JP2015183321A - シート及びシート製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維を含むシートであって、機能材の存在割合が表裏において異なるシートを提供すること。
【解決手段】本発明に係るシートは、繊維と樹脂とを含むシートであって、前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記樹脂の含まれる割合が異なることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート及びシート製造装置に関する。
繊維状の物質を堆積させ、堆積させた繊維の相互間に結合力を働かせてシート状あるいはフィルム状の成形体を得ることは古くから行われている。その典型例として、水を用いた抄造(抄紙)によって紙を製造することが挙げられる。現在においても紙を製造する方法の一つとして抄造法が広く用いられている。抄造法で製造される紙は、一般に例えば木材等に由来するセルロースの繊維が互いに絡み合い、バインダー(紙力増強剤(デンプン糊、水溶性樹脂等))によって互いに部分的に結着されている構造を有するものが多い。
一方、乾式でシート状あるいはフィルム状の成形体を得る例として、特許文献1には、天然セルロース繊維と熱融着性物質とを空気中で混合解繊してマット化し、熱融着性物質を融点以上に加熱して得る難燃性液体吸収体が開示されている。
特開2012−001851号公報
シート状あるいはフィルム状の成形体は、繊維と繊維とがバインダー等により結着された構造を有し、当該構造によって形状及び強度が維持されている。そのため、成形体の全体にわたって強度を保たせるために、従来はバインダー等を成形体においてできるだけ偏り無く配置させることが望ましかった。また、特許文献1に記載の技術では、吸収体中に、水和金属塩化合物(難燃物質)と熱融着性物質とが配合されている。いずれの物質も成形体の難燃性や強度等を得るために配合されており、吸収体においてこれらの物質が偏在すると十分な性能を得られなくなることが容易に予測できる。そのため、特許文献1には、吸収体中での水和金属塩化合物(難燃物質)や熱融着性物質の配置に、意図的にムラを生じさせることについては示唆されていない。
このように、特許文献1に記載の技術等の従来の技術では、シート状の成形体に何らかの機能を付与する物質を配合する場合には、これらの物質はシート中に均一に配置することを目指した開発が行われるのが通常である。
一方、シート状あるいはフィルム状の成形体は、表裏を有する。表と裏とで性質(性状)の異なるシートとしては、例えば、塗工紙や着色紙などが存在するが、これらのシートは、一般には成形体(シート)を製造した後に、さらに、塗布、乾燥、プレス等の追加の工程を経て製造される。したがって、表裏で性状の異なるシートを成形することは、設備やコストの著しい増加を伴う。また、このような製造方法では、着色剤等の機能材の存在割合(濃度)を、シートの厚さ方向で変えることは困難であった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、繊維を含むシートであって、機能材の存在割合が表裏において異なるシートを提供することにある。また、本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、機能材の存在割合が表裏において異なるシートを容易に製造することのできるシート製造装置を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係るシートの一態様は、繊維と樹脂とを含むシートであって、前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記樹脂の含まれる割合が異なることを特徴とする。
このようなシートは、表裏で樹脂の含まれる割合が異なるため、表裏で機械的強度や手触り等の性状を異ならせることができる。
本発明に係るシートにおいて、前記樹脂は、複数の前記繊維を結着していてもよい。このようなシートは、機械的強度に優れる。
本発明に係るシートにおいて、前記シートは紙であってもよい。このようなシートは、表裏で光沢を異ならせることができる。
本発明に係るシートにおいて、前記樹脂は、着色剤を一体に有してもよい。このようなシートは、表裏で色相を異ならせることができる。
本発明に係るシートの一態様は、繊維と粉体とを含むシートであって、前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記粉体の含まれる割合が異なることを特徴とする。
このようなシートは、表裏で粉体の含まれる割合が異なるため、表裏で機械的強度、色相、手触り等の性状を異ならせることができる。
本発明に係るシートにおいて、前記シートは紙であり、前記粉体は、樹脂であってもよい。このようなシートは、表裏で光沢を異ならせることができる。
本発明に係るシートにおいて、前記粉体は着色剤であってもよい。このようなシートは、表裏で色相を異ならせることができる。
本発明に係るシートにおいて、前記粉体は、樹脂と着色剤とを一体に有してもよい。このようなシートは、表裏で色相及び/又は光沢を異ならせることができる。
本発明に係るシートの一態様は、繊維と着色剤とを含むシートであって、前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記着色剤の含まれる割合が異なることを特徴とする。
このようなシートは、表裏で着色剤の含まれる割合が異なるため、表裏で色相を異ならせることができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、上述のシートを製造する。
機能材の存在割合が表裏において異なるシートを容易に製造することができる。
実施形態に係るシートの断面の模式図。 実施形態に係るシート製造装置の模式図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下に説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.シート
本実施形態に係るシートは、繊維と機能材とを含む。そして、本実施形態に係るシートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて機能材の含まれる割合が異なる。図1は、本実施形態のシートの一例であるシート1の断面を模式的に示している。図1の例では、機能材の含まれる量をグラデーションで示しているが、表面(第1面1a)裏面(第2面1b)で機能材の含まれる割合が異なる限り、シート1内部における機能材の分布は限定されない。本実施形態のシートの厚さや密度は特に限定されない。シートの厚さとしては、例えば、0.05mm以上2cm以下である。シートの密度は、例えば、0.1g/cm以上1.5g/cm以下である。
本実施形態のシートは、ボード状、ウェブ状、又は凹凸を有する形状であってもよい。また本実施形態のシートは、紙又は不織布に分類することができる。紙は、例えば、パルプや古紙を原料としシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は、紙より厚いものや低密度のものであり、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。また、本明細書では、紙とは、0.5mm以下の厚さで、0.3g/cm以上の密度のものをいい、その条件に満たないものは不織布とする。
以下、繊維、機能材、及びシートにおける機能材の配置について順に説明する。
1.1.繊維
