混合される。混合部は、通過物と樹脂とを、混合させながら、ほぐし部60に搬送するための気流を発生する。通過物は、第6管部86を通過する際に、図3に示すように互いに絡み合う場合がある。
1.6.ほぐし部
ほぐし部60は、絡み合った通過物をほぐす。さらに、ほぐし部60は、樹脂供給部50から供給される樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、ほぐし部60は、後述する堆積部72に、通過物や樹脂を均一に堆積する。つまり、「ほぐす」という言葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、絡み合ったものが無ければ均一に堆積させる作用となる。
ほぐし部60としては、篩を用いる。ほぐし部60は、図1に示すように、図示しないモーターによって回転することができる円筒状の回転式の篩である。ここで、ほぐし部60として用いられる「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。
ほぐし部60は、導入口66を有している。
ほぐし部60は、図示しない複数の開口を有している。ほぐし部60の開口の大きさは、選別部40の開口の大きさ以上である。すなわち、ほぐし部60の開口の大きさは、選別部40の開口の大きさと同じか、選別部40の開口の大きさよりも大きい。ただし、ほぐし部60の開口の大きさの上限は5mmである。ほぐし部60の開口の大きさが5mm以下とすることで、繊維同士が絡み合ったダマを通過させず、ほぐして通過させることができる。
選別部40の開口を通過した通過物はほぐし部60の開口を通過できるので、この開口は目詰まりをすることがなく、この開口を通過できずにほぐし部60内に残留する残留物はほとんどない。また、選別部40の開口を通過した後に、第6管部86内において絡み合った繊維や樹脂があったとしても、ほぐし部60の開口を通過する際にほぐされる。そのため、この開口を通過した繊維、樹脂は均一な厚み、密度で後述する堆積部72に堆積する。
なお、「絡み合った繊維をほぐす」とは、絡み合った繊維を完全にほぐす場合(全ての繊維がほぐれた状態にする場合)と、絡み合った繊維がほぐし部60の開口を通過できる程度に絡み合った繊維の一部をほぐす場合と、を含む。「絡み合った樹脂をほぐす」という意味ついても同様である。また、ほぐし部60の開口の目開きの大きさであれば、それを通過する解繊物が絡み合っていても地合いとして問題にならない。また、「均一に堆積」とは、堆積された堆積物が同じ厚み、同じ密度で堆積されている状態を言う。ただし、堆積物全てがシートとして製造される訳ではないため、シートになる部分が均一であればよい。「不均一に堆積」は均一に堆積していない状態を言う。
ほぐし部60の開口を通過した解繊物及び樹脂は、形成部70の堆積部72に堆積される。
1.7.堆積部
堆積部72は、ほぐし部60の開口を通過した解繊物及び樹脂を受けて堆積させる。堆積部72は、ほぐし部60の下方に位置している。堆積部72は、ほぐし部60の開口を通過した解繊物及び樹脂を受けるもので、例えば、メッシュベルトである。メッシュベルトには、張架ローラー74によって張架されるメッシュが形成されている。堆積部72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。堆積部72が連続的に移動しながら、ほぐし部60から解繊物及び樹脂が連続的に降り積もることにより、堆積部72上に厚さの均一なウェブWが形成される。
なお、図示はしないが、ほぐし部60の下方に堆積部72を介して位置し、下方に向く気流(ほぐし部60から堆積部72に向く気流)を発生させるサクション装置が設けられていてもよい。これにより、空気中に分散させた解繊物及び樹脂を吸引することができ、ほぐし部60からの排出速度を大きくすることができる。その結果、シート製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション装置によって、解繊物及び樹脂の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や樹脂が絡み合うことを防ぐことができる。
堆積部72として用いられるメッシュベルトの材質は、金属、樹脂、不織布などである。メッシュベルトの穴径(直径)は、例えば、60μm以上250μm以下である。メッシュベルトの穴径が60μmより小さいと、上記のサクション装置によって安定した気流を形成することが困難な場合がある。メッシュベルトの穴径が250μmより大きいと、メッシュの間に繊維が入り込んで、製造されたシートの表面の凹凸が大きくなる場合がある。