本実施形態のシートにおいて、繊維は、シートの原料の一部として使用される。係る繊維としては、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられる。更に詳しくは、繊維としては、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなる繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製などを行った再生繊維として用いてもよい。また、繊維は、乾燥されていてもよいし、水、有機溶剤等の液体が含有又は含浸されていてもよい。さらに繊維は、各種の表面処理が施されていてもよい。
本実施形態のシートに含まれる繊維は、独立した1本の繊維としたときに、その平均的な直径(断面が円でない場合には長手方向に垂直な方向の長さのうち、最大のもの、又は、断面の面積と等しい面積を有する円を仮定したときの当該円の直径(円相当径))が、平均で、1μm以上1000μm以下、好ましくは、2μm以上500μm以下、より好ましくは3μm以上200μm以下である。
本実施形態のシートに含まれる繊維の長さは、特に限定されないが、独立した1本の繊維として、その繊維の長手方向に沿った長さは、1μm以上5mm以下、好ましくは、2μm以上3mm以下、より好ましくは3μm以上2mm以下である。また、繊維の平均の長さは、長さ−長さ加重平均繊維長として、20μm以上3600μm以下、好ましくは200μm以上2700μm以下、より好ましくは300μm以上2300μm以下である。さらに、繊維の長さは、ばらつき(分布)を有してもよい。
本明細書では、繊維というときには、繊維1本のことを指す場合と、複数の繊維の集合体(例えば綿のような状態)のことを指す場合とがある。
繊維は、被解繊物を解繊処理することにより繊維状に解きほぐされた繊維(解繊物)であってもよい。ここで被解繊物としては、例えば、パルプシート、紙、古紙、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット、段ボールなどの、繊維が絡み合い又は結着されたものを指す。また、本明細書において、被解繊物は、本実施形態のシート若しくは使用後の該シート(古シート)であってもよい。また、被解繊物には、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス、金属からなる繊維等(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)が含まれていてもよい。
1.2.機能材
本実施形態のシートは、機能材を含む。機能材としては、樹脂、着色剤、複合体、難燃剤等が挙げられるが、これらに限定されない。機能材は、有機溶剤、界面活性剤、防黴剤・防腐剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、酸素吸収剤等を含んでもよい。機能材は、シートに対して、例えば、着色、繊維と繊維との結着、シート同士若しくはシートと他の物体との接着又は貼着、シートの難燃化、等の機能を付与する。以下、機能材の例として、樹脂、着色剤、複合体について説明する。シート全体における機能材の配合量は、特に限定されないが、例えば、シート全体に対して5質量%以上70質量%以下である。
1.2.1.樹脂
本実施形態のシートに含まれる機能材は、樹脂であってもよい。機能材が樹脂であることにより、シート中の繊維と繊維とを当該樹脂によって結着することができる。なお、機能材が樹脂である場合、シート中の繊維と繊維とを結着していなくてもよい。
樹脂は、一次粒子として粒子状、繊維状のいずれであってもよい。また、樹脂は、一次粒子が粒子状、繊維状のいずれであっても、粉体として繊維に混合されて、シートに配合される。シートの表面側と裏面側における存在割合の差を大きくしやすい点で、樹脂の一次粒子の形状は、粒子状であるほうが好ましい。
樹脂の種類としては、天然樹脂、合成樹脂のいずれでもよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、本実施形態のシートを被解繊物として、当該シートから繊維を得て、係る繊維と樹脂(機能材)とを含むシート(当該シートも本実施形態のシートであってもよい)を製造する場合、すなわち再生シートを製造する場合には、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。樹脂によって繊維間の結着を行う場合には、熱硬化性樹脂では、再生シート中で結着力を再度発揮させることが困難であるからである。本実施形態のシートに機能材として樹脂を用い、樹脂による繊維の結着を行う場合には、樹脂は、常温で固体である方が好ましく熱によって繊維を結着する点からも熱可塑性樹脂がより好ましい。
機能材として樹脂を用いる場合、天然樹脂としては、ロジン、ダンマル、マスチック、コーパル、琥珀、シェラック、麒麟血、サンダラック、コロホニウムなどが挙げられ、これらを単独又は適宜混合したものが挙げられ、また、これらは適宜変性されていてもよい。また、合成樹脂のうち熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、合成樹脂のうち熱可塑性樹脂としては、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン
、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。また、共重合体化や変性を行ってもよく、このような樹脂の系統としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
また、樹脂によって繊維間を結着する場合には、樹脂は、200℃以下で溶融又は軟化するものが好ましく、160℃以下で溶融又は軟化するものが省エネルギーの観点でさらに好ましい。
本実施形態のシートに含まれる機能材を樹脂とする場合には、樹脂は、繊維と繊維とを結着する機能を有してもよい。また、樹脂は、シートの表面の光沢を高める機能を有してもよい。さらに、樹脂は、他の機能材(着色剤など)がシートから脱落することを抑制する機能を有してもよい。
本明細書において、「繊維と樹脂とを結着する」とは、繊維と樹脂(機能材)とが離れにくい状態や、繊維と繊維との間に樹脂が配置され、繊維と繊維とが樹脂を介して離れ難くなっている状態をいう。また、結着とは、接着を含む概念であって2種以上の物体が接触して離れにくくなった状態を含む。また、繊維と繊維とが樹脂を介して結着した際に、繊維と繊維とが平行に又は交差してもよいし、1本の繊維に複数の繊維が結着してもよい。
樹脂が繊維と繊維とを結着する機能を果たす場合には、例えば、シートを形成する際に、樹脂を溶融又は軟化させて繊維間を結着させるようにする。具体的には、繊維と樹脂とを混合した後に、熱プレス、ヒートローラー等により、加熱して所定の形状に成形する。この場合、樹脂のガラス転移温度(軟化点)又は融点(結晶性ポリマーの場合)付近以上の温度に加熱すると、樹脂が軟化したり溶けたりし、繊維に絡み付くように変形、流動し、その後、温度が低下することにより固化してシートを製造することができる。
樹脂が軟化して繊維に絡み合うように接触し、樹脂が固化することで繊維と繊維とを互いに結着することができる。また、固化する際に他の繊維が結着することで、繊維と繊維を結着する。この場合には、本実施形態のシートは、紙であるということができる。
樹脂の融点、軟化点、硬化温度等は、繊維の融点、分解温度、炭化温度よりも低いことが好ましく、そのような関係となるように両者の種類を組み合わせて選択することが好ましい。
また加熱の際には、圧力を加えてもよい。加えられる圧力の大きさは、成形されるシートの種類により適宜調節されるが、例えば、100kPa以上1MPa以下とすることができる。加えられる圧力が小さければ、空隙率の大きいシートが得られ、加えられる圧力が大きければ空隙率の小さい(密度の高い)シートが得られることになる。また、繊維及び樹脂の混合物がウェブ状に形成された場合には、その厚さに対して1/5〜1/100程度の厚さになるように圧縮してもよく、圧縮の程度により空隙率が調節されてもよい。