以上のように、ほぐし部60及び堆積部72(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。次いで、図1に示すように、メッシュベルトからなる堆積部72上に形成されたウェブWは、メッシュベルトの回転移動により搬送される。そして、メッシュベルト上に形成されたウェブWは、この例では、形成部70へと搬送される。
1.8.形成部
形成部70は、図1に示すように、加圧部90と、加熱部92と、裁断部94と、を有している。形成部70は、堆積部72上に堆積したウェブWを用いて、シートSを成形する。以下、形成部70について、具体的に説明する。
1.8.1.加圧部
加圧部90は、ほぐし部60の下流側であって、加熱部92の上流側に配置されている。加圧部90は、ほぐし部60、堆積部72を経て、シート状に形成され、ウェブWを加熱せずに加圧するものである。従って、加圧部90は、ヒーター等の加熱手段を有していない。すなわち、加圧部90は、いわゆるカレンダー処理を行う構成である。
加圧部90では、ウェブWを加圧(圧縮)することにより、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められ、ウェブWの密度を高める。加圧部90は、図1に示すように、ローラーによりウェブWを挟み込んで加圧するように構成されており、一対の加圧ローラー91を有している。加圧部90は、ウェブWの搬送方向において上流側に配置された第1加圧部90aとその下流側に配置された第2加圧部90bとを備え、第1加圧部90a及び第2加圧部90bがそれぞれ一対の加圧ローラー91を備えている。また、第1加圧部90aと第2加圧部90bとの間には、ウェブWの搬送を補助するガイドGが配置されている。
加圧部90の加圧力は、加熱部92による加圧力より大きくなるように設定されることが好ましい。例えば、加圧部90の加圧力は、920〜3000kgf、加熱部92の加圧力は、30〜200kgfに設定することが好ましい。このように、加熱部92よりも加圧部90の加圧力の方を大きくすることにより、加圧部90によってウェブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することにより薄くて高密度で高強度のシートを形成することができる。
なお図示した加圧部90は、一対の加圧ローラー91が2組ある例であるが、加圧部90を採用し、加圧部90に加圧ローラー91を採用する場合には、加圧ローラー91の数や配置は限定されず、上記作用を達成できる範囲で任意に構成することができる。
1.8.2.加熱部
加熱部92は、上記の加圧部90よりも下流側に設けられる。
加熱部92は、上記のほぐし部60において混ぜ合された混合物を加熱し、複数の繊維を互いに添加物を介して結着させる。また、混合物に水分を添加している場合は、繊維間に水素結合が形成された状態を形成してもよい。調湿された混合物は、例えば、ウェブ状に成形されたものであってもよい。また、加熱部92が、混合物を所定の形状に成形する機能を有してもよい。
本明細書において、「複数の繊維同士を添加物を介して結着する」とは、解繊物中の繊維と添加物とが離れにくい状態や、繊維と繊維との間に添加物の樹脂が配置され、繊維と繊維とが添加物を介して離れ難くなっている状態をいう。また、結着とは、接着を含む概念であって2種以上の物体が接触して離れにくくなった状態を含む。また、繊維と繊維とが複合体を介して結着した際に、繊維と繊維とが平行に又は交差してもよいし、1本の繊維に複数の繊維が結着してもよい。また、「繊維が水素結合される」とは、複数の繊維が互いに水素結合によって、部分的又は全面的に結合(結着)されることを指す。
添加物の構成成分の1つである樹脂が、熱可塑性樹脂である場合には、そのガラス転移温度(軟化点)又は融点付近以上の温度に加熱すると、樹脂が軟化したり溶けたりし、その後、温度が低下した際に固化する。樹脂が軟化して繊維に絡み合うように接触し、樹脂が固化することで繊維と添加物とを互いに結着することができる。また、固化する際に他の繊維が結着することで、繊維と繊維を結着する。なお、樹脂のガラス転移温度、融点、軟化点等は、繊維の分解温度、炭化温度よりも低いことが好ましく、そのような関係となるように両者の種類を組み合わせて選択することが好ましい。
一方、加熱部92は、堆積部72の下流で調湿した場合、混合物に含まれる水分の一部又は全部を蒸発させる。これにより、繊維間に介在した水分子が減少する(除去される)ことによって、繊維同士の水素結合を形成することができる。したがって、加熱部92は、水の沸点以上の温度に設定されることが好ましいが、水素結合させることができれば、水の沸点以下の温度に加熱するものであってもよい。