樹脂は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機、二本ロール、三本ロール、連続式ニーダー、連続式二本ロールなどを用いて混練した後、適宜の方
法でペレタイズし、粉砕することにより得ることができる。樹脂は様々な大きさのものが含まれている場合もあり、公知の分級装置を用いて分級してもよい。また、樹脂粒子の外形形状は、特に限定されず、球状、円盤状、繊維状、不定形等の形状であってもよい。
1.2.2.着色剤
本実施形態のシートに含まれる機能材は、着色剤であってもよい。着色剤は、本実施形態のシートの色を所定のものとする機能を有する。着色剤としては、顔料を用いることができ、一次粒子が粒子状であり、粉体として繊維に混合されて、シートに配合される。
顔料としては、その色、種類ともに、特に限定されず、例えば、一般的なインクに使用される各種の色(白、青、赤、黄、シアン、マゼンダ、イエロー、黒、特色(パール、金属光沢)等)の顔料を使用することができる。顔料は無機顔料でもよいし、有機顔料でもよい。顔料としては、特開2012−87309号公報や特開2004−250559号公報に記載された周知の顔料を用いることができる。また、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の白色顔料等を用いてもよい。これら顔料は、単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよい。なお、白色の顔料を使用する場合には、前記例示したもののうち、酸化チタンを主成分とする粒子(顔料粒子)を含む粉体からなる顔料を使用することが、酸化チタンの屈折率の高さから、少ない配合量で、製造されるシートにおける白色度を高めることが容易な点でより好ましい。
本明細書では、顔料という場合、その単位粒子(顔料粒子)の複数が集合した粉体の意味も含む。また、単位粒子(顔料粒子)とは、通常の粉砕手段によって、それ以上小さくすることが困難な粒子のことをいう。例えば、材質が酸化チタンである白色顔料においては、その単位粒子(顔料粒子)は、酸化チタンの微結晶を一次粒子とし、当該一次粒子が複数集合したものであってもよい。この場合の一次粒子間の凝集は、化学的な結合若しくは双晶を形成して凝集している場合があり、機械的な粉砕が困難であることが多い。また、1個の顔料粒子の構造は、それ自体が一次粒子であってもよいし、一次粒子の結合体であってもよい。
1.2.3.複合体
本実施形態のシートに含まれる機能材は、複合体であってもよい。複合体としては、樹脂と着色剤とが一体となったもの、樹脂と他の物質とが一体となったものを挙げることができる。例えば、上述の樹脂は、上述の着色剤を一体に有してもよい。本明細書では、樹脂がこれらの物質を一体に有する態様を、複合体と称することがある。
複合体は、樹脂を含むことにより、シート中の繊維と繊維とを当該樹脂によって結着することができる。なお、機能材が複合体である場合、シート中の繊維と繊維とを結着していなくてもよい。複合体は、一次粒子として粒子状、繊維状のいずれであってもよい。また、複合体は、一次粒子が粒子状、繊維状のいずれであっても、粉体として繊維に混合されて、シートに配合される。シートの表面側と裏面側における存在割合の差を大きくしやすい点で、複合体の一次粒子の形状は、粒子状であるほうが好ましい。
複合体が樹脂及び着色剤を一体に有する状態とは、複合体から樹脂又は着色剤が、シートにおいて、バラバラになり難い(脱落し難い)状態のことをいう。すなわち、複合体が樹脂及び着色剤を一体に有する状態とは、樹脂によって着色剤が互いに接着されている状態、樹脂に着色剤が構造的(機械的)に固定されている状態、樹脂と着色剤とが静電気力、ファンデルワールス力等により凝集している状態、及び樹脂と着色剤とが化学結合されている状態にあることを指す。また、複合体が樹脂及び着色剤を一体に有する状態とは、着色剤が樹脂に内包されている状態でも着色剤が樹脂に付着している状態でもよく、その
2つの状態が同時に存在する状態を含む。
複合体における着色剤の含有量は、0質量%を越え50質量%以下が好ましい。複合体における着色剤の含有量は、質量部(外添加:樹脂に対する着色剤の添加量)で表現すると、0質量部を越え100質量部以下である。複合体における、着色剤の含有量は、製造されるシートの十分な強度、着色を得るという観点、複合体からの着色剤の脱落を抑制するという観点、複合体の形状の安定性(複合体が衝撃等により脆性的に破壊することを抑制する)といった観点から、1質量%以上50質量%以下が好ましく、さらに、2質量%以上30質量%以下、3質量%以上20質量%以下とすることがより好ましい。
1.3.シートにおける機能材の配置
シートは、表面及び裏面を有している。換言すると、シートは、一方の面と、該一方の面の裏面とを有している。そして、本実施形態のシートにおいて、上述の機能材の含まれる割合は、一方の面と、該一方の面の裏面とにおいて異なる。さらに、図1を参照して、換言すると、シート1は、厚さを規定する第1面1a及び第2面1bを有し、第1面1aに含まれる機能材の割合は、第2面1bに含まれる機能材の割合と異なる。
シートに含まれる機能材が、粉体である場合には、当該シートをエアレイドによって形成する場合に、粉体の存在量を表裏においてより大きく異ならせることができる。ここで、エアレイドとは、空気の流れを利用してシートを形成する成型方法のことを指す。より具体的には、エアレイドとは、原料(繊維及び機能材を含む)が空気を媒体として移送され、メッシュ等の型の上に堆積される態様のことを指す。より具体的には、後述するシート製造装置におけるシート成形部がエアレイドの態様となっている。
機能材が樹脂を含む場合であって、粉体の状態で供給された場合、機能材は、シート中に粒子として存在してもよいし、繊維間を結着する場合等、融解して流動した結果の形状でシート中に存在してもよい。
ここで、シートが繊維及び樹脂を含む場合、すなわち機能材が樹脂を含む場合には、ある面における機能材の含まれる割合とは、当該面の樹脂による被覆率で規定される。被覆率については次項で説明する。なお、機能材が、樹脂を含まない場合においても、ある面における機能材の含まれる割合は、樹脂を含む場合に準じた被覆率で規定される。
1.3.1.被覆率
シートの表面(表面及び裏面)の被覆率は、以下のように定義される。
まず、シートの面(表面又は裏面)を、光学顕微鏡で観察し、カラー画像を取得する。カラー画像で撮像するのは観察光量の影響により画像の白さが変化するのを避けるためである。モノクロ撮像においては観察光量の影響により黒部が白く映る場合があること、また、その逆で白部が黒く映る場合があること等、画像の状態が安定しないため、白部と黒部の境界を常に同じ状態で観察することが難しい。しかし、当該方法のようにカラーで撮像を行えば、通常の観察状態においては色の違いを認識することができ、常に境界の位置を正しく認識することができる。なお、白部は、シートに含まれる繊維に対応する。また、黒部は、シートに含まれる機能材に対応する。
撮像された画像を画像処理によって、繊維の色(例えば白部)と繊維以外の色(例えばカラー部)に区別し、面積比を計算する。撮像された画像をピクセル単位で分解し、RGBのデータに変換することによって各々のピクセルが白部であるのか、カラー部であるのか判別することができる。白部のピクセル数の総カウントを全体のピクセル数で割り、白部の面積比を計算することができる。