また、加熱部92においては、混合物に熱を与えることの他に圧力を加えてもよく、その場合には、加熱部92は、目的とするシートSの形態に応じて、混合物を所定の形状に成形する機能を有することになる。加えられる圧力の大きさは、成形されるシートSの種類により適宜調節されるが、100kPa以上1MPa以下とすることができる。加えられる圧力が小さければ、空隙率の大きいシートが得られ、大きければ空隙率の小さい(密度の高い)シートが得られることになる。
加熱部92の具体的な構成としては、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などが挙げられる。図1に示す本実施形態のシート製造装置100では、加熱部92は、加熱ローラー93によって構成されている。図示の例では、加熱部92は、加圧部90(後述)によって加圧されたウェブWを加熱するものである。また、加熱部92は、ウェブWを加圧する機能を担ってもよい。そして、ウェブWを加熱することにより、ウェブWに含まれる繊維同士を添加物及び水素結合を介して結着させることができる。
図示の例では、加熱部92は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加熱及び加圧するように構成されており、一対の加熱ローラー93を有している。一対の加熱ローラー93は、それぞれの中心軸は平行である。また、加熱部92はローラー等によって構成できる他、平板状のプレス部によっても構成することができる。ここでは詳細な説明を省略するが、加熱部92として平板状のプレス部を用いる場合は、比較的厚いシート、例えば低密度の不織布等に向いている。これは、加熱ローラーを用いるよりも平板状のプレス部の方がウェブWに対する接触時間を長く取れるので、厚みが大きくてウェブ全体に熱を伝わらせるのに時間がかかるようなシートに向いている。なお、平板状のプレス部の上流側に加圧部90はなくてもよい。この場合は、加圧部90により高密度に圧縮しないので、比較的低密度のシートに向いている。平板状のプレス部を用いるのは、紙よりも不織布の方が向いている。
加熱部92は、ウェブWの搬送方向において上流側に配置された第1加熱部92aとその下流側に配置された第2加熱部92bとを備えており、第1加熱部92a及び第2加熱部92bがそれぞれ一対の加熱ローラー93を備えている。また、第1加熱部92aと第2加熱部92bとの間には、ウェブWの搬送を補助するガイドGが配置されている。
なお図示した加熱部92は、一対の加熱ローラー93が2組ある例であるが、加熱ローラー93の数や配置は限定されず、上記作用を達成できる範囲で任意に構成することができる。また、各加熱部92の加熱ローラー93の構成(離型層・弾性層・芯金の厚みや材質、ローラーの外径)や加熱ローラー93を圧接する荷重は、各加熱部92によって異なっていてもよい。
上記したように、加熱部92(加熱工程)を経ることにより、添加物に含まれる樹脂が溶融し、解繊物中の繊維と絡みやすくなるとともに繊維間が結着される。また、水素結合によって繊維間が結合してもよい。解繊物及び添加物の混合物は、加熱部92を経ることによりシートSとなる。
1.8.3.裁断部
本実施形態のシート製造装置100では、加熱部92よりも下流側に、シートSを裁断する裁断部94が設けられている。裁断部94は、ウェブW(加熱部92を経たウェブWはシートSとなっている。)の搬送方向に沿って、第1裁断部94a及び第2裁断部94bが配置されている。
第1裁断部94aは、カッターを備え、ウェブWの搬送方向と交差する方向で連続状のシートSを所定の長さに設定された裁断位置に従って枚葉状に裁断する。また、第1裁断部94aよりシートSの搬送方向の下流側には、シートSの搬送方向に沿ってシートSを裁断する第2裁断部94bが配置されている。第2裁断部94bは、カッターを備え、シートSの搬送方向における所定の裁断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズのシートSが形成され、裁断してシートSから切除された端材Rは搬送部110により粗砕部10へ搬送される。そして、裁断されたシートSは、スタッカー95等に積載される。
1.9.搬送部
図1に示すように、搬送部110は、解繊部20へ被解繊物である端材Rを搬送する。搬送部110は、裁断部94の下方から粗砕部10の上方まで延びる搬送管112を有してもよい。搬送管112は、裁断部94で発生した端材Rを気流で搬送する管体である。搬送管112には、図示しないブロアが接続されてもよい。ブロアにより発生させた気流を搬送管112内に導入し、端材Rを気流によって粗砕部10の上方まで搬送することができる。