本明細書で用いている「被覆率」は繊維の露出していない部分の割合で定義される。そのため、上記計算による白部面積比(%)を100%から差し引き、得られた数値を機能材の被覆率として求めることができる。また、逆に露出率は、白部面積比(%)であり、100%から被覆率(%)を差し引いたものとして定義される。
被覆率を求める際には、繊維部分と機能材部分の区別を明確につけるため、あらかじめ機能材に繊維の色以外の色の顔料(シアン・マゼンタ等明らかに白色と異なる色が望ましい)を添加しておき、判別しやすくしてもよい。なお、繊維の色は白以外であってもよい。
1.3.2.傾斜組成
本実施形態のシートは、少なくとも、機能材の含まれる割合が、表面と裏面とにおいて異なればよく、表面側から裏面側にかけての機能材の分布は、特に限定されない。例えば、表面における機能材の含まれる割合が、裏面における機能材の含まれる割合よりも小さい場合には、表面側から裏面側に向かって、機能材の存在量が単調に増加してもよいし、極大、極小を有するように変化してもよい。また、その逆の場合も同様である。
1.4.作用効果
本実施形態のシートは、表裏で機能材の含まれる割合が異なるため、表裏で機械的強度、手触り、外観等の性状を異ならせることができる。本実施形態のシートに含まれる機能材が樹脂を含み、該樹脂が繊維間を結着している場合には、シートの表裏で機械的強度が異なるとともに高い機械的強度を持たせることができる。また、この場合、樹脂の含まれる割合の高い側の面同士の熱融着等が可能である。また、本実施形態のシートに含まれる機能材が樹脂を含み、該樹脂が繊維間を結着してシートが紙である場合には、表裏で光沢の差を持たせることができる。本実施形態のシートに含まれる機能材が、着色剤を一体に有した樹脂である場合には、表裏で機械的強度、色相及び/又は光沢を異ならせることができる。また、本実施形態のシートに含まれる機能材が、粉体である場合には、シートに表裏方向の存在量の差を大きくして製造することがより容易である。本実施形態のシートに含まれる機能材が、着色剤(粉体)である場合には、表裏で色相(例えば白色度)を異ならせることができる。
2.シート製造装置
本実施形態に係るシート製造装置は、上述のシートを容易に製造することができる。以下に本実施形態のシート製造装置の一例として、シート製造装置100について説明する。本実施形態に係るシート製造装置100は、少なくとも、混合部30と、ほぐし部70と、シート成形部75と、を備える。図2は、本実施形態に係るシート製造装置100を概略的に示す模式図である。以下、本実施形態のシート製造装置100について、混合部30、ほぐし部70及びシート成形部75を中心として説明する。
2.1.混合部
本実施形態のシート製造装置100に備えられる混合部30は、繊維と機能材と、を大気中で混合する(混ぜ合せる)機能を有する。混合部30では、少なくとも繊維及び機能材が混ぜ合される。混合部30においては、繊維及び機能材以外の成分が混ぜ合されてもよい。本明細書において「繊維と機能材とを混ぜ合せる」とは、一定容積の空間(系)内で、繊維と繊維との間に機能材を位置させることを意味する。また、以下、混合部30によって混ぜ合わされた繊維と機能材との混合物を単に「混合物」と称することがある。
本実施形態のシート製造装置100では、混合部30は、混合部30a及び混合部30bの2系統で構成される。図2には、各系統で同様の作用機能を有するものには同様の符
号を付している。また、混合部30の各系統に、それぞれ、ほぐし部70及びシート成形部75のサクション機構78が設けられている。図示の例では、繊維は、解繊部によって被解繊物が解繊処理された解繊物(繊維)が、分級部50を経た後に、分岐部89において、混合部30の2つの系統に対して分配されて導入される。繊維の2つの系統への分配量は、例えば、各系統への送気量によって調節されることができる。また、分岐部89は、弁を含んで構成されてもよく、当該弁によって各系統への繊維の導入量を変化させてもよい。混合部30の2つの系統の構成は同一であるため、以下、1つの系統の構成について説明する。
混合部30は、繊維と機能材とを混ぜ合せることができれば、その構成、構造及び機構等は特に限定されない。また、混合部30における混ぜ合せの処理の態様は、回分処理(バッチ処理)であっても、逐次処理、連続処理のいずれであってもよい。また、混合部30は、手動で動作されても自動で動作されてもよい。さらに、混合部30は、少なくとも繊維及び機能材を混ぜ合せるが、その他の成分を混ぜ合せることのできる態様であってもよい。混合部30によって混ぜ合された混合物は、ほぐし部70等の他の構成によってさらに混ぜ合されてもよいため、この観点では、ほぐし部70も混合部とみなすことができる。
混合部30における混ぜ合せの処理としては、機械的な混合、流体力学的な混合を例示することができる。機械的な混合としては、繊維及び機能材を、例えば、ヘンシェルミキサー等に導入して撹拌する方法や、袋に繊維及び機能材を封入して該袋を振とうする方法などが挙げられる。また、流体力学的な混ぜ合せの処理としては、例えば、大気等の気流中に繊維及び機能材を導入して気流中で相互に拡散させる方法が挙げられる。係る大気等の気流中に繊維及び機能材を導入する方法では、繊維が気流によって流動(移送)されている管等に機能材を投入してもよいし、機能材が気流によって流動(移送)されている管等に繊維を投入してもよい。なお、係る方法の場合には、管等の中の気流は、乱流であるほうが混ぜ合せの効率がよくなることがあるためより好ましい。
混合部30は、機能材を繊維の流通経路に導入するフィーダーを含んで構成されてもよい。例えば、図2に示すように、混合部30として、繊維の移送のために管86を採用する場合、大気等の気流により繊維を流動させた状態で機能材を機能材供給部88によって導入する方法がある。混合部30に管86を採用する場合における気流の発生手段としては、図示せぬブロワーなどが挙げられ、上記の機能が得られる限り、適宜に使用することができる。
混合部30に管86を採用する場合における機能材の導入は、弁の開閉操作や作業者の手で行うこともできるが、機能材供給部88としての図2に示すようなスクリューフィーダーや図示せぬディスクフィーダーなどを用いて行うことができる。これらのフィーダーを用いると、気流の流れ方向における機能材の含有量(添加量)の変動を小さくすることができるためより好ましい。図示の例では、機能材は、機能材供給部88から管86に設けられた供給口87を通じて管86に供給される。したがって、図示の例では、混合部30は、管86、機能材供給部88及び供給口87によって構成されている。
本実施形態のシート製造装置100では、混合部30は、乾式の態様である。ここで、混合における「乾式」とは、液体中ではなく大気中(空気中)で混合させる状態をいう。すなわち、混合部30は、乾燥状態で動作してもよいし、不純物として存在する液体又は意図的に添加される液体が存在する状態で動作してもよい。
混合部30の処理能力は、繊維及び機能材を混ぜ合せることができる限り、特に限定されず、シート製造装置100の製造能力(スループット)に応じて適宜設計、調節するこ
とができる。混合部30の処理能力の調節は、バッチ処理の態様であれば、その処理容器の大きさや仕込み量などを変化させて行うことができ、また、混合部30として上述したような管86、機能材供給部88を採用する場合には、管86内の繊維及び機能材を移送するための気体の流量や、材料の導入量、移送量等を変化させることにより行うことができる。なお、混合部30として、図示のような管86及び機能材供給部88を採用する場合においても、繊維及び機能材を十分に混ぜ合せることができる。
機能材供給部88から供給される機能材は、上述のとおり、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む場合がある。この場合、機能材が管86に供給された時点では、複数の繊維は、意図的には互いに結着されていない。機能材に樹脂が含まれる場合であって、加熱部60(任意の構成である(後述する))を設けた場合に、加熱部60を通過する際に溶融又は軟化して、その後冷却固化することにより複数の繊維を結着させ、紙が得られることとなる。
本実施形態のシート製造装置100には2系統の混合部30(混合部30a,混合部30b)が設けられており、それぞれの系統に機能材供給部88(機能材供給部88a、機能材供給部88b)が設けられている。そのため一方の機能材供給部88(例えば機能材供給部88a)から導入される機能材のシートに対する割合を、他方(例えば機能材供給部88b)と異なるようにする。これにより、上述した表裏で機能材の含まれる割合が異なるシートを容易に製造することができる。また、機能材供給部88から導入される機能材のシートに対する割合は、2つの系統において、どちらが大きくても構わない。しかし、機能材が粉体の性状である場合には、ウェブWが形成される際(後述する)に、機能材が下方(メッシュベルト76に近い側)に偏在しやすいため、2つの系統のうち、ウェブWの下方側となる系統(図示の例では機能材供給部88aの系統)において、機能材のシートに対する割合を大きくするほうがより好ましい。
2.2.ほぐし部
シート製造装置100は、ほぐし部70を有する。図2に示すシート製造装置100では、混合部30の下流にほぐし部70及びシート成形部75が配置されている。混合部30の各系統(混合部30a及び混合部30b)に対して、それぞれほぐし部70a及びほぐし部70bが設けられている。また、混合部30の各系統(混合部30a及び混合部30b)に対して、それぞれシート成形部75のサクション機構78a及びサクション機構78bが設けられている。
図2には、2つの系統で同様の作用機能を有するものには同様の符号を付している。ほぐし部70及びサクション機構78の2つの系統の構成は同一であるため、以下、一方の系統の構成を中心に説明する。
ほぐし部70は、管86(混合部30)を通過した繊維と機能材との混合物を導入口71から導入し、空気中で分散させながら降らせることができる。また、シート製造装置100は、シート成形部75を有しており、シート成形部75にて、ほぐし部70から降ってきた混合物を空気中で堆積してウェブWの形状に成形する態様であり、エアレイドの一種となっている。また、図示の例では、2つの系統のほぐし部70のうち、ほぐし部70aは、シート成形部75の上流側に設けられ、ほぐし部70bは、シート成形部75の下流側に設けられている。したがって、ほぐし部70a(混合部30aの系統)を通ってシート成形部75に堆積される混合物の上に、ほぐし部70b(混合部30bの系統)を通ってシート成形部75に堆積される混合物が堆積される。
ほぐし部70は、絡み合った解繊物(繊維)をほぐす。ほぐし部70は、後述するシート成形部75に、混合物を均一に堆積させる作用を有する。つまり、「ほぐす」という言
葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、ほぐし部70は、絡み合った繊維等が無ければ均一に堆積させる効果を奏する。
ほぐし部70としては、篩(ふるい)を用いる。ほぐし部70の例としては、モーターによって回転することができる回転式の篩である。ここでほぐし部70の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ほぐし部70として用いられる「篩」とは、網(フィルター、スクリーン)を備えたもの、という意味であり、ほぐし部70は、ほぐし部70に導入された繊維および機能材の全てを降らしてもよい。
2.3.シート成形部
シート製造装置100は、シート成形部75を有する。ほぐし部70を通過した繊維および機能材の混合物は、シート成形部75に堆積される。図2に示すように、シート成形部75は、メッシュベルト76、張架ローラー77、サクション機構78を有する。サクション機構78は、混合部30の2つの系統に対してそれぞれサクション機構78a及びサクション機構78bが設けられている。シート成形部75は、図示せぬテンションローラー、巻き取りローラー等を含んで構成されてもよい。
シート成形部75は、ほぐし部70から降ってくる混合物を空気中で堆積させたウェブWを形成するものである(ほぐし部70と合わせてウェブ形成工程に相当する。)。シート成形部75は、ほぐし部70によって空気中に均一に分散された混合物を、メッシュベルト76上に堆積する機構を有している。
ほぐし部70の下方には、張架ローラー77(本実施形態では、4つの張架ローラー77)によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト76が配されている。そして、張架ローラー77のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト76が一方向に移動するようになっている。
また、ほぐし部70a及びほぐし部70bの鉛直下方には、メッシュベルト76を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション機構78a及びサクション機構78bがそれぞれ設けられている。サクション機構78によって、ほぐし部70によって空気中に分散された混合物をメッシュベルト76上に吸引することができる。これにより、空気中に分散させた混合物を吸引することができ、ほぐし部70からの排出速度を大きくすることができる。その結果、シート製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション機構78によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や機能材が絡み合うことを防ぐことができる。
そして、メッシュベルト76を移動させながら、ほぐし部70から混合物を降らせることにより、混合物を均一に堆積させた長尺状のウェブWを形成することができる。ここで「均一に堆積」とは、堆積された堆積物が略同じ厚み、略同じ密度で堆積されている状態を言う。ただし、堆積物全てが紙として製造される訳ではないため、紙になる部分が均一であればよい。「不均一に堆積」は均一に堆積していない状態をいう。
メッシュベルト76は、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等であることができ、混合物が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものでもあってもよい。メッシュベルト76の穴径(直径)は、例えば、60μm以上250μm以下である。メッシュベルト76の穴径が60μmより小さいと、サクション機構78によって安定した気流を形成することが困難な場合がある。メッシュベルト76の穴径が250μmより大きいと、メッシュの間に例えば混合物の繊維が入り込んで、製造される紙の表面の凹凸が大きくなる場合がある。またサクション機構78はメッシュベルト76の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にするこ
とで構成できる。
以上のように、ほぐし部70及びシート成形部75(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。次いで、図2に示すように、メッシュベルト76上に形成されたウェブWは、メッシュベルト76の回転移動により搬送される。
以上のようにして、ウェブWが形成される。機能材に樹脂が含まれない場合には、ウェブWに対する加熱等の工程は任意であり、そのまま若しくは必要に応じて加圧、加熱、裁断等の処理が行われ、本実施形態のシート1が形成される。すなわち、2系統の一方の機能材供給部88から導入される機能材の繊維に対する割合が他方と異なり、かつ、ほぐし部70により、順次堆積されるため、ウェブWは、上述した表裏で機能材の含まれる割合が異なるシート1となっている。