ここで、本実施形態に係るシート製造装置100において被解繊物は裁断部94で出された端材Rとして説明するが、これに限らず、他の処理部、例えば、選別部40から出た解繊物を再度解繊部20へ戻す場合には、その解繊物を被解繊物としてもよい。
図5は、本実施形態に係るシート製造装置100の分離部114を模式的に示す側面図である。図6は、本実施形態に係るシート製造装置100の分離部114を模式的に示す正面図である。図7は、本実施形態に係るシート製造装置100の分離部114の衝突部116を部分的に拡大した平面図である。
図5及び図6に示すように、搬送部110は、気流で搬送された被解繊物である端材Rと気流とを、気流と端材Rとに分離し、端材Rを解繊部20へ搬送する分離部114を有する。このように気流と端材Rを分離することで、解繊部20に対する気流の影響を低減できる。
分離部114は、搬送管112の開放端部と対向し、気流で搬送された端材Rが衝突する衝突部116を有する。
衝突部116は、図6及び図7に示すように、複数の開口116aを有する。開口116aの大きさは、端材Rの大きさよりも小さい。気流は、搬送管112の先端部の開口から衝突部116に向けて吹き付けられる。気流とともに端材Rは衝突部に衝突する。このようにすることで、端材Rは開口116aよりも大きいので開口116aを通過せず、気流は開口116aを通過する。端材Rは開口を通過しないで方向Eへ落下する。気流は開口116aを通過して方向Dへ向かう。衝突部116は、気流が流れる方向Dと端材Rが解繊部20へ搬送される方向Eとを異ならせることができる。このように、衝突部116により端材Rが搬送される方向Eとは異なる方向へ気流を誘導し分離することで、解繊部20への気流の影響を低減できる。
衝突部116は、円板状の平面に複数の開口116aが形成されている。衝突部116は、平織り金網や溶接金網などの金網から構成してもよい。開口116aは、図7に示すように、衝突部116における網の目であってもよい。衝突部116は、金属からなる線状の複数の線部116bを有し、開口116aは、線部116bに囲まれた貫通孔部分である。開口116aの形状は、端材Rを通過せず、気流を通すという機能を持てば特に限定されず、多角形、円形、楕円形などであってもよいが、図7に示す例では、正方形である。複数の開口116aの形状や大きさは、同じであることが好ましい。複数の開口116aは、均一性よく衝突部116の全体に配置されていることが好ましい。
なお、衝突部116は、金網の代わりに、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタルを用いてもよいし、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いてもよい。エキスパンドメタルを用いる場合、開口116aとは、金属板に入れた切れ目を引き延ばして形成される穴のことである。パンチングメタルを用いる場合、開口116aとは、金属板にプレス機等で形成された穴のことである。また、開口116aを有する部材を金属以外の材質で作ってもよい。
衝突部116は、回転軸Qを円の中心として回転移動可能な円板状である。また、衝突部116は搬送管112よりも大きい。衝突部116が移動することにより、端材Rが自重落下可能である。気流とともに搬送された端材Rは、衝突部116に衝突するが、そのままでは端材Rは気流により衝突部116に押し付けられ自重で落下できない端材Rがある。衝突部116が回転移動することで、衝突部116に押し付けられていた端材Rも移動する。気流は衝突部116とともに移動はしないので、移動した端材Rは気流から逃れ、気流により衝突部116に押し付けられる力が弱まることで自重で落下することができる。
衝突部116は、鉛直方向に延びるように配置(図1を参照)されることが好ましいが、これに限らず、端材Rの落下に影響しない範囲であり、かつ、通過物の落下に影響しない範囲で傾斜して設けてもよい。例えば、垂直方向に対して±30度程度まで傾斜させることができる。
衝突部116の移動は、回転することで容易に衝突部を移動できる。衝突部116を回転することで、端材Rは気流の影響を逃れることができる。図6における衝突部116は、左回りに回転している例を示している。
衝突部116の回転手段は、回転用羽根Fであってもよい。回転用羽根Fは、衝突部116における端材Rが衝突する面とは反対側の面に固定されている。回転用羽根Fは、複数枚あり、風車の羽根のように搬送管112からの気流を受けて衝突部116を回転させる。このようにすれば、衝突部116の動力は端材Rを搬送する気流だけでよいので、エネルギー効率に優れる。なお、衝突部116を気流によらず回転させるために、モーターを回転軸Qに固定してもよい。