本実施形態のシート製造装置100では、メッシュベルト76上に形成されたウェブWは、加熱部60へと搬送される。機能材に樹脂が含まれている場合には、加熱されることによって、繊維と繊維とが結着され、ウェブWを紙や不織布等のシートS(上述した表裏で機能材の含まれる割合が異なるシート1)とすることができる。
2.4.加熱部
本実施形態のシート製造装置100は、加熱部60を備える。加熱部60は、上述のシート成形部75よりも下流側に設けられる。加熱部60は、上述のシート成形部75において形成されたウェブWを加熱し、複数の繊維を互いに機能材(樹脂を含む態様の場合)を介して結着させた状態を形成する。また、加熱部60が、混合物を所定の形状に成形する機能を有してもよい。
加熱部60では、混合部30において混ぜ合された解繊物及び機能材の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を互いに樹脂を介して結着する。機能材の構成成分に樹脂が含まれる場合で当該樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、そのガラス転移温度(軟化点)又は融点(結晶性ポリマーの場合)付近以上の温度に加熱すると、樹脂が軟化したり溶けたりし、温度が低下して固化する。樹脂が軟化して繊維に絡み合うように接触し、樹脂が固化することで繊維と機能材とを互いに結着することができる。また、固化する際に他の繊維が結着することで、繊維と繊維を結着する。機能材の樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、軟化点以上の温度に加熱してもよいし、硬化温度(硬化反応を生じる温度)以上に加熱しても繊維と樹脂とを結着することができる。なお、樹脂の融点、軟化点、硬化温度等は、繊維の融点、分解温度、炭化温度よりも低いことが好ましく、そのような関係となるように両者の種類を組み合わせて選択することが好ましい。なお、機能材の構成成分に樹脂が含まれる場合であっても、加熱部60において溶融、流動されない樹脂が存在してもよい。
また加熱部60においては、混合物に熱を与えることの他に、圧力を加えてもよく、その場合には、加熱部60は、混合物を所定の形状に成形する機能を有することになる。加えられる圧力の大きさは、成形される紙の種類により適宜調節されるが、100kPa以上1MPa以下とすることができる。加えられる圧力が小さければ、空隙率の大きいシート(紙、不織布)が得られ、大きければ空隙率の小さい(密度の高い)シート(紙、不織布)が得られることになる。
加熱部60の具体的な構成としては、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などが挙げられる。図2に示す本実施形態のシート製造装置100では、加熱部60は、加熱ローラー6
1によって構成されている。加熱部60は、ウェブWを加圧する機能を担ってもよい。そして、ウェブWを加熱することにより、ウェブWに含まれる繊維同士を樹脂を介して結着させることができる。
図示の例では、加熱部60は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加熱及び加圧するように構成されており、一対の加熱ローラー61を有している。加熱部60はローラー等によって構成できる他、平板状のプレス部によっても構成することができる。この場合には、プレスをしている間、搬送されるウェブを一時的にたるませておくようなバッファー部(図示せず)を必要に応じて設ける。一方、加熱部60を加熱ローラー61として構成したことにより、加熱部60を平板状のプレス部として構成した場合に比べてウェブWを連続的に搬送しながらシートを成形することができる。
本実施形態のシート製造装置100の加熱部60は、ウェブWの搬送方向において上流側に配置された第1加熱部60aとその下流側に配置された第2加熱部60bとを備えており、第1加熱部60a及び第2加熱部60bがそれぞれ一対の加熱ローラー61を備えている。また、第1加熱部60aと第2加熱部60bとの間には、ウェブWの搬送を補助するガイドGが配置されている。
加熱ローラー61は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の中空の芯金で構成されている。加熱ローラー61の表面には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素を含むチューブやPTFE等のフッ素コーティングの離型層が設けられてもよい。なお、芯金と離型層との間にシリコンゴム、ウレタンゴムやコットン等による弾性層を設けてもよい。当該弾性層を設けることにより、一対の加熱ローラー61を高荷重で圧接する場合に、加熱ローラー61対が加熱ローラー61の軸方向において均一に接触させることができる。
また、芯金の中心部には、加熱手段として、例えばハロゲンヒーター等の加熱材が設けられている。加熱ローラー61及び加熱材は図示しない温度検知部によって各温度が取得され、取得された温度に基づいて加熱材の駆動が制御される。これにより、加熱ローラー61の表面温度が所定の温度に維持することが可能となる。そして、加熱ローラー61間にウェブWを通過させることにより、搬送されるウェブWに対して加熱加圧することができる。なお、加熱手段として、ハロゲンヒーター等に限定されず、例えば、非接触ヒーターによる加熱手段や温風による加熱手段を用いてもよい。
なお図示した加熱部60は、一対の加熱ローラー61が2組ある例であるが、加熱部60に加熱ローラー61を採用する場合には、加熱ローラー61の数や配置は限定されず、上記作用を達成できる範囲で任意に構成することができる。また、各加熱部60の加熱ローラー61の構成(離型層・弾性層・芯金の厚みや材質、ローラーの外径)や加熱ローラー61を圧接する荷重は、各加熱部60によって異なっていてもよい。
上記したように、加熱部60(加熱工程)を経ることにより、機能材に樹脂が含まれる場合、該樹脂が溶融し、解繊物中の繊維と絡みやすくなるとともに繊維間が結着される。以上のようにして本実施形態のシートS(シート1)が製造される。
2.5.その他の構成
本実施形態のシート製造装置100は、上述の混合部、ほぐし部、シート成形部、加熱部の他に、粗砕部、解繊部、分級部、加圧部、選別部、切断部等の各種の構成を有することができる。また、混合部、ほぐし部、シート成形部、加熱部、粗砕部、解繊部、分級部、加圧部、選別部、切断部等の構成は、必要に応じて複数設けられてもよい。
2.5.1.解繊部
シート製造装置100は、解繊部20を有してもよい。混合部30には、繊維が導入されるが、当該繊維は、解繊部20によって供給されてもよい。解繊部20は、被解繊物を解繊処理する。解繊部20は、被解繊物を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた解繊物を生成する。係る解繊物は繊維を含み、この繊維を上述の混合部30に供給するように構成してもよい。また解繊部20は、被解繊物に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の粒子状の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
ここで、「解繊処理」とは、複数の繊維が結着されてなる被解繊物を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。解繊物は、上述のシートの構成の一つである繊維である。
なお、本明細書では、シート製造装置において、製造されるシートの材料(原料、被解繊物、解繊物(繊維)、ウェブ等)の流れ(概念的な流れを含む)に対して、「上流」、「下流」等の表現を用いる。また、「上流側(下流側)」という表現は、構成の位置を相対的に特定する場合に用い、例えば、「AがBの上流側(下流側)にある」などという場合には、Aの位置がBの位置に対して、シートの材料の流通方向に照らして上流(下流)にあることを指す。
解繊部20は、混合部30に繊維を供給するので、混合部30よりも上流側に設けられる。解繊部20と混合部30との間に他の構成が設けられてもよい。また、解繊部20よりも上流側にも他の構成が設けられてもよい。
解繊部20は、被解繊物を解繊処理する機能を有する限り任意である。解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。図示の例では、導入口21から導入された被解繊物が、解繊部20によって解繊され、解繊物(繊維)となり、排出口22から排出される解繊物が、管82、分級部50、管86を介して混合部30に供給される態様となっている。
本明細書において、乾式とは、液体中ではなく大気中(空気中)でという意味である。乾式の範疇には、乾燥状態、及び不純物として存在する液体又は意図的に添加される液体が存在する状態、が含まれる。
解繊部20の構成は特に限定されないが、例えば、回転部(回転子)とこれを覆う固定部とを含み、回転部と固定部との間に隙間(ギャップ)が形成されたものを挙げることができる。解繊部20がこのように構成される場合には、回転部が回転した状態で被解繊物がギャップに導入されることにより、解繊処理が行われる。また、この場合には、回転部の回転数、形状、固定部の形状等は、製造されるシートの性質や全体の装置構成等の要請に合わせて適宜に設計されることができる。また、この場合、回転部の回転速度(1分あたりの回転数(rpm))は、解繊処理のスループット、被解繊物の滞留時間、解繊の程度、ギャップの大きさ、回転部、固定部、その他の各部材の形状や大きさ等の条件を考慮して、適宜に設定することができる。
なお、解繊部20は、被解繊物を吸引し、及び/又は、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有することがより好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、被解繊物を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。排出口22から排出された解繊物は、図2に示す例では、管82に移送される。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、被解繊物を導入口21に導く気流や、排出口22から解繊物を吸出す気流を発生する機構を外付けで設けても差支えない。
2.5.2.分級部
シート製造装置は分級部を有してもよい。図2に示すシート製造装置100では、混合部30の上流側であって、解繊部20の下流側に分級部50が配置されている。分級部50は、解繊物から、樹脂粒、インク粒を分離して除去する。これにより解繊物中の繊維の占める割合を高めることができる。分級部50としては、気流式分級機を用いることが好ましい。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズと密度によって分離するものであり、気流の速度および遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部50としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部50として好適に用いることができる。本実施形態では、分級部50として、サイクロンを用いている。
分級部50は、導入口51と、導入口51が接続された円筒部52と、円筒部52の下方に位置し円筒部52と連続している逆円錐部53と、逆円錐部53の下部中央に設けられている下部排出口54と、円筒部52上部中央に設けられている上部排出口55と、を有している。
分級部50において、導入口51から導入された解繊物をのせた気流は、外径100mm以上300mm以下程度の円筒部52で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、解繊物のうちの繊維と、解繊物のうちの樹脂粒やインク粒などの微細な粉体と、に分離することができる。繊維が多い成分は、下部排出口54から排出され、混合部30に導入される。一方微細な粉体は、上部排出口55から管84を通って分級部50の外部に排出される。図示の例では管84は、受け部56に接続されており、微細な粉体は受け部56に回収される。このように、樹脂粒やインク粒などの微細な粉体は、分級部50によって外部に排出されるため、機能材供給部88によって樹脂が供給されても、解繊物に対して樹脂が過剰になることを防ぐことができる。
なお、分級部50により繊維と微粉とに分離すると記載したが、完全に分離できる訳ではない。例えば繊維のうち比較的小さいものや密度の低いものは微粉とともに外部に排出される場合がある。また微粉のうち比較的密度の高いものや繊維に絡まってしまったものは繊維とともに下流側へ排出される場合もある。
また、原料が古紙でなくパルプシートのような場合は樹脂粒やインク粒などの微細な粉体が含まれていないため、シート製造装置100には分級部50が無くてもよい。逆に、原料が古紙である場合には、製造される紙の色調を良好なものとするために、シート製造装置100は、分級部50を含んで構成することが好ましい。
2.5.3.粗砕部
シート製造装置は粗砕部を含んでもよい。図2に示すシート製造装置100では、解繊部20の上流側に粗砕部10が配置されている。粗砕部10は、パルプシートや古シート(例えばA4サイズの古紙)などの原料を、空気中で裁断して解繊部20に対してより適切な大きさの被解繊物を供給する。被解繊物の形状や大きさは、特に限定されないが、例
えば、数cm角の被解繊物である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。
粗砕部10の具体的な例としては、シュレッダーが挙げられる。図示の例では、粗砕部10によって裁断されたシートは、ホッパー15で受けてから管81を介して、被解繊物として解繊部20へ搬送される。管81は、解繊部20の導入口21と連通している。
2.5.4.選別部
図示は省略するが、本実施形態のシート製造装置は、選別部を有してもよい。選別部は、解繊部20において解繊処理された解繊物を、繊維の長さによって選別する。したがって選別部は、解繊部20の下流で、混合部30よりも上流に設けられる。
選別部としては、篩(ふるい)を用いることができる。ここで、選別部は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網を通過可能な大きさのものと、通過できない大きさのものとを選別する。選別部は、上述のほぐし部70と同様に構成することができるが、ほぐし部70のように導入された材料の全てを通過させるのではなく、一部の成分を除去する機能を有する。選別部の例としては、モーターによって回転することができる回転式の篩である。選別部の網は、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
選別部を設けることにより、解繊物又は混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維又は粒子と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマとを分けることができる。そして、選別された物質は、製造される紙に応じて選択して用いることがでる。また、選別部によって取除かれた物質は、解繊部20に戻してもよい。
2.5.5.加圧部