また、分離部114は、衝突部116で分離された端材Rを粗砕部10へ導くガイド118a,118bを有してもよい。ガイド118a,118bは、衝突部116の回転方向に沿って配置され、自重で落下した端材Rを粗砕部10の上方へ導くことができる。また、ガイド118aは、衝突部116の表面に沿って配置され、衝突部116に張り付いている端材Rに接触して掻き取り、粗砕部10へ自重で落下させることができる。
自重で落下した端材Rは、図1に示すように、漏斗状の粗砕部10に導入され、粗砕された後、解繊部20に搬送される。端材Rは、粗砕部10へ自重で落下しており、解繊部20に対する搬送部110の気流の影響を低減できる。
1.10.作用効果
シート製造装置100によれば、気流と被解繊物(端材)を分離して、被解繊物(端材)を解繊部20へ搬送するので、解繊部20に対する気流の影響を低減できる。
2.シート製造方法
本実施形態に係るシート製造方法は、上記シート製造装置100により実施することができる。
シート製造方法は、被解繊物を空気中で解繊し、解繊部20へ被解繊物を搬送し、解繊部20で解繊された解繊物を用いてシートSを形成する、シート製造方法であって、気流で搬送された被解繊物(端材R)と気流とを、気流と被解繊物(端材R)とに分離し、被解繊物(端材R)を解繊部20へ搬送することを特徴とする。
このようなシート製造方法によれば、気流と被解繊物(端材R)を分離して、被解繊物(端材R)を解繊部20へ搬送するので、解繊部20に対する気流の影響を低減できる。
3.第1の変形例
図8を用いて、分離部114の第1の変形例について説明する。図8は、本実施形態に係るシート製造装置100の分離部114の第1の変形例を模式的に示す側面図である。分離部114以外の構成については、図1で示したシート製造装置100と同じであるので、重複する説明は省略する。
図8に示すように、衝突部126は、開口を有しない平面であり、平面は被解繊物である端材Rが搬送される方向Eと気流が流れる方向Dとに被解繊物と気流とを分離するように傾斜している。このように傾斜することで、端材Rは衝突部126の傾斜に沿って方向E(図8における右斜め下方向)へ自重で落下して、粗砕部10の上方へ導かれる。搬送管112から出された気流の多くは、衝突部126の傾斜に沿って方向D(図8における左斜め上方向)へ流れる。衝突部126の傾斜角度Cは、解繊部20に影響がない程度に、気流の流れる方向Dと端材Rの落下する方向Eとを分離することができる角度であればよく、例えば、鉛直方向に対して5度以上30度以下である。なお、30度より大きいと、気流と一緒に被解繊物も方向Dへ流れる可能性がある。また、衝突部126は移動してもよい。
また、第1の変形例では衝突部126を鉛直方向に対して傾斜させたが、気流の流れる方向Dと端材Rの落下する方向Eとを分離することができればこれに限らず採用することができる。例えば、搬送管112から出た気流の方向に対して左右に衝突部126を傾斜させてもよい。
4.第2の変形例
図9を用いて、分離部114の第2の変形例について説明する。図9は、本実施形態に係るシート製造装置100の分離部114の第2の変形例を模式的に示す平面図である。
第2の変形例において、衝突部127は、水平方向に延びて回転する無端ベルト状である。第2の変形例の衝突部127は、直線状に移動することができる。このように直線移動することで容易に衝突部127を移動できる。
衝突部127は、複数の開口を有することができる。開口の構成については、上記「1.9.搬送部」で説明した衝突部116と同様の構成を用いることができる。
衝突部127は、水平方向で直線上に移動することにより、被解繊物である端材Rが自重で落下可能な位置まで容易に移動することができる。気流とともに搬送された端材Rは、衝突部127に衝突するが、衝突部127が移動することで、端材Rは気流から逃れ、気流により衝突部127に押し付けられる力が弱まることで自重で落下することができる。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上記実施形態および変形例において、衝突部116、126、127は移動しなくてもよい。衝突部116、126、127が移動することで、端材Rが自重で落下しやすくなるが、移動しなくても落下するような気流の場合は移動をしなくてもよい。
本発明において、「被解繊物と気流とを分離する」とは、完全に分離するとは限らない。分離できなかった気流が、解繊部20へ影響を及ぼさない範囲や低減できる範囲で、一部の気流が解繊部20側へ流れてもよい。被解繊物を搬送する気流の一部が、被解繊物と分離できればよい。