本実施形態のシート製造装置100は、図示しない加圧部を有してもよい。加圧部は、混合部30の下流側であって、加熱部60の上流側に配置されることができる。加圧部は、ほぐし部70、シート成形部75を経て、シート状に形成されたウェブWを加熱せずに加圧するものであってもよい。従って、加圧部は、ヒーター等の加熱手段を有していない。すなわち、加圧部は、カレンダー処理を行う構成である。
加圧部では、ウェブWを加圧(圧縮)することにより、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められ、ウェブWの密度を高めることができる。加圧部は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加圧するように構成されることができ、一対の加圧ローラーを有する態様を採用することができる。
加圧部では、加熱されず加圧のみ行われるので、機能材中に樹脂が含まれる場合には樹脂は溶融しない。また、機能材中に樹脂が含まれない場合においては、加圧部はウェブWの密度を高める機能を有する。加圧部では、ウェブWが圧縮され、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められる。すなわち、高密度化されたウェブWが形成される。加圧部の加圧力は、加熱部60による加圧力より大きくなるように設定されることが好ましい。例えば、加圧部の加圧力は、500〜3000kgf、加熱部60の加圧力は、30〜200kgfに設定することが好ましい。このように、加熱部60よりも加圧部の加圧力の方を大きくすることにより、加圧部によってウェブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することにより薄くて高密度で高強度のシート(紙)を形成することができる。
また、加熱ローラー61の径より加圧ローラーの径の方が大きくなるように設定されて
もよい。換言すれば、ウェブWの搬送方向において、上流側に配置された加圧ローラーの径が、下流側に配置された加熱ローラー61の径よりも大きくしてもよい。加圧ローラーの径を大きくすると、未だ圧縮されていない状態のウェブWを噛み込ませて効率よく搬送することが可能となる。一方、加圧ローラーを通過したウェブWは圧縮された状態にあり、搬送しやすいため、加圧ローラーよりも下流側に配置された加熱ローラー61の径を小さくすることができる。これにより、装置構成を小型化することができる。なお、加熱ローラー61及び加圧ローラーの径は、製造されるウェブWの厚み等に応じて適宜設定される。
2.5.6.切断部
シート製造装置は切断部90を含んでもよい。図2に示すように、本実施形態のシート製造装置100は、加熱部60よりも下流側に、ウェブW(シートS)の搬送方向と交差する方向に紙を切断する切断部90としての第1切断部90a及び第2切断部90bが配置されている。切断部90は、必要に応じて設けられることができる。第1切断部90aは、カッターを備え、連続状のシートを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。また、第1切断部90aよりシートの搬送方向の下流側には、シートの搬送方向に沿ってシートを切断する第2切断部90bが配置されている。第2切断部90bは、カッターを備え、シートの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズのシートS(1)が形成される。そして、切断されたシートS(1)はスタッカー95等に積載される。
2.5.7.その他
シート製造装置100は、2系統の混合部30、ほぐし部70及びサクション機構78を有する例であるが、1系統で構成することも可能である。この場合、ウェブの表裏において機能材の含まれる割合の差が出るようなメッシュベルト76の目開き、及び/又はサクション機構78の吸引力とする。このようにしても上述した表裏で機能材の含まれる割合が異なるシートを製造することができる。
本実施形態のシート製造装置100は、上記例示した構成以外の構成を有することもでき、上記例示した構成を含めて目的に応じて複数の構成を適宜有することができる。各構成の数や順序は特に限定されず、目的に応じて適宜に設計することができる。以上説明したとおり、本実施形態のシート製造装置100は、機能材の存在割合が表裏において異なるシートを容易に製造することができる。
3.その他の事項
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
上述の実施形態において、ある面における樹脂の含まれる割合は被覆率で規定されるとしたが、これに限らない。表面と裏面で樹脂の割合が異ならないシートに、本発明のシートの表面を熱融着させた場合と裏面を熱融着させた場合とで、シートを剥がすときの剥がす力に差が出た場合に、表面と裏面で含まれる樹脂の割合が異なるとみなすことができる。これは、例えば表面の方が樹脂の割合が多い方が、接着力が大きくなり、剥がす際の力の大きくなるからである。また、光沢度の違いや表面粗さの違いから、表面と裏面の樹脂の含まれる割合の違いを見てもよい。なお、樹脂の含まれる割合とは、その面における樹
脂の面積の割合としてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…シート、1a…第1面、1b…第2面、10…粗砕部、11…粗砕刃、15…ホッパー、20…解繊部、21…導入口、22…排出口、30,30a,30b…混合部、50…分級部、51…導入口、52…円筒部、53…逆円錐部、54…下部排出口、55…上部排出口、56…受け部、60…加熱部、60a…第1加熱部、60b…第2加熱部、61…加熱ローラー、70a,70b…ほぐし部、71a,71b…導入口、75…シート成形部、76…メッシュベルト、77…張架ローラー、78a,78b…サクション機構、81,82,84,86a,86b…管、87a,87b…供給口、88a,88b…機能材供給部、89…分岐部、90…切断部、90a…第1切断部、90b…第2切断部、95…スタッカー、100…紙製造装置、G…ガイド、W…ウェブ、S…シート

Claims (10)

  1. 繊維と樹脂とを含むシートであって、
    前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記樹脂の含まれる割合が異なることを特徴とする、シート。
  2. 前記樹脂は、複数の前記繊維を結着することを特徴とする、請求項1に記載のシート。
  3. 前記シートは紙であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のシート。
  4. 前記樹脂は、着色剤を一体に有することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシート。
  5. 繊維と粉体とを含むシートであって、
    前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記粉体の含まれる割合が異なることを特徴とする、シート。
  6. 前記シートは紙であり、前記粉体は、樹脂であることを特徴とする、請求項5に記載のシート。
  7. 前記粉体は着色剤であることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のシート。
  8. 前記粉体は、樹脂と着色剤とを一体に有することを特徴とする、請求項5に記載のシート。
  9. 繊維と着色剤とを含むシートであって、
    前記シートは、一方の面と、前記一方の面の裏面とにおいて前記着色剤の含まれる割合が異なることを特徴とする、シート。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のシートを製造するシート製造装置。
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