なお、シート製造装置100によって製造されるシートは、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状ものに限定されず、ボード状、ウェブ状であってもよい。本明細書におけるシートは、紙と不織布に分けられる。紙は、パルプや古紙を原料とし薄いシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。なお、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。なお、古紙とは、主に印刷された紙を指すが、印刷されていないが印刷装置を通過した紙を含んでいてもよい。
また、図示はしないが、堆積部72に堆積された堆積物に、水分を噴霧添加するための水分噴霧器が設けられていてもよい。これにより、シートSを成形した際の水素結合の強度を高くすることができる。水分の噴霧添加は、ヒーターローラー76を通過する前の堆積物に対して行われる。水分噴霧器で噴霧する水分には、澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)等が添加されていてもよい。これにより、さらにシートSの強度を高くすることができる。
シート製造装置100には、図1における粗砕部10は無くても良い。例えば、端材Rが搬送部110に導入される前にシュレッダーなどで粗砕するのであれば粗砕部10は不要となる。
本願において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
2…繊維、4…未解繊片、5,6…ホッパー、9…自動投入部、10…粗砕部、11…粗砕刃、20…解繊部、21…導入口、22…排出口、30…分級部、31…導入口、32…円筒部、33…逆円錐部、34…下部排出口、35…上部排出口、40…選別部、46…導入口、47…排出口、50…樹脂供給部、51…供給口、60…ほぐし部、66…導入口、70…形成部、72…堆積部、74…張架ローラー、81…第1管部、82…第2管部、83…第3管部、84…第4管部、85…第5管部、86…第6管部、90…加圧部、90a…第1加圧部、90b…第2加圧部、91…加圧ローラー、92…加熱部、92a…第1加熱部、92b…第2加熱部、93…加熱ローラー、94…裁断部、94a…第1切断部、94b…第2切断部、95…スタッカー、100…シート製造装置、110…搬送部、112…搬送管、114…分離部、116…衝突部、116a…開口、116b…線部、118a,b…ガイド、C…角度、D,E…方向、F…回転用羽根、G…ガイド、Q…回転軸、R…端材、S…シート、W…ウェブ

Claims (8)

  1. 被解繊物を空気中で解繊する解繊部と、
    前記解繊部へ被解繊物を搬送する搬送部と、
    前記解繊部で解繊された解繊物を用いてシートを形成する形成部と、を備えるシート製造装置であって、
    前記搬送部は、気流で搬送された被解繊物と前記気流とを、前記気流と前記被解繊物とに分離し、前記被解繊物を前記解繊部へ搬送する分離部を有することを特徴とする、シート製造装置。
  2. 前記分離部は、前記気流で搬送された前記被解繊物が衝突する衝突部を有し、
    前記衝突部により、前記気流が流れる方向と前記被解繊物が前記解繊部へ搬送される方向を異ならせることを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記衝突部が移動し、前記被解繊物が自重落下可能であることを特徴とする、請求項2に記載のシート製造装置。
  4. 前記衝突部は、回転することを特徴とする、請求項3に記載のシート製造装置。
  5. 前記衝突部は、直線状に移動することを特徴とする、請求項3に記載のシート製造装置。
  6. 前記衝突部は、複数の開口を有し、
    前記開口の大きさは前記被解繊物の大きさよりも小さいことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  7. 前記衝突部は、開口を有しない平面であり、
    前記平面は前記被解繊物が搬送される方向と前記気流が流れる方向とを異ならせるように傾斜することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  8. 被解繊物を空気中で解繊し、
    解繊部へ被解繊物を搬送し、
    前記解繊部で解繊された解繊物を用いてシートを形成する、シート製造方法であって、
    気流で搬送された被解繊物と前記気流とを、前記気流と前記被解繊物とに分離し、前記被解繊物を前記解繊部へ搬送することを特徴とする、シート製造方法。
